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【発明の名称】 部品内蔵型多層基板
【発明者】 【氏名】猿渡 達郎
【住所又は居所】東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘電株式会社内

【氏名】宮崎 政志
【住所又は居所】東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘電株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアが複数の金属板で構成されたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項2】
前記複数の金属板が樹脂層を介して貼り合わせられたことを特徴とする請求項1記載の部品内蔵型多層基板。
【請求項3】
前記複数の金属板の厚さが同じであることを特徴とする請求項1記載の部品内蔵型多層基板。
【請求項4】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、第1および第2の金属板を備え、
前記収容部は、前記第1の金属板を除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板を除去して形成された第2の収容部とを備え、
前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備えたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項5】
前記第1および第2の部品の前記接続ビアに対するコンタクト面が同一高さに配置されたことを特徴とする請求項4記載の部品内蔵型多層基板。
【請求項6】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、第1および第2の金属板を備え、
前記収容部は、前記第1の金属板を除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板を除去して形成された第2の収容部とを備え、
前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備え、
前記接続ビアは、前記第2の金属板に接続された放熱用のビアを備えたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項7】
前記第1の部品は能動部品であり、前記第2の部品は受動部品であることを特徴とする請求項6記載の部品内蔵型多層基板。
【請求項8】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、
前記収容部は、前記第1の金属板と前記樹脂層とを除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板と前記樹脂層とを除去して形成された第2の収容部とを備え、
前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備えたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項9】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、
前記収容部は、前記第1の金属板を除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板と前記樹脂層とを除去して形成された第2の収容部とを備え、
前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備えたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項10】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、
前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が設けられたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項11】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、
前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が前記絶縁層を介して設けられたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項12】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、
前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された一の領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が前記絶縁層を介して複数設けられたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項13】
前記複数のスルーホール導体は、隣接したスルーホール導体間の中心距離が前記金属板一枚分の厚さの3倍未満であることを特徴とする請求項9記載の部品内蔵多層基板。
【請求項14】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、
前記収容部は、前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成され、
前記部品が配置された収容部内に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体を前記絶縁層を介して設けられたことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項15】
金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、
前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、該各金属板の少なくとも一部をGND層として共用したことを特徴とする部品内蔵型多層基板。
【請求項16】
前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が設けられ、前記GND層として共用される部分においては、第1および第2の金属板が前記スルーホール導体を介して相互に接続されたことを特徴とする請求項15記載の部品内蔵型多層基板。
【請求項17】
前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が前記絶縁層を介して設けられ、前記GND層として共用される部分においては、第1および第2の金属板が前記スルーホール導体を介して相互に接続されたことを特徴とする請求項15記載の部品内蔵型多層基板。
【請求項18】
前記GND層として共用される部分においては、前記第1および第2の金属板を貼り合わせる樹脂層に導電性を持たせたことを特徴とする請求項15記載の部品内蔵型多層基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、部品内蔵型多層基板に関し、特に、サイズの異なる部品の基板内蔵化に有効な部品内蔵型多層基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品実装の高密度化を図るべく、配線基板内部に部品を埋め込んだ部品内蔵型の多層基板が検討されている。この種の部品内蔵型多層基板としては、例えば、下記文献に開示された構造が知られている。
【特許文献1】国際公開WO 03/103355号 この特許文献1には、同文献の第5図に記載されたように、金属製のコア部材に形成された貫通孔内に部品が内蔵された構造が開示されており、部品の保護と放熱性に優れた多層基板が期待できる。
【0003】
また、この特許文献1では、部品の内蔵高さを調節するために、第3図に記載されたような高さ寸法調整部材30を使用した構造が開示されている。このように、部品の内蔵高さを調整することで、サイズの異なる部品を内蔵する場合であっても、これら部品のコンタクト位置を合わせることができるため、レーザを用いてフェイスアップ接続用のコンタクト孔を形成する際に好適である。
【0004】
しかし、このような高さ調整部材を用いた手法では、本来内蔵したい部品だけでなく、この高さ調整部材を装填する工程が必要になるため、改善が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、サイズの異なる部品の基板内蔵化に有効な手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアが複数の金属板で構成されたことを特徴とする。
【0007】
ここで、収容部は、金属コアの表裏を貫通する貫通孔や、金属コアの表裏のいずれか一方に開口した座繰りのいずれをも含み、内蔵対象となる部品のサイズに応じた形状で形成される。収容部の形成は、金属コアをエッチングすることで行うことが可能である。
【0008】
収容部内に配置される部品としては、トランジスタや集積回路等の能動部品およびコンデンサ、インダクタ、フィルタ等の受動部品が適宜選択可能である。これらの内蔵部品は、金属コアに形成された収容部内に配置され、金属コアの表裏両面から絶縁層で封止される。
【0009】
金属コアは、絶縁層封止の際に内蔵された部品を保護し、かつ、発熱部品の放熱や能動部品のシールドとしても好適に機能する。また、この金属コアを配線パターンや電源ライン、GNDラインとして使用することも可能である。金属コアの材料としては、エッチングによる加工性、機械的剛性、放熱性、伝導性等を考慮すると、銅を用いることが望ましい。
【0010】
本発明では、この金属コアを複数の金属板で構成することにより、段階的なエッチングを可能とし、部品の高さに応じた収容部の形成が可能な構造を提供している。この構造は、前述の特許文献1のような高さ寸法調整部材を設ける構造とは異なり、金属板のエッチングによる収容部の高さ調整が可能であるため、製造工程の簡易化が期待できる。また、エッチングのアスペクト比が厳しいような場合であっても、段階的なエッチングが可能であるため、1層の金属板で構成するよりも、ハイアスペクトな加工が可能になる。
【0011】
金属コアを構成する複数の金属板は、樹脂層を介して貼り合わせることが望ましく、このように構成することで、該樹脂層が金属板をエッチングするときのプロテクターとして機能するため、複数の金属板を貼り合わせた状態で段階的なエッチングが可能となる。よって、樹脂層の材料としては、金属板のエッチング剤に対して、耐エッチング性を有する材料を選択することが望ましく、より望ましくは、金属板に対して高い接着性を有する材料を選択する。
【0012】
また、金属コアを構成する複数の金属板は、各金属板の厚さが同じであることが望ましく、このように構成することで、金属コアの反りを低減させることが可能になる。尚、金属板を3枚貼り合わせる場合は、中心の金属板を他の2枚よりも厚く形成し、両外の金属板の厚さを同じにしても良い。
【0013】
本発明の第2の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、第1および第2の金属板を備え、前記収容部は、前記第1の金属板を除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板を除去して形成された第2の収容部とを備え、前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、絶縁層上に形成される配線パターンは、金属コアの表裏両面に設けても、表裏のいずれか一方に設けても良く、この配線パターンに対して内蔵部品がフェイスアップ接続される構造が望ましい。このフェイスアップ接続構造については、前述の特許文献1にも記載されており、同文献に記載された内容は、本発明の参考記載として本明細書に組み込まれるものとする。
【0015】
第1の収容部は、低背部品の収容に適した構造を有し、金属板一枚分に相当する高さの部品を収容することが可能である。尚、複数の金属板を樹脂層を介して貼り合わせた構造を採用した場合は、この樹脂層をも除去して第1の収容部としても良い。
【0016】
第2の収容部は、高背部品の収容に適した構造を有し、金属板複数枚に相当する高さの部品を収容することが可能である。尚、金属コアを3枚以上の金属板で構成する場合は、金属板2枚分を除去して第1の収容部とし、金属板3枚分を除去して第2の収容部にする等、第1の収容部よりも第2の収容部の除去枚数を増加させる構成としても良く、このような実施形態も本発明に含まれるものとする。
【0017】
前記第1および第2の部品の前記接続ビアに対するコンタクト面は、同一高さに配置することが望ましく、このように構成することで、接続ビアの長さを一定にすることができる。その結果、接続ビア用のコンタクトを絶縁層に形成する際、レーザの出力を一定に設定した状態での加工が可能になる。
【0018】
本発明の第3の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、第1および第2の金属板を備え、前記収容部は、前記第1の金属板を除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板を除去して形成された第2の収容部とを備え、前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備え、前記接続ビアは、前記第2の金属板に接続された放熱用のビアを備えたことを特徴とする。
【0019】
このように、第2の金属板を下地として使用することにより、第2の金属板を放熱導体として活用することができるため、発熱性の高い部品を第1の収容部に配置すれば、発熱対策を好適に行うことができる。よって、前記第1の部品は能動部品であることが望ましく、前記第2の部品は受動部品であることが望ましい。尚、第1の部品を第2の金属板に固定するにあたっては、熱伝導性の高い接着部材を用いるか、薄い接着層を介して固着することが望ましい。
【0020】
本発明の第4の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、前記収容部は、前記第1の金属板と前記樹脂層とを除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板と前記樹脂層とを除去して形成された第2の収容部とを備え、前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備えたことを特徴とする。
【0021】
このように、貼り合わせ用の樹脂層を除去して収容部を形成することにより、第1の収容部に配置された部品を第2の金属板により近接させることが可能になるため、部品の実装安定性や放熱性の向上が期待できる。
【0022】
本発明の第5の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止され、前記部品が前記絶縁層に形成された接続ビアを介して該絶縁層上に形成された配線パターンに接続された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、前記収容部は、前記第1の金属板を除去して形成された第1の収容部と、前記第1および第2の金属板と前記樹脂層とを除去して形成された第2の収容部とを備え、前記部品は、前記第1の収容部に配置された第1の部品と、前記第2の収容部に配置された第2の部品とを備えたことを特徴とする。
【0023】
このように、貼り合わせ用の樹脂層を活用して収容部を形成することにより、当該樹脂層を利用した部品の固定が可能になるため、部品配置精度の向上や部品配置工程の簡易化が期待できる。
【0024】
本発明の第6の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が設けられたことを特徴とする。
【0025】
このように、金属コアを貫通するスルーホール導体を設けることで、金属コアの表裏両側に設けられた配線パターンを電気的に接続することが可能になり、配線の自由度が向上する。また、このスルーホール導体を利用して第1および第2の金属板を相互に接続し、これらの金属板で構成されたGND層を設けても良い。
【0026】
このスルーホール導体は、封止用の絶縁層を介して設けても良く、この場合には、金属コアに形成した貫通孔を絶縁層で封止し、この絶縁層にレーザ若しくはドリル加工を施して開口した貫通孔の側壁に導体層を設けることで形成できる。また、このスルーホール導体は、エッチングにより露呈した金属コア層の側壁に導体層を設けることで形成しても良い。
【0027】
本発明の第7の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成された一の領域に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が前記絶縁層を介して複数設けられたことを特徴とする。
【0028】
このように、金属コア内に設けた一の領域に複数のスルーホール導体を設けることで、個々のスルーホール導体ごとに専用の領域を設ける場合に比べて、スルーホール導体の高密度配置が可能になる。ここで、一の領域内に配置する複数のスルーホール導体は、隣接したスルーホール導体間の中心距離が前記金属板1枚分の厚さの3倍未満であることが望ましい。このように、狭ピッチでスルーホール導体を配置する場合は、金属板のエッチングアスペクトとの関係で、一の領域内に複数配置することが望まれる。金属板を複数貼り合わせることで、エッチングアスペクトの制限は緩和されるが、さらに高密度化したい場合には、本手法が有効である。
【0029】
本発明の第8の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、前記収容部は、前記樹脂層と前記第1および第2の金属板とを除去して形成され、前記部品が配置された収容部内に、前記金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体が前記絶縁層を介して設けられたことを特徴とする。
【0030】
このように、部品を収容した領域にスルーホール導体を共存させることで、より高密度実装が可能になる。尚、部品とともに収容するスルーホール導体は、複数本であっても良い。
【0031】
本発明の第9の手段は、金属コアに設けた収容部に部品を配置し、該金属コアの表裏両面と該収容部とが絶縁層で封止された部品内蔵型多層基板において、前記金属コアは、樹脂層を介して貼り合わせられた第1および第2の金属板を備え、該各金属板の少なくとも一部をGND層として共用したことを特徴とする。
【0032】
このように、貼り合わせ構造によって分離された第1および第2の金属板の双方をGND層として共用することで、より安定性の高いGND構造が提供できる。このGND層を共用する構造としては、第1および第2の金属板の接続を金属コアの表裏を貫通するスルーホール導体を介して行う方法が好適である。
【0033】
このスルーホール導体としては、金属コアに形成された貫通孔に絶縁層を介して形成された構造と、金属コアに形成された貫通孔の壁面にメッキ等の導電処理を施して形成された構造のいずれを取ることも可能である。また、このようなスルーホール導体に替えて、金属板を貼り合わせる樹脂層に導電性を持たせることで、金属板同士を相互に接続しても良い。これらの接続処理は、少なくともGND層として共用する部分に対して行われれば良い。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、高さの異なる部品を内蔵する場合であっても、部品収容部の高さ調整が簡易に行えるため、多種多様な部品の内蔵に適した多層基板が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る多層基板を添付図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明は、以下説明する実施形態に限らず適宜変更可能である。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。同図に示すように、本実施形態に係る多層基板10は、銅板で形成された金属層30−1、30−2が貼り合わせ樹脂層32を介して貼り合わせられた金属コア層を備え、この金属コア層の表裏面には、絶縁部材36上に配線パターン50を備えた配線層34−1、34−2がそれぞれ形成される。
【0037】
金属コア層には、貫通孔40−1、40−2、40−3、40−4と、座繰り42とが設けられ、貫通孔40−1の内部は、絶縁部材36で充填され、貫通孔40−2、40−3の内部には、受動部品20−1、20−2が配置され、貫通孔40−4の内部には、金属コアの表裏を貫通し、配線層34−1と34−2とを導通させるスルーホール導体54が形成され、座繰り42の内部には、能動部品22が配置される。尚、スルーホール導体54の内部は、図示しない絶縁部材を充填しても良い。
【0038】
尚、貫通孔40−1は、ダイサーカットによる切断領域として設けられ、複数の回路モジュールを含む集合基板として作製された配線基板から、個々の回路モジュールを分断する際に使用される。尚、図示しないが貫通孔40−4の右側にも同様なダイサーカット用の貫通孔が設けられる。
【0039】
上記のような構造で金属コア内に内蔵される受動部品20−1、20−2は、絶縁性接着剤24を介して配線層34−2を構成する絶縁部材36上に固定され、能動部品22は、Agペースト等の放熱性及び導電性を持った接着剤24を介して金属層30−2上に固定される。これら内蔵部品と金属コア層との間は、絶縁部材36が充填される。また、前記能動部品の裏面にグランド電極が設けられている場合、前記接着剤を介して、当該能動部品をグランド層として機能する金属コアに接続することが可能となる。
【0040】
金属コア層の内部に内臓された受動部品20−1、20−2および能動部品22と、配線パターン50との接続は、絶縁部材36の内部に設けられた接続ビア52により行われる。同図に示すように、各内蔵部品は、接続ビア52とのコンタクト面が同一の高さとなる位置に配置されており、この配置は次の構造により得られる。
【0041】
即ち、高背の受動部品20−1、20−2は、金属層30−1、30−2および貼り合わせ樹脂層32を除去して形成された貫通孔40−2、40−3に配置され、低背の能動部品22は、金属層30−1と貼り合わせ樹脂層32とを除去して形成された座繰り42に配置される。これにより、受動部品と能動部品との高さの差が金属層30−2の有無によって吸収され、結果として、各内蔵部品の接続ビア52に対するコンタクト面が同一高さになる。
【0042】
金属層30−2は、接続ビア52を介して配線層34−2に設けられた配線パターン50に接続されており、この金属層30−2がGND層および放熱層として機能する。
【0043】
このように、金属コア層を複数の金属層30−1、30−2を積層して構成することで、高さの異なる部品であっても接続ビアに対するコンタクト面を同一高さに設定することが可能になるとともに、背の低い側の部品は金属層30−2を放熱導体として使用できるため、本構造は、受動部品よりも背の低い能動部品を使用する場合に特に有効である。
【0044】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。同図に示す実施形態は、金属コア層を3枚の金属層で構成した例であり、その他の構成は前述の第1の実施形態と同様である。よって、以下の説明では、本実施形態に特有の部分を重点的に説明し、第1の実施形態と同一部分についての説明および図中の符号は省略する。
【0045】
この第2の実施形態では、3枚の金属層30−1、30−2、30−3を貼り合わせ樹脂層32−1、32−2を介して貼り合わせることにより金属コア層を構成する。この金属コア層は、金属層30−1、30−2および貼り合わせ樹脂層32−1、32−2を除去して形成された座繰り42−1と、金属層30−1、30−2および貼り合わせ樹脂層32−1を除去して形成された座繰り42−2と、金属層30−1および貼り合わせ樹脂層32−1を除去して形成された座繰り42−3とを具備する。
【0046】
これら座繰り42−1、42−2、42−3には、高さの異なる3つの部品20−1、20−2、22がそれぞれ配置され、各部品の接続ビアに対するコンタクト面が同一高さに設定される。
【0047】
このように、金属層を3枚用いることで、部品高さのバリエーションを増加させることができる。もっとも、本実施形態は、全ての金属層を除去して形成された貫通孔に部品を内蔵する構造に適用することも可能である。
【0048】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。同図に示す実施形態は、部品とスルーホール導体とを同じ貫通孔に配置した構造と、金属コア層から裏面側の配線パターンへの接続を重視した構造を示す例であり、その他の構成は前述の第1の実施形態と同様である。よって、以下の説明では、本実施形態に特有の部分を重点的に説明し、第1の実施形態と同一部分についての説明および図中の符号は省略する。
【0049】
この第3の実施形態では、金属コア層に形成した貫通孔40−2にスルーホール導体54−1と受動部品20とが配置され、この部品20が接続ビア52−1を介して表面側の配線パターンに接続されるとともに、接続ビア52−2を介して裏面側の配線パターンに接続される。
【0050】
同様に、金属コア層も表面側の配線パターンに接続される部分には、接続ビア52−1が設けられ、裏面側の配線パターンに接続される部分には、接続ビア52−2が設けられる。その他、座繰り42に配置された能動部品22や貫通孔40−3に配置されたスルーホール導体54−2が適宜設けられる。
【0051】
このように、部品とスルーホール導体を同一の貫通孔内に配置することで、より高密実装が可能になり、また、裏面側のパターンを有効に活用することで、配線自由度の向上が期待できる。
【0052】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。同図に示す実施形態は、金属コア層を貫通するスルーホール導体の配置バリエーションを示す例であり、その他の構成は前述の第1の実施形態と同様である。よって、以下の説明では、本実施形態に特有の部分を重点的に説明し、第1の実施形態と同一部分についての説明および図中の符号は省略する。
【0053】
この第4の実施形態では、貫通孔40−1にスルーホール導体54−1が配置され、貫通孔40−2にスルーホール導体54−2が配置され、貫通孔40−3に受動部品20とスルーホール導体54−3、54−4が配置され、貫通孔40−4にスルーホール導体54−5、54−6が配置される。
【0054】
ここで、スルーホール導体54−1と54−2とは、該各スルーホール導体の中心間距離が金属層一枚の厚さtの3倍となる3t以上離れた位置に配置される。このように、スルーホール導体の間隔が3t以上離れている場合には、該各スルーホール導体の間に金属コア層を残した状態で、金属層をエッチングすることが可能であるため、各スルーホール導体を別々の貫通孔に配置し、各信号ラインの干渉防止に有効な構造を取ることができる。
【0055】
また、スルーホール導体54−3と54−4および54−5と54−6とは、該各スルーホール導体の中心間距離が3t未満となる位置に配置される。このように、スルーホール導体の間隔が3t未満である場合には、該各スルーホール導体の間に金属コア層を残した状態で、金属層をエッチングすることが困難であるため、複数のスルーホール導体を3t未満の間隔で同一の貫通孔内に配置し、実装密度の向上を図る。このとき、同図に示すように、スルーホール導体54−3、54−4を部品20と同一の貫通孔40−3に配置することで、さらなる実装密度の向上が図られる。
【0056】
図5は、図4に示したスルーホール導体54−1、54−2の配置構造を示す平面図である。同図に示すように、これらのスルーホール導体は、金属層30に貫通形成された貫通孔40−1、40−2の中心に同心円状に配置される。スルーホール導体54−1、54−2の壁面と貫通孔40−1、40−2の壁面との距離は、金属層1枚分の厚さt以上が確保され、この部分には絶縁部材36が充填される。同様に、貫通孔40−1の壁面と貫通孔40−2の壁面との距離も、金属層1枚分の厚さt以上が確保される。
【0057】
図6は、図4に示したスルーホール導体54−5、54−6の配置構造を示す平面図である。同図に示すように、これらのスルーホール導体は、各スルーホール導体の中心間距離が金属層1枚分の厚さt未満となる配置で、金属層30に貫通形成された貫通孔40−4の内部に配置される。尚、スルーホール導体54−5、54−6の壁面と貫通孔40−4の壁面との距離は、金属層1枚分の厚さt以上が確保され、この部分には絶縁部材36が充填される。
【0058】
図7は、図6に示したスルーホール導体54−5、54−6の変形配置例を示す平面図である。同図に示すように、これらのスルーホール導体は、図6に示した状態よりもさらに近接させて配置しても良い。この例では、各スルーホール導体の中心と金属層30の壁面との距離xが一定となる同軸構造が形成され、各スルーホール導体に流れる信号の電気特性および磁気特性の安定が図られる。
【0059】
以下、図8〜図11を用いて、本発明に係る多層基板の製造方法を説明する。尚、以下の説明では、前述の第1の実施形態に係る多層基板の製造を想定し、重複する説明および図中の符号については適宜省略する。
【0060】
まず、図8(a)に示すように、2枚の金属層30−1、30−2を貼り合わせ樹脂層32を介してプレス貼着し、2枚の金属層から成る金属コア層を形成する。この工程は、ラミネート加工で行っても良い。
【0061】
次に、図8(b)に示すように、貼り合わせ樹脂層32を中心として、金属層30−1および30−2を両面から同時にエッチングし、貫通孔40−1〜40−5および座繰り42に対応する位置の金属層を除去する。
【0062】
次に、図8(c)に示すように、レーザ加工により貼り合わせ樹脂層32のうち金属層30−1および30−2から露呈した部分を除去して、貫通孔40−1〜40−5および座繰り42を形成する。
【0063】
続いて、図9(c)に示すように、絶縁部材36から成る下地層を金属コア層の裏面に形成する。このとき、下地層として使用する絶縁部材は、流動性の低い樹脂を使用することが好ましい。
【0064】
その後、図9(d)に示すように、貫通孔40−2、40−3の底面に絶縁性接着剤24−1を塗布するとともに、座繰り42の底面に放熱性及び導電性を持った接着剤24−2を塗布し、これらの接着剤を介して受動部品20−1、20−2および能動部品22をそれぞれ配置する。
【0065】
次に、図10(e)に示すように、金属コア層の両側から樹脂層をプレスして、金属コア層の周囲および内部を絶縁部材36で封止する。このとき、金属コア層に形成された貫通孔と座繰りの内部には絶縁部材36が充填される。尚、このときプレスする樹脂層は、表面に銅箔が付された樹脂層を使用しても良く、この場合には、銅箔が付された側から樹脂層をプレスして金属コア層を絶縁部材で封止する。
【0066】
次に、図10(f)に示すように、レーザ加工により絶縁部材36を除去して、接続ビア用コンタクト53を形成する。尚、金属コア層の封止に銅箔付きの樹脂層を使用する場合には、この銅箔をエッチングで除去した後にレーザ加工を行う。このとき、貫通孔40−4内に充填された絶縁層を開口し、スルーホール導体用の貫通孔を形成する。
【0067】
その後、図11(g)に示すように、銅メッキを利用したセミアディティブ法により接続ビア用コンタクト内に接続ビア52を形成するとともに、表裏面の配線層34−1、34−2を形成する。その結果、配線層34−1、34−2上に形成された配線パターン50と、受動部品20−1、20−2および能動部品22とが接続ビア52を介して接続された状態となる。同時に貫通孔40−4内に絶縁層を介してスルーホール導体54を形成する。
【0068】
最後に、図11(h)に示すように、同図(g)で形成した配線層34−1、34−2の上に、さらに別の配線層34−3、34−4をそれぞれ形成する。そして、表面側の配線層34−3には、受動部品20−3、20−4と能動部品22−2を実装するとともに、裏面側の配線層34−4には外部端子を形成し、図中の1点鎖線で示したラインで分断して他のマザーボードに実装可能な回路モジュールを得る。
【0069】
図12は、金属コア層をGNDとして使用する場合の例を示した断面図である。同図(a)に示すように、金属コア層をGNDとして使用する場合は、金属層30−1と30−2を接続ビア52、配線パターン50、スルーホール導体54を介して相互に接続し、この相互接続された領域をGND層として提供する。
【0070】
また、同図(b)に示すように、エッチングにより露呈した金属コア層の側壁に導体層を形成して得たスルーホール導体54を介して、金属層30−1と30−2を相互に接続しても良い。また、同図(a)、(b)に示したようなスルーホール導体による接続に替えて、貼り合わせ樹脂層32に導電性を持たせることで金属層30−1と30−2を相互に接続しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によれば、部品収容部の高さ調整が簡易に行えるため、多種多様な部品の内蔵が要求される高集積回路基板への適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る多層基板の構造を示す断面図である。
【図5】図4に示したスルーホール導体54−1、54−2の配置構造を示す平面図である。
【図6】図4に示したスルーホール導体54−5、54−6の配置構造を示す平面図である。
【図7】図6に示したスルーホール導体54−5、54−6の変形配置例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る多層基板の第1の製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明に係る多層基板の第2の製造工程を示す断面図である。
【図10】本発明に係る多層基板の第3の製造工程を示す断面図である。
【図11】本発明に係る多層基板の第4の製造工程を示す断面図である。
【図12】金属コア層をGNDとして使用する場合の例を示した断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10…多層基板、20…受動部品、22…能動部品、24…接着剤、30…金属層、32…貼り合せ樹脂層、34…配線層、36…絶縁部材、40…貫通孔、42…座繰り、50…配線パターン、52…接続ビア、53…接続ビア用コンタクト、54…スルーホール導体、56…外部端子
【出願人】 【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
【住所又は居所】東京都台東区上野6丁目16番20号
【出願日】 平成16年4月26日(2004.4.26)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久

【公開番号】 特開2005−311249(P2005−311249A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−129834(P2004−129834)