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【発明の名称】 消音型キャビネット
【発明者】 【氏名】安藤 健志
【住所又は居所】愛知県愛知郡長久手町蟹原2201番地 日東工業株式会社内

【氏名】朝日 貴夫
【住所又は居所】愛知県愛知郡長久手町蟹原2201番地 日東工業株式会社内

【要約】 【課題】構造が簡単で低コストであり、設置条件に合わせて開口部の向きを容易に変更することができ、既存のキャビネットにも適用することができる消音型キャビネットを提供する。

【解決手段】筺体1に形成された吸気孔4と排気孔5の外側にアダプタ8を取り付け、吸気側と排気側にそれぞれ可撓性の吸音ダクト12,13を取り付ける。換気ファン6,7はこれらの吸音ダクト12,13を介して吸気と排気を行う。吸音ダクト12,13は蛇腹構造であることが好ましく、その開口端14,15の向きを設置場所に応じて自由に変えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に換気ファンを備えた筺体に形成された吸気孔と排気孔の少なくとも一方に、可撓性の吸音ダクトを取り付けたことを特徴とする消音型キャビネット。
【請求項2】
吸音ダクトがその内側の全部または一部に吸音材を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の消音型キャビネット。
【請求項3】
吸音ダクトが蛇腹構造を持つことを特徴とする請求項1記載の消音型キャビネット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内部機器の発熱による盤内温度の上昇を防止するための換気ファンを備えた消音型キャビネットに関するものである。
【0002】
筺体内部に通信機器その他の電子機器を収納したキャビネットでは、電子機器の発熱により盤内温度が上昇しすぎると誤動作を生じるおそれがある。そこで筺体内部にクーラーを設けて盤内を冷却するようにしたものもあるが、外気を取り込んでも電子機器に影響がない場合にはクーラーよりも安価な換気ファンを設けて冷却を行うことが多い。
【0003】
しかし換気ファンを運転する時の風切り音や内部に設置した電子機器のファンの駆動音により騒音が発生し、市街地などにおいては騒音問題となる。特にマンションなどに設置された場合には、筺体の側面に形成された吸気孔や排気孔が民家側に面していると、吸気孔や排気孔を音源として放射された音波が民家に到達し易く、騒音が問題視されることがある。
【0004】
そこで特許文献1に示すように、換気ファン側の筺体の前面全体をダクトで覆い、その上部の開口部を通じて吸排気を行わせるようにしたキャビネットが提案されている。この特許文献1の構造は優れた騒音防止効果が期待できるものの、構造が複雑であること、キャビネット毎に専用のダクトが必要であること、音源となる開口部が上方に限定されているため騒音が上向きに放射され、隣接地に高いマンションなどが建っている場合にはやはり騒音問題となるなどの問題がある。
【0005】
また特許文献2には、大型コンピュータなどの筺体の上部に取り付けられる消音器が記載されている。これは内部に吸音材を備えたボックスであり、優れた騒音防止効果を期待することができる。しかしこの特許文献2の消音器は室内で使用することを前提としており、屋外では使用できないこと、機器筺体の上部に消音器本体を設置するために全体が大型化することなどの問題がある。
【特許文献1】特開2003−204183号公報
【特許文献2】特開平5−102684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、構造が簡単で低コストであり、設置条件に合わせて開口部の向きを容易に変更することができ、既存のキャビネットにも適用することができ、屋外設置も可能である消音型キャビネットを提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた本発明の消音型キャビネットは、内部に換気ファンを備えた筺体に形成された吸気孔と排気孔の少なくとも一方に、可撓性の吸音ダクトを取り付けたことを特徴とするものである。なお吸音ダクトがその内側の全部または一部に吸音材を備えたものであることが好ましく、吸音ダクトが蛇腹構造を持つことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の消音型キャビネットは、筺体に形成された吸気孔と排気孔の少なくとも一方に可撓性の吸音ダクトを取り付けたものであるから、吸気孔や排気孔を音源とする騒音を吸音ダクトの内部で減衰させることができる。このように吸気孔や排気孔に吸音ダクトを取り付けるだけであるから低コストであるうえに、既存のキャビネットに取付けることができ、吸音ダクトは可撓性であるからその方向を自由に変えることができ、キャビネットの設置条件に応じて吸音ダクトの開口端の方向を民家側に向かないように変える、騒音問題を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の第1の実施形態の消音型キャビネットを示す側面図、図2はその背面図である。1はキャビネットの筺体であり、その正面には扉2が設けられ、その内部には通信機器などの電子機器3が収納されている。電子機器3の発熱による内部温度の上昇を防止するために、筺体1の背面には吸気孔4と排気孔5とが形成されており、その内側の吸気用の換気ファン6と排気用の換気ファン7とによって外気を筺体1の内部で循環させ、盤内を冷却している。なお内部で加熱された空気は上昇するため、排気孔5を吸気孔4よりも高い位置に設けることが好ましい。なお吸気用の換気ファン6と排気用の換気ファン7はそのどちらか一方のみを設けたものとしてもよい。
【0010】
これらの吸気孔4と排気孔5との外側を覆うように、筺体1の背面に箱状のアダプタ8がボルト等の適宜の固定手段によって取り付けられる。このアダプタ8は内部に隔壁9を設けて吸気室10と排気室11を形成し、吸気と排気とが混合しないようにしてある。
【0011】
アダプタ8の吸気室10と排気室11の側面には、それぞれ吸音ダクト12,13が取り付けられている。この実施形態では吸音ダクト12,13はアダプタ8の反対側の側面に取り付けてあるが、同一側であっても差し支えない。またアダプタ8の上面や下面に取り付けることも可能である。吸気は吸音ダクト12を通じて行われ、排気は吸音ダクト13を通じて行われる。なおこの実施形態では吸気側と排気側の双方に吸音ダクトを取り付けたが、一般に騒音レベルがより高い排気側だけに取り付けることもできる。
【0012】
吸音ダクト12,13は可撓性で伸縮自在なものであり、好ましくは蛇腹構造を持つ合成樹脂パイプあるいは金属パイプである。その長さは換気ファン6,7から発生する騒音の周波数帯域を最も大きく減衰できるように設定することが好ましく、換気ファン6,7のサイズ、ファン構造、回転数などによって騒音の周波数帯域は変化するため、それに応じて伸縮させることができる。
【0013】
また、吸音ダクト12,13は可撓性とされているため、その開口端14,15の向きを自由に変えることができる。具体的には、図2のように開口端14,15を下向きとしておけば、音源が下向きとなるので水平方向への騒音到達を抑制できる。また図3のように開口端14,15を横向きとしたり、上向きとすることも可能であり、キャビネットの設置条件に合わせて自由に音源の方向を変えることができる。
【0014】
吸音ダクト12,13による騒音低減は基本的には音波の干渉を利用するものであるが、吸音ダクト12,13を蛇腹構造としておけば、内部の断面積が長手方向に変化するのでマフラーと同一の原理による騒音低減が可能である。また吸音ダクト12,13やアダプタ8の内面にグラスウールなどの吸音材層を形成しておけば、吸音効果をより高めることができる。さらに筺体1の壁面を通じても騒音が出るため、筺体1の内面に吸音材を内張りするとともに、開口部の隙間からの騒音の洩れ出しを防止するためにパッキン等により隙間を封鎖することが好ましいことはいうまでもない。
【0015】
図4は本発明の第2の実施形態の消音型キャビネットを示す側面図、図5はその正面図である。前記した第1の実施形態と同様の部分は図面に同一の番号を付して説明を省略するが、この第2の実施形態は吸音ダクト12,13を直接筺体1に取付けた点において相違している。また筺体1は壁面31に取付けられている。通常はこのようなキャビネットの吸気孔4、排気孔5には図示しないルーバが取付けられているが、吸音ダクト12,13を取付ける場合には、前記ルーバを外してその取付孔を利用して吸音ダクト12,13を取付けることが可能である。
【0016】
本発明者の実験によれば、このように構成した本発明の消音型キャビネットは、吸音ダクト12,13のない従来型のキャビネットに比較して騒音レベルを5dB程度減少させることができる。また設置条件に合わせて吸音ダクト12,13の開口端14,15の方向を変えることができるため、周囲に民家がある場所に設置する場合にはより大きな騒音防止効果を得ることができる。さらに構造が簡単で安価に製造でき、既存のキャビネットに穴加工を施して簡単に適用できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態の消音型キャビネットを示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の消音型キャビネットを示す背面図である。
【図3】他の使用状態を示す背面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の消音型キャビネットを示す側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の消音型キャビネットを示す正面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 筺体
2 扉
3 電子機器
4 吸気孔
5 排気孔
6 換気ファン
7 換気ファン
8 アダプタ
9 隔壁
10 吸気室
11 排気室
12 吸音ダクト
13 吸音ダクト
14 開口端
15 開口端
31 壁面
【出願人】 【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
【住所又は居所】愛知県愛知郡長久手町蟹原2201番地
【出願日】 平成16年3月31日(2004.3.31)
【代理人】 【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄

【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎

【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫

【公開番号】 特開2005−286260(P2005−286260A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−101753(P2004−101753)