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【発明の名称】 端子構造およびこれを備えた液晶表示素子
【発明者】 【氏名】岡田 繁治
【住所又は居所】兵庫県三田市テクノパーク18−8 オプトレックス株式会社テクニカルセンター内

【要約】 【課題】可撓配線板の接続端子における端子部のリード端子との電気的接続に関与する部位に折れ断線やクラックが生じることを回避することによって、端子部のリード端子と可撓配線板の接続端子との電気的接続を適正に行うことができ、ひいては、通電不良のない良好な品質の製品を得ることができる端子構造およびこれを備えた液晶表示素子を提供する。

【解決手段】コンタクトホール25が、端子部7の所定位置より当該端子部の端辺7aに至る位置まで形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リード端子を備えた端子部の上に、コンタクトホールが形成された端子構造において、
前記コンタクトホールは、前記端子部の所定位置より当該端子部の端辺に至る位置まで形成されていることを特徴とする端子構造。
【請求項2】
前記コンタクトホールが、前記リード端子の上のみに、または、前記リード端子とその周辺部の上のみに形成されている請求項1に記載の端子構造。
【請求項3】
前記リード端子における前記コンタクトホールによる露出部位の上に、少なくとも一層の構造からなる導電膜が配設されている請求項1または2に記載の端子構造。
【請求項4】
リード端子を備えた端子部の上に、コンタクトホールが形成された端子構造を備え、前記コンタクトホールに配設された異方性導電材を介して前記リード端子と可撓配線板の接続端子とが電気的に接続されている液晶表示素子において、
前記コンタクトホールは、前記端子部の所定位置より当該端子部の端辺に至る位置まで形成されていることを特徴とする液晶表示素子。
【請求項5】
前記コンタクトホールが、前記リード端子の上のみに、または、前記リード端子とその周辺部の上のみに形成されている請求項4に記載の液晶表示素子。
【請求項6】
前記リード端子における前記コンタクトホールによる露出部位の上に、少なくとも一層の構造からなる導電膜が配設されている請求項4または5に記載の液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトホールが形成された端子構造およびこれを備えた液晶表示素子に係り、特に、基板の端子部に配設されたリード端子を含み、当該リード端子と可撓配線板との電気的接続に好適な端子構造およびこれを備えた液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、二枚のパネル基板の間に液晶が封入されたアクティブマトリクス型の液晶表示素子においては、ソース電極またはゲート電極から引き出されるリード端子を備えたパネル基板の端子部上に異方性導電材を介して可撓配線板を圧着することによって、リード端子と可撓配線板との電気的接続が行われていた。
【0003】
図5および図6は、このような従来のアクティブマトリクス型の液晶表示素子の端子部における端子構造の一例を示したものであり、この端子構造1を備えた液晶表示素子は、液晶層8を挟むガラス等からなる二枚のパネル基板を有し、一方のパネル基板にはクロム(Cr)等からなる配線電極3が配設されており、当該パネル基板4における表示部5の外側位置に、前記配線電極3に連接する複数のリード端子6が配設された端子部7を有している。
【0004】
前記端子部7には、前記リード端子6と可撓配線板9(図7参照)の接続端子9aとの電気的接続に関与しない非導電性薄膜としての絶縁膜10と有機膜11とが順次積層して配設されており、これら絶縁膜10および有機膜11によって、リード端子6の絶縁や、防湿あるいは酸化防止がなされるようになっている。
【0005】
また、前記絶縁膜10および前記有機膜11における前記リード端子6上の位置には、前記リード端子6の一部を前記絶縁膜10および前記有機膜11から露出させる平面矩形状の複数のコンタクトホール12が形成されており、これらのコンタクトホール12によって、各リード端子6と前記接続端子9aとの電気的接続が許容されるようになっている。
【0006】
前記リード端子6における前記コンタクトホール12による露出部位の上には、導電膜としてのCr膜14およびITO(酸化インジウムスズ)膜15が配設されている。
【0007】
そして、このような構成の端子構造1を備えた液晶表示素子19には、図7に示すように、前記コンタクトホール12に配置された異方性導電材17を介して可撓配線板9が圧着されることによって、リード端子6と接続端子9a(銅箔等)とが、前記Cr膜14、前記ITO膜15および前記異方性導電材17に含有された導電性粒子18を通じて電気的に接続されるようになっている。
【0008】
このような液晶表示素子19は、可撓配線板9を通じて駆動源から電力の供給を受けることによって、表示部5に所望の画像を表示するようになっている。
【0009】
【特許文献1】特開平05−88193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、可撓配線板9を端子部7上に圧着する際には、図7に示すように、前記可撓配線板9がその可撓性によってコンタクトホール12内に若干入り込む状態になるが、このとき、前記接続端子9aにおける前記コンタクトホール12の内周縁部に臨む部位が、コンタクトホール12の内側に屈曲することになる。
【0011】
この結果、従来は、可撓配線板9を圧着する際に、接続端子9aの屈曲部位20、21に対して過剰な圧力が作用する結果、接続端子9aに折れ断線またはクラックが発生してしまう虞があった。
【0012】
このような接続端子9aの折れ断線またはクラックは、表示部5側の屈曲部位20に発生する場合であれば、接続端子9aとリード端子6との電気的接続に支障を来たす虞はないといえる。
【0013】
当該屈曲部位20は、接続端子9aにおけるリード端子6との接続部位に対して、電力が供給されない方向(非通電方向)に位置するため、折れ断線またはクラックによる電気抵抗の著しい増加が生じたとしても、接続端子9aとリード端子6との電気的接続に与える影響はないとみなせるからである。
【0014】
しかしながら、接続端子9aの折れ断線またはクラックが、反表示部側の屈曲部位21において発生した場合、当該屈曲部位21は接続端子9aにおけるリード端子6との接続部位に対して、電力が供給される方向に位置するため、断線または電気抵抗の著しい増加が起こることになるため、接続端子9aとリード端子6との電気的接続を適正に行うことができなくなる虞がある。
【0015】
したがって、従来は、接続端子9aのリード端子6との電気的接続に関与する部位(図7における屈曲部位21)に折れ断線またはクラックが生じることによって、該リード端子6と該接続端子9aとの電気的接続を適正に行うことができない場合があるといった問題が生じていた。
【0016】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、可撓配線板の接続端子に折れ断線またはクラックが生じることを回避することによって、前記リード端子と前記接続端子との電気的接続を適正に行うことができ、ひいては、通電不良のない良好な品質の製品を得ることができる端子構造およびこれを備えた液晶表示素子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る端子構造の特徴は、リード端子を備えた端子部の上に、コンタクトホールが形成された端子構造において、前記コンタクトホールが、前記端子部の所定位置より当該端子部の端辺に至る位置まで形成されている点にある。
【0018】
そして、このような構成によれば、コンタクトホールを端子部の端辺に至る位置まで形成することによって、前記端子部に可撓配線板を接続する場合、可撓配線板の接続端子における前記リード端子との電気的接続に関与する部位に折れ断線またはクラックが生じることを回避することが可能となる。
【0019】
請求項2に係る端子構造の特徴は、請求項1において、前記コンタクトホールが、前記リード端子の上のみに、または、前記リード端子とその周辺部の上のみに形成されている点にある。
【0020】
そして、このような構成によれば、リード端子の露出面積をできるだけ小さくすることによって、リード端子の酸化等による劣化を低減することが可能となる。
【0021】
請求項3に係る端子構造の特徴は、請求項1または2において、前記リード端子における前記コンタクトホールによる露出部位の上に、少なくとも一層の構造からなる導電膜が配設されている点にある。
【0022】
そして、このような構成によれば、導電膜を介して前記リード端子と可撓配線板の接続端子との電気的接続を安定的に行うことが可能となる。
【0023】
また、導電膜によってリード端子の電食および腐食の抑制を図ることが可能となる。
【0024】
請求項4に係る液晶表示素子の特徴は、リード端子を備えた端子部の上に、コンタクトホールが形成された端子構造を備え、前記コンタクトホールに配設された異方性導電材を介して前記リード端子と可撓配線板の接続端子とが電気的に接続されている液晶表示素子において、前記コンタクトホールが、前記端子部の所定位置より当該端子部の端辺に至る位置まで形成されている点にある。
【0025】
そして、このような構成によれば、コンタクトホールを端子部の端辺に至る位置まで形成することによって、前記接続端子における前記リード端子との電気的接続に関与する部位に折れ断線およびクラックが生じることを回避することが可能となる。
【0026】
請求項5に係る液晶表示素子の特徴は、請求項4において、前記コンタクトホールが、前記リード端子の上のみに、または、前記リード端子とその周辺部の上のみに形成されている点にある。
【0027】
そして、このような構成によれば、リード端子の露出面積をできるだけ小さくすることによって、リード端子の酸化等による劣化を低減することが可能となる。
【0028】
請求項6に係る液晶表示素子の特徴は、請求項4または5において、前記リード端子における前記コンタクトホールによる露出部位の上に、少なくとも一層の構造からなる導電膜が配設されている点にある。
【0029】
そして、このような構成によれば、導電膜を介して前記リード端子と前記接続端子との電気的接続を安定的に行うことが可能となる。
【0030】
また、導電膜によってリード端子の電食や腐食の抑制を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の請求項1に係る端子構造によれば、可撓配線板の接続端子における端子部のリード端子との電気的接続に関与する部位に折れ断線またはクラックが生じることを回避することによって、前記リード端子と前記接続端子との電気的接続を適正に行うことができ、ひいては、通電不良のない良好な品質の製品を得ることができる。
【0032】
請求項2に係る端子構造によれば、請求項1に係る端子構造の効果に加えて、さらに、リード端子の酸化等による劣化を低減することによって、導電率や機械的強度等のリード端子に必要とされる性能を維持することができ、ひいては製品寿命を向上することができる。
【0033】
請求項3に係る端子構造によれば、請求項1または2に係る端子構造の効果に加えて、リード端子と接続端子との電気的接続を安定的に行うことができるとともに、リード端子の腐食や電食をより確実に防止して製品寿命を向上することができる。
【0034】
請求項4に係る液晶表示素子によれば、可撓配線板の接続端子における端子部のリード端子との電気的接続に関与する部位に折れ断線またはクラックが生じることを回避することによって、前記リード端子と前記接続端子との電気的接続を適正に行うことができ、ひいては、表示不良のない良好な品質の液晶表示素子を得ることができる。
【0035】
請求項5に係る液晶表示素子によれば、請求項4に係る液晶表示素子の効果に加えて、さらに、リード端子の酸化等による劣化を低減することによって、導電率や機械的強度等のリード端子に必要とされる性能を維持することができ、ひいては液晶表示素子の製品寿命を向上することができる。
【0036】
請求項6に係る液晶表示素子によれば、請求項4または5に係る液晶表示素子の効果に加えて、リード端子と接続端子との電気的接続を安定的に行うことができるとともに、リード端子の腐食や電飾をより確実に防止して液晶表示素子の製品寿命を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明に係る端子構造およびこれを備えた液晶表示素子の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0038】
なお、従来と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0039】
図1および図2は、本実施形態における端子構造として、液晶表示素子の端子構造24を示したものであり、この端子構造24は、複数本のリード端子6を備えた端子部7の上に、リード端子6と可撓配線板9との電気的接続に関与しない非導電性薄膜を有している。なお、前記リード端子6は、例えばクロム(Cr)等が用いられる。
【0040】
本実施形態において、前記非導電性薄膜は、絶縁膜10およびこの絶縁膜10の上層に積層された有機膜11との二層構造とされている。
【0041】
これにより、前記絶縁膜10の絶縁性によって、リード端子6を確実に絶縁することができるとともに、前記有機膜11によって、リード端子6の防湿を確保することができるようになっている。
【0042】
なお、前記非導電性薄膜は、必要に応じて三層以上の複層構造を有するものであってもよい。
【0043】
さらに、前記絶縁膜10および前記有機膜11には、前記複数のリード端子6のそれぞれを前記絶縁膜10および前記有機膜11から部分的に露出させることによって前記可撓配線板9の接続端子9aとの電気的な接続を許容するためのコンタクトホール25が、各リード端子6に対応するように複数個形成されている。
【0044】
ただし、本実施形態におけるコンタクトホール25は、従来とは異なり、前記端子部7における所定の位置から、当該端子部7の端辺7aに至る位置まで形成されている。
【0045】
このように、前記コンタクトホール25を前記端辺7aに至る位置まで形成することによって、前記端子部7に前記可撓配線板9を圧着する際に、前記接続端子9aにおける前記リード端子6との電気的接続に関与する部位に屈曲が生じことはない。
【0046】
この結果、前記接続端子9aにおける前記リード端子6との電気的接続に関与する部位に、折れ断線またはクラックが生じることを確実に回避することができるようになっている。
【0047】
さらに、本実施形態において、前記複数のコンタクトホール25は、各リード端子6上とその周辺部のみに形成されている。
【0048】
これにより、各リード端子6の前記絶縁膜10および前記有機膜11からの露出面積をできるだけ小さくすることができ、この結果、リード端子6の酸化等による劣化を低減することができるようになっている。
【0049】
なお、前記コンタクトホール25は、例えば、図3に示すように、1個の大きな開口部26を形成して、各リード端子の露出部を導電膜で被覆することによって各リード端子6と接続端子9aとの電気的な接続がなされるように構成してもよい。
【0050】
これらの場合においても、開口部26が前記端子部7の端辺7aに至る位置まで形成されていることによって、前記接続端子9aに折れ断線またはクラックが生じることを確実に回避することができる。
【0051】
なお、前記コンタクトホール25の厚み方向の寸法は、好ましくは約2.5μmとされている。
【0052】
前記リード端子6における前記コンタクトホール25による前記絶縁膜10および前記有機膜11からの露出部位には、前記リード端子6と前記可撓配線板9との電気的接続に関与する導電膜として、Cr膜14と、このCr膜14の上層に積層されたITO膜15との二層構造からなる導電膜が配設されている。前記導電膜の表示部5側の端部は、前記絶縁膜10および前記有機膜11の端部を被覆している。
【0053】
したがって、前記導電膜を介して前記リード端子6と前記可撓配線板9との電気的接続を安定的に行うことができるようになっている。
【0054】
また、導電膜として前記ITO膜15を有していることによって、リード端子6の腐食や電食を抑制しつつリード端子6と可撓配線板9との電気的接続を行うことができるようになっている。
【0055】
そして、このように構成された端子構造24を備えた液晶表示素子は、図4に示すように、前記コンタクトホール25に配置された異方性導電材17を介して可撓配線板9が圧着されることによって、リード端子6と接続端子9aとが電気的に接続された液晶表示素子27を構成するようになっている。
【0056】
ここで、可撓配線板9を圧着した際に、前記コンタクトホール25は、端子部7の端辺7aに至る位置まで形成されているため、接続端子9aに屈曲が生じることはない。
【0057】
したがって、接続端子9aにおけるリード端子6との接続に関与する部位に、屈曲に基づく折れ断線やクラックが生じることを確実に防止することができる。
【0058】
このように可撓配線板9が適正に接続された液晶表示素子27は、可撓配線板9を介して表示部5側に電力を適正に供給することができ、この結果、表示部5に表示不良のない良好な画像を表示することができる。
【0059】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、本発明は、COG(chip on glass)の構造を備えた液晶表示素子にも有効に適用することができるものである。この場合、可撓配線板9からの供給電力は、入力側のリード端子を介して端子部7に搭載されたドライバICの入力バンプに入力され、ドライバICの出力は、出力側のリード端子を介して表示部5に出力されることになる。
【0061】
さらに、本発明における端子構造を、液晶表示素子以外の電子機器(表示機器等)の端子構造に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る端子構造の実施形態を模式的に示す縦断面図
【図2】図1の平面図
【図3】本発明に係る端子構造の実施形態において、図1および図2と異なる他の形態を模式的に示す平面図
【図4】本発明に係る端子構造を備えた液晶表示素子の実施形態を模式的に示す縦断面図
【図5】従来採用されていた端子構造の一例を模式的に示す縦断面図
【図6】図5の平面図
【図7】従来採用されていた液晶表示素子の一例を模式的に示す縦断面図
【符号の説明】
【0063】
6 リード端子
7 端子部
7a 端辺
9 可撓配線板
10 絶縁膜
11 有機膜
14 Cr膜
15 ITO膜
17 異方性導電材
24 端子構造
25 コンタクトホール
27 液晶表示素子
【出願人】 【識別番号】000103747
【氏名又は名称】オプトレックス株式会社
【住所又は居所】東京都荒川区東日暮里五丁目7番18号
【出願日】 平成16年4月23日(2004.4.23)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎

【公開番号】 特開2005−311168(P2005−311168A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−128120(P2004−128120)