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【発明の名称】 電子部品撮像方法および電子部品装着装置
【発明者】 【氏名】伊藤 洋志
【住所又は居所】静岡県浜松市新都田1丁目9番地3号 株式会社テンリュウテクニックス内

【氏名】岡嵜 真一
【住所又は居所】静岡県浜松市新都田1丁目9番地3号 株式会社テンリュウテクニックス内

【要約】 【課題】撮像手段による物品や電子部品の画像認識を安定よくかつ確実に行なうことができ、照明手段を低コストにより長寿命化を達成させることができる物品撮像方法および電子部品装着装置を提供する。

【解決手段】発光ダイオードからなる照明手段2により停止状態または移動状態にある物品bを瞬間的に照明して、この照明時の物品bをCCDカメラからなる撮像手段1により撮像して画像情報を得るものであって、照明手段2による照明は、発光ダイオードに対して、該発光ダイオードの定格電流値以上の電流を供給して、この発光ダイオードの持つ定格電流値の光量より多い光量を得るもので、撮像手段1による撮像は、撮像手段1が停止することなく一連の連続した移動状態の中でその作業を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、移動開始位置から移動終了位置の往路とその逆の復路を移動可能な撮像手段とを備え、前記撮像手段で前記往復路のいずれかで電子部品を撮像して画像情報を得る電子部品撮像方法において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、前記移動開始位置から前記移動終了位置へ移動して前記電子部品を撮像後、前記移動開始位置に戻り、次の電子部品を前記移動開始位置から前記移動終了位置へ移動して撮像することを特徴とする電子部品撮像方法。
【請求項2】
駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、移動開始位置から移動終了位置の往路とその逆の復路を移動可能な撮像手段とを備え、前記撮像手段で前記往復路のいずれかで電子部品を撮像して画像情報を得る電子部品撮像方法において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、前記移動開始位置から前記移動終了位置へ移動して前記電子部品を撮像後、前記移動終了位置に留まり、次の電子部品を前記移動終了位置から前記移動開始位置に移動して撮像することを特徴とする電子部品撮像方法。
【請求項3】
各駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、該吸着ノズルの先端部に吸着保持された電子部品の保持状態を移動して撮像する撮像手段と、該撮像手段により得られた画像情報を処理し、その測定値に基づき、前記電子部品の装着位置を補正して基板に装着する電子部品装着装置において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、撮像後は移動開始位置に戻ることを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項4】
各駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、該吸着ノズルの先端部に吸着保持された電子部品の保持状態を移動して撮像する撮像手段と、該撮像手段により得られた画像情報を処理し、その測定値に基づき、前記電子部品の装着位置を補正して基板に装着する電子部品装着装置において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、撮像後は移動後の位置に留まり、次の電子部品を前記移動後の位置より移動開始して撮像することを特徴とする電子部品装着装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段による電子部品の画像認識を安定よくかつ確実に行なうことができ、しかも、電子部品の高速処理を行なうことができる電子部品撮像方法および電子部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の検査等において、CCDカメラを用いた画像認識によって検査用の測定値を得ることが知られているもので、更には、電子部品の組み立てや装着を行なう業界にあっても、これらの測定手段は電子部品装着装置に組み込まれている。
【0003】
この電子部品装着装置にあっては、精度の高い電子部品装着を行なうために、電子部品が吸着ノズルに吸着保持されて実装部へ移動する間に、該電子部品をCCDカメラにより撮像して、取り込んだその画像情報を電気信号に変換し、画像処理して所定の測定値を得ていた。
【0004】
そして、この測定値に基づいてあらかじめ定められた情報と異なるときは、電子部品の移動中に、装着位置を補正して該電子部品はプリント基板に装着されていた。
【0005】
このCCDカメラによる電子部品の撮像は、誤差の少ない高い精度の画像を得るためには、所定以上の光量を有する照明装置を用いることが必要であって、一般的には、ストロボによる閃光やハロゲンランプによる連続点灯等の手段が使用されていた。
【0006】
しかし、これらストロボやハロゲンランプは、その寿命が短く、電子部品装着装置にあって連続した長時間に対し、継続した安定光量が得られないもので、やむなく頻繁にその電球を交換する必要があった。
【0007】
特に、ハロゲンランプは、高価であると共に、その構成上、照明装置全体が大型化して、比較的各機構が密集する電子部品装着装置にあっては、その設置スペースにゆとりがないものでこの装置は十分に利用できない。
【0008】
一方、電子部品の撮像に使用される従来のCCDカメラは、そのカメラにシャッター機能を有しない場合、移動中の物品bを撮像すると、図7(a)に示すように、丸1における電子部品bは、丸2に示すように奇数部(ODD)の走査線を露光した後、丸3に示すように偶数部(EVEN)の走査線を露光するため、時間的な画像ブレを生じて、丸4に示すように、フレーム画像がブレてしまう欠点を有するものであった。
【0009】
また、シャッター機能を有する通常のカメラにより、移動中の電子部品bを撮像した場合でも、図7(b)に示すように、丸1における電子部品bは、丸2に示すように奇数部(ODD)の走査線しか露光しないため、丸3に示すように偶数部(EVEN)の露光はなく、丸4に示すように、解像度が半分の画像になってしまうものであるため、いずれの場合においても正確な電子部品bの画像情報を得ることができなかった。
【0010】
更に、従来のCCDカメラでのビデオ信号出力は単線であって、図8に示すように、奇数部(ODD)のビデオ信号を出力した後に、偶数部(EVEN)のビデオ信号を出力していたため、複線でビデオ信号出力が可能なカメラと比べて、画像取り込み時間(画像出力時間)が二倍必要となる。
【0011】
そのため、電子部品bの画像認識のための時間が長くなり、電子部品bの装着タクト時間を短縮させて、電子部品装着装置全体の稼働を高速化させる大きな目的が達成されない。等の様々な問題点を有するものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、発光ダイオードからなる照明手段により停止状態または移動状態にある電子部品を瞬間的に照明して、この照明時の電子部品を撮像手段により撮像して画像情報を得るものであって、照明手段による照明は、前記発光ダイオードに対して、該発光ダイオードの定格電流値以上の電流を供給して、この発光ダイオードの持つ定格電流値の光量より多い光量を得ることにより、撮像手段による電子部品の画像認識を安定よくかつ確実に行なうことができ、照明手段を低コストにより長寿命化を達成させることができる電子部品撮像方法および電子部品装着装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、移動開始位置から移動終了位置の往路とその逆の復路を移動可能な撮像手段とを備え、前記撮像手段で前記往復路のいずれかで電子部品を撮像して画像情報を得る電子部品撮像方法において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、前記移動開始位置から前記移動終了位置へ移動して前記電子部品を撮像後、前記移動開始位置に戻り、次の電子部品を前記移動開始位置から前記移動終了位置へ移動して撮像する物品撮像方法にある。
【0014】
また、駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、移動開始位置から移動終了位置の往路とその逆の復路を移動可能な撮像手段とを備え、前記撮像手段で前記往復路のいずれかで電子部品を撮像して画像情報を得る電子部品撮像方法において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、前記移動開始位置から前記移動終了位置へ移動して前記電子部品を撮像後、前記移動終了位置に留まり、次の電子部品を前記移動終了位置から前記移動開始位置に移動して撮像する電子部品撮像方法にある。
【0015】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、各駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、該吸着ノズルの先端部に吸着保持された電子部品の保持状態を移動して撮像する撮像手段と、該撮像手段により得られた画像情報を処理し、その測定値に基づき、前記電子部品の装着位置を補正して基板に装着する電子部品装着装置において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、撮像後は移動開始位置に戻る電子部品装着装置の構成にある。
【0016】
また、各駆動手段によりX、Y、Z方向への任意の移動とθ方向への任意の回転を行なう吸着ノズルと、該吸着ノズルの先端部に吸着保持された電子部品の保持状態を移動して撮像する撮像手段と、該撮像手段により得られた画像情報を処理し、その測定値に基づき、前記電子部品の装着位置を補正して基板に装着する電子部品装着装置において、
前記撮像手段は、一回の露光で全解像度での撮像が可能な電子シャッター機構を有し、撮像後は移動後の位置に留まり、次の電子部品を前記移動後の位置より移動開始して撮像する電子部品装着装置の構成にある。
【発明の効果】
【0017】
前述したように本発明は、撮像手段の照明用として用いられた発光ダイオードへ瞬間的に多くの電流を流すことにより、定格電流値以上の多くの光量を得ることができる。
【0018】
また、照明手段に発光ダイオードを用いることで、該照明手段の寿命も長くなり、照明手段自体の構成をコンパクトに製作できて、取付スペースの狭いところでも対応する。
【0019】
特に、前記した照明手段を用いることによって撮像手段の電子部品の画像撮像は、この撮像手段が電子部品の下方を移動中において、すなわち、撮像手段が停止することなく一連の連続した移動状態の中でその作業を行なうことができるもので、画像読取工程が大幅に短縮され、吸着ノズルに吸着保持された電子部品の画像処理における位置計測の際の撮像工程が大幅に高速化される。
【0020】
前記撮像手段による電子部品の撮像および画像処理による位置計測は、吸着ノズルが供給部において電子部品を吸着保持してから、機体内の実装部へ移動する過程において全て終了するため、電子部品のタクト時間の大幅な短縮化の目的が達成される。
【0021】
撮像手段は、光像入射手段によって間接的に映し出される電子部品の画像を撮像するするので、撮像手段の高さ方向の寸法を小さくすることができ、Z軸の移動距離を短くすることができる。したがって、電子部品の装着時間の短縮が可能となる。等の格別な効果を奏するものである。
【実施例】
【0022】
次に、本発明に関する物品撮像方法および電子部品装着装置の実施の一例を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1および図3においてAは、本発明実施例の物品撮像方法を採用した物品撮像装置で、撮像手段1と、照明手段2とからなる。
【0024】
なお、図1において3は、物品bを一方向から他方向へ連続して所定速度で移送するベルトコンベア等の移送手段である。
【0025】
そして、前記した撮像手段1は、CCD(電荷結合素子)を用いた電子カメラを用いて、光映像信号を電気信号に変換し、物品bの画像情報を得るもので、シャッター機能を備えていれば、後記する照明手段2によって外乱光の悪影響を低く抑えることができるものであって、その電子シャッタースピードは、カメラの設定により任意に変換し得るものであるが、1/60〜1/100,000秒程度の範囲に露光時間が制御されるものであり、好ましくは、1/1,000〜1/10,000秒程度が適当である。
【0026】
この得られた画像信号は、画像処理手段4に送られて、あらかじめ入力された定められた数値と比較演算されて、物品bの所望の認識がなされる。
【0027】
前記した照明手段2は、停止状態または移動状態にある物品bを瞬間的(閃光状)に照明して、撮像手段1による物品bの撮像精度を可及的に向上させるもので、一個または多数個群からなる発光ダイオードを用いる。
【0028】
この発光ダイオードの閃光時間は、撮像手段1の電子シャッタースピードによる露光時間以内に閃光するもので、この閃光時間を調整することにより該照明手段2の光量調整が可能となる。
【0029】
該発光ダイオードの光量は、この発光ダイオードに流れる電流値が大きい程光量が多く得られるが、通常、10〜20mA(定格電流値であって、それぞれの発光ダイオードによって異なる。)の電流しか流れない。
【0030】
しかし、発光ダイオードにおける閃光時間のデューティ比が1/10程度であれば、同じ発光ダイオードに対して100mA程度までの電流を流すことが可能となり、通常(定格電流値における)発光時の10倍程度の光量が得られることとなる。
【0031】
すなわち、図2において丸1に示すように、発光ダイオードの閃光が、その非閃光時と同一サイクルであると、デューティ比が1/2となって、次の閃光のための間合いがきわめて短くなり、発光ダイオードに対して定格電流値以下の電流しか流すことができず、したがって、定格電流値による光量以上の光量は得られない。
【0032】
しかし、図2において丸2,丸3に示すように、所定の間隔で発光ダイオードが閃光するように設定すれば、そのデューティ比は1/10,1/24となって、一回の発光ダイオードの閃光に対して、定格電流値の10倍程度の電流(パルス許容順電流)を流すことができるもので、これによって大きな光量で閃光されることになる。
【0033】
なお、前記したデューティ比は、図2に示される丸4図において、「パルス幅f/繰り返し周期g」により求められるもので、この発光ダイオードに流されるパルス許容順電流eは、パルス幅fやデューティ比などの駆動条件によってその許容値が異なるものであって、定められた特性図により求められる。
【0034】
したがって、前記のように構成される本発明実施例は、以下に述べる作用を奏する。
【0035】
図1に示すように、移送手段3上に物品bを供給し、所定速度で該移送手段3を運転させて、物品bが撮像手段1の撮像位置に達したことを検出手段5が検知すると、トリガー信号を発する。
【0036】
このトリガー信号は、制御手段6を介して撮像手段1および該撮像手段1と同調する照明手段2へ送信され、発光ダイオードの閃光と共に撮像手段1の電子シャッターが作動する。
【0037】
このとき、発光ダイオードの閃光時間は、撮像手段1の露光時間内で閃光するように設定されているため、十分な光量が得られる。
【0038】
これにより、CCDカメラには物品bの画像が取り込まれ、その電気信号が画像処理手段4へ送られ、所定の画像処理が行なわれて物品bの所望の認識がなされるもので、制御手段6に送信されて次工程に備える。
【0039】
このとき、照明手段2による照明は、その発光ダイオードに対して、該発光ダイオードの定格電流値以上の電流が供給され、これによって、この発光ダイオードの持つ定格電流値の光量より多い光量を得ることができるので、物品bを撮像するための十分な照明がなされる。
【0040】
図3において示す物品撮像装置Aは、撮像手段1および照明手段2がロボット7の可動アーム8に取り付けられた例を示すもので、停止状態または移動状態にある物品bの画像を取り込むものであって、その作用・効果は前述した図1に示す物品撮像装置Aと同様に奏されるものであり、また、ロボット7の可動アーム8が移動中であっても同様に撮像される。
【0041】
なお、本物品撮像装置Aにあっては、前記した撮像手段1および照明手段2の構成を有する装置であれば、例示しない他の様々な態様に応用できることはもちろんのことである。
【0042】
また、本発明実施例における撮像手段1は、フルフレームで撮影可能なシャッター機能を有するカメラを用いることで、高速に移動中の物品b(高速に撮像手段1が移動する場合であっても同様)に対しても解像度の高い画像を撮像することができる。
【0043】
すなわち、一般的なNTSC信号方式(テレビジョン信号の規格)によれば、テレビの画面はインターレース走査(飛び越し走査)を行なっており、垂直同期周波数は、人間の目に対して画面全体のフリッカ(ちらつき)が気にならない約60HZに定められ、水平同期周波数は、垂直同期周波数の262.5(525/2)倍に決められている。
【0044】
いわゆる、テレビジョンでは、人間の目の錯覚を利用してフィールド画像(半分の解像度の画像)を、時間的にずらして奇数部(ODD)と偶数部(EVEN)とを交互に表示するインターレース走査方式により、フレーム画像(一枚の画像)を表示している。
【0045】
そのため、前記した従来の技術において述べたように、シャッター機能を有しない通常のカメラで、移動中の物品bを撮像すると、図7(a)に示すように、丸1における物品bは、丸2に示すように奇数部(ODD)の走査線を撮像時間1/60秒で露光した後、丸3に示すように偶数部(EVEN)の走査線を撮像時間1/60秒で露光する、時間的経過が伴う二度の露光がなされているもので、この二度の露光で合計1/30秒かかることになる。
【0046】
そのため、図7(a)に示すように、一度目と二度目の露光とに時間的な誤差を生じ、この誤差が画像ブレを生じさせて、丸4に示すように、フレーム画像がブレてしまう。
【0047】
また、シャッター機能を有する通常のカメラにより、移動中の物品bを撮像すると、図7(b)に示すように、丸1における物品bは、丸2に示すように奇数部(ODD)の走査線しか露光しないため、縦方向の解像度がCCD本来の半分しか使用できず、丸3に示すように偶数部(EVEN)の露光はなくなって、丸4に示すように、解像度が半分の画像(フィールド画像)になる。
【0048】
しかしながら、本発明実施例の撮像手段1における一回の露光によりCCDカメラの全解像度での撮像が可能となる、いわゆる、フルフレームシャッターカメラを用いて、移動中の物品bを撮像すると、図7(c)に示すように、丸1における物品bは、丸2に示すように奇数部(ODD)と偶数部(EVEN)の露光が同時に行われる。
【0049】
すなわち、垂直同期信号周期は、約1/60HZとなり、全画素情報を読み出す撮像時間が、NTSC信号方式の垂直同期信号周期に準拠した1/60秒となって、一回の露光によりCCDカメラの全解像度での撮像が可能となる。
【0050】
そのために、時間的なブレが最小限に抑えられ、図7(c)において丸4に示すように、高速に移動中の物品bに対して、高い解像度の画像を撮像することができる。
【0051】
更に、このフルフレームシャッターカメラは、図8(b) に示すように、ビデオ信号出力が複線(奇数部と偶数部別)で同時に出力可能であるため、画像取り込み時間(画像出力時間)を従来カメラの半分の時間にすることができ、撮像工程の高速化が達成される。
【0052】
次に、本発明実施例の物品撮像方法を採用した電子部品装着装置Wを、図4〜図6および図13を参照して説明する。
【0053】
この電子部品装着装置Wは、図4に示すように、物品であるチップ部品やIC部品等の電子部品bを、その供給部mより受け取って実装部nへ移送し、その実装部nにおけるプリント基板c上に対して所定箇所へ所定部品を装着する。
【0054】
その装着位置は、慣用のコンピュータ等による制御手段6へ入力したあらかじめ定められたプログラムにしたがって高精度に得られるもので、X軸およびY軸方向へ任意に移動する装着ヘッド10および該装着ヘッド10に、Z軸方向へ任意に移動し、かつ、任意のθ角(回転角)が得られる吸着ノズル11を備えている。
【0055】
なお、前記した電子部品bの供給部mは、図4に示すように、トレーに多数の電子部品bが載置されたものや、同図において仮想線で示すように、所定並列で多数並べ設けたテープフィーダM等が用いられるもので、これらが機体12に設けられる。
【0056】
そして、その詳細な構成は、機体12へ取り付けて進退手段13により前後方向(Y軸)へ任意に移動する進退体14と、この進退体14に取り付けて移動手段15により左右方向(X軸)へ任意に移動する可動体16と、この可動体16へ係合した装着ヘッド10に昇降手段17により昇降自在に吸着ノズル11を取り付けてあると共に、回転手段18により縦軸方向を中心として任意のθ角(回転角)を回転自在としてあるもので、それぞれの駆動のための手段13および15,17,18は数値制御可能なサーボモータ等により高精度で作動される。
【0057】
なお、この装着ヘッド10は、電子部品bの上面を吸着する吸着ノズル式や、その外周を把持するチャッキング式等が付設されているもので、単ヘッドであってもかまわないが、図4あるいは図6に示すように、複数ヘッドに構成すれば、電子部品bの装着効率等が向上する。
【0058】
本実施例においては吸着ノズル式について示すものであって、該装着ヘッド10の下端部に吸着ノズル11が着脱自在に取り付けられる。
【0059】
そして、可動体16または装着ヘッド10には、物品撮像装置Aにおける撮像手段1および照明手段2が、一方向(往復も含む)へ、すなわち、複数ヘッドの場合は、該装着ヘッド10の一側において数値制御可能なサーボモータ等により制御される往復手段20により、取付体21を介して装着ヘッド10の並列方向に平行移動可能に取り付けられている。
【0060】
この撮像手段1は、装着ヘッド10により、機体12における供給部mから取り出された電子部品bの吸着姿勢を撮像・計測するもので、視覚センサ22と、光像入射手段23とにより構成される。
【0061】
このうち、視覚センサ22は、略水平の取付体21の一側に取り付けられ、装着ヘッド10に保持された電子部品bに対して側方に配設されるもので、CCD(電荷結合素子)を用いた電子カメラを用いて、光映像信号を電気信号に変換して、電子部品bの画像情報を得るものであって、このCCDカメラにシャッター機能を備えていれば、後記する照明手段2によって外乱光の悪影響を低く抑えることができるもので、その電子シャッタースピードは、カメラの設定により任意に変換し得るものであるが、1/60〜1/100,000秒程度の範囲に露光時間が制御されるものであり、好ましくは、1/1,000〜1/10,000秒程度が適当である。
【0062】
この得られた画像信号は、画像処理手段4に送られて、あらかじめ入力された定められた数値と比較演算されて、電子部品bの所望の認識がなされる。
【0063】
なお、前記した画像認識にあっては、吸着保持された電子部品bの全体のサイズや全体の前後左右方向の位置,電子部品bの回転角(θ角),リードピッチ,リード曲がり,リード本数等の各チェックを行なうもので、位置補正の結果、後記する制御手段6により電子部品bの中心位置がプリント基板cにおける載置位置の中心、すなわち、定められた正しい位置に合致するようにする。
【0064】
前記した光像入射手段23は、視覚センサ22に対応して取付体21の他側において装着ヘッド10の電子部品bの真下において、この取付体21の移動軌跡上に取り付けられているもので、プリズムや表面蒸着ミラーを用いるものであって、該光射面は、視覚センサ22と吸着ノズル11に吸着された電子部品bの下面へそれぞれ対応している。
【0065】
この光像入射手段23によって間接的に映し出される電子部品の画像を撮像することにより、視覚センサ22の高さ方向の寸法を短くすることができて、電子部品装着装置A全体をコンパクトに製作できる。
【0066】
この光像入射手段23において、表面蒸着ミラーを用いた場合には、プリズムに比べて安価で場所を取らない利点があり、プリズムを用いた場合には、表面蒸着ミラーより反射率が高くより鮮明の画質が得られる。
【0067】
また、該光像入射手段23は、図9(a)に示すように、一個設けることで視覚センサ22の露光方向は水平となり、図9(b)に示すように、二個設けることで視覚センサ22の露光方向は垂直となる。
【0068】
前記した照明手段2は、停止状態または移動状態にある電子部品bを瞬間的(閃光状)に照明して、撮像手段1による物品bの撮像精度を可及的に向上させるもので、一個または多数個群からなる発光ダイオードを用いるものであって、図5および図6に示すように、撮像手段1における光像入射手段23の上部へ取付部材29により固着してある。
【0069】
この発光ダイオードの閃光時間は、撮像手段1の電子シャッタースピードによる露光時間以内に閃光するもので、この閃光時間を調整することにより該照明手段2の光量調整が可能となる。
【0070】
また、発光ダイオードの光量は、該発光ダイオードに流れる電流値が大きい程光量が多く得られるが、通常、10〜20mA(定格電流値であって、それぞれの発光ダイオードによって異なる。)の電流しか流れない。
【0071】
しかし、発光ダイオードにおける閃光時間のデューティ比(1サイクル中の信号期間の比率)が1/10以下であれば、同じ発光ダイオードに対して100mA程度までの電流を流すことが可能となり、通常(定格電流値における)発光時の10倍程度の光量が得られることとなる。
【0072】
すなわち、図2において丸1に示すように、発光ダイオードの閃光が、その非閃光時と同一サイクルであると、デューティ比が1/2となって、次の閃光のための間合いがきわめて短くなり、発光ダイオードに対して定格電流値以下の電流しか流すことができず、したがって、定格電流値による光量以上の光量は得られない。
【0073】
しかし、図2において丸2,丸3に示すように、所定の間隔で発光ダイオードが閃光するように設定すれば、そのデューティ比は1/10,1/24となって、一回の発光ダイオードの閃光に対して、定格電流値の10倍程度の電流を流すことができるもので、大きな光量で閃光することになる。
【0074】
なお、前記したデューティ比は、図2に示される丸4図において、「パルス幅f/繰り返し周期g」により求められるもので、この発光ダイオードに流されるパルス許容順電流eは、パルス幅fやデューティ比などの駆動条件によってその許容値が異なるものであって、定められた特性図により求められる。
【0075】
なお、制御手段6は、撮像手段1の検出信号を受けて、あらかじめ定められたデータに基づいて演算し、前記各手段13,15,17,18あるいは往復手段20を個別に任意に制御するもので、慣用のコンピュータが用いられる。
【0076】
また、撮像手段1の撮像位置および照明手段2の閃光位置(撮像位置と同位置)を規制する位置検出部材25が設けられているものであって、例えば、光電管や近接スイッチ等が用いられるもので、可動体16へ、各装着ヘッド10に対応させて、それぞれ撮像手段1の撮像位置すなわち照明手段2の閃光位置に検出子26を取り付け、この検出子26に対応する検出体27を取付体21に設けてある。
【0077】
したがって、前記のように構成される本発明実施例の電子部品装着装置Wは、以下に述べる作用を奏する。
【0078】
プリント基板c上には、電子部品bがそれぞれ所定箇所へ所定個数が装着されるもので、この作業にあっては、これら設定値や動作順序等があらかじめ、制御手段6へ定められた各データをプログラムしてある。
【0079】
そして、その電子部品bの装着は、各駆動手段である進退手段13および移動手段15,昇降手段17,回転手段18を操作して、電子部品bの供給部mへ装着ヘッド10を移動させて該電子部品bを吸着保持する。
【0080】
すると、装着ヘッド10に取り付けられている往復手段20が作動して、取付体21に具備された該撮像手段1が照明手段2と共に、装着ヘッド10に対して左右方向(図6において矢印p方向)へ移動する。
【0081】
そして、位置検出部材25における検出体27が撮像手段1の撮像位置である検出子26に対応すると、該撮像位置に達したことを検知し、トリガー信号を発して、照明手段2における発光ダイオードに給電されると共に、撮像手段1の電子シャッターが作動し、光像入射手段23を介して視覚センサ22によって画像認識として取り込み、画像処理手段4および制御手段6へ送信する。
【0082】
このとき、発光ダイオードの閃光時間は、撮像手段1の露光時間内で閃光するように設定されている。
【0083】
また、照明手段2による照明は、その発光ダイオードに対して、該発光ダイオードの定格電流値以上の電流が供給され、これによって、この発光ダイオードの持つ定格電流値の光量より多い光量を得ることができるので、物品bを撮像するための十分な照明がなされる。
【0084】
なお、撮像手段1の撮像動作は、該撮像手段1が停止状態または移動状態のどちらの状態であっても構わないものであるが、停止することのない移動状態であれば、その分時間的ロスがなく、高速の電子部品bの装着が可能となる。
【0085】
更には、撮像手段1が、その都度、吸着保持されている電子部品bに対応して停止すると、慣性力等の作用により往復手段20や撮像手段1等に振動が発生するため、この振動の静鎮時間(そのままであると画像ブレを生ずる)が必要となるが、撮像手段1が停止することのない移動状態であれば、振動の発生が解消されて待機時間が全くなくなり、一層のタクト時間の短縮が計れる。
【0086】
これに伴って、制御手段6においては前記計測による信号とあらかじめ入力したデータとに基づいて演算が行なわれ、この電子部品bの画像情報処理を行なって補正数値を得る。
【0087】
このようにして、図4,図6に示すように4ヘッド式の場合には、残りの3へッド10に対して同様の工程を経て、各装着ヘッド10に取り付けられた吸着ノズル11に吸着保持された電子部品bの撮像位置において撮像手段1が停止することなく、一連の連続動作によって、画像処理手段4および制御手段6において補正処理が行われる。
【0088】
これらの作業は、吸着ノズル11が供給部mにおいて電子部品bを吸着保持してから、機体12内の実装部nへ移動する過程において全て終了し、該実装部nに到達したときには、直ちにプリント基板cへの電子部品bの装着が行なえるため、タクトタイムのロスが全くない。
【0089】
次に、この電子部品装着装置Wにおける撮像手段1に、前記において詳述したフルフレームで撮像可能なシャッター機能を備えたカメラ(視覚センサ22)を用いた場合の作用を、図5および図10に示すブロック図および図11,12に示すフローチャート図を参照して説明する。
【0090】
まず、電子部品装着装置Wが稼働を開始すると、制御手段6の信号により各駆動手段13,15,17,18が作動して、取付体21に設けた複数の装着ヘッド10群が供給部mへ移動し、希望する電子部品bをその吸着ノズル11により吸着保持する。
【0091】
このとき、複数の吸着ノズル11に対しては、その全て、または必要箇所において、あるいは必要個数の吸着ノズル11に電子部品bが吸着保持される。
【0092】
すると、装着ヘッド10は、供給部mから実装部nへそのXY軸方向へ移動するもので、該装着ヘッド10に取り付けられている往復手段20が作動して、取付体21に具備された該撮像手段1が照明手段2と共に、装着ヘッド10に対して左右方向(図6において矢印p方向)へ移動する。
【0093】
そして、位置検出部材25における検出体27が撮像手段1の撮像位置である検出子26に対応すると、該撮像位置に達したことを検知し、このとき、外部からの画像取り込みタイミングに合わせたトリガー信号がランダムシャッター発生回路に入力される(割り込み処理)。
【0094】
このランダムシャッター発生回路では、トリガー信号の入力により同期信号発生回路の一部の信号をリセットして、外部トリガー信号に同期して再スタートをかける。
【0095】
このとき、照明手段2における発光ダイオードに給電されると共に、撮像手段1のフルフレームシャッターが作動し、光像入射手段23を介して視覚センサ22(CCDカメラ)によって画像情報として取り込まれるもので、同期信号発生回路ではCCDカメラの駆動に必要な垂直同期信号や水平同期信号が作り出されてタイミング発生回路に送られる。
【0096】
そして、CCDドライバーで作り出された信号はCCDカメラ(視覚センサ22)へ送信され、該CCDカメラにおいてODD(奇数フィールド)とEVEN(偶数フィールド)とが同時に出力されて、電子部品bの全画素の読み出しがなされ、ビデオアンプおよびビデオ信号処理回路を経て、それぞれのODDビデオ信号,EVENビデオ信号が同時に出力されて、画像処理手段4および制御手段6へ送信される。
【0097】
なお、図10において、CCDの読み出しタイミング信号は、CCDカメラから出力されたビデオ信号を読み出すタイミング、またはその期間を示す信号であり、また、クロック信号は、CCDカメラから出力されたビデオ信号を読み出す信号の元となる同期信号である。
【0098】
制御手段6では、前記の工程により撮像手段1により得られた電子部品bの画像情報に基づいて、あらかじめ、この制御手段6に入力されている電子部品bの装着情報と比較演算し、その結果、位置ズレがある場合は、その補正量を電子部品装着装置Wにおける各手段13,15,17,18等を数値制御して、吸着ノズル11に吸着保持されている電子部品bの保持状態を修正し、定められた実装部nの基板cの装着位置に達するまでに、その全ての補正作業を終了させる。
【0099】
この撮像手段1の電子部品bの画像撮像は、該撮像手段1が往復手段20による電子部品bの下方を移動する間において、すなわち、撮像手段1が停止することなく一連の連続した移動状態の中で、その撮像作業を行なうことができるもので、画像読取工程が大幅に短縮されると共に、前記した照明手段2との協動による相乗効果により、吸着ノズルに吸着保持された電子部品bの画像処理における位置計測の際の撮像工程が大幅に高速化され、その結果、電子部品bの装着タクト時間の大幅な短縮化の目的が達成される。
【0100】
また、複数の装着ヘッド10からなる場合は、図13に示すように、撮像手段1の全移動工程hにおいて、その待機位置から移動終了位置への往復手段20による移動は、移動量ゼロの状態から加速され、所定の速度に達したら等速度でNO1の装着ヘッド10からNO4の装着ヘッド10へと撮像工程を行ないつつ移動するもので、撮像が終了すれば減速の後、吸着ノズル11による電子部品bの装着動作が妨げとならない位置に停止する。
【0101】
このとき、撮像手段1は直ちに往路におけるスタート位置に戻ってもよいが、次の電子部品bの吸着保持の動作に対応して、移動終了位置すなわち待機位置から復路の移動終了位置へ、前記移動工程を行ないつつ移動してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に関する物品撮像方法を採用した物品撮像装置の実施の第一例を示す概略の斜視図である。
【図2】図1における物品撮像装置の照明手段のデューティ比の各例を示す説明図である。
【図3】本発明に関する物品撮像方法を採用した物品撮像装置の実施の第二例を示す概略の斜視図である。
【図4】本発明に関する物品撮像方法を採用した電子部品装着装置の実施の一例を示す概略の平面図である。
【図5】図4における概略的な側面図である。
【図6】図4における概略的な斜視図である。
【図7】本発明に関する物品撮像方法における撮像手段にフルフレームシャッターカメラを用いた場合の説明図である。
【図8】図7における撮像手段のビデオ信号の出力状態を示す説明図で、(a)は従来例を、(b)は本発明実施例をそれぞれ示す。
【図9】図6における撮像手段の光像入射手段の各例を示す説明図である。
【図10】図6における撮像手段の撮像工程を示すブロック図である。
【図11】図6における撮像手段の撮像工程の撮像開始を示すフローチャート図である。
【図12】図6における撮像手段の撮像工程を示すフローチャート図である。
【図13】図6における撮像手段の撮像工程を示すその動作の説明図である。
【符号の説明】
【0103】
W 電子部品装着装置
b 物品,電子部品
c プリント基板
m 供給部
n 実装部
1 撮像手段
2 照明手段
13,15,17,18 駆動手段
22 視覚センサー(CCDカメラ)
23 光像入射手段
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【住所又は居所】静岡県磐田市新貝2500番地
【出願日】 平成17年4月8日(2005.4.8)
【代理人】 【識別番号】100116159
【弁理士】
【氏名又は名称】玉城 信一

【公開番号】 特開2005−252292(P2005−252292A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2005−112119(P2005−112119)