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【発明の名称】 電子回路基板
【発明者】 【氏名】久保 猛
【住所又は居所】京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機械株式会社本社工場内

【要約】 【課題】電子回路基板上にピン挿入実装される電子部品の半田付けする工程で生じる浮き上がりや傾きを防止する構造とした電子回路基板を提供する。

【解決手段】パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリード12を有した電子部品を半田実装する電子回路基板11であって、前記電子回路基板11には前記リード12を各々挿入する複数のリード実装孔10を備えており、その4隅に形成される前記リード実装孔10aの孔径は、リード12のうちで対応したものを圧入して挿入可能な程度に他の前記リード実装孔10bより小さく形成したことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリードを有した電子部品を半田実装する電子回路基板であって、
前記電子回路基板には前記リードを各々挿入する複数のリード実装孔を備えており、
その4隅に形成される前記リード実装孔の孔径は、前記リードのうちで対応したものを圧入して挿入可能な程度に他の前記リード実装孔より小さく形成したことを特徴とする電子回路基板。
【請求項2】
パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリードを有した電子部品を半田実装する電子回路基板であって、
前記電子回路基板には前記リードを各々挿入する複数のリード実装孔を備えており、
その4隅に形成される前記リード実装孔は、それぞれの標準位置から最大公差分、外方にずれた位置に形成したことを特徴とする電子回路基板。
【請求項3】
パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリードを有した電子部品を半田実装する電子回路基板であって、
前記電子回路基板には前記リードを各々挿入する複数のリード実装孔を備えており、
前記リード実装孔の孔径は、基準の孔径よりも最大公差分だけ大きい径のものと最小公差分だけ小さい径のものとが交互に配列するように形成したことを特徴とする電子回路基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板に関するもので、詳しくは、電子回路基板上にピン挿入実装される電子部品の半田付けする工程で生じる浮き上がりや傾きを防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、板状に形成した絶縁板の上に回路の配線等を印刷し、所定の位置に抵抗やコンデンサの他、ICチップやLSIチップ等の様々な電子部品を実装して電子回路を構成し、電子機器に組込まれる電子回路基板が知られている。
【0003】
図5は、電子部品を実装する従来の技術による例を示した図である。
ここで示される電子部品104は、複数のリード102をパッケージの相対する2辺から導出するDIP型のICで、電子回路基板101上の導体パターン103(ランド)に設けられたリード実装孔100に挿入され、ピン挿入実装されるものである。これをピン挿入実装する方法としては、導体パターン103の所定の位置に、電子部品104を仮止めし、その後溶融半田槽に浸漬させ(もしくは噴流式半田槽)半田付けする方法(ディップ法、フロー法)や、予めリード実装孔100にクリーム半田を塗布し、導体パターン103の所定の位置に電子部品104を載置し、その後加熱炉(リフロー炉)でクリーム半田を溶融させ、冷却する方法(リフロー法)が採用されている。
特許文献1には、上記種々の実装技術によりピン挿入実装される電子回路基板が記載されている。
【特許文献1】特開平10−335775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1でも問題視されているように、何れの方法においても図5に示すようなICチップ等、多ピンで構成される電子部品をピン挿入実装する際には、フラックスを塗布する際のスプレーフラクサの圧力や、噴流半田槽でのウェーブ半田等、自動半田付けする工程で電子部品が浮き上がったり、傾いてしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために提案されるものであり、電子回路基板上にピン挿入実装される電子部品の半田付けする工程で生じる浮き上がりや傾きを防止する構造とした電子回路基板を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1では、パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリードを有した電子部品を半田実装する電子回路基板であって、前記電子回路基板には前記リードを各々挿入する複数のリード実装孔を備えており、その4隅に形成される前記リード実装孔の孔径は、前記リードのうちで対応したものを圧入して挿入可能な程度に他の前記リード実装孔より小さく形成したことを特徴とする電子回路基板を提案する。
【0007】
請求項2では、パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリードを有した電子部品を半田実装する電子回路基板であって、前記電子回路基板には前記リードを各々挿入する複数のリード実装孔を備えており、その4隅に形成される前記リード実装孔は、それぞれの標準位置から最大公差分、外方にずれた位置に形成したことを特徴とする電子回路基板を提案する。
【0008】
請求項3では、パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリードを有した電子部品を半田実装する電子回路基板であって、前記電子回路基板には前記リードを各々挿入する複数のリード実装孔を備えており、前記リード実装孔の孔径は、基準の孔径よりも最大公差分だけ大きい径のものと最小公差分だけ小さい径のものとが交互に配列するように形成したことを特徴とする電子回路基板を提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、複数あるリード実装孔のうち、4隅に形成されるリード実装孔の孔径は、ピンを挿入する際に、圧入して挿入可能な程度に他のリード実装孔より小さく形成されているため、4隅がしっかりと固定され、電子部品全体の固定保持力を高めることができ、半田付けする工程で生じる電子部品の浮きや傾きを防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、複数あるリード実装孔のうち、4隅に形成されるリード実装孔は、それぞれの標準位置から最大公差分、外方にずれた位置に形成されるため、4隅は若干押し広げられたように圧入されるため、4隅がしっかりと固定され、電子部品全体の固定保持力を高めることができ、半田付けする工程で生じる電子部品の浮きや傾きを防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、複数あるリード実装孔の孔径は、基準の孔径よりも最大公差分だけ大きい径のものと最小公差分だけ小さい径のものとが交互に配列するように形成されるため、孔径の公差やリードの太さによるあそびが生じても、それらの影響を抑えることができ、電子部品全体の固定保持力を高めることができ、半田付けする工程で生じる電子部品の浮きや傾きを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の電子回路基板11の要部の構成例を示す図、図2は、本発明の電子回路基板11のリード実装孔10の構成例を示す図である。
図1及び図2は、パッケージの1辺から8ピンのリード12が導出され、合計で16ピンのリード12を有した電子部品14を実装する場合の電子回路基板11の構成を示している。なお、ピン数は上記に限られるものではなく、ピンの構成はパッケージの2辺に備えたもののみならず、パッケージの4方にリード12を備えた電子部品でもよい。
【0014】
本発明の電子回路基板11は、複数のリード12を導出するDIP型IC、すなわちピン挿入実装用のICに適用可能で、その他DIP型CCD又はDIP型コネクタにも適用可能である。電子回路基板11は、ガラスエポキシ樹脂、紙フェノール、セラミックス等の絶縁体で形成されるものであればよい。
また、電子部品14を半田実装する方法は、上述のディップ法、フロー法、リフロー法等、何れの方法でもよい。
【0015】
本発明は、パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリード12を有した電子部品14を半田実装する電子回路基板11であって、電子回路基板11にはリード12を各々挿入する複数のリード実装孔10(10a、10b)を備えており、その4隅に形成されるリード実装孔10aの孔径は、リード12のうちで対応したものを圧入して挿入可能な程度に他のリード実装孔10bより小さく形成されることを特徴とする。
【0016】
図2に示すように、1辺8ピン分形成されるリード実装孔10a、10bは一定のピッチ(距離)で一定方向に並んで形成される。
通常、リード実装孔10(10a、10b)は、全て同じ孔径で形成されるもので、電子回路基板11上に電子部品14を手作業で組付けする場合、全ての孔径を基準径より小さい孔径とすると、組付けにくく、作業に時間がかかってしまう。そこで、4隅に形成されるリード実装孔10aの孔径を、リード12のうちで対応したものを圧入して挿入可能な程度で、他のリード実装孔10bより小さく形成する構造とする。
これによれば、4隅のリード実装孔10aは圧入されるリード12とリード実装孔10aの間に遊び(隙間)を少なく構成できるため、電子部品14全体をしっかりと固定保持することができ、自動半田付けの工程中で、圧力等がかかっても電子部品14が浮き上がりや傾きを防止することできる。
【実施例2】
【0017】
図3(a)は、本発明の別の実施例の電子回路基板11のリード実装孔10の構成例を示す図である。
図3(a)は、パッケージの1辺から8ピンのリード12が導出され、合計で16ピンのリード12を有した電子部品14を実装する場合の電子回路基板11の構成を示している。なお、ピン数は上記に限られるものではなく、ピンの構成はパッケージの2辺に備えたもののみならず、パッケージの4方にリード12を備えた電子部品でもよい。
【0018】
本発明の電子回路基板11は、複数のリード12を導出するDIP型IC、すなわちピン挿入実装用のICに適用可能で、その他DIP型CCD又はDIP型コネクタにも適用可能である。電子回路基板11は、ガラスエポキシ樹脂、紙フェノール、セラミックス等の絶縁体で形成されるものであればよい。
また、電子部品14を半田実装する方法は、上述のディップ法、フロー法、リフロー法等、何れの方法でもよい。
【0019】
本発明はパッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリード12を有した電子部品14を半田実装する電子回路基板11であって、電子回路基板11には前記リード12を各々挿入する複数のリード実装孔10(10c、10b)を備えており、その4隅に形成されるリード実装孔10cは、それぞれの標準位置から最大公差分、外方にずれた位置に形成されることを特徴とする。
【0020】
図3(a)に示すように、リード実装孔10(10c、10b)の孔径は、全て同一の径で形成され、一定のピッチ(距離)で配されるところ、4隅に位置するリード実装孔10cのみ、標準の位置から最大公差分、外方向ずれた位置に形成される。
図3(b)は、上記ピッチの構成を説明する図である。
ここでは、例として一定のピッチを2.0mmとし、4隅の位置のみ0.2mmずらし、2.2mmの距離の位置にリード実装孔10cが形成されるものを示している。
これによれば、4隅は若干リード12が押し広げられたように圧入されるため、ストッパーとなり、電子部品14全体の固定保持力を高め、自動半田付けの工程中で、圧力等がかかっても電子部品14の浮き上がりや傾きを防止することができる。
【実施例3】
【0021】
図4(a)は、さらに本発明の別の実施例の電子回路基板11の一部の構成を示す図である。
図4(a)は、パッケージの1辺から8ピンのリード12が導出され、合計で16ピンのリード12を有した電子部品14を実装する場合の電子回路基板11の構成を示している。なお、ピン数は上記に限られるものではなく、ピンの構成はパッケージの2辺に備えたもののみならず、パッケージの4方にリード12を備えた電子部品でもよい。
【0022】
本発明の電子回路基板11は、複数のリード12を導出するDIP型IC、すなわちピン挿入実装用のICに適用可能で、その他DIP型CCD又はDIP型コネクタにも適用可能である。電子回路基板11は、ガラスエポキシ樹脂、紙フェノール、セラミックス等の絶縁体で形成されるものであればよい。
また、電子部品14を半田実装する方法は、上述のディップ法、フロー法、リフロー法等、何れの方法でもよい。
【0023】
本発明は、パッケージの相対する2辺から平行に導出される複数のリード12を有した電子部品14を半田実装する電子回路基板11であって、電子回路基板11にはリード12を各々挿入する複数のリード実装孔10(10d、10e)を備えており、リード実装孔(10d、10e)の孔径は、基準の孔径よりも最大公差分だけ大きい径のものと最小公差分だけ小さい径のものとが交互に配列するように形成されることを特徴とする。
【0024】
図4(a)に示すように、1辺計8ピン分形成されるリード実装孔(10d、10eは一定のピッチ(距離)で形成され、リード実装孔(10d、10e)の径が基準の孔径より最大公差分だけ大きい径10eのものと基準よりも小さい径10dのものとが交互に配列されている。
通常、リード実装孔10(10d、10e)は同一のピッチで同一の径に形成されるが、形成技術上わずかな誤差が生じてしまうため、実際の寸法には許容範囲として公差が設けられている。許容される範囲の最大値と最小値の差が公差であるが、例えば基準孔径が0.8mmであるとすると、その許容される最大値を0.9mm、最小値を0.7mmとした場合は公差は0.2mmとなる。本実施例では、これを利用して0.9mmの径10eのものと、0.7mmの径10dのものを交互に配することにより、電子部品14の半田時等の浮き上がり及び傾きを防止せんとするものである。
【0025】
図4(b)には、上記リード実装孔の孔径の構成を説明する図である。
ここでは、例として一定のピッチを2.0mmとし、基準より大きい径10eを0.9mm、小さい径10dを0.7mmとした例を示している。
これによれば、孔径の公差やリード12の太さによる遊び(隙間)が生じても、それらの影響を抑えることができ、電子部品14全体の固定保持力を高めることができ、半田付けする工程で生じる電子部品14の浮き上がりや傾きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の電子回路基板の要部の構成例を示す図である。
【図2】本発明の電子回路基板の一部の構成を示す図である。
【図3】(a)は、本発明の別の実施例の電子回路基板の一部の構成を示す図である。 (b)は、本実施例のリード実装孔の構成を説明する概略図である。
【図4】(a)は、本発明のさらに別の実施例の電子回路基板の一部の構成を示す図である。 (b)は、本実施例のリード実装孔の構成を説明する概略図である。
【図5】従来の電子回路基板の実装状態を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
11 電子回路基板
10(10a〜10e) リード実装孔
【出願人】 【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院南落合町3番地
【出願日】 平成16年4月23日(2004.4.23)
【代理人】 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行

【公開番号】 特開2005−311146(P2005−311146A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−127630(P2004−127630)