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【発明の名称】 回路接続構造体とその製造方法
【発明者】 【氏名】張 欽崇

【氏名】林 嘉彬

【氏名】荘 光賢

【氏名】李 少謙

【要約】 【課題】導電性膜を電気メッキによって形成する際のボイドまたはバブルの発生を回避する。

【解決手段】回路支持体に取り付ける回路接続構造体が提供される。回路接続構造体は、少なくとも二つの絶縁層、二つの導電層と1個の導電性パッドを含み、対応する絶縁層を貫通して、それぞれの絶縁層の側からバイアホールが形成される。二つの絶縁層の内の一方は、他方の絶縁層の上部に設けられる。導電性パッドは二つの絶縁層の間に設けられ、導電性パッドの二つの表面はそれぞれ2個のバイアホールに接続される。回路接続構造体の同一側に形成されたバイアホール内に、二つの導電層のそれぞれが形成され、導電性パッドに接続される。本発明の回路接続構造体に基づいてバイアホールの深さ/幅の比率が低減されるため、ボイドおよびバブルの発生が効果的に回避され、その製造方法の信頼性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1と第2の回路パターン層を有する回路支持体に装着する回路接続構造体であって:
第1のバイアホールが形成される第1の絶縁層と、
第2のバイアホールが形成される第2の絶縁層を備え、
第2の絶縁層は第1の絶縁層上に形成され、
第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に設けられ、二つの表面が第1のバイアホールと第2のバイアホールのそれぞれに接続された導電性パッドと、
第2の絶縁層の表面から遠い側の第1の絶縁層表面の上と第1のバイアホール内とに設けられて、導電性パッドに結合する第1の導電層を有し、該第1の導電層は第1の回路パターン層形成に用いられ、
第1の絶縁層の表面から遠い側の第2の絶縁層表面の上と第2のバイアホール内とに設けられ、導電性パッドに結合する第2の導電層を有し、該第2の導電層は第2の回路パターン層形成に用いられることを特徴とする回路接続構造体。
【請求項2】
前記導電性パッドが、銅からなることを特徴とする請求項1記載の回路接続構造体。
【請求項3】
前記第1の導電層が、銅からなることを特徴とする請求項1記載の回路接続構造体。
【請求項4】
前記第2の導電層が、銅からなることを特徴とする請求項1記載の回路接続構造体。
【請求項5】
第1の絶縁層がエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の回路接続構造体。
【請求項6】
第2の絶縁層がエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の回路接続構造体。
【請求項7】
第1と第2の回路パターン層を備えた回路支持体に装着する回路接続構造体の製造方法であって、次のステップを含む:
第1の絶縁層の一つの表面上に導電性パッドを形成し、第1の絶縁層の他の表面上には第1の導電層を形成する;
前記第1の絶縁層の前記表面上に第2の絶縁層を形成して前記導電性パッドを覆い、前記第2の絶縁層の前記第1の絶縁層から遠い側の表面に第2の導電層を形成する;
前記第1の導電層の側から前記第1の絶縁層を貫通する第1のバイアホールを形成して前記導電性パッドを露出せしめると共に、前記第2の導電層の側から前記第2の絶縁層を貫通する第2のバイアホールを形成して前記導電性パッドを露出せしめ;
前記第1のバイアホール内に第3の導電層を形成して前記導電性パッドを前記第1の導電層に接続し、前記第3および第1の導電層を画定して第1の回路パターン層を形成し;
前記第2のバイアホール内に第4の導電層を形成して前記導電性パッドを前記第2の導電層に接続し、前記第4および第2の導電層を画定して第2の回路パターン層を形成する。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、接続構造に関し、特に接続孔(バイアホール)の深さ/幅の比率が、所定のホール幅において低減された回路接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子工業の製造技術が発展し急速に進歩するにともなって、プリント回路基板(PCB)が従来の接続配線溶接組み立てシステムに取って代っている。PCBには微細な電子部品を搭載することが可能であるため、工業的に広く採用されている。
集積回路(IC)とコンピュータシステムが相次いで発明されると共に、回路設計は益々錯綜かつ複雑になってきている。このため単層PCBは通常の部品配置に使用することが出来ず、この結果として両面基板や多層基板が出現することとなった。ICの実装(パッケージング)分野においては、PCBは単にコンピュータシステムのマザーボードとしてだけではなく、IC実装基板としても有用である。基板の限定された大きさの中での回路密度の向上は、少なくとも1個の回路接続構造体を備えた少なくとも2層の回路パターン層を接続することによって実現される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1Aを参照して、ここに回路接続構造体の摸式断面図が示されている。図1Aにおいて回路接続構造体101は例えば両面回路板であって、このため導電層の数は2である。従来の回路接続構造体は回路支持体(図示しない)に装着され、この回路支持体は少なくとも2層の回路パターン層(図示しない)を含む。回路接続構造体101は絶縁層110、2枚の導電層120、122、バイアホール130と導電性膜124を含み、通常は絶縁層110はエポキシ樹脂、また導電層120、122は銅からなる。導電層120、122は、それぞれ絶縁層110の表面112と114の上に設けられる。回路接続構造体101のバイアホール130はエッチングまたは直接レーザ穿孔により形成され、導電層120と絶縁層110とを貫通している。
【0004】
図1Bを参照して、ここに図1Aの回路接続構造体の摸式断面図が示されているが、導電性膜はバイアホールの側壁上に不均一に分散している。図1Bにおいてバイアホールが導電層120、122と電気的に結合するように回路接続構造体101上に設けられた導電性膜124は、電気メッキ(electroplating)またはプラグ電気メッキ(plug electroplating)により形成される。
導電性膜124をバイアホール130に形成する際には、電荷が導電層120とバイアホール130との接合する先端領域周辺に集まるため、導電性膜124はこの先端領域周辺で厚くなる。対照的にバイアホール130の底部周辺では導電性膜124は薄くなる。通常バイアホール130はレーザ穿孔プロセスにより形成されるので、その幅は一定しているが、深さは過大となる(約100μm以上)のが通例である。こうなると(深さ/幅)の比率としては、バイアホール130中に均一に導電性膜124を形成するには大きくなり過ぎる。
【0005】
図1Cを参照して、ここに従来の回路接続構造体の摸式断面図を示すが、導電性膜の形成と共に空隙(ボイド)が形成されている。図1Cにおいて、導電性膜124の厚みを増して行くとバイアホール130の頂部周辺の導電性膜124は連続したものとなってバイアホール130は閉塞される。かくして、ボイド140がバイアホール130の底部周辺に形成され、この中に空気が集積して気泡(バブル)を形成する。このため回路接続構造体の導電性膜124形成についての信頼性が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの観点によれば、導電性膜を電気メッキによって形成する際のボイドまたはバブルの発生を回避するため、その幅を固定値とした時に、従来よりも比較的幅の浅いバイアホールを形成し、それにより深さ/幅の比率を比較的小さくした回路接続構造体が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、導電性膜を電気メッキによって形成する際のボイドまたはバブルの発生を回避するため、その幅を固定値とした時に、従来よりも比較的幅の浅いバイアホールを形成し、それにより深さ/幅の比率を比較的小さくした回路接続構造体の製造方法が提供される。
【0008】
本発明によれば回路支持体に装着される回路接続構造体が提供される。ここでは、回路支持体は少なくとも第1と第2の回路パターン層を含む。
回路接続構造体は第1と第2の絶縁層と、導電性パッド、第1と第2の導電層を含み、第1と第2の絶縁層をそれぞれ第1と第2のバイアホールが貫通し、第2の絶縁層は第1の絶縁層上に形成されている。導電性パッドが第1と第2の絶縁層の間に設けられ、導電性パッドの二つの表面はそれぞれ第1と第2のバイアホールに接続されている。第1の導電層は、第1の絶縁層の表面上で第2の絶縁層からは離れた位置にある第1のバイアホール中に形成され、導電性パッドに接続して第1の回路パターン層を形成する。第2の導電層は第2の絶縁層の表面上で第1の絶縁層からは離れた位置にある第2のバイアホール中に形成され、導電性パッドに接続して第2の回路パターン層を形成する。
【0009】
本発明の回路接続構造体の一つの観点によれば、導電性パッド、第1の導電層および第2の導電層はいずれも銅からなる。
【0010】
本発明の回路接続構造体の一つの観点によれば、第1の絶縁層と第2の絶縁層はエポキシ樹脂からなる。
【0011】
本発明の他の観点によれば、回路支持体に装着される回路接続構造体の製造方法が提供される。ここでは、回路支持体は第1と第2の回路パターン層を含む。
回路接続構造体の製造方法は次の製造工程(ステップ)を含む:
最初に第1の絶縁層の表面上に導電性パッドを形成し、この第1の絶縁層の他の表面上に第1の導電層を形成する;
次に第1の絶縁層の表面上に第2の絶縁層を形成して導電性パッドを覆い、第2の絶縁層の他の表面上には第2の導電層を形成する;
この後、第1の導電層側から、第1の絶縁層を貫通する第1のバイアホールを形成して、導電性パッドを露出させると共に、第2の導電層側から、第2の絶縁層を貫通して導電性パッドを露出させる第2のバイアホールを形成する。
最後に第1のバイアホール中に第3の導電層を形成して、導電性パッドと第1の導電層とを接続し、第3の導電層と第1の導電層を画定して第1の回路パターン層を形成すると共に;
第2のバイアホール中に第4の導電層を形成して、この導電層と第2の導電層とを接続し、第4の導電層と第2の導電層を画定して第2の回路パターン層を形成する。
【発明の効果】
【0012】
上記の記載によれば、所定の導電性パッドを備えた2層の絶縁層の間に接続回路構造体が形成される。そして2層の導電層はそれぞれ、絶縁層上および回路接続構造体の同じ側に設けられたバイアホール上に設けられ、2層の導電層は導電性パッドを介して互いに電子的に接続される。従って、バイアホールの幅を一定にした時、それぞれのバイアホールの深さならびに深さ/幅の比率を減少することができ、これによりバイアホール中の導電層をより均一に形成可能にすることができる。このように本発明の回路接続構造体によればボイドまたはバブルの発生が効果的に回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図2を参照して、図2は本発明の一実施例による回路接続構造体の断面を例示する摸式図である。本発明の回路接続構造体200が一例として両面基板(double−layered substrate)で具現されている。そして回路接続構造体は回路支持体(図示しない)に装着され、回路支持体は少なくとも2層の回路パターン層(図示しない)を含む。回路接続構造体200は、2層の絶縁層210、212、導電性パッド220および2層の導電層230、232を含み、バイアホール240が、絶縁層210の側から絶縁層210を貫通して形成されると共に、絶縁層210上に形成された絶縁層212の側から、バイアホール242が絶縁層212を貫通して形成される。2層の絶縁層210、212の間に導電性パッド220が設けられて、その表面220a、220bは、それぞれバイアホール240、242に接続される。導電層230は絶縁層210の表面210bの上、ならびにバイアホール240の内部に設けられ、導電性パッド220と接続される。また導電層232は絶縁層212の表面212aの上、ならびにバイアホール242の内部に設けられ、導電性パッド220に接続される。そしてこれらの導電層230、232はそれぞれ回路パターン層を形成する。絶縁層210、212の材料はエポキシ樹脂を含む。導電性パッド220と導電層230、232の材料の一例は銅で、2層の導電層230、232は導電性パッド220を介して相互に電気的に接続されている。
【0014】
図4を参照して、図4は本発明の一実施例による回路接続構造体の製造方法を例示する摸式的なフローチャートである。図3Aには、絶縁層、導電層および導電性パッドを含む、本発明の一実施例による回路接続構造体の断面を例示する摸式図が示されている。図4と図3Aを共に参照して、回路接続構造体の製造方法は次の製造工程(ステップ)を含む:
最初に第1の絶縁層210、即ちステップ310に記載されている第1の絶縁層の表面210a上に、導電性パッド220を形成する。導電性パッド220を画定する方法は例えばエッチングを含む。そして導電層230、即ちステップ310に記載されている第1の導電層を、絶縁層210の表面210b上に形成する。
【0015】
図3Bには図3Aに描かれた構造に、さらに絶縁層と導電層が付加された回路接続構造体を例示している。図4と3Bを共に参照して、導電性パッド220を覆う絶縁層210の表面210a上に、ステップ320における第2絶縁層に相当する絶縁層212を形成し、絶縁層212の表面212a上に、ステップ320における第2導電層に相当する導電層232を形成する。付加される絶縁層212と導電層232の製造方法としては、例えば樹脂被覆された銅の圧縮または樹脂を圧縮した後、銅の膜をメッキすることを含む。
【0016】
図3Cを参照して、図3Cは図3Bに描かれた回路接続構造体の断面を摸式的に例示する図である。ここで更に2個のバイアホールが形成される。図4と3Cを共に参照して、ステップ330に記載されている第1のバイアホールに相当するバイアホール240を、導電層230の側から絶縁層210を貫通して形成し、導電性パッド220を露出させる。そして、ステップ330に記載されている第2のバイアホールに相当するバイアホール242を、導電層232の側から絶縁層212を貫通して形成し、導電性パッド220を露出させる。バイアホール240、242はレーザ穿孔、ドリル加工、プラズマエッチングまたはフォトリソグラフィーのような方法で形成される。
【0017】
図3Dを参照して、図3Dは図3Cに描かれた構造に、さらに2層の導電層が2個のバイアホールに付加された回路接続構造体を例示した模式断面図である。図4と3Dを共に参照して、ステップ340に記載されている第3の導電層に相当する導電層234をバイアホール240内に形成し、導電性パッド220を導電層230に接続する。そして導電層234と導電層230とを画定して回路パターン層を形成する。更にステップ340に記載されている第4の導電層に相当する導電層236をバイアホール242内に形成し、導電性パッド220および導電層232に接続する。そして導電層236と導電層232とを画定して回路パターン層を形成し、これにより2層の導電層230と232が、導電性パッド220を介して電気的に結合される。バイアホール240、242内に付加される導電層234、236は、電気メッキまたはプラグ電気メッキ(plug electroplating)法、金属ペースト充填、導電性ポリマーなどの方法で形成される。また回路画定法としては、例えばフォトリソグラフィーが挙げられる。
【0018】
この発明は特別な態様を参照して記述されているが、当技術分野における熟達者であれば、本発明の精神を逸脱することなしに記載された実施例の修正をなし得ることは明らかであろう。従って、本発明の権利範囲は上記の詳細な記述によって規定されるのではなく、添付する請求の範囲により定義されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0019】
上述の回路接続構造体とその製造方法によれば、導電性パッドが二つの絶縁層の間に設けられているため、二つの導電層は、導電性パッドを介して相互に電気的に結合される。従って、本発明の一つの態様に基づいて形成されるバイアホールの深さは一例として約60μmに低減され、バイアホールの幅が同じであるとすると、その深さ/幅の比率は実質的に低下する。更にバイアホール内に導電層がより均一に分配され、バイアホールの導電層に生じる可能性のあるボイドまたはバブルの発生を回避することができる。本発明の回路接続構造体によれば、バイアホール内に付加的に層形成を行うに際して高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】従来技術による回路接続構造体の断面を示す摸式図である。
【図1B】従来技術による回路接続構造体の断面を例示する摸式図で、導電層はバイアホールの側壁に不均一に形成されている。
【図1C】従来技術による回路接続構造体の断面を例示する摸式図で、(図1Bの不均一な)導電層が連結され、これによりボイドが形成されている。
【図2】本発明の一つの態様による回路接続構造体の断面を例示する摸式図である。
【図3A】絶縁層、導電層および導電性パッドを含む、本発明の一つの態様による回路接続構造体の摸式断面図である。
【図3B】さらに付加された絶縁層と導電層とを含む、本発明の一つの態様による回路接続構造体の断面を例示する摸式図である。
【図3C】2個のさらに付加されたバイアホールを含む、本発明の一つの態様による回路接続構造体の断面を例示する摸式図である。
【図3D】2層のさらに付加された導電層を両バイアホールのそれぞれの中に含む、本発明の一つの態様による回路接続構造体の断面を例示する摸式図である。
【図4】本発明の一つの態様による回路接続構造体の製造方法のステップを例示する、摸式的なフローチャートである。
【符号の説明】
【0021】
101 回路接続構造体
110 絶縁層
112 表面
120 導電層
124 導電性膜
130 バイアホール
140 ボイド
200 回路接続構造体
210 絶縁層
210a 表面
210b 表面
212 絶縁層
212a 表面
220 導電性パッド
220a 表面
230 導電層
232 導電層
234 導電層
236 導電層
240 バイアホール
242 バイアホール
【出願人】 【識別番号】504366109
【氏名又は名称】欣興電子股▲ふん▼有限公司
【出願日】 平成16年9月29日(2004.9.29)
【代理人】 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾

【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳

【識別番号】100101616
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 吉之

【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦

【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛

【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭

【公開番号】 特開2005−311289(P2005−311289A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−284845(P2004−284845)