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【発明の名称】 医用電気機器
【発明者】 【氏名】山口 貴夫
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス株式会社内

【要約】 【課題】医用電気機器を大型化したり生産コストを増加したりすることなく、かつ、液体の飛散や誤作動のおそれを招く電磁波に対する防御性能および他装置の積み重ねに対する強度を確保しつつ、医用電気機器の内部において発せられる熱を、該医用電気機器の外部に効率的に放出可能であるような放熱手段を具備する医用電気機器の筐体を提供する。

【解決手段】医用電気機器1は、医用電気機器1の上面に設けられ、少なくとも一部の断面形状を凹凸形状とした天板6と、医用電気機器1の底面に設けられたベースシャーシ13と、医用電気機器1の内部に設けられ、一端がベースシャーシ13に対してビス止めおよび溶接されて固定されており、他端が天板6の平坦な部分に当接している支柱14とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の外装に使用される部材の少なくとも一部の断面形状が、凹凸形状であることを特徴とする医用電気機器。
【請求項2】
前記凹凸形状の前記一部に使用される部材が、熱伝導性の高い部材であることを特徴とする請求項1記載の医用電気機器。
【請求項3】
前記凹凸形状は、波形であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の医用電気機器。
【請求項4】
前記凹凸形状の前記一部の肉厚は、1mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の医用電気機器。
【請求項5】
前記凹凸形状の前記一部の外表面に導電物質がコーティングされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の医用電気機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医用電気機器に関し、特に、該医用電気機器使用時に発せられる熱を該医用電気機器の外部に効率的に放出可能である医用電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電気機器の小型化および高性能化に伴い、該電気機器が発した熱が該電気機器内部に蓄積し易く、また、該電気機器が発した熱が該電気機器の内部に設けられた電子回路等に影響を与えることにより、該電気機器自身の性能の低下を引き起こしやすくなってきている。そのため、該電気機器が発する熱を、該電気機器の外部に効率的に放出可能な手段が必要とされている。
【0003】
医用電気機器に関しても同様に、近年の小型化および高性能化により、効率的な放熱手段が必要とされており、例えば、内視鏡周辺機器の光源装置においては、特許文献1において提案されているような、ダクトメッシュと、通風口が設けられた通風口部材とを具備した通風口装置が提案されている。
【特許文献1】特開平7−194515号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医用電気機器においては、放熱手段として、一般的には、医用電気機器の内部において、部品間を空間により隔離して設置したり、強力なファンを設けて部品を冷却したりするといったような手段が採用されているが、このことは、医用電気機器の大型化、生産コストの増加等の問題を引き起こしている。このような問題は、前記特許文献1において提案されている通風口装置においても同様に存在するが、該通風口装置は、内視鏡周辺機器の光源装置内に設けられた冷却ファンによる放熱手段を採用しているため、前記問題点に関して十分に考慮された構成とはなっていない。
【0005】
また、医用電気機器の筐体は、一般的には、他装置の積み重ねに対する強度確保等のため、比較的厚めの板金によって形成されているが、このことは同時に、該医用電気機器における放熱効率の低下といった問題を引き起こしている。前記問題点は、前記特許文献1において提案されている通風口装置においても同様に存在するが、該通風口装置は、前記問題点に関しても十分に考慮された構成とはなっていない。
【0006】
本発明は、前記のような点に鑑みてなされたものであり、医用電気機器を大型化したり生産コストを増加したりすることなく、かつ、他装置の積み重ねに対する強度を確保しつつ、医用電気機器の内部において発せられる熱を、該医用電気機器の外部に効率的に放出可能であるような放熱手段を具備する医用電気機器の筐体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における医用電気機器は、筐体の外装に使用される部材の少なくとも一部の断面形状が、凹凸形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、他装置の積み重ねに対する強度を確保しつつ、断面形状の一部が凹凸形状である、比較的熱伝導性が高い部材を外装部材として使用することにより、医用電気機器を大型化したり生産コストを増加したりすることなく、医用電気機器の内部において発せられる熱を、該医用電気機器の外部に効率的に放出可能である医用電気機器用の筐体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1から図4は、本発明の第1の実施形態に係るものである。図1は、医用電気機器1を上面かつフロントパネル側から見た場合の外観図である。図2は、医用電気機器1を側面かつフロントパネル側から見た場合の外観図である。図3は、医用電気機器1をフロントパネル2側から見た場合の断面図である。図4は、医用電気機器1を側面から見た場合の断面図である。
【0011】
医用電気機器1の前面に設けられたフロントパネル2には、電源スイッチ3、内視鏡等のプローブ部分との接続が可能なコネクタ4、および医用電気機器1における各種設定を行なうために用いられる操作スイッチ5等が設けられている。また、医用電気機器1の背面にはリアパネル10が設けられている。
【0012】
医用電気機器1の上面には天板6が設けられている。また、天板6の一部の断面形状は、例えば、波形のような凹凸形状であり、かつ、該凹凸形状の部分の肉厚は1.0mm以下である。また、天板6の表面には導電物質がコーティングされている。
【0013】
医用電気機器1の側面には、医用電気機器1の内外の空気が流通できるように、図2において示すような複数の空気孔7が設けられている。なお、医用電気機器1の側面に設けられる側板は、本実施形態では、天板6の一部が折り曲げられて平らな板状であるが、側板も一部の断面形状が波形のような凹凸形状であってもよい。
【0014】
フロントパネル2の上部の一部と、リアパネル10の上部の一部に形成された折り返し部11とには、それぞれパッキン12が設けられている。天板6は、これら2つのパッキン12に当接して挟まれ、かつ、金属製のフロントシャーシ8の上部の折り返し部に設けられた天板支持具9に当接するように係合される。なお、パッキン12は、導電性および防水性を有した部材により形成されている。
【0015】
医用電気機器1の底面には、ベースシャーシ13が設けられている。また、医用電気機器1の内部であって、かつ、他装置15を積み重ねた際に、他装置15に設けられた脚16にかかる荷重を十分に支えることができる部分には、支柱14が形成されている。ここでは、支柱14は、医用電気機器1の左右両側面に沿うように伸張するような、コの字型形状に加工された1対の板金である。すなわち、支柱14は、その断面形状がコの字状となるように、板部材の両端に折り曲げ部を有する。支柱14は、一端がベースシャーシ13に対してビス止めおよび溶接されて固定されており、他端が天板6の平坦な部分に当接している。従って、支柱14において、ベースシャーシ13に当接する部分および天板6の平坦な部分に当接する部分は、それぞれ折り曲げられた折り曲げ部である。
【0016】
なお、ベースシャーシ13および支柱14は、他装置の積み重ねに対する強度を確保できるように、天板6よりも強度が高くなるような寸法および材質により形成されている。さらに、支柱14は、他装置15に設けられた脚16にかかる荷重を十分に支えることができる部分であれば、例えば、ベースシャーシ13の4隅にそれぞれ設けられるような形状および構成であってもよい。
【0017】
前記のような構成において医用電気機器1を使用した場合、医用電気機器1の内部に設けられた図示していない電子回路等の部品から発せされる熱は、天板6、フロントシャーシ8、リアパネル9、ベースシャーシ13等の各外装部に伝導する。特に、熱伝導性が高い部材を用いて薄肉に形成され、かつ、波形である天板6においては、熱が医用電気機器1の内部に蓄積しにくく、また、ラジエータ効果により、医用電気機器1が発する熱を効率的に医用電気機器1の外部に放出することができる。
【0018】
また、天板6、フロントシャーシ8、リアパネル9、ベースシャーシ13等の各外装部によって、医用電気機器1の内部に設けられた図示していない電子回路等の部品が遮蔽されるため、医用電気機器1の誤作動のおそれを招く、外部からの電磁波の侵入を防ぐことができる。特に、天板6の表面には導電物質がコーティングされているため、天板6における外部からの電磁波に対する防御効果は他の部分に比べ高くなっている。なお、天板6の部材として、例えば、アルミニウム等の比較的熱伝導性が高い部材を用いてもよい。
【0019】
加えて、防水性を有する部材を用いて形成されたパッキン12により、フロントパネル2とリアパネル9との両部に密着して天板6が設置されるため、液体が医用電気機器1に飛散した場合においても、医用電気機器1の内部に液体が侵入することを防止できる。
【0020】
さらに、天板6は、肉厚が1.0mm以下の薄肉に形成されているが、該肉厚は、通常使用において凹み等の変形が生じない程度のものであればよい。また、他装置15を本装置の上に積み重ねた場合においても、医用電気機器1の内部に設けられた支柱14が他装置15から加えられる荷重を支えるため、他装置15の積み重ねに対する強度を確保することができる程度の肉厚であればよい。
【0021】
(第2の実施形態)
図5から図7は、本発明の第2の実施形態に係るものである。なお、第1の実施形態と同様の構成を持つ部分については、詳細説明は省略する。また、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明は省略する。
【0022】
図5は、医用電気機器1を底面かつフロントパネル側から見た場合の外観図である。図6は、図7に示したVI−VI線に沿った医用電気機器1の断面の一部をフロントパネル側から見た図である。図7は、医用電気機器1の底面を構成する部品の外観図である。
【0023】
本実施形態における医用電気機器1には、上面だけではなく、底面101にも第1の実施形態における天板6と略同様の構成である底板103が取り付けられている。底板103には、ゴム脚105が設けられ、ビス106により固定されている。
【0024】
また、底板103が取り付けられている底面101は、比較的強度の高い部材を用いて形成されているシャーシフレーム102により補強されている。シャーシフレーム102は、医用電気機器1の内部に、略全体を底板103により覆われるように設けられ、ビス106により底板103に固定されている。なお、シャーシフレーム102の形状は、図7に示したような形状に限るものではなく、例えば、医用電気機器1の内部に設けられる回路基板、電源等の寸法形状に合わせた形状であってもよい。
【0025】
医用電気機器1の内部には支柱104が設けられている。支柱104の一端は天板6の裏面、すなわち、底板103側の面の平面部に当接しており、支柱104の他端はビス106により固定されている。また、天板6の上面の平面部の一部であって、裏面に支柱104が当接する部分には窪み部107が形成されている。
【0026】
前記のような、本実施形態における構成においては、液体の飛散や誤作動のおそれを招く電磁波に対する防御性能および他装置15の積み重ねに対する強度について、第1の実施形態と略同様の効果を得ることができる。それに加え、本実施形態における構成においては、天板6と略同様の構成である底板103が医用電気機器1の底面101に設けられているため、第1の実施形態よりも効率的に、医用電気機器1が発する熱を医用電気機器1の外部に放出することができる。
【0027】
また、天板6の平面部の一部に設けられた窪み部107は、他装置15の脚16が嵌り込むような構造として形成されているため、他装置15を積み重ねた際に、他装置15が外力によりずれてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の医用電気機器の筐体が用いられる医用電気機器を上面かつフロントパネル側から見た場合の外観図。
【図2】本発明に係る第1の実施形態の医用電気機器の筐体が用いられる医用電気機器を側面かつフロントパネル側から見た場合の外観図。
【図3】本発明に係る第1の実施形態の医用電気機器の筐体が用いられる医用電気機器を前面から見た場合の断面図。
【図4】本発明に係る第1の実施形態の医用電気機器の筐体が用いられる医用電気機器を側面から見た場合の断面図。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の医用電気機器の筐体が用いられる医用電気機器を底面かつフロントパネル側から見た場合の外観図。
【図6】図7に示したVI−VI線に沿った医用電気機器1の断面の一部をフロントパネル側から見た図。
【図7】本発明に係る第2の実施形態の医用電気機器の底面を構成する部品の外観図。
【符号の説明】
【0029】
1 医用電気機器、2 フロントパネル、3 電源スイッチ、4 コネクタ、5 操作スイッチ、6 天板、7 空気孔、8 フロントシャーシ、9 リアパネル、10 リアパネル、11 折り返し部、12 パッキン、13 ベースシャーシ、14 支柱、15 他装置、16 脚、101 底面、102 シャーシフレーム、103 底板、104 支柱、105 ゴム脚、106 ビス、107 窪み部
代理人 弁理士 伊 藤 進
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成16年3月8日(2004.3.8)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進

【公開番号】 特開2005−252195(P2005−252195A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−64516(P2004−64516)