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【発明の名称】 一括曲げ装置および一括曲げ装置用組み込みユニット
【発明者】 【氏名】下里 和典
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】樋口 武文
【住所又は居所】神奈川県綾瀬市深谷6119−8 有限会社樋口電機工業内

【要約】 【課題】簡単な機構で一括曲げ加工を実現することができる一括曲げ装置および一括曲げ装置用組み込みユニットを提供すること。

【解決手段】中空軸18の周部18aには、2つの溝18b、18cが形成されている。一方の溝18bには、中空軸18の軸心線に平行な平行線に対して傾斜している一対の案内面22a、22bが形成されている。他方の溝18cには、中空軸18の軸心線に平行な平行線に対して傾斜している一対の案内面22c、22dが形成されている。つまり、一対の案内面22a、22bは、中空軸18の周部18aに形成された溝18bの壁面をなしている。また、一対の案内面22c、22dは、中空軸18の周部18aに形成された溝18cの壁面をなしている。2つの突出部材21a、21bは、それぞれ溝を介して回転軸17の2つの孔部に嵌め込まれ、各案内面22は、突出部材21を案内する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物に当接する当接片と、前記当接片を端部に設ける複数の回転軸と、前記回転軸を案内する複数の中空軸と、前記中空軸をその軸心線と平行に移動させる移動部材と、前記回転軸の周面から突出する突出部材と、前記中空軸に形成され前記突出部材を案内する案内面とを備え、
前記案内面は、前記中空軸の軸心線に平行な平行線に対して傾斜していることを特徴とする一括曲げ装置。
【請求項2】
複数の前記中空軸には、前記案内面が前記回転軸を時計回りに回転させる方向に傾斜して形成されたものと、前記案内面が前記回転軸を反時計回りに回転させる方向に形成されたものとが混在していることを特徴とする請求項2に記載の一括曲げ装置。
【請求項3】
前記中空軸を着脱可能に固定する固定部材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の一括曲げ装置。
【請求項4】
前記当接片は、前記回転軸に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の一括曲げ装置。
【請求項5】
物に当接する当接片と、前記当接片を端部に設ける複数の回転軸と、前記回転軸を案内する複数の中空軸と、前記回転軸の周面から突出する突出部材と、前記中空軸に形成され前記突出部材を案内する案内面とを備え、
前記案内面は、前記中空軸の軸心線に平行な平行線に対して傾斜していることを特徴とする一括曲げ装置用組み込みユニット。
【請求項6】
複数の前記中空軸には、前記案内面が前記回転軸を時計回りに回転させる方向に傾斜して形成されたものと、前記案内面が前記回転軸を反時計回りに回転させる方向に形成されたものとが混在していることを特徴とする請求項5に記載の一括曲げ装置用組み込みユニット。
【請求項7】
前記中空軸を着脱可能に固定する固定部材を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の一括曲げ装置用組み込みユニット。
【請求項8】
前記当接片は、前記回転軸に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項7の何れかに記載の一括曲げ装置用組み込みユニット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回転力を用いて物を曲げる一括曲げ装置および一括曲げ装置用組み込みユニットに関するものであり、より詳しくは、リード端子などを曲げ加工する一括クリンチ治具および一括クリンチ治具用組み込みユニットなどに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一括曲げ装置として、折曲げ片が形成された回動軸と、この回動軸を回動自在に支持する基板と、この基板に回動自在に支持されたL字状の駆動レバーと、この駆動レバーの一端に連結されたコ字状の第1のレバーと、この第1のレバーに回動自在に支持された連結レバーと、この連結レバーに回動自在に支持された第2のレバーと、第1のレバー、連結レバーおよび第2のレバーにそれぞれ回動自在に支持され端部が回動軸に固定された回動駆動片とを備え、駆動レバーにおける一度の回動操作によって全ての折り曲げ片を同時に回転させることができるリード一括折曲げ装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平4−48700号公報(第2頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の一括曲げ装置においては、駆動レバーにおける一度の回動操作によって折り曲げ片の全てを同時に回転させるために、駆動レバーと回動軸との間に複数の連結箇所が存在してしまうなど機構が複雑であるという問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、簡単な機構で一括曲げ加工を実現することができる一括曲げ装置および一括曲げ装置用組み込みユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、本発明の一括曲げ装置は、物に当接する当接片と、前記当接片を端部に設ける複数の回転軸と、前記回転軸を案内する複数の中空軸と、前記中空軸をその軸心線と平行に移動させる移動部材と、前記回転軸の周面から突出する突出部材と、前記中空軸に形成され前記突出部材を案内する案内面とを備え、前記案内面は、前記中空軸の軸心線に平行な平行線に対して傾斜していることを特徴とする構成を有している。
【0006】
この構成によれば、中空軸に加えられた軸心線方向の力が突起部材および案内面によって軸心線に垂直な方向の力に変換されるので、簡単な機構で一括曲げ加工を実現することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、前記案内面を前記中空軸の軸心線に平行な平行線に対して傾斜させることによって、中空軸に加えられた軸心線方向の力が突起部材および案内面によって軸心線に垂直な方向の力に変換されるので、簡単な機構で一括曲げ加工を実現することができるという効果を有する一括曲げ装置および一括曲げ装置用組み込みユニットを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態である一括曲げ装置について、図1ないし図5を参照して説明する。図1に示すように、一括曲げ装置1は、プリント基板2に設けられた各電子部品を一括曲げ加工する一括曲げ装置用組み込みユニット(以下、ユニットという)3と、ユニット3が組み込まれる箱体4と、箱体4に回動可能に設けられた蓋体5とを備える。
【0009】
箱体4は、ユニット3が載置される台座6と、回転運動を直線運動に変換して台座6を軸心線Aに平行な方向に昇降させる昇降機7と、昇降機7を駆動する回動レバー8と、蓋体5と係り合う係合部9を備える。ここで、台座6、昇降機7および回動レバー8は、移動部材としての機能を有している。
【0010】
蓋体5は、軸10を介して箱体4に回動可能に支持された第1のヒンジ部11と、第1のヒンジ部11に設けられプリント基板2を押圧する押圧ピン12と、軸13を介して第2のヒンジ部11に回動可能に支持された第2のヒンジ部14と、第2のヒンジ部14に設けられ箱体4の係合部9と係り合う被係合部15とを備える。
【0011】
図2(a)に示すように、ユニット3は、物に当接する当接片16と、当接片16を端部に設ける複数の回転軸17と、回転軸17を案内する複数の中空軸18と、回転軸17を回転自在に支持する支持部材19と、複数の中空軸18を固定する固定部材20と、回転軸17の周面17aから突出する突出部材21と、中空軸18に形成され突出部材21を案内する案内面22とを備える。
【0012】
図2(b)に示すように、当接片16は、図示しない孔部を有し、この孔部と回転軸17の端部とを貫くピン23によって着脱可能に設けられている。また、当接片16は、被加工部材の形状に応じて複数の形状を有している。具体的には、図3(a)に示すように、被加工部材24が板状であれば、当接片16は、被加工部材24と嵌め合う加工溝16aを有する。他方、図3(b)に示すように、被加工部材24が2本のリード線であれば、当接片16は、被加工部材24を構成する2本のリード線の間に位置可能な板部16bを有する。
【0013】
回転軸17の周面17aには、図示しない2つの孔が形成されている。他方、中空軸18の周部18aには、2つの溝18b、18cが形成されている。一方の溝18bには、中空軸18の軸心線に平行な平行線に対して傾斜している一対の案内面22a、22bが形成されている。他方の溝18cには、中空軸18の軸心線に平行な平行線に対して傾斜している一対の案内面22c、22dが形成されている。つまり、一対の案内面22a、22bは、中空軸18の周部18aに形成された溝18bの壁面をなしている。また、一対の案内面22c、22dは、中空軸18の周部18aに形成された溝18cの壁面をなしている。2つの突出部材21a、21bは、それぞれ溝を介して回転軸17の2つの孔部に嵌め込まれ、各案内面22は、突出部材21を案内する。
【0014】
図4(a)に示すように、中空軸18の軸心線Aに直交する直交線Vとし、軸心線Aおよび直交線Vをそれぞれ中空軸18に形成された溝18bの中心線C1(案内面22aおよび案内面22bに平行な直線)が存在する平面上に平行移動すると、図4(b)に示すように、溝18bの中心線C1は、中空軸18の軸心線Aに平行な平行線A1とこの平行線A1に直交する直交線V1とに挟まれて存在する。つまり、案内面22a、22bは、それぞれ中空軸18の軸心線Aに平行な平行線A1に対して傾斜しているとともに、平行線A1に直交する直交線V1に対しても傾斜している。
【0015】
他方、軸心線Aおよび直交線Vをそれぞれ中空軸18に形成された溝18cの中心線C2(案内面22cおよび案内面22dに平行な直線)が存在する平面上に平行移動させると、図4(c)に示すように、溝18cの中心線C2は、中空軸18の軸心線Aに平行な平行線A2とこの平行線A2に直交する直交線V2とに挟まれて存在する。つまり、案内面22c、22dは、それぞれ中空軸18の軸心線Aに平行な平行線A2に対して傾斜しているとともに、平行線A2に直交する直交線V2に対しても傾斜している。ここで、直交線V1および直交線V2の方向は、それぞれ軸心線Aに関して対称となっている。つまり、中心線C1および中心線C2は、同一平面上では交差している。
【0016】
なお、固定部材20には、雌ネジが切られた図示しないネジ孔が形成されている。雄ネジが切られた中空軸18の端部は、固定部材20のネジ孔に螺合して着脱可能に固定されている。
【0017】
以上のように構成された一括曲げ装置1について、その動作を図5を参照して説明する。図5(a)に示すように、プリント基板2は、その孔に案内された被加工部材24が当接片16の加工溝16aと嵌め合うように載置される。
【0018】
プリント基板2が載置された状態で、蓋体5が回動され、箱体4の係合部9が蓋体5の被係合部15と係合すると、押圧ピン12は、プリント基板2をユニット3側に押圧する(図1を参照)。
【0019】
プリント基板2がユニット3側に押圧された状態で、回動レバー8が回動されると、台座6が上昇し、固定部材20は、支持部材19との距離L0を縮めるように移動する。
【0020】
固定部材20が移動するとき、中空軸18は軸心線Aの方向の力Fを受けている。また、突起部材21は、力Fの案内面22aに垂直な方向の成分N0を受ける。このとき、突起部材21が力N0の軸心線Aと直交する方向(V方向)の成分N1を受け、突起部材21が嵌め込まれた回転軸17は反時計回りω方向(以下、ω方向という)に回転するようになる。
【0021】
図5(b)に示すように、固定部材20が支持部材19との距離をL0からL1まで縮める方向に移動すると(L0>L1)、回転軸17に設けられた当接片16がω方向に回転し、加工溝16aは被加工部材24に当接してω方向に回転力を与える。これによって、被加工部材24は曲げ加工される。
【0022】
なお、当接片16をω方向とは逆方向に回転させる、すなわち、当接片16を時計回りに回転させるには、溝18bの中心線C1(案内面22aおよび案内面22bに平行な直線)および溝18cの中心線C2(案内面22cおよび案内面22dに平行な直線)の方向が図4に示す方向と対偶になればよい。中心線Cの向きがそれぞれ異なる複数の中空軸18が1つの固定部材20に固定されれば、ω方向に回転する当接片16とω方向とは逆方向に回転する当接片16とが同時に存在するようになる。
【0023】
以上、本実施の形態によれば、中空軸18の直線運動が回転軸17の回転運動に変換されるので、複数の中空軸18を固定部材20に固定するという簡単な機構で一括曲げ加工を実現することができる。
【0024】
また、本実施の形態によれば、複数の当接片16がそれぞれ同時にω方向およびω方向とは逆方向に回転するので、回動レバー8を1度だけ操作すれば、同時に複数の方向に曲げ加工することができる。
【0025】
本実施の形態によれば、中空軸18が固定部材20に対して着脱可能なので、特定の中空軸18のみを取り替えることができる。
【0026】
本実施の形態によれば、当接片16が回転軸17に対して着脱可能なので、被加工部材24の種類に応じて当接片16を取り替えることができる。
【0027】
本実施の形態によれば、ユニット3が箱体4に対して着脱可能なので、加工されるプリント基板2に応じてユニット3を取り替えることができる。
【0028】
以上の説明では、案内面22が直線状に形成される例について説明したが、溝18b、18cが軸心線Aを中心とする螺旋状に形成される場合でも同様に実施可能である。また、中空軸18が一端に当接片16を設け支持部材19に支持されるとともに、回転軸17が固定部材20に固定される構成であっても同様に実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明に係る一括曲げ装置は、簡単な機構で一括曲げ加工を実現することができるという効果を有し、リード端子などを曲げ加工する一括クリンチ治具などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態である一括曲げ装置の全体構成を示す全体構成図
【図2】(a)本実施の形態におけるユニットの要部の構成を示す拡大図(b)本実施の形態における突起部材および案内面の配置を示す拡大図
【図3】(a)被加工部材が板状である場合の当接片の形状を示す斜視図(b)被加工部材がリード線である場合の当接片の形状を示す斜視図
【図4】(a)本実施の形態における中空軸の軸心線Aと直交線Vとの関係を示す関係図(b)本実施の形態における案内面C1、平行線A1および直交線V1との関係を示す関係図(c)本実施の形態における案内面C2、平行線A2および直交線V2との関係を示す関係図
【図5】(a)本実施の形態における当接片が回転する前の状態を示す状態図(b)本実施の形態における当接片が回転した後の状態を示す状態図
【符号の説明】
【0031】
1 一括曲げ装置
3 ユニット(一括曲げ装置用組み込みユニット)
6 台座(移動部材)
7 昇降機(移動部材)
8 回動レバー(移動部材)
16 当接片
17 回転軸
18 中空軸
19 支持部材
20 固定部材
21 突出部材
22 案内面
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【識別番号】504087514
【氏名又は名称】有限会社樋口電機工業
【住所又は居所】神奈川県綾瀬市深谷6119−8
【出願日】 平成16年3月5日(2004.3.5)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−252055(P2005−252055A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−61850(P2004−61850)