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【発明の名称】 装着精度測定方法
【発明者】 【氏名】牧野 洋一
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社内

【氏名】高野 健
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社内

【氏名】壁下 朗
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社内

【要約】 【課題】部品実装機の装着精度測定方法において、XYロボットの精度に影響を受けることなく、より高精度な装着精度測定を可能とする。

【解決手段】透明なガラス字具基板102上にガラス冶具ワーク101を装着する。装着後において、基板カメラは、基板側マーク及び冶具ワーク側マークが同一視野内に入る位置に設定され、1回目カメラ視野及び2回目カメラ視野内において撮像される。そして、1回目カメラ視野と2回目カメラ視野で取得されたデータを用いてX方向でのズレ量であるΔX、Y方向でのズレ量であるΔY、回転方向でのズレ量であるΔθを算出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装機において、冶具ワークの冶具基板上への装着後における前記冶具ワークと前記冶具基板との間の装着誤差を測定する装着精度測定方法であって、
前記部品実装機は、
前記冶具ワークを吸着して前記冶具基板上の所定位置に装着する装着ヘッドと、
前記装着ヘッドのX方向及びY方向の位置決めを行うXYロボットと、
前記冶具基板及び前記冶具ワークを特定の視点位置から撮像する基板カメラとを備え、
前記冶具ワークは、透明な部材から構成され、
前記装着精度測定方法には、
前記基板カメラが前記冶具ワーク上に形成されている前記ワーク側マーク及び冶具基板上に形成されている基板側マークが同一視野内に入る前記視点位置を取得する視点取得ステップと、
前記視点取得ステップにおいて取得した視点位置から前記基板カメラが撮像した画像に基づいて前記基板側マーク及び前記ワーク側マークの位置関係を取得する位置取得ステップと、
前記位置関係に基づいて前記装着位置の誤差を測定する誤差測定ステップとを含む
ことを特徴とする装着精度測定方法。
【請求項2】
前記視点取得ステップにおいて、前記基板カメラは、前記冶具基板上に形成されている基板側マークを基準位置として前記視点位置を取得する
ことを特徴とする請求項1記載の装着精度測定方法。
【請求項3】
前記視点取得ステップにおいて、前記基板カメラは少なくとも2箇所以上の視点位置を取得し、
前記位置取得ステップにおいては、少なくとも2つ以上の前記基板側マークと前記ワーク側マークの位置関係を取得し、
前記誤差測定ステップにおいては、少なくとも2つ以上の前記位置関係を用いて前記装着位置の誤差を測定する
ことを特徴とする請求項1記載の装着精度測定方法。
【請求項4】
前記位置取得ステップにおいては、さらに、装着誤差がない場合の理論的にずれ量がなく装着された理論装着位置を取得し、
前記装着精度測定方法は、さらに、
前記位置取得ステップにおいて取得される前記基板側マーク、前記ワーク側マーク、及び前記理論装着位置を用いて、前記冶具ワークの前記冶具基板への装着後における理論位置からX方向でのズレ量を示すΔX、Y方向でのズレ量を示すΔY、及び回転方向でのズレ量を示すΔθを算出する誤差算出ステップを含む
ことを特徴とする請求項1記載の装着精度測定方法。
【請求項5】
前記位置取得ステップにおいて、前記基板カメラの撮像に基づいて前記XYロボットに用いるロボット座標系で測った基板座標系の傾きであるθ、2箇所における基板側マークから実際に装着されたワーク側マークへのロボット座標系でのベクトルであるR1、R2を取得し、
前記誤差算出ステップにおいては、前記θ、前記R1及び前記R2から、下記の数1及び数2を用いることにより、前記ΔX、及び前記ΔYを算出する
ことを特徴とする請求項4記載の装着精度測定方法。
但し、r1、r2は、前記基板側マークから実際に装着された前記ワーク側マークへの基板座標系でのベクトルを示し、[―θ]は回転行列を示し、p1、p2は、前記基板側マークから理論的にずれがない状態で装着された前記ワーク側マークへの基板座標系でのベクトルを示す。
【数1】


【数2】


【請求項6】
前記誤差算出ステップにおいては、さらに、前記位置取得ステップにおいて取得される前記θ、前記R1、前記R2から、下記の数3、数4及び数5を用いて前記Δθを算出する
ことを特徴とする請求項5記載の装着精度測定方法。
但し、mは、前記基板側マークから他の基板側マークへの基板座標系でのベクトルを示し、r1、r2は、前記基板側マークから実際に装着された前記ワーク側マークへの基板座標系でのベクトルを示し、p1、p2は、前記基板側マークから理論的にずれがない状態で装着された前記ワーク側マークへの基板座標系でのベクトルを示す。
【数3】



【数4】



【数5】


【請求項7】
前記装着精度測定方法は、さらに、
前記誤差算出ステップにおいて算出された前記ΔX、前記ΔY、及び前記Δθに基づいて前記冶具ワークの前記冶具基板上への装着位置の補正を行う位置補正ステップを含む
ことを特徴とする請求項4記載の装着精度測定方法。
【請求項8】
前記冶具基板は、透明な部材から構成されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の装着精度測定方法。
【請求項9】
前記冶具ワークには、前記冶具ワークの対角線上に少なくとも2箇所に対向する位置に前記ワーク側マークが形成され、
前記冶具基板には、前記冶具ワークが装着される位置に、前記基板側マークが形成され、
前記ワーク側マーク及び前記基板側マークは、前記基板カメラの撮像において同一視野内に入る位置に形成される
ことを特徴とする請求項1記載の装着精度測定方法。
【請求項10】
前記冶具ワークには、さらに、対象部品形状が前記ワーク側マークと同じ重心上に形成されている
ことを特徴とする請求項9記載の装着精度測定方法。
【請求項11】
前記誤差測定ステップにおいては、さらに、前記治具基板側を表面として前記ΔX、前記ΔY、及び前記Δθの測定が可能である
ことを特徴とする請求項4記載の装着精度測定方法。
【請求項12】
前記透明な部材はガラスである
ことを特徴とする請求項1又は8記載の装着精度測定方法。
【請求項13】
冶具ワークの冶具基板上への装着後における前記冶具ワークと前記冶具基板との間の装着誤差を測定する装着精度測定装置であって、
前記冶具ワークを吸着して前記冶具基板上の所定位置に装着する装着ヘッドと、
前記装着ヘッドのX方向及びY方向の位置決めを行うXYロボットと、
前記冶具基板及び前記冶具ワークを特定の視点位置から撮像する基板カメラとを備え、
前記基板カメラが前記冶具ワーク上に形成されている前記ワーク側マーク及び冶具基板上に形成されている基板側マークが同一視野内に入る前記視点位置を取得する視点取得手段と、
前記視点取得手段において取得した視点位置から前記基板カメラが撮像した画像に基づいて前記基板側マーク及び前記ワーク側マークの位置関係を取得する位置取得手段と、
前記位置関係に基づいて前記装着位置の誤差を測定する誤差測定手段とを備え、
前記冶具ワークは、透明な部材から構成される
ことを特徴とする装着精度測定装置。
【請求項14】
請求項13記載の装着精度測定装置を備える
ことを特徴とする部品実装機。
【請求項15】
部品実装機において、冶具ワークの冶具基板上への装着後における前記冶具ワークと前記冶具基板との間の装着誤差を測定する装着精度測定方法に用いられるプログラムであって、
前記部品実装機は、
前記冶具ワークを吸着して前記冶具基板上の所定位置に装着する装着ヘッドと、
前記装着ヘッドのX方向及びY方向の位置決めを行うXYロボットと、
前記冶具基板及び前記冶具ワークを特定の視点位置から撮像する基板カメラとを備え、
前記冶具ワーク及び前記冶具基板は、透明な部材から構成され、
前記プログラムは、
前記基板カメラが前記冶具ワーク上に形成されている前記ワーク側マーク及び冶具基板上に形成されている基板側マークが同一視野内に入る前記視点位置を取得する視点取得ステップと、
前記視点取得ステップにおいて取得した視点位置から前記基板カメラが撮像した画像に基づいて前記基板側マーク及び前記ワーク側マークの位置関係を取得する位置取得ステップと、
前記位置関係に基づいて前記装着位置の誤差を測定する誤差測定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
部品実装機において、装着される部品と基板との間の装着精度を測定するために用いる冶具ワークであって、
前記冶具ワークはガラスで構成されている
ことを特徴とする冶具ワーク。
【請求項17】
部品実装機において、装着される部品と基板との間の装着精度を測定するために用いる冶具基板であって、
前記冶具基板はガラスで構成されている
ことを特徴とする冶具基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を基板上に実装する部品実装機において部品の基板上への装着精度を測定するために用いる装着精度測定方法及びそれに用いる測定冶具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品実装機におけるIC等の電子部品の実装動作においては、部品供給部から装着ヘッド部に備えられる吸着ノズルで電子部品を吸着保持して、部品認識カメラにより吸着姿勢が認識され、XYロボットによってX方向及びY方向の位置決めを行って、回転方向であるθ方向の補正を装着ヘッド部で行い、所定位置に位置決めされた回路基板上に電子部品を装着する。
【0003】
そして、このような部品実装機においては、電子部品実装前に装着精度の誤差が測定されている。この装着位置の誤差とは、電子部品を実装した場合における目標位置と、実際に実装された電子部品の位置との差分である。
【0004】
また、従来、フリップチップボンダ等の部品実装機においては、装着精度の向上のために様々な装着精度測定方法が提案されており、例えば、部品実装機のオフライン中に、模擬的な電子部品の冶具を用いて基板上に実装して誤差を測定することにより行う。
【0005】
ところで、専用の計測装置を必要とせずに、既存の部品実装機の保有する機能を利用して、装着位置の誤差となる装着位置オフセットを自動で計測、登録できるオフセット測定方法及びそれに用いる測定冶具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この装着精度測定方法及びそれに用いる測定冶具においては、部品実装機に基板冶具を搬入し、部品実装機によって基板冶具に小割冶具を実装し、部品実装機に搭載される認識カメラによって、基板冶具に付された小割冶具の位置を示す個別マークを認識して目標位置として取得し、認識カメラによって基板冶具に実装された小割冶具に付されている装着位置装着精度測定用マークを認識して実際に実装した位置の差分を装着位置オフセットとして求める。
【特許文献1】特開2003−51700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の装着精度測定方法においては、基板カメラ側若しくは基板側がXYロボットと共に移動して測定を行うために、XYロボットの位置決めの精度の悪さが装着誤差の測定精度に少なからず影響してくるという問題がある。
【0008】
図12を用いてXYロボットの装着精度についての説明を行う。図12は、部品実装機におけるXYロボットの装着時において自己発熱により生じるズレ量の実測値の一例を示す参考図である。
【0009】
図12において、例えば、マッピング測定用ガラス基板1201を用いて測定を行う。この基板1201には、X方向に20mmピッチ×15点、Y方向に20mmピッチ×11点が形成されている。そして、これらのピッチに従って部品実装処理を行う。尚、図12においては、ズレ量のみを1000倍にしてプロットしているために、1マスずれた場合においてはズレ量が20μmになることを示している。
【0010】
そして、四角形状の点は実装目標位置、円形状の点は実際の実装位置を示している。すなわち、円形状と四角形状の2つの点が重なっている実装位置においては正確に実装されている一方、円形状と四角形状の2つの点が離れて実装されている箇所においては実装目標位置から離れて実装されていることを示している。
【0011】
図12においては、XYロボットの真直度については、10μm以下を達成しているものの、進行方向であるX方向のズレ量が最大15μm程となり、また、X方向での両端でのズレ量の変化量が小さいことから、中央部分においてX軸方向に大きく装着ズレが生じていることが解かる。
【0012】
このように、フリップチップボンダ等の大型の部品実装機におけるXYロボットは、組み立て時において正確に直角度、真直度を出したとしても、実装動作の自己発熱によってXYロボットが熱伸びを起こしてしまい、直角度や真直度に歪が発生してしまうことが解かる。
【0013】
従って、温度伸び等を原因として真直度や直角度等において位置ずれが生じ、このため部品の基板上への装着精度に影響を与えているのみでなく、このXYロボットを用いる装着精度測定においても、上述したような温度歪が問題となり、装着精度の測定に少なからず影響を与えている。
【0014】
そして、従来、SMT(Surface Mount Technology)等の部品実装機においては装着精度は数十μmから数百μmのオーダが要求されているのに対して、特に、近年の半導体等の部品実装機においてはより高精度となる数μmオーダの実装精度が要求されている。従って、より精密な装着精度測定方法の実現も要求されている。
【0015】
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、部品実装機において、XYロボットの装着精度に影響されることなく、より正確に装着精度測定を行うことができる装着精度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係る装着精度測定方法は、[請求項1]。
このため、本発明においては、透明な冶具ワーク及び冶具基板を用いて、ワーク側マーク及び基板側マークを同一視野内に入れて、その相対的な位置関係より装着精度の測定を行うことができるために、XYロボットの移動精度に影響されることなく装着精度測定を行うことが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る装着精度測定方法は、[請求項4]。
従って、位置取得ステップにおいて取得する基板側マーク、ワーク側マーク、及び理論装着位置を用いて、誤差算出ステップにおいてX方向、Y方向、回転方向の装着ずれを算出することが可能となる。
【0018】
尚、前記目的を達成するために、本発明は、装着精度測定方法の特徴的な構成ステップを手段とする装着精度測定装置としたり、この装着精度測定方法に用いる冶具ワーク、治具基板、前記装着精度測定装置を備える部品実装機、又は装着精度測定方法の備えるステップをコンピュータに実行させることが可能なプログラムとすることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る装着精度測定方法においては、透明なガラス冶具基板及びガラス冶具ワークを用い、基板カメラを用いて基板側マークを基準としてXYロボットの位置決めを行い3方向での装着誤差を測定するために、XYロボットの精度に影響を受けない装着精度測定方法とすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る装着精度測定方法について図面を参照しながら説明を行う。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るオフセット測定方法を用いる部品実装機100の外観図である。
【0021】
部品実装機100は冶具ワーク101をガラス冶具基板102上に装着する処理を行うのみでなく、冶具ワーク101の装着後において装着位置の精度測定を行うことを特徴とする。
【0022】
部品実装機100は、部品実装時においては、冶具ワーク101、ガラス冶具基板102、装着ヘッド103、基板カメラ104、部品認識カメラ105、搬送レール106、XYロボット107、ワッフルトレイ108を備える。
【0023】
冶具ワーク101は、ガラス等の透明な材質から構成されたガラスチップ部品であり、例えばダミーICの模様が形成されており、ガラス冶具基板102の所定位置に装着ヘッド103に吸着保持された状態から実装される。尚、本発明における実装には、透明性の高い両面テープ等を用いて装着を行う。
【0024】
ガラス冶具基板102は、冶具ワーク101が透明性の高い両面テープを用いて装着される装着精度測定用の基板であり、透明なガラスで構成されている。尚、冶具基板102はガラスに限定されるものではなく、エッジング処理を行うことができる透明な材質であれば良い。
【0025】
装着ヘッド103は、XYロボット107により部品供給部であるワッフルトレイ108上に移動して、装着ヘッド103に設けられている吸着ノズルを用いて冶具ワーク101を吸着保持すると共に、部品認識カメラ105により吸着保持した冶具ワーク101の姿勢の認識を行い、この認識結果に基づいてX方向、Y方向、及び回転方向であるθ方向の補正を行った後に冶具基板102上に冶具ワーク101を装着する。
【0026】
基板カメラ104は、基板の認識を行うために基板の隅に形成されているマークや、装着位置の認識を行う基板側マークのターゲットマークの認識に使用される。また、基板カメラ104の視野は例えば4mm角となる。
【0027】
部品認識カメラ105は、装着ヘッド103に吸着保持された状態の冶具ワーク101のズレ量を認識し、このズレ量に基づいてXYロボット107はX方向及びY方向、装着ヘッド103は回転方向であるθ方向の補正を行う。
【0028】
搬送レール106は、例えば搬送ベルトや搬送アームを用いてガラス冶具基板102を実装処理を行うための位置に搬送する場合においてはガイド手段となる。
XYロボット107は、平面移動ロボットであり、例えばメモリ部に記録されている実装プログラムに基づいて駆動される。また、XYロボット107は、装着ヘッドをワッフルトレイ108に移動させる動作を行う。
【0029】
ワッフルトレイ108は、部品供給部に設置されるものであり、冶具ワーク101が配列される。
図2は、本発明に係る装着精度測定方法に用いるガラス冶具ワーク101の説明図である。
【0030】
図2(a)に示すように、治具ガラス201を同じパターンにカッティングして複数の冶具ワーク101を作成する。従って、治具ワーク101の精度は極めて正確に作成される。また、冶具ワーク101は、例えば8mm角に正確にカッティングされ、中心部にはダミーICの模様が形成される。
【0031】
図2(b)には、ガラス冶具ワーク101の上面図を示し、8mm角のガラス冶具ワーク101に、3mm角のICチップのダミー部分101b、及び直径1mmの治具ワーク側マーク101aが対角線上に配置して形成されている。
【0032】
図3は、本発明に係る装着精度測定方法に用いる他のガラス冶具基板301の平面図である。尚、ガラス治具基板301には一部の装着位置において治具ワーク101が装着されている。
【0033】
そして、ガラス冶具基板301には、冶具ワーク101の装着の際にターゲットとなる十字形状の中心位置のターゲットマーク304と、治具基板301の搬送時の装着ズレ量を測定するため4隅に設けられるマーク302と、装着精度測定において基準位置となる基板側マーク303が形成されている。尚、ガラス治具基板301はガラス等の透明の部材から構成されている。
【0034】
図4は、本実施の形態1に係る装着精度測定方法を説明するための概略図である。
冶具ワーク101は8mm角で形成され、表面には3mm角のダミーIC部分101bと、2箇所に直径が1mmである冶具側ワーク101aが形成されている。
【0035】
ガラス冶具基板102は、図4においては例えば10cm角の透明な基板であり、冶具ワーク101が装着されるターゲット位置102aと、5mm間隔で直径0,5mmの基板側マークが対角線上に2箇所において形成されている。
【0036】
そして、基板カメラ104は、実装処理後において、基板側マーク及び治具ワーク側マークが同一視野内に入る位置に1回目及び2回目のカメラ視野位置を設定する。この視野位置の設定には、例えばガラス冶具基板102上に正確に形成されている基板側マークを用いて視野位置を決定する。従って、XYロボット107が移動する距離に影響されることなく、X方向、Y方向、及びθ方向の装着誤差を測定できる。
【0037】
図5は、本実施の形態1に係る装着精度測定においてX方向、Y方向、θ方向の装着ズレ量であるΔX、ΔY、及びΔθを示す平面図である。
基板側マーク302間を結ぶ線分の中点を基準位置501とし、また、装着位置装着精度測定用マーク101a間を結ぶ線分の中点を実装位置502として、その位置のX方向及びY方向の差分に基づいて図5に示すようなΔX、ΔYが決定される。
【0038】
また、回転方向の差分Δθは、ロボット座標系と、基板座標系のなす角度に基づいて算出される。
そして、本発明においては、冶具ワーク及び冶具基板が共に透明に構成されているために、装着後の精度を視覚的に認識することが可能となり、基板カメラを用いて装着位置の装着精度測定を行うことが可能となる。
【0039】
次に、装着精度測定の前に冶具ワークをガラス冶具基板上に装着する際の動作手順について説明する。
図6は、本実施の形態1に係る部品実装機100の基板装着までの動作手順を示すフローチャートである。尚、部品実装機100は、X軸テーブルとY軸テーブルとを備えたXYロボット107によってXY平面を自在に移動する装着ヘッド103により、部品供給部であるワッフルトレイ108から保持した冶具ワーク101を回路基板の所定位置に装着できるように構成される。
【0040】
最初に、装着ヘッド103は、ワッフルトレイ108に移動し、吸着ノズルが下降して冶具ワーク101を吸着保持し(S601)、装着ヘッド103を部品認識カメラ105上に移動させることによって保持位置の所定位置からの位置ずれ量が検出される(S602)。
【0041】
冶具ワーク101を基板102に装着するときには、部品認識カメラ105によって検出されたXY方向の位置ずれは、XYロボット107による装着ヘッド103のXY方向への移動動作によって補正され、回転方向であるθ方向での位置ずれは吸着ノズルの回転動作によって補正される(S603)。
【0042】
また、ガラス冶具基板102は搬送レール106を介して部品実装機100に搬入されて所定位置に位置決め固定されるが、そのときの所定位置からの位置ずれはガラス冶具基板102に設けられた4隅のマークを装着ヘッド103に搭載された基板カメラ104で認識して位置ずれ量が検出され、冶具ワーク101の装着時の装着位置補正に反映される。
【0043】
図7は、本発明に係る装着精度測定方法を用いる部品実装機100の動作手順を示すフローチャートである。
最初に、上述の図6において説明された動作手順に従って冶具基板102上に装着された冶具ワーク101から装着精度測定の対象となる1つの冶具ワーク101を選択して、基板カメラ104は、冶具基板側マーク及びワーク側マークが同一の視野内に入るような視野位置を取得する(S702)。
【0044】
次に、ガラス冶具基板102側に形成されている基板側マークを視野の基準位置として取得して(S703)、冶具ワーク側マークと基板側マークの相対位置が認識できる画像の撮像を行う(S704)。尚、1回目のカメラ視野及び2回目のカメラ視野の撮像においては、ループとなるS702からS704までの処理を繰り返すこととなる。
【0045】
このように、冶具ワーク101の装着後において、本発明に係る装着精度測定方法を用いて、冶具ワーク101及びガラス冶具基板102の正規の装着位置からの誤差を測定するが、従来のようにメモリ部に記憶されている位置情報に基づいてXYロボットの位置を移動するのではなく、基板カメラ104を有する装着ヘッド103をXYロボット107により基板ストッパに最も近い冶具基板102に装着されている1つの冶具ワーク101のワーク側マーク及び冶具側マークを同時に認識できる視点位置まで移動させるために、従来のようにXYロボット107の精度に影響されることなく、装着位置の精度測定を行うことが可能となる。
【0046】
図8は、本発明に係る装着精度測定方法を説明するための参考図である。本発明の装着精度測定方法は、X方向、Y方向、及びθ方向の装着誤差ΔX、ΔY、及びΔθを求める方法である。尚、図8においてロボット座標系とは、部品実装機100のXYロボット107における座標系であり、基板座標系とは、装着された冶具ワーク101の直交する2辺をX方向及びY方向とする座標系となる。
【0047】
図8における説明において、θは、ロボット座標系で測った基板座標系の傾きを示し、p1、p2は、基板側マーク801a、801bから理論的にずれがない状態で装着された部品マーク802a、802bへの基板座標系でのベクトルを示し、mは、基板側マーク801aから基板側マーク801bへの基板座標系でのベクトルを示し、r1、r2は、基板側マーク801a、801bから実際に装着された部品マーク803a、803bへの基板座標系でのベクトルを示し、R1,R2は、基板側マーク801a、801bから実際に装着された部品マーク803a、803bへのロボット座標系でのベクトルを示している。
【0048】
尚、p1、p2、mはCADデータから得ることができ、θ、R1、R2は基板カメラ104にて計測することができる。そして、計測結果から下記に説明するr1、r2を計算し、最後に装着ズレであるΔX、ΔY、及びΔθを求める。
【0049】
そして、装着精度測定方法におけるΔX、ΔY、及びΔθを求める計算手順についての説明を行うと、最初に、装着後の計測結果を下記の数1の計算式を用いてロボット座標系から基板座標系に変換する。
【0050】
【数1】


【0051】
尚、ここで、[―θ]は回転行列を示している。
そして、X方向及びY方向の装着ズレは、p1、p2とr1、r2との差の平均値となるために、下記の数2を用いて算出する。
【0052】
【数2】


【0053】
次に、回転方向のズレ量Δθの算出法を説明すると、理論上の部品マークの基板座標に対する傾きθcadを求めるために、部品マーク803aから部品マーク803bへのベクトル(−p1+m+p2)のx成分、y成分から数3を用いてarctanを計算する。
【0054】
【数3】


【0055】
また、同様に実際に装着された部品マークの基板座標に対する傾きθrealを求めるために、部品マーク803aから部品マーク803bへのベクトル(−r1+m+r2)のx成分及びy成分から数4を用いてarctanを計算する。
【0056】
【数4】


【0057】
そして、数5に示すように、θrealからθcadを引いた値を角度ズレΔθとして求めることができる。
【0058】
【数5】


【0059】
図9は、本発明に係る装着精度側手方法における動作手順を示すフローチャートである。
最初に、実装処理後の透明なガラス冶具基板102と冶具ワーク101により、基板カメラ104を用いてR1、R2、θの計測を行う(S901)。
【0060】
次に上述した数式を用いて部品実装機100に備わる演算部において3軸方向のズレ量であるΔX、ΔY、Δθを算出して(S902)、これらを用いて誤差の補正処理を行うことにより(S903)、部品実装機100はXYロボット107のプログラム上の動作位置を補正して、より高精度の部品実装を行うことができる。
【0061】
図10は、本発明の装着精度測定方法に用いる他のガラス冶具基板1001の平面図である。
このガラス冶具基板1001には、上述した図3に示すガラス冶具基板301とは異なり、装着位置にダミーICとなるICマーク1002が形成されている。尚、部品認識においてターゲットとなる基板側マーク1003が形成されているのは図3におけるガラス冶具基板301と同様である。
【0062】
以上の説明のように、本発明に係る装着精度測定方法は、透明なガラス冶具基板102及びガラス冶具ワーク101を用いて実装処理を行い、基板カメラ104を用いて基板側マークと冶具ワーク側マークが同一の視野内に入るように視点位置を特定し、これを1つの冶具ワークに対して2箇所において撮像を行う。
【0063】
そして、基板カメラ104は2箇所を撮像するためにXYロボット107によって移動するが、その際においては、ガラス冶具基板102に正確に位置形成されている基板側マークを基準に、その相対位置として冶具ワーク側マークを計測して装着精度の誤差を測定するために、精度測定の際において温度伸び等の影響を受けるXYロボット107の精度の影響を受けることがなく、より高精度な装着精度測定が可能となる。
【0064】
また、本発明に係る装着精度測定方法は、ガラス冶具ワーク101及びガラス冶具基板102を用いることで行うことができるために、部品実装機100の顧客先、納入先等において簡便に装着精度の測定を行うことが可能となる。
【0065】
さらに、ガラス冶具基板102及びガラス冶具ワーク101が共に透明な部材で構成されているために、表面からのみでなく、裏面である冶具基板102マーク側から見たワーク側マーク位置を測定することも可能となる。
【0066】
そして、部品実装機100に備えられている基板カメラ104を用いてX方向、Y方向、θ方向の誤差の測定及び演算処理を行って、補正の結果を実装データのプログラム上に反映させ、より容易に装着精度測定方法の結果を用いて装着位置の補正処理を行って、より高精度の部品実装を行うことが可能となる。
【0067】
また、本発明に係る装着精度測定方法により誤差の補正を行うことにより、装着誤差を数μmの範囲とする部品実装機を提供することが可能となる。
尚、本発明に係る装着精度測定方法は、上述したようなフリップチップボンダのような電子部品を基板に実装する際に装着ヘッド及びXYロボットを用いて実装対象となる基板の上面から実装する部品実装機のみでなく、装着ヘッドを固定して、装着される基板側を移動させて実装処理を行うロータリ型の部品実装機においても用いることができる。
【0068】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2についての説明を行う。本実施の形態2においては、ガラス冶具ワークとガラス冶具基板に同様の模様が形成され、納入先で容易に装着精度を評価可能とする装着精度測定方法を提供する。
【0069】
図11は、本実施の形態2に係る装着精度測定方法を説明するため、冶具基板及び冶具ワークに形成されるマークのみを示す上面図である。尚、装着精度測定に使用する部品実装機は図1と同様であるため説明は省略する。
【0070】
図11においては、ガラス冶具ワークとガラス冶具基板には同じパターンのマークが形成されている。
図11(a)は、ガラス冶具基板上に形成されているオリジナルパターンを示している。また、図11(b)は、X方向及びY方向に正確に+0.5mmずらして装着した場合の図を示し、図11(c)には、冶具ワークがθ方向にずれて装着された場合の図を示し、図11(d)は、冶具ワークがX方向、Y方向、θ方向にずれて装着された場合の図を示している。
【0071】
次に、装着誤差測定方法における冶具ワークの装着動作について説明を行う。
最初に、冶具ワークのパターン面を下面にしてトレイ上にセットする。
次に、基板カメラにて冶具ワークの吸着位置を事前認識して、装着ヘッドにおいて吸着処理を行う。この際における認識は、フリップチップボンダにおいては、ガラス冶具ワークに形成されている4.8mm角の2隅のマーク1104を分けて認識することで行うこととなる。また、ダイボンダにおいては、3mm角のダミーICとなる2隅エッジを分けて認識処理を行う。
【0072】
そして、個別マーク補正して、X方向及びY方向に+0.5mmずらして装着処理を行う。尚、この際には、ガラス冶具基板上に透明性の高い両面テープを貼り付けることにより冶具ワークを基板上に装着させる。
【0073】
そして、本実施の形態2に係る装着精度測定においては、視野位置として例えばガラス基板側マークが中心にくる位置にて2隅の丸マーク2個を同時に撮像する。基板側カメラは2隅を撮像する際にXYロボットによって移動するが、あくまで固定側の正確に位置形成されている冶具ガラス基板側マークを基準に、その相対位置としてワーク側マークを計測しているために、上述した実施の形態1と同様に、XYロボットの移動距離精度の影響を全く受けない装着精度測定方法とすることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る装着精度測定方法は、フリップチップボンダ、ダイボンダ等の部品実装機の装着精度測定方法に用いることができ、特に、数μmオーダの高精度実装が要求される半導体実装等を行う部品実装機に用いる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係るオフセット測定方法を用いる部品実装機の外観図である。
【図2】本発明に係る装着精度測定方法に用いるガラス冶具ワークの説明図である。
【図3】本発明に係る装着精度測定方法に用いる他のガラス冶具基板の平面図である。
【図4】実施の形態1に係る装着精度測定方法を説明するための概略図である。
【図5】実施の形態1に係る装着精度測定においてX方向、Y方向、θ方向の装着ズレ量であるΔX、ΔY、及びΔθを示す平面図である。
【図6】実施の形態1に係る部品実装機の基板装着までの動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る装着精度測定方法を用いる部品実装機の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る装着精度測定方法を説明するための参考図である。
【図9】本発明に係る装着精度側手方法における動作手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の装着精度測定方法に用いる他のガラス冶具基板の平面図である。
【図11】本実施の形態2に係る装着精度測定方法を説明するため、冶具基板及び冶具ワークに形成されるマークのみを示す上面図である。
【図12】部品実装機におけるXYロボットの装着時におけるズレ量の実測値の一例を示す参考図である。
【符号の説明】
【0076】
100 部品実装機
101 冶具ワーク
101a 冶具ワーク側マーク
101b ダミーIC
102 ガラス冶具基板
103 装着ヘッド
104 基板カメラ
105 部品認識カメラ
106 搬送レール
107 XYロボット
108 ワッフルトレイ
201 冶具ガラス
301 ガラス冶具基板
303 ガラス基板側マーク
304 ターゲット位置
1001 ガラス冶具基板
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年4月28日(2004.4.28)
【代理人】 【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守

【公開番号】 特開2005−317806(P2005−317806A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−134587(P2004−134587)