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【発明の名称】 電子部品実装用装置の直動機構
【発明者】 【氏名】小宮 隆宏
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社内

【氏名】永尾 和英
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社内

【氏名】堤 卓也
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社内

【要約】 【課題】リニアモータを用いた直動機構において、搭載位置精度を確保するとともに部品寿命を延長することができる電子部品実装用装置の直動機構を提供することを目的とする。

【解決手段】電子部品を基板に実装する実装作業を行う電子部品実装用装置に配設されリニアモータによって移動ビーム8をY方向に直線駆動する直動機構において、移動ビーム8をY方向に駆動するリニアモータの推力発生位置Pを、移動ビーム8、搭載ヘッド9,移動プレート12などの可動部分よりなる被駆動体の慣性抵抗中心位置D1に略一致するように、被駆動体およびリニアモータを配置する。これにより、加減速時において慣性力による移動ビーム8へのねじりモーメントの負荷をなくし、搭載位置精度を確保するとともに部品寿命を延長することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を基板に実装する実装作業を行う電子部品実装用装置に配設されリニアモータによって被駆動体を第1方向に直線駆動する直動機構であって、前記被駆動体を第1方向にガイドするガイド部と、前記被駆動体を第1方向に駆動するリニアモータとを備え、前記リニアモータの推力発生位置が、前記被駆動体の慣性抵抗中心位置に略一致するように、前記被駆動体およびリニアモータを配置したことを特徴とする電子部品実装用装置の直動機構。
【請求項2】
電子部品を基板に実装する実装作業を行う電子部品実装用装置に配設されリニアモータによって被駆動体を第1方向に直線駆動する直動機構であって、前記被駆動体を第1方向にガイドするガイド部と、前記被駆動体を第1方向に駆動するリニアモータとを備え、前記リニアモータの推力発生位置が、前記被駆動体の慣性抵抗中心位置と前記ガイド部の摺動抵抗中心位置との間に位置するように、前記被駆動体、リニアモータおよびガイド部を配置したことを特徴とする電子部品実装用装置の直動機構。
【請求項3】
前記リニアモータは、前記第1方向に沿って水平姿勢で対向して上下2列に配列された固定子と、前記2列の固定子の間に配置された可動子とを備え、前記可動子は前記被駆動体の側端面に設けられた駆動伝達部を介して第1方向の駆動力を被駆動体に伝達することを特徴とする請求項1または2記載の電子部品実装用装置の直動機構。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品搭載装置などの電子部品実装用装置に配設され、リニアモータによって搭載ヘッドなどの被駆動体を直線駆動する直動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品搭載装置などの電子部品実装用装置においては、搭載ヘッドなどの作業ヘッドを移動させるヘッド移動機構として直動機構が多用される。この直動機構として、従来より用いられていたモータの回転運動をボールねじによって直線運動に変換するボールねじ駆動タイプの直動機構に替えて、近年リニアモータによって直線動作を行わせる方式の直動機構が用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この直動機構においては、搭載ヘッドが装着された移動ビームの端部に、リニアモータの推力を作用させるようにしている。そして上述例では、リニアモータはボールねじ駆動タイプの従来装置におけるボールねじの配列位置と同様に、ガイドレール近傍に並列して配置されていた。
【特許文献1】特開2002−299892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リニアモータを用いた直動機構は高速動作・高位置精度が特徴であり、リニアモータによって駆動される移動ビームは高加速度での発停を高頻度で行う。このため上述構成の直動機構では、リニアモータの配列位置がガイドレールの近傍であることに起因して、次のような不具合が生じていた。
【0005】
リニアモータによって移動ビームを駆動する際には、移動ビームの重心位置が加減速時の慣性抵抗の作用位置となる。ところが上述の構成においては、リニアモータによる推力発生位置は移動ビームの慣性抵抗中心から大きく離れており、加減速時にはこの慣性力により移動ビームにねじりモーメントが作用する。このため、移動ビームはねじりによる変形を生じて搭載ヘッドによる搭載精度に影響を及ぼすとともに、ねじりモーメントがガイド機構に高頻度で負荷されることによってガイド機構部品の寿命低下を招いていた。
【0006】
そこで本発明は、リニアモータを用いた直動機構において、搭載位置精度を確保するとともに部品寿命を延長することができる電子部品実装用装置の直動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子部品実装用装置の直動機構は、電子部品を基板に実装する実装作業を行う電子部品実装用装置に配設されリニアモータによって被駆動体を第1方向に直線駆動する直動機構であって、前記被駆動体を第1方向にガイドするガイド部と、前記被駆動体を第1方向に駆動するリニアモータとを備え、前記リニアモータの推力発生位置が、前記被駆動体の慣性抵抗中心位置に略一致するように、前記被駆動体およびリニアモータを配置した。
【0008】
また本発明の電子部品実装用装置の直動機構は、電子部品を基板に実装する実装作業を行う電子部品実装用装置に配設されリニアモータによって被駆動体を第1方向に直線駆動する直動機構であって、前記被駆動体を第1方向にガイドするガイド部と、前記被駆動体を第1方向に駆動するリニアモータとを備え、前記リニアモータの推力発生位置が、前記
被駆動体の慣性抵抗中心位置と前記ガイド部の摺動抵抗中心位置との間に位置するように、前記被駆動体、リニアモータおよびガイド部を配置した。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リニアモータの推力発生位置が、被駆動体の慣性抵抗中心位置に略一致するように、もしくは慣性抵抗中心位置とガイド部の摺動抵抗中心位置との間に位置するように機構各部を配置することにより、加減速時において慣性力による被駆動体へのねじりモーメントの負荷をなくし、搭載位置精度を確保するとともに部品寿命を延長することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の平面図、図2は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の断面図、図3、図4は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のY直動機構の構造説明図、図5,図6は本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の断面図である。
【0011】
まず図1,図2を参照して電子部品搭載装置の構造を説明する。この電子部品搭載装置は、電子部品を基板に実装する実装作業を行う電子部品実装用装置となっている。図1において、電子部品搭載装置の基台1上には、X方向に搬送路2が配設されている。搬送路2は電子部品が実装される基板3を搬送し、搬送路2上に設定された実装位置に基板3を位置決めする。搬送路2は、基板3を搬送し位置決めする基板位置決め部となっている。搬送路2の両側には複数のパーツフィーダ5を並設した部品供給部4と、これらの部品供給部4から電子部品を取り出して基板3に搭載する搭載機構が配設されている。
【0012】
搭載機構について説明する。基台1の右端部および左端部には、それぞれY直動機構6およびガイドレール7がY方向に配設されている。図2に示すように、Y直動機構6、ガイドレール7は、それぞれ基台1上面にY方向に配設されたフレーム16,22上に設けられている。Y直動機構6は後述するようにリニアモータによって駆動される直動機構であり、この直動機構によってガイドレール7に左端部をガイドされた移動ビーム8をY方向(第1方向)に移動させる。すなわちY直動機構6は、リニアモータによって被駆動体である移動ビーム8を第1方向に直線駆動する。移動ビーム8は同様にリニアモータによって駆動されるX直動機構を内蔵しており、X直動機構によって搭載ヘッド9をX方向に移動させる。
【0013】
図2に示すように、搭載ヘッド9は複数の単位搭載ヘッド9aを備えたマルチタイプの搭載ヘッドであり、各単位搭載ヘッド9aに備えられた吸着ノズル9bによって電子部品を吸着保持する。また搭載ヘッド9には一体的に移動する基板認識カメラ9cが設けられており、基板認識カメラ9cは搭載ヘッド9とともに基板3上に移動してその位置を認識する。
【0014】
Y直動機構6のリニアモータの構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、フレーム16の上面には3つのフレーム部材15a、15b、15cが、コ字形状を形成してY方向に配設されている。フレーム15bの下面側およびフレーム15cの上面には、それぞれリニアモータの固定子を構成する2列のマグネット部材14が、水平姿勢で対向して上下2列にY方向に沿って配列されている。
【0015】
移動ビーム8の右端部には駆動伝達部としての垂直な移動プレート12が結合されており、移動プレート12の外側の側面には、可動子13、スライダ17およびリニアヘッド19が固着されている。またベースフレーム16の内側面には、ガイドレール18およびリニアスケール20がそれぞれY方向に配設されている。そして可動子13は対向した2
列のマグネット部材14の間に配置されており、可動子13は移動プレート12を介してY方向の駆動力を移動ビーム8に伝達する。
【0016】
スライダ17はガイドレール18にY方向にスライド自在に嵌合している。ガイドレール18、スライダ17および移動プレート12は、被駆動体である移動ビーム8を第1方向にガイドするガイド部となっている。またリニアヘッド19はリニアスケール20と所定間隔で対向した位置にあり、移動ビーム8の移動時にはリニアヘッド19がリニアスケール20に沿って移動することにより、Y方向の位置信号を出力する。
【0017】
次に、リニアモータの推力発生位置と被駆動体の抵抗中心位置との関係について説明する。ここで被駆動体には、移動ビーム8に加えて移動ビーム8とともに移動する移動プレート12および搭載ヘッド9を含ませている。図3において、可動子13の中央部に示す点Pはリニアモータの推力発生位置(2列のマグネット部材14と可動子13との間に作用する磁力の作用中心点)を示している。
【0018】
またD1は、被駆動体(移動ビーム8、移動プレート12および搭載ヘッド9)の高さ方向の重心位置、すなわち加減速時における慣性抵抗中心位置を示しており、ここに示す例では、移動ビーム8の中心軸に慣性抵抗中心位置D1が略一致するように各部の配置・重量配分が設定されている。
【0019】
そして図3に示す例では、推力発生位置Pが慣性抵抗中心位置D1に略一致するように、被駆動体およびリニアモータを配置している。すなわち可動子13の高さ方向の中心位置と移動ビーム8の中心軸の高さ位置が略一致するように、移動プレート12における可動子13の高さ方向位置を設定している。これにより、リニアモータの加減速時において、被駆動体の慣性抵抗中心位置にリニアモータの推力を作用させることができる。
【0020】
したがって、従来装置において生じていた不具合、すなわちリニアモータによる推力発生位置が移動ビームの慣性抵抗中心位置から大きく離れていることによるねじりモーメントの発生を防止することができる。これにより、移動ビームが変形することによる搭載ヘッドの振れを防止して搭載位置精度を確保することができるとともに、ガイド部への過大負荷を防止して部品寿命を延長することができる。
【0021】
なお移動ビーム8を移動させる際には、加減速時の慣性抵抗のみならず、スライダ17がガイドレール18に沿って摺動することによる摺動抵抗が発生する。そしてこの摺動抵抗の大きさが慣性抵抗の大きさと比較して無視できない場合には、前述の推力発生位置Pを、慣性抵抗中心位置に加えて摺動抵抗が作用する位置および摺動抵抗の大きさを考慮して設定する。
【0022】
すなわち図4に示すように、推力発生位置Pが、被駆動体の慣性抵抗中心位置D1と、ガイド部(スライダ17およびガイドレール18)の摺動によって生じる摺動抵抗中心位置D2との間の合力抵抗中心位置に略一致するように、被駆動体、リニアモータおよびガイド部を配置する。摺動抵抗の大きさは実測によって概略値を求めることが可能であり、この摺動抵抗値と被駆動体の質量と加速度から計算可能な慣性抵抗値とを組み合わせることにより、合力抵抗中心位置を推測することができる。推力発生位置Pをこのようにして設定することにより、高速での加減速時においてより安定した動作を実現することができる。
【0023】
図5、図6は、このような推力発生位置の設定を、上記実施例と異なる構成の移動ビームに対して適用した例を示している。すなわち図5に示す例は、図2において移動ビーム8の片側のみにY直動機構6を配設していたのに替えて、移動ビーム8の両側にY直動機
構6を配設した例を示している。
【0024】
また図6は、移動ビーム8へリニアモータの推力を伝達する駆動伝達部として、図2に示す垂直の移動プレート12に替えてブロック状の移動ブロック12Aを用いた例を示している。この例においては、移動ブロック12Aの下面に固着したスライダ17Aと水平面に配設されたガイドレール18Aとで、被駆動体をY方向にガイドするガイド部を構成している。
【0025】
なお本実施の形態では、電子部品実装用装置として電子部品を基板に搭載する電子部品搭載装置の例を示したが、スクリーン印刷装置など電子部品実装ラインを構成する実装用装置にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の電子部品搭載装置における直動機構は、加減速時において慣性力による被駆動体へのねじりモーメントの負荷をなくし、搭載位置精度を確保することができるとともに、部品寿命を延長することができるという効果を有し、電子部品搭載装置などの電子部品実装用装置に配設され搭載ヘッドなどの被駆動体を直線駆動する直動機構に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の断面図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のY直動機構の構造説明図
【図4】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置のY直動機構の構造説明図
【図5】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の断面図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品搭載装置の断面図
【符号の説明】
【0028】
1 電子部品搭載装置
2 搬送路
3 基板
4 部品供給部
6 Y直動機構
7、18 ガイドレール
9 搭載ヘッド
13 可動子
14 マグネット部材
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年4月23日(2004.4.23)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−311157(P2005−311157A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−127842(P2004−127842)