| 【発明の名称】 |
回路装置の冷却機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 昭司 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】成瀬 幹夫 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】発熱部品の上方に配設された電子部品の温度上昇を低減することができる回路装置の冷却機構。
【解決手段】上下に配設された回路基板1a,1bには、半導体素子2a,2bが実装されている。冷却部材4に近い回路基板1aには、発熱量の大きな半導体素子が配設される。例えば、電力変換回路であれば大電力のIGBTが半導体素子2aとして回路基板1aに実装され、制御ICが半導体素子2bとして回路基板1bに実装される。回路基板1a,1bの間には、熱遮蔽部材5が配設される。半導体素子2aの熱で暖められた空気は曲線L1のように対流し、放熱フィン53に熱を逃がす。この対流は仕切り板52により阻止されて、回路基板1bに達することがない。そのため、半導体素子2bの温度上昇を抑えることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発熱部品の上方に電子部品を配設した回路装置の冷却機構であって、 前記発熱部品と前記電子部品との間に配設されるとともに冷却手段に熱的に接続される遮蔽部材を設け、 前記遮蔽部材の前記発熱部品に対向する面に、前記面から突出する複数のフィンと、前記フィンの突出する領域を囲むように突出して前記発熱部品の配設空間から前記電子部品の配設空間への空気の対流を阻止する壁部とを形成したことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項2】 請求項1に記載の回路装置の冷却機構において、 前記遮蔽部材の一部を前記発熱部品に接触させたことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項3】 請求項1または2に記載の回路装置の冷却機構において、 前記遮蔽部材の前記発熱部品に対向する部位を、前記発熱部品側に凸となる形状とするとともに前記電子部品側に凹となる形状としたことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項4】 請求項1または2に記載の回路装置の冷却機構において、 前記遮蔽部材の前記発熱部品に対向する部位を厚くして前記発熱部品側に凸となる形状としたことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の回路装置の冷却機構において、 前記遮蔽部材の前記電子部品と対向する面に、前記遮蔽部材よりも熱伝導率の小さな低熱伝導性部材を配設したことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の回路装置の冷却機構において、 前記フィンは略矩形断面を有する板状のフィンであって、断面長辺が前記発熱部品の配設空間の空気の対流方向を向くように前記フィンをそれぞれ配置するとともに、前記対流方向に対して前後に配置された前記フィン同士を前記対流方向に直交する方向にずらして配置したことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の回路装置の冷却機構において、 前記フィンは円筒形状または円柱形状のフィンであって、前記発熱部品の配設空間の空気の対流方向に対して前後に配置された前記フィン同士を、前記対流方向に直交する方向にずらして配置したことを特徴とする回路装置の冷却機構。 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の回路装置の冷却機構において、 前記フィンは略矩形断面を有する板状のフィンであって、断面長辺が前記遮蔽部材の前記発熱部品と対向する部位に対して放射状となるように前記フィンをそれぞれ配置したことを特徴とする回路装置の冷却機構。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、発熱部品の上方に間隔を開けて電子部品を配設する回路装置の冷却機構に関する。 【背景技術】 【0002】 電力変換装置であるインバータのスイッチング素子等に用いられる半導体素子は、大きな電流が流れるため発熱量が大きい。そのため、素子温度上昇を抑えるために冷却装置を付設する場合が多い。冷却装置の一例としては、半導体素子が取り付けられる平板状の放熱基板部と、放熱基板部の下面側に突設された多数の放熱フィンとを備えるものがある。半導体素子の熱は放熱基板部を介して放熱フィンへ伝達され、放熱フィンの表面から大気中へと放熱される(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 また、半導体素子が実装された回路基板が複数あった場合、スペースをコンパクトにするためにそれらの回路基板を上下に並べて配設することがある(例えば、特許文献2参照)。 【0004】 【特許文献1】特開平7−226466号公報 【特許文献2】特開2003−69270号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、回路基板を上下に配置すると、下側の回路基板に実装された半導体素子から放出される熱により上側に設けられた回路基板の温度が高くなりやすく、その回路基板上の半導体素子が過熱状態になるおそれがあった。また上側回路基板に上述した放熱フィンを有する冷却装置を取り付けても、下側回路基板からの熱によって十分な放熱効果が得られない。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は、発熱部品の上方に電子部品を配設した回路装置の冷却機構に関するものであり、発熱部品と電子部品との間に冷却手段に熱的に接続される遮蔽部材を配設する。遮蔽部材の発熱部品に対向する面には、複数のフィンが突出するように形成されている。そして、フィンの突出する領域を囲むように壁部が突出するように形成され、その壁部によって発熱部品の配設空間から電子部品の配設空間への空気の対流が阻止される。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、壁部によって発熱部品の配設空間から電子部品の配設空間への空気の対流が阻止されるので、電子部品の温度上昇を低減することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明による冷却機構の一実施の形態を示す図である。1a,1bは半導体素子2a,2bが実装された回路基板であり、熱伝導性の支持部材3a,3bによってそれぞれ冷却部4上に支持されている。冷却部4はペルチエ効果を用いた冷却装置や冷却水等により冷却しても良いし、金属製のヒートシンクで構成して空冷で冷却するようにしても良い。 【0009】 例えば、インバータ回路であれば、冷却部4に近い回路基板1aには発熱量の大きいIGBTやMOSFETなどが実装され、回路基板1bには制御用ICが実装される。一般的には、これらの回路基板1a,1bはケーシング(不図示)によって側方および上方を覆われている。なお、発熱量の大きな半導体素子2aを、絶縁性の熱伝導シート等を介して冷却部4に直接実装する場合もある。 【0010】 半導体素子2a,2bで発生した熱は、回路基板1a,1bから支持部材3a,3bを介して冷却部4へと伝達される。回路基板1aと回路基板1bとの間には、熱遮蔽板51とその熱遮蔽板51の裏面側に設けられた仕切り板52とを備えた熱遮蔽部材5が、間隔を開けて配設されている。熱遮蔽板51は支持部材3bの中間部分に取り付けられている。 【0011】 図2は図1のA−A断面図であり、冷却部4および支持部材3a,3bの図示は省略した。熱遮蔽板51の裏面には放熱フィン53が複数突設されている。仕切り板52は放熱フィン53が設けられた領域を囲むように形成されている。仕切り板52の高さh1は放熱フィン53の高さh2よりも大きく設定されており、例えば、仕切り板52の下端を回路基板1aの近くまで伸延させる。 【0012】 図3は回路基板1a側から熱遮蔽部材5の裏面側を見た図であり、放熱フィン53の断面形状とそれらの配置形態に関する3種類の例を(a)〜(b)に示した。いずれの場合にも、放熱フィン53の形状および配置は、対流する空気を放熱フィン53に効果的に当てて熱を吸収させるようにしており、対流を妨げないような構造とした。 【0013】 図3(a)に示す第1の例では、放熱フィン53Aの断面形状は長方形であって、領域S1,S2に設けられた放熱フィン53Aは長手方向を図示上下方向に揃えて設けられており、領域S3,S4および中央に設けられた放熱フィン53Aは長手方向を図示左右方向に揃えて設けられている。このように配置すると、放熱フィン53Aの断面長辺が中心方向に向く。 【0014】 また、中央部から見て前後(領域S3,S4)または左右(領域S1,S2)に並んだ列の放熱フィン53Aは互い違いに配設されている。例えば、領域S1の右から1列目の放熱フィン53Aと2列目の放熱フィンとを比較すると、図示上下位置がずれていて互い違いになっている。このようなフィン構造とすることにより、空気の流れが妨げられず放熱フィン53Aとの熱交換が効率よく行われる。なお、各放熱フィン53Aの断面長辺が中心を向くように、放熱フィン53Aを円形に配置しても良い。この場合にも、内側の列と外側の列の放熱フィン53Aを互い違いに配設して空気が周辺方向に流れやすくする。 【0015】 図3(b)に示す第2の例では、円柱状の放熱フィン53Bが図示上下方向および左右方向に規則的に配設されている。この場合も、上下の列および左右の列を比較すると、放熱フィン53Bは互い違いに配設されている。放熱フィン53Bを円柱状とすることにより対流が流れやすくなるとともに接触面積を比較的大きくすることができ、効果的な放熱を行うことができる。なお、放熱フィン53Bの形状を円柱ではなく円筒としても良く、断面形状は楕円等でもかまわない。また、それらの配置を同心円状としても良い 【0016】 図3(c)に示す第3の例では、各放熱フィン53Cは熱遮蔽板51の中央を中心として放射状に延在するように形成されており、対流する空気が流れ易い構造となっている。図3(c)に示す放熱フィン53Cの場合、放熱フィン53Cの面積が大きく、鋳造で製造した場合に鋳型からの空気が逃げやすい構造となり、鋳造における歩留まりの向上を図り易い。 【0017】 図2において、流線L1は回路基板1aによって暖められた空気の対流の状況を模式的に示したものである。回路基板1aに実装されている半導体素子2aで発生する熱により回路基板付近の空気、特に中央付近の空気が暖められ流線L1に示すように上方へと流れる。そして、放熱フィン53に衝突した後は、図3(a)に示すように放熱フィン53Aの間をすり抜けるように仕切り板52方向に対流する。上述したように仕切り板52の高さh1は放熱フィン53の高さh2に対してh1>h2のように設定されているので、空気は仕切り板52に沿って回路基板1a方向に降下する。 【0018】 なお、図3(a)〜図3(c)では図示左上の領域にのみ流線L1を示した。図3(b)に示す放熱フィン53Bの場合も図3(a)の場合と同様な流線L1となるが、図3(c)の場合には、放熱フィン53Cが放射状に形成されているので、暖められた空気は熱遮蔽板51の中心領域から放射状に流れる。このように、暖められた空気が放熱フィン53の間を流れる間に、放熱フィン53に熱が伝達されて空気が冷却される。放熱フィン53に伝達された熱は、熱遮蔽板51および支持部材3b(図1参照)を介して冷却部4へと逃がされる。 【0019】 上述したように、本実施の形態では回路基板1aと回路基板1bとの間に仕切り板52を設けた熱遮蔽部材5を配設したので、回路基板1bに対する半導体素子2aの発熱の影響、すなわち、輻射熱による影響および対流熱による影響を防止することができる。例えば、仕切り板52が無かった場合、暖められた空気は熱遮蔽板51の周辺に拡がった後に、熱遮蔽板51の縁を回り込んで回路基板1b側へと流れる。その結果、回路基板1bの温度が上昇して半導体素子2bが過熱するおそれがある。しかし、本実施の形態では、仕切り板52によりそのような回路基板1b側へ逃げる対流を阻止でき、半導体素子2bの過熱を防止できる。 【0020】 上述した実施形態において、支持部材3a,3bや熱遮蔽部材5は、熱伝導や暖められた空気からの放熱が効果的に行われるように熱伝導率の大きなアルミ系や銅系の金属を用いるのが好ましい。例えば、熱遮蔽部材5とを支持部材3a,3bとをアルミ鋳造により一体成型したり、一体成型された熱遮蔽部材5を支持部材3bにねじ止めしたり溶接したりしても良い。また、支持部材3a,3bは熱伝達機能に加えて回路基板1a,1bのグランドをとるものとしても機能しているが、これらは図1に示したような円柱形状に限らず種々の形状とすることができる。 【0021】 図4は冷却機構の第1の変形例を示す図であり、図2の場合と同様の断面図である。ここでは、熱遮蔽板5の裏面に放熱フィン53とは別の凸部54を形成した。この凸部54の先端(下端)は、放熱シートや接着剤等の介在物55を介して回路基板1aの半導体素子2aに熱的に接触している。なお、介在物55は無くても良い。 【0022】 半導体素子2aの熱は上述したように回路基板1aおよび支持部材3aを介して冷却部4に伝達されるが、ここでは、それに加えて凸部54を介して熱遮蔽板1に熱を逃がすことができる。そのため、IGBTのように放熱量の大きな半導体素子1aに対しては有効である。なお、上述した例では、凸部54を放熱フィン53と別のものとしたが、一部の放熱フィン53の長さを長くして、凸部54の代用としても良い。 【0023】 図5は冷却機構の第2の変形例を示す図である。図4の場合と同様の断面図である。上述した図2の熱遮蔽板51は、半導体素子2aの発熱により中央部ほど温度が高くなる。そこで、図5の熱遮蔽板51Aでは、発熱体である半導体素子2aに対向する部分を中心に下側に凸形状とした。このような形状とすることにより、暖められた空気の周辺部への対流がスムーズに行われ、熱の分散が効率的に行われる。また、熱遮蔽板51Aの温度の高い中央部が回路基板1bから遠ざかるため、回路基板1bに対する輻射熱の影響を低減することができる。その結果、回路基板1bや半導体素子2bの温度上昇を抑えることができる。 【0024】 また、図5に示す熱遮蔽板51Aは周辺部も中央部も同一厚さとしているが、図6に示す熱遮蔽板51Bのように凸状となった中央部の厚さを大きくするようにしても良い。このように中央部の厚さを大きくすると熱遮蔽板51Bの熱容量が大きくなり、熱遮蔽板51Bに吸収できる熱量が増大して熱遮蔽板51Bの温度上昇を抑えることができる。その結果、回路基板1bの温度上昇も抑えることができる。 【0025】 さらに、図7に示すように、熱遮蔽板51Bの上面にゴムシートのような低熱伝導性部材56を配設するようにしても良い。例えば、半導体素子2aの発熱量が大きい場合には、熱遮蔽板51Bの温度上昇が大きくなりやすく、熱遮蔽板51Bの上面における対流熱や輻射熱が大きくなって回路基板1bの温度上昇を招く。しかし、図7に示すように低熱伝導性部材56を設けることにより、回路基板1bへの熱の伝達を小さくすることができる。低熱伝導性部材56の材料としてはゴム材の他に樹脂等を用いることができ、それらを熱遮蔽板51Bの上面に貼り付ける。 【0026】 上述した実施の形態では、半導体素子2a,2bが回路基板1a,1bに実装されている場合を例に説明したが、必ずしもそのような場合に限らず、例えば上述したように半導体素子2aを冷却板4に実装するような場合にも本発明の冷却機構を適用することができる。すなわち、半導体素子2a,2bが上下に配設されるような場合に、その間に仕切り板52を設けた熱遮蔽部材5を配設することにより、半導体素子2bに対する下側の半導体素子2aからの熱的影響を低減することができる。さらに、半導体素子に限らず、一般的な電子部品に対しても同様の効果を奏する。 【0027】 以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、半導体素子2aは発熱部品を、半導体素子2bは電子部品を、冷却部材4は冷却手段を、仕切り板52は壁部をそれぞれ構成する。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明による冷却機構の一実施の形態を示す図である。 【図2】図1のA−Aの断面図である。 【図3】放熱フィンの断面形状と配置形態とを示す図であり、(a)は第1の例、(b)は第2の例、(c)は第3の例である。 【図4】第1の変形例を示す断面図である。 【図5】冷却機構の第2の変形例を示す図である。 【図6】冷却機構の第3の変形例を示す図である。 【図7】冷却機構の第4の変形例を示す図である。 【符号の説明】 【0029】 1a,1b 回路基板 2a,2b 半導体素子 3a,3b 支持部材 4 冷却部 5 熱遮蔽部材 51,51A,51B 熱遮蔽板 52 仕切り板 53,53A〜53C 放熱フィン 54 凸部 56 低熱伝導性部材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成16年3月8日(2004.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084412 【弁理士】 【氏名又は名称】永井 冬紀
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| 【公開番号】 |
特開2005−252175(P2005−252175A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−64169(P2004−64169) |
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