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【発明の名称】 基板回路装置、受信装置及び送信装置
【発明者】 【氏名】大友 正信
【住所又は居所】神奈川県相模原市相模大野7丁目35番1号 日本マランツ株式会社内

【要約】 【課題】絶縁性の基板に、電力供給回路、複数の高周波回路、所望の機能を奏する機能回路、グランドパターン及び各回路に従属する回路グランドパターンが配設され、或る回路で消費され電力供給回路へ流れる電流の他の回路への侵入を防ぎ、設計本来の所望の機能を奏する基板回路装置を実現する。

【解決手段】発振・変調回路8は、他の回路で消費され電力供給回路4に流れる電流に対し正面となる部位でグランドパターン3と回路グランドパターン17の間に絶縁の領域22を配設して他の回路で消費された電流の侵入を防ぎ、且つ、グランドパターン3と回路グランドパターン17の間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサ24、25及び26を介在させて自ら又は/及び他から発する電波が空間を介し回路グランドパターン17とグランドパターン3の間に高周波による電位差が生じさせない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基板と、その基板に付設されて所望の電気接続を行うための配線パターン及び基準の電位電流が流れるグランドパターンと、その基板に配設されてそれら配線パターン及びグランドパターンと共に構成される、電力を供給する電力供給回路、少なくとも二以上の高周波回路、及び所望の機能を奏する機能回路と、それら電力供給回路、高周波回路及び機能回路に対応する前記基板の領域でそれぞれに配設された回路グランドパターンと、が備えられ、
上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して上記電力供給回路に流れる電流がそれら上記高周波回路又は/及び機能回路と上記電力供給回路の間に位置する他の高周波回路又は/及び前記機能回路に対応する回路グランドパターンの領域に侵入することを防ぐように、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対して正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域が設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが介在され、更に、各回路で消費されて前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンがグランドパターンに接続されて構成されている基板回路装置。
【請求項2】
絶縁性の基板と、その基板に付設されて所望の電気接続を行うための配線パターン及び基準の電位電流が流れるグランドパターンと、その基板に配設されてそれら配線パターン及びグランドパターンと共に構成され、電力を供給する電力供給回路、高周波回路である受信回路、検波・復調回路、発振・変調回路、PLL回路、基準発振回路、及び、所望の機能を奏する機能回路である受信音声増幅回路と、それら各回路に対応する前記基板の領域でそれぞれに配設された回路グランドパターンと、演算手段であるCPUと、アンテナと、音声出力手段と、操作入力手段とが備えられ、
上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して上記電力供給回路に流れる電流がそれら上記高周波回路又は/及び機能回路と上記電力供給回路の間に位置する他の高周波回路又は/及び前記機能回路に対応する回路グランドパターンの領域に侵入することを防ぐように、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対して正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域が設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが介在され、更に、各回路で消費され前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンがグランドパターンに接続して構成されている受信装置。
【請求項3】
絶縁性の基板と、その基板に付設されて所望の電気接続を行うための配線パターン及び基準の電位電流が流れるグランドパターンと、その基板に配設されてそれら配線パターン及びグランドパターンと共に構成され、電力を供給する電力供給回路、高周波回路である送信回路、発振・変調回路、PLL回路、基準発振回路、及び、所望の機能を奏する機能回路である送信音声増幅回路と、それら各回路に対応する前記基板の領域でそれぞれに配設された回路グランドパターンと、演算手段であるCPUと、アンテナと、音声入力手段と、操作入力手段とが備えられ、
上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して上記電力供給回路に流れる電流がそれら上記高周波回路又は/及び機能回路と上記電力供給回路の間に位置する他の高周波回路又は/及び機能回路に対応する回路グランドパターンの領域に侵入することを防ぐように、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対して正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域が設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが介在され、更に、各回路で消費され前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンがグランドパターンに接続して構成されている送信装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、絶縁性の基板に複数個の電子部品を載置し、それら載置した複数個の電子部品を配線パターン及びグランドパターンによって接続して、電力供給回路、二以上の高周波回路及び所望の機能を奏する機能回路を備えた基板回路装置に、更には、斯かる構成の基板回路装置を含んで受信手段及び送信手段がそれぞれ構成される受信装置及び送信装置に関する。
【0002】
特に、基板回路装置については、高周波回路又は/及び機能回路においてそれぞれで消費される電流が他の高周波回路又は/及び機能回路に侵入することによって結果的に不要な信号成分が混入される場合が生じるが、斯かる不要な信号成分が各回路に混入されることを回避し得る基板回路装置に関する。
【0003】
受信装置及び送信装置については、絶縁性の基板に複数個の電子部品が載置され、それら複数個の電子部品を配線パターン及びグランドパターンによって接続されて電力供給回路、二以上の高周波回路、及び所望の機能を奏する機能回路が構成された基板回路装置を備え、且つ、その基板回路装置によってそれぞれ受信手段及び送信手段が構成されてなる受信装置及び送信装置に関し、特に、それら高周波回路又は/及び機能回路でそれぞれで消費される電流が他の高周波回路又は/及び機能回路に侵入することによって結果的に不要な信号成分が受信手段及び送信手段に混入してハウリング現象や通信品質の劣化等の不具合を生じることになるが、それぞれ斯かる不要な信号成分が受信手段及び送信手段に混入されることを回避し得る受信装置及び送信装置に関する。
【背景技術】
【0004】
絶縁性の基板に電子部品を載置し、それら載置した複数個の電子部品を配線パターン及びグランドパターンによって接続して電力供給回路、二以上の高周波回路及び所望の機能を奏する機能回路を構成してなる基板回路装置において、それら高周波回路又は/及び機能回路でそれぞれで消費される電流が他の高周波回路又は/及び機能回路に侵入することによって結果的に不要な信号成分が混入されてその回路が外部からのノイズによって誤作動を生じる。
斯かる回路の誤作動を防止する構成の基板回路装置として、以下の文献で示された発明がある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−145013号公報
【0006】
つまり、同公報には、基板回路装置において回路を構成する電子部品がそれぞれ絶縁性の基板の対応する分割の絶縁の領域に、各回路の外部からのノイズを吸収し得る低インピーダンスの配線パターンを配設し、その低インピーダンスの配線パターンによって外部からのノイズを吸収することによって、結果的に外部ノイズによる回路の誤動作を防止する発明が開示されている。
【0007】
他方、従来の高周波回路又は/及び機能回路を含む基板回路装置として、電力の供給を行うための電力供給パターンと各回路に従属する回路グランドパターンをバイパスコンデンサによって接続する構成をとることによりそれら電力供給パターンと各回路グランドパターンの高周波で発生する電位を等しくさせ、且つ、各回路グランドパターンとグランドパターンの接続部を比較的に幅広く形成された配線パターンによってグランドパターンの接続部を可能な範囲で数多く設けることで各回路グランドパターンとグランドパターンの高周波で発生する電位を等しくなるように構成し、更に、グランドパターンによって各回路をその周囲で取り囲むことによって、高周波回路又は/及び機能回路に他の高周波回路又は/及び機能回路で発する電波が空間から侵入するのを防ぐ方法が知られていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記公報には、所望の機能を有する回路を構成するように電子部品、配線パターン、グランドパターンを備えてなる基板回路装置において、各配線パターンの領域を互いに隔離する絶縁領域にノイズを吸収し得る低インピーダンスのパターン電極が配設され、その配設された低インピーダンスのパターン電極によって外部ノイズが吸収されることが開示されている。
【0009】
しかしながら、高周波回路が備えられ且つこの方法を用いて低インピーダンスのパターン電極が配設されてなる基板回路装置おいては、高周波回路からの電波や他の電気装置・電子装置が発する電波が空間から他の高周波回路又は/及び機能回路等に侵入する場合にそれに伴う電波を吸収することができないという事態が生じる。
従って、斯かる構成の基板回路装置では、高周波回路、機能回路等は他の高周波回路が発する高周波の電波や他の電気装置・電子装置が発する電波を空間から受け、結果的に、ハウリング現象や誤動作を生じるという問題があった。
【0010】
又、高周波回路が備えられた従来の基板回路装置については、電力を供給するための電力供給パターンと各回路グランドパターンの間にバイパスコンデンサを介在させて電力供給パターンと各回路グランドパターンの高周波で発生する電位を等しくさせ、且つ、各回路グランドパターンとグランドパターンとの接続部を可能な範囲で数多く設け、更に、グランドパターンによって各回路をその周囲で取り囲むことによって各回路グランドパターンとグランドパターンの高周波で発生する電位が等しくなるように構成されたものが知られている。
【0011】
斯かる構成の基板回路装置では、高周波回路又は/及び機能回路に対して他の高周波回路で発する電波や他の電気装置・電子装置が発する電波が空間から侵入することを可及的に防ぐことが可能になっていた。
特に、複数枚の基板回路装置が層状に積むように並べられて構成される、所謂基板多層タイプの基板回路装置において、内側に位置する層に配設された基板回路装置に電力供給パターンや信号パターンが配設されている場合では、全回路に共通しているグランドパターンで基板多層基板回路装置そのものの外層を覆うことによって高周波に対するシールド効果が得られている。
【0012】
しかしながら、斯かる構成の基板多層タイプの基板回路装置は、各回路グランドパターンとグランドパターンの接続部を可能な範囲で数多く設けて構成されている。
従って、斯かる構成では微小な電流や信号を扱う回路と比較的大きい電流や信号を扱う回路が混在して配設されている場合には、微小な電流や信号を扱う回路が比較的大きい電流や信号を扱う回路の消費電流に基づき発生するノイズによって、不要な信号(ノイズ)が目的の信号に混じったり誤動作が発生するという問題が生じる。
【0013】
更に、各回路グランドパターンとグランドパターンの接続部を可能な範囲で数多く設けているので、電力供給回路と複数の回路の間に、変調・復調を行う回路と変調・復調前後の信号やその他の異なる周波数帯の信号を扱う回路が混在して配設されている場合には、それら変調・復調前後の信号やその他の異なる周波数帯の信号を扱う回路で消費する電流が変調・復調を行うための回路にそれに従属する回路グランドパターンから流れ込み、結果的に、不要な信号(ノイズ)が目的の変調・復調信号に混じるという問題が生じる。
これに対して、各回路グランドパターンとグランドパターンとの接続部の数を減らすことによって、特定の回路で消費する電流が他の回路の回路グランドパターンに流れないように構成すると、斯かる問題を回避できることになる。
【0014】
しかしながら、各回路グランドパターンと全回路に共通のグランドパターンとの接続部の数を減らすと、各回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じる場合がある。
斯かる場合には、高周波回路で発する高周波(電波)や他の電気装置・電子装置が発する電波が空間から他の高周波回路又は機能回路に侵入して、その高周波によって他の高周波回路又は機能回路がハウリング現象(異音の発生等)や誤動作を引き起こすという問題が生じる。
つまり、高周波回路を備えた基板回路装置では、上述の構成を採用してもハウリング現象や誤動作の問題が残ることになる。
【0015】
そこで、高周波回路が備えられ、無線通信装置等に用いられる基板回路装置1aとして図5に示されたものが考えられる。
つまり、基板回路装置1a、各回路の回路グランドパターンと全回路に共通のグランドパターン3aの接続部をできるだけ増やしており、各回路グランドパターンがグランドパターン3aによって周囲が取り囲まれている。
【0016】
しかしながら、斯かる構成であって且つ電力供給回路4aと比較的大きめの電流や信号を扱う基準発振回路11aや受信音声増幅回路12aの間に微小な信号を扱う発振・変調回路8a(VCO:Voltage Control Osillator)が配設されている場合には、基準発振回路11aや受信音声増幅回路12aで消費した電流が発振・変調回路8aの回路グランドパターン17aに流れ込むことになる。
従って、受信装置の場合は、受信音声増幅回路12aに起因するオーディオ(低周波)信号が発振・変調回路8aで生成する本来は無変調の筈の発振信号に変調として混じり、結果的にオーディオ周波数でのハウリングという問題を引き起こし易い。
他方、送信装置の場合は、基準発振回路11aに起因する高周波信号が発振・変調回路8aで生成する本来は一波である筈の発振信号に不要波としてとして混じり、結果的に不要な空中線電力(スプりアス)を発射してしまうという問題を引き起こし易い。
【0017】
ここで、斯かる問題を引き起こす要因として、基準発振回路11aや受信音声増幅回路12aで消費する電流が、発振・変調回路8aの対応する回路グランドパターン17aに流れ込むことが考えられる。
これに対して、電力供給回路4aの配設位置と発振・変調回路8aの配設位置を入れ替えて受信音声増幅回路12aで消費する電流が、発振・変調回路8aのグランドパターンを流れ難くすればよいということが考えられる。
しかしながら、高周波回路を含む基板回路装置1aでは、信号の流れに沿って各回路の配設位置が要求されるといった条件により簡単に各回路間でその配設位置を簡単に入れ替えることはできないという問題が生じて来る。
【0018】
又、特定の回路の配設位置を無理に選択・設定すると、結果的に、高周波信号のパターンを必要以上に長めに引き回してしまって高周波信号が減少することになり、場合によっては当該基板回路装置に更に増幅段を追加しなければいけないという無駄が生じたり、性能劣化を引き起こすという問題も生じる。
従って、特定の回路同士の配設位置を互いに替えることは、回路設計のやり直しにつながるので困難を要する。又、特定の回路同士の配設位置を入れ替えたからといって全ての問題が解決して所望通りの基板回路装置が得られるとは限らない。
【0019】
他方、基板回路装置1aが受信手段として構成されていて、その構成の基板回路装置1aを他の電気装置・電子装置が発する電波による強電界のエリアで使用する場合には、その強電界の電波が基板回路装置1aの高周波回路又は/及び機能回路に従属する回路グランドパターンに高周波による電圧が発生してグランドパターンとの間に電位差が生じて当該回路に電流が流れ、結果的に、異音の発生や誤動作等の問題を引き起こすという虞がある。
同様に、基板回路装置1aが送信手段として構成されていて、その構成の基板回路装置1aを送信状態で使用する場合には、送信手段そのものの送信電波が自らの高周波回路又は/及び機能回路に侵入して、結果的に、異音の発生や誤動作等の問題を引き起こすという虞がある。
【0020】
つまり、基板回路装置1aにおいて、発振・変調回路8aの回路グランドパターン17aにおいて、送信部回路9aから発する電波が空間を介し発振・変調回路8aの回路グランドパターン17aに侵入して発振・変調回路8aの回路内部に侵入することが起こり、発振・変調回路8aに送信回路9aが出す電波が入り込み、発振・変調回路8aは送信回路9aからの電波によってハウリング現象や誤動作の生じる虞がある。
【0021】
本願に係る発明者は上述した諸問題に鑑みて鋭意工夫を行い、複数の高周波回路や機能回路が備えられ、高周波回路や機能回路で消費された電流が他の高周波回路や機能回路の回路グランドパターンに流れ込むことがなく、よって、各回路が正常に機能して誤動作の生じることのない基板回路装置を発明するに至った。
【0022】
つまり、この発明は、或る高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流がグランドパターンを介して電力供給回路に流れる際に他の高周波回路又は/及び機能回路に回路グランドパターンから流れ込むことを阻止し、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して各回路グランドパターンとグランドパターンに侵入したとしても各回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることを回避させ、結果的に、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤動作の生じることのない高周波回路及び機能回路を備えてなる基板回路装置を提供するものである。
【0023】
更に、電源供給回路、高周波回路及び機能回路を備えてなる基板回路装置によって受信手段が構成する受信装置において、或る高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流がグランドパターンを介して電力供給回路に流れる際に他の高周波回路又は/及び機能回路に回路グランドパターンから流れ込むことがなく、自ら又は及び他から発する電波が空間を介し各回路グランドパターンとグランドパターンに侵入したとしても各回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることを回避させ、結果的に、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤動作といった不具合が生じることのないことを目的とする。
【0024】
加えて、電源供給回路、高周波回路及び機能回路を備えてなる基板回路装置によって送信手段が構成する送信装置において、或る高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流がグランドパターンを介して電力供給回路に流れる際に他の高周波回路又は/及び機能回路に回路グランドパターンから流れ込むことがなく、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して各回路グランドパターンに侵入したとしても各回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることを回避させて、結果的に、ノイズの侵入或いはハウリング現象や誤動作といった不具合が生じることのないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本願の第一の発明は、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費してグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対し、正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域を設け、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサを介在させ、各回路で消費して前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンをグランドパターンに接続して構成させた基板回路装置である。
【0026】
その詳細な構成は、絶縁性の基板と、その基板に付設されて所望の電気接続を行うための配線パターン及び基準の電位電流が流れるグランドパターンと、その基板に配設されてそれら配線パターン及びグランドパターンと共に構成される、電力を供給する電力供給回路、少なくとも二以上の高周波回路、及び所望の機能を奏する機能回路と、それら電力供給回路、高周波回路及び機能回路に対応する前記基板の領域でそれぞれに配設された回路グランドパターンと、が備えられ、
上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して上記電力供給回路に流れる電流がそれら上記高周波回路又は/及び機能回路と上記電力供給回路の間に位置する他の高周波回路又は/及び前記機能回路に対応する回路グランドパターンの領域に侵入することを防ぐように、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対して正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域が設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが介在され、更に、各回路で消費されて前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンがグランドパターンに接続されて構成されている基板回路装置である。
【0027】
斯かる構成の基板回路装置では、高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流が他の高周波回路又は/及び機能回路の回路グランドパターンの領域に侵入しようとしても、グランドパターンと回路グランドパターンの間に絶縁の領域があって、当該回路グランドパターンに流れ込むことはない。
しかし、各回路グランドパターンは、前記電流の流れに背となる部位でグランドパターンに接続されているので、各回路はグランドパターンと接続の状態が確保できていて所望の機能が得られる。
尚、ここで言う所望の機能とは、基板回路装置の設計者が意図した通りに機能を奏することを意味する。以下、所望の機能については、同様に意味する。
【0028】
又、絶縁の領域が介在されたグランドパターンと回路グランドパターンの部位では、高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが当該両パターンに介在接続されているので、他の高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流が当該回路に従属する回路グランドパターンの領域に流れ込むことがなく、更に、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して当該従属の回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じるといったことはない。
【0029】
本願の第二の発明は、受信手段が、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費してグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対し、正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域を設け、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサを介在させ、各回路で消費して前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンをグランドパターンに接続して構成させた基板回路装置を備えて構成されてなる受信装置である。
【0030】
その詳細な構成は、絶縁性の基板と、その基板に付設されて所望の電気接続を行うための配線パターン及び基準の電位電流が流れるグランドパターンと、その基板に配設されてそれら配線パターン及びグランドパターンと共に構成され、電力を供給する電力供給回路、高周波回路である受信回路、検波・復調回路、発振・変調回路、PLL回路、基準発振回路、及び、所望の機能を奏する機能回路である受信音声増幅回路と、それら各回路に対応する前記基板の領域でそれぞれに配設された回路グランドパターンと、演算手段であるCPUと、アンテナと、音声出力手段と、操作入力手段とが備えられ、
上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して上記電力供給回路に流れる電流がそれら上記高周波回路又は/及び機能回路と上記電力供給回路の間に位置する他の高周波回路又は/及び前記機能回路に対応する回路グランドパターンの領域に侵入することを防ぐように、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対して正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域が設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが介在され、更に、各回路で消費され前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンがグランドパターンに接続して構成されている受信装置である。
【0031】
斯かる構成の受信装置では、受信手段を構成する基板回路装置において、高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流が他の高周波回路又は/及び機能回路の回路グランドパターンの領域に侵入することがなく、更に、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して当該回路に従属する回路グランドパターンとグランドパターンに侵入したとしても当該従属の回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることがないので、受信手段は所望通りに機能して、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤作動といった不具合が発生するといった事態は生じない。
【0032】
本願の第三の発明は、送信手段が、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費してグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対し、正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域を設け、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサを介在させ、各回路で消費して前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンをグランドパターンに接続して構成させた基板回路装置を備えて構成されてなる送信装置である。
【0033】
その詳細な構成は、絶縁性の基板と、その基板に付設されて所望の電気接続を行うための配線パターン及び基準の電位電流が流れるグランドパターンと、その基板に配設されてそれら配線パターン及びグランドパターンと共に構成され、電力を供給する電力供給回路、高周波回路である送信回路、発振・変調回路、PLL回路、基準発振回路、及び、所望の機能を奏する機能回路である送信音声増幅回路と、それら各回路に対応する前記基板の領域でそれぞれに配設された回路グランドパターンと、演算手段であるCPUと、アンテナと、音声入力手段と、操作入力手段とが備えられ、
上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して上記電力供給回路に流れる電流がそれら上記高周波回路又は/及び機能回路と上記電力供給回路の間に位置する他の高周波回路又は/及び機能回路に対応する回路グランドパターンの領域に侵入することを防ぐように、上記高周波回路又は/及び機能回路で消費されてグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流の方向に対して正面の位置となる各回路の回路グランドパターンの部位にグランドパターンに対して絶縁の領域が設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサが介在され、更に、各回路で消費され前記電力供給回路に流れる電流の方向に対して背となる部位で回路グランドパターンがグランドパターンに接続して構成されている送信装置である。
【0034】
斯かる構成の送信装置では、送信手段を構成する基板回路装置において、高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流が他の高周波回路又は/及び機能回路の回路グランドパターンの領域に侵入することがなく、更に、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して当該回路に従属する回路グランドパターンとグランドパターンに侵入したとしても当該従属の回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることがないので、送信手段は所望通りに機能して、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤動作といった不具合が発生するといった事態は生じない。
【発明の効果】
【0035】
第一の発明は、基板回路装置等に電力の供給を行う電力供給回路と複数個の高周波回路や機能回路が混在して配設されている場合に、グランドパターンと当該回路に従属する回路グランドパターンの間に絶縁の領域を介在させたことによって、それらの回路中にある高周波回路又は機能回路で消費されて電力供給回路に流れる電流が他の高周波回路や機能回路の直属のグランドパターン領域に侵入することを防ぎ、且つ、グランドパターンと当該回路に従属する回路グランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサを介在させたことによって、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して当該従属の回路グランドパターンとグランドパターンに侵入しても両パターンに高周波による電位差が生じるといったことのない基板回路装置である。
【0036】
第二の発明は、受信手段を、高周波回路又は/及び機能回路で消費されグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流に対して侵入を阻止するための絶縁の領域を設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサを介在させて構成したことによって、各回路は他の回路で消費された電流の侵入による所望通りではない機能と自ら又は/及び他から発する電波が空間を介しての回路グランドパターンとグランドパターンへ侵入し高周波による電位差の発生で生じるノイズの混入或いはハウリング現象や誤作動といった不具合が起きることのない受信装置である。
【0037】
第三の発明は、送信手段を、高周波回路又は/及び機能回路で消費されグランドパターンを介して電力供給回路に流れる電流に対して侵入を阻止するための絶縁の領域を設けられ、且つ、その絶縁の領域を跨いで回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサを介在させて構成したことによって、各回路は他の回路で消費された電流の侵入による所望通りではない機能と自ら又は/及び他から発する電波が空間を介しての回路グランドパターンとグランドパターンへ侵入し高周波による電位差の発生で生じるノイズの混入或いはハウリング現象や誤作動といった不具合が起きることのない送信装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、この発明の最良の形態を図面に基づき説明する。しかし、この形態によって、この発明が限定されるものではない。
尚、高周波回路を含んで構成される基板回路装置は近年実装化の技術がより一層高度化し、両面基板の基板回路装置、実装面が3層以上の所謂多層基板構造の基板回路装置、各回路が基板の表面と裏面の両面に跨って構成されている基板回路装置等が知られている。又、絶縁性の基板上に構成される各回路の形状も一定ではなく目的によって多様化され、各電極パターンがスルーホールで複雑に接続されている基板回路装置も知られている。
こういった現状に対して、本発明は、理解が簡便となるように、発明が解決しようとする課題の段落の中で図5で示した基板回路装置に対応するものであって、且つ、各回路を片面にのみ集めて各回路を長方形の形にとした基板回路装置を示す。
又、基板回路装置は、電力ラインや信号ラインのパターン、スルーホール、各種部品等の図示を省略し、電力供給回路と複数の高周波回路と機能回路及びグランドパターンを図示している。
【0039】
基板回路装置1は、図1に示すように、絶縁性の基板2と、配線パターン(図示省略)と、グランドパターン3と、電力供給回路4と、高周波回路である受信回路5と、検波・復調回路6と、アンテナスイッチ回路7と、発振・変調回路8と、送信回路9と、PLL回路10と、基準発振回路11と、機能回路である受信音声増幅回路12と、それら各回路に対応し従属して配設された回路グランドパターン13、14、15、16、17、18、19、20及び21が備えられている。
【0040】
グランドパターン3は、基板回路装置1において電流が極めて流れ易く、直流電流に対しては抵抗値は実質的にゼロであって、交流電流に対してはインピーダンスの値は実質的にゼロと見なすことができるものである。
電力供給回路4、高周波回路である受信回路5、検波・復調回路6、アンテナスイッチ回路7、発振・変調回路8、送信回路9、PLL回路10、基準発振回路11及び機能回路である受信音声増幅回路12は、グランドパターン3に取り囲まれるように、且つ、互いにほぼ等間隔をもって基板2上にほぼマトリックス状に配設されている。
絶縁性の基板2は、ほぼ方形状でシート状であって、エポキシ樹脂にガラス不職布を織り込んで積層して作られた所謂ガラス/エポキシ合成樹脂材料(硬質)又は折曲げが可能なフレキシブルの有機高分子合成樹脂材料等からなり、上記各回路を構成する電子部品を固定保持し、且つ、上記配線パターン、グランドパターン3及び回路グランドパターン13、14、15、16、17、18、19、20及び21が付設されたものである。
【0041】
上記配線パターンは、絶縁性の基板2に載置固定された電子部品同士を所望の電気接続によって上記の回路を構成させたり、各回路に駆動電流を供給するためのものである。
グランドパターン3は基準の電位電流を流すためのものであり、回路グランドパターン13、14、15、16、17、18、19、20及び21は各回路に対応する基板2の領域でそれぞれに配設された各回路に直属的なグランドパターンである。
尚、絶縁性の基板2に上記配線パターン、グランドパターン3及び回路グランドパターン13、14、15、16、17、18、19、20及び21を付設する方法として、一つに所謂回路印刷の方法が挙げられる。
【0042】
電力供給回路4は、装置本体の各回路に所定の電力を供給するものである。
受信回路5は、高周波回路の一つであって、信号を受信し、その受信した信号から不要な信号を取り除き、受信信号を増幅し、更にはより低い周波数に変換するものである。
検波・復調回路6は、高周波回路の一つであって、受信回路5から送られて来た信号を更に増幅し、又、より低い低周波に変換して不要な信号を取り除いた後に検波手段によって音声信号を復調するものである。
【0043】
アンテナスイッチ回路7は、高周波回路の一つであって、受信時にはアンテナ(図示省略)で受けた受信信号を受信回路5に送り、送信時には送信回路9からの信号をアンテナに送るというスイッチの働きを行うものである。
発振・変調回路8は、高周波回路の一つであって、受信用のローカル周波数を発振し、又、送信周波数を発振してその信号に送信音声を変調として重畳するものである。
【0044】
送信回路9は、高周波回路の一つであって、発振・変調回路8から送られて来た送信信号を所定の電力まで電力増幅し、又、不要な信号を取り除くものである。
PLL回路10は、高周波回路の一つであって、基準発振回路11から出力された基準周波数に基づいて、発振・変調回路8から出力された信号を所望の周波数に加工するものである。
【0045】
基準発振回路11は、高周波回路の一つであって、環境温度に変化が生じる場合であっても安定した基準となる周波数の信号を生成してPLL回路10に出力するものである。
受信音声増幅回路12は、機能回路であって、検波・復調回路6から出力された音声信号の電力を所定の電力まで電力増幅するものである。
【0046】
基板回路装置1において発振・変調回路8については、図1及び図2に示すように、高周波回路のPLL回路10、基準発振回路11、検波・復調回路6、機能回路の受信音声増幅回路12の少なくともいずれか一つの回路で消費された電流がグランドパターン3を介して電力供給回路4に向かって流れる際に、他の高周波回路である発振・変調回路8に従属する回路グランドパターン17の領域に侵入することを防ぐように、電力供給回路4に向かう前記電流の流れに対して正面となり得る部位に沿い、回路グランドパターン17とグランドパターン3の間にコの字状の絶縁の領域22が介在されている。
【0047】
従って、発振・変調回路8について、高周波回路のPLL回路10、基準発振回路11、検波・復調回路6、機能回路の受信音声増幅回路12のいずれかで消費された電流が電力供給回路4に向かっても、それら各回路からの電流はグランドパターン3を流れる際に絶縁の領域22によって回路グランドパターン17に入り込むことが阻止され、発振・変調回路8に流れ込むといた事態は生じない。
【0048】
尚、発振・変調回路8に係る絶縁の領域22は、絶縁性の基板2の上の各種の電極パターンは基板2に導電材料を積層して形成するが、その各種の電極パターンを形成する際に回路グランドパターン17で絶縁構成とさせる部分を予めパターンとして導電層が除去されるように加工することで得られている。
又、絶縁の領域は、幅が0.1から1.0mm程度のスリット状である。
【0049】
他方、発振・変調回路8については、回路グランドパターン17は、高周波回路のPLL回路10、基準発振回路11、検波・復調回路6、機能回路の受信音声増幅回路12の少なくともいずれか一つの回路で消費された電流がグランドパターン3を介して電力供給回路4に向かって流れる際の流れに背となる部位である発振・変調回路8のアンテナスイッチ回路7に対向する位置において、グランドパターン3と接続されている。
つまり、発振・変調回路8は縁部23において回路グランドパターン17を介してグランドパターン3に接続され、所望の機能を奏するように回路が構成されている。
【0050】
加えて、基板回路装置1において発振・変調回路8については、従属する回路グランドパターン17とグランドパターン3の間に絶縁の領域22が介在されている部位で、絶縁の領域22を跨いで回路グランドパターン17とグランドパターン3の間に高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサ24、25及び26が介在されている。
【0051】
従って、発振・変調回路8については、高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のコンデンサ24、25及び26がグランドパターン3と従属する回路グランドパターン17の間に介在接続されているので、発振・変調回路8が自らの送信回路やアンテナからの電波又は/及び他の高周波を発生する装置から発する電波が空間を介して回路グランドパターン17とグランドパターン3に侵入し、グランドパターン3と回路グランドパターン17において電波により発生する電圧に差が生じた場合であっても、グランドパターン3と回路グランドパターン17はコンデンサ24、25及び26が介在接続されているので、当該電圧の差に相当する高周波電流が速やかにコンデンサ24、25及び26に流れてグランドパターン3と回路グランドパターン17で電波による発生電圧は等しくなり、結果的にグランドパターン3と回路グランドパターン17との間に高周波による電位差が発生するといった事態は実質的に生じない。
よって、回路グランドパターン17とグランドパターン3の間に電位差が生じることがないから、空間を介して侵入した前記電波(高周波)が発振・変調回路8に流れ込むといった事態は生じず、その機能に影響を与えるということはない。
【0052】
ここで、基板回路装置1において、発振・変調回路8及び送信回路9をブロックで表現し、発振・変調回路8と送信回路9との接続を電気回路的に表現すると図3に示すものとなる。
他方、図3に対応する従来技術に係る図を、図7に示す。
尚、図2では電力供給パターンが図示省略しているので各回路の正極側と負極側の間に介在させるバイパスのコンデサは同様に省略しているが、図3の中の発振・変調回路8と送信回路9には、電力供給パターンに該当する正極側と負極側が図示しているので、対応してバイパスのコンデンサを図示している。
図7においても同様に、バイパスのコンデンサを図示している。
【0053】
本願発明と従来技術の対比を、以下に図3と図7に則して述べる。
発振・変調回路8は、従属する回路グランドパターン17がアンテナスイッチ回路7と対向する部位の縁部23、つまり図3における点Aでグランドパターン3に接続されており、受信回路5、PLL回路10及び受信音声増幅回路12にそれぞれ対向する部位の図3中の点B、C及びD(いずれも回路グランドパターン17上の点)でコンデンサ24、25及び26がグランドパターン3に接続れている。
他方、発振・変調回路8aは、従属する回路グランドパターン17aが絶縁の領域を介さずグランドパターン3aと接続されていることにより、回路グランドパターン17aがアンテナスイッチ回路7aと対向する部位、受信回路5a、PLL回路10a及び受信音声増幅回路12aにそれぞれ対向する部位の図7中の対応点Aa、Ba、Ca及びDaは全てグランドパターン3aに接続されていることになる。
【0054】
グランドパターン3と回路グランドパターン17の間に介在させたコンデンサ24,25及び26は高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のものを選択設定していることにより、回路グランドパターン17に位置する点B、点C及び点Dにコンデンサ24、25び26を介して直流電流及び低周波の交流電流が流れ込むという事態は生じない。
つまり、受信音声増幅回路12で消費された電流の一部がコンデンサ24、25及び26を介して点B、点C及び点Dから回路グランドパターン17に流れ込むという事態は生じない。又、受信音声増幅回路12で消費した電流の一部が点B、点C及び点Dから回路グランドパターン17に流れ込もうとしても、接続点は点Aのみの一箇所であって電流に対して入り口に相当する部分のみであるために、受信音声増幅回路12で消費された電流の一部が点Aから回路グランドパターン17に入り込むといった事態も生じない。
従って、受信音声増幅回路12で消費した電流に含まれる低周波の交流電流が発振・変調回路8にフィードバックされることがないので、音響的なハウリング現象が発生するといった問題は生じない。
【0055】
他方、図7で示す従来技術では、回路グランドパターン17aは点Ba、点Ca及び点Daでグランドパターン3aに直接に接続されているので、グランドパターン3aに流れる直流電流及び低周波の交流電流が回路グランドパターン17a上の点Aaと同様に、点Ba、点Ca及び点Daにおいても回路グランドパターン17aに流れ込むことになる。
つまり、受信音声増幅回路12aで消費された電流が電力供給回路4aに流れる際に、当該電流がその流れの途上にある発振・変調回路8aを通ると発振・変調回路8aに入り口に該当する点Ba、点Ca及び点Daと出口に該当する点Aaがあることにより、発振・変調回路8aは容易に当該電流の侵入を受けることになる。
従って、その結果として、受信音声増幅回路12で消費した電流に含まれる低周波の交流電流が発振・変調回路8にフィードバックされることになり、音響的なハウリング現象が発生するという事態が生じることになる。
【0056】
コンデンサ24、25及び26は、高周波に対して低インピーダンス特性を取り得る高周波導通用のものを選択設定していることにより、点B、点C及び点Dは全て高周波的にはグランドパターン3に直接接続されていることと等価の状態が得られている。
従って、発振・変調回路8が自らの送信回路やアンテナからの電波又は/及び他の高周波を発生する装置から発する電波が空間を介して回路グランドパターン17に相当する点B、C及びDとグランドパターン3に相当する点Aに侵入し、それら各点において電波によって発生する電圧に差が生じても、それら各点がコンデンサ24、25及び26によって接続されているので、その生じた電圧の差に相当する高周波電流が速やかにコンデンサ24、25及び26に流れるので、結果的にそれら各点においては電波によって発生する電圧が同じになるので、点Aと点B、C及びDの間で高周波による電位差が発生するといった事態は実質的に生じない。
【0057】
基板回路装置1において受信回路5については、高周波回路の検波・復調回路6、発振・変調回路8及び機能回路の受信音声増幅回路12で消費しグランドパターン3を介して電力供給回路4に流れる電流が、従属する回路グランドパターン14を介して侵入し不具合を生じさせることが考えられる。
しかしながら、前述の発振・変調回路8の場合と同様に、回路グランドパターン14とグランドパターン3の間に絶縁の領域32及び高周波導通用のコンデンサ38、39が介在されているので、同様の効果が得られている。
又、発振・変調回路8からの影響については、従属する回路グランドパターン14の対向する部位において発振・変調回路8に係る回路グランドパターン17が絶縁の領域22で電気絶縁されているので、発振・変調回路8で消費された電流についてはより一層問題のない状態が確保されている。
【0058】
基板回路装置1において、検波・復調回路6については絶縁の領域33及びコンデンサ40が、アンテナスイッチ回路7については絶縁の領域34及びコンデンサ42が、送信回路9については絶縁の領域35及びコンデンサ43が、PLL回路10については絶縁の領域36及びコンデンサ44が、及び受信音声増幅回路12については絶縁の領域37及びコンデンサ45が、各絶縁の領域は各回路に従属する回路グランドパターンとグランドパターン3の間に介在するように配設されている。
加えて、各コンデンサは対応の絶縁の領域を跨ぐように従属の回路グランドパターンとグランドパターン3に接続されており、他の回路で消費されて電力供給回路4に向かう電流は抵抗やインピーダンスが殆どなく実質的にゼロであるグランドパターン3のみを流れるので、従属する各回路グランドパターンに侵入するという事態は生じないから、電流の流れで上流に位置する回路で消費されて電力供給回路4に流れる電流に交流電流が含まれていたとしても各回路にその交流電流が侵入することがなく、各回路が所望通りに機能して、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤動作とった不具合が発生する事態は生じることはない。
【0059】
又、検波・復調回路6、アンテナスイッチ回路7、送信回路9、PLL回路10及び受信音声増幅回路12は上述したように、それぞれに従属する回路グランドパターンとグランドパターン3の間に高周波導通用のコンデンサがそれぞれ介在されているので、上述と同様に、各回路が自らの送信回路やアンテナからの電波又は/及び他の高周波を発生する装置から発する電波が空間を介して従属する各回路グランドパターンとグランドパターン3に侵入し、グランドパターン3と各回路グランドパターンにおいて電波により発生する電圧に差が生じた場合であっても、グランドパターン3と各回路グランドパターンは対応するコンデンサに当該電圧の差に相当する高周波電流が速やかに流れてグランドパターン3と対応する各回路グランドパターンで電波による発生電圧は等しくなり、結果的にグランドパターン3と対応する各回路グランドパターンとの間に高周波による電位差が発生するといった事態は実質的に生じず、空間を介して侵入した前記電波(高周波)が基板回路装置1を構成する各回路に流れ込むといった事態は生じず、その機能に影響を与えるということはない。
【0060】
以下において、基板回路装置1が組込まれた受信装置及び送信装置であるFM送受信装置Rについて説明する。
FM送受信装置Rは、図4に示すように、アンテナ(図示省略)、電力供給回路4と、受信回路5と、検波・復調回路6と、アンテナスイッチ回路7と、発振・変調回路8と、送信回路9と、PLL回路10と、基準発振回路11と、受信音声増幅回路12と、記憶手段を備えて演算機能を奏するCPU27と、操作表示パネル(図示省略)を備えた操作入力手段28と、音声出力手段としてのスピーカ29と、音声を電気信号に変換するマイクロホン30と、マイクロホン30からの送信音声信号を増幅する送信音声増幅回路31を備え、且つ、図示したように各回路(手段)を接続して構成されている。
【0061】
ここで、電力供給回路4と、受信回路5と、検波・復調回路6と、アンテナスイッチ回路7と、発振・変調回路8と、送信回路9と、PLL回路10と、基準発振回路11及び受信音声増幅回路12は、図1に示すように絶縁性の基板2の上に配設され、且つ、各配線パターン及びそれぞれに従属する回路グランドパターンを介してグランドパターン3に接続され、所望通りの機能を奏するように構成されている。
【0062】
以下において、FM送受信装置Rの機能を説明する。
まず、使用者が操作入力手段28を操作して電源のメインスイッチをONとすると、回路基板装置1において電力供給回路4から上記配線パターンを介して所定の電流が各回路に供給される。
ここで、各回路が所定電流の供給を受けて基板回路装置1が作動状態になると、各回路はそれぞれ上述した機能を奏する。
【0063】
この時、アンテナスイッチ回路7、送信回路9、PLL回路10、基準発振回路11、検波・復調回路6、受信回路5及び機能回路である受信音声増幅回路12が電力を消費してその電流がグランドパターン3を介して電力供給回路4に向かって流れる。
その際に、電力供給回路4に向かう電流の一部が発振・変調回路8の回路グランドパターン17を介して発振・変調回路8に入り込もうとする。
【0064】
つまり、詳しくは、PLL回路10、基準発振回路11及び受信音声増幅回路12で消費されて電力供給回路4へと流れる電流に対して、発振・変調回路8に従属の回路グランドパターン17が正面に位置していることにより、前記電流が回路グランドパターン17から発振・変調回路8に入り込むことが考えられる。
しかしながら、電力供給回路4へと流れる電流の正面に位置する部位では絶縁の領域22が配設されており、直流電流を通過させずにしかも発振・変調回路8が発振しようとしている高周波に対して低インピーダンスの特性を取り得る高周波導通用のコンデンサ24、25及び26が介在されているので、電力供給回路4へと流れる電流は回路グランドパターン17に流れ込むことはない。
【0065】
従って、受信装置の場合では、受信音声増幅回路に起因するオーディオ(低周波)信号が発振・変調回路8で生成する発振信号に変調として混じることはなく、設計者が所望した通りの無変調の発振信号が得られるので、結果的にオーディオ周波数でのハウリングという問題を引き起こすことはない。
他方、送信装置の場合は、基準発振回路11に起因する高周波信号が発振・変調回路8に入り込むことも考えられるが、発振・変調回路8の発振周波数と基準発振回路11の発振周波数は異なるので、高周波導通用のコンデンサ24、25及び26は基準発振回路11の発振周波数に対してインピーダンスが高くなり、基準発振回路11に起因する高周波信号はインピーダンスが殆どなくグランドパターン3を介して電力供給回路4に向かって流れることになる。
よって、基準発振回路11に起因する高周波信号が発振・変調回路8に入り込むことがないので、発振・変調回路8は所望した通り一波のみを発振することができ、結果的に不要な空中線電力(スプリアス)を発射してしまうという問題を引き起こすといった事態は生じない。
【0066】
ここで、使用者がFM送受信装置Rの送信機能を奏するように、操作入力手段28から送信機能に切換え、マイクロホン30に音声を入力する。
ここで、マイクロホン30は入力された音声を電気信号に変換して、送信音声増幅回路31に送る。送信音声増幅回路31は、マイクロホン30からの信号を受けるとその信号に所定の処理を行ってから、発振・変調回路8に送る。
【0067】
発振・変調回路8は、送信音声増幅回路31からの信号を受けると、その信号を自らが発振した高周波に変調として重畳し、送信回路9に送る。
送信回路9は、送られて来た高周波信号を所望の電力まで電力増幅し、アンテナスイッチ回路7へ送る。アンテナスイッチ回路7は送られてきた高周波信号をアンテナへ給電する。アンテナはその高周波信号を電波として空中に放出することになる。
この時、送信回路9やアンテナから放出された電波が、空間を介して発振・変調回路8の回路グランドパターン17とグランドパターン3に侵入する場合が考えられる。
しかしながら、発振・変調回路8は、従属する回路グランドパターン17とグランドパターン3の間にコンデンサ24、25及び26が介在されていて回路グランドパターン17とグランドパターン3の間で高周波による電位差が生じるといった事態は発生しないから、送信回路9やアンテナから放出された電波が発振・変調回路8に侵入しないので、高周波でのハウリング現象による送信音声に異音が混じるといった不具合は起こらない。
【0068】
同様に、受信装置の場合では、高周波を発生する他の装置から発する電波が空間を介して発振・変調回路8の回路グランドパターン17とグランドパターン3に侵入したとしても、コンデンサ24、25及び26の介在によって電位差が生じるといった事態は起こらず、混信や抑圧により受信音声に異音が混じるといった不具合が発生し難くなる。
又、発振・変調回路8における他の回路で消費されて電源供給回路4に流れる電流による不具合及び自らの送信回路やアンテナからの電波又は/及び他の高周波を発生する装置から発する電波による不具合の回避性は、他の回路においても絶縁の領域及びコンデンサを配設していることによって、同様な効果が得られることになる。
【0069】
従って、FM送受信装置Rは、各回路及び送受信手段を構成する回路が所望通りに機能して、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤動作といった不具合が発生するといった事態は生じることがなく、所望通りに送受信機能を奏する。
【0070】
斯かる構成の送信装置では、送信手段を構成する基板回路装置において、高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流が他の高周波回路又は/及び機能回路の回路グランドパターンの領域に侵入することがなく、更に、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して当該回路に従属する回路グランドパターンとグランドパターンに侵入したとしても当該従属の回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることがないので、送信手段は所望通りに機能して、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤動作といった不具合が発生するといった事態は生じない。
【0071】
斯かる構成の受信装置では、受信手段を構成する基板回路装置において、高周波回路又は/及び機能回路で消費された電流が他の高周波回路又は/及び機能回路の回路グランドパターンの領域に侵入することがなく、更に、自ら又は/及び他から発する電波が空間を介して当該回路に従属する回路グランドパターンとグランドパターンに侵入したとしても当該従属の回路グランドパターンとグランドパターンの間に高周波による電位差が生じることがないので、受信手段は所望通りに機能して、ノイズの混入或いはハウリング現象や誤作動といった不具合が発生するといった事態は生じない。
【0072】
本実施の形態例ではFM送受信装置Rに受信装置及び送信装置が共に組込まれた構成になっているが、受信装置と送信装置はそれぞれ個別で構成されたものであってもよく、FM送受信装置と同様な効果が得られる。
【0073】
基板回路装置1及びFM送受信装置Rを構成している基板回路装置1において、絶縁の領域22、32及び33は図1に示す通りであるが、各回路で消費されて電力供給回路4に流れる電流が他の回路で正面となる部位からの侵入を防ぐものであればよく、該当する回路の配設位置、形状、製造の簡便性等に基づき、適宜設定するのが望ましい。
【0074】
FM送受信装置Rを構成している基板回路装置1において、各回路は絶縁性基板2の上にマトリックス状に配設されているが、各回路を構成する部品によって各回路の配設は適宜選択するのがよい。
その際、その選択した各回路の配設の構成に対応させて、各回路で消費されて電力供給回路4の方向に流れる電流に対して正面に位置する部分に絶縁の領域を設け、且つ、 前記電流の流れに対して背となる位置で対応する回路グランドパターンをグランドパターンに接続すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の実施の形態例の基板回路装置の各回路、グランドパターン及び回路グランドパターンの配設構成を説明する、一部切欠きを含む構成説明図である。
【図2】図1に示す基板回路装置の要部の拡大図である。
【図3】図3に示す基板回路装置の要部の電気回路図である。
【図4】図1に示す基板回路装置を備えて構成された、この発明の受信装置及び送信装置であるFM送受信装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】従来の技術を示す図1相当図である。
【図6】従来の技術を示す図2相当図である。
【図7】従来の技術を示す図3相当図である。
【符号の説明】
【0076】
R :受信装置及び送信装置としてのFM無線送受信装置
1,1a :基板回路装置
2,2a :絶縁性の基板
3,3a :グランドパターン
4,4a :電力供給回路
5,5a :受信回路(高周波回路)
6,6a :検波・復調回路(高周波回路)
7,7a :アンテナスイッチ回路(高周波回路)
8,8a :発振・変調回路(高周波回路)
9,9a :送信回路(高周波回路)
10,10a :PLL回路(高周波回路)
11,11a :基準発振回路(高周波回路)
12,12a :受信音声増幅回路(機能回路)
13〜21,13a〜21a :回路グランドパターン
22,32〜37 :絶縁の領域
24〜26,38〜45 :コンデンサ
27 :CPU
【出願人】 【識別番号】303009467
【氏名又は名称】株式会社ディーアンドエムホールディングス
【住所又は居所】神奈川県相模原市相模大野七丁目35番1号
【出願日】 平成16年4月21日(2004.4.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−311081(P2005−311081A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−126059(P2004−126059)