| 【発明の名称】 |
回路基板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】入沢 宗利 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【氏名】相澤 和佳奈 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【氏名】小室 豊一 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱製紙株式会社内
【氏名】深瀬 克哉 【住所又は居所】長野県長野市小島田町80番地新光電気工業株式会社内
【氏名】酒井 豊明 【住所又は居所】長野県長野市小島田町80番地新光電気工業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】セミアディティブ法による回路基板の製造方法において、回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔に対応した、位置合わせ精度の許容範囲が広い回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】表面および貫通孔または/および非貫通孔の内壁に第一導電層を有する絶縁性基板の表面に、光架橋性樹脂層を形成する工程、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程、孔上の光架橋性樹脂層を除去する工程、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層を架橋する工程、未反応光架橋性樹脂層および第二樹脂層を除去する工程、露出した第一導電層上に第二導電層を形成する工程、架橋した光架橋性樹脂層を除去し、その下部の第一導電層を除去する工程からなる回路基板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面および貫通孔または/および非貫通孔の内壁に第一導電層を有する絶縁性基板の表面に、光架橋性樹脂層を形成する工程、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程、孔上の光架橋性樹脂層を除去する工程、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層を架橋する工程、未反応光架橋性樹脂層および第二樹脂層を除去する工程、露出した第一導電層上に第二導電層を形成する工程、架橋した光架橋性樹脂層を除去し、その下部の第一導電層を除去する工程からなる回路基板の製造方法。 【請求項2】 表面および貫通孔または/および非貫通孔の内壁に第一導電層を有する絶縁性基板の表面に、光架橋性樹脂層を形成する工程、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程、孔上の光架橋性樹脂層を除去する工程、第二樹脂層を除去する工程、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層を架橋する工程、未反応光架橋性樹脂層を除去する工程、露出した第一導電層上に第二導電層を形成する工程、架橋した光架橋性樹脂層を除去し、その下部の第一導電層を除去する工程からなる回路基板の製造方法。 【請求項3】 表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程が、光架橋性樹脂層表面に略一様に帯電処理を行い、孔上に光架橋性樹脂層と表面導電層上の光架橋性樹脂層とに電位差を誘起させる工程、該電位差を利用して孔上以外の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程からなることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板の製造方法。 【請求項4】 光架橋性樹脂層が多層構造である請求項1〜3のいずれか記載の回路基板の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、セミアディティブ法における回路基板の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、回路基板も高密度化や配線パターンの微細化が進められており、そのような条件を達成する手段としては、回路基板の多層化が挙げられる。図24に示したように、複数の配線層を積層して形成した回路基板は、一般にスルーホール31、バイアホール32、インタースティシャルバイアホール33と呼ばれる、内壁を導電層で被覆したあるいは充填した貫通孔、非貫通孔(以下、孔)といった細孔を通じて各層間の導通が行われている。 【0003】 図25は、孔を上部から見た概略図である。孔17の周囲にランド18と呼ばれる導電層が形成されている。ランドは角形、円形、楕円形、異形等、種々の種類があるが、占有面積あるいは設計面の使いやすさから、円形を用いることが多い。また、高密度化に対応するためには、ランドレスもしくは狭小ランド幅の孔が必要とされている。 【0004】 回路基板を製造する方法としては、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法が知られている。サブトラクティブ法によって微細回路を形成する場合、導電層のサイドエッチングによる画線の細り等があるため、微細回路に対して不利とされている。一方、アディティブ法は、微細回路に対しては有利であるが、無電解めっきで全ての導電層を形成するため、製造コストが高いという問題がある。セミアディティブ法は、多工程であるが、高速作業が可能な電解めっきを使用することができるために、微細回路製造方法として、優位に用いることができる。 【0005】 セミアディティブ法で、回路基板を製造する一例を挙げる。まず、絶縁性基板1(図32)にスルーホールやバイアホールと呼ばれる孔3を開け(図33)、孔内壁を含む表面に薄い第一導電層12を設ける(図34)。次いで、非回路部にめっきレジスト層36を形成する(図35)。続いて、電解めっき処理により、第一導電層12が露出する部分の表面に第二導電層13を形成する(図36)。その後、該めっきレジスト層36を除去し(図37)、該めっきレジスト層36下の薄い第一導電層12をエッチング除去して回路基板を形成する(図38)。 【0006】 めっきレジスト層は、スクリーン印刷法、感光性材料を用いた露光現像工程を有するフォトファブリケーション法、インクジェット法等によって形成することができるが、高密度化に対応するには、フォトファブリケーション法を優位に用いることができる。フォトファブリケーション法としては、ネガ型(光架橋型)もしくはポジ型(光分解型)フォトレジストを用いた方法が一般的である。セミアディティブ法では、電解めっき処理により孔内部に第二導電層を設けるため、孔部分にめっきレジスト層が形成されていない状態が必要である。 【0007】 ネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストを用いた場合、図28に示したように、孔およびランド部は遮光して、ネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストが架橋しないようにし、未反応ドライフィルムフォトレジストを除去して、孔部およびランド部にはめっきレジスト層が無い状態とする。これら工程では、孔の穴開け加工や露光工程の位置合わせが重要となり、特に、高密度回路基板で要求されるランドレスおよび狭小ランド幅の孔では、非常に高い位置合わせ精度が必要となる。 【0008】 例えば、図26(b)に示したように、広大ランド幅の場合に、Xの距離だけ位置ずれが発生したとしても、孔部分は完全に遮光された状態となってネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストは架橋されないが、図26(a)に示したように、狭小ランド幅の場合には、孔とランドが同距離Xだけずれると、ランドが孔部分から切れ、全ての外周に渡って狭小ランドが存在する孔を形成することができないという問題がある。 【0009】 ランドレスの孔を製造する場合、位置合わせ精度の許容範囲を広げるために、図29に示したように、孔中央部のネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストのみを露光せず、図30に示したように、めっきレジスト層を孔内部に突出させた状態にする方法が開示されている。図27(b)に示したように、大孔径の孔の場合、Yの距離だけ遮光部42の位置ずれが発生したとしても、孔17の一部が遮光された状態となる。しかし、図27(a)に示したように、小孔径の孔の場合、遮光部42が同距離Yだけずれると、遮光部が孔17からはずれてしまうために、孔部のネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストが架橋されてしまい、孔部のめっきレジスト層が除去されないという問題が発生する(例えば、特許文献1参照)。 【0010】 穴開け加工の精度、基板の伸縮、露光用フォトマスクの寸法変化等が原因となって、位置合わせ精度には限界があるのが実情である。また、高密度回路基板上に形成される孔の径は多種類で、孔数も極めて多いために、全ての孔に対して精確に位置合わせを行うことは非常に困難である。したがって、高密度回路基板ではランドレスや狭小ランド幅の孔が求められているにもかかわらず、狭小ランド幅の孔の場合には孔部の遮光が確実に行われてネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストが架橋しないようにするためには、ランド幅を大きく設計しなければならないという問題が発生している(例えば、特許文献2)。また、ランドレスの孔の場合には孔部内での遮光が確実に行われてネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストが架橋しないようにするためには、遮光部を小さく設計しなければならず、そのためにめっき液が孔内に侵入しづらくなり、めっきがされないという問題が発生している。 【0011】 めっきレジスト層を形成する方法として、電着フォトレジストを用いる方法も知られている。これは、図31に示したように、電着塗装法によって孔内壁を含む導電層上に一様に電着フォトレジスト層を設け、次に、フォトマスクを介して露光し、現像することで、めっきレジスト層を設ける方法である。 【0012】 電着フォトレジストには、ネガ型(光架橋型)とポジ型(光分解型)がある。ポジ型(光分解型)の場合は、露光してフォトレジストを分解させる必要があるが、円柱形状のスルーホール31では孔内を露光できず、内部の電着フォトレジストを完全に分解することができないため、めっきレジスト層として使用することができない。テーパー形状のバイアホール32ではランドの無いパターンのみのフォトマスクを用いて、ランドレスの孔を形成することができるが、孔内部の電着フォトレジストを完全に分解できないという問題がある。 【0013】 また、狭小ランド幅の孔を製造する場合、ランド部を露光するように設計されたフォトマスクを使用するが、上述のネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストで説明したのと同様に、位置合わせ精度の問題があるため、ランドの位置が図26(a)に示したようにずれてしまうという問題があり、全ての外周に渡って狭小ランドが存在する孔を形成することはできない。したがって、ランド幅を大きくしなければならず、ランドの狭小化に対応できないという問題がある。 【0014】 一方、ネガ型(光架橋型)電着フォトレジストの場合は、孔内部は露光する必要が無いので、ランドの無いパターンのみのフォトマスクを用いて、ランドレスの孔を形成する手段として有効であると言われている。円柱形状のスルーホール31では光が侵入しないために、孔内壁のネガ型(光架橋型)フォトレジスト層を除去することが可能である。しかし、テーパー形状のバイアホール32では、部分的に光が侵入するため、孔の内壁および底面全てのめっきレジスト層を除去することができないという問題があった。したがって、スルーホールとバイアホールが共存している回路基板の場合、回路基板に存在する全ての孔のめっきレジスト層を除去することが不可能であった。 【0015】 また、ネガ型(光架橋型)電着フォトレジストを用いて狭小ランド幅の孔を製造する場合、ランド部を露光するように設計されたフォトマスクを使用するが、上述のネガ型(光架橋型)ドライフィルムフォトレジストで説明したのと同様に、位置合わせ精度の問題があるため、ランドの位置が図26(a)に示したようにずれてしまうという問題がある。また、円柱形状のスルーホール31では孔内に光が入らないため、位置ずれがあっても孔内部のネガ型(光架橋型)電着フォトレジストは架橋しないが、全ての外周に渡って狭小ランドが存在する孔を形成することはできず、テーパー形状のバイアホール32では、孔内が露光されてしまうため、孔内部のネガ型(光架橋型)電着フォトレジストが架橋されてしまうという問題もある。したがって、ランド幅を大きくしなければならず、ランドの狭小化に対応できないという問題がある。 【特許文献1】特開平10−178031号公報 【特許文献2】特開平7−7265号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0016】 本発明の課題は、セミアディティブ法による回路基板の製造方法において、回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔に対応した、位置合わせ精度の許容範囲が広い回路基板の製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0017】 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、 (1)表面および貫通孔または/および非貫通孔の内壁に第一導電層を有する絶縁性基板の表面に、光架橋性樹脂層を形成する工程、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程、孔上の光架橋性樹脂層を除去する工程、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層を架橋する工程、未反応光架橋性樹脂層および第二樹脂層を除去する工程、露出した第一導電層上に第二導電層を形成する工程、架橋した光架橋性樹脂層を除去し、その下部の第一導電層を除去する工程からなる回路基板の製造方法、 (2)表面および貫通孔または/および非貫通孔の内壁に第一導電層を有する絶縁性基板の表面に、光架橋性樹脂層を形成する工程、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程、孔上の光架橋性樹脂層を除去する工程、第二樹脂層を除去する工程、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層を架橋する工程、未反応光架橋性樹脂層を除去する工程、露出した第一導電層上に第二導電層を形成する工程、架橋した光架橋性樹脂層を除去し、その下部の第一導電層を除去する工程からなる回路基板の製造方法、 (3)表面導電層上の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程が、光架橋性樹脂層表面に略一様に帯電処理を行い、孔上に光架橋性樹脂層と表面導電層上の光架橋性樹脂層とに電位差を誘起させる工程、該電位差を利用して孔上以外の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程からなることを特徴とする上記(1)または(2)記載の回路基板の製造方法、 (4)光架橋性樹脂層が多層構造である上記(1)〜(3)のいずれか記載の回路基板の製造方法を見出した。 【発明の効果】 【0018】 本発明の回路基板の製造方法においては、まず、表面および貫通孔および/または非貫通孔の内壁に導電層を有する絶縁性基板の表面に、孔を塞ぐように光架橋性樹脂層を設ける。次に、光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を電着法によって形成する。 【0019】 本発明の回路基板の製造方法(1)において、第二樹脂層を形成するには、第二樹脂層に用いられる樹脂を粒子状態で、液体に分散させた液を使用する。粒子は、正または負に帯電している。図39に示したように、表面および孔3の内壁に導電層2を有し、光架橋性樹脂層25を貼り付けた回路形成用基板4に対向するように現像電極19を設置し、回路形成用基板4の導電層2を接地して、適正なバイアス電圧を印加すると、電界Eに従って、帯電した樹脂粒子20は回路形成用基板4方向に電気泳動する。図39では、樹脂粒子20が正に帯電し、かつ正のバイアス電圧をかけた場合を示しているが、樹脂粒子を負に帯電させ、かつ負のバイアス電圧をかけた場合でも、同様に帯電した樹脂粒子20は回路形成用基板4方向に電気泳動する。 【0020】 電気泳動によって回路形成用基板方向に近づいてきた帯電した樹脂粒子の光架橋性樹脂層への付着量は、光架橋性樹脂層の静電容量によって決まる。図40のように、表面およびスルーホール(貫通孔)31または/およびバイアホール(非貫通孔)32の内壁に導電層2を有し、光架橋性樹脂層25を貼り付けた絶縁性基板1において、光架橋性樹脂層25の静電容量は、その下の形状に影響を受ける。すなわち、導電層2上の光架橋性樹脂層25と、スルーホール(貫通孔)31または/およびバイアホール(非貫通孔)32上の光架橋性樹脂層25とでは、静電容量に差が生じる。 【0021】 以下、光架橋性樹脂層の静電容量の差と、それに基づく第二樹脂層付着量の差について説明する。導電層表面と光架橋性樹脂層表面を電極としたコンデンサーと見立てた場合、次式(1)が成立する。 Q=CV (1) [但し、Q;光架橋性樹脂層上の電荷、C;静電容量、V;導電層表面を基準とした光架橋性樹脂層表面の電位] 静電容量Cは、次式(2)で表される。 C=εS/d (2) [但し、ε;誘電率、d;光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離、S;面積] 【0022】 ここで、孔上の光架橋性樹脂層の静電容量をCH、表面導電層上の光架橋性樹脂層の静電容量をCS、孔上の光架橋性樹脂層上の電荷をQH、表面導電層上の光架橋性樹脂層上の電荷をQS、孔上の光架橋性樹脂層表面の電位をVH,表面導電層上の光架橋性樹脂層上の電位をVS、孔上の光架橋性樹脂層上に付着した第二樹脂層を形成する樹脂粒子数NH、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に付着した第二樹脂層を形成する樹脂粒子数NS、孔上の光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離dH、表面導電層上の光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離dSとする。 【0023】 すなわち、図41に示したように、孔上と表面導電層上において、一定面積(Sが一定)における静電容量Cを比較した場合、孔上の光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離dH21が、表面導電層上の光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離dS22より大きいので、孔上の静電容量CHが表面導電層上の静電容量CSよりも小さくなる。帯電した樹脂粒子は、光架橋性樹脂層全面が等電位(つまり、VH=VS)となるように、光架橋性樹脂層上に付着する。したがって、孔上の電荷QHは表面導電層上の電荷QSに比べて小さくなる。次式(3)のように、電荷Qの大きさは、第二樹脂層を形成する樹脂粒子数Nに比例する。 Q=Nq (3) [但し、N;第二樹脂層を形成する樹脂粒子数、q;第二樹脂層を形成する粒子1個の電荷] 【0024】 したがって、孔上の光架橋性樹脂層上に付着した第二樹脂層を形成する樹脂粒子数NHは、表面導電層上の光架橋性樹脂層上に付着した第二樹脂層を形成する樹脂粒子数NSよりも少なくなる。 【0025】 以上のように、静電容量Cの違いにより、孔上の光架橋性樹脂層上への第二樹脂層の付着量と、表面導電層上の光架橋性樹脂層上への第二樹脂層の付着量とに違いが生じる。表面導電層上の光架橋性樹脂層上には光架橋性樹脂層除去液に対するレジスト性が生ずる厚みまで第二樹脂層を設け、孔上の光架橋性樹脂層上には光架橋性樹脂層除去液に浸食される量の第二樹脂層を設ける。第二樹脂層をレジストとして孔上の光架橋性樹脂層を除去することで、精確かつ選択的に孔内壁および孔周囲の導電層を露出させることができる。 【0026】 本発明の回路基板の製造方法では、露出した孔周囲の導電層部がランドとなる。上述の第二樹脂層をレジストとした孔部の光架橋樹脂層の除去工程で、光架橋性樹脂層除去量を制御することで、図13〜15に示したように、任意にランド幅を調整することができる。また、この方法によると、孔のランドは図25のように、均一な幅を有するものとなる。 【0027】 孔内壁および孔周囲の導電層を露出させた後、本発明の回路基板の製造方法(1)では、光架橋性樹脂層を露光して、非回路部に相当する部分を架橋させ、次に回路部に相当する未反応光架橋性樹脂層および、第二樹脂層を除去する。また、本発明の回路基板の製造方法(2)では、第二樹脂層を除去した後、光架橋性樹脂層を露光して、非回路部に相当する部分を架橋させ、次に回路部に相当する部分の未反応光架橋性樹脂層を除去する。 【0028】 本発明の回路基板の製造方法(1)および(2)において、露出した回路部の第一導電層上に第二導電層を形成し、めっきレジスト層として使用した架橋した光架橋性樹脂層を除去し、その下部の第一導電層を除去して、回路基板が製造される。本発明の回路基板製造方法では、光架橋性樹脂層露光工程の前にランドおよび孔内壁の第一導電層は露出した状態となっているので、該露光工程でランド部は露光されてもされなくても、問題がない。したがって、孔及びランド部に対する位置合わせが不要となるため、露光時の位置合わせの許容範囲が広がるという秀逸な効果をもたらす。 【0029】 本発明の回路基板の製造方法(3)では、第二樹脂層を形成するのに、まず、光架橋性樹脂層表面に略一様に帯電処理を行う。表面導電層上に設けられた光架橋性樹脂層と、空気や絶縁性基板等の絶縁層上に設けられた光架橋性樹脂層とに対し、同一条件の下で帯電処理を施した場合、絶縁層上に設けられた光架橋性樹脂層における帯電位の絶対値が、表面導電層上に設けられた光架橋性樹脂層上の値よりも大きくなる。この帯電位差を静電潜像と見なし、電着法等の手段で光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成すると、孔上の光架橋性樹脂層上への第二樹脂層の付着量と、表面導電層上の光架橋性樹脂層上への第二樹脂の付着量とに違いが生じる。表面導電層上の光架橋性樹脂層には光架橋性樹脂層現像液に対するレジスト性が生ずる厚みまで第二樹脂層を設け、孔上の光架橋性樹脂層上には光架橋性樹脂層用現像液に浸食される量の第二樹脂層を設ける。第二樹脂層をレジストとして孔上の光架橋性樹脂層を除去することで、精確かつ選択的に孔内壁および孔周囲の導電層を露出させることができる。 【0030】 このように、本発明の回路基板の製造方法では、帯電工程、電着法、光架橋性樹脂層除去工程といった、位置合わせを必要としない工程のみで、孔およびランド部に対して精確かつ選択的にめっきレジスト層が存在しない状態を形成することができ、かつランド幅も任意に制御できるという秀逸な効果をもたらす。 【発明を実施するための最良の形態】 【0031】 以下、本発明の回路基板の製造方法について詳細に説明する。貫通孔を例にとって説明するが、非貫通孔でも以下に説明するのと同様の方法で、回路基板を製造することができる。また、スルーホールとバイアホールが共存しているようなビルドアップ基板であっても同様な方法で製造することができる。 【0032】 本発明の回路基板の製造方法(1)では、まず、絶縁性基板1(図1)に孔3を形成する(図2)。次いで、絶縁性基板1表面に薄い第一導電層12を設ける(図3)。 【0033】 第一導電層12上に光架橋性樹脂層25を孔にテンティングするように設ける(図4)。次に、電着等の手段によって、導電層12上の光架橋性樹脂層25上に、第二樹脂層6を形成する(図6)。 【0034】 続いて、第二樹脂層6で被覆されていない孔3上の光架橋性樹脂層25を光架橋性樹脂層除去液で取り除き、樹脂付開口基板11を製造する(図7)。図13〜15のように、光架橋性樹脂層の除去量を調整することで、所望のランド幅を有する孔を得ることができる。 【0035】 次いで、露光工程を行い、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層25を架橋する(図8)。続いて、第二樹脂層および未反応光架橋性樹脂層を除去し、架橋部26からなるめっきレジスト層を形成する(図9)。めっきレジスト層を形成した後、電解めっき処理により、第一導電層12が露出している部分の表面に第二導電層13を形成する(図10)。その後、架橋部26(めっきレジスト層)を除去し(図11)、該めっきレジスト層下の薄い第一導電層12をエッチング除去して回路基板を形成する(図12)。 【0036】 本発明の回路基板の製造方法(2)では、本発明の回路基板の製造方法(1)と同様にして、樹脂付開口基板11(図7)を製造する。図13〜15のように、光架橋性樹脂層の除去量を調整することで、所望のランド幅を有する孔を得ることができる。 【0037】 次いで、図16に示したように、第二樹脂層6を除去し、その後露光工程を行い、非回路部に相当する部分の光架橋性樹脂層25を架橋する(図17)。続いて、未反応光架橋性樹脂層を除去し、架橋部26からなるめっきレジスト層を形成する(図9)。めっきレジスト層を形成した後、電解めっき処理により、第一導電層12が露出している部分の表面に第二導電層13を形成する(図10)。その後、架橋部26(めっきレジスト層)を除去し(図11)、該めっきレジスト層下の薄い第一導電層12をエッチング除去して回路基板を形成する(図12)。 【0038】 本発明の回路基板の製造方法(1)では、未反応光架橋性樹脂層と第二樹脂層を一括除去することができるので、工程数が少なくなるという利点がある。本発明の回路基板の製造方法(2)では、第二樹脂層を介さないで露光ができるため、解像度が上昇するという利点がある。 【0039】 本発明の回路基板の製造方法(3)では、上記本発明の回路基板の製造方法(1)または(2)における孔上以外の光架橋性樹脂層上に第二樹脂層を形成する工程において、帯電工程を利用する。まず、絶縁性基板1(図1)に孔3を形成する(図2)。次いで、絶縁性基板1表面に薄い第一導電層12を設ける(図3)。第一導電層12上に光架橋性樹脂層25を孔にテンティングするように設ける(図4)。 【0040】 次いで、コロナ帯電等の手段により、光架橋性樹脂層25表面に略一様に帯電処理を行い、正または負の電荷に帯電させ、孔3上の光架橋性樹脂層25と第一導電層12上の光架橋性樹脂層25での電位差を誘起させる(図5)。図5では、プラスに帯電した場合を表し、電位の値の大小を文字の大きさで表した。つまり、同一の帯電条件によっては、空気に接している孔3上の光架橋性樹脂層25は、第一導電層12上の光架橋性樹脂層25よりも、帯電電位が大きくなる。次に、その電位差を利用して、電着等の手段によって、第一導電層12上の光架橋性樹脂層25上に、第二樹脂層6を形成する(図6)。 【0041】 本発明に係わる光架橋性樹脂層としては、例えば、セミアディティブ法で使用できる回路基板製造用の光架橋型ドライフィルムフォトレジストがあげられる。以下に例を挙げるが、本発明の趣旨と異ならない限り何れの光架橋性樹脂層であっても適用可能である。例えば、カルボン酸基を含むバインダーポリマー、光重合性の多官能モノマー、光重合開始剤、溶剤、その他添加剤からなるネガ型の感光性樹脂組成物が使用できる。それらの配合比率は、感度、解像度、硬度、テンティング性等の要求される性質に合わせて決定される。これらの例は「フォトポリマーハンドブック」(フォトポリマー懇話会編、1989年刊行、(株)工業調査会刊)や「フォトポリマー・テクノロジー」(山岡亜夫、永松元太郎編、1988年刊行、日刊工業新聞社刊)等に記載されている。市販品としては、例えばデュポンMRCドライフィルム株式会社のリストン、日立化成工業株式会社のフォテック、旭化成株式会社のサンフォート等を使用することができる。 【0042】 本発明に係わる光架橋性樹脂層は、キャリアーフィルム(ポリエチレンテレフタレート等)と保護フィルム(ポリエチレン等)の間にはさまれている3層の構成であれば、保存や貼り付けの際に好適である。ブロッキングが問題にならなければ保護フィルムを使用しない2層構造のものでもよい。 【0043】 光架橋性樹脂層を表面導電層に貼り付ける方法は、光架橋性樹脂層にむらや波打ちを生じさせることなく、貼り付け面に空気やゴミを混入することなく、光架橋性樹脂層を設けることができれば、何れの方法であっても良い。例えば、プリント基板用の熱ゴムロールを圧力で押し当てて熱圧着する装置を用いる。 【0044】 光架橋性樹脂層を貼り付けた後、キャリアーフィルムを剥離する。この際、剥離帯電が生じ、光架橋性樹脂層表面が不均一に帯電する。この帯電むらが発生すると、第二樹脂層が帯電むらに沿って電着塗布されるため、帯電の除去もしくは均一にする必要がある。例えば、イオンブロアーを吹き付ける方法、50℃以上で加熱処理(アニーリング)する方法、水蒸気または水を拭きつける方法等が挙げられる。 【0045】 本発明に係わる光架橋性樹脂層は、多層構造であってもよい。例えば、光架橋性樹脂層25の片面または両面に、アルカリ可溶性樹脂層24を設ける。多層光架橋性樹脂層27は、単層光架橋性樹脂層と比較して、帯電能の向上、搬送系における傷への耐性等が向上するといったメリットを有する。光架橋性樹脂層25の片面にアルカリ可溶性樹脂層24を設けた場合は、回路基板へのラミネート後には、図18または図19のようになり、両面に設けた場合は、図20のようになる。多層光架橋性樹脂層27の場合においても、上記第一の形態や第二の形態と同様な工程によって、回路基板が製造される。 【0046】 本発明に用いることができる絶縁性基板としては、紙基材フェノール樹脂やガラス基材エポキシ樹脂の基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶高分子フィルム等を使用することができる。導電層としては、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス、42アロイ、ニクロム、タングステン、ITO、導電性高分子、各種金属錯体等を使用することができる。これらの例は「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、1987刊行、日刊工業新聞社刊)に記載されている。 【0047】 本発明の回路基板の製造方法(3)において、光架橋性樹脂層を帯電させる際の帯電処理としては、従来からコロトロン方式及びスコロトロン方式等の非接触帯電方法、また導電ロール帯電等の接触帯電方法が知られており何れの方式を採用しても良い。 【0048】 本発明において、光架橋性樹脂層除去液としては、光架橋性樹脂層を溶解もしくは分散可能な液であり、使用する光架橋性樹脂層の組成に見合った液を用いる。光架橋性樹脂層除去液によって、孔上の光架橋性樹脂層を除去し、孔上のみを開口する。つまり、光架橋性樹脂層除去液は、第二樹脂層は溶解しないか、または、第二樹脂層を溶解する液であっても、光架橋性樹脂層を膜厚分だけ溶解する条件において、第二樹脂層が膨潤したり、形状が変化したりすることがない液であれば、いずれであってもよい。一般的には、アルカリ水溶液が有用に使用され、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アルカリ金属塩、リン酸および炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液、エタノールアミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を用いることができる。これら水溶液は、光架橋性樹脂層に対する溶解性を制御するため、濃度、温度、スプレー圧等を調整する必要がある。光架橋性樹脂層の除去は、光架橋性樹脂層除去液による処理に続いて、水洗や酸処理を行うことによって、速やかに停止させることができる。 【0049】 光架橋性樹脂層を貼り付けた後、マイラーフィルムを剥離する。この際、剥離帯電が生じ、光架橋性樹脂層表面が不均一に帯電する。この帯電むらが発生すると、第二樹脂層が帯電むらに沿って電着塗布されるため、帯電の除去もしくは電荷を均一にする必要がある。例えば、イオンブロアーを吹き付ける方法、50℃以上で加熱処理(アニーリング)する方法、水蒸気または水を拭きつける方法等が挙げられる。 【0050】 本発明に係わる第二樹脂層は、光架橋性樹脂層除去液に対して不溶性または難溶性であり、かつ、第二樹脂層除去液に可溶で、電着法に使用可能な樹脂であればいずれであってもよい。第二樹脂層は、第二樹脂層に用いられる樹脂を粒子状態で、液体に分散させた液を使用する。粒子は、正または負に帯電している。液体としては、水や電気絶縁性液体を使用することができる。水を使用した場合、適当な酸価を有する高分子が有機アミン等で中和されて、水中において帯電したコロイド粒子を形成した水分散液を使用する。電気絶縁性液体を使用した場合、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が粒子状態で、電気絶縁性液体中に分散されていて、該粒子は電荷制御剤によって帯電している電気絶縁性液体分散液を使用する。このような電気絶縁性液体中に第二樹脂層形成用樹脂を分散させた液としては、電子写真用湿式トナーを好適に用いることができる。 【0051】 第二樹脂層は、光架橋性樹脂層を貼り付けた回路形成用基板に対向するように現像電極を設置し、該回路形成用基板と現像電極との間に、液体中に帯電した樹脂粒子を分散させた液を充填し、回路形成用基板の導電層を接地して、適正なバイアス電圧を印加することで形成することができる。例えば、特開2004−163605号公報、特開2002−132049号公報等に記載の現像装置を用いることができる。第二樹脂層の膜厚は、樹脂粒子の電荷および印加電圧、搬送速度、樹脂粒子分散液供給量を制御することで決定することができる。電着法によって付着した樹脂粒子は、加熱、圧力、光、溶剤等によって、光架橋性樹脂層上に定着されて、第二樹脂層となる。この第二樹脂層をレジスト層として、光架橋性樹脂層除去液で孔上の光架橋性樹脂層を除去する。 【0052】 本発明の回路基板の製造方法(1)において、第二樹脂層は未反応光架橋性樹脂層と同時に除去することもできるが、第二樹脂層を除去してから未反応光架橋性樹脂層を除去しても良い。第二樹脂層の除去方法は、光架橋性樹脂層上から速やかに除去できれば、いずれであっても良いが、例えば、有機溶剤、アルカリ水溶液、酸性水溶液、水溶液を使用する方法、テープ剥離や研磨する方法等がある。光架橋性樹脂層と第二樹脂層を一括で除去する場合、上述の光架橋性樹脂層除去液を使用することができる。また、第二樹脂層を除去したのち光架橋性樹脂層を除去する場合の第二樹脂層除去液は未反応光架橋性樹脂層が除去されない除去液で取り除く必要がある。例えば、硫酸、酢酸、塩酸、塩化アンモニウム水、過酸化水素水および銅イオン含有液、銅イオン含有液、鉄イオン含有液、等の酸性水溶液が挙げられる。 【0053】 光架橋性樹脂層の架橋反応は、レーザー直接描画、フォトマスクを介した密着露光、投影露光によって行われる。超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。 【0054】 本発明の回路基板の製造方法において、めっきレジスト層として使用した光架橋性樹脂層を除去する方法としては、高pHのアルカリ性水溶液、有機溶剤等で除去する方法を用いることができる。 【0055】 本発明に係わる絶縁性基板に第一導電層を設けた回路形成用基板としては、孔を設けた絶縁性基板にスパッタリング法、蒸着法、無電解めっき法等の手段で、孔内壁および絶縁性基板表面に導電層を設けたもの、絶縁性基板に導電層箔を貼り合わせた積層板に孔を設け、孔内壁には無電解めっき法等の手段で導電層を別に設けたもの等を使用することができる。導電層箔は貼り付けた後にエッチング処理を行って、薄膜にすることもできる。また、第二導電層は、第一導電層に対する電解めっき法によって形成することができる。 【0056】 本発明に係わる無電解めっき処理、電解めっき処理は、例えば、「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、1987年刊行、日刊工業新聞社発行)に記載されているものを使用することができる。 【0057】 本発明に係わる第一導電層のエッチングに使用されるエッチング液は、第一導電層を溶解除去できるものであれば良い。例えば、アルカリ性アンモニア、硫酸−過酸化水素、塩化第二銅、過硫酸塩、塩化第二鉄、等の一般的なエッチング液を使用できる。また、装置や方法としては、例えば、水平スプレーエッチング、浸漬エッチング、等の装置や方法を使用できる。これらの詳細は、「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、1987年刊行、日刊工業新聞社発行)に記載されている。 【0058】 以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例は、イエローセーフライト下で行った。 【実施例1】 【0059】 ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積340mm×510mm、基材厚み0.1mm)に、0.15mmφのスルーホールを開けた後、デスミア処理を施し、次いで無電解めっき処理を行い、スルーホール内壁および基板表面に厚さ約0.5μmの無電解銅めっき層を第一導電層として設けた。ドライフィルムフォトレジスト用ラミネーターを用いて、20μm厚の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板両面に熱圧着し、導電層上に光架橋性樹脂層を設けた。その後、常温下でマイラーフィルムを剥離し、80℃1分間加熱し、剥離帯電のむらを消失させた。 【0060】 続いて、三菱OPCプリンティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧+200Vを印加して電着塗布を行い、該トナーを孔部以外全面に電着させた。続いて70℃で2分間加熱してトナーを定着させ、良好な第二樹脂層を得た。 【0061】 次に、孔上の光架橋性樹脂層を1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて溶解除去した。スルーホール部を顕微鏡で観察したところ、スルーホール周囲部の光架橋性樹脂層は、スルーホールと同心円状に除去されていた。図21で示した穴開け加工時のスルーホール径L1=150μm、めっき加工時のスルーホール径L2=149μm、光架橋性樹脂層除去部の径L3=179μmであった。 【0062】 第二樹脂層上に回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅および間隙:50μm)を載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。さらに、基板を反転して、逆面に対しても同様に露光を行い、架橋部を形成した。 【0063】 次いで、露光処理が終了した基板に対し、キシレンおよび1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、第二樹脂層および未反応の光架橋性樹脂層を溶出除去し、回路部に相当する第一導電層を露出させた。次いで、電解銅めっきを行って、第一導電層上に厚さ約12μmの電解銅めっき層を、第二導電層として形成した。続いて、水酸化ナトリウム水溶液で処理し、レジスト層として使用した光架橋性樹脂の架橋部を剥離除去した。 【0064】 さらに、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧 2.0kg/cm2)で処理し、露出している第一導電層を除去した。得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、ランドはスルーホールと同心円状に除去されていた。図22で示した穴開け加工時のスルーホール径L4=150μm、めっき加工時のスルーホール径L5=126μm、ランド径L6=178μmであった。回路基板に断線は無かった。 【実施例2】 【0065】 ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積340mm×510mm、基材厚み0.1mm)に、0.15mmφのスルーホールを開けた後、デスミア処理を施し、次いで無電解めっき処理を行い、スルーホール内壁および基板表面に厚さ0.5μmの無電解銅めっき層を第一導電層として設けた。20μm厚の回路形成用ドライフィルムフォトレジストの片面に表1で示したアルカリ可溶性樹脂を塗布し、5μm厚のアルカリ可溶性樹脂層を形成し、ドライフィルムフォトレジストが第一導電層に接するようにして貼り付け、第一導電層上に多層の光架橋性樹脂層を設けた。その後、常温下でマイラーフィルムを剥離し、80℃1分間加熱し、剥離帯電のむらを消失させた。 【0066】 【表1】
【0067】 続いて、三菱OPCプリンティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧+200Vを印加して電着塗布を行い、該トナーを孔部以外全面に電着させた。続いて70℃で2分間加熱してトナーを定着させ、良好な第二樹脂層を得た。 【0068】 次に、孔上の多層光架橋性樹脂層を1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて溶解除去した。スルーホール部を顕微鏡で観察したところ、図23で示した穴開け加工時のスルーホール径L7=150μm、めっき加工時のスルーホール径L8=149μm、多層光架橋性樹脂層除去部の径L9=150μmであった。 【0069】 次に、キシレンによって、多層光架橋性樹脂層上から第二樹脂層を除去した。次に、回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅および間隙:50μm)を載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。さらに、基板を反転して、逆面に対しても同様に露光を行い、架橋部を形成した。 【0070】 次に、露光処理が終了した基板に対し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、アルカリ可溶性樹脂層および未反応のドライフィルムフォトレジストを溶出除去し、回路部に相当する第一導電層を露出させた。次いで、電解銅めっきを行って、第一導電層上に厚み12μmの電解銅めっき層を、第二導電層として形成した。続いて、水酸化ナトリウム水溶液で処理し、レジスト層として使用したドライフィルムフォトレジストの架橋部を剥離除去した。 【0071】 さらに、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧 2.0kg/cm2)で処理し、露出している第一導電層を除去した。得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、図22で示した穴開け加工時のスルーホール径L4=150μm、めっき加工時のスルーホール径L5=126μm、ランド径L6=149μmであった。回路基板に断線は無かった。 【実施例3】 【0072】 ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積340mm×510mm、基材厚み0.1mm)に、0.15mmφのスルーホールを開けた後、デスミア処理を施し、次いで無電解めっき処理を行い、スルーホール内壁および基板表面に厚さ約0.5μmの無電解銅めっき層を第一導電層として設けた。ドライフィルムフォトレジスト用ラミネーターを用いて、20μm厚の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板両面に熱圧着し、導電層上に光架橋性樹脂層を設けた。 【0073】 次いで、常温下でマイラーフィルムを剥離した後、80℃1分間加熱し、剥離帯電のむらを消失させた。光架橋性樹脂層表面にコロナ帯電機(帯電トランス出力;+5.0kV)を用いて両面に電荷を与えた。続いて、三菱OPCプリンティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧+200Vを印加して反転現像を行い、該トナーを孔部以外全面に電着させた。続いて70℃で2分間加熱してトナーを定着させ、良好な第二樹脂層を得た。 【0074】 次に、孔上の光架橋性樹脂層のみを1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて溶解除去した。スルーホール部を顕微鏡で観察したところ、スルーホール周囲部の光架橋性樹脂層は、スルーホールと同心円状に除去されていた。図21で示した穴開け加工時のスルーホール径L1=150μm、めっき加工時のスルーホール径L2=149μm、光架橋性樹脂層除去部の径L3=181μmであった。 【0075】 第二樹脂層上に回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅および間隙:50μm)を載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。さらに、基板を反転して、逆面に対しても同様に露光を行い、架橋部を形成した。 【0076】 次いで、露光処理が終了した基板に対し、キシレンおよび1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、第二樹脂層および未反応の光架橋性樹脂層を溶出除去し、回路部に相当する第一導電層を露出させた。次いで、電解銅めっきを行って、第二導電層上に厚さ約12μmの電解銅めっき層を、第二導電層として形成した。続いて、水酸化ナトリウム水溶液で処理し、レジスト層として使用した光架橋性樹脂の架橋部を剥離除去した。 【0077】 さらに、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧 2.0kg/cm2)で処理し、露出している第一導電層を除去した。得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、ランドはスルーホールと同心円状に除去されていた。図22で示した穴開け加工時のスルーホール径L4=150μm、めっき加工時のスルーホール径L5=126μm、ランド径L6=180μmであった。回路基板に断線は無かった。 【実施例4】 【0078】 ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積340mm×510mm、基材厚み0.1mm)に、0.15mmφのスルーホールを開けた後、デスミア処理を施し、次いで無電解めっき処理を行い、スルーホール内壁および基板表面に厚さ0.5μmの無電解銅めっき層を第一導電層として設けた。20μm厚の回路形成用ドライフィルムフォトレジストの片面に表1で示したアルカリ可溶性樹脂を塗布し、5μm厚のアルカリ可溶性樹脂層を形成し、ドライフィルムフォトレジストが第一導電層に接するようにして貼り付け、第一導電層上に多層の光架橋性樹脂層を設けた。 【0079】 次いで、光架橋性樹脂層表面にコロナ帯電機(帯電トランス出力;+5.0kV)を用いて両面に電荷を与えた。続いて、三菱OPCプリンティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧+200Vを印加して反転現像を行い、該トナーを孔部以外全面に電着させた。続いて70℃で2分間加熱してトナーを定着させ、良好な第二樹脂層を得た。 【0080】 次に、孔上の多層光架橋性樹脂層のみを1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて溶解除去した。スルーホール部を顕微鏡で観察したところ、図23で示した穴開け加工時のスルーホール径L7=150μm、めっき加工時のスルーホール径L8=149μm、多層光架橋性樹脂層除去部の径L9=151μmであった。 【0081】 次に、キシレンによって、多層光架橋性樹脂層上から第二樹脂層を除去した。次に、回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅および間隙:50μm)を載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。さらに、基板を反転して、逆面に対しても同様に露光を行い、架橋部を形成した。 【0082】 次に、露光処理が終了した基板に対し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、アルカリ可溶性樹脂層および未反応のドライフィルムフォトレジストを溶出除去し、回路部に相当する第一導電層を露出させた。次いで、電解銅めっきを行って、第一導電層上に厚み12μmの電解銅めっき層を、第二導電層として形成した。続いて、水酸化ナトリウム水溶液で処理し、レジスト層として使用したドライフィルムフォトレジストの架橋部を剥離除去した。 【0083】 さらに、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧 2.0kg/cm2)で処理し、露出している第一導電層を除去した。得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、図22で示した穴開け加工時のスルーホール径L4=150μm、めっき加工時のスルーホール径L5=126μm、ランド径L6=150μmであった。回路基板に断線は無かった。 【0084】 (比較例1) ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積340mm×510mm、基材厚み0.1mm)に、0.15mmφのスルーホールを開けた後、デスミア処理を施し、無電解めっき処理を行い、スルーホール内壁および基板表面に厚さ0.5μmの無電解銅めっき層を第一導電層として設けた。ドライフィルム用ラミネーターを用いて、市販のネガ型(光架橋性)ドライフィルムフォトレジストを熱圧着したのち、フォトマスクを介して、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。フォトマスクは、導体幅および間隔が50μmで、図28に示したように、スルーホール部が完全に遮光されるようにするために、ランド径を0.3mmφに設計したものを使用した。次いで、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温35℃)にてアルカリ溶出を行うことにより、非回路部にめっきレジスト層を形成した。 【0085】 次いで、電解銅めっきを行って、第一導電層が露出した部分の表面に、厚み12μmの第二導電層を形成した。次いで、40℃の3質量%水酸化ナトリウム溶液で処理し、フォトレジスト層を除去した。続いて、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧:2.0kg/cm2)で処理し、第一導電層をエッチングし、回路基板を得た。得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、孔周囲のランド幅は0から100μmまでばらついていた。 【0086】 (比較例2) ガラス基材エポキシ樹脂基板(面積340mm×510mm、基材厚み0.1mm)に、0.15mmφのスルーホールを開けた後、デスミア処理を施し、無電解めっき処理を行い、スルーホール内壁および基板表面に厚さ0.5μmの無電解銅めっき層を第一導電層として設けた。ドライフィルム用ラミネーターを用いて、市販のネガ型(光架橋性)ドライフィルムフォトレジストを熱圧着したのち、フォトマスクを介して、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。フォトマスクは、回路部のパターン幅が50μmで、それと連結して、図29に示したように、スルーホール部の中央部のみを露光しないようにするために、スルーホール部の遮光面積を0.08mmφに設計したものを使用した。次いで、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(液温35℃)にてアルカリ溶出を行うことにより、非回路部にめっきレジスト層を形成した。めっきレジスト層を観察したところ、露光工程での位置合わせ不良が原因となり、孔部のドライフィルムフォトレジストの開口面積が小さくなっているスルーホールが確認された。 【0087】 次いで、電解銅めっきを行って、第一導電層が露出した部分の表面に、厚み12μmの第二導電層を形成した。次いで、40℃の3質量%水酸化ナトリウム溶液で処理し、フォトレジスト層を除去した。続いて、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧:2.0kg/cm2)で処理し、第一導電層をエッチングし、回路基板を得た。得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、孔内壁の導電層の厚みが不均一な箇所および孔内の導電層が存在していない箇所があった。 【産業上の利用可能性】 【0088】 本発明は、プリント配線板、半導体装置等の回路基板の製造に利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0089】 【図1】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図2】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図3】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図4】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図5】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図6】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図7】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図8】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図9】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図10】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図11】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図12】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図13】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図14】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図15】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図16】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図17】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図18】本発明の回路基板の製造方法において、多層構造の光架橋性樹脂層をラミネートした工程を示す断面図。 【図19】本発明の回路基板の製造方法において、多層構造の光架橋性樹脂層をラミネートした工程を示す断面図。 【図20】本発明の回路基板の製造方法において、多層構造の光架橋性樹脂層をラミネートした工程を示す断面図。 【図21】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図22】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図23】本発明の回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図24】多層回路基板の一例を示す概略断面図。 【図25】孔とランドを表した概略図。 【図26】孔とランドの位置ずれを表した概略図。 【図27】孔とフォトマスク遮光部の位置ずれを表した概略図。 【図28】従来技術である光架橋型ドライフィルムフォトレジストを用いた回路基板の製造方法において、露光工程を示した断面図。 【図29】従来技術である光架橋型ドライフィルムフォトレジストを用いた回路基板の製造方法において、露光工程を示した断面図。 【図30】従来技術である光架橋型ドライフィルムフォトレジストを用いた回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図31】従来技術である電着フォトレジストを用いた回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図32】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における一工程を示す断面図。 【図33】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における図32に続く工程を示す断面図。 【図34】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における図33に続く工程を示す断面図。 【図35】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における図34に続く工程を示す断面図。 【図36】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における図35に続く工程を示す断面図。 【図37】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における図36に続く工程を示す断面図。 【図38】セミアディティブ法による回路基板の製造方法における図37に続く工程を示す断面図。 【図39】本発明の回路基板の製造方法において、第二樹脂層形成工程を表す断面図。 【図40】本発明の回路基板の製造方法における一工程を表す断面図。 【図41】本発明の回路基板の製造方法における一工程を表す断面図。 【符号の説明】 【0090】 1 絶縁性基板 2 導電層 3 孔 4 回路形成用基板 6 第二樹脂層 11 樹脂付開口基板 12 第一導電層 13 第二導電層 17 孔 18 ランド 19 現像電極 20 樹脂粒子 21 表面導電層上の光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離 22 孔上の光架橋性樹脂層表面と導電層表面との距離 24 アルカリ可溶性樹脂層 25 光架橋性樹脂層 26 架橋部 27 多層光架橋性樹脂層 31 スルーホール(貫通孔) 32 バイアホール(非貫通孔) 33 インタースティシャルバイアホール 34 電着フォトレジスト層 36 めっきレジスト層 38 ドライフィルムフォトレジスト 41 フォトマスク 42 遮光部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005980 【氏名又は名称】三菱製紙株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内3丁目4番2号 【識別番号】000190688 【氏名又は名称】新光電気工業株式会社 【住所又は居所】長野県長野市小島田町80番地
|
| 【出願日】 |
平成16年12月15日(2004.12.15) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2005−286297(P2005−286297A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月13日(2005.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願2004−362994(P2004−362994) |
|