| 【発明の名称】 |
セラミック多層基板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大賀 隆義 【住所又は居所】愛媛県東温市南方2131番地1 松下寿電子工業株式会社内
【氏名】小西 正夫 【住所又は居所】愛媛県東温市南方2131番地1 松下寿電子工業株式会社内
【氏名】伊藤 雅紀 【住所又は居所】愛媛県東温市南方2131番地1 松下寿電子工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】焼成されたアルミナ基板と未焼成のグリーンシートの積層体において、熱膨張係数の異なる材料同士を集積させても、焼成済みアルミナ基板と積層したセラミックグリーンシートの間のデラミネーション(層間剥がれ)の発生を防止する。
【解決手段】グリーンシート(2a,2b)の焼結温度よりも高い温度で焼結されたアルミナ基板(1)の両側にグリーンシート(2a,2b)を積層する第1の積層工程と、前記積層体の最外層に前記グリーンシートの焼結温度では焼結しない拘束用グリーンシート(3a,3b)を積層し第2の積層体を得る工程と、前記第2の積層体を280℃以上350℃以下の範囲の第1の加熱温度で所定時間加熱して前記グリーンシート(2a,2b)に含まれるバインダー成分を除去する脱バインダー工程と、前記第2の積層体を800℃以上1000℃以下の範囲の温度で焼結させる焼成工程と、前記第2の積層体から前記拘束用グリーンシート(3a,3b)を取り除く拘束層除去工程とを含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グリーンシートの焼結温度よりも高い温度で焼結されたアルミナ基板の両側にグリーンシートを積層して積層体を得る第1の積層工程と、 前記積層体の最外層に、前記グリーンシートの焼結温度では焼結しない拘束用グリーンシートを積層し第2の積層体を得る第2の積層工程と、 前記第2の積層体を280℃以上350℃以下の範囲の第1の加熱温度で所定時間加熱して前記グリーンシートに含まれるバインダー成分を除去する脱バインダー工程と、 前記第2の積層体を800℃以上1000℃以下の範囲の温度で焼結させる焼成工程と、 前記第2の積層体から前記拘束用グリーンシートを取り除く拘束層除去工程とを含むことを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 【請求項2】 前記脱バインダー工程において、室温から前記第1の加熱温度まで昇温し、その後前記第1の加熱温度を2時間以上6時間以下の範囲で保持した後、室温まで冷却する請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。 【請求項3】 前記アルミナ基板は、アルミナの含有率が90重量%以上である請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。 【請求項4】 前記アルミナ基板は、グリーンシートの焼結温度よりも100℃以上高い温度で焼結されている請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。 【請求項5】 前記アルミナ基板には、導体ペースト組成物により配線パターン及びビア導体から選ばれる少なくとも一つが形成されている請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。 【請求項6】 前記拘束層除去は、焼成基板の両面に付着した拘束用グリーンシートの焼結しない無機組成物をジェット水流及び超音波洗浄から選ばれる少なくとも一つの手段により行う請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。 【請求項7】 前記グリーンシート層にはキャビティ開口部を設けた請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。 【請求項8】 前記キャビティ開口部には半導体装置が実装されている請求項1に記載のセラミック多層基板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、予め焼成したアルミナ基板に焼成前のグリーンシートを積層してセラミック多層基板を製造する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、セラミック基板の焼成収縮を小さくして基板寸法精度の良いセラミック基板を作製する方法として、焼成済みのアルミナ基板上に未焼成のセラミックグリーンシートを積層して熱圧着した後、焼成してセラミック多層基板を製造することが提案されている(特許文献1)。この製造方法では、セラミックグリーンシートの焼成収縮を焼成済みのアルミナ基板で抑えることで、基板全体の焼成収縮を押さえてようとするものである。 【0003】 ところが、セラミックグリーンシートの焼成収縮力は大きいため、セラミックグリーンシートの焼成収縮をその片面から焼成済みアルミナ基板のみで抑えようとしても十分に抑えることができない。その結果、セラミックグリーンシートの焼成層と焼成済みのアルミナ基板との間に剥がれが発生したり、セラミックグリーンシートの焼成層にクラックが発生したり、基板の反りが発生することがあり、製品の歩留まりが悪いという問題がある。 【0004】 その解決を図るため、焼成済みのアルミナ基板に未焼成のセラミックグリーンシートを積層圧着して積層体を作製した後、この積層体の両面に拘束用グリーンシートを積層圧着し、或は、未焼成のセラミックグリーンシートの積層圧着と拘束用グリーンシートの積層圧着とを同時に行い、拘束焼成(加圧焼成又は無加圧焼成)する製造法が提案されている(特許文献2)。 【0005】 図4に示す様に、焼成済みアルミナ基板1の片面または両面に、1枚または複数枚のセラミックグリーンシート2a、2bを積層圧着して積層体を作製した後、この積層体両面に拘束用グリーンシート3a、3bを積層圧着し、積層体を焼成する。 【0006】 この際、積層体作製工程で焼成済み基板に圧着する未焼成のセラミックグリーンシートを、その圧着時の厚み変化量が焼成済み基板の凹凸による最大厚み差以上となるように形成することで、圧着工程で焼成済み基板の割れ防止を行っている。 【特許文献1】特開2001−267743号公報 【特許文献2】特開2003−258424号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、前記従来の技術では、焼成済みアルミナ基板と未焼成のセラミックグリーンシートを積層して焼成する際に、焼成済みアルミナ基板と積層したセラミックグリーンシートの間にデラミネーション(層間剥がれ)の発生を完全に防止することが出来ず、良好な品質を持つセラミック多層基板を歩留まり良く製造することが出来なかった。 【0008】 本発明は、前記課題を解決するため、基板焼成時に生じるデラミネーションを防止し、品質の良いセラミック多層基板を歩留まり良く製造できる方法を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明のセラミック多層基板の製造方法は、グリーンシートの焼結温度よりも高い温度で焼結されたアルミナ基板の両側にグリーンシートを積層して積層体を得る第1の積層工程と、前記積層体の最外層に、前記グリーンシートの焼結温度では焼結しない拘束用グリーンシートを積層し第2の積層体を得る第2の積層工程と、前記第2の積層体を280℃以上350℃以下の範囲の第1の加熱温度で所定時間加熱して前記グリーンシートに含まれるバインダー成分を除去する脱バインダー工程と、前記第2の積層体を800℃以上1000℃以下の範囲の温度で焼結させる焼成工程と、前記第2の積層体から前記拘束用グリーンシートを取り除く拘束層除去工程とを含むことを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、予め焼成したアルミナ基板に焼成前のグリーンシートを積層して焼成してセラミック多層基板を作製する際に、脱バインダー工程設定温度を通常より大幅に下げ、280℃以上350℃以下の範囲に設定することにより、基板焼成時に焼成済みアルミナ基板と積層したセラミックグリーンシートの間にデラミネーション(層間剥がれ)を防止し、良好な品質を持つセラミック多層基板を歩留まり良く製造することが出来る。すなわち、脱バインダー条件を適正化することにより、焼成されたアルミナ基板と未焼成のグリーンシートの積層体において、熱膨張係数の異なる材料同士を集積させても、焼成済みアルミナ基板と積層したセラミックグリーンシートの間のデラミネーション(層間剥がれ)の発生を防止できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 バインダー成分がアクリル樹脂(アクリル酸ブチル・アクリル酸エチル)からなり、ブチルベンジルフタレート(BBP)が可塑剤として添加されている(アクリル樹脂:BBP=約7:3)の市販品のセラミックグリーンシートを使用して、セラミック多層基板を製造する場合には、通常、脱バインダー工程の設定温度は、バインダー成分の分解終了温度をはるかに越えた高温(例えば600℃)に設定し、グリーンシートからバインダー成分を完全除去する。ここでバインダー成分の分解開始温度とは、外部から加熱した場合に、グリーンシートからバインダー成分が揮発開始する温度であり、グリーンシートの重量変化の有無を測定することで決定できる。またバインダー成分の分解終了温度とは、グリーンシートの重量変化が無くなった時点の温度を言う。この分解終了温度バインダー成分に依存するが、具体的には370℃程度であり、脱バインダー温度は約500℃〜600℃としている。 【0012】 本発明者らは、脱バインダー工程設定温度は、従来のバインダー成分の分解終了温度以上とし、その他の項目、具体的にはグリーンシートの積層条件、焼成工程条件変更による解決を試みた。しかしながら、何れの条件においても前記課題を解決には至らなかった。そこで、脱バインダー工程に着目し、脱バインダーのための設定温度に着目し、前記課題を解決するに至った。 【0013】 すなわち本発明は、グリーンシートの焼結温度よりも高い温度で焼結されたアルミナ基板の両側にグリーンシートを積層して積層体を得る第1の積層工程と、前記積層体の最外層に、前記グリーンシートの焼結温度では焼結しない拘束用グリーンシートを積層し第2の積層体を得る第2の積層工程と、前記第2の積層体を280℃以上350℃以下の範囲の第1の加熱温度で所定時間加熱して前記グリーンシートに含まれるバインダー成分を除去する脱バインダー工程と、前記第2の積層体を800℃以上1000℃以下の範囲の温度で焼結させる焼成工程と、前記第2の積層体から前記拘束用グリーンシートを取り除く拘束層除去工程とを有する多層基板の製造方法である。 【0014】 また、前記脱バインダー工程において、室温から前記第1の加熱温度まで昇温し、その後前記第1の加熱温度を2時間以上6時間以下保持した後、室温まで降温するのが好ましい。脱バインダーを確実におこなうためである。ここで室温とは、10℃以上30℃以下の範囲をいう。 【0015】 前記アルミナ基板は、アルミナの含有率が90重量%以上であることが好ましい。 【0016】 また、前記アルミナ基板は、グリーンシートの焼結温度よりも100℃以上高い温度で焼結されていることが好ましい。 【0017】 また、前記アルミナ基板には、導体ペースト組成物により配線パターン及びビア導体から選ばれる少なくとも一つが形成されていることが好ましい。 【0018】 また、前記拘束層除去は、焼成基板の両面に付着した拘束用グリーンシートの焼結しない無機組成物をジェット水流及び超音波洗浄から選ばれる少なくとも一つの手段により行うことが好ましい。 【0019】 本発明によるデラミネーション防止効果は、以下の理由によるものと考えられる。従来の脱バインダー温度をバインダー分解終了温度以上として、完全にバインダー成分が無くなると、アルミナ基板との密着力がなくなり、デラミネーションが発生する。脱バインダー温度をバインダー分解終了温度にすると、バインダー成分の一部がグリーンシートに残り、グリーンシート同士の密着力を保持できるため、グリーンシート間のデラミネーションを防ぐことができる。 【実施例】 【0020】 以下に、本発明のセラミック多層基板の製造方法の実施例を図面とともに詳細に説明する。 【0021】 (実施例1〜3、比較例1〜4) 図1A−Cは本発明の一実施例のセラミック多層基板の製造工程を模式的に表した断面図である。 【0022】 導体ペースト組成物等により配線パターンやビア導体が形成されている焼成済みアルミナ基板1の両面に、1枚または複数枚の低温焼成セラミックグリーンシート2a、2bを積層した。セラミックグリーンシートにはパンチング加工などに形成したビアに、導体ペースト組成物をスクリーン印刷することによりビア導体15を形成した。同じく導体ペースト組成物をスクリーン印刷することにより配線パターン16も形成した。さらにこの積層体の両面に、セラミックグリーンシートの焼成温度で焼結しない無機組成物よりなる拘束用グリーンシート3a、3bを積層した(図1A)。 【0023】 次に積層体全体に所定の圧力を加えて一体化させた積層体を得た(図1B)。 【0024】 この一体化した積層体を空気中で加熱し、セラミックグリーンシートに含まれるバインダー除去する脱バインダー工程を行った後、積層体は、温度900℃で焼成する焼成工程に送られる。この時に、セラミックグリーンシートは焼結してアルミナ基板と固く結合する。このとき拘束用グリーンシート中の無機組成物は未焼結のまま残る。焼成後、焼成基板4の両面に付着した拘束用グリーンシートの焼結しない無機組成物をジェット水流および/または超音波洗浄により除去し、厚膜導体5を基板両面に形成することにより、無収縮セラミック多層基板6を得た(図1C)。 【0025】 次に、本実施例の試料を説明する。アルミナ含有率の異なる焼成済みアルミナ基板の厚みを変え、さらに様々な厚みのグリーンシートをそのアルミナ基板に積層した積層体を作り、13種類のセラミック多層基板を得た。その構成を表1に示す。 【0026】 【表1】
【0027】 焼成されたアルミナ基板と、そのアルミナ基板より低い温度で焼成するグリーンシートとは、熱膨張係数が異なる。従って、本発明のような焼成されたアルミナ基板と未焼成のグリーンシートの積層体においては、熱膨張係数の異なる材料同士を集積しているので、最高加熱温度に達する時間(昇温時間)や最高加熱温度による熱ストレス、降温時の収縮差による熱ストレスが、デラミネーションの発生に関与する。そのため、脱バインダー条件の設定が重要である。 【0028】 試料番号1〜13のセラミック多層基板について、実施例1〜3及び比較例1〜4の様な脱バインダー条件を設定して図1A−Cの製造方法に従いセラミック多層基板を作成した。 【0029】 実施例1−3における最高加熱温度は、それぞれ280℃、300℃、及び350℃である。また温度プロファイルは、室温から最高加熱温度まで4時間かけて昇温し、最高加熱温度を4時間保った後、室温(23℃)まで4時間かけて降温した。 【0030】 比較例1における最高加熱温度は、200℃である。 【0031】 比較例3は、通常行われている脱バインダー条件である。比較例3〜4における最高加熱温度は、双方ともに500℃である。比較例1の温度プロファイルは、室温から最高加熱温度まで8時間かけて昇温し、最高加熱温度を2時間保った後、室温まで8時間かけて降温した。比較例2温度プロファイルは、室温から最高加熱温度まで18時間かけて昇温し、最高加熱温度を2時間保った後、室温まで8時間かけて降温した。 【0032】 これら実施例および比較例について、デラミネーション(層間剥がれ)有無やクラックおよび基板の反りを、評価した。評価には、マイクロスコープを用いて目視観測した。 【0033】 表2中、○は良好(デラミネーション・クラック・反り等無し)、△は一部にデラミネーション有り、×はデラミネーション有り、××はクラック及び反りがともに有りである。 【0034】 結果を表2に示す。 【0035】 【表2】
【0036】 表2に示すように、従来の脱バインダー条件である比較例3では、全ての試料においてデラミネーションが発生した。また、比較例4のように通常の昇温時間に対して2倍以上時間を費やし緩やかに昇温した場合でも、全ての試料にてデラミネーションが発生した。 【0037】 グリーンシートの脱バインダー処理が不十分であると、グリーンシート内部にバインダー成分が残るため、その後の焼成工程においてバインダー成分が焼成時の熱により揮発する際に膨張するため、焼成後の基板にクラックが入ったり、反りを生じさせたりする。その結果、良好な品質の基板が得られない。 【0038】 比較例1では、通常よりも低温で脱バインダーを行うため、最高加熱温度を保持する時間を通常の倍の4時間にした。しかし、脱バインダーが不十分であり、全ての試料において、クラックや反りが発生した。 【0039】 実施例1〜3に示すように、最高加熱温度が280〜350℃の条件では、全ての試料において、デラミネーションが見られなかった。また、基板のクラックや反りも見られなかった。従って、本発明のような焼成されたアルミナ基板とその焼成温度よりも低い焼成温度のグリーンシートとを積層した積層体の最高加熱温度は、280〜350℃が望ましい。 【0040】 また、最高加熱温度を400℃とした比較例2では、熱によるストレスが生じ、試料の一部に軽いデラミネーションが見られた。 【0041】 (実施例4) 本発明の製造方法は、キャビティ付きセラミック多層基板にも適用可能である。積層前のセラミックグリーンシートに、パンチ工程等によりキャビティ用開口部を形成すればよい。図2A−Fは本実施例のキャビティ付きセラミック多層基板の製造方法を、模式的に表した断面図である。 【0042】 導体ペースト組成物等により配線パターンやビア導体が形成されている焼成済みアルミナ基板1の両面に、1枚または複数枚の低温焼成セラミックグリーンシート2c、2dを積層した。セラミックグリーンシートにはパンチング加工などに形成したビアに、導体ペースト組成物をスクリーン印刷することによりビア導体15を形成している他、同じく導体ペースト組成物をスクリーン印刷することにより配線パターン16も形成している。また、2cにはパンチ工程によりキャビティ用開口部12を形成している。さらにこの積層体の両面に、セラミックグリーンシートの焼成温度で焼結しない無機組成物よりなる拘束用グリーンシート3a、3bを積層した(図2A)。 【0043】 この積層体全体を加圧手段を用いて加圧して一体化した積層体を得た(図2B)。 【0044】 取り出した積層体を空気中で加熱する脱バインダー工程を行った後、ピーク温度900℃の条件で焼成を行った。この際、セラミックグリーンシートは焼結し、拘束用グリーンシート中の無機組成物は未焼結のまま残った。焼成後、焼成基板4の両面に付着した拘束用グリーンシートの焼結しない無機組成物をジェット水流および/または超音波洗浄により除去した。さらに、厚膜導体5を基板両面に形成することにより、焼成積層体7を得た(図2C)。 【0045】 さらに焼成積層体7の両側に、1枚または複数枚の低温焼成セラミックグリーンシート2e、2fを積層した。セラミックグリーンシートにはパンチング加工などに形成したビアに、導体ペースト組成物をスクリーン印刷することによりビア導体を形成している他、同じく導体ペースト組成物をスクリーン印刷することにより配線パターンも形成している。また、2eにはパンチ工程によりキャビティ用開口部を形成している。さらにこの積層体の両面に、セラミックグリーンシートの焼成温度で焼結しない無機組成物よりなる拘束用グリーンシート3a、3bを積層した(図2D)。 【0046】 この積層体全体を加圧手段を用いてより加圧して一体化した積層体を得た(図2E)。 【0047】 取り出した積層体を空気中で加熱する脱バインダー工程を行った後、ピーク温度900℃の条件で焼成を行った。この際、セラミックグリーンシートは焼結し、拘束用グリーンシート中の無機組成物は未焼結のまま残った。焼成後、焼成基板8の両面に付着した拘束用グリーンシートの焼結しない無機組成物をジェット水流および/または超音波洗浄により除去した。さらに、厚膜導体5を基板両面に形成することにより、2段キャビティ付きセラミック多層基板9を得た(図2F)。 【0048】 焼成済みアルミナ基板のアルミ含有率は90wt%以上と高いので放熱効果が高い。そのため、図2Fで得られたキャビティ付きセラミック多層基板モジュールは、その内部にアルミナ基板を持つため、半導体装置(IC)などの部品の発熱を良く放出することが出来る。 【0049】 図3にモジュールの外観図を示す。モジュールサイズは縦6.2mm、横6.2mmとし、キャビティ開口部は縦2.0mm、横2.0mm、キャビティ部10は厚み0.3mm、非キャビティ部セラミック11は厚み0.2mmとした。キャビティ開口部12にIC13を実装し、IC実装面の反対面14の熱抵抗を測定し、その結果を表3に示す。試料番号1は、IC実装用基板1にアルミナ基板を用いず、厚さ380μmの低温焼成セラミックグリーンシート材料(10や11と同じ材料)を使用した。試料番号2は、IC実装用基板1に厚さ190μmのアルミナ基板(アルミナ基板1)を使用した。試料番号3は、IC実装用基板1に厚さ380μmのアルミナ基板(アルミナ基板2)を使用した。 【0050】 【表3】
【0051】 表3に示すように、低温焼成セラミック材料のみで構成したセラミック多層基板モジュールの場合(試料番号1)に比べ、アルミナ基板を使用したセラミック多層基板モジュール(試料番号2および3)は、格段に放熱性が向上していることが分かる。 【0052】 本発明にかかるセラミック多層基板の製造方法は、熱膨張係数の異なる材料を積層して焼成し集積体を作製する際に、層間のデラミネーションやクラック、反りの発生しない高品質の高密度配線基板として有用である。また、アルミ含有率が90%以上のアルミナ基板を用いることにより、格段に放熱性の優れた高密度配線基板を提供することが出来る。 【図面の簡単な説明】 【0053】 【図1】図1A−Cは本発明の実施例1におけるセラミック多層基板の製造工程を示す断面模式図。 【図2】図2A−Fは本発明の実施例2におけるキャビティ付きセラミック多層基板の製造工程を示す断面模式図。 【図3】図3Aは本発明の一実施例のキャビティ付きセラミック多層基板のモジュールの平面図、図3Bは同断面図。 【図4】図4は従来のセラミック多層基板の製造方法の断面模式図。 【符号の説明】 【0054】 1 焼成済みアルミナ基板 2,2a〜2f 未焼成セラミックグリーンシート 3a,3b 拘束用グリーンシート 4 焼成基板 5 厚膜導体 6 無収縮セラミック多層基板 7 焼成積層体 8 焼成基板 9 キャビティ付き無収縮セラミック多層基板 10 キャビティ部 11 非キャビティ部 12 キャビティ開口部 13 半導体装置(IC) 14 反対面 15 ビア導体 16 配線パターン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
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| 【出願日】 |
平成17年2月22日(2005.2.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000040 【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
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| 【公開番号】 |
特開2005−286311(P2005−286311A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月13日(2005.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願2005−45980(P2005−45980) |
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