| 【発明の名称】 |
充填物質のレベリング方法およびレベリング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂井田 敦資 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】谷口 敏尚 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】竹田 喬一 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】矢崎 芳太郎 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】各孔内に充填された充填物質の充填高さを所望の一定の充填高さに揃えることができる、充填物質のレベリング方法およびレベリング装置を提供する。
【解決手段】充填物質pが孔h内に充填されたシート材10表面に対して、スポンジ材Mを押し付け当接し、シート材10表面に当接されたスポンジ材Mを、シート材10表面に沿って相対的に移動させ、孔h内に食い込んだスポンジ材Mにより、孔h内に充填された充填物質pの一部を掻き取って、孔h内に充填された充填物質pの充填高さを揃える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シート材表面に設けられた孔内に充填された充填物質の充填高さを揃える、充填物質のレベリング方法であって、 前記充填物質が孔内に充填されたシート材表面に対して、スポンジ材を押し付け当接し、 前記シート材表面に当接されたスポンジ材を、シート材表面に沿って相対的に移動させ、 前記孔内に食い込んだスポンジ材により、孔内に充填された充填物質の一部を掻き取って、孔内に充填された充填物質の充填高さを揃えることを特徴とする充填物質のレベリング方法。 【請求項2】 前記シート材を水平に保持して、前記レベリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項3】 前記スポンジ材を、前記シート材表面に対して、鉛直下方から当接することを特徴とする請求項1または2に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項4】 前記スポンジ材を、前記シート材表面上で螺旋を描くように移動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項5】 前記シート材表面に対する前記スポンジ材の押し付け圧力を一定の圧力に制御して、前記スポンジ材の変形量を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項6】 前記シート材表面に当接されたスポンジ材の周りにおいて、シート材表面に高圧ガスを吹き付けて、 前記掻き取った充填物質を、前記シート材表面から除去することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項7】 前記スポンジ材が、メラミンフォームであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項8】 前記孔の直径が、150μmより小さいことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項9】 前記充填物質が、導電ペーストであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項10】 前記シート材が、多層回路基板形成用のシート材であることを特徴とする請求項9に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項11】 前記孔同士の間隔(ピッチ)が、250μmより小さいことを特徴とする請求項10に記載の充填物質のレベリング方法。 【請求項12】 シート材表面に設けられた孔内に充填された充填物質の充填高さを揃える、充填物質のレベリング装置であって、 前記シート材表面を平面に保持する保持板と、 前記シート材表面に押し付け当接されるスポンジ材と、 前記シート材表面に当接されたスポンジ材を、シート材表面に沿って相対的に移動させる移動手段とを備えてなることを特徴とする充填物質のレベリング装置。 【請求項13】 前記保持板が、前記シート材を水平に保持することを特徴とする請求項12に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項14】 前記スポンジ材が、前記シート材表面に対して、鉛直下方から当接されることを特徴とする請求項12または13に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項15】 前記移動手段が、前記スポンジ材を、前記シート材表面上で螺旋を描くように移動させることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項16】 前記スポンジ材が、前記シート材表面に対して平行な面内で移動可能なフォルダに保持され、 前記移動手段が、前記フォルダを偏心回転させる偏心回転手段と、前記フォルダを直線移動させる直線移動手段を備えてなることを特徴とする請求項15に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項17】 前記スポンジ材が、前記シート材表面に対して平行な面内で移動可能なフォルダに保持され、 前記移動手段が、前記フォルダを偏心回転させる偏心回転手段と、前記シート材を直線移動させるシート移動手段を備えてなることを特徴とする請求項15に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項18】 前記フォルダ内において、前記保持されたスポンジ材の前記シート材表面に当接する面と対向する面側に、シート材表面に対するスポンジ材の押し付け圧力を制御するダイヤフラムが配置されてなることを特徴とする請求項16または17に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項19】 前記ダイヤフラムと前記フォルダとの間に、高圧ガスが導入され、 前記高圧ガスの圧力を制御して、前記ダイヤフラムを介し、前記シート材表面に対するスポンジ材の押し付け圧力が制御されることを特徴とする請求項18に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項20】 前記高圧ガスが、高圧エアであることを特徴とする請求項19に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項21】 前記フォルダ内に保持されたスポンジ材の周りにおいて、前記シート材表面に高圧ガスを吹き付けるためのブローノズルが、フォルダに形成されてなることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項22】 前記ブローノズルへの高圧ガスの導入経路に、除電装置が配置されてなることを特徴とする請求項21に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項23】 前記高圧ガスが、高圧エアであることを特徴とする請求項21または22に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項24】 前記スポンジ材が、メラミンフォームであることを特徴とする請求項12乃至23のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項25】 前記充填物質が、導電ペーストであることを特徴とする請求項12乃至24のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング装置。 【請求項26】 前記シート材が、多層回路基板形成用のシート材であることを特徴とする請求項12乃至25のいずれか一項に記載の充填物質のレベリング装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、シート材表面に設けられた孔内に充填された充填物質の充填高さを揃える、充填物質のレベリング方法およびレベリング装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 シート材表面に設けられた孔内に、流動状物質であるペーストを充填する流動状物質の充填方法が、特開2003−182023号公報(特許文献1)に開示されている。 【0003】 図6(a)〜(c)に、多層回路基板の形成に用いられるシート材を例にして、シート材表面に設けられた孔内への従来のペースト充填方法を模式的に示す。 【0004】 図6(a)は、シート材表面への孔形成の様子を示す断面図である。 【0005】 図6(a)に示すシート材10では、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム1の一方の側に銅(Cu)箔2が貼り付けられ、もう一方の側に保護フィルム3が貼り付けられている。尚、図示を簡略化してあるが、銅箔2は、所定の回路パターンにパターニングされている。また、図示を省略してあるが、シート材表面への孔形成工程においては、通常、銅箔2の外側にも保護フィルムが貼り付けられている。シート材表面への孔形成工程では、図6(a)に示すように、保護フィルム3を貼り付けた樹脂フィルム1上から、レーザ加工装置Lによるレーザ光を走査させて照射し、銅箔2を底とする有底孔hを形成する。 【0006】 図6(b)は、孔へのペースト充填の様子を示す断面図である。 【0007】 図6(b)に示すように、ペースト充填工程においては、シート材10の表面に供給された導電ペーストpを、スキージSを用いて有底孔h内へ押し込み充填する。このように、シート材10の表面に供給された導電ペーストpは、スキージSを用いて、保護フィルム3の表面で摺り切り充填される。 【0008】 図6(c)は、シート材10の有底孔hに充填された導電ペーストpについて、その後の様子を模式的に示した断面図である。 【0009】 (1)に示す保護フィルム3の表面で摺り切り充填された導電ペーストpは、(2)に示すように、導電ペーストp中の溶剤が蒸発することにより、有底孔hの中央部における表面が低下する。特に有底孔hの孔径が小さくなるほど、図のように、導電ペーストpの表面がすり鉢状になる傾向が強くなる。次に、(3)に示すように保護フィルム3を樹脂フィルム1から剥離すると、導電ペーストpは、容積の大きい樹脂フィルム1と銅箔2の側に把持される。従って、最終的に得られるシート材10のペースト充填状態は、導電ペーストpが樹脂フィルム1の表面から突き出た状態となる。 【0010】 図6(c)に示したように、保護フィルム3を剥離して最終的に得られる導電ペーストpの充填高さは、溶剤の蒸発があるため、有底孔hへの充填直後の充填高さと異なってくる。このため、従来のペースト充填方法においては、溶剤の蒸発による減量を考慮し、充填前の導電ペーストpの粘度(溶剤量)を調整して、導電ペーストpの充填高さや保護フィルム3からの剥離性を制御していた。 【特許文献1】特開2003−182023号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 図7(a),(b)を用いて、従来のペースト充填方法における問題点を説明する。 【0012】 図7(a)は、保護フィルムを樹脂フィルムから剥離する際に起きる問題点について、模式的に示した断面図である。図7(b)は、各シート材を貼り合せて多層回路基板を形成する際に起きる問題点について、模式的に示した断面図である。 【0013】 図6(b)の工程で有底孔h内へ充填された導電ペーストpに粘度の差があると、図7(a)に示す導電ペーストp1のように、設定より充填高さの高い、余剰ペーストが発生する。また、図7(a)に示す導電ペーストp2のように、充填された導電ペーストの保護フィルム3への付着力が大きいと、保護フィルム3と共に導電ペーストp2が樹脂フィルム1側から剥離して、有底孔h2にペースト抜けが発生したりする。特に、有底孔hの径が小さくて図6(c)に示すようなすり鉢状になった導電ペーストほど、ペースト抜けが発生し易い。 【0014】 図7(b)に示すように、余剰ペーストやペースト抜けが発生したシート材10a〜10eを(1)のように積層し、加熱・加圧して(2)のように貼り合せると、得られた多層回路基板11においては、一点鎖線の矢印Aで示した短絡不良や一点鎖線の矢印Bで示した導通不良が発生する。以上に示した問題は、有底孔hの径および有底孔h同士の間隔(ピッチ)を小さくするほど顕著となる。例えば、φ150μm、ピッチ250μmの有底孔が設けられたシート材では1ppm以下の不良率であったものが、φ100μm、ピッチ200μm以下の有底孔が設けられたシート材になると半数近くが不良品となる。 【0015】 本発明は、上記した多層回路基板形成時の問題発生要因を除去するためになされたもので、各孔内に充填された充填物質の充填高さを所望の一定の充填高さに揃えることができる、充填物質のレベリング方法およびレベリング装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0016】 請求項1〜11に記載の発明は、充填物質のレベリング方法に関する発明である。 【0017】 請求項1に記載の発明は、シート材表面に設けられた孔内に充填された充填物質の充填高さを揃える、充填物質のレベリング方法であって、前記充填物質が孔内に充填されたシート材表面に対して、スポンジ材を押し付け当接し、前記シート材表面に当接されたスポンジ材を、シート材表面に沿って相対的に移動させ、前記孔内に食い込んだスポンジ材により、孔内に充填された充填物質の一部を掻き取って、孔内に充填された充填物質の充填高さを揃えることを特徴としている。 【0018】 上記のように、シート材表面に対して適度な柔らかさを持つスポンジ材を押し付け当接することで、スポンジ材をシート材表面に設けられた孔内に食い込ませることができる。このシート材表面に当接されたスポンジ材をシート材表面に沿って相対的に移動させると、孔内に食い込んだスポンジ材は、孔内に充填されている充填物質の一部を掻き取る。このようにして、孔内に充填された充填物質の充填高さが、一定に揃えられる。尚、充填高さは、スポンジ材のシート材表面への押し付け圧力や、スポンジ材のシート材表面に対する相対移動速度を変えることで、任意の値に設定可能である。 【0019】 上記充填物質のレベリング方法は、例えば粘度(溶剤量)を調整して充填物質を孔内に充填し、溶剤を蒸発させて充填高さを制御する従来のレベリング方法と異なり、溶剤を蒸発させた後で機械的に充填高さを制御する。このため、充填物質の粘度(溶剤量)や溶剤の蒸発といった充填高さのばらつき要因がなくなり、各孔内に充填された充填物質の充填高さを、所望の一定の充填高さに揃えることができる。また、孔径に合わせた充填物質の煩雑な粘度(溶剤量)調整が不要となるため、高い生産性を実現することができる。 【0020】 上記充填物質のレベリング方法は、スポンジ材を用いた研磨による充填高さの調整であることから、シート材表面に異なる径の孔が形成されていても対応可能である。また、シート材表面の領域毎に充填高さを変えることも可能である。 【0021】 請求項2に記載のように、前記シート材を水平に保持してレベリングを行えば、溶剤量が多くて任意の粘度状態にある充填物質が孔内に充填されている場合においても、充填物質の充填高さを安定的に揃えることができる。 【0022】 また、請求項3に記載のように、充填物質の粘度が高い場合には、シート材を反転して孔が設けられた表面を鉛直下方に向け、スポンジ材を鉛直下方から当接することができる。これによれば、スポンジ材により掻き取られた充填物質の屑が、鉛直下方に落下してスポンジ材に吸い込まれる。このため、スポンジ材の研磨面への掻き取り屑の堆積が抑制でき、経時的に安定なレベリングを施すことができると共に、スポンジ材の研磨面の清掃間隔や更新間隔も長くすることができる。 【0023】 請求項4に記載のように、前記スポンジ材は、前記シート材表面上で螺旋を描くように移動させることが好ましい。これによれば、スポンジ材は、螺旋運動に含まれる回転運動によって、孔の内周に沿って充填物質を均一に掻き取りながら、螺旋運動に含まれる直線運動によって、シート材表面を一定速度で移動していく。このため、孔の外周部の充填物質も研磨され、孔の中央部における充填物質の表面が低下して、すり鉢状になるのを抑制することができる。従って、シート材表面に設けられた個々の孔内においても、充填物質の充填高さを一定に揃えることができる。 【0024】 請求項5に記載の発明は、前記シート材表面に対する前記スポンジ材の押し付け圧力を一定の圧力に制御して、前記スポンジ材の変形量を制御することを特徴としている。 【0025】 レベリングする充填物質の充填高さは、スポンジ材のシート材表面に対する相対移動速度を変えるだけでも制御可能であるが、上記のようにシート材表面への押し付け圧力を一定の圧力に制御して、スポンジ材の変形量を制御することで、より精密な充填高さの制御が可能となる。 【0026】 請求項6に記載の発明は、前記シート材表面に当接されたスポンジ材の周りにおいて、シート材表面に高圧ガスを吹き付けて、前記掻き取った充填物質を、前記シート材表面から除去することを特徴としている。これにより、掻き取った充填物質を速やかにシート材表面から除去し、充填物質の削り屑が再び孔内に入るのを防止することができる。 【0027】 請求項7に記載のように、前記スポンジ材は、例えば、メラミンフォームであることが好ましい。 【0028】 メラミンフォームは、極細のメラミン樹脂繊維がランダムに連結した材料であり、適度な柔らかさと、内部に連通した空隙を有している。このため、微細な孔であっても、適度な圧力でシート材表面に押し付ければ、極細のメラミン樹脂繊維連結体を孔内に食い込ませることができる。これによって、微細な孔内の充填物質を、安定的に研磨することができる。また、メラミンフォームにおける連通した空隙は、掻き取られた充填物質の屑を内部に吸い込むことができるため、経時的に安定なレベリングを施すことができると共に、研磨面の清掃間隔や更新間隔も長くすることができる。 【0029】 請求項8に記載のように、上記充填物質のレベリング方法は、前記孔の直径が、150μmより小さい場合に好適である。 【0030】 一般的に、孔の直径が小さくなるほど、充填物質の充填は困難となり、充填高さのばらつきも大きくなる。特に、孔の直径が150μmより小さい場合には、従来の粘度(溶剤量)調整と溶剤の蒸発を用いたレベリング方法では、充填高さの制御が困難となる。このように、従来のレベリング方法では制御が不可能な微細な孔であっても、上記充填物質のレベリング方法により、当該微細な孔に充填されている充填物質の充填高さを安定的に制御することができる。 【0031】 請求項9に記載のように、上記充填物質のレベリング方法は、前記充填物質が、導電ペーストである場合に好適である。 【0032】 回路基板に設けられた孔内に充填され、導体パターンの接続等に用いられる導電ペーストは、接続不良がなく、信頼性の高い接続が要求される。また実装密度向上の要請から、導電ペーストが充填される回路基板の孔は微細化し、配置密度が高くなる傾向にある。上記のレベリング方法を用いることで、孔に充填された導電ペーストを所定の充填高さに揃えることができるため、導電ペーストによる接続の信頼性が高く、実装密度の高い回路基板を形成することができる。 【0033】 請求項10に記載のように、上記充填物質のレベリング方法は、前記シート材が、多層回路基板形成用のシート材である場合に好適である。 【0034】 シート材を積層して形成される多層回路基板においては、特に、各層の導体パターンの接続に用いられる導電ペーストの接続信頼性が要求される。また、各シート材は加熱・加圧等により貼り合わされるため、接続用の孔に充填される導電ペーストは精密な充填高さの制御が必要で、導電ペーストの充填高さにばらつきがあると、短絡不良や導通不良が発生する。上記のレベリング方法を用いることで、各シート材の孔に充填された導電ペーストを所定の充填高さに揃えることができるため、導電ペーストによる接続の信頼性が高く、実装密度の高い多層回路基板を形成することができる。 【0035】 請求項11に記載のように、上記充填物質のレベリング方法は、前記孔同士の間隔(ピッチ)が、250μmより小さい場合に好適である。 【0036】 孔同士の間隔が小さいシート材については、導電ペーストの充填高さにばらつきがあると、各シート材を加熱・加圧等により貼り合わせる際に、短絡不良が発生し易い。特に、ピッチが250μmより小さい場合には、従来の粘度(溶剤量)調整と溶剤の蒸発を用いたレベリング方法によれば、半数近くが不良品となる。一方、上記充填物質のレベリング方法によれば、導電ペーストを所定の充填高さに正確に揃えることができるため、従来では製造できない孔同士の間隔をもつ多層回路基板であっても、安定的に製造することができる。 【0037】 請求項12〜26に記載の発明は、充填物質のレベリング装置に関する発明である。 【0038】 請求項12に記載の発明は、シート材表面に設けられた孔内に充填された充填物質の充填高さを揃える、充填物質のレベリング装置であって、前記シート材表面を平面に保持する保持板と、前記シート材表面に押し付け当接されるスポンジ材と、前記シート材表面に当接されたスポンジ材を、シート材表面に沿って相対的に移動させる移動手段とを備えてなることを特徴としている。 【0039】 上記充填物質のレベリング装置によれば、保持板によりシート材表面を平面に保持した状態で、シート材表面に押し付け当接されたスポンジ材を、移動手段によりシート材表面に沿って相対的に移動させる。これによって、請求項1に記載したように、シート材表面の孔内に食い込んだスポンジ材により、孔内に充填された充填物質の一部を掻き取って、孔内に充填された充填物質の充填高さを揃えることができる。尚、上記のレベリング装置を用いて得られる充填物質のレベリングの効果については、請求項1に記載したとおりであり、その説明は省略する。 【0040】 上記レベリング装置は、簡単な装置構成で、簡易な操作が可能である。それにも拘わらず、スポンジ材のシート材表面への押し付け圧力とシート材表面に対する相対移動速度を適宜設定することで、所定の直径の孔内に充填された充填物質を所定の充填高さに安定的に揃えることができる。 【0041】 請求項13〜15に記載のレベリング装置を用いて得られる充填物質のレベリングの効果については、請求項2〜4に記載したとおりであり、その説明は省略する。 【0042】 スポンジ材をシート材表面上で螺旋を描くように移動させるために、例えば請求項16に記載のように、前記スポンジ材が、前記シート材表面に対して平行な面内で移動可能なフォルダに保持され、前記移動手段が、前記フォルダを偏心回転させる偏心回転手段と、前記フォルダを直線移動させる直線移動手段を備えてなる充填物質のレベリング装置とすることができる。また、請求項17に記載のように、前記移動手段が、前記フォルダを偏心回転させる偏心回転手段と、前記シート材を直線移動させるシート移動手段を備えてなる充填物質のレベリング装置とすることができる。 【0043】 偏心回転手段により、スポンジ材を保持するフォルダを偏心回転運動させて、孔に食い込んだスポンジ材が孔の内周にある充填物質を均一に掻き取らせることができる。また、フォルダを直線移動させる直線移動手段、あるいはシート材を直線移動させるシート移動手段により、スポンジ材のシート材表面に対する一定速度の直線運動を組み合わされることで、孔の中央部における充填物質のみが研磨され表面がすり鉢状になるのを抑制し、充填物質を安定的に研磨することができる。 【0044】 上記のレベリング装置によれば、スポンジ材のシート材表面への押し付け圧力と共に、フォルダの偏心回転速度と、フォルダあるいはシート材の直線移動速度を適宜設定することで、所定の直径の孔内に充填された充填物質を所定の充填高さに安定的に揃えることができる。 【0045】 スポンジ材のシート材表面への押し付け圧力をより精密に制御するためには、請求項18に記載のように、前記フォルダ内において、前記保持されたスポンジ材の前記シート材表面に当接する面と対向する面側に、シート材表面に対するスポンジ材の押し付け圧力を制御するダイヤフラムが配置されてなることが好ましい。 【0046】 前記ダイヤフラムを用いたスポンジ材の押し付け圧力制御は、請求項19に記載のように、前記ダイヤフラムと前記フォルダとの間に、高圧ガスが導入され、前記高圧ガスの圧力を制御して、前記ダイヤフラムを介し、前記シート材表面に対するスポンジ材の押し付け圧力が制御されるように構成することができる。 【0047】 このシート材表面に対するスポンジ材の押し付け圧力制御により、スポンジ材の変形量を精密に制御することができ、レベリングする充填物質の充填高さの精密な制御が可能となる。 【0048】 請求項20に記載のように、前記高圧ガスには、安価な高圧エアを用いることが好ましい。 【0049】 請求項21に記載の充填物質のレベリング装置は、前記フォルダ内に保持されたスポンジ材の周りにおいて、前記シート材表面に高圧ガスを吹き付けるためのブローノズルが、フォルダに形成されてなることを特徴としている。 【0050】 これにより、上記ブローノズルから高圧ガスを吹き付けて、スポンジ材で掻き取った充填物質を速やかにシート材表面から吹き飛ばして除去し、充填物質の削り屑が再び孔内に入るのを防止することができる。 【0051】 請求項22に記載のように、前記ブローノズルへの高圧ガスの導入経路には、除電装置が配置されてなることが好ましい。これにより、充填物質の削り屑の帯電が防止されて、静電気により付着し易い削り屑に対して、シート材表面からの除去が容易になる。 【0052】 請求項23に記載のように、前記高圧ガスには、安価な高圧エアを用いることが好ましい。 【0053】 請求項24〜26に記載のレベリング装置を用いて得られる充填物質のレベリングの効果については、請求項7,9,10に記載したとおりであり、その説明は省略する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0054】 以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。 【0055】 図1(a)〜(c)を用い、本発明の充填物質のレベリング方法を、多層回路基板の形成に用いられるシート材を例にして説明する。 【0056】 図1(a)は、図6(a),(b)で説明したペースト充填工程によって、(有底)孔h内に導電ペーストpが充填されたシート材10の模式的な断面図である。 【0057】 図6(a)で説明したように、図1(a)に示すシート材10では、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム1の一方の側に銅(Cu)箔2が貼り付けられ、もう一方の側に保護フィルム3が貼り付けられている。尚、図示を簡略化してあるが、銅箔2は、所定の回路パターンにパターニングされている。また、図示を省略してあるが、シート材10の製造途中工程においては、通常、銅箔2の外側にも保護フィルムが貼り付けられている。 【0058】 図1(b)は、孔h内に充填された導電ペーストpの充填高さを揃える、導電ペーストpのレベリングの様子を示す断面図である。 【0059】 導電ペーストpのレベリングは、シート材10の孔h内に充填された導電ペーストpの溶剤が蒸発した後で行う。レベリングは、シート材10の表面に対してスポンジ材Mを押し付け当接し、スポンジ材Mをシート材1の表面に沿って相対的に移動させて行う。シート材10表面に対して適度な柔らかさを持つスポンジ材Mを押し付け当接することで、スポンジ材Mをわずかに変形させ、図1(b)に示すように、スポンジ材Mをシート材10表面に設けられた孔h内に食い込ませる。このシート材10表面に押し付け当接されたスポンジ材Mを、シート材10表面に沿って相対的に移動させることで、孔h内に食い込んだスポンジ材Mは、孔h内に充填されている導電ペーストpの一部を、各孔hが同じ充填高さとなるように掻き取り研磨する。このようにして、孔h内に充填された導電ペーストpの充填高さを、図1(b)に示す同じ充填高さaに揃える。尚、図1(b)に示す充填高さaは、スポンジ材Mのシート材10表面への押し付け圧力や、スポンジ材Mのシート材10表面に対する相対移動速度を変えることで、任意の値に設定可能である。 【0060】 多層回路基板の形成に用いられるシート材10の場合には、次の図1(c)に示すシート材10を複数枚積層し加熱・加圧によって貼り合わせる際に、導電ペーストpが同時に焼結して導体パターンが接続される。このため、導電ペーストpの充填高さaは、樹脂フィルム1の厚さtより数μm大きく設定される。 【0061】 図1(b)に示すスポンジ材Mとしては、例えば、メラミンフォームを用いることができる。 【0062】 メラミンフォームは、極細で数μmの長さを持つメラミン樹脂繊維がランダムに連結した材料である。密度は、約11.0kg/m3、引張り強度は、約1.7kg/cm2である。メラミンフォームは、適度な柔らかさと、内部に連通した空隙を有している。このため、シート材1の表面に設けられた孔hが微細な孔であっても、適度な圧力でシート材10表面に押し付ければ、極細のメラミン樹脂繊維連結体を孔h内に食い込ませることができる。これによって、微細な孔h内に充填された導電ペーストpを、安定的に研磨することができる。また、メラミンフォームにおける連通した空隙は、掻き取られた導電ペーストpの屑を内部に吸い込むことができるため、経時的に安定なレベリングを施すことができると共に、スポンジ材Mの研磨面の清掃間隔や更新間隔も長くすることができる。 【0063】 図1(b)に示すレベリング方法は、図6(c)で説明した粘度(溶剤量)を調整して導電ペーストpを孔h内に充填し、溶剤を蒸発させて充填高さを制御する従来のレベリング方法と異なり、溶剤を蒸発させた後で機械的に充填高さを制御する。このため、導電ペーストpの粘度(溶剤量)や溶剤の蒸発といった充填高さのばらつき要因がなくなり、各孔h内に充填された導電ペーストpの充填高さを、所望の一定の充填高さに揃えることができる。また、孔径に合わせた導電ペーストpの煩雑な粘度(溶剤量)調整が不要となるため、高い生産性を実現することができる。 【0064】 上記のレベリング方法は、スポンジ材Mを用いた研磨による充填高さの調整であることから、シート材10表面に異なる径の孔hが形成されていても対応可能である。また、シート材h表面の領域毎に研磨条件を変えて、領域毎に充填高さを変えることも可能である。 【0065】 図1(c)は、孔hに充填された導電ペーストpのレベリングを行った後、保護フィルム3を樹脂フィルム1から剥離した状態を示す断面図である。 【0066】 導電ペーストpの充填高さaは、図1(b)に示すレベリング工程において、樹脂フィルム1の厚さtよりわずかに大きい値でレベリングされている。従って、保護フィルム3を剥離すると、図1(c)に示すように、各孔h内に充填された導電ペーストpが、樹脂フィルム1の表面からわずかに突出た状態のシート材10が得られる。 【0067】 レベリング後の導電ペーストpは、各孔hに渡って充填高さが揃えられており、図1(c)に示す保護フィルム3の剥離後においても、高さが揃っている。このため、図7(a)に示した導電ペーストp1のように、設定より充填高さの高い、余剰ペーストの発生が抑制される。また、導電ペーストpの充填高さaが樹脂フィルム1の厚さtよりわずかに大きい値で揃っているため、図7(a)に示す導電ペーストp2のように、導電ペーストの保護フィルム3への付着力が大きくなって、保護フィルム3と共に樹脂フィルム1側から剥離して、ペースト抜けが発生することもない。 【0068】 従って、図1(c)に示すシート材10を複数枚積層し、加熱・加圧によって貼り合わせれば、図7(b)に示す短絡不良や導通不良がない、良好な多層回路基板を得ることができる。 【0069】 図2(a),(b)は、図1(b)で示した導電ペーストpのレベリングを行うためのレベリング装置である。図2(a)はレベリング装置100の正面図、図2(b)はレベリング装置100の側面図で、それぞれ要部を断面で示してある。以下、図2(a),(b)のレベリング装置100により、シート材10に設けられたφ100μmの孔hに擦り切り充填された導電ペーストpを、厚さ20μmの保護フィルム3表面から15〜20μm研磨除去する場合を例にして説明する。 【0070】 図2(a),(b)に示すレベリング装置100は、シート材10表面を平面に保持する保持板100aと、シート材10表面に押し付け当接されるスポンジ材Mと、スポンジ材Mをシート材10表面に沿って相対的に移動させる移動手段とを備えている。スポンジ材Mには、図1(b)で説明したメラミンフォームが用いられる。 【0071】 図2(a),(b)に示す導電ペーストpのレベリング装置100では、保持板100aによりシート材10表面を平面に保持した状態で、シート材10表面に押し付け当接されたスポンジ材Mを、移動手段によりシート材10表面に沿って相対的に移動させる。これによって、図1(b)で示したように、シート材10表面の孔h内に食い込んだスポンジ材Mにより、孔h内に充填された導電ペーストpの一部を掻き取って研磨し、孔h内に充填された導電ペーストpの充填高さを揃えることができる。 【0072】 図2(a),(b)に示すレベリング装置100の保持板100aは、シート材10を水平に保持する基盤である。シート材10は、孔hが設けられている表面を上向きにして、吸着装置等の手段により保持板100aに吸着して保持される。シート材10を水平に保持した状態でレベリングを行うレベリング装置100は、溶剤を完全に蒸発した後の導電ペーストpに限らず、溶剤量が多くて任意の粘度状態にある導電ペーストpが孔内に充填されている場合でも、導電ペーストpの充填高さを安定的に揃えることができる。 【0073】 メラミンフォームからなるスポンジ材Mは、保持板100aにより保持されたシート材10表面に対して平行な面内で移動可能なフォルダ100bに保持されている。図2(b)に示すスポンジ材M(フォルダ100b)の巾は40mmである。また、スポンジ材Mは、フォルダ先端100btから300〜500μm凸になるようにして、フォルダ100bに保持されている。孔hに食い込むスポンジ材Mの変形量は、スポンジ材Mの初期の押し付け圧力による圧縮量に比例する。また、孔hに食い込んだスポンジ材Mによる導電ペーストpの研磨量は、シート材10表面に対するスポンジ材Mの相対移動速度にも依存し、低速になるほど研磨量が増大する。 【0074】 スポンジ材Mをシート材10表面に沿って相対的に移動させる上記移動手段は、フォルダ100bを偏心回転させる偏心回転手段100cと、フォルダ100bを直線移動させる直線移動手段とからなる。偏心回転手段100cは、図2(a)中の両端矢印sで示した3mmの偏心量を持つ2本の回転軸により、スポンジ材Mを保持するフォルダ100bを、シート材10の表面上でφ6mmの円を描くように回転させる。直線移動手段は、レール100dと摺動体100eからなり、摺動体100eを介して、スポンジ材Mを保持するフォルダ100bを、図2(b)に示すレール100dに沿って、図の左右に移動させる。この偏心回転手段100cと、レール100dおよび摺動体100eからなる直線移動手段により、図2(a),(b)に示すレベリング装置100においては、図中の白抜き矢印で示したように、スポンジ材Mをシート材10表面上で螺旋を描くように移動させることができる。 【0075】 偏心回転手段100cにより、フォルダ100bと共に偏心回転するスポンジ材Mは、孔hに食い込み、孔hの内周に沿って導電ペーストpを均一に掻き取る。また、スポンジ材Mには直線移動手段(図示省略)による一定速度の直線移動が組み合わされており、スポンジ材Mは螺旋運動する。このように螺旋運動するスポンジ材Mは、上記のように孔h内にある導電ペーストpを均一に掻き取りながら、シート材10表面を一定速度で移動していく。このため、孔hの外周部の導電ペーストpも研磨され、孔hの中央部における導電ペーストpの表面が低下して、図6(c)(2)に示した状態と同じような、すり鉢状になるのを抑制することができる。このようにして、スポンジ材Mを螺旋運動させるレベリング装置100は、シート材10表面に設けられた個々の孔h内においても、導電ペーストpの充填高さを一定に揃えることができる。 【0076】 具体的には、偏心回転の回転周速を20mm/s、左右の直線移動速度を20mm/sとし、図2(b)に示す直線移動の操作を3回行う。これにより、シート材10に設けられたφ100μmの孔hに擦り切り充填された導電ペーストpを、厚さ20μmの保護フィルム3表面から15〜20μm研磨除去することができる。言い替えれば、保護フィルム3を剥がした後で、樹脂フィルム1表面から導電ペーストpが0〜5μm突出たシート材10が得られ、多層回路基板形成用として、理想的な状態に導電ペーストpが充填されたシート材10となる。 【0077】 図2(a),(b)に示すレベリング装置100は、簡単な装置構成で、簡易な操作が可能である。それにも拘わらず、スポンジ材Mのシート材10表面への押し付け圧力と共に、フォルダ100bの偏心回転速度と直線移動速度を適宜設定することで、所定の直径の孔h内に充填された導電ペーストpを、所定の充填高さに安定的に揃えることができる。 【0078】 図3(a),(b)に、別のレベリング装置を示す。図3(a)はレベリング装置200の正面図、図3(b)はレベリング装置200の側面図で、それぞれ要部を断面で示してある。 【0079】 図3(a),(b)に示すレベリング装置200も、シート材10表面を平面に保持する保持板200aと、シート材10表面に押し付け当接されるスポンジ材Mと、スポンジ材Mをシート材10表面に沿って相対的に移動させる移動手段とを備えている。 【0080】 図2(a),(b)に示すレベリング装置100の保持板100aは、シート材10を水平に保持する基盤であったが、図3(a),(b)に示すレベリング装置200の保持板200aは、スポンジ材Mが押し付け当接される場所において、シート材10表面を平面に保持する機能だけを持っている。 【0081】 図2(a),(b)に示すレベリング装置100においては、スポンジ材Mが水平に保持されたシート材10表面に対して鉛直上方より押し付けられて当接していた。一方、図3(a),(b)に示すレベリング装置200は、図のようにシート材10を反転して孔hが設けられたシート材10表面を鉛直下方に向け、スポンジ材Mを鉛直下方から当接する構成をとっている。図2(a),(b)に示すレベリング装置100では、任意の粘度状態にある導電ペーストpでもレベリングを行えたが、図3(a),(b)のレベリング装置200では、導電ペーストpの溶剤を蒸発して粘度を高くし、反転しても流動が起きない状態でレベリングを行う。スポンジ材Mを鉛直下方から当接するレベリング装置200においては、スポンジ材Mにより掻き取られた導電ペーストpの屑が、鉛直下方に落下してスポンジ材Mに吸い込まれる。このため、スポンジ材Mの研磨面への掻き取り屑の堆積が抑制でき、経時的に安定なレベリングを施すことができると共に、スポンジ材Mの研磨面の清掃間隔や更新間隔も長くすることができる。 【0082】 図3(a),(b)に示すレベリング装置200においても、スポンジ材Mは、シート材10表面に対して平行な面内で移動可能なフォルダ200bに保持されている。レベリング装置200の移動手段は、フォルダ200bを偏心回転させる偏心回転手段200cと、シート材10を直線移動させる4個のローラ200dからなるシート移動手段を備えている。偏心回転手段200cとローラ200dからなるシート移動手段により、図3(a),(b)に示すレベリング装置200においても、図中の白抜き矢印で示したように、スポンジ材Mをシート材10表面上で螺旋を描くように移動させることができる。 【0083】 図3(a),(b)に示すレベリング装置200についても、図2(a),(b)に示すレベリング装置100と同様にして、所定の直径の孔h内に充填された導電ペーストpを、所定の充填高さに安定的に揃えることができることはいうまでもない。 【0084】 図4に、図3の改良レベリング装置を示す。図4(a)はレベリング装置201の正面図、図4(b)はレベリング装置201の側面図で、それぞれ要部を断面で示してある。 【0085】 図4のレベリング装置201では、図3のレベリング装置200と比較して、箱形状に構成されたスポンジ材Mを保持するフォルダ201b内に、ダイヤフラムDが追加配置されている。ダイヤフラムDは、フォルダ201b内において保持されたスポンジ材Mのシート材10表面に当接する面と対向する面側に配置されている。図4(a)に示すように、ダイヤフラムDとフォルダ201bとの間には、高圧ガスが導入される。この高圧ガスには、安価な高圧エアを用いることが好ましい。この高圧ガスの圧力をレギュレータ等の圧力調整器により一定の圧力に制御して、ダイヤフラムDの変形量を制御し、ダイヤフラムDを介して、シート材10表面に対するスポンジ材Mの押し付け圧力が一定の圧力に制御される。孔に食い込むスポンジ材Mの変形量は、シート材10表面に対するスポンジ材Mの押し付け圧力に比例する。このため、シート材10表面に対するスポンジ材Mの押し付け圧力を一定の圧力に精密に制御することで、孔に食い込むスポンジ材Mの変形量も精密に制御することができる。 【0086】 レベリングする導電ペーストpの充填高さは、スポンジ材Mのシート材10表面に対する相対移動速度を変えるだけでも制御可能である。しかしながら、上記のようにシート材10表面への押し付け圧力をダイヤフラムDにより一定の圧力に制御して、スポンジ材Mの変形量を制御することで、より精密な導電ペーストpの充填高さの制御が可能となる。 【0087】 図5(a),(b)に、導電ペーストpの充填高さの評価方法と、レベリング装置201を用いた充填高さの評価結果の一例を示す。 【0088】 図5(a)は、充填高さの評価方法を示す工程別の断面図である。 【0089】 充填高さの評価は、テストピースであるシート材10aを用い、最初に、図1(a)〜(c)で説明した導電ペーストpの充填(1)、レベリング(2)および保護シート3の剥離(3)を行う。次に、2枚のテストピース10a,10bを重ねて、常温プレス(4)をした後、2枚のテストピース10a,10bを剥離(5)する。導電ペーストpの充填高さtの良否は、導電ペーストpの広がり量wを計測(6)して評価する。 【0090】 図5(b)は、レベリング装置201を用い、高圧ガスのダイヤフラムDへの供給圧力を変えてレベリングした各テストピースについて、図5(a)のペースト広がり量を計測した結果である。 【0091】 図5(b)に示すように、ダイヤフラムDへの供給圧力が増大するほど、シート材10a表面に対するスポンジ材Mの押し付け圧力とスポンジ材Mの変形量が増大し、孔hへの食い込み量も大きくなる。従って、図5(a)(2)の導電ペーストpの充填高さtが低くなって、図5(a)(6)の導電ペーストpの広がり量wも減少する。 【0092】 図5(b)の関係より、レベリング装置201を用いた実際のレベリングにおいては、導電ペーストpの好適な充填高さである、導電ペーストpの広がり量wが孔径に対してわずかに大きくなるように、高圧ガスのダイヤフラムDへの供給圧力を20〜40kPaに設定する。 【0093】 図3と図4のレベリング装置200,201では、シート材10をスポンジ材Mに伏せた配置でレベリング(研磨)を行うため、削り屑である研磨粉がスポンジ材Mの気孔内に保持され、シート材10には再付着しにくい構成となっている。さらに、レベリング装置201では、図3のレベリング装置200と比較して、図4(b)に示すように、シート材10表面に高圧ガスを吹き付けるためのブローノズルNが、フォルダ201bのサイドプレートに形成されている。このブローノズルNから高圧ガスを吹き付けて、フォルダ201b内に保持されたスポンジ材Mの周りにおいて、スポンジ材Mで掻き取った導電ペーストpを速やかにシート材10表面から吹き飛ばして除去することができる。これにより、導電ペーストpの削り屑が再び孔内に入るのを防止することができる。尚、ブローノズルNへの高圧エアの導入経路には、除電装置が配置されており、これによって導電ペーストpの削り屑(研磨粉)の帯電が防止されて、静電気により付着し易い削り屑(研磨粉)に対して、シート材10表面からの除去が容易になる。高圧ガスには、安価な高圧エアを用いることが好ましい。 【0094】 尚、レベリング装置201では、例えば図4(b)においてシート材10が相対的に右に移動する時にレベリング(研磨)を行い、シート材10が相対的に左に移動する時にエアブローを行う工程とすることができる。また、レベリング(研磨)中にエアブローを同時に行うことにより、短時間にレベリング(研磨)することも可能である。 【0095】 以上示したように、図1(b)に示すレベリング方法と図2〜図4に示すレベリング装置100,200,201を用いた導電ペーストpのレベリングは、シート材10が、多層回路基板形成用のシート材である場合に好適である。 【0096】 シート材10を積層して形成される多層回路基板においては、特に、各層の導体パターンの接続に用いられる導電ペーストpの接続信頼性が要求される。また、各シート材10は加熱・加圧等により貼り合わされるため、接続用の孔hに充填される導電ペーストpは精密な充填高さの制御が必要で、導電ペーストpの充填高さにばらつきがあると、短絡不良や導通不良が発生する。レベリング装置100,200,201を用いたレベリングは、各シート材10の孔hに充填された導電ペーストpを所定の充填高さに揃えることができるため、導電ペーストpによる接続の信頼性が高く、実装密度の高い多層回路基板を形成することができる。 【0097】 また、図1(b)に示すレベリング方法と図2〜図4に示すレベリング装置100,200,201を用いたレベリングは、孔hの直径が150μmより小さく、孔h同士の間隔(ピッチ)が250μmより小さい場合に好適である。 【0098】 一般的に、孔hの直径が小さくなるほど、導電ペーストpの充填は困難となり、充填高さのばらつきも大きくなる。特に、孔hの直径が150μmより小さい場合には、従来の図6(c)で説明した粘度(溶剤量)調整と溶剤の蒸発を用いたレベリング方法では、充填高さの制御が困難となる。このように、従来のレベリング方法では制御が不可能な微細な孔であっても、レベリング装置100,200,201を用いたレベリングにより、当該微細な孔hに充填されている導電ペーストpの充填高さを安定的に制御することができる。 【0099】 また、孔h同士の間隔が小さいシート材10については、導電ペーストpの充填高さにばらつきがあると、各シート材を加熱・加圧等により貼り合わせる際に、図7(b)に示した短絡不良が発生し易い。特に、ピッチが250μmより小さい場合には、従来の粘度(溶剤量)調整と溶剤の蒸発を用いたレベリング方法によれば、半数近くが不良品となる。一方、図2〜図4に示すレベリング装置100,200,201を用いたレベリングによれば、導電ペーストpを所定の充填高さに正確に揃えることができるため、従来では製造できない孔同士の間隔をもつ多層回路基板であっても、安定的に製造することができる。 【0100】 このように、図1(b)に示すレベリング方法と図2〜図4に示すレベリング装置100,200,201を用いたレベリングは、導電ペーストpのレベリングに好適である。 【0101】 上記した多層回路基板に限らず、一般的な回路基板についても、回路基板に設けられた孔内に充填され、導体パターンの接続等に用いられる導電ペーストpは、接続不良がなく、信頼性の高い接続が要求される。また実装密度向上の要請から、導電ペーストpが充填される回路基板の孔は微細化し、配置密度が高くなる傾向にある。図1(b)に示すレベリング方法と図2〜図4に示すレベリング装置100,200,201を用いたレベリングにより、孔に充填された導電ペーストpを所定の充填高さに揃えることができるため、導電ペーストpによる接続の信頼性が高く、実装密度の高い回路基板を形成することができる。 【0102】 しかしながら、図1(b)に示すレベリング方法と図2〜図4に示すレベリング装置100,200,201を用いたレベリングは、導電ペーストpに限らず、シート材表面に設けられた孔内に充填された任意の充填物質に対して適用することができることはいうまでもない。 【0103】 又、本実施例では導電ペースト乾燥後にレベリングを行ったが、粘度を一定に保った導電ペーストを用いれば乾燥せずにレベリングを行っても同様の効果が得られ生産性を向上できることはいうまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0104】 【図1】本発明の充填物質のレベリング方法を説明する図で、(a)は、孔内に導電ペーストが充填されたシート材の模式的な断面図である。(b)は、導電ペーストのレベリングの様子を示す断面図である。(c)は、レベリングを行った後、保護フィルムを樹脂フィルムから剥離した状態を示す断面図である。 【図2】本発明のレベリング装置で、(a)はレベリング装置の正面図であり、(b)はレベリング装置の側面図である。 【図3】本発明の別のレベリング装置で、(a)はレベリング装置の正面図であり、(b)はレベリング装置の側面図である。 【図4】図3の改良レベリング装置で、(a)はレベリング装置の正面図であり、(b)はレベリング装置の側面図である。 【図5】(a)は、充填高さの評価方法を示す工程別の断面図であり、(b)は、図3のレベリング装置を用いた充填高さの評価結果の一例である。 【図6】従来のペースト充填方法を模式的に示す図で、(a)は、シート材表面への孔形成の様子を示す断面図である。(b)は、孔へのペースト充填の様子を示す断面図である。(c)は、充填された導電ペーストについて、その後の様子を模式的に示した断面図である。 【図7】従来のペースト充填方法における問題点を説明する図で、(a)は、保護フィルムを樹脂フィルムから剥離する際に起きる問題点について、模式的に示した断面図である。(b)は、各シート材を貼り合せて多層回路基板を形成する際に起きる問題点について、模式的に示した断面図である。 【符号の説明】 【0105】 1 樹脂フィルム 2 銅(Cu)箔 3 保護フィルム h (有底)孔 p 導電ペースト(充填物質) 10 シート材 M スポンジ材(メラミンフォーム) 100,200,201 レベリング装置 100a,200a 保持板 100b,200b,201b フォルダ 100c,200c 偏心回転手段 100d レール 100e 摺動体 200d ローラ D ダイヤフラム N ブローノズル
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成16年11月5日(2004.11.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106149 【弁理士】 【氏名又は名称】矢作 和行
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| 【公開番号】 |
特開2005−317899(P2005−317899A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−322530(P2004−322530) |
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