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【発明の名称】 配線板および液晶表示素子用パネルヒータ
【発明者】 【氏名】前田 育久
【住所又は居所】兵庫県三田市テクノパーク18−8 オプトレックス株式会社テクニカルセンター内

【要約】 【課題】導電粒子の配置位置を導体と電極との間隙において分散させ、導電粒子の接続寄与粒子数の増加を図り、これにより、配線板と電極との間の接続許容電流量を向上させる。

【解決手段】導体9の幅方向におけるほぼ中央部に、導体9と電極5との圧着時にACF14を流入させるための複数の中央部貫通孔11を、基体8と導体9とを貫通して導体9の長手方向に所定間隙で並べて設け、中央部貫通孔11における導体9の幅方向の内径寸法Wを、導体9の幅寸法Wの1/4〜1/2の寸法に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に導体が設けられ、前記導体が導電接着材を介して他の電極に圧着されることにより電気的に接続される帯状の配線板において、
前記導体の幅方向におけるほぼ中央部に、前記導体と前記電極との圧着時に前記導電接着材を流入させるための複数の中央部貫通孔が、前記基体と前記導体とを貫通して前記導体の長手方向に所定間隔で並べて設けられ、前記中央部貫通孔における前記導体の幅方向の寸法が、前記導体の幅寸法の1/4〜1/2の寸法に形成されていることを特徴とする配線板。
【請求項2】
前記導体の側縁部であって、前記導体の長手方向に並べられた前記中央部貫通孔の配設位置と重ならない位置に、前記基体と前記導体とを貫通する側縁部貫通孔が設けられ、前記側縁部貫通孔における前記導体の幅方向の寸法が、前記中央部貫通孔の幅寸法の1/2以下の寸法に形成されている請求項1に記載の配線板。
【請求項3】
前記導体の側縁部であって、前記導体の長手方向に並べられた前記中央部貫通孔の配設位置と重ならない位置に、前記導体と前記電極との圧着時に前記導電接着材を流入させるための開口が、前記導体を切り欠いて形成されている請求項1または2に記載の配線板。
【請求項4】
基板上に設けた導電膜に、帯状の配線板の基体上に設けた導体が導電接着材を介して電気的に接続され、前記導体によって前記導電膜に対し電圧を印加することにより前記導電膜を発熱させて、液晶表示パネルを加熱する液晶表示素子用パネルヒータにおいて、
前記導体の幅方向におけるほぼ中央部に、前記導体と前記導電膜との圧着時に前記導電接着材を流入させるための複数の中央部貫通孔が、前記基体と前記導体とを貫通して前記導体の長手方向に所定間隔で並べて設けられ、前記中央部貫通孔における前記導体の幅方向の寸法が、前記導体の幅寸法の1/4〜1/2の寸法に形成されていることを特徴とする液晶表示素子用パネルヒータ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は配線板および液晶表示素子用パネルヒータに係り、特に帯状の配線板およびこの配線板を用いた液晶表示素子用パネルヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一対の基板の間隙に液晶を封入した液晶表示パネルを有する液晶表示装置においては、低温時における液晶の応答速度を改善すべく、液晶表示パネルを加熱するための液晶表示素子用パネルヒータが採用されている。
【0003】
このような液晶表示素子用パネルヒータは、例えば、前記液晶表示パネルが有する一対の基板のうち一方の基板の外面のほぼ全面に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等からなる透明導電膜が設けられた構成とされている。
【0004】
この透明導電膜上には、一対の帯状の配線板が当該透明導電膜の対向する両側縁に沿ってそれぞれ圧着により設けられており、この透明導電膜の配線板と対向する部位が電極とされ、前記透明導電膜は、前記配線板を介して液晶表示パネルの外部駆動回路に電気的に接続されている。
【0005】
この配線板は、例えばポリイミド等からなる基体の一面に銅箔等からなる導体を有しており、一定幅の帯状に形成されている。
【0006】
そして、前記透明導電膜の電極は、複数の導電粒子が含有されたACF等の導電接着材を介して配線板の導体と電気的に接続されている。
【0007】
この液晶表示素子用パネルヒータにおいて電極と配線板とを接続するには、まず図8(a)に示すように、電極22上にACF23を配置し、続いて導体24が対向するように配線板25を載置する。そして、配線板25を電極22側に押圧することにより、電極22と導体24との間隙に介在するACF23の導電粒子26を圧縮して潰した後、ACF23を硬化させる。これにより、電極22と導体24との間に挟まれた状態で潰された導電粒子26によって、透明導電膜21の電極22と配線板25の導体24とを電気的に接続していた(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかし、従来の液晶表示素子用パネルヒータ28においては配線板25が帯状に形成されており、電極22と導体24とを接続するにあたり配線板25を電極22側に押圧する際、図8(b)に示すように、その押圧力によってACF23が配線板25の両側縁部に流動し、ACF23の流動にともなって導電粒子26も配線板25の両側縁部に移動するので、ACF23が両側縁部に溜まりやすくなっていた。
【0009】
このため、電極22と導体24との間隙における配線板25の幅方向の中央部に導電粒子26が介在しなくなるおそれがあり、このような場合、配線板25の幅方向における中央部は、配線板25と電極22との電気的な接続に寄与しないこととなる。すると、配線板25と電極22との間の接続許容電流が制限されてしまい、この結果、前記液晶表示素子用パネルヒータ28によって液晶表示パネル29を効率的に加熱することができない場合があるという問題を有していた。
【0010】
また、ACF23が配線板25の両側縁部に溜まることによりその配置位置が偏ってしまうと、導電粒子26が導体24と電極との間において適正に潰れなくなってしまう場合が多い。このような場合には、配線板25と電極22との電気的な接続に寄与する導電粒子26の数(接続寄与粒子数)が減少してしまうので、配線板25と電極22との接続許容電流がさらに制限されてしまうおそれがあった。
【0011】
【特許文献1】特開2002−023186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、導電粒子の配置位置を導体と電極との間隙において分散させ、導電接着材における導電粒子の接続寄与粒子数の増加を図り、これにより、配線板と電極との間の接続許容電流量を向上させることができる配線板、およびこの配線板を用いて液晶表示パネルを効率的に加熱することができる液晶表示素子用パネルヒータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る配線板の特徴は、基体上に導体が設けられ、前記導体が導電接着材を介して他の電極に圧着されることにより電気的に接続される帯状の配線板において、前記導体の幅方向におけるほぼ中央部に、前記導体と前記電極との圧着時に前記導電接着材を流入させるための複数の中央部貫通孔が、前記基体と前記導体とを貫通して前記導体の長手方向に所定間隔で並べて設けられ、前記中央部貫通孔における前記導体の幅方向の寸法が、前記導体の幅寸法の1/4〜1/2の寸法に形成されている点にある。
【0014】
この請求項1に記載の発明によれば、配線板における導体の幅方向のほぼ中央部に複数の中央部貫通孔が前記導体の長手方向に所定間隔で並んで形成されているので、導体と電極との圧着の際、導電接着材は配線板の両側縁部に流動するとともに、配線板の幅方向における中央部にも流動して各貫通孔の内部に流入する。これにより、導電接着材の流動方向を多様化することができる。このため、導電接着材に含有された導電粒子も、導電接着材の流動にともなって前記両側縁部だけでなく前記中央部に移動し、導体および電極との間隙に介在するので、導電粒子の配置位置を分散させることができる。
【0015】
また、貫通孔の内面によって配線板の表面積を広くすることができ、これにより、導電接着材と配線板との接着面積を広くすることができるので、配線板と電極とのピール強度の向上を図ることができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明に係る配線板の特徴は、前記導体の側縁部であって、前記導体の長手方向に並べられた前記中央部貫通孔の配設位置と重ならない位置に、前記基体と前記導体とを貫通する側縁部貫通孔が設けられ、前記側縁部貫通孔における前記導体の幅方向の寸法が前記中央部貫通孔の幅寸法の1/2以下の寸法に形成されている点にある。
【0017】
この請求項2に記載の発明によれば、導体の両側縁部に側縁部貫通孔が形成されており、導電接着材は側縁部貫通孔の内部にも流入するので、導電接着材の流動方向をより多様化することができる。これにより導電接着材に含有された導電粒子の配置位置をより分散させることができる。
【0018】
また、側縁部貫通孔の内面によって配線板の表面積をより広くすることができ、これにより、導電接着材と配線板との接着面積を広くすることができるので、配線板と電極とのピール強度をより向上させることができる。
【0019】
さらに、請求項3に記載の発明に係る配線板の特徴は、前記導体の側縁部であって、前記導体の長手方向に並べられた前記中央部貫通孔の配設位置と重ならない位置に、前記導体と前記電極との圧着時に前記導電接着材を流入させるための開口が、前記導体を切り欠いて形成されている点にある。
【0020】
この請求項3に記載の発明によれば、導体の両側縁部に開口が導体を切り欠いて形成されており、導電接着材は各開口にも流入するので、導電接着材の流動方向を一層多様化することができ、これにより、導電接着材に含有された導電粒子の配置位置を一層分散させることができる。
【0021】
また、開口によって配線板の表面積をより広くすることができ、これにより、導電接着材と配線板との接着面積を広くすることができるので、配線板と電極とのピール強度をより向上させることができる。
【0022】
さらにまた、請求項4に記載の発明に係る液晶表示素子用パネルヒータの特徴は、基板上に設けた導電膜に、帯状の配線板の基体上に設けた導体が導電接着材を介して電気的に接続され、前記導体によって前記導電膜に対し電圧を印加することにより前記導電膜を発熱させて、液晶表示パネルを加熱する液晶表示素子用パネルヒータにおいて、前記導体の幅方向におけるほぼ中央部に、前記導体と前記導電膜との圧着時において前記導電接着材を流入させるための複数の中央部貫通孔が、前記基体と前記導体とを貫通して前記導体の長手方向に所定間隔で並べて設けられ、前記中央部貫通孔における前記導体の幅方向の寸法が、前記導体の幅寸法の1/4〜1/2の寸法に形成されている点にある。
【0023】
この請求項4に記載の発明によれば、配線板における導体の幅方向のほぼ中央部に複数の中央部貫通孔が前記導体の長手方向に所定間隔で並べて形成されているので、導体と導電膜との圧着の際、導電接着材は配線板の両側縁部に流動するとともに、配線板の幅方向における中央部にも流動して各中央部貫通孔の内部に流入する。これにより、導電接着材の流動方向を多様化することができる。このため、導電接着材に含有された導電粒子も、導電接着材の流動にともなって、両側縁部だけでなく中央部に移動して導体および導電膜との間隙に介在するので、導電粒子の配置位置を分散させることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上述べたように、前記各本発明に係る配線板によれば、導体と電極との間隙に導電粒子を分散して配置させることができるので、配線板への押圧力により、導電粒子を導体と電極との間隙において適正に潰すことができる。これにより、導電接着材における導電粒子の接続寄与粒子数を増加させることができ、配線板と電極との接続許容電流量を向上させることができる。
【0025】
さらに、前記側縁部貫通孔を設けることにより、より導電接着材の流動方向を多様化させ、導電粒子の配置位置を分散させて、接続許容電流量の向上を図ることができる。
【0026】
また、前記導体の側縁部に前記開口を設けることにより、導電接着材の流動方向を多様化させ、導電粒子の配置位置を分散させて、接続許容電流量の向上を図ることができる。
【0027】
また、前記本発明に係る配線板によれば、中央部貫通孔の内面や、側縁部貫通孔の内面、さらには開口の端面によって配線板の表面積を広くすることができ、これより、導電接着材と配線板との接着面積を広くすることができるので、配線板と電極とのピール強度の向上を図ることができる。
【0028】
さらにまた、本発明に係る液晶表示素子用パネルヒータによれば、導体と導電膜との間隙において導電粒子の配置位置を分散させることにより、接続許容電流量を向上させることができ、この結果、前記配線板を用いた液晶表示素子パネルヒータによって、液晶表示パネルを効率的に加熱することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る配線板を用いた液晶表示素子用パネルヒータの実施形態を図1から図7を参照して説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係る液晶表示素子用パネルヒータの要部を示す模式的平面図、図2は、図1の液晶表示素子用パネルヒータを示すA−Aにおける模式的断面図である。
【0031】
図1および図2に示すように、液晶表示素子用パネルヒータ1は、液晶表示パネル2が有する一対のガラス基板のうち一方のガラス基板の外側に配置されており、ガラス基板3の表面におけるほぼ全面には、ITO等からなる透明導電膜4が設けられている。
【0032】
透明導電膜4上には、一対の帯状の配線板としてのフレキシブル配線板7が当該透明導電膜4の対向する両側縁部に沿ってそれぞれ圧着により設けられている。この透明導電膜4のフレキシブル配線板7と対向する部位が透明導電膜4の電極5とされている。
【0033】
フレキシブル配線板7は、ポリイミド等からなる可撓性を有する帯状の基体8を有し、基体8の一面には、銅箔等からなる導体9が設けられている。導体9は、液晶表示パネル2の図示しない外部駆動回路に電気的に接続されている。そして、フレキシブル配線板7は、全体として導体9が前記電極5に対応する程度の長さ寸法および幅寸法の帯形状に形成されている。なお、図1は、基体8側からこの基体8を透過して導体9(点線で示す)を視認している図とする。
【0034】
フレキシブル配線板7には、導体9の幅方向における中央部に、基体8と導体9とを貫通する円形状の複数の中央部貫通孔11が、フレキシブル配線板7の長手方向に一列に所定間隔をもって整列配置して設けられている。なお、各中央部貫通孔11の形状は円形状に限定されず、例えばひし形状等であってもよい。また、各中央部貫通孔11の配置位置は、導体9の幅方向におけるほぼ中央部であればよい。
【0035】
各中央部貫通孔11における導体9の幅方向の内径寸法Wは、導体9の幅寸法W の1/4〜1/2の寸法に形成されている。
【0036】
そして、フレキシブル配線板7は、導電粒子13が含有された導電接着材としてのACF14を介して、フレキシブル配線板7の導体9が透明導電膜4の電極5に対向するように配置されており、詳しくは、導体9と各電極5との間隙には複数の導電粒子13が介在しており、各中央部貫通孔11の内部にはACF14が流入されている。これにより、透明導電膜4とフレキシブル配線板7とは電気的に接続されており、透明導電膜4はフレキシブル配線板7を介して外部駆動回路に電気的に接続されるようになっている。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0038】
まず、図3(a)に示すように、透明導電膜4の電極5上にACF14を配置し、電極5と導体9とが対向するようにフレキシブル配線板7を載置した後、フレキシブル配線板7の基体8を電極5側に押圧する。
【0039】
すると、ACF14は、図3(b)に示すように、その押圧力によって導体9と電極5との間隙において配線板の両側縁部に流動するとともに、各中央部貫通孔11側すなわち導体9の幅方向における中央部に流動して、各中央部貫通孔11の内部に流入する。このとき、ACF14に含有された導電粒子13も、ACF14の流動にともなって、前記両側縁部および前記中央部に移動するとともに、導体9と電極5との間隙に介在することとなる。
【0040】
そして、前記押圧力によって電極5と導体9との間に介在するACF14の導電粒子13を圧縮して潰した後、ACF14を硬化させる。これにより、電極5と導体9との間に挟まれた状態で潰された導電粒子13によって、透明導電膜4の電極5と配線板の導体9とを電気的に接続する。
【0041】
本実施形態によれば、フレキシブル配線板7における導体9の幅方向の中央部に各中央部貫通孔11が形成されているので、導体9と電極5との圧着の際に、ACF14はフレキシブル配線板7の両側縁部に流動するとともに、配線板の幅方向における中央部にも流動して、各中央部貫通孔11の内部に流入する。このようにACF14の流動方向は多様化されるため、ACF14に含有された導電粒子13も、ACF14の流動にともなって前記両側縁部だけでなく前記中央部に移動するとともに、導体9と各電極5との間隙に介在し、導電粒子13の配置位置が分散されることとなる。
【0042】
したがって、前記フレキシブル配線板7を用いることにより導体9と電極5との間隙に導電粒子13を分散して配置させることができ、フレキシブル配線板7への押圧力により、導電粒子13を導体9と電極5との間隙において適正に潰すことができる。これにより、ACF14における導電粒子13の接続寄与粒子数を増加させることができ、フレキシブル配線板7と透明導電膜4との接続許容電流量を向上させることができる。この結果、前記フレキシブル配線板7を用いた液晶表示素子パネルヒータによって、液晶表示パネル2を効率的に加熱することができる。
【0043】
また、導体9と基体8とを貫通して各中央部貫通孔11を形成することにより、各中央部貫通孔11の内面によってフレキシブル配線板7の表面積を広くすることができる。これにより、ACF14とフレキシブル配線板7との接着面積を広くすることができるので、フレキシブル配線板7と透明導電膜4の電極5とのピール強度の向上を図ることができる。
【0044】
次に、本発明に係る配線板の第2の実施形態について、図4および図5を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0045】
第2の実施形態に係る配線板としてのフレキシブル配線板7は、図4に示すように、導体9の幅方向における中央部に基体8と導体9とを貫通する中央部貫通孔11が、フレキシブル配線板7の長手方向に一列に所定間隔で整列配置して設けられている。
【0046】
フレキシブル配線板7における導体9の両側縁部であって導体9の長手方向に並んでいる各中央部貫通孔11の配設位置と重ならない位置には、基体8と導体9とを貫通する複数の側縁部貫通孔16が設けられている。第2の実施形態において、各側縁部貫通孔16は、前記長手方向における各中央部貫通孔11の間の両側縁部について1つずつ配置されている。
【0047】
各側縁部貫通孔16における導体9の幅方向の内径寸法Wは、中央部貫通孔11の幅寸法Wの1/2以下の寸法の大きさに形成されており、本実施形態のように、導体9の幅方向における両側縁に対向するようにして2つの側縁部貫通孔16が設けられていてもよい。したがって、本実施形態においては、側縁部貫通孔16の内径寸法Wは、中央部貫通孔11の内径寸法Wよりも短い寸法によって形成されている。
【0048】
なお、側縁部貫通孔16は、例えば、図5に示すように、各側縁部貫通孔16を、フレキシブル配線板7の長手方向に並んでいる各中央部貫通孔11の間に、導体9の両側縁部について2つずつ配置してもよい。
【0049】
本実施形態によれば、フレキシブル配線板7における導体9の幅方向の中央部に各中央部貫通孔11が形成されているとともに、導体9の両側縁部に各側縁部貫通孔16が形成されているので、ACF14は、フレキシブル配線板7の幅方向における中央部に流動して各中央部貫通孔11の内部に流入するとともに、両側縁部に流動して各側縁部貫通孔16の内部にも流入する。これにより、ACF14の流動方向をより多様化することができるので、ACF14に含有された導電粒子13の配置位置をより分散させることができる。
【0050】
したがって、ACF14における導電粒子13の接続寄与粒子数を一層増加させることができ、フレキシブル配線板7と透明導電膜4との接続許容電流量をさらに向上させることができる。
【0051】
また、導体9の両側縁部に導体9と基体8とを貫通する各側縁部貫通孔16を形成することにより、各側縁部貫通孔16の内面によってフレキシブル配線板7の表面積を広くすることができる。これにより、ACF14とフレキシブル配線板7との接着面積を広くすることができるので、フレキシブル配線板7と電極5とのピール強度の向上を図ることができる。
【0052】
続いて、本発明に係る配線板の第3の実施形態について図6および図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
【0053】
第3の実施形態に係る配線板としてのフレキシブル配線板7は、図6に示すように、導体9の幅方向における中央部に基体8と導体9とを貫通する複数の中央部貫通孔11が、フレキシブル配線板7の長手方向に一列に所定間隔で整列配置して設けられている。
【0054】
フレキシブル配線板7における導体9の両側縁部であって導体9の長手方向に並んでいる各中央部貫通孔11の配設位置と重ならない位置には、開口18が導体9をその幅方向における中央に向かって矩形状に切り欠いて形成されている。本実施形態において、各開口18は、導体9の長手方向に並んでいる各中央部貫通孔11の間の両側縁に1つずつ設けられており、これにより、導体9は平面形状が魚骨形状に形成されている。
【0055】
また、本実施形態において、各開口18および各中央部貫通孔11を、各開口18の切り欠き寸法W および各中央部貫通孔11の内径寸法Wについて、各中央部貫通孔11の配設位置における導体9の幅方向の断面積(B−B断面)が、各開口18の形成位置における導体9の幅方向の断面積(C−C断面)以上の大きさとなるように形成するとよい。
【0056】
なお、各開口18は、前述のように導体9の幅方向における中央に向かって矩形状に形成されていなくてもよい。例えば、図7に示すように、各開口18は、前記中央に向かって半円形状に切り欠き形成されるものであってもよい。
【0057】
本実施形態によれば、フレキシブル配線板7における導体9の幅方向の中央部に各複数の中央部中央部貫通孔11が形成されているとともに、導体9の両側縁部に複数の開口18が導体を切り欠いて形成されているので、ACF14は、フレキシブル配線板7の幅方向における中央部に向かって流動して各中央部貫通孔11の内部に流入するとともに、両側縁部に流動して各開口18にも流入する。これにより、ACF14の流動方向をより多様化することができるので、ACF14に含有された導電粒子13の配置位置をより分散させることができる。
【0058】
したがって、導電粒子13の接続寄与粒子数を一層増加させることができ、フレキシブル配線板7と透明導電膜4との接続許容電流量をさらに向上させることができる。
【0059】
また、導体9の両側縁を切り欠いて開口18を形成することにより、導体9の端面の表面積を広くすることができる。これにより、ACF14と導体9との接着面積を広くすることができるため、フレキシブル配線板7と電極5とのピール強度の向上を図ることができる。
【0060】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【実施例】
【0061】
続いて、配線板と透明導電膜との接続許容電流量について、本発明に係る液晶表示素子用パネルヒータと、従来の液晶表示素子用パネルヒータとを比較して説明する。
【0062】
以下の各実施例および比較例においては、本発明および従来の配線板として、幅寸法が6mm、長さ寸法が260mm、厚みが0.035mmに形成された銅箔からなる導体を有する配線板を用いた。
【0063】
また、本発明の第1実施例の配線板として、前記配線板の導体における幅方向の中央部に、3mmの内径寸法すなわち導体の幅寸法の1/2の内径寸法の複数の中央部貫通孔を、配線板の長手方向に所定間隔で整列配置して形成した配線板を用いた。
【0064】
また、本発明の第2実施例の配線板として、前記配線板の導体における幅方向の中央部に、2mmの内径寸法、すなわち導体の幅寸法の1/3の内径寸法の複数の中央部貫通孔を、配線板の長手方向に所定間隙で整列配置して形成した配線板を用いた。
【0065】
さらに、本発明の第3実施例の配線板として、前記配線板の導体における幅方向の中央部に、1.5mmの内径寸法すなわち導体の幅寸法の1/4の内径寸法の複数の中央部貫通孔を、配線板の長手方向に所定間隙で整列配置して形成した配線板を用いた。
【0066】
ここで、厚みが0.035mmの銅箔からなる導体においては、1mm幅あたりの導体許容電流が2.2A/mmとする。
【0067】
これら比較例、第1実施例、第2実施例および第3実施例の配線板を、0.01A/mmの電流密度αのACFを用いて、液晶表示素子用パネルヒータにおける透明導電膜の電極に接続した。
【0068】
比較例として従来の配線板を用いた液晶表示素子用パネルヒータにおいて、配線板における導体の幅寸法が6mmであるので、導体許容電流Iは、
=6mm×2.2A/mm=13.2Aである。
【0069】
しかし、比較例の配線板を液晶表示素子用パネルヒータの透明導電膜の電極に圧着した際、導体と電極との間に配置されたACFの導電粒子が配線板の両側縁部に流動してしまい、このため、導体の幅方向における中央部(導体幅寸法の1/2(3mm))には、導電粒子が配置されず、導体と電極との電気的な接続に寄与しない領域となった。
【0070】
また、ACFが配線板の両側縁部に溜まってしまい、導電粒子を導体と電極との間において適正に潰すことができなかったため、実質的には、導電粒子が配置された導体の両側縁部(それぞれ導体幅寸法の1/4(1.5mm))のうち、2/3(1mm)のみが、導体と電極との電気的な接続に有効な幅(接続有効幅)であった。
【0071】
このため、比較例の配線板を用いた場合の導体と電極との電気的な接続に有効な面積(接続有効面積)Sは、
=1mm×2×260mm=520mm
となり、接続許容電流I01は、
01=520mm×0.01A/mm=5.2Aとなった。
【0072】
これに対し、第1実施例の配線板を用いた液晶表示素子用パネルヒータにおいて、配線板に内径寸法3mmの中央部貫通孔が複数形成されているので、導体許容電流Iは、
=1.5mm×2×2.2A/mm=6.6Aであった。
【0073】
しかし、第1実施例の配線板を透明導電膜に圧着した際、ACFは中央部貫通孔に流入するためACFの流動方向が多様化されたので、導体と電極との間隙において導電粒子の配置位置が全体に分散され、接続有効幅は1.5mm×2=3mmとなった。
【0074】
このため、第1実施例の配線板を用いた場合の接続有効面積Sは、
=3mm×260mm=780mm
となり、接続許容電流I11は、
11=780mm×0.01A/mm2=7.8Aとなった。
【0075】
また、第2実施例の配線板を用いた液晶表示素子用パネルヒータにおいて、配線板に内径寸法2mmの中央部貫通孔が複数形成されているので、導体許容電流Iは、
=2mm×2×2.2A/mm=8.8Aであった。
【0076】
しかし、第2実施例においても、配線板と透明導電膜の圧着時に、ACFの流動方向が多様化されたので、導体と電極との間隙において導電粒子の配置位置が全体に分散され、接続有効幅は、2mm×2=4mmとなった。
【0077】
このため、第2実施例の配線板を用いた場合の接続有効面積Sは、
=4mm×260mm=1024mm
となり、接続許容電流I21は、
21=1024mm×0.01A/mm2=10.2Aとなった。
【0078】
さらに、第3実施例の配線板を用いた液晶表示素子用パネルヒータにおいて、配線板に内径寸法1.5mmの中央部貫通孔が複数形成されているので、導体許容電流Iは、
=2.25mm×2×2.2A/mm=9.9Aであった。
【0079】
しかし、第3実施例においても、配線板と透明導電膜の圧着時に、ACFの流動方向が多様化されたので、導体と電極との間隙において導電粒子の配置位置が全体に分散され、接続有効幅は、2.25mm×2=4.5mmとなった。
【0080】
このため、実施例2の配線板を用いた場合の接続有効面積Sは、
=4.5mm×260mm=1170mm
となり、接続許容電流I31は、
31=1170mm×0.01A/mm2=11.7Aとなった。
【0081】
この結果から、実質的な許容電流は、比較例の許容電流と比較して、第1実施例の許容電流は1.27倍、第2実施例の許容電流は1.69倍、さらに第3実施例の許容電流は1.9倍となり、各実施例のいずれもにおいて許容電流量が向上していることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る液晶表示素子用パネルヒータの要部を示す模式的平面図
【図2】図1の液晶表示素子用パネルヒータを示すA−Aにおける模式的断面図
【図3】(a)は、図1の液晶表示素子用パネルヒータにおいて配線板の圧着前を示す概説図、(b)は、配線板の圧着後を示す概説図
【図4】本発明に係る配線板の他の実施形態を示す模式的平面図
【図5】本発明に係る配線板の他の実施形態を示す模式的平面図
【図6】本発明に係る配線板の他の実施形態を示す模式的平面図
【図7】本発明に係る配線板の他の実施形態を示す模式的平面図
【図8】(a)は、従来の液晶表示素子用パネルヒータにおいて配線板の圧着前を示す概説図、(b)は、配線板の圧着後を示す概説図
【符号の説明】
【0083】
1 液晶表示素子用パネルヒータ
2 液晶表示パネル
3 ガラス基板
4 透明導電膜
5 電極
7 フレキシブル配線板
8 基体
9 導体
11 中央部貫通孔
13 導電粒子
14 ACF
中央部貫通孔の内径寸法
導体の幅寸法
【出願人】 【識別番号】000103747
【氏名又は名称】オプトレックス株式会社
【住所又は居所】東京都荒川区東日暮里五丁目7番18号
【出願日】 平成16年4月28日(2004.4.28)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎

【公開番号】 特開2005−317760(P2005−317760A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−133879(P2004−133879)