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【発明の名称】 多層配線板
【発明者】 【氏名】高橋 弘喜
【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友ベークライト株式会社内

【要約】 【課題】層間接続信頼性の高い多層配線板の製造方法を提供する。

【解決手段】導体回路と、絶縁層と前記絶縁層を貫通して前記導体回路上に形成された複数の導体ポストと前記導体ポスト上面に前記絶縁層を突出して形成された半田層とを有する接続層と、前記半田層と相対する位置に層間接続用ランドを有する被接続層とを接着剤層を介して半田接合された多層配線板において、前記導体ポストが少なくとも第1の導体ポスト層と前記第1の導体ポスト層上に形成された第2の導体ポスト層からなることを特徴とする多層配線板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体回路と、絶縁層と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路上に形成された導体ポストと、前記導体ポスト上面に前記絶縁層を突出して形成された半田層とを有する接続層と、前記半田層と相対する位置に層間接続用ランドを有する被接続層とを、接着剤層を介して接続され、前記導体ポストと前記層間接続用ランドとが前記半田層により半田接合された多層配線板において、前記導体ポストは、前記導体回路上に形成された第1の金属層と前記第1の金属層上に形成された第2の金属層の少なくとも2層の金属層からなることを特徴とする多層配線板。
【請求項2】
前記導体ポスト層は、第1の金属層が金属接合層である請求項1に記載の多層配線板。
【請求項3】
前記金属接合層は、半田層である請求項2に記載の多層配線板。
【請求項4】
前記導体ポスト層は、第2の金属層が銅層である請求項1乃至3のいずれかに記載の多層配線板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属層と、金属層上の絶縁層に形成された導体ポストと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層上の微細な半田層を用いて層間接続を行う場合において、半田接合に必要な表面清浄化機能を有する接着剤層を、導電体回路層間に介在させ、密着して、半田溶融温度まで加熱した後、加圧する工程を経て、半田接合して、層間接続する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、加熱工程において、該接着剤層の金属表面清浄化機能により、半田層が溶融して、その表面張力により、凸形状を形成した後、凸形状の半田層が溶融した状態のまま、加圧して、被接続用金属ランドと半田接合させるというものである。
しかしながら、前記従来の技術においては、層間接続の信頼性において、導体回路と導体ポスト界面に応力が集中し、界面の剥離に起因する層間接続信頼性の低い多層配線板が得られる可能性があった。
【0003】
【特許文献1】特開2002−176265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、層間接続信頼性の高い多層配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、層間接続信頼性の低いことが、導体回路と導体ポストの界面に応力が集中することに起因するものであることをつきとめ、更に検討を進めることにより、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1. 導体回路と、絶縁層と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路上に形成された導体ポストと、前記導体ポスト上面に前記絶縁層を突出して形成された半田層とを有する接続層と、前記半田層と相対する位置に層間接続用ランドを有する被接続層とを、接着剤層を介して接続され、前記導体ポストと前記層間接続用ランドとが前記半田層により半田接合された多層配線板において、前記導体ポストは、前記導体回路上に形成された第1の金属層と前記第1の金属層上に形成された第2の金属層の少なくとも2層の金属層からなることを特徴とする多層配線板、
2. 前記導体ポスト層は、第1の金属層が金属接合層である第1項に記載の多層配線板、
3. 前記金属接合層層は、半田層である第2項に記載の多層配線板、
4. 前記導体ポスト層は、第2の金属層が銅層である第1項乃至第3項のいずれかに記載の多層配線板、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、接続層および非接続層における導体回路と層間接続用の導体ポストの界面での、層間接続信頼性の高い多層配線板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、導体回路と、絶縁層と、前記絶縁層を貫通して前記導体回路上に形成された導体ポストと、前記導体ポスト上面に前記絶縁層を突出して形成された半田層とを有する接続層と、前記半田層と相対する位置に層間接続用ランドを有する非接続層とを、接着剤層を介して接続され、前記導体ポストと前記接続用ランドとが前記半田層により接合された多層配線板であって、前記導体ポストは、前記導体回路上に形成された第1の金属層と前記第1の金属層上に形成された第2の金属層の少なくとも2層の金属層からなることを特徴とするものである。さらに、第1の金属層は金属接合層であることが好ましく、第1の金属層を設けることにより、接続層における前記導体回路と前記導体ポストとの接合および前記導体ポストと非接続層の層間接続用ランドとが良好な接合部を形成し、接続信頼性の高い多層配線板を提供することができるものである。
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図1(h)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
【0009】
本発明における多層配線板の一例について、図面を用いて説明する。
本発明の多層配線板の製造方法としては、まず、導体回路用の金属層101と絶縁層102からなる2層構造体を用意し、前記絶縁層102の導体ポストを形成する位置に絶縁層102を貫通し前記金属層101が露出するビア103を形成する(第1図(a))。前記2層構造体としては、例えば、導体回路用の金属層101上に、絶縁層用樹脂ワニスを、印刷、カーテンコートおよびバーコート等の方法で、直接塗布して絶縁層を形成し、乾燥することにより得ることができる。さらには、市販の樹脂付銅箔(例えば、ポリイミド樹脂層付銅箔)のような2層構造体を用意しても良い。また、2層構造体は、ガラスエポキシ両面銅張積層板の一方の銅箔を全面エッチングして得ることもできる。
【0010】
ビア103の形成方法としては、例えば、レーザー、プラズマによるドライエッチング、ケミカルエッチング等の方法が挙げられる。前記レーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザーおよびエキシマレーザー等を使用することができる。絶縁層102が、ガラスエポキシのように補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスとからなる絶縁層を貫通して、ビア103を形成することができる炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。絶縁層102が、ポリイミド等の補強繊維を含まない場合には、より微細なビア103を形成できる紫外線レーザーを使用することが好ましい。また、絶縁層102を、感光性樹脂とした場合には、絶縁層102を選択的に感光し、現像することで、ビア103を形成することもできる。
【0011】
次に、導体回路用の金属層101を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解めっきにより、ビア103内に、導体ポストとなる第1の金属層104を形成し、続いて第1の金属層104を電解めっき用リード(給電用電極)として、電解めっきにより、ビア103内の第1の金属層104の上に、第2の金属層105を形成し導体ポスト111を形成する(図示せず。)。
第1の金属層104と第2の金属層105の形成方法としては、電解めっきにより第1の金属層104を金属層101上に形成し、続いて電解めっきにより第2の金属層を第1の金属層上に形成することで、導体ポスト111の高さを自由に制御することができ、また導体ポスト111の高さは、ビア103に導体ポスト111を形成できる高さであれば良い。第1の金属層104と第2の金属層105の材質としては、例えば、半田、銅、ニッケル、金、錫、銀およびパラジウム等が挙げられるが、第1の金属層はこれらの内、導体回路と導体ポストとの良好な接合を得る上で、前記導体回路の金属と前記導体ポストの第2の金属層との接合性が良好な金属接合層となる金属であることが好ましく、第1の金属層104に半田を用いることで導体回路と導体ポスト111界面への応力の集中を緩和させることによって、接続信頼性の高い導体ポスト111を得ることができるのでより好ましい。前記第2の金属層105としては、電気抵抗の少ない銅からなることが好ましく、導体ポスト111において、好ましい銅層からなる第2の金属層105が占める体積比を極力高くすることで、低抵抗で安定した層間接続が得られる。また、導体ポストは、第1の金属層と第2の金属層とが半田層であっても良いが、必要に応じて、前記異なる材質の金属を用いて、さらに多層の金属層としても良い。
【0012】
次に、第2の金属層105の先端表面に、絶縁層102を突出して半田層106を形成する(第1図(b))。
半田層106の形成方法としては、例えば、無電解めっきにより形成する方法、導体ポスト層111を電解めっき用リード(給電用電極)として電解めっきにより形成する方法、半田を含有するペーストを印刷する方法などが挙げられる。印刷による方法では、印刷用マスクを導体ポスト111に対して精度良く位置合せする必要があるが、無電解めっきや電解めっきによる方法では、導体ポスト111の先端表面以外に、半田層106が形成されることがないため、導体ポスト111の微細化・高密度化にも対応しやすい。特に、電解めっきによる方法では、無電解めっきによる方法よりも、めっき可能な金属が多様多種であり、また、薬液の管理も容易であるため、非常に好適である。
また、形成される半田層の厚みとしては、加熱して半田を溶融する際に、凸形状、より好ましくはドーム形状、雫状の形状を形成するのに必要な量となる厚みで形成されていれば良い。
半田層106の材質としては、Snと、Ag、Cu、Zn、Bi、Pd、Sb、Pb、InおよびAuの少なくとも二種からなる半田を使用することが好ましい。より好ましくは、環境に優しいPbフリー半田である。
【0013】
次に、導体回路用の金属層101を選択的にエッチングすることにより、導体回路107を形成して、接続層110を得る(第1図(c))。
【0014】
次に、接続層110の絶縁層102の表面に、接着剤層108を形成する(第1図(d))。
接着剤層108の形成方法としては、例えば、使用する接着剤に応じて適した方法で良く、接着剤ワニスを、印刷、カーテンコートおよびバーコート等の方法で直接塗布して接着剤層を形成する方法や、ドライフィルムタイプの接着剤を、真空ラミネートおよび真空プレス等の方法で積層したりする方法などが挙げられる。この時、ドライフィルムの形成方法としては、例えば、接着剤ワニスを、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの基材上に塗布し乾燥させる方法が挙げられるが、ドライフィルムを提供できるのであれば、その方法は何ら制限するところではない。
接着剤層108は、金属の表面清浄化機能と接着機能の2機能を有する接着剤を用いることが、より好ましい。前者は半田接合を実現するために重要な機能であり、後者は接続層110と被接続層120とを接着するために重要な機能である。なお、第1図に示す例では、絶縁層102の表面に接着剤層108を形成する例を示したが、少なくとも半田層が、接着剤層と接触していれば良い。半田が接着剤層と接触していることで、半田溶融時に接着剤層中で溶融して、凸形状を形成することができる。また、接着剤層108形成時における接着剤層の厚みが、少なくとも半田溶融時の凸形状頂点部と、相対する層間接続用ランドとが、非接触を保てる厚みより厚く形成されると良い。
【0015】
ここで、被接続層120は、層間接続用ランドを有するものであれば、どのような構造でも構わないが、図1では、接続される接続層110の導体ポストと接続するための層間接続用ランド109と、層間接続用ランド109を支える基材112から構成された例を示している。層間接続用ランド109は、図1に示すように、基材112と一方の面を接して基材112表面から突出していても良いし、一方の面を露出するように基材112に埋め込まれていても良い(図示無し)。
層間接続用ランド109の材質としては、半田層106と金属接合可能な金属であればどのようなものでもよいが、例えば、Cu、Ni、Au、Sn、Ag、Pd等が挙げられ、特に銅を用いることで、低抵抗で安定した層間接続用ランド109が得られる。
【0016】
次に、接続層110の半田層106と被接続層120の層間接続用ランド109が相対するように位置合わせする(第1図(e))。
接続層と被接続層との位置合わせ方法としては、接続層110および被接続層120に、予め形成されている位置決めマークを、画像認識装置により読み取り、位置合わせする方法、位置合わせ用のピン等で位置合わせする方法等を用いることができる。
【0017】
次に、接着剤層108を介して、接続層110と被接続層120とを、それぞれが有する半田層106および層間接続用ランド109が、接着剤層108と接触するように貼り合わせる(第1図(f))。
接続層の半田層および被接続層の層間接続用ランドと接着剤層とを接触させる方法としては、例えば、真空プレスまたは加圧式真空ラミネーターを用いて、加熱・加圧することにより、接着剤層108を軟化させる方法が挙げられる。上記工程においては、少なくとも半田層と層間接続用ランドが空気に接触せず又は接着剤層と接触していると良く、また、半田層106と層間接続用ランド109とは非接触を保たれていると良い。
【0018】
最後に、接続層110と被接続層120とを半田層106を形成する半田の融点以上の温度に加熱し、半田を溶融させた後、加圧して圧着し、半田接合して層間接続を行う。(図1(g、h))。
接続層110と被接続層120との加熱、加圧工程においては、例えば、真空プレスを用いることが好ましく、接着剤層108は、半田の融点以上の温度での加熱に伴って粘度が低下していくが、好ましい前記表面清浄化機能を有する接着剤を用いることにより、軟化した接着剤層108中で半田層を溶融することで、より凸形状を形成させるとともに半田接合を容易にする。この時の接着剤層の粘度は、半田接合の過程で、接着剤層108中での半田層106の凸形状の形成、接着剤層108と層間接続用ランド109との接触、および、溶融した半田の層間接続用ランド109への濡れ広がりを生じて、良好な半田接合を得る上で、50Pa・s以下であることが好ましい。
また、この層間接続において、第1の金属層に半田を用いると、導体回路と更に良好な接合を行うことができる。
【0019】
以上の工程により、層間接続用ランド109と導体ポスト111とを半田層106にて半田接合し、各層間を接着剤層108にて接着した多層配線板130を得ることができる。なお、図1(h)では、被接続層120に対して接続層110を1層のみ積層した例を示したが、図1(h)で得られた多層配線板130の上にさらにもう1層または2層以上積層して、より層数の多い多層配線板を得ることもできる。
【0020】
本発明に用いる好ましい接着剤である金属表面浄化機能を有する接着剤としては、例えば、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂と、その硬化剤からなる樹脂組成物が挙げられる。
【0021】
本発明において好ましい接着剤に用いる少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂が好ましく、これらの1種以上を用いることができる。また、フェノールフタリン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸なども好ましい。
【0022】
本発明において好ましい接着剤に用いる少なくと1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂の、硬化剤としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等が用いられる。具体的には、いずれも、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系、ビフェノール系、ナフトール系やレソルシノール系等のフェノールベースのものや、脂肪族、環状脂肪族や不飽和脂肪族等の骨格をベースとして変性されたエポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
【0023】
前記少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂は、接着剤中に、5重量%以上80重量%以下で含まれることが好ましい。5重量%未満であると、金属表面を清浄化する作用が低下し、半田接合できなくなる場合がある。また、80重量%より多いと、十分な硬化物が得られず、接合強度と信頼性が低下する場合がある。少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂の硬化剤の配合量は、例えば、エポキシ基当量またはイソシアネート基当量が、少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有する樹脂のヒドロキシル基当量に対し0.5当量倍以上、1.5当量倍以下が好ましいが、良好な金属接合性と硬化物物性が得られる場合は、この限りではない。また、接着剤には、上記成分の他に、無機充填材、硬化触媒、着色料、消泡剤、難燃剤、カップリング剤等の各種添加剤や、溶剤を添加しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による多層配線板の製造方法の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0025】
101 導体回路用の金属層
102 絶縁層
103 ビア
104 第1の金属層
105 第2の金属層
106 半田層又は半田バンプ
107 導体回路
108 接着剤層
109 層間接続用ランド
110 接続層
111 導体ポスト
112 基材
120 被接続層
130 多層配線板
【出願人】 【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号
【出願日】 平成16年3月3日(2004.3.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−251952(P2005−251952A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−59875(P2004−59875)