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【発明の名称】 プリント基板支持用サポート治具
【発明者】 【氏名】佐藤 大資
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】中谷 公明
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】三木 重宏
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】田崎 学
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】種々のプリント基板を、安価な構成の単一のものを用いるのみで、撓み変形が生じないよう確実に支持できるとともに、支持に先立ってプリント基板を所定位置に位置補正できる機能をも兼備したプリント基板支持用サポート治具を提供する。

【解決手段】搬送路に沿って搬入されてストッパ4に当接することにより所定位置に停止されるプリント基板1に対しこれの下方に位置して上下動される昇降テーブル8と、自在に屈撓可能な素材により棒状に形成されて、昇降テーブル8の上面に突設状態に取り付けられた複数本のサポート細棒体18,21とを備える。サポート細棒体18,21には、昇降テーブル8の上昇によりプリント基板1またはこのプリント基板1に装着済みの電子部品2に当接したのちに摺接しながらストッパ4に向けた方向に屈撓するように導くガイド部18c,21aが上部に一体形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って搬入されてストッパに当接することにより所定位置に停止されるプリント基板を下方から支持するプリント基板支持用サポート治具であって、
前記所定位置に位置する前記プリント基板に対しこれの下方に位置して上下動される昇降テーブルと、
自在に屈撓可能な素材により棒状に形成されて、前記昇降テーブルの上面に突設状態に取り付けられた複数本のサポート細棒体とを備え、
前記サポート細棒体に、前記昇降テーブルの上昇により前記プリント基板またはこのプリント基板に装着済みの電子部品に当接したのちに摺接しながら前記ストッパに向けた方向に屈撓するように導くガイド部が上部に一体形成されていることを特徴とするプリント基板支持用サポート治具。
【請求項2】
サポート細棒部のガイド部が、上半部をストッパ方向に向け予め湾曲した形状に形成してなるガイド湾曲部である請求項1に記載のプリント基板支持用サポート治具。
【請求項3】
サポート細棒部のガイド部が、上端からストッパとは反対側方向に向け下り勾配に傾斜するガイド傾斜面である請求項1に記載のプリント基板支持用サポート治具。
【請求項4】
サポート細棒部の下部に、昇降テーブルの断面非円形の嵌着孔に対応した断面形状を有して前記嵌着孔に対し圧入することにより着脱自在に取り付けられる取付部が設けられている請求項1ないし3の何れかに記載のプリント基板支持用サポート治具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、プリント基板に電子部品を装着する電子部品装着装置(マウンタ)または電子部品が装着済みのプリント基板の検査機に用いられるものであって、部品実装位置または検査位置に搬入されたプリント基板を電子部品装着工程または検査工程の実施中に下方へ撓み変形するのを防止しながら所定位置に固定するためのプリント基板支持用サポート治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、プリント基板の両面に電子部品を装着した両面実装基板が以下のような工程を経て製作されていた。すなわち、図4(a)に示すように、一面1a(図の下面)に電子部品2が装着済みのプリント基板1が、一面1aを下方に向けた配置で、図の前後方向において相対向して水平配置に設置された一対(向こう側の一方のみを図示)の断面コ字形状のガイドレール3に両端縁部を遊嵌状態で支持されながら矢印で示す図の左方に向けて搬送される。このプリント基板1の搬送経路には、プリント基板位置決め用ストッパ4がプリント基板1の搬入に先立って上昇されており、上記搬入されたプリント基板1がストッパ4に当接して部品実装位置に停止される。このとき、プリント基板1は、ストッパ4に当接したのち、反搬送方向に跳ね返されて、ストッパ4に対し約1mm程度の隙間dが存在する位置で停止される。
【0003】
上述のような隙間dが生じるのは、金属製のストッパ4に衝突力を吸収するための緩衝材などを貼着した場合に、この緩衝材がプリント基板1の当接の繰り返しにより磨耗して厚みが変化し、プリント基板1を所定位置に正確に位置決めできなくなるので、金属製板材からなるストッパ4にプリント基板1を直接的に当接させているためである。
【0004】
プリント基板1には、ストッパ4への当接状態において画像認識用カメラ(図示せず)により撮像可能な位置に位置決め補正マーク1cが設けられている。したがって、上述のようにプリント基板1がストッパ4から離間している場合には、位置決め補正マーク1cを画像認識用カメラで撮像した画像データによる画像認識において、プリント基板1が所定位置に位置決めされていないと判別される。
【0005】
そこで、プリント基板1の端部近傍箇所には位置補正用貫通孔1dが設けられているとともに、ストッパ4の近接位置には位置補正用ピン7が上下動自在に設けられている。図4(b)に示すように、搬入されたプリント基板1が停止したのちに位置補正用ピン7が上昇して位置補正用貫通孔1d内に挿通するときに、位置補正用ピン7のガイド傾斜面が位置補正用貫通孔1dの下端開口縁に摺接しながらプリント基板1を強制的に移動させてストッパ4に当接させる。なお、プリント基板1の位置決め補正手段としては、上述の位置補正用貫通孔1dと位置補正用ピン7とを用いる構成の他に、プリント基板1をストッパ4に当接させる方向に付勢する弾性部材を用いたものもある。
【0006】
このようにしてプリント基板1が部品実装位置に位置決めされたならば、図4(c)に示すように、昇降テーブル8がエアーシリンダ(図示せず)のストローク分だけ上昇されて、昇降テーブル8に着脱自在に突設された複数本のサポートピン9が、プリント基板1の一面1aにおける電子部品2の未装着位置に当接したのち、プリント基板1を持ち上げてガイドレール3の上部に押し付けて固定する。
【0007】
上述のようにしてプリント基板1が固定支持されたならば、実装ノズル(図示せず)の先端に吸着保持された電子部品2がプリント基板1の他面1bに押圧して装着される。このとき、上記各サポートピン9は、実装ノズルの下方への押圧力によりプリント基板1が下方に向け撓み変形を起こさないようにプリント基板1を下方から支持する。上記サポートピン9は、プリント基板1の一面1aにおける電子部品2を避けた電子部品2の未装着箇所に対向する箇所を選択して昇降テーブル8に着脱自在に取り付けられるようになっている。他面1bへの電子部品2の装着が完了して両面実装基板とされたプリント基板1は、ストッパ4および位置補正用ピン7が下方に移動して退避したのち、両ガイドレール3に沿って図の左方へ搬出される。
【0008】
また、従来では、上記サポートピン9に代えて、図5に示すようなサポート治具10も使用されていた。このサポート治具10は、金属製ブロック体における電子部品2に対向する各箇所に部品回避用凹所10aをそれぞれ形成した構成になっており、部品回避用凹所10a以外の上面によりプリント基板1の一面1aにおける電子部品2の未装着箇所に当接して支持することにより、プリント基板1の下方への撓み変形を防止するようになっている。
【0009】
ところが、図4のサポートピン9では、製作すべき両面実装基板の品種が変わる毎に、装着済みの電子部品2の配置に対応して電子部品2の未装着箇所にサポートピン9を並び変える工程が必要であり、作業性が悪いだけでなく、装置の稼働率が低下する。一方、図5のサポート治具10では、電子部品2の配置の異なる両面実装基板毎に個々に対応する形状のものを用意しなければならず、多くの種類のものを製造する手数や管理が大変であって、コスト高となり、しかも、両面実装基板毎の製造機種が切り換える毎にサポート治具10を交換しなければならないので、やはり装置の稼働率が低下する問題がある。特に、近年では実装基板の機種切り換えの高頻度化が進んでいるので、上述の稼働率の低下は深刻な問題である。
【0010】
また、近年では携帯電話機やパソコンの小型化が促進されており、これに伴って、これらのマザーボードなどでは、プリント基板1の両面1a,1bに微小な電子部品が高密度に実装される傾向にある。このような両面実装基板を製作するに際しては、図4のサポートピン9を用いる場合、プリント基板1における電子部品2を実装済みの一面1aにサポートピン9を有効に当接させることのできるスペースを確保するのが難しくなる。その結果、止むなく少ない本数のサポートピン9によってプリント基板1を支持することになる。この場合には、プリント基板1の撓み変形を十分に防止できなくなり、ときには金属製のサポートピン9が装着済みの電子部品2に当接して電子部品2を破損してしまう不具合が生じることもある。
【0011】
一方、上述の高密度両面実装基板の製作に際して図5のサポート治具10を用いる場合には、プリント基板1をサポート治具10で確実に支持しようとすれば、サポート治具10が多数の小さな部品回避用凹所10aを複雑な配置で形成した形状となるので、製作すべき両面実装基板毎に異なる種類のサポート治具10を多く製作することと併せてかなりのコスト高を招くことになる。
【0012】
そこで、従来では、上述したサポートピン9やサポート治具10が有する上述した問題の解消を図った、図6に示すようなサポート治具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図6(a)に示すサポート治具11は、シリコンなどの弾性変形が容易な軟質材により上面が平坦なブロック状に形成されている。このサポート治具11は、昇降テーブル8の上昇によりプリント基板1の一面1aに押し当てられたときに、装着済みの電子部品2に対向する箇所が電子部品2を損傷することなく凹む形状に弾性変形するとともに、一面1aにおける電子部品2の未装着箇所に対し当接して、プリント基板1を下方から支持するようになっている。
【0013】
図6(b)に示すサポート治具12は、上記サポート治具11と同様に弾性変形が容易な軟質材により上面が平坦なブロック状の全体形状を有しているのに加えて、平坦な上面に所定深さの切り込み12aを平面視格子形状に形成して、これら各切り込み12aにより分割された多数の矩形棒状の支持ブロック体12bを設けた構成になっている。このサポート治具12では、装着済みの電子部品2に対向する支持ブロック体12bが電子部品2に押圧されて下方へ退避するように変形する一方、一面1aにおける電子部品2の未装着箇所に対向する支持ブロック体12bが一面1bに直接接触してこれを下方から支持するので、図6(a)のサポート治具11に比較して、一面1aと電子部品2との境界に形成される段差部におけるサポート治具12のフィット性が向上する。
【0014】
また、図6(c)に示すサポート治具13は、弾性袋の内部に空気などの気体またはオイルなどの液体を密封した構成になっており、プリント基板1の一面1aに装着済みの電子部品2に対応して自在に弾性変形する機能によって一面1aに対する支持機能を発揮させるようにしたものである。
【0015】
上述の各サポート治具11,12,13は、配置の異なる種々の両面実装基板の製作に対して単一のものを用いてプリント基板1を撓み変形が生じないように支障なく支持することができる汎用性を有しているとともに、微小な電子部品が高密度に実装される両面実装基板の製作に際しても、装着済みの電子部品を損傷することなく押し上げるように対応可能であるので、コストの低減と稼働率の向上とを図ることができるものである。
【特許文献1】特開平10−150297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、図6の各サポート治具11,12,13は、いずれも電子部品2を損傷することなく自在に弾性変形する伸縮性を備えた機能を得る必要があることから、構成が複雑化して高価なものとなるだけでなく、プリント基板1の一面1aに一般的に装着される微小な電子部品2に比較して極端に高い部品、例えばコネクタやトランスなどが装着される場合には、何れのサポート治具11,12,13も一体物であることから、上記高い部品によって偏った弾性変形が生じるので、プリント基板1を適正に支持することが困難となる。しかも、上記各サポート治具11,12,13を用いる場合には、プリント基板1を固定支持するのに先立ってプリント基板1をストッパ4に押し当てて位置決めする必要があり、例えば、プリント基板1に設けた位置補正用貫通孔1dと位置補正用ピン7との組合せによるプリント基板1の位置補正手段が別途必要となるから、コストの低減および生産性の向上を図ることができない。
【0017】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、電子部品の装着配置が異なるものや電子部品が高密度に装着されたものなどの種々のプリント基板を、安価な構成の単一のものを用いるのみで、撓み変形が生じないよう確実に支持できるとともに、支持に先立ってプリント基板を所定位置に位置補正できる機能をも兼備したプリント基板支持用サポート治具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明のプリント基板支持用サポート治具は、搬送路に沿って搬入されてストッパに当接することにより所定位置に停止されるプリント基板を下方から支持するものであって、前記所定位置に位置する前記プリント基板に対しこれの下方に位置して上下動される昇降テーブルと、自在に屈撓可能な素材により棒状に形成されて、前記昇降テーブルの上面に突設状態に取り付けられた複数本のサポート細棒体とを備え、前記サポート細棒体に、前記昇降テーブルの上昇により前記プリント基板またはこのプリント基板に装着済みの電子部品に当接したのちに摺接しながら前記ストッパに向けた方向に屈撓するように導くガイド部が上部に一体形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項2に係る発明は、請求項1の発明のプリント基板支持用サポート治具において、サポート細棒部のガイド部が、上半部をストッパ方向に向け予め湾曲した形状に形成してなるガイド湾曲部であることを特徴としている。
【0020】
請求項3に係る発明は、請求項1の発明のプリント基板支持用サポート治具において、サポート細棒部のガイド部が、上端からストッパとは反対側方向に向け下り勾配に傾斜するガイド傾斜面であることを特徴としている。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3の何れかに係る発明のプリント基板支持用サポート治具において、サポート細棒部の下部に、昇降テーブルの断面非円形の嵌着孔に対応した断面形状を有して前記嵌着孔に対し圧入することにより着脱自在に取り付けられる取付部が設けられている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明では、プリント基板または電子部品に摺接しながらストッパに向けた方向に屈撓する各サポート細棒体が、プリント基板に対しストッパへ向けた方向に押圧力を付与するように作用することから、従来の位置補正手段が不要となるとともに、プリント基板の位置補正工程も不要となるので、相当のコストダウンと稼働率の向上とを図ることができる。また、各サポート細棒体は、自在に屈撓可能な弾性力を有しているので、当接した電子部品に損傷を与えるおそれがなく、この電子部品を介してプリント基板を下方から支持することができるから、部品配置の異なる各種の両面実装基板の製作に対し単一のもので対応することができ、一層のコストダウンと稼働率の向上とを図ることができ、特に、高密度実装する両面実装基板の支持を行う場合に有利となる。しかも、このサポート治具では、自在に弾性変形が可能な素材からなる複数本のサポート細棒体を昇降テーブルに取り付けた簡単な構成であるから、従来の伸縮性を有するサポート治具に比較して安価なものとなる。
【0023】
請求項2の発明では、サポート細棒体が、これのガイド湾曲部の上端部がプリント基板またはこれに装着済みの電子部品に当接したのちガイド湾曲部がプリント基板または電子部品に摺接しながら屈撓されていくので、サポート細棒体の屈撓方向を、ガイド湾曲部の湾曲方向を向くように確実に規制することができる。
【0024】
請求項3の発明では、サポート細棒体が、これの尖った形状の上端がプリント基板またはこれに装着済みの電子部品に当接したのちにガイド傾斜面によってこれとは反対側方向、つまりストッパに向けた方向に屈撓するよう導かれ、さらに上昇するのに伴ってガイド傾斜面がプリント基板または電子部品に摺接することによりストッパに向けた方向に円滑に屈撓されていくので、サポート細棒体の屈撓方向をストッパに向く方向に確実に規制することができる。
【0025】
請求項4の発明では、製作すべき実装基板にコネクタやトランスなどの大型部品が含まれている場合に、これら大型部品に対応する箇所のサポート細棒体を抜脱しておくことにより、支障のないように対応できる。また、抜脱したサポート細棒体を昇降テーブルに再び取り付ける場合には、サポート細棒体の取付部と昇降テーブルの嵌着孔とが非円形の断面形状に形成されていることにより、サポート細棒体をこれのガイド部がストッパを向く正規の姿勢でのみ取り付け可能となるように規制できるとともに、サポート細棒体を回り止めした状態に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1(a)〜(d)は本発明の一実施の形態に係るプリント基板支持用サポート治具14を用いた電子部品装着装置におけるプリント基板1の固定支持工程を順に示したものであり、同図において、図4ないし図6と同一若しくは同等のものには、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0027】
上記サポート治具14は、図2の斜視図に示すように、矩形板状の昇降テーブル17の一面に多数本のサポート細棒体18が着脱自在に突設された構成になっている。サポート細棒体18は、自在に弾性変形が可能な素材、例えばゴム、ナイロンなどの合成繊維または軟質合成樹脂により、4〜5mmの直径を有する断面形状が円形の細い棒状に形成されて、押圧力を受けたときに自在に屈撓し、且つ復元力で元の形状に復帰する弾力性を有している。特に、このサポート細棒体18は、図1(a)に示すように、一方向に向け湾曲状に曲がったガイド湾曲部18cが上半部に予め形成されていることを特徴としている。この各サポート細棒体18は、図2に明示するように、各々のガイド湾曲部18cの湾曲方向がA矢印で示す所定方向(図1のプリント基板1の搬送方向Aであって、図1の部品実装位置におけるストッパ4との対向方向)を向く姿勢に備えて、マトリックス状の配置で昇降テーブル17の上面に取り付けられている。
【0028】
また、図1(c)のBーB線断面図である同図(c)に示すように、サポート細棒体18を昇降テーブル17に取り付けるための根元の取付部18aは、円形の一部をカットした非円形の断面形状に形成されている。一方、昇降テーブル17の上面にマトリックス状の配置で形成された嵌着孔17aは、上記取付部18aに対応した非円形の形状を有して、取付部18aが着脱自在に圧入して取り付けられるようになっている。したがって、各サポート細棒体18は、これの取付部18aを嵌着孔17aに合致させて圧入することにより、各々のガイド湾曲部18cの湾曲方向が全て所定方向を向くように規制された姿勢で着脱自在に取り付けられる。
【0029】
また、サポート細棒体18は、非円形の断面形状を有する取付部18aとこの取付部18a以外の円形の断面形状を有する本体部分との境界箇所に段差部18bが設けられているので、取付部18aを嵌着孔17aを圧入するときに、上記段差部18bが昇降テーブル17の上面に当接するまで圧入することにより、昇降テーブル17に取り付けられた各サポート細棒体18が全て同一の突出高さに揃えられることになる。なお、サポート細棒体18は、取付部18aのみを硬質樹脂で形成したり、或いは別部材で形成した取付部18aを本体部分に接合する構成としてもよい。このような構成とした場合には、自在に屈撓するサポート細棒体18を昇降テーブル17に強固に取り付けることができるので、一層好ましい。
【0030】
つぎに、上記サポート治具14を用いて構成した電子部品装着装置におけるプリント基板1を位置決め固定する工程について、図1を参照しながら説明する。一面1aに電子部品2が予め装着済みのプリント基板1は、一面1aを下方に向けた配置で、図1(b)に示すように相対向して水平配置に設置された一対の断面コ字形状のガイドレール3に両端縁部を遊嵌状態に支持されながら、図1(a)に示す搬送方向Aに沿って搬入される。
【0031】
図1(a)に示すように、プリント基板1の搬送経路には、プリント基板1の部品実装位置への搬入に先立って、プリント基板位置決め用ストッパ4がプリント基板1の搬送を阻止する位置まで上昇されており、上記搬入されたプリント基板1がストッパ4に当接して部品実装位置に停止される。このとき、プリント基板1は、ストッパ4に当接したのち、反搬送方向に跳ね返されるので、ストッパ4に対し約1mm程度の隙間dが存在する位置に停止される。
【0032】
つぎに、図1(d)に示すように、サポート治具14がエアーシリンダ(図示せず)のストローク分だけ上昇される。このとき、昇降テーブル8上の複数本のサポート細棒体18は、これのガイド湾曲部18cの上端部がプリント基板1の一面1aに装着済みの電子部品2に当接したのちガイド湾曲部18cが電子部品2に摺接しながら屈撓されていく。すなわち、サポート細棒体18の屈撓方向は、ガイド湾曲部18cの湾曲方向を向くように規制される。したがって、各サポート細棒体18は、ガイド湾曲部18cによってストッパ4に向けた方向に屈撓するように導かれながら弾性変形していき、各々が摺接する電子部品2の高さに応じた形状に屈撓される。
【0033】
各サポート細棒体18は、上述のように電子部品2に摺接しながら屈撓するときに、電子部品2を介してプリント基板1に対し自体の屈撓方向に向けた押圧力を加えるように作用しながら、電子部品2を介しプリント基板1を持ち上げてガイドレール3の上部に押し付ける。その結果、プリント基板1は、各サポート細棒体18によるストッパ4方向への押圧力を受けることにより図の左方に変位してストッパ4に押し付けられ、且つ両ガイドレール3の上部に押し付けられて、所定の部品実装位置に確実に位置決めされた配置で固定される。上述のプリント基板1の固定支持工程における各部の数値を示すと、エアシリンダのストローク、つまりサポート治具14が上昇する移動距離は12mm程度であり、プリント基板1がガイドレール3の下部から上部まで押し上げられる上昇距離は1〜2mm程度であり、プリント基板1に装着される各種の電子部品2の高さは、50μm〜4mm程度である。
【0034】
プリント基板1が上述のように位置決めされたならば、プリント基板1の位置決め補正マーク1cが基板認識カメラ19に正確に対向するので、基板認識カメラ19が位置決め補正マーク1cを撮像した画像データによる画像認識により、プリント基板1が所定の部品実装位置に正確に位置決めされたと判別されて、電子部品の実装工程が開始される。すなわち、実装ノズル(図示せず)の先端に吸着保持された電子部品2がプリント基板1の他面1bに押圧して装着される。このとき、上記各サポート細棒体18は、屈撓による復元力によって、実装ノズルの下方への押圧力によりプリント基板1が下方に向けて撓み変形を起こさないように電子部品2を介してプリント基板1を下方から支持する。
【0035】
したがって、上記サポート治具14を用いる場合には、各サポート細棒体18がプリント基板1に対しストッパ4へ向けた方向に押圧力を付与するように作用することから、従来のプリント基板1に設けた位置補正用貫通孔1dと位置補正用ピン7との組合せによるプリント基板1の位置補正手段が不要となるとともに、プリント基板1の位置補正工程も不要となるから、相当のコストダウンと稼働率の向上とを図ることができる。また、各サポート細棒体18は、装着済みの電子部品2を介してプリント基板1を下方から支持するので、部品配置の異なる各種の両面実装基板の製作に対し単一のもので対応することができるので、これによっても一層のコストダウンと稼働率の向上とを図ることができる。特に、上記サポート治具14では、高密度実装することから電子部品2の未装着スペースが極めて少ない両面実装基板の支持を支障無く行える利点がある。
【0036】
しかも、各サポート細棒体18は、自在に屈撓するので、当接した電子部品2に損傷を与えるおそれがない。さらに、上記サポート治具14は、自在に弾性変形が可能な素材からなる多数のサポート細棒体18を昇降テーブル17に着脱自在に取り付ける簡単な構成であるから、図6(a)〜(c)に示した従来の伸縮性を有するサポート治具11,12,13に比較して安価なものとなる。
【0037】
また、上記サポート治具14では、図6(a)〜(c)に示した従来の伸縮性を有する一体物の各サポート治具11,12,13とは異なり、各サポート細棒体18が昇降テーブル17の嵌着孔17aに着脱自在に取り付けられる構成になっているから、製作すべき両面実装基板にコネクタやトランスなどの大型部品が含まれている場合には、これら大型部品に対応する箇所のサポート細棒体18を抜脱しておくことにより、支障のないように対応できる。抜脱したサポート細棒体18を昇降テーブル17に再び取り付ける場合には、サポート細棒体18の取付部18aと昇降テーブル17の嵌着孔17aとが非円形の断面形状に形成されていることにより、サポート細棒体18をこれのガイド湾曲部18cがストッパ4を向く正規の姿勢でのみ取り付け可能となるように規制できるとともに、サポート細棒体18を回り止めした状態に取り付けることができる。
【0038】
図3は本発明の他の実施の形態に係るサポート治具20を用いた電子部品装着装置におけるプリント基板1の支持工程を順に示したものであり、同図において、図1と同一若しくは同等のものには、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。この実施の形態が一実施の形態と相違するのは、サポート治具20における昇降テーブル17に取り付けるサポート細棒体21の形状のみである。すなわち、サポート細棒体21は、一実施の形態のサポート細棒体18と同一の素材で同一の断面円形に形成されているが、上半部が湾曲せずに全体として直線状に延びており、その上端からストッパ4に対し離間する方向に向け下り勾配に傾斜するガイド傾斜面21aが上端部に形成されている。なお、このサポート細棒体21においても、下端部分に、一実施の形態のサポート細棒体18と同様の段差部21bを介在して取付部21cが形成されている。
【0039】
このサポート治具20を用いた場合には、以下のようにしてプリント基板1が位置決め固定される。すなわち、図3(a)に示すように、部品実装位置に向け搬入されたプリント基板1は、ストッパ4に当接したときに反搬送方向に跳ね返されて、ストッパ4に対し約1mm程度の隙間dが存在する位置に停止される。続いて、図3(b)に示すように、サポート治具20が上昇され、昇降テーブル8上の各サポート細棒体21は、これの尖った形状の上端がプリント基板1の一面1aに装着済みの電子部品2に当接したのちにガイド傾斜面21aによってこれとは反対側方向、つまりストッパ4に向けた方向に屈撓するよう導かれ、さらに上昇するのに伴ってガイド傾斜面21aが電子部品2に摺接することによりストッパ4に向けた方向に円滑に屈撓されていく。このように、このサポート治具20においても、全てのサポート細棒体21の屈撓方向がストッパ4に向く方向に規制されるので、各サポート細棒体18は、ストッパ4に向けた方向に屈撓するように導かれながら弾性変形していき、各々が摺接する電子部品2の高さに応じた形状に屈撓される。
【0040】
各サポート細棒体21は、上述のようにガイド傾斜面21aが電子部品2に摺接しながら屈撓するときに、電子部品2を介してプリント基板1に対し自体の屈撓方向に向けた押圧力を加えるように作用しながら、電子部品2を介しプリント基板1を持ち上げてガイドレール3の上部に押し付ける。その結果、プリント基板1は、各サポート細棒体21によるストッパ4方向への押圧力を受けることにより図の左方に変位してストッパ4に押し付けられ、且つ両ガイドレール3の上部に押し付けられて、所定の部品実装位置に確実に位置決めされた配置で固定される。したがって、このサポート細棒体21を有するサポート治具20を用いた場合には、一実施の形態で説明したと同様の効果を得ることができ、それに加えて、サポート細棒体21が一実施の形態のサポート細棒体18よりも製作が容易であるという利点がある。
【0041】
なお、上記各実施の形態では、電子部品装着装置における両面実装基板の製作工程に 用いる場合を例示して説明したが、これに限らず、上記各サポート治具14,20は、片面実装基板の製作時や部品実装済み基板の検査機においてプリント基板1を下方に撓み変形が生じないように支持する用途にも利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明のプリント基板支持用サポート治具は、電子部品が高密度に実装される両面実装基板であっても、その製造工程のプリント基板の部品実装済みの面を単一のもので支障無く確実に支持できるとともに、プリント基板を固定支持するのに先立ってストッパに当接させた所定位置に位置決めする機能をも兼備しているので、電子部品装着装置や基板検査機におけるプリント基板の支持機構に用いることにより、相当のコトスダウンと稼働率の向上とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプリント基板支持用サポート治具を用いた電子部品装着装置の要部を示し、(a)はプリント基板が部品実装位置に搬入された状態の正面図、(b)は(a)の一部切断右側面図、(c)は(b)のB−B線断面図、(d)はプリント基板を固定支持した状態の正面図。
【図2】同上のプリント基板支持用サポート治具を示す斜視図。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るプリント基板支持用サポート治具を用いた電子部品挿着装置の要部を示し、(a)はプリント基板が部品実装位置に搬入された状態の正面図、(b)はプリント基板を固定支持した状態の正面図。
【図4】従来のサポートピンを用いた電子部品装着装置を示し、(a)はプリント基板が部品実装位置に搬入された状態の正面図、(b)はプリント基板を位置決めした状態の正面図、(c)はプリント基板を固定支持した状態の正面図。
【図5】従来のサポート治具を用いた電子部品装着装置におけるプリント基板を固定支持した状態の断面図。
【図6】(a)〜(c)は何れも従来の他の異なるサポート治具をそれぞれ用いた電子部品装着装置におけるプリント基板を固定支持した状態の断面図。
【符号の説明】
【0044】
1 プリント基板
2 電子部品
4 ストッパ
14,20 プリント基板支持用サポート治具 17 昇降テーブル
17a 嵌着孔
18,21 サポート細棒体
18a 取付部
18c ガイド湾曲部(ガイド部) 21a ガイド傾斜面(ガイド部)
21c 取付部
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年4月23日(2004.4.23)
【代理人】 【識別番号】100080827
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝

【公開番号】 特開2005−311174(P2005−311174A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−128187(P2004−128187)