トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 ポンプ、電子機器および冷却装置
【発明者】 【氏名】畑 由喜彦
【住所又は居所】東京都青梅市末広町2丁目9番地 株式会社東芝青梅事業所内

【氏名】富岡 健太郎
【住所又は居所】東京都青梅市末広町2丁目9番地 株式会社東芝青梅事業所内

【要約】 【課題】発熱体と冷却ポンプとの位置決めを容易に行うことができる冷却ポンプ、電子機器および冷却装置を提供する。

【解決手段】本発明に係る冷却用ポンプ17は、回転軸に固定された円盤形状体に液状冷媒を加圧するインペラ35が固定され円盤形状体に複数の永久磁石がリング状に配列かつ固定されたロータ39と、ロータを回転自在に収容するとともに液状冷媒の吸込口と吐出口を備えたポンプ室28を形成しポンプ室を形成する側壁の一部25が発熱体15の受熱部であるケース22と、ケース22を液密に密閉するとともに凹部を備えたカバー23と、カバー23の凹部に収容されるとともに、複数の電磁石により回転磁界を発生させ、ロータに前記回転軸まわりのトルクを付与する環状の固定子38と、受熱部に接合され発熱体15との位置決めを行う位置決め部材50と、を備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱器との間で循環経路を介して液状冷媒を強制循環させるとともに、発熱体に熱的に接続されるポンプであって、
内部に設けられるポンプ室と前記発熱体からの熱を受熱する受熱部とを有するハウジングと、
前記ポンプ室に位置するとともに前記液状冷媒を前記循環経路内に押し出すインペラと、
前記インペラを回転させる固定子と、
前記受熱部に接合され前記発熱体と前記ハウジングとの位置決めを行う位置決め部材と、
を備えたことを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記位置決め部材は、前記発熱体に対応した凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記位置決め部材は、前記発熱体に対応した中空部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項4】
前記位置決め部材は、複数のガイドピンからなることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体に収容される基板と、
前記プリント基板に実装される発熱体と、
前記発熱体に熱的に接続されるポンプを有した液冷装置とを備え、
前記ポンプは、
内部に設けられるポンプ室と前記発熱体からの熱を受熱する受熱部とを有するハウジングと、
前記ポンプ室に位置するとともに前記液状冷媒を前記循環経路内に押し出すインペラと、
前記インペラを回転させる固定子と、
前記受熱部に接合され前記発熱体と前記ハウジングとの位置決めを行う位置決め部材と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記位置決め部材は、前記発熱体に対応した凹部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記位置決め部材は、前記発熱体に対応した中空部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記位置決め部材は、複数のガイドピンからなることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項9】
放熱器と、この放熱器に熱的に接続される循環経路と、この循環経路内に液状冷媒を強制循環させるとともに発熱体に熱的に接続されるポンプとを具備する冷却装置であって、
前記冷却装置のポンプは、
内部に設けられるポンプ室と前記発熱体からの熱を受熱する受熱部とを有するハウジングと、
前記ポンプ室に位置するとともに前記液状冷媒を前記循環経路内に押し出すインペラと、
前記インペラを回転させる固定子と、
前記受熱部に接合され前記発熱体と前記ハウジングとの位置決めを行う位置決め部材と、
を備えたことを特徴とする冷却装置。
【請求項10】
前記位置決め部材は、前記発熱体に対応した凹部を備えていることを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記位置決め部材は、前記発熱体に対応した中空部を備えていることを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記位置決め部材は、複数のガイドピンからなることを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱体を冷却する液冷型の冷却装置に用いられるポンプ、電子機器および冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータをはじめとして、電子機器の情報処理速度の向上は著しく、これを実現するCPU(Central Processing Unit)や周辺半導体素子の処理クロック数も従来に比べて大幅な高周波化が図られている。
【0003】
これにともなって、CPUやその他の半導体素子の発熱量も増大してきている。従来のようにCPU等の発熱体にヒートシンクを熱的に接続し、ヒートシンクを空冷で冷却する方式では必ずしも対応しきれない半導体素子も現れてきている。
【0004】
これに対して、空気よりも比熱の高い液体を冷媒として用いることによって、より冷却効率の高い液冷方式の冷却装置を、パーソナルコンピュータのような小型の電子機器に適用する技術が開発されている。
【0005】
例えば、特許文献1、2および3には、冷媒を循環させる閉循環経路と、冷媒を放熱させる放熱器と、閉循環経路を循環させるために冷媒を加圧するとともに発熱電子部品に熱的に接触させて冷媒の熱交換により冷却する接触熱交換型ポンプとを備えた冷却装置が開示されている。
【0006】
この接触熱交換型ポンプは、従来、発熱電子部品に接触させて熱を受熱する受熱体と、この受熱体から伝熱された液状冷媒を循環させるためのポンプが各々独立した別構成品であったものを、ポンプを小型薄型化するとともに、ポンプケースを受熱体として兼用させることで一体化可能とするものである。
【特許文献1】特許第3431024号公報
【特許文献2】特許第3452059号公報
【特許文献3】特開2003−172286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、冷媒を循環させてCPU等の発熱体を高い冷却効率で冷却するためには、CPU等の発熱体と冷却装置側の受熱体との熱的な結合を強めることが重要である。
【0008】
このための第1の要点は、発熱体から受熱体への熱伝導を高めることである。したがって、受熱体は例えば銅やアルミニウムのような熱伝導率の高い金属材料を用いて構成される。
【0009】
例えば、特許文献2には、接触熱交換型ポンプのポンプケースの材料には銅又はアルミニウムを用いるとしている。さらに、ポンプケースの材料をアルミニウムとした場合には、発熱体とポンプケースの間に、アルミニウムより熱伝導率の高い銅を補助熱伝導部材として取り付けるのが良いとしている。
【0010】
このように、ポンプケース或いはこれと接合される補助熱伝導部材の熱伝導率を高めることは極めて重要である。
【0011】
しかしながら、これだけではまだ十分ではない。
【0012】
一般に、CPU等の高発熱半導体の上面は、四角形状のベース基板と、このベース基板より一回り小さな四角形状のヒートスプレッダと呼ばれる金属の板状の部材で構成されている。ヒートスプレッダは、CPU内部の電子素子が発生する熱を受熱しかつヒートスプレッダの四角形状の全体に広げることを目的とするものである。
【0013】
CPU等の高熱半導体の冷却を必要とする部位(以下、要冷却部位という。)は、このヒートスプレッダであり、ヒートスプレッダの周辺に露出しているベース基板は必ずしも冷却する必要はない。ヒートスプレッダの範囲に限定してその部位から熱を効率的に受熱すればよい。
【0014】
したがって、CPU等の発熱体と冷却装置側の受熱体との熱的な結合を強める第2の要点は、受熱体を発熱体の要冷却部位に適切に位置決めすることである。
【0015】
受熱体を兼用する冷却ポンプにおいては、冷却ポンプの位置を発熱体の要冷却部位に適切に位置決めすることが重要となる。
【0016】
特許文献2には、高熱伝導材料で作られたポンプケースの発熱体との接触面形状を、発熱体の3次元形状と相補的な形状にすることが開示されている。また、高熱伝導率を持つ補助熱伝導部材を設けた場合には、この補助熱伝導部材の接触面形状を発熱体の3次元形状と相補的な形状にすることも開示されている。
【0017】
これらは、いずれも発熱体との熱伝導を高めることを目的とする(上記の第1の要点)ものであり、発熱体と冷却ポンプ(接触熱交換型ポンプ)の位置決めを目的とするものではない。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ポンプと発熱体との位置決めを容易に行うことできるポンプ、電子機器および冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、請求項1に係るポンプは、放熱器との間で循環経路を介して液状冷媒を強制循環させるとともに、発熱体に熱的に接続されるポンプであって、内部に設けられるポンプ室と前記発熱体からの熱を受熱する受熱部とを有するハウジングと、前記ポンプ室に位置するとともに前記液状冷媒を前記循環経路内に押し出すインペラと、前記インペラを回転させる固定子と、前記受熱部に接合され前記発熱体と前記ハウジングとの位置決めを行う位置決め部材と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項5に係る電子機器は、前記筐体に収容される基板と、前記プリント基板に実装される発熱体と、前記発熱体に熱的に接続されるポンプを有した液冷装置とを備え、前記ポンプは、内部に設けられるポンプ室と前記発熱体からの熱を受熱する受熱部とを有するハウジングと、前記ポンプ室に位置するとともに前記液状冷媒を前記循環経路内に押し出すインペラと、前記インペラを回転させる固定子と、前記受熱部に接合され前記発熱体と前記ハウジングとの位置決めを行う位置決め部材と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項9に係る冷却装置は、放熱器と、この放熱器に熱的に接続される循環経路と、この循環経路内に液状冷媒を強制循環させるとともに発熱体に熱的に接続されるポンプとを具備する冷却装置であって、前記冷却装置のポンプは、内部に設けられるポンプ室と前記発熱体からの熱を受熱する受熱部とを有するハウジングと、前記ポンプ室に位置するとともに前記液状冷媒を前記循環経路内に押し出すインペラと、前記インペラを回転させる固定子と、前記受熱部に接合され前記発熱体と前記ハウジングとの位置決めを行う位置決め部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、発熱体とポンプとの位置決めを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る冷却用ポンプ(ポンプ)、電子機器および冷却装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0024】
図1および2は、本発明に係る電子機器の一実施形態であるパーソナルコンピュータ1の外観を示す図である。
【0025】
パーソナルコンピュータ1は、コンピュータ本体2と、パネル部3を備える。
【0026】
コンピュータ本体2は、薄型の箱形形状をした本体筐体4を有している。本体筐体4は、底壁4a、上壁4b、前壁4c、左右の側壁4dおよび後壁4eを備えている。
【0027】
後壁4eには、冷却風を放出するための複数の排気口6が設けられる。
【0028】
本体筐体4の上壁4bは、キーボード5を支持する。
【0029】
パネル部3は、パネル部筐体8と表示部9を備える。表示部9は、パネル部筐体8に収容され、表示パネル9aを備える。表示パネル9aは、パネル部筐体8の前面に形成された開口部10から露出している。
【0030】
パネル部筐体8は、本体筐体4の後端部に設けられたヒンジを介して開閉自在に支持される。
【0031】
図1は、パネル部3を開いた時の外観を示しており、図2はパネル部3を閉じた時の外観を示したものである。
【0032】
図3は、本体筐体4に収容されるプリント基板12と、プリント基板12に装着された発熱体である半導体素子、例えばCPU13およびCPU13に熱的に接続される冷却ポンプ16の断面を示した図である。
【0033】
プリント基板12は、例えば本体筐体4の底壁4aと並行に配設される。プリント基板の12の一面、例えば上面にCPU13が装着される。
【0034】
CPU13は、ベース基板14とベース基板14の上面中央部に設けられるヒートスプレッダ15を有している。ヒートスプレッダ15を効率よく冷却することがCPU13の動作を維持するために必要不可欠である。
【0035】
冷却ポンプ17の底壁25の外面は受熱面26となり、ヒートスプレッダ15の表面と熱的に接続される。
【0036】
図4は、コンピュータ本体2に収容される冷却装置16の構造の一例を示したものである。
【0037】
冷却装置16は、冷却ポンプ17、放熱部18,循環経路19および電動ファン20を備える。
【0038】
冷却ポンプ17は、プリント基板12に装着されたCPU13を覆うように配設される。また冷却ポンプ17の四隅はねじ47で貫通される。ねじ47は、プリント基板12をさらに貫通して、本体筐体4の底壁4aに固定される4つのボス部46にねじ込まれる。
【0039】
このねじ込みによって、冷却ポンプ17はプリント基板12および本体筐体4の底壁4aに固定されるとともに、CPU13と熱的に接続される。
【0040】
冷却ポンプ17は、液状冷媒を吸い込む吸込管32と液状冷媒を吐き出す吐出管33が一体に形成されている。
【0041】
放熱部18は、液状冷媒が流れる第1の通路部50,第2の通路部51および第3の通路部52を備える。
【0042】
図5は放熱部18の細部構造を示した斜視図である。図5に示すように、第1および第2の通路部50,51は、それぞれ断面扁平なパイプ53、54を備える。パイプ53、54は、各々の断面の長軸方向が本体筐体4の底壁4aに並行となるように配設される。
【0043】
第1の通路部50の上流端ではパイプ53の断面形状が円形に変化し、液状冷媒が流入する冷媒入口56となる。一方、第1の通路部50の下流端は、扁平な断面形状のまま第3の通路部52の上流端に接続される。
【0044】
第2の通路部51の下流端ではパイプ54の断面形状が円形に変化し、液状冷媒が流出する冷媒出口57となる。一方、第2の通路部51の上流端は、扁平な断面形状のまま第3の通路部52の下流端に接続される。
【0045】
パイプ53の支持面53aとパイプ54の支持面54aの間には複数の冷却フィン63が配設される。冷却フィン63は支持面53a、54aに例えば半田付けで固定され、冷却フィン63とパイプ53,54とが熱的に接続される。
【0046】
冷却フィン63の相互の間隙は、複数の冷却風通路62を構成する。
【0047】
循環経路19は、図4に示したように、上流管部70と下流管部71を備える。
【0048】
上流管部70の両端は、冷却ポンプ17の吐出管33と第1の通路部50の冷媒入口56とに接続される。
【0049】
一方、下流管部71の両端は、冷却ポンプ17の吸込管32と第2の通路部51の冷媒出口57とに接続される。
【0050】
電動ファン20は、放熱部18に冷却風を送風するためのものである。
【0051】
電動ファン20は、ファンケーシング73と、ファンケーシング73に収容されるファン用インペラ74を備える。
【0052】
ファンケーシング73は、冷却風を吐き出す冷却風吐出口75と、吐き出された冷却風を放熱部へ導く風導ダクト76を有している。
【0053】
次に冷却ポンプ17の細部構造について説明する。
【0054】
図6および図7は、本発明に係る冷却ポンプ17の第1の実施形態の構造を説明する図である。
【0055】
冷却ポンプ17は、受熱部として機能するポンプハウジング21を有する。ポンプハウジング21は、ケース22とカバー23を備える。
【0056】
ケース22は、例えば銅、アルミニウムのような熱伝導率の高い金属材料で作られる。カバー23は樹脂材料にて形成される。ケース22とカバー23とはO−リング22aを介して結合される。ケース22は、図7において上向きに開放された凹部24を有しており、凹部24の底壁25は、CPU13と対向する。底壁25の下面はCPU13と熱的に接続される受熱面26となっている。
【0057】
底壁25には、位置決め部材50が接合される。位置決め部材50は、冷却ポンプ17をCPU13の要冷却部位に適切に位置あわせするために設けられるものである。
【0058】
凹部24は、隔壁27で仕切られており、ポンプ室28とリザーブ室29を備える。リザーブ室29は、液状冷媒を蓄えるためのものである。
【0059】
隔壁27は、吸込口30と吐出口31を備える。吸込口30には吸込管32が接続され、液状冷媒をポンプ室28に吸い込む。吐出口31には吐出管33が接続され、ポンプ室28から液状冷媒を吐き出す。
【0060】
ポンプ室28には、ロータ39が収容される。
【0061】
ロータ39は、円盤形状を成し、その中心に回転軸36が固定される。回転軸36は一端がポンプ室28の中央部に、他端がカバー23の中央部に回転自在に支持される。
【0062】
ロータ39は、液状冷媒を加圧するインペラ35を備える。また、ロータ39の円環状の側壁41には、複数の永久磁石が埋め込まれている。インペラ35と複数の永久磁石は一体となって回転軸36を中心として回転する。
【0063】
カバー23は、ロータ39が収容されたポンプ室28およびリザーブ室29を液密に密閉する。
【0064】
固定子38は、カバー23の図7における上面に形成された凹部23aに収容される。固定子38は、複数の電磁石40を備える。
【0065】
複数の電磁石40に所定の電流を印加することによって、固定子38は回転磁界を発生する。この回転磁界とロータ39に設けられた永久磁石の磁界との反発力によって、固定子38は、ロータ39にトルクを発生させロータ39を回転させるとともに、ロータ39に設けられたインペラ35によって液状冷媒を加圧循環させる。
【0066】
カバー23には電磁石40への印加電流を制御する制御回路基板42も収容される。
【0067】
蓋44は、固定子38および制御回路基板42を覆い保護するためのもので、ねじ43によってポンプハウジング21に固定される。
【0068】
図8は、冷却ポンプ17の断面を模式的に示した図である。
【0069】
冷却ポンプ17のケース22には、位置決め部材50が接合される。位置決め部材50は、プリント基板12に装着されたCPU13と嵌合可能に形成されている。
【0070】
CPU13は、ベース基板14とヒートスプレッダ15を備える。ヒートスプレッダ15がCPU13の要冷却部位となる。
【0071】
一方、冷却ポンプ17のポンプハウジング21は、ポンプ室28とリザーブ室29を備えているが液状冷媒の流速が強く冷却能力が高いのは、例えば、底壁25のうちポンプ室28側の部位であり、リザーブ室29側の部位はポンプ室28側に比べれば冷却能力は十分とは言えない。このように、ポンプハウジング21の底壁25は、冷却能力が均一に広がっているわけではない。
【0072】
そこで、底壁25の最も冷却能力の高い部位とCPU13の要冷却部位を一致させることにより、全体として熱的な結合が強まり冷却能力が向上する。
【0073】
位置決め部材50は、この目的のために設けられるものである。即ち、位置決め部材50によって、冷却ポンプ17とCPU13との位置関係を、底壁25の最も冷却能力の高い部位とCPU13の要冷却部位を一致させるように位置決めすることが可能となる。
【0074】
また、位置決め部材50を設けることによって、電子機器1の組み立て工程において、位置決め作業が極めて容易になる。
【0075】
あわせて、冷却ポンプ17とCPU13との位置決めが画一的に行われることにより、電子機器1の製品間での冷却能力のばらつきがなくなり、均一な冷却能力の確保が可能となる。
【0076】
図9に示したように、位置決め部材50の形状は、例えばCPU13のヒートスプレッダ15を嵌合可能な凹部を有した板状のものである。ヒートスプレッダ15で発生する熱をポンプハウジング21に効率良く伝達するためには、少なくとも凹部の部分は熱伝導率の高い金属材料で作られる必要がある。
【0077】
ポンプハウジング21の底壁25を、凹部形状に形成することによっても同様の位置決め効果を得ることもできる。しかしながら、電子機器1の種別によってはCPU13の要冷却部位の大きさ、形状が異なる。このため、ポンプハウジング21の底壁25に凹部を設けた場合、CPU13の種別毎に形状の異なるポンプハウジング21が必要となる。
【0078】
これに対して、位置決め部材50とポンプハウジング21を別構成とすれば、CPU13の形状の変更は位置決め部材50の形状変更のみで対応することが可能となる。
【0079】
図10は、冷却ポンプ17の第2の実施形態を示したものである。冷却ポンプ17の第1の実施形態とは、位置決め部材50が異なる。
【0080】
第2の実施形態における位置決め部材50は、中央に中空部を備えた板状のものである。中空部の形状を要冷却部位であるヒートスプレッダ15に嵌合可能な形状とすることで冷却ポンプ17とCPU13の位置決めを可能とするものである。
【0081】
第2の実施形態では、位置決め部材50の中央が中空部となっているため、ヒートスプレッダ15とポンプハウジング21の底壁25が熱的に直接接続される。
【0082】
このため、位置決め部材50の材質には高い熱伝導率は要求されず、金属以外の材質であってもよい。例えば合成樹脂でもよい。
【0083】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同じ効果を有する他、第1の実施形態と比べて位置決め部材50の材質選択の幅が広がるため、軽量化や加工コストの低減が可能である。
【0084】
図11は、冷却ポンプ17の第3の実施形態を示したものである。
【0085】
第3の実施形態では、位置決め部材50を複数のガイドピンで構成する。図11の例では4つの短角柱で構成している。
【0086】
ガイドピンの数量、形状は図11の例に限定されるものではない。ヒートスプレッダ15の位置決めという目的の範囲で数量、形状は選択可能である。
【0087】
また、ガイドピンの材質も、第2の実施形態と同様に金属材料に限定されない。
【0088】
第3の実施形態によれば、第1、第2の実施形態と同じ効果が得られる他、さらなる軽量化が可能となる。
【0089】
次に、図4および図8を用いて、本発明に係る冷却ポンプ17および冷却ポンプ17を備えた冷却装置16の動作について説明する。
【0090】
発熱体であるCPU13のヒートスプレッダ15は、図8に示す位置決め部材50の凹部の面と伝熱性グリス或いは伝熱性シート(図示していない。)を介して熱的に接続される。
【0091】
なお、冷却ポンプ17の第2、第3の実施形態においては、ヒートスプレッダ15は、ポンプハウジング21の底壁25と伝熱性グリス或いは伝熱性シート(図示していない。)を介して熱的に接続される。
【0092】
CPU13で発生した熱は、位置決め部材50を介して或いは直接に、底壁25の外面からポンプ室28の内面に伝達される。
【0093】
ポンプ室28には吸込管32から吸込口30を通って、冷却された液状冷媒が流入されている。ポンプ室28の内面に伝達されたCPU13の熱は、この冷却された液状冷媒に伝達される。この結果液状冷媒は受熱する。
【0094】
一方、ポンプ室では、ロータ39が固定子38の発生する回転磁界によってトルクを受け、回転している。ロータ39に設けられたインペラ35の回転によって、受熱した液状冷媒は加圧され、吐出口31を通って吐出管33から吐き出される。
【0095】
図4に示したように、受熱した液状冷媒は冷却ポンプ17で加圧された後、吐出管33から吐き出され、循環経路19の上流管部70を通って放熱部18に流入する。
【0096】
放熱部18において、液状冷媒は、第1の通路部50,第3の通路部52および第2の通路部51を循環する。この循環の間に、受熱した液状冷媒の熱は第1の通路部50、第2の通路部51および両者と熱的に接続されている放熱フィン62に伝達される。
【0097】
一方、電動ファン20のファン用インペラ74の回転によって発生する冷却風は、第1、2の通路部50,51および放熱フィン62に当たり、これらの熱を奪った後、本体筐体4の後壁4eに設けられた複数の排気口6から放出される。
【0098】
受熱した液状冷媒は、上述のように放熱部18を循環する間に冷却される。冷却された液状冷媒は、循環経路19の下流管部71を通った後、冷却ポンプ17の吸込管32からポンプ室28に戻る。
【0099】
このサイクルを繰り返すことで、CPU13で発生した熱は、順次電動ファン20で発生した冷却風によって本体筐体4の外部へ放出される。
【0100】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に係る電子機器の一実施形態における第1の外観図。
【図2】本発明に係る電子機器の一実施形態における第2の外観図。
【図3】本発明に係る冷却ポンプの実装状態の一例を説明する図。
【図4】本発明に係る電子機器に設けられた冷却装置の一実施例の構造を示す図。
【図5】上記冷却装置の放熱部の構造を示す図。
【図6】本発明に係る冷却ポンプの第1の実施形態の構造を示す第1の図。
【図7】本発明に係る冷却ポンプの第1の実施形態の構造を示す第2の図。
【図8】本発明に係る冷却ポンプの第1の実施形態の構造を説明する断面図。
【図9】本発明に係る冷却ポンプの第1の実施形態における位置決め部材を説明する図。
【図10】本発明に係る冷却ポンプの第2の実施形態における位置決め部材を説明する図。
【図11】本発明に係る冷却ポンプの第3の実施形態における位置決め部材を説明する図。
【符号の説明】
【0102】
1 パーソナルコンピュータ(電子機器)
2 コンピュータ本体
3 パネル部
4 本体筐体
4a 底壁
4e 後壁
12 プリント基板
13 CPU(発熱体)
16 冷却装置
17 冷却ポンプ
18 放熱部
19 循環経路
20 電動ファン
21 ポンプハウジング
22 ケース
23 カバー
25 ポンプ底壁
28 ポンプ
30 吸込口
31 吐出口
32 吸込管
33 吐出管
35 インペラ
36 回転軸
38 固定子
39 ロータ
40 電磁石
50 位置決め部材
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成16年4月28日(2004.4.28)
【代理人】 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久

【識別番号】100078802
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 俊三

【識別番号】100077757
【弁理士】
【氏名又は名称】猿渡 章雄

【識別番号】100122253
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 潤一

【公開番号】 特開2005−317797(P2005−317797A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−134427(P2004−134427)