| 【発明の名称】 |
フレキシブルプリント配線基板及びフラットケーブル |
| 【発明者】 |
【氏名】市川 雅照 【住所又は居所】東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会社フジクラ内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、可撓性を有しかつ電磁波のシールド性能を高めたフレキシブルプリント配線基板(FPC)を提供するものである。
【解決手段】かゝる本発明は、FPCの少なくとも片面側に、金属線材を編み込んでなる編み地や金属箔のプレス加工によるメッシュ状の多孔性金属箔からなる電磁波シールド層200を設けたFPCにあり、この編み地やメッシュ状の多孔性金属箔の採用により、所望の可撓性を有すると同時に、その編み目状の構造や多孔性の構造から、気密性が低いため、良好な耐イオンマイグレーション性も得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フレキシブルプリント配線基板の少なくとも片面側に、金属線材を編み込んでなる電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。 【請求項2】 前記電磁波シールド層が、金属線材を編み込んでなる編み地に樹脂を塗布させたフイルムからなり、これを前記配線基板側に、接着剤又は接着シートにより貼り付けることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線基板。 【請求項3】 フラットケーブルの少なくとも片面側に、金属線材を編み込んでなる電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフラットケーブル。 【請求項4】 前記電磁波シールド層が、金属線材を編み込んでなる編み地に樹脂を塗布させたフイルムからなり、これを前記フラットケーブル側に、接着剤又は接着シートにより貼り付けることを特徴とする請求項3記載のフラットケーブル。 【請求項5】 フレキシブルプリント配線基板の少なくとも片面側に、金属箔をプレス加工によりメッシュ状とした多孔性金属箔の電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。 【請求項6】 フラットケーブルの少なくとも片面側に、金属箔をプレス加工によりメッシュ状とした多孔性金属箔の電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフラットケーブル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、可撓性を有しかつ電磁波のシールド性能を高めたフレキシブルプリント配線基板及びフラットケーブルに関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、自在に曲げることができる、可撓性に富んだフレキシブルプリント配線基板(FPC)があり、これに、ノイズ除去用として、電磁波のシールド機能を持たせた電磁波シールド層を設けたものが提案されている(例えば特許文献1)。 【特許文献1】特開2001−167642号公報 【0003】 一方、このようなFPCが使用される、電子機器などにあっては、近年、機器自体の小型化、高密度化(高精細化)が求められおり、このため、このFPCも含め、配線部品にあっては、導体(配線)間のピッチが小さくなる方向にある。また、環境問題などへの考慮や難燃性への対応などの理由から、導体間の絶縁材料などには、種々のものが用いられ、多様化している。 【0004】 これらのことから、この種の配線部品においては、イオンマイグレーションが発生し易いという問題が生じてきている。イオンマイグレーションとは、回路間に電圧が印加されたとき、陽極の配線(導体)側から金属イオンが溶出し、回路間に析出して、絶縁性能を低下させる現象であり、最悪の場合には、回路間の短絡につながる恐れがある。 【0005】 このイオンマイグレーションの起こり易さについては、種々の原因があるものの、電磁波のシールド機能を持たせた電磁波シールド層について言えば、気密性が高い場合、導体配線内部で起こり易いことが知られている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 上述した特許文献1のFPCでは、電磁波シールド層を、金属箔を化学的に処理して(サブトラクティブ法やアディティブ法)、メッシュ状としてあるため、適度の可撓性があると同時に、気密性が低いため、自在な曲げに対応できる一方、ある程度の耐イオンマイグレーション性が得られるものの、金属箔の処理工程が化学的処理ということから、以下のような問題があった。 【0007】 基本的に、化学的処理は、湿式条件下で行われることから、先ず、水密性が要求され、かつ化学処理液などがスムーズに供給できる高価な化学処理用の設備が必要なこと、化学処理液の制御・管理などのポンプや各種の弁などの手段が必要なこと、廃棄処理液が出ることから排出処理が必要なこと、コスト高となることなどの問題があった。 【0008】 本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、基本的には、電磁波シールド層を、乾燥条件(乾式)下で機械的に形成できる、金属線材を編み込んだ編み地や、金属箔のプレス加工によるメッシュ状の多孔性金属箔により構成して、所望の可撓性と優れた電磁波のシールド機能を有するFPCを提供するものである。また、これらの点は、フラットケーブルでも同様であることから、本発明のもう一つは、これらの新技術を適用したフラットケーブルを提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 請求項1記載の本発明は、フレキシブルプリント配線基板の少なくとも片面側に、金属線材を編み込んでなる電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板にある。 【0010】 請求項2記載の本発明は、前記電磁波シールド層が、金属線材を編み込んでなる編み地に樹脂を塗布させたフイルムからなり、これを前記配線基板側に、接着剤又は接着シートにより貼り付けることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線基板にある。 【0011】 請求項3記載の本発明は、フラットケーブルの少なくとも片面側に、金属線材を編み込んでなる電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフラットケーブルにある。 【0012】 請求項4記載の本発明は、前記電磁波シールド層が、金属線材を編み込んでなる編み地に樹脂を塗布させたフイルムからなり、これを前記フラットケーブル側に、接着剤又は接着シートにより貼り付けることを特徴とする請求項3記載のフラットケーブルにある。 【0013】 請求項5記載の本発明は、フレキシブルプリント配線基板の少なくとも片面側に、金属箔をプレス加工によりメッシュ状とした多孔性金属箔の電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板にある。 【0014】 請求項6記載の本発明は、フラットケーブルの少なくとも片面側に、金属箔をプレス加工によりメッシュ状とした多孔性金属箔の電磁波シールド層を設けたことを特徴とするフラットケーブルにある。 【発明の効果】 【0015】 本発明によると、電磁波シールド層が、乾燥条件下で機械的に行える、金属線材を編み込んだ編み地や、金属箔のプレス加工によるメッシュ状の多孔性金属箔からなるため、従来のサブトラクティブ法やアディティブ法などの化学的処理に比較して、低コストで、所望の可撓性と優れた電磁波シールド機能を有するのFPC、及びフラットケーブルを得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 図1は、本発明に係るFPCの最良の形態の一例を示したものである。このFPC100は、回路層が片面側にだけある片面型の場合(なお、両面型とすることも可能)で、このFPC本体110の両面には、電磁波シールド層200を設けてある。なお、電磁波シールド層200も、用途によっては、片面だけとすること可能である。 【0017】 FPC本体110部分は、特に限定されないが、通常CCLフィルム120にCLフィルム130を積層させてなる。CCLフィルム120は、通常ポリイミドフィルム(例えば厚さ約25μm)などのベースフィルム121に接着層122を介して、銅箔(例えば厚さ約18μm)の回路層123が貼り合わされたものからなり、回路層123部分は、例えば、サブトラクテブ法やアディティブ法などの化学的処理によって形成される。CLフィルム130は、ポリイミドフィルム(例えば厚さ約25μm)などのベースフィルム131の片面に接着層132をラミネートさせたものからなる。そして、これは、保護カバーとして、その接着層132側を、CCLフィルム120の回路層123にして貼り付けられる。 【0018】 このような構成のFPC本体110部分は、これのみで、電子機器の可撓性の要求される部分に使用されるが、機器によっては、ノイズ除去のため、高い電磁波シールド機能が求められる場合がある。 【0019】 このような要求に答えるべく、本発明では、上記電磁波シールド層200を次のようにして構成してある。例えば、先ず、図2に示すように、金属線材、例えは30μmに延伸した銅の極細線をメッシュ状の平織り(他の織り方も可能)にして、編み込んだ編み地210を作り、これを主材料として、FPC本体110側に貼り付けてある。 【0020】 具体的には、編み地210に、例えばロール上で、エポキシ系樹脂接着剤などの接着剤220を塗布し、ポリイミドフィルム(例えば厚さ約25μm)などのベースフィルム230とラミネートさせた上で、これを、接着剤層240を介して、FPC本体110側に被覆してある。なお、本発明では、この構成に限定されず、例えば、編み地210に塗布した接着剤220によりフィルム状して、ベースフィルム230を省略した形で、直接FPC本体110側に被覆させることもできる。さらには、FPC本体110側に編み地210を添わせて、接着剤で接着して被覆させることも可能である。 【0021】 この金属線材を編み込んだ編み地210は、電線などの金属線編組と同様の装置で製造することができる。そして、より良い可撓性を確保するためには、用いる金属線、例えば銅線の外径は、0.1mm以下のものを使用することが望ましい。この編み地210の製造は、通常の工場内で、しかも、乾燥条件下で行えるため、化学的処理によりメッシュ化する場合に比較して、大幅なコストダウンが可能となる。 【0022】 このような編み地210の採用により、得られるFPC100は、所望の可撓性を有すると同時に、その編み目状の構造から、気密性が低いため、良好な耐イオンマイグレーション性も得られる。 【0023】 このような電磁波シールド層200の形成にあたっては、上記の編み地210に限定されず、図3に示すように、金属箔251をプレス加工によりメッシュ状とした多孔性金属箔250を用いて形成してもよい。 【0024】 先ず、多孔性金属箔250の形成には、例えば、剣山状の凹凸を有する金型でプレスしたり、或いは、剣山状の針を多数有するロールで連続プレスさせるなどして形成すればよい。なお、多孔性の孔は、丸孔に限らず、角孔、さらにはスリット状などの孔であってもよい。また、孔の大きさも、特に限定されないが、0.05mm〜0.5mm程度が望ましい。そして、多孔性金属箔250の形成後は、上記の編み地210の場合と同様、これに接着剤220を塗布し、ベースフィルム230とラミネートさせた上で、接着剤層240を介して、FPC本体110側に被覆すればよい。なお、この場合も、この構成に限定されず、例えば、多孔性金属箔250に塗布した接着剤220によりフィルム状として、ベースフィルム230を省略した形で、直接FPC本体110側に被覆させることもできる。さらには、FPC本体110側に多孔性金属箔250を添わせて、接着剤で接着させることも可能である。 【0025】 このような多孔性金属箔250の採用により、得られるFPC100は、所望の可撓性を有すると同時に、その多孔性の構造から、気密性が低いため、良好な耐イオンマイグレーション性も得られる。 【0026】 図4は、本発明に係るフラットケーブルの最良の形態の一例を示したものである。このフラットケーブル300は、特に可撓性に優れたフレキシブルフラットケーブル(FFC)の場合で、FFC本体310側の両面に電磁波シールド層200を設けてある。なお、電磁波シールド層200は、用途によっては、片面だけとすること可能である。 【0027】 FFC本体310部分は、特に限定されないが、通常平角状の錫めっき銅線(例えば幅0.3mm、厚さ0.035mm)などの平角めっき金属線311を平行に配列し、この上下の面に、接着剤層312、313を介して、ポリエステルフィルム(例えば厚さ約25μm)などのベースフィルム314、315を貼り合わせたものからなる。 【0028】 このような構成のFFC本体310部分は、これのみで、可撓性を有するケーブルとして使用できるものの、上記のFPCと同様の要求があるとこから、本発明では、電磁波シールド層200を設けてある。この層は、上記図1のFPCと同様にして構成してある。例えば、図2に示すような、金属線材を編み込んだ編み地210や、図3に示すような、金属箔251のプレス加工によるメッシュ状の多孔性金属箔250により構成として、被覆させる。 【0029】 このような構成により、このフラットケーブル300においても、上記FPC100の場合と同様、編み地210の採用、又は多孔性金属箔250の採用により、得られるFFC300は、所望の可撓性を有すると同時に、その編み目状の構造や多孔性の構造から、気密性が低いため、良好な耐イオンマイグレーション性も得られる。 【0030】 因みに、表1に示したように、本発明に係るFPC(実施例1)、FFC(実施例2)と、従来の構成からなるFPC(比較例1〜2)、FFC(比較例3〜4)のサンプルを製造した。なお、実施例1は、図1のFPCとほぼ同構造で、金属線材を編み込んだ編み地210の電磁波シールド層200を設けたものである。実施例2は、図4のFFCとほぼ同構造で、金属線材を編み込んだ編み地210の電磁波シールド層200を設けたものである。比較例1は、図1のFPCとほぼ同構造で、金属箔の電磁波シールド層200を設けたものである。比較例2は、図1のFPCとほぼ同構造で、電磁波シールド層200がないものである。比較例3は、図4のFFCとほぼ同構造で、金属箔の電磁波シールド層200を設けたものである。比較例4は、図4のFFCとほぼ同構造で、電磁波シールド層200がないものである。また、各FPCでは回路層部分の配線間のスペースを100μmとし、各FFCでは各平角めっき金属線間のスペースを100μmとした。 【0031】 そして、上記各サンプルについて、耐イオンマイグレーション性、及び電磁波ノイズ性能について調べた。なお、耐イオンマイグレーション性の試験は、高温高湿槽を用い、85℃、85%RHの雰囲気中に各サンプルを保持し、定電圧電源により、隣接する配線間、又は平角めっき金属線間との電位差が50Vで、一定となるよう電圧を負荷して行った。この試験を、250時間行った後、各サンプルを解体して、隣接する配線間、又は平角めっき金属線間に発生した析出物を、透過光によって観察できる顕微鏡により調べた。つまり、イオンマイグレーションによるデンドライトの有無を調べた。そして、デンドライトの見られないものを合格品「〇」として表示し、デンドライトの見られたものを不合格品「×」して表示した。また、電磁波ノイズ性能の試験は、雑音電界強度試験により行った。そして、電磁波のシールド性能の良好なものを合格品「〇」として表示し、電磁波のシールド性能の不良のものを不合格品「×」して表示した。これらの各評価は、表1に併記した。 【0032】 【表1】
【0033】 上記表1から、本発明に係るサンプル(実施例1〜2)の場合、耐イオンマイグレーション性、及び電磁波ノイズ性能のいずれにおいても、良好であることが判る。 これに対して、従来構成からなるサンプル(比較例1〜4)の場合、耐イオンマイグレーション性、及び電磁波ノイズ性能のいずれかにおいても、問題があることが判る。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】本発明に係るFPCの一例を示した説明図である。 【図2】図1のFPCにおける電磁波シールド層の一例を示した説明図である。 【図3】図1のFPCにおける電磁波シールド層の他例を示した説明図である。 【図4】本発明に係るFFCの一例を示した説明図である。 【符号の説明】 【0035】 100・・・FPC、110・・・FPC本体、120・・・CCL、130・・・CL、200・・・電磁波シールド層、210・・・金属線材を編み込んだ編み地、300・・・FFC、250・・・メッシュ状の多孔性金属箔、
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005186 【氏名又は名称】株式会社フジクラ 【住所又は居所】東京都江東区木場1丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成16年3月4日(2004.3.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080366 【弁理士】 【氏名又は名称】石戸谷 重徳
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| 【公開番号】 |
特開2005−251958(P2005−251958A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−60024(P2004−60024) |
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