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【発明の名称】 シールド材及びその製造方法
【発明者】 【氏名】岡本 良平
【住所又は居所】東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同印刷株式会社内

【氏名】厚地 善行
【住所又は居所】東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同印刷株式会社内

【氏名】長谷部 聡
【住所又は居所】東京都文京区小石川4丁目14番12号 共同印刷株式会社内

【要約】 【課題】金属箔付き樹脂層を使用して何ら不具合が発生することなく容易に製造されると共に、所望の光学特性が得られるシールド材を提供する。

【解決手段】近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルム30上に粘着層16を介して樹脂層10が形成され、樹脂層10上に金属膜パターン14aが形成されている。さらに、金属膜パターン14a上方に反射防止層26が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムと、
前記プラスチックフィルム上に形成された粘着層と、
前記粘着層上に形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に形成された金属膜パターンとを有することを特徴とするシールド材。
【請求項2】
前記金属膜パターンの少なくとも上面及び両側面が黒化されていることを特徴とする請求項1に記載のシールド材。
【請求項3】
前記金属膜パターンは、前記樹脂層上に貼着された金属箔がパターニングされたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールド材。
【請求項4】
前記近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムは、第1プラスチックフィルムの片面に近赤外線吸収層が形成されたものであり、
前記第1プラスチックフィルムの露出面、又は前記近赤外線吸収層の露出面が、前記粘着層を介して前記樹脂層に貼着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシールド材。
【請求項5】
前記樹脂層及び前記金属膜パターンの上方に、反射防止層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシールド材。
【請求項6】
前記反射防止層は第2プラスチックフィルムの片面に形成されており、前記第2プラスチックフィルムの前記反射防止層が形成されていない面が、粘着層を介して前記樹脂層及び金属膜パターンの上に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のシールド材。
【請求項7】
前記近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムの下面に貼着されたガラス基板をさらに有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシールド材。
【請求項8】
前記近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムの下面に粘着層が形成されており、前記シールド材は前記粘着層を介してPDPの表示画面に貼着されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシールド材。
【請求項9】
金属箔が樹脂層の片面に貼着された構造の金属箔付き樹脂層と、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムとを用意する工程と、
前記金属箔付き樹脂層の該樹脂層の露出面と、前記近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムとを粘着層を介して貼着する工程と、
前記金属箔をパターニングすることにより、前記樹脂層上に金属膜パターンを形成する工程とを有することを特徴とするシールド材の製造方法。
【請求項10】
前記金属膜パターンを形成する工程の後に、前記金属膜パターンの上面及び両側面を黒化する工程をさらに有することを特徴とする請求項9に記載のシールド材の製造方法。
【請求項11】
前記近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムは、第1プラスチックフィルムの片面に近赤外線吸収層が形成されたものであり、
前記樹脂層の露出面と、前記近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムとを粘着層を介して貼着する工程において、前記近赤外線吸収層の露出面、又は前記第1プラスチックフィルムの露出面を、前記粘着層を介して前記樹脂層の露出面に貼着することを特徴とする請求項9又は10に記載のシールド材の製造方法。
【請求項12】
前記金属膜パターンの上面及び両側面を黒化する工程の後に、前記樹脂層及び前記金属膜パターンの上方に反射防止層を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載のシールド材の製造方法。
【請求項13】
前記反射防止層は、第2プラスチックフィルムの片面に形成されており、前記反射防止層を形成する工程において、前記第2プラスチックフィルムの露出面を、前記樹脂層及び前記金属膜パターンの上に粘着層を介して貼着することを特徴とする請求項12に記載のシールド材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド材及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、PDP(プラズマディスプレイパネル)から漏洩する電磁波を遮断できるシールド材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広い視野角をもち、表示品質がよく、大画面化ができるなどの特徴をもつPDP(プラズマディスプレイパネル)は、マルチメディアディスプレイ機器などに急速にその用途を拡大している。
【0003】
PDPは気体放電を利用した表示デバイスであり、管内に封入されている気体を放電によって励起し、紫外領域から近赤外線領域に至るまで広い波長の線スペクトルを発生する。PDPの管内には蛍光体が配置されており、この蛍光体は紫外線領域の線スペクトルで励起されて可視領域の光を発生する。
【0004】
PDPの駆動によりマイクロ波や超低周波などの電磁波が発生し、わずかではあるが外部に漏洩する。情報機器装置などにはこれらの電磁波の漏洩の規定が定められているため、電磁波の漏洩を規定値以下に抑える必要がある。
【0005】
また、PDPは、その表示画面が平滑であることから外部からの光が表示画面に入射するときに入射光が反射して画面のコントラスト比が低下するため、外部からの入射光の反射を抑える必要がある。
【0006】
また、PDPから放出される近赤外線の波長はリモートコントロール装置及び光通信などで使用される波長(800nm〜1000nm)に近く、これらの機器をPDPの近傍で動作させた場合、誤動作を起こすおそれがあるので、PDPからの近赤外線の漏洩を防止する必要がある。
【0007】
これらの目的でPDPの表示画面の前方にシールド材が設置される。
【0008】
従来のシールド材は、透明基材上に電磁波を遮断するための金属膜パターンが形成されて基本構成され、必要に応じて近赤外線吸収層や反射防止層が別途形成される。
【0009】
例えば、特許文献1には、導電性金属付きプラスチックフィルムの導電性金属をパターニングすることにより、プラスチックフィルム上に接着層を介して金属膜パターンを形成することが記載されている。
【0010】
また、特許文献2(図2)には、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層及び外光の反射防止層からなる光学フィルムを粘着層を介してPDPの前面に貼着することが記載されている。
【特許文献1】特開平11−145676号公報
【特許文献2】特開2000−156182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、本願発明者は、従来のシールド材よりも光学特性が優れるシールド材として、薄膜の樹脂層(例えば20μm程度)の上に金属膜パターンが形成されて基本構成される簡易な構造のシールド材について鋭意研究した。そのようなシールド材の製造方法は、まず、金属箔付き樹脂層の金属箔がパターニングされて樹脂層上に金属膜パターンが形成され、その後に、金属膜パターンの通電部が露出するように金属膜パターンの上方に近赤外線吸収層及び反射防止層が順に形成される。
【0012】
そして、このシールド材は、樹脂層の下面(裏面)が粘着層を介してPDPの表示画面に直接貼着されたり、あるいは樹脂層の下面(裏面)がガラス基板に貼着された後にPDPの前方に設置されたりする。
【0013】
しかしながら、上記した製造方法では、極めて剛性の弱い薄膜の樹脂層をいわゆる基板として使用するので、各種の製造工程において取り扱いが困難であり、生産効率が悪いという問題がある。この対策として、剛性の強い仮の基板上に金属箔付き樹脂層を剥離できる状態で形成した後に、各種の製造工程を遂行する方法が考えられるが、樹脂層を仮の基板から剥離した後に、剛性の弱い樹脂層をPDPの表示画面に貼着したり、ガラス基板に貼着したりする際の作業上の問題が残る。しかも、この方法では、製造工程が煩雑になり、製造コストの上昇を招く場合が想定される。
【0014】
なお、上述した特許文献1では、金属箔付き樹脂層を使用してシールド材を製造する際の上記したような問題については何ら考慮されていない。
【0015】
また、上記した特許文献2では、反射防止層の下にフィルムを介して近赤外線吸収層が形成された構成である。このように、反射防止層の下近傍に近赤外線吸収層が設けられる場合、反射防止層から発生する干渉縞(色むら)がその下近傍の有色の近赤外線吸収層の影響で増強されることにより、シールド材の光学特性が劣化する傾向がある。
【0016】
本発明は以上の問題点を鑑みて創作されたものであり、金属箔付き樹脂層を使用して何ら不具合が発生することなく容易に製造されると共に、所望の光学特性が得られるシールド材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、本発明はシールド材に係り、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルム上に形成された粘着層と、前記粘着層上に形成された樹脂層と、前記樹脂層上に形成された金属膜パターンとを有する。
【0018】
本発明では、まず、金属箔が薄膜の樹脂層の片面に貼着された構造の金属箔付き樹脂層の樹脂面が、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルム上に粘着層を介して貼着される。これにより、剛性の弱い金属箔付き樹脂層は、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムによってその剛性が補強された状態となる。その後に、金属箔がパターニングされて金属膜パターンが樹脂層上に形成される。近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムとしては、第1プラスチックフィルムの片面に近赤外線吸収層が設けられたものが好適に使用される。
【0019】
このように、本発明のシールド材では、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムが補強基板として利用されるので、製造工程において金属箔付き樹脂層の取り扱いが容易になる。このため、本発明のシールド材は、低コスト及び高歩留りで容易に製造される。しかも、後で近赤外線吸収層を特別に形成する方法に対して製造工程が増加することもない。
【0020】
本発明の好適な態様では、金属膜パターン及び樹脂層の上方に粘着層を介して反射防止層が設けられる。前述したように、本発明と違って、反射防止層の直下に近赤外線吸収層が設けられる場合、反射防止層から発生する干渉縞(色むら)がその直下の有色の近赤外線吸収層の影響で増強されることにより、シールド材の光学特性が劣化する傾向がある。
【0021】
しかしながら、本発明では、反射防止層と近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムとの間には、粘着層、金属膜パターン及び樹脂層などが介在することから、反射防止層と近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムとが比較的離れて配置されることになる。従って、反射防止層から発生する干渉縞(色むら)が不必要に増強されることはなく、シールド材の光学特性の劣化が防止される。
【0022】
反射防止層は、好適には、第2プラスチックフィルム上に形成されており、第2プラスチックフィルムの反射防止層が形成されていない面が、粘着層を介して樹脂層及び金属膜パターンの上に形成されている。
【0023】
また、上記した発明において、金属膜パターンの少なくとも上面及び両側面が黒化されていることが好ましい。
【0024】
本発明のシールド材は、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムの露出面に粘着層が設けられ、その粘着層がPDPの表示画面に貼着されてPDPに設置される。あるいは、近赤外線吸収機能を備えたプラスチックフィルムの露出面が粘着層を介してガラス基板に貼着され、ガラス基板の露出面(下面)がPDPに対向して表示画面の前方に設置される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明のシールド材は、低コスト及び高歩留りで容易に製造されると共に、反射防止層を設ける場合、反射防止層の干渉縞(色むら)が増強することなく、光学特性の劣化が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
【0027】
図1(a)〜(e)は本発明の実施形態のシールド材の製造方法を示す断面図である。本発明の実施形態のシールド材の製造方法は、まず、図1(a)に示すように、膜厚が例えば20μm程度の樹脂層10上に銅箔14(金属箔)が貼着された構造の銅箔付き樹脂層20を用意する。
【0028】
前述したように、このような薄膜の銅箔付き樹脂層20は剛性が弱いことからその取り扱いが困難であり、作業効率が悪い。本発明の特徴の一つは、このような銅箔付き樹脂層20を使用して、何ら不具合が発生することなく、所要のシールド材を容易に製造することにある。本実施形態では、図1(b)に示すように、PETフィルムなどの第1プラスチックフィルム32とその片面に形成された近赤外線吸収層34とにより構成される近赤外線吸収フィルム30を補強基板として使用する。
【0029】
すなわち、図1(c)に示すように、近赤外線吸収フィルム30の近赤外線吸収層34の露出面に粘着層16を介して上記した銅箔付き樹脂層20の樹脂層20の露出面を貼着する。あるいは、逆に、近赤外線吸収フィルム30の第1プラスチックフィルム32の露出面に粘着層16を介して銅箔付き樹脂層20の樹脂層20の露出面を貼着してもよい。
【0030】
これにより、銅箔付き樹脂層20は近赤外線吸収フィルム30上に形成され、銅箔付き樹脂層20の剛性が補強される。従って、後に説明する各種の製造工程において、銅箔付き樹脂層20の取り扱いが容易となり、作業効率を向上させることができる。しかも、補強基板として近赤外線吸収フィルム30を使用することから、後で近赤外線吸収層を特別に形成する方法に対して製造工程が増加することもない。
【0031】
次いで、図1(d)に示すように、図1(c)の構造体の銅箔14上に銅膜パターンを形成するためのレジスト膜15をフォトリソグラフィによりパターニングした後、そのレジスト膜15をマスクにして銅箔14をエッチングする。その後に、レジスト膜15が除去される。
【0032】
これにより、図1(e)に示すように、樹脂層10上に銅膜パターン14a(金属膜パターン)が形成される。銅膜パターン14aはPDPから漏洩する電磁波を遮断するものであり、例えばメッシュ状に形成される。このとき同時に、シールド材となる領域の樹脂層10上の周縁部に銅膜パターン14aに繋がる通電部14xが形成される。
【0033】
次いで、図2に示すように、図1(e)の構造体を亜塩素酸ソーダ水溶液とカセイソーダ水溶液との混合液により化成処理することにより、銅層パターン14aの上面及び両側面を黒化処理して黒色層14bを形成する。
【0034】
なお、銅層パターン14aの下面(裏面)にも黒色層が形成された形態としてもよい。この場合、前述した銅箔付き樹脂層20を用意する工程において、片面が電解めっきによって黒化された銅箔を用意し、銅箔の黒化された面を熱プレスなどで樹脂層に貼着することにより、銅箔付き樹脂層とすればよい。
【0035】
以上のように、銅箔付き樹脂層20は近赤外線吸収フィルム30によって剛性が補強されているので、銅箔14のパターニング工程や銅膜パターン14aの黒化処理の工程において、取り扱いが容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0036】
これにより、本発明の実施形態の第1のシールド材1が完成する。
【0037】
図2に示すように、本実施形態の第1のシールド材1では、第1プラスチックフィルム32とその上に形成された近赤外線吸収層34とにより構成される近赤外線吸収フィルム30上に粘着層16を介して樹脂層10が形成されている。さらに、樹脂層10上には銅膜パターン14a(金属膜パターン)が形成されている。また、銅膜パターン14aの上面及び両側面には黒色層14bが形成されている。本実施形態の第1のシールド材1は、前述したように、近赤外線吸収フィルム30によって銅箔付き樹脂層20の剛性が補強された状態で製造されるので、製造工程において何ら不具合が発生しない。このため、シールド材1は低コスト及び高歩留りで容易に製造されるようになる。
【0038】
このようにして基本構成される本実施形態の第1のシールド材1は、図3に示すように、近赤外線吸収フィルム30の露出面(下面)に粘着層16aが形成され、その粘着層16aの下面にそれを保護するためのセパレータ18が貼着される。セパレータ18は剥離層を備えたPETフィルムよりなり、粘着層16aに対して選択的に剥離できるようになっている。そして、図4に示すように、このシールド材1のセパレータ18が選択的に剥離されて、シールド材1の粘着層16aがPDPの表示画面に直接貼着される。さらに、帯電防止のために、周辺部に露出する通電部14xがPDPの筐体の接地端子に電気的に接続される。
【0039】
また、図5に示すように、下面の周縁部に黒枠層22xが設けられた透明のガラス基板22を用意し、本実施形態のシールド材1(図4)を粘着層16aを介してガラス基板22の上面に貼着してもよい。これにより、本実施形態の第2のシールド材1aが得られる。第2のシールド材1aは、ガラス基板22の露出面(下面)がPDPの表示画面に対向するようにPDPの前面に設置される。
【0040】
第1及び第2のシールド材1,1aでは、銅膜パターン14aは良導体であるので、PDPの表示画面から放出されるマイクロ波や超低周波などの電磁波を遮断することができる。また、銅膜パターン14a及び通電部14xはその上面及び両側面に黒色層14bが形成されているため、外部からの入射光の反射が低減され、PDPの表示性能を向上させることができる。さらに、近赤外線吸収層34を備えているので、リモートコントロール装置などをPDPの近傍で操作しても誤動作を起こすおそれがなくなる。
【0041】
また、図6には本実施形態の第3のシールド材1bが示されている。第3のシールド材1bは、第1のシールド材1(図4)に反射防止機能がさらに追加されたものである。すなわち、図6に示すように、第3のシールド材1bでは、図4のシールド材1の上面側に、PETフィルムなどの第2プラスチックフィルム24とその片面に形成された反射防止層26とにより構成される反射防止フィルム28の第2プラスチックフィルム24の面が粘着層16bを介して貼着されている。第2プラスチックフィルム24は紫外線(UV)吸収機能を備えている。あるいは、近赤外線吸収フィルム30を構成する第1プラスチックフィルム32が紫外線(UV)吸収機能を備えるようにしてもよい。
【0042】
そして、銅膜パターン14aは粘着層16bに埋設されており、反射防止フィルム28はその上面が平坦化されて形成されている。また、反射防止フィルム28は、銅膜パターン14aに繋がる通電部14xの所要部が露出するようにして形成されている。第3のシールド材1bは、第1のシールド材1(図4)と同様に、その粘着層16aがPDPの表示画面に直接貼着されてPDPに設置される。
【0043】
ところで、反射防止層26は、屈折率の異なる膜を積層し、その光学的干渉作用を利用するものであるので、干渉縞(色むら)が発生しやすい。しかも、本実施形態と違って、反射防止層26の直下に近赤外線吸収層34が配置される場合、近赤外線吸収層34は色素を含んで着色されているので、反射防止層26から発生する干渉縞(色むら)がその直下の近赤外線吸収層34の色によって増強される傾向がある。
【0044】
しかしながら、本実施形態の第のシールド材1bでは、反射防止フィルム28と近赤外線吸収フィルム30との間には、粘着層16b、銅膜パターン14a、樹脂層10及び粘着層16が介在しており、反射防止フィルム28と近赤外線吸収フィルム30とは比較的離れて配置されている。このため、反射防止層26の干渉縞(色むら)が近赤外線吸収層34によって増強されることが抑制され、シールド材1bの光学特性の劣化が防止される。このような観点からは、図6において、近赤外線吸収層34が第1プラスチックフィルム32の下面に形成され、反射防止層26と赤外線吸収層34とがさらに離れて配置されるようにしてもよい。
【0045】
また、図7には第4のシールド材1cが示されている。本実施形態の第4のシールド材1cでは、下面の周縁部に黒枠層22xが設けられた透明のガラス基板22の上面に図6の第3のシールド材1bが形成された構成であり、これらは粘着層16aによって貼着されている。第4のシールド材1cは、第2のシールド材1a(図5)と同様に、そのガラス基板22aの露出面(下面)がPDPの表示画面に対向してPDPの前面に設置される。
【0046】
第3及び第4のシールド材1b,1cでは、第1及び第2のシールド材1,1aの効果に加えて、最外部に反射防止層26を備えているので外光の反射を抑えることができ、PDPの表示画像のコントラスト比を向上させることができる。しかも、上記したような理由により、反射防止層26の干渉縞(色むら)が近赤外線吸収層34の色によって増強されることが防止される。また、反射防止フィルム28が紫外線(UV)吸収機能を備えているので、人体に有害な紫外線を遮断することができる。
【0047】
さらに、第1〜第4のシールド材1〜1cにおいて、必要に応じて近赤外線吸収層34にネオンの発光を抑える色の顔料を含有させてもよい。この場合、ネオンのオレンジ色の発光が補正されてPDPのカラー表示性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1(a)〜(e)は本発明の実施形態のシールド材の製造方法を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の実施形態の第1のシールド材を示す断面図(その1)である。
【図3】図3は本発明の実施形態の第1のシールド材を示す断面図(その2)である。
【図4】図4は本発明の実施形態の第1のシールド材を示す断面図(その3)である。
【図5】図5は本発明の実施形態の第2のシールド材を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の実施形態の第3のシールド材を示す断面図である。
【図7】図7は本発明の実施形態の第4のシールド材を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…第1のシールド材、1a…第2のシールド材,1b…第3のシールド材,1c…第4のシールド材、10…樹脂層、14…銅箔、14a…銅膜パターン、14b…黒色層、14x…通電部、16,16a,16b…粘着層、18…セパレータ、22…ガラス基板、22x…黒枠層、30…近赤外線吸収フィルム、32…第1プラスチックフィルム、34…近赤外線吸収層、24…第2プラスチックフィルム、26…反射防止層、28…反射防止フィルム。
【出願人】 【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
【住所又は居所】東京都文京区小石川4丁目14番12号
【出願日】 平成16年3月4日(2004.3.4)
【代理人】 【識別番号】100091672
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 啓三

【公開番号】 特開2005−252028(P2005−252028A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−61196(P2004−61196)