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【発明の名称】 低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減する方法
【発明者】 【氏名】リー, ウェン−シ

【氏名】スー, チェ−イ

【氏名】リー, チュン−テ

【要約】 【課題】誘電体部分および不均一材料部分を含む、低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減すること。

【解決手段】本発明による方法は、(a)モノリシック構造を提供するステップであって、モノリシック構造は、誘電体ボディおよび制約層を備え、誘電体ボディは、少なくとも1つの活性領域を備える少なくとも1つの誘電体層を備え、活性領域には、少なくとも1つの不均一材料パターンが配置され、誘電体ボディの上部に位置する制約層は、少なくとも1つの窓を備え、誘電体層の活性領域のエッジは、各々が窓のエッジ内に垂直方向に嵌合する、ステップと、(b)モノリシック構造を燃焼させるステップと、(c)低温焼結セラミックを提供するようにモノリシック構造を切断線に沿って個別化するステップであって、切断線は、窓のエッジと活性領域のエッジとの間に形成される領域に配置される、ステップとを包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減する方法であって、該セラミックは、誘電体部分と不均一材料部分とを含み、該方法は、
(a)モノリシック構造を提供するステップであって、該モノリシック構造は、
少なくとも1つの活性領域を備える、少なくとも1つの誘電体層を備える誘電体ボディであって、該活性領域には、少なくとも1つの不均一材料パターンが位置し、該不均一材料パターンは、少なくとも1つの不均一材料成分および/またはモジュールを備える、誘電体ボディと、
該誘電体ボディの上部に位置する制約層であって、該制約層は、少なくとも1つの窓を備え、該誘電体層の該活性領域のエッジは、各々が該窓内に垂直方向に嵌合する、制約層と
を備える、ステップと、
(b)該モノリシック構造を燃焼させるステップと、
(c)該低温焼結セラミックを提供するように、該モノリシック構造を切断線に沿って個別化するステップであって、該切断線は、該窓のエッジと該活性領域の該エッジとの間に形成された領域に配置される、ステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記複数の活性領域の前記エッジは、全体として、各々が前記窓内に嵌合する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体ボディは、少なくとも2つの前記誘電体層を備え、いくつかの該誘電体層の前記活性領域の前記エッジは、各々が該誘電体ボディ上部における前記制約層の位置の前記窓内に垂直方向に嵌合する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体ボディは、該誘電体ボディの前記誘電体層間に位置する制約層をさらに備え、該制約層は、少なくとも1つの窓を備え、該誘電層の前記活性領域の前記エッジは、各々が該制約層の該窓内に垂直方向に嵌合する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記誘電体ボディの前記誘電体層間に設けられた前記制約層の厚さ(L)は、該制約層の近傍および下に配置された該誘電体層上に位置する前記不均一材料パターンの厚さ(L)よりも薄くない、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
=Lである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記モノリシック構造は、前記誘電体ボディの下部に位置する制約層をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記制約層は、少なくとも1つの窓を備え、前記誘電層の前記活性領域の前記エッジは、各々が該制約層の該窓内に垂直方向に嵌合する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記誘電体ボディの全厚さ(L)と、該誘電体ボディの上部または下部に配置された前記制約層の厚さ(L)との比率(L/L)は、約3.5未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記誘電体ボディの全厚さ(L)と、該誘電体ボディの上部または下部に配置された前記制約層の厚さ(L)との比率(L/L)は、約3.5未満である、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記モノリシック構造は、
前記制約層上に位置するカバー層と、
該カバー層上に位置する制約層と
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記モノリシック構造は、
前記誘電体ボディの下部に位置するカバー層と、
該カバー層の下に位置する制約層と
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記モノリシック構造は、(前記誘電体ボディの上部に位置する)制約層−該誘電体ボディにおいて交互に位置するm個の誘電体層およびn個の制約層−(該誘電体ボディの下部に位置する)制約層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記モノリシック構造は、制約層−カバー層−(前記誘電体ボディの上部に位置する)制約層−該誘電体ボディにおいて交互に位置するm個の誘電体層とn個の制約層−(該誘電体ボディの下部に位置する)制約層−カバー層−制約層とをさらに備え、mはnよりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
mは、n+1に等しい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記制約層の前記最短長さはLであり、各窓の外接円の半径はcであり、隣接し合う外接線間の距離はaであり、最も外側の窓と該制約層の前記エッジとの間の距離はbであり、c<0.5L、a>0.1c、b>0.1cである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体ボディの上部に位置する前記制約層は、高焼結温度制約層であり、焼結温度は、前記誘電体層の焼結温度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記高焼結温度制約層は、Alを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記制約層は、低焼結温度制約層であり、焼結温度は、前記誘電体層の焼結温度よりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記低焼結温度制約層は、強力補助成分の約1%〜約10%を含み、該制約層の焼結温度を低下させる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記強力補助成分は、酸化バナジウムである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
燃焼中にZ方向の圧力が加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記誘電体ボディと、該誘電体ボディの上部に位置する前記制約層との間に接合ガラスが付与される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記接合ガラスは、硼珪酸ガラスを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記誘電体層および前記誘電体ボディの上部に位置する前記制約層の少なくとも1つは、接合ガラスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記制約層は、約1%〜約10%の接合ガラスを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記制約層は、約1%〜約6%の接合ガラスを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ステップ(c)における前記モノリシック構造を個別化するステップは、のこぎりで切るか、切断するか、レーザで切断するか、またはダイシングすることから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記モノリシック構造を前記誘電体層の前記活性領域の前記エッジに沿って個別化するステップ(d)をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、上部に窓を有する制約層を付与することによって、低温焼結セラミック(Low Temperature Cofired Ceramics)を焼結する間の収縮を低減する方法に関する。本発明は、従来技術におけるセラミックの表面の平坦性にもたらされ得る損傷を回避するために、燃焼の後に制約層を除去することを必要とせず、さらに、製造コストを低減するようにプロセス手順を簡略化する。従って、本発明により、高品質の多層セラミックが製造される。
【背景技術】
【0002】
今日のエレクトロニクス製品が、軽量、薄型、かつ小型という要件を満たすために、相互接続回路基板が必要とされる。相互接続回路基板は、電気的または機械的に相互接続する電子回路であるか、あるいは、ある配列で組み合わされた複数の極めて小さい回路素子からなるサブシステムである。このような回路素子は、単一の相互接続回路基板において、物理的に互いに隔離され、かつ、隣接し合って取り付けられ得、互いに電気的に接続され、および/または、これによって相互接続回路基板から拡張される。
【0003】
相互接続回路基板において、複雑な電子回路は、通常、導体の層を分離するために、いくつかの絶縁誘電体層が用いられることを必要とする。誘電体を通じて導電層を相互接続する導電性の経路は、ビアと呼ばれる。このような多層構造は、回路をよりコンパクトにし、かつ、空間の占有をより少なくすることを可能にする。
【0004】
多層回路を製作する種々の方法の中で、特許文献1に記載される方法は、メタラーゼーションされたビアが種々の導電層を相互接続するために誘電体層を通って伸びた状態で、抵抗器、キャパシタ、または導体等の不均一な材料が上部にプリントされた、複数のセラミックテープ誘電体を複合燃焼することによる方法である。誘電体層は、レジストリに積み重ねられ、適切な温度および圧力で共にプレスされ、その後、グリーンセラミックボディにおける結合剤および可塑剤等の有機物を除去するために燃焼される。すべてのセラミック材料および不均一な材料は、焼結され、これにより焼きしめされる。この方法は、燃焼を1回だけ実行し、製造時間および労力を節約し、そして、移動性金属の拡散を制限して導電層間の短絡を防止するという利点を有する。しかしながら、セラミックと不均一材料との焼結収縮挙動は同じではないので、燃焼条件を制御することが困難である。さらに、このX−Y次元の不確定性は、大型かつ複雑な回路のアセンブリの間に位置のずれを引き起こすので、特に好ましくない。
【0005】
今日、X−Y次元の収縮を低減するために、ほとんどすべてのZ方向の収縮が制御される。このようなプロセスは、特許文献2および特許文献3に記載される、これらの出願は、参考のため、本明細書中に援用される。
【0006】
特許文献2において、グリーンセラミックボディの上部および下部の各々にリリース層が設けられ、「サンドイッチ」構造が形成される。燃焼および焼結の間、リリース層の表面に一方向の圧力が加えられる。リリース層の気孔率(porosity)は、グリーンセラミックボディの揮発性成分に脱出通路を提供する。リリース層は、燃焼の際に収縮しないので、グリーンセラミックボディのX−Y方向の収縮が低減される。しかしながら、リリース層は、グリーンセラミックボディの上面および下面の両方を覆い、これらの除去は、その上の導体、抵抗器、およびキャパシタをプリントし、かつこれらを燃焼するために焼結した後で実行されるべきである。従って、この方法のコストは高くなる。さらに、リリース層に含まれる無機結合剤のグリーンボディへの浸透、ならびにリリース層の接触角、粘性、気孔率、および細孔径のすべてがリリース層を除去する間にセラミックの表面の平坦性に影響をおよぼし、かつ、回路のプリントを困難にし、製品を不良にし易い。多くのセラミック層(例えば、6層よりも多く)を製造する場合、グリーンボディの上部および下部にリリース層を設けることによって、力が均一に分布しない(すなわち、グリーンボディの上部および下部、ならびに中間層に働く力は、実質的に異なる)結果として、誘電体ボディの中間層は、さらに収縮する。
【0007】
特許文献3は、誘電体ボディのX−Y方向の収縮を低減するために3つのアプローチを記載する。第1のアプローチに関して、揮発用の開脱出通路および酸素流入通路を提供するために、誘電体ボディの外部エッジに制約が加えられる。第2のアプローチに関して、同一の広がりをもつ(co−extensive)多孔質プラテンを用いるか、または、表面に空気ベアリング力を加えることによって、誘電体ボディの表面全体に同一に広がる力が加えられる。第3のアプローチに関して、燃焼中に収縮したり、膨張したりしない多孔質コンタクトシートを使用することによって、グリーンボディに摩擦力が加えられる。コンタクトシートは選択された多孔質の組成を含み、これにより、燃焼中に多孔質の状態を保ち、セラミックと融合しせず、熱安定性であり、かつ、連続的な機械的インテグリティおよび剛性を有する。コンタクトシートは、焼結の間、その寸法を維持し、従って、セラミック部分の収縮を制限する。焼結の後、コンタクトシートは、研磨および引き剥がし(scraping)等の適切な手順によって除去され、セラミックの表面は損傷されない。しかしながら、上述の3つのアプローチは、不利な点を有する。例えば、第1のアプローチは、セラミックの収縮をもたらし易く、回路の形状、およびセラミックの表面の平坦性にも影響を及ぼす。なぜなら、第1のアプローチは、固定具によって生成される重さ用いて収縮を低減し、その圧力が、誘電体ボディ上に偏在して分散するからである。第2および第3のアプローチは、燃焼の後に除去ステップを必要とし、コストが高くなり、かつ、表面が損傷される。
【特許文献1】米国特許第4,654,095号明細書
【特許文献2】米国特許第5,085,720号明細書
【特許文献3】米国特許第5,130,067号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の問題を解決するために、本発明は、低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減して、セラミック製品のコストを削減し、かつ品質を改善する新しい方法を開発する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明により、低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減する方法であって、該セラミックは、誘電体部分と不均一材料部分とを含み、該方法は、(a)モノリシック構造を提供するステップであって、該モノリシック構造は、少なくとも1つの活性領域を備える、少なくとも1つの誘電体層を備える誘電体ボディであって、該活性領域には、少なくとも1つの不均一材料パターンが位置し、該不均一材料パターンは、少なくとも1つの不均一材料成分および/またはモジュールを備える、誘電体ボディと、該誘電体ボディの上部に位置する制約層であって、該制約層は、少なくとも1つの窓を備え、該誘電体層の該活性領域のエッジは、各々が該窓内に垂直方向に嵌合する、制約層とを備える、ステップと、(b)該モノリシック構造を燃焼させるステップと、(c)該低温焼結セラミックを提供するように、該モノリシック構造を切断線に沿って個別化するステップであって、該切断線は、該窓のエッジと該活性領域の該エッジとの間に形成された領域に配置される、ステップとを包含する、方法が提供され、これにより、上記目的を達成する。
【0010】
前記複数の活性領域の前記エッジは、全体として、各々が前記窓内に嵌合していてもよい。
【0011】
前記誘電体ボディは、少なくとも2つの前記誘電体層を備え、いくつかの該誘電体層の前記活性領域の前記エッジは、各々が該誘電体ボディ上部における前記制約層の位置の前記窓内に垂直方向に嵌合していてもよい。
【0012】
前記誘電体ボディは、該誘電体ボディの前記誘電体層間に位置する制約層をさらに備え、該制約層は、少なくとも1つの窓を備え、該誘電層の前記活性領域の前記エッジは、各々が該制約層の該窓内に垂直方向に嵌合していてもよい。
【0013】
前記誘電体ボディの前記誘電体層間に設けられた前記制約層の厚さ(L)は、該制約層の近傍および下に配置された該誘電体層上に位置する前記不均一材料パターンの厚さ(L)よりも薄くなくてもよい。
【0014】
=Lであってもよい。
【0015】
前記モノリシック構造は、前記誘電体ボディの下部に位置する制約層をさらに備えていてもよい。
【0016】
前記制約層は、少なくとも1つの窓を備え、前記誘電層の前記活性領域の前記エッジは、各々が該制約層の該窓内に垂直方向に嵌合していてもよい。
【0017】
前記誘電体ボディの全厚さ(L)と、該誘電体ボディの上部または下部に配置された前記制約層の厚さ(L)との比率(L/L)は、約3.5未満であってもよい。
【0018】
前記モノリシック構造は、前記制約層上に位置するカバー層と、該カバー層上に位置する制約層とをさらに備えていてもよい。
【0019】
前記モノリシック構造は、前記誘電体ボディの下部に位置するカバー層と、該カバー層の下に位置する制約層とをさらに備えていてもよい。
【0020】
前記モノリシック構造は、(前記誘電体ボディの上部に位置する)制約層−該誘電体ボディにおいて交互に位置するm個の誘電体層およびn個の制約層−(該誘電体ボディの下部に位置する)制約層を備えていてもよい。
【0021】
前記モノリシック構造は、制約層−カバー層−(前記誘電体ボディの上部に位置する)制約層−該誘電体ボディにおいて交互に位置するm個の誘電体層とn個の制約層−(該誘電体ボディの下部に位置する)制約層−カバー層−制約層とをさらに備え、mはnよりも大きくてもよい。
【0022】
mは、n+1に等しくてもよい。
【0023】
前記制約層の前記最短長さはLであり、各窓の外接円の半径はcであり、隣接し合う外接線間の距離はaであり、最も外側の窓と該制約層の前記エッジとの間の距離はbであり、c<0.5L、a>0.1c、b>0.1cであってもよい。
【0024】
前記誘電体ボディの上部に位置する前記制約層は、高焼結温度制約層であり、焼結温度は、前記誘電体層の焼結温度よりも高くてもよい。
【0025】
前記高焼結温度制約層は、Alを含んでいてもよい。
【0026】
前記制約層は、低焼結温度制約層であり、焼結温度は、前記誘電体層の焼結温度よりも低くてもよい。
【0027】
前記低焼結温度制約層は、強力補助成分の約1%〜約10%を含み、該制約層の焼結温度を低下させてもよい。
【0028】
前記強力補助成分は、酸化バナジウムであってもよい。
【0029】
燃焼中にZ方向の圧力が加えられてもよい。
【0030】
前記誘電体ボディと、該誘電体ボディの上部に位置する前記制約層との間に接合ガラスが付与されてもよい。
【0031】
前記接合ガラスは、硼珪酸ガラスを含んでいてもよい。
【0032】
前記誘電体層および前記誘電体ボディの上部に位置する前記制約層の少なくとも1つは、接合ガラスを含んでいてもよい。
【0033】
前記制約層は、約1%〜約10%の接合ガラスを含んでもいてもよい。
【0034】
前記制約層は、約1%〜約6%の接合ガラスを含んでいてもよい。
【0035】
前記ステップ(c)における前記モノリシック構造を個別化するステップは、のこぎりで切るか、切断するか、レーザで切断するか、またはダイシングすることから選択されてもよい。
【0036】
前記モノリシック構造を前記誘電体層の前記活性領域の前記エッジに沿って個別化するステップ(d)をさらに包含していてもよい。
【0037】
(発明の要旨)
本発明は、主に、低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減する方法に関し、セラミックは、誘電体部分と不均一材料部分とを含み、この方法は、
(a)モノリシック構造を提供するステップであって、このモノリシック構造は、
少なくとも1つの活性領域を備える、少なくとも1つの誘電体層を備える誘電体ボディであって、この活性領域は、少なくとも1つの不均一材料パターンにより配置され、この不均一材料パターンは、少なくとも1つの不均一材料コンポーネントおよび/またはモジュールを備える、誘電体ボディと、
この誘電体ボディの上部に位置する制約層であって、この制約層は、少なくとも1つの窓を備え、この誘電体層の活性領域のエッジは、各々が窓内に垂直方向に嵌合する、制約層と
を備える、ステップと、
(b)このモノリシック構造を燃焼させるステップと、
(c)低温焼結セラミックを提供するようにモノリシック構造を切断線に沿って個別化するステップであって、この切断線は、窓のエッジと活性領域のエッジとの間に形成された領域に配置される、ステップと
を包含する。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、従来技術におけるセラミックの表面の平坦性にもたらされ得る損傷を回避するために、燃焼の後に制約層を除去することを必要とせず、さらに、製造コストを低減するようにプロセス手順を簡略化する。従って、本発明により、高品質の多層セラミックが製造される。
【0039】
具体的には、本発明は、以下の6つの複数の有利な点を有する。(1)制約層のX−Y次元に収縮が生じないので、接合ガラスの存在、または加圧によって、モノリシック構造の収縮が抑制または低減される。(2)制約層は、燃焼後に除去される必要がなく、これにより、従来技術において多孔質コンタクトシートまたはリリース層を除去することから生じた、誘電体層の表面への損傷が完全に回避される。本発明の方法によって製作されたセラミックの表面は、非常に平滑である(表面粗さR<0.2μm)。製造されたキャパシタ、抵抗器、またはフリップチップ集積回路は、より正確なサイズを有する。これにより、除去するコストがかからない。(3)制約層の窓は、モノリシック構造を燃焼させる時に、ガス用の脱出通路を提供し得る。(4)制約層を用いて、モノリシック構造をダイから分離するために、モノリシック構造がダイと接触した結果生じる汚染が防止される。(5)窓を有する制約層を誘電体ボディの誘電体層間に設けることによって、6つよりもさらに多くの層を有する多層セラミックが製造され得る。(6)不均一材料は、燃焼されるべき誘電体層に直接配置され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
(発明の詳細な説明)
本発明は、低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減する方法を提供する。これは、好ましくは、従来の導電性メタライゼーション、抵抗器、キャパシタ、導体、インダクタ、チップまたはモジュールを用いて、多層セラミック回路に適用され、かつ、この回路の製造中に適用される。本発明による方法は、低温焼結セラミックを焼結する間のX−Y方向の収縮を低減し、かつ、表面の平坦性にもたらされ得る損傷を回避するために、燃焼の後に制約層を除去しなくてもよいという利点を有する。
【0041】
図1を参照して、本発明による低温焼結セラミック1は、誘電体部分11および不均一材料部分12を備える。誘電体部分11は、抵抗器、キャパシタ、導体、インダクタ、チップ、またはモジュール等の不均一材料部分12が上部に位置する複数の誘電体層を備え、メタライゼーションされたビアが誘電体ボディを通って伸び、異なった誘電体層上の種々の不均一材料を相互接続する。不均一材料部分12は、表面に活性コンポーネントまたはモジュール121、ビア122、および埋め込みコンポーネントまたはモジュール123がマウントされる。最も外側の誘電体層の表面上に配置された、表面にマウントされた活性コンポーネントまたはモジュール121は、誘電体層の燃焼、または誘電体層との複合燃焼後に誘電体層に製作され得る。ビア122は、誘電体部分11を通じて不均一材料部分12を相互接続する導電性経路である。誘電体部分11は、穿孔され、通常、銀である導電材料で充填されてビア122を提供する。埋め込みコンポーネントまたはモジュール123は、誘電体層内に埋め込まれ、ビア122によって異なった層上で互いに相互接続される。複数の層を備えることによって、不均一材料の相互接続は、誘電体層上および/または誘電体層内に分布し得る。誘電体層内に配置された不均一材料の相互接続は、電子回路を保持するために必要な面積を最小化する。なぜなら、ここで、不均一材料の相互接続は、3次元で配線され得るからである。
【0042】
本発明による方法のステップ(a)は、誘電体ボディ3および制約層22を備えるモノリシック構造2を提供するステップである(図2〜図4を参照)。
【0043】
図2および図4を参照して、誘電体ボディ3は、少なくとも1つの誘電体層21を備える。この誘電体層21は、少なくとも1つの不均一材料パターン212と共に配置された少なくとも1つの活性領域211を備え、不均一材料パターン212は、少なくとも1つの不均一材料コンポーネントおよび/またはモジュール2121を備える。誘電体層は、燃焼の後、低温焼結セラミックの誘電体部分をなし、不均一材料パターンは、低温焼結セラミックの不均一材料部分をなす。本発明による、不均一材料コンポーネントおよび/またはモジュール2121(単数または複数)は、抵抗器、キャパシタ、導体、インダクタ、チップ、またはモジュールを備え、不均一材料パターン212を形成する。本発明のある好ましい実施形態において、誘電体層は、複数の活性領域211を備え、これらの活性領域211の各々は、ある低温焼結セラミックの一部分を生成するためのものである。
【0044】
図2および図3を参照して、制約層22は、誘電体ボディ3の上部に配置される。制約層22は、少なくとも1つの窓221を備える。誘電体層の活性領域211のエッジ2111は、各々、窓221内に垂直方向に嵌合し、誘電体層の不均一材料パターン212を露出する。
【0045】
本発明のある実施形態において、活性領域211のエッジは、各々が窓(図示せず)内に垂直方向に嵌合する。本発明の別の実施形態において、複数の活性領域213のエッジは、全体として、各々が、例えば、(図4に示される)窓等の窓内に嵌合する。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、誘電体ボディ3は、少なくとも2つの誘電体層を含む。任意の誘電体層の活性領域211のエッジ2111は、各々が制約層22の窓221内に垂直方向に嵌合する。少なくとも2つの誘電体層22を設ける場合、本発明による方法は、複数のセラミックを生成する能力を有する。各誘電体層の不均一材料パターンは、回路の一部分をなし、ビアによって他の誘電体層の回路と相互接続することによって、完全な回路を形成する。
【0047】
本発明の別の好ましい実施形態において、誘電体ボディ3は、誘電体層間に位置する制約層23をさらに備える。制約層23は、少なくとも1つの窓231を備え、この誘電体層の活性領域のエッジ2111は、さらに、各々が制約層23の窓231内に垂直方向に嵌合する。制約層23の窓231は、制約層22の窓221よりも大きいか、または、これよりも小さくなり得る。好ましくは、誘電体ボディ3に含まれる制約層23の窓231のサイズおよび位置は、誘電体ボディ3の上に位置する制約層22の窓221のサイズおよび位置と同じである。誘電体ボディ3に制約層23を設けて、本発明による方法は、6つよりもさらに多い誘電体層を有する多層セラミックを生成し、かつ、さらに焼結中のX−Y次元の収縮を回避するために用いられ得る。
【0048】
誘電体ボディの誘電体層間に設けられた制約層の厚さ(L)は、好ましくは、制約層に隣接して位置するか、または制約層の下に位置する誘電体層上に配置される不均一材料パターンの厚さ(L)よりも薄くなく、より好ましくは、Lは、Lに等しく(L=L)、モノリシック構造の一様性を強化する。
【0049】
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、モノリシック構造2は、誘電体ボディ3の底面に配置される制約層24をさらに備える。好ましくは、制約層24は、少なくとも1つの窓241を備え、誘電体層の活性領域211のエッジ2111は、各々、制約層24の窓241内に垂直方向に嵌合する。2つの制約層は、誘電体ボディの上部および下部上に個々に配置され、「サンドイッチ」構造を形成して、X−Y次元の収縮を低減する。誘電体ボディの底部上に位置する制約層は、いずれのウィンドウも有しない場合、低温焼結セラミック製品の底部として保持され得る。他方、誘電体ボディの底部上に位置する制約層は、窓を有する場合、後述されるような個別化ステップによって、低温焼結セラミック製品から除去される。
【0050】
誘電体ボディの上部または下部に配置された制約層の厚さ(L)は、任意の制約層を有するか、または有さない誘電体ボディの厚さ(L)と関係付けられる。L/Lの比率が、約3.5よりも少ない場合、X−Y次元のモノリシック構造の収縮率は、約0.5%よりも少ない。従って、誘電体ボディの全厚さ(L)、および誘電体ボディの上部または下部に位置する制約層の厚さ(L)の比率(L/L)は、好ましくは、約3.5未満である。
【0051】
本発明のある好ましい実施形態において、モノリシック構造2は、カバー層25および制約層26をさらに備える。カバー層25は、制約層22上に位置し、制約層26は、カバー層25上に位置する。カバー層は、誘電材料または任意の他の適切な材料を含む。好ましくは、制約層26は、少なくとも1つの窓261を備え、誘電体層の活性領域211のエッジ2111は、各々が制約層26の窓261内に垂直方向に嵌合する。カバー層25および制約層26は、誘電体ボディ3が燃焼中にダイと接触することを防ぐ。カバー層25は、低温焼結セラミック製品上で保持されるか、または、これから除去される。カバー層25が低温焼結セラミック製品上で保持される場合、不均一材料コンポーネントおよび/またはモジュール等の不均一材料パターンは、表面にマウントされた活性コンポーネントまたはモジュールとしてその上に配置され得る。
【0052】
さらに、モノリシック構造2は、好ましくは、カバー層27および制約層28を備える。カバー層27は、制約層24を有するか、またはこれを有しない誘電体ボディ3の底部に配置され、制約層28は、カバー層27の下に配置される。好ましくは、制約層28は、少なくとも1つの窓281を備え、誘電体層の活性領域211のエッジ2111は、各々、制約層28の窓281内に垂直方向に嵌合する。カバー層27および制約層28は、誘電体ボディが、燃焼中にダイと接触することを防ぐ。カバー層27は、低温焼結セラミック製品上で保持され得るか、これから除去され得る。
【0053】
本発明によると、誘電体層および制約層は、(誘電体ボディの上部に配置される)制約層、交互にされた誘電体ボディ上のm個の誘電体層およびn個の制約層、(誘電体ボディの底部上に配置された)制約層がモノリシック構造を形成するように積層され得、ここで、mは、nよりも大きい。好ましくは、m個の誘電体層およびn個の制約層は、交互になり、誘電体ボディを形成し、ここで、mは、n+1に等しい。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、最短長さLを有する制約層は、穿孔されて、少なくとも1つの窓が上部に形成される(図5を参照)。窓は、半径cを有する外接円の任意の形状であり得、最も外側の窓と制約層のエッジとの間の距離は、bであり、ここで、c<0.5L、a>0.1c、b>0.1cである。本発明によると、不均一材料のパターンを露出させるための所定の位置にある窓が誘電体層上に配置された場合、各外接円の半径は異なる。
【0055】
本発明による誘電体ボディの誘電体層は、当該技術分野において公知の任意の従来の態様で準備され得、かつ、例えば、セラミック固体の細粒と揮発性固体高分子結合剤中に分散した焼結性無機結合剤との混合剤を含み得る。燃焼のプロセスにおいて、高分子結合剤の揮発後、適切な温度に加熱された時に、誘電体ボディの無機成分は、焼結を開始する。焼結中、粒状多孔質誘電体ボディは、粒子サイズの増大ならびに孔形状、サイズおよび数の変更を含む、構造の変化を受ける。焼結は、通常、気孔率を低下させ、その結果、粒子を焼きしめて小型にする。
【0056】
(セラミック固体)
本発明において用いられる誘電体ボディにおけるセラミック固体の組成は、任意の従来のものであり得る。組成それ自体は、システムにおける他の材料に対して、固体が化学的に不活性である限り、直接的には問題とはならない。セラミック固体の例は、通常、金属酸化物である無機金属、および任意の高融点無機固体、ならびに高軟化点ガラスを含む。さらに、セラミック固体は、誘電特性および熱膨張特性の両方に基づいて選択され得る。従って、このような材料の混合物は、これらが設けられる任意の基板の熱膨張特性と適合させるために選択され得る。
【0057】
(無機結合剤)
本発明による無機結合剤の組成は、任意の従来のものであり得る。これは、システムにおける他の材料に対して化学的に不活性であり、以下の適切な物理特性を有する。これらは、(1)セラミック固体の焼結温度よりも著しく低い焼結温度を有すること、(2)用いられる燃焼温度で粘性段階焼結(viscous phase sintering)を経る。本発明に適した無機結合剤は、通常、ガラスであり、特に、燃焼中に結晶化または非結晶化されるガラスである。
【0058】
(高分子結合剤)
無機結合剤およびセラミック固体は、高分子結合剤中に分散する。高分子結合剤は、選択的に、可塑剤、はく離剤、分散剤、剥ぎ取り剤、防汚剤、および湿潤剤等の他の材料と混合される。
【0059】
(誘電体ボディ)
任意の従来の誘電体ボディが本発明において用いられ得る。例えば、誘電体ボディは、セラミック固体、無機結合剤、および高分子結合剤を含む誘電体層から形成され、これらの上に不均一材料のパターンが配置され、メタライゼーションされたビアが、誘電体層を通って伸び、種々の不均一材料のパターンを相互接続する。誘電体ボディは、通常、ガラスおよびセラミックシステム、ならびにガラス−セラミックシステムを含む。
【0060】
ガラスおよびセラミックシステムの主成分は、酸化アルミニウム(Al)である。酸化アルミニウムの焼結温度を低下させ、かつ、システム全体の高周波数(high frequency)を維持するために、KO、B、SiO、CaO、BaO、SrOまたはVおよびこれらの混合物を含むガラス成分が、通常、添加される。
【0061】
ガラス−セラミックシステムの主成分は、ガラスの非結晶質を加熱することによって生成されるセラミックの結晶である一連のMg−AlSiおよびCa−AlSi材料である。
【0062】
(制約層)
制約層は、焼結中に誘電体ボディの収縮を低減する任意の材料を含む。制約層は、高焼結温度制約層および低焼結温度制約層を含む。
【0063】
(1)高焼結温度制約層:
高焼結温度制約層は、酸化アルミニウム等のセラミックテープを含む(1400℃を越える温度で焼結)(図6を参照)。一般的な低誘電性、低焼結温度セラミックは、約850℃で焼結する。低焼結温度セラミックが焼結を開始する温度では、高焼結温度制約層は収縮しない。なぜなら、その焼結温度は、より高く、まだ到達していないからである。これは、高焼結温度制約層が、約850℃では、X−Y次元で収縮せず、低焼結温度セラミックのX−Y次元の収縮を抑制および低減する。高焼結温度制約層は、例えば、米国特許第5,085,720号におけるリリース層であり得る。このリリース層は、揮発性有機媒体中に分散された非金属粒子の細粒を含む。しかしながら、このリリース層が本発明において用いられた場合、無機結合剤の浸透、およびリリース層の接触角が考慮に入れられる必要がなく、燃焼後の除去ステップも不必要である。米国特許第5,130,067号における接触シートもまた、さらに、アルミナ、ガラス、または非結晶ガラス/セラミックの多孔質グリーンシートを含み、高焼結温度制約層として本発明においても用いられ得る。
【0064】
(2)低焼結温度制約層:
(1)に記載される高焼結温度制約層とは異なって、低焼結温度制約層には、制約層の焼結温度を低減するために、強力な補助成分が添加される(図7参照)。すなわち、低焼結温度セラミックが焼結を開始する前に、低焼結温度制約層は、その焼結を完了する。低焼結温度制約層が焼結を開始した時、そのX−Yの収縮が、この温度の範囲では収縮しない低焼結温度セラミックによって抑制および低減される。この時点で、(1)において述べられた高焼結温度制約層の役割は、低焼結温度セラミックによって担われる。温度が、低焼結温度セラミックが焼結を開始する温度に上昇した場合、低焼結温度制約層は、その焼結を完了し、これ以上は収縮せず、従って、低焼結温度セラミックのX−Y次元での収縮は、これにより抑制および低減される。例えば、酸化アルミニウムを低焼結温度制約層とみなす場合、強力な補助成分は、酸化バナジウムまたは他の成分であり得、好ましくは、酸化バナジウムの量は、約1重量%〜約10重量%であり得る。
【0065】
制約層は、好ましくは、多孔質材料を含む。制約層の窓だけでなく、多孔質材料の孔も、燃焼中の揮発性ガス用の誘電体ボディの脱出通路を提供し得る。上述のように、誘電体ボディの上部および下部に加えて、制約層は、誘電体層間に配置される。制約層は、焼結中には収縮しないので、これは、制約層と誘電体層との間の接合ガラスによる接合によってか、または加圧によって誘電体ボディおよび中に含まれた誘電体層のX−Y次元の収縮を抑制および低減する。
【0066】
本発明による方法のステップ(b)は、モノリシック構造を燃焼させるステップである。
【0067】
本発明の方法によると、接合ガラスは、燃焼中に加圧されるかされないかに関わらず用いられ得る。
【0068】
この分野において用いられるモノリシック構造の露出された表面に対して法線方向に、一方向に加圧する従来の方法は、本発明に適切である。この圧力は、制約層が誘電体層と接触するために十分であり、その結果、すべての収縮は、実質的に、モノリシック構造に対して法線方向のZ方向に生じる。すなわち、誘電体層のX−Y次元は、燃焼中は収縮しない。
【0069】
接合ガラスは、加圧されない場合に用いられるべきである。接合ガラスは、制約層および/または誘電体層の材料に直接添加され得るか、または、制約層と誘電体層との間に接合ガラス層の形態で提供され得る。制約層の材料に直接添加された場合、接合ガラスの量は、焼結中に制約層を収縮させるほど多すぎても、少なすぎても問題であり、十分な接合効果を提供しない。制約層は、接合ガラスの約1重量%〜約重量10%、好ましくは、約1%〜約6%を含む。例えば、酸化アルミニウム(Al)の制約層中に硼珪酸ガラスを添加するとして、硼珪酸ガラスの好ましい量は、硼珪酸ガラスおよび酸化アルミニウムの全重量の約1重量%〜約10重量%である。接合ガラスが誘電体層の表面に付与された場合、接合ガラスは、好ましくは、活性領域を覆わない。接合ガラス層は、適切な溶剤中でガラス粒子を溶解することによってインクとして準備されて、誘電体層または制約層上にプリントされるか、あるいは、直接コーティング、スパッタ堆積または蒸着によって、誘電体層と制約層との間に添加される。さらに、接合ガラス(層)は、加圧される場合に用いられ得る。異なった接合ガラスは、必要なプロセスに応じて選択され得る。
【0070】
本発明において、接合ガラスは、接合のために、選択的に誘電体層と制約層との間に添加される。好ましくは、接合ガラスは、窓を有する制約層の表面に添加され、その後、制約層を誘電体層上に設け、これにより、接合ガラスの量が低減され、かつ、接合ガラスは、不均一材料パターンと直接接触しない。従って、接合ガラスと誘電体層、または、制約層との間の相互作用は、活性領域内で直接的に起こらない。焼結中に、接合ガラスは部分的に融解し、誘電体層中に拡散して、制約層と誘電体層とを一緒に接合する。
【0071】
本発明による方法は、事前に燃焼された耐火基板のバッキングを有するか、または有さないセラミック回路を製造するために用いられ得る。バッキングは、メタライゼーションされてもされなくてもよい。メタライゼーションされる場合、これは事前に燃焼されてもされなくてもよい。基板のバッキングが用いられる場合、基板のバッキング上に誘電体ボディが配置され、続いて、制約層が配置される。アセンブリ全体は、その後、燃焼のために、制約ダイまたはプレスに配置される。基板のバッキングが用いられない場合、制約層は、誘電体ボディの上部および下部の両方に配置される。
【0072】
本発明による方法のステップ(c)は、低温焼結セラミックを提供するようにモノリシック構造を切断線に沿って個別化するステップであり、ここで、切断線は、窓のエッジと活性領域のエッジとの間に形成された領域に配置される。個別化のプロセスは、当業者に周知である。例えば、モノリシック構造を個別化するステップは、のこぎりで切るか、切断するか、レーザで切断するか、またはダイシングすることによって行われる。
【0073】
好ましくは、本発明による方法は、モノリシック構造を誘電体層の活性領域のエッジに沿って個別化するステップ(d)をさらに包含する。複数の活性領域216のエッジが、全体として、各々が窓221(図4を参照)の1つに垂直方向に嵌合した場合、これによって各低温焼結セラミックは個別化される。
【0074】
本発明は、複数の有利な点を有する。(1)制約層のX−Y次元に収縮が生じないので、接合ガラスの存在、または加圧によって、モノリシック構造の収縮が抑制または低減される。(2)制約層は、燃焼後に除去される必要がなく、これにより、従来技術において多孔質コンタクトシートまたはリリース層を除去することから生じた、誘電体層の表面への損傷が完全に回避される。本発明の方法によって製作されたセラミックの表面は、非常に平滑である(表面粗さR<0.2μm)。製造されたキャパシタ、抵抗器、またはフリップチップ集積回路は、より正確なサイズを有する。これにより、除去するコストがかからない。(3)制約層の窓は、モノリシック構造を燃焼させる時に、ガス用の脱出通路を提供し得る。(4)制約層を用いて、モノリシック構造をダイから分離するために、モノリシック構造がダイと接触した結果生じる汚染が防止される。(5)窓を有する制約層を誘電体ボディの誘電体層間に設けることによって、6つよりもさらに多くの層を有する多層セラミックが製造され得る。(6)不均一材料は、燃焼されるべき誘電体層に直接配置され得る。
【0075】
本発明により生成された低温焼結セラミックは、ニッケル/スズ層でコーティング/付与され、その後、集積回路、多層セラミック回路、抵抗器SMDが表面上に配置される。従って、収率が決定される。
【0076】
以下の実施例は、例示の目的で与えられるにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0077】
誘電体層(Ca−AlSi)の材料成分、または、制約層の材料(酸化アルミニウムおよび硼珪酸ガラス)を2つのジャーに充填し、固体の量を約65重量%に維持するように水を添加した。成分を、約0.8μmの平均粒子サイズに粉砕する。約80μmの厚さを有する誘電体層として、ブレード下にキャストスラリーを通すことによってスリップを形成するために、ポリビニルアルコール(PVA)、有機結合剤、およびポリエチレングリコール(PEG)、可塑剤をさらに添加した。制約層を生成する方法は、誘電体層を生成する方法と同様であった。
【0078】
誘電体層の各々(10cm×10cm)は、1cm×1cmの面積を有する25個の活性領域を含み、各活性領域間の距離は、0.65cmであり、最も外側の活性領域と誘電体層のエッジとの間の距離は、1.2cmであった。各活性領域には、不均一材料パターンを配置した。
【0079】
制約層(10cm×10cm)を直接穿孔することによって窓を形成した。窓の各々は、1cm×1cmの面積を有し、各窓間の距離は0.65cmであり、最も外側の窓と制約層のエッジとの間の距離は1.2cmであった。
【0080】
誘電体層および制約層を、(誘電体ボディの上部に位置する)制約層−複数の誘電体層−(誘電体ボディの下部に位置する)制約層の態様で揃え、かつ、積層した。制約層の厚さはLであり、誘電体ボディの全厚さはLであった。
【0081】
この実施例で用いられる燃焼条件は、無機結合剤を除去するために、約300℃で約24〜約38時間、その後、約880℃で約30分であった。その後、サンプルを冷却して、プリントされた回路に従って直接切断した。
【0082】
およびLの値が異なる場合のモノリシック構造のX−Y次元の収縮率を測定し、表1に列挙した。
【0083】
【表1】


燃焼後、低温焼結セラミックを窓のエッジに沿って個別化した。
【0084】
L4/L3の比率が3.1未満であった場合、X−Y次元のモノリシック構造の収縮率は、約0.5%未満であることが示された。
【実施例2】
【0085】
約300μmの厚さを有する誘電体ボディ、ならびに約145μmおよび約10μmの厚さを有する制約層が、実施例1に記載されたものと同様の方法により生成された。145μmの制約層を誘電体ボディの上部および下部に配置し、10μmの制限層を誘電体ボディの誘電体層間に位置するようにした。
【0086】
誘電体層の各々(10cm×10cm)は、1cm×1cmの面積を有する25個の活性領域を含み、各活性領域間の距離は0.65cmであり、最も外側の活性領域と誘電体層のエッジとの間の距離は1.2cmである。各活性領域に不均一材料パターンを配置した。
【0087】
制約層(10cm×10cm)を直接穿孔することによって窓を形成した。窓の各々は、1cm×1cmの面積を有し、各窓間の距離は0.65cmであり、最も外側の窓と制約層のエッジとの間の距離は1.2cmであった。
【0088】
誘電体層および制約層は、モノリシック構造を形成するために、(誘電体ボディの上部に配置された、145μmの)制約層−(誘電体ボディ内に配置された、10μmの)交互に位置するm個の誘電体層およびn個の制約層−(誘電体ボディの下部に配置された、145μmの)制約層であって、mはn+1に等しい、態様で積層する。
【0089】
mが様々な値に対するモノリシック構造のX−Y次元の収縮率を測定し、表2に列挙した。
【0090】
【表2】


誘電体ボディ内に配置された制約層(10μm)は、X−Y次元のモノリシック構造の収縮率を1.84%〜1.69%低減し得ることが示された。
【実施例3】
【0091】
制約層がn%の硼珪酸ガラスを含むことを除いて、実施例1に記載されたものと同様の方法に従って、約800μmの厚さを有する誘電体ボディ、および約250μmの厚さを有する制約層を生成した。制約層は、第1および第3の制約層として、誘電体ボディに配置されたものである。
【0092】
誘電体層(10cm×10cm)は、1cm×1cmの面積を有する25個の活性領域を含み、各活性領域間の距離は0.65cmであり、最も外側の活性領域と誘電体層のエッジとの間の距離は1.2cmである。各活性領域には、不均一材料パターンが配置された。
【0093】
制約層(10cm×10cm)を直接穿孔することによって窓を形成した。窓の各々は、1cm×1cmの面積を有し、各窓間の距離は0.65cmであり、最も外側の窓と制約層のエッジとの間の距離は1.2cmであった。
【0094】
nが様々な値に対するX−Y次元の収縮率を測定し、表3に列挙した。
【0095】
【表3】


硼珪酸ガラスの添加は、X−Y次元の収縮率の低減に効果的であることが示された。
【0096】
本発明の実施形態が示され、かつ記載されたが、種々の改変および改良が当業者によってなされ得る。従って、本発明の実施形態は、例示にすぎず、限定を意図しない。本発明は、示されるような特定の形態に限定されず、かつ、本発明の主旨および範囲から逸脱しないすべての改変が上記の請求項の範囲に含まれることが意図される。すなわち、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
(要旨)
本発明は、主に、低温焼結セラミックを焼結する間の収縮を低減する方法に関し、セラミックは、誘電体部分および不均一材料部分を含む。この方法は、(a)モノリシック構造を提供するステップであって、モノリシック構造は、誘電体ボディおよび制約層を備え、誘電体ボディは、少なくとも1つの活性領域を備える少なくとも1つの誘電体層を備え、活性領域には、少なくとも1つの不均一材料パターンが配置され、誘電体ボディの上部に位置する制約層は、少なくとも1つの窓を備え、誘電体層の活性領域のエッジは、各々が窓のエッジ内に垂直方向に嵌合する、ステップと、(b)モノリシック構造を燃焼させるステップと、(c)低温焼結セラミックを提供するようにモノリシック構造を切断線に沿って個別化するステップであって、切断線は、窓のエッジと活性領域のエッジとの間に形成される領域に配置される、ステップとを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、低温焼結セラミックの分解斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、モノリシック構造の分解斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明のある実施形態による、モノリシック構造の断面図を示す。
【図4】図4は、本発明のある実施形態による、モノシリック構造の上面図を示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態による制約層の上面図を示し、ここで、Lは、制約層の最短の長さであり、cは、各窓の外接円の半径であり、aは、隣接し合う外接円間の距離であり、bは、最も外側の窓と制約層のエッジとの間の距離である。
【図6】図6は、収縮率に対する高焼結温度制約層および低温焼結セラミックの温度のプロットを示す。
【図7】図7は、収縮率に対する低焼結温度制約層および低温焼結セラミックの温度のプロットを示す。
【符号の説明】
【0098】
1 低温焼結セラミック
11 誘電体部分
12 不均一材料部分
121 表面実装された活性コンポーネントまたはモジュール
122 ビア
123 埋め込みコンポーネントまたはモジュール
2 モノリシック構造
21 誘電体層
211 活性領域
2111 エッジ
212 不均一材料パターン
2121 不均一材料コンポーネントおよび/またはモジュール
213 活性領域
22 制約層22
221 窓
23 制約層
231 窓
23 制約層
231 窓
24 制約層
241 窓
25 カバー層
26 制約層
261 窓
27 カバー層
28 制約層
281 窓
3 誘電体ボディ
【出願人】 【識別番号】504158445
【氏名又は名称】ヤゲオ コーポレイション
【出願日】 平成16年4月21日(2004.4.21)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策

【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明

【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹

【公開番号】 特開2005−311085(P2005−311085A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−126169(P2004−126169)