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【発明の名称】 配線基板の製造方法
【発明者】 【氏名】由利 伸治
【住所又は居所】愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内

【要約】 【課題】高精度に形成した位置合わせマークを反射光で撮像し、その撮像結果に基づいて配線基板ワークと露光用マスクとの相対位置合わせを行なう。

【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、板状コア2上に導体層M1と誘電体層V1とをこの順番で積層する工程と、誘電体層V1の主表面にレーザ光を照射して位置合わせマーク50を形成する工程と、位置合わせマーク50に対し誘電体層V1の主表面側から位置検出用の光を照射するとともに反射光を検出し、その検出結果に基づいて配線基板ワーク1’と露光用マスクとの相対位置合わせを行なう。位置合わせマーク50を形成する工程では、リング状の掘削予定領域58の周方向と径方向とに重なりを有するように、照射位置をずらしながら掘削予定領域58にレーザ光を照射して、誘電体層V1をリング状に掘削してなる溝50aを有し該溝50a内に導体層M1が露出した形態の位置合わせマーク50を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂誘電体層と導体層とを交互に積層させた配線積層部を備える配線基板の製造方法において、
支持基板上に前記導体層と前記樹脂誘電体層とをこの順番で積層する工程と、前記樹脂誘電体層の主表面にレーザを照射して位置合わせマークを形成する工程と、前記位置合わせマークに対し前記樹脂誘電体層の主表面側から位置検出用の光を照射するとともに反射光を検出し、その検出結果に基づいて配線基板ワークの位置を識別する工程とを含み、
前記位置合わせマークを形成する工程では、リング状の掘削予定領域の周方向と径方向とに重なりを有するように、照射位置をずらしながら前記掘削予定領域に前記レーザを照射して、前記樹脂誘電体層をリング状に掘削してなる溝を有し該溝内に前記導体層が露出した形態の前記位置合わせマークを形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記位置合わせマークを形成する工程では、前記掘削予定領域の周方向に沿って内外二列の基準線を定め、各基準線上に所定の角度間隔でレーザの照射位置を設定し、その設定した照射位置に順次的にレーザを照射していく請求項1記載の配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記位置合わせマークを形成する工程を行なったのち、
前記導体層を構成する金属にエッチング力を有する薬液で前記位置合わせマークを洗浄する工程と、
前記位置合わせマークおよび前記樹脂誘電体層の表面に無電解メッキ層を形成する工程と、
電解メッキ層形成用のドライフィルムレジストを前記無電解メッキ層の上にラミネートする工程とを行ない、
前記位置合わせマークを形成する工程では、前記ドライフィルムレジストがレーザによって掘削形成された前記溝内に追従することが抑制されるように前記掘削予定領域を設定し、
前記配線基板ワークの位置を識別する工程においては、反射光を検出するカメラのフォーカスを前記樹脂誘電体層の主表面に合わせ、前記ドライフィルムレジスト越しに前記位置合わせマークの前記溝の開口端を認識させる請求項1または2記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
樹脂誘電体層と導体層とを交互に積層させた配線積層部を備える配線基板の製造方法において、
支持基板上に前記導体層と前記樹脂誘電体層とをこの順番で積層する工程と、前記樹脂誘電体層を掘削して位置合わせマークを形成する工程と、前記位置合わせマークに対し前記樹脂誘電体層の主表面側から位置検出用の光を照射するとともに反射光を検出し、その検出結果に基づいて配線基板ワークの位置を識別する工程とを含み、
前記配線基板ワークの位置を識別する工程においては、前記反射光を検出するカメラのフォーカスを前記樹脂誘電体層の主表面に合わせ、前記位置合わせマークの溝の開口端を認識させることを特徴とする配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ICあるいはLSI等のチップ接続用として使用される多層配線基板として、高分子材料からなる誘電体層と導体層とを交互に積層させた構造を有するオーガニック配線基板がある。近年は、レーザ加工法や写真法で穿孔したビアを介して層間の電気的接続を取りながら誘電体層と導体層とを一層ずつ順次積層した製品、いわゆるビルドアップ配線基板が主流になっている。
【0003】
ビルドアップ配線基板の製造方法の特徴的な工程として、レーザ加工によるビア形成工程と、パターンメッキによる導体層形成工程とを例示できる。導体層形成工程においては、メッキレジストをフォトリソグラフィー技術によりパターニングしたのち、電解メッキ工程を行なう。メッキレジストをパターニングする際、露光用マスクと配線基板ワークとの相対位置合わせ精度が、配線の微細化に対応する上で重要な鍵となる。従来、露光用マスクと配線基板ワークとの相対位置合わせは、導体層に形成した位置合わせマークを透過光で撮像し、該撮像結果に基づいて行なっていた。
【特許文献1】特開2001−217546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、露光用マスクと配線基板ワークとの相対位置合わせ精度の向上を図るため、反射光で位置合わせマークを撮像する試みがなされている。透過光で撮像する方法では、フィラーが混入した樹脂誘電体層越しに、一層下の導体層に形成した位置合わせマークを撮像する。反射光で撮像する方法では、樹脂誘電体層を掘削して導体層を露出させることにより位置合わせマークを形成し、これを反射光で読み取る。通常、樹脂誘電体層にはシリカ等のフィラーを混入するので、光の透過率を高めることが難しい。したがって、透過方式よりも反射方式の方が、位置合わせマークの検出精度の向上が期待でき、ひいては配線基板ワークに対する露光用マスクの位置合わせ精度の向上が期待できる。
【0005】
しかしながら、反射方式で使う位置合わせマークは、層間接続用のビアの形成とともにレーザ加工により樹脂誘電体層を掘削して形成されるものであるから、位置合わせマーク自体がレーザ加工での加工精度を持ってしまう。結局、位置合わせマークを反射光で読み取って露光精度の向上を図るには、位置合わせマーク自体の形成精度の向上を図ることが重要である。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明の課題は、高精度に形成した位置合わせマークを反射光で撮像し、その撮像結果に基づいて配線基板ワークの位置を識別して露光工程等を行なう配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、樹脂誘電体層と導体層とを交互に積層させた配線積層部を備える配線基板の製造方法において、支持基板上に導体層と樹脂誘電体層とをこの順番で積層する工程と、樹脂誘電体層の主表面にレーザを照射して位置合わせマークを形成する工程と、位置合わせマークに対し樹脂誘電体層の主表面側から位置検出用の光を照射するとともに反射光を検出し、その検出結果に基づいて配線基板ワークの位置を識別する工程とを含み、位置合わせマークを形成する工程では、リング状の掘削予定領域の周方向と径方向とに重なりを有するように、照射位置をずらしながら掘削予定領域にレーザを照射して、樹脂誘電体層をリング状に掘削してなる溝を有し該溝内に導体層が露出した形態の位置合わせマークを形成することを主要な特徴とする。「主表面」とは、最も大きい面積の面を指す。
【0008】
上記本発明は、配線基板ワークに形成した位置合わせマークを反射光で読み取ることにより、該配線基板ワークの位置を識別するというものである。樹脂誘電体層をリング状に掘削して形成される位置合わせマークは、照射位置を少しずつずらしながらレーザを照射して形成する。一つ一つの照射位置にはレーザ加工機の加工精度が及ぶものの、位置合わせマーク全体としては、バラツキが平均化された形となるので、レーザ加工機の加工精度が反映されにくい。さらに、リング状の掘削予定領域の周方向と径方向とに重なりを有するようにレーザを照射していくので、位置合わせマークの溝の内側開口端および外側開口端の両方において、滑らかな環状の開口端を形成することができる。そのため、反射光による位置合わせマークの検出精度の向上を期待でき、配線基板ワークの位置の識別精度が向上する。こうした理由により、本発明の製造方法によれば、よりいっそうの配線パターンの微細化に対応し得る。
【0009】
配線基板ワークの位置を識別する工程は、露光工程の一部として行なうことができる。樹脂誘電体層をレーザで掘削して位置合わせマークを形成した後、その樹脂誘電体層の上にレジストを形成することができる。レジストは、所定パターンの配線をメッキ法で形成するときのメッキレジスト、または樹脂誘電体層上に形成した金属膜を化学エッチングするときのエッチングレジスト、もしくはソルダーレジストである。レジストは、有機感光樹脂からなるフィルムを形成する工程、そのフィルムを露光する工程、そのフィルムを現像する工程の各工程を経て所定のパターンが付与される。露光工程には、いくつかの方法がある。一つめは露光用マスクを用いる方法である。この方法においては、配線基板ワークと露光用マスクとの相対位置合わせを行なうために、前もって配線基板ワークに形成した位置合わせマークを用いることができる。他の一つの方法は、LDI(Laser Direct Imaging)技術による方法である。LDI技術の詳細は実施形態の説明によって明らかとなるが、簡単にいえば、レーザを直接走査してレジストフィルムを露光するというものである。LDI技術は、レーザを走査するための基準位置を要求する。その基準位置として位置合わせマークを使用することができる。
【0010】
一つの好適な態様において、位置合わせマークを形成する工程では、掘削予定領域の周方向に沿って内外二列の基準線を定め、各基準線上に所定の角度間隔でレーザの照射位置を設定し、その設定した照射位置に順次的にレーザを照射していく方法を採用できる。ひとえにリング状といっても、様々な大きさや溝幅が考えられる。図5に示すごとく、内外二列でレーザを照射していくようにすれば、高加工効率を達成することと、鋭い輪郭の開口端を得ることとのバランスを図ることができる。
【0011】
より具体的には、位置合わせマークを形成する工程を行なったのち、導体層を構成する金属にエッチング力を有する薬液で位置合わせマークを洗浄する工程と、位置合わせマークおよび樹脂誘電体層の表面に無電解メッキ層を形成する工程と、電解メッキ層形成用のドライフィルムレジストを無電解メッキ層の上にラミネートする工程とを行なう。位置合わせマークを形成する工程では、ドライフィルムレジストがレーザによって掘削形成された溝内に追従することが抑制されるように掘削予定領域を設定する。配線基板ワークの位置を識別する工程においては、反射光を検出するカメラのフォーカスを樹脂誘電体層の主表面に合わせ、ドライフィルムレジスト越しに位置合わせマークの溝の開口端を認識させる。このようにすれば、メッキレジストとしてのドライフィルムレジストが溝内に入り込んでいくことを防げる。つまり、ドライフィルムレジストが撓まずにしっかり張った状態になる。すると、反射光による溝の開口端の認識精度が高まる。位置合わせマークを構成する溝の開口端の認識精度が高まることにより、配線基板ワークの位置の識別精度が向上する。なお、位置合わせマークはドライフィルムレジストを介在して撮像することが多いが、位置合わせマークを避けてドライフィルムレジストをラミネートする方法によれば、位置合わせマークを直接に撮像することになる。
【0012】
また、レジストは、自立性を有するドライフィルムレジストだけでなく、配線基板ワークに直接塗布する液状レジストであってもよい。配線基板ワークの全面に液状レジストを塗布する場合、位置合わせマークを構成する溝の中に液状レジストが入り込むが、液状レジストは溝を均一に充填する態様をとるので、ドライフィルムレジストの場合とは事情が異なる。ドライフィルムレジストの場合は、中途半端に溝の中に入り込むことが光の反射の妨げになり、この結果として位置合わせマークの認識精度が低下する。これに対し液状レジストは溝の中に均一に入り込み、光の反射が大きく妨げられることはないから、位置合わせマークの認識精度は良好に保たれる。ただし、液状レジストであっても溝の中に入り込まないに越したことは無いので、ドライフィルムレジストのときと同様に、位置合わせマークを避ける形で配線基板ワークに塗布することが望ましい。
【0013】
他の局面において、課題を解決するために本発明の第二は、樹脂誘電体層と導体層とを交互に積層させた配線積層部を備える配線基板の製造方法において、支持基板上に導体層と樹脂誘電体層とをこの順番で積層する工程と、樹脂誘電体層を掘削して位置合わせマークを形成する工程と、位置合わせマークに対し樹脂誘電体層の主表面側から位置検出用の光を照射するとともに反射光を検出し、その検出結果に基づいて配線基板ワークの位置を識別する工程とを含み、配線基板ワークの位置を識別する工程においては、反射光を検出するカメラのフォーカスを樹脂誘電体層の主表面に合わせ、位置合わせマークの溝の開口端を認識させることを主要な特徴とする。上記本発明によれば、位置合わせマークの認識性が良好となり、配線基板ワークの位置の識別精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図3は本発明の一実施形態に係る配線基板1の断面構造を模式的に示すものである。該配線基板は、耐熱性樹脂板(たとえばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(たとえばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状コア2の両表面に、所定のパターンに配線金属層をなすコア導体層M1,M11(単に導体層ともいう)がそれぞれ形成される。これらコア導体層M1,M11は板状コア2の表面の大部分を被覆する面導体パターンとして形成され、電源層または接地層として用いられるものである。他方、板状コア2には、ドリル等により穿設されたスルーホール12が形成され、その内壁面にはコア導体層M1,M11を互いに導通させるスルーホール導体30が形成されている。また、スルーホール12は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
【0015】
また、コア導体層M1,M11の上層には、熱硬化性樹脂組成物6にて構成された第一ビア層(ビルドアップ層:誘電体層)V1,V11がそれぞれ形成されている。さらに、その表面にはそれぞれ金属配線7を有する第一導体層M2,M12がCuメッキにより形成されている。なお、コア導体層M1,M11と第一導体層M2,M12とは、それぞれビア34により層間接続がなされている。同様に、第一導体層M2,M12の上層には、熱硬化性樹脂組成物6を用いた第二ビア層(ビルドアップ層:誘電体層)V2,V12がそれぞれ形成されている。その表面には、金属端子パッド10,17を有する第二導体層M3,M13が形成されている。これら第一導体層M2,M12と第二導体層M3,M13とは、それぞれビア34により層間接続がなされている。ビア34は、ビアホール34hとその内周面に設けられたビア導体34sと、底面側にてビア導体34sと導通するように設けられたビアパッド34pと、ビアパッド34pと反対側にてビア導体34hの開口周縁から外向きに張り出すビアランド34lとを有している。
【0016】
板状コア2の第一主表面MP1においては、コア導体層M1、第一ビア層V1、第一導体層M2および第二ビア層V2が第一の配線積層部L1を形成している。また、板状コア2の第二主表面MP2においては、コア導体層M11、第一ビア層V11、第一導体層M12および第二ビア層V12が第二の配線積層部L2を形成している。いずれも、第一主表面CPが誘電体層6にて形成されるように、誘電体層と導体層とが交互に積層されたものであり、該第一主表面CP上には、複数の金属端子パッド10ないし17がそれぞれ形成されている。第一配線積層部L1側の金属端子パッド10は、集積回路チップなどをフリップチップ接続するためのパッド(FCパッド)である半田ランドを構成する。また、第二配線積層部L2側の金属端子パッド17は、配線基板自体をマザーボード等にピングリッドアレイ(PGA)あるいはボールグリッドアレイ(BGA)により接続するための裏面ランド(PGAパッド、BGAパッド)として利用されるものである。
【0017】
図1に示すように、半田ランド10は配線基板1の第一主表面の略中央部分に格子状に配列し、各々その上に形成された半田バンプ11(図3)とともにチップ搭載部40を形成している。また、図2に示すように、第二導体層M13内の裏面ランド17も、格子状に配列形成されている。そして、各第二導体層M3,M13上には、それぞれ、感光性または熱硬化性樹脂組成物よりなるソルダーレジスト層8,18(SR1,SR11)が形成されている。いずれも半田ランド10あるいは裏面ランド17を露出させるために、各ランドに一対一に対応する形で開口部8a,18aが形成されている。第一配線積層部L1側に形成されたソルダーレジスト層8の半田バンプ11は、たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Ag−Cu、Sn−Sbなど実質的にPbを含有しない半田にて構成することができる。他方、第二配線積層部L2側の金属端子パッド17はソルダーレジスト層18の開口18a内に露出するように構成されている。
【0018】
以下、配線基板1の製造工程について説明する。
まず、板状コア2としての耐熱性樹脂板(たとえばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)または繊維強化樹脂板(たとえばガラス繊維強化エポキシ樹脂)に、ドリリング等の方法でスルーホール12を穿孔する。パターンメッキにより第一導体層M1,M11およびスルーホール導体30を形成し、スルーホール12に樹脂製穴埋め材31を充填する。
【0019】
次に、第一導体層M1,M11に粗化処理を施したのち、第一導体層M1,M11を被覆するように樹脂フィルムをラミネート(貼り合わせ)および硬化させて、誘電体層V1,V11を得る。樹脂フィルムは、シリカフィラー等を混入した熱硬化性樹脂組成物をフィルム化したものである。板状コア2上に第一導体層M1,M11と誘電体層V1,V11とをこの順番で積層したのち、誘電体層V1,V11(ビア層)に対してその主表面からレーザを照射し、所期のパターンにてビアホール34hを形成する(いわゆるレーザビアプロセス)。このビアホール34hを穿孔するレーザ加工工程において、一層上の導体層M2,M12を形成するための位置合わせマーク50(図4参照)を形成することができる。
【0020】
一般に、図3に示すような配線基板1は、複数の配線基板1が連結された連結配線基板として作製される。すなわち、図4に示すごとく、本実施形態で説明する各工程は、製造途中の配線基板1aが複数連結された配線基板ワーク1’に対して行なうこととなる。そして、配線基板ワーク1’の非製品部(取り代部)には、リング状(またはドーナツ状)の位置合わせマーク50が複数設けられている。本実施形態では、配線基板ワーク1’の四隅に一つずつ設けている。この位置合わせマーク50を基準にして、配線基板ワーク1’と露光用マスクとの相対位置合わせを行なえる。もちろん、配線基板1を一つ一つ個別に製造していく場合には、一または複数の位置合わせマーク50を各配線基板1に個別に設けることができる。
【0021】
図5に、位置合わせマーク50の断面模式図を示す。位置合わせマーク50は、誘電体層V1がリング状に掘削されてなる溝50aを有する。溝50a内には、導体層M1を構成する下地導体60が露出している。位置合わせマーク50を構成する溝50aの内径Dと外径Dとの差は、たとえば20μm以上100μm未満に調整するとよい。溝50aの幅が狭すぎると、溝50aの認識性が低下し位置合わせマーク50の認識精度低下を招く。逆に、溝50aの幅が大きすぎても、後述するごとく、メッキレジストとしてドライフィルムレジストをパターニングする工程において(図7参照)、ドライフィルムレジストが撓んで溝50a内に入り込み、位置合わせマーク50の認識精度低下を招く。
【0022】
上記のような位置合わせマーク50は、次のようにして形成するとよい。図6に、レーザを照射するべき掘削予定領域58および照射位置Km,kn(m,n:自然数)を示す。図6に示すごとく、位置合わせマーク50を形成する工程では、周方向に沿って照射位置をずらしながら掘削予定領域58にレーザを照射する。具体的には、掘削予定領域58上に周方向に沿って内外二列の基準線T1,T2(基準円)を定め、各基準線T1,T2上に所定の角度間隔でレーザの照射位置Km,knを設定し、設定した照射位置Km,knに順次的にレーザを照射していく。この結果、レーザの照射スポットがリング状の掘削予定領域58の周方向と径方向とに重なりを有する。
【0023】
上記のようにレーザを照射することにより、形成される溝50aの開口端50p,50q(図5参照)は、滑らかでバラツキの少ない輪郭を持つようになるとともに、その輪郭の真円度が増す。こうした輪郭が得られると、露光装置の撮像機器(CCDカメラ等)による画像認識精度の向上を期待できる。特に、反射光で位置合わせマーク50を撮像して得られた像と、予め登録しておいた人工モデルとをパターンマッチングする画像処理を行って、配線基板ワーク1’と露光用マスクとの相対位置合わせを行なう場合、位置合わせマーク50の輪郭の鮮明性や真円度が画像認識精度に及ぼす影響は大きいので、本実施形態のようなレーザ加工の採用が推奨される。さらに、こうした位置合わせマーク50の複数を反射方式にて撮像して複数の位置情報を得るとともに、これら位置情報を平均化して得られる位置情報に基づき、配線基板ワーク1’と露光用マスクとの相対位置合わせを行なうようにすることも好適である。
【0024】
また、レーザ加工による穿孔工程では、同じ位置にレーザを2パルス照射することがしばしば行なわれる。同じ場所に2パルス照射するよりも、同じ順序の走査を巡回するサイクル加工を行なう方が、局所的な加熱が小さくなって加工精度が高くなる。図6に示すごとく基準線T1,T2を定めている場合には、まず基準線T1上に所定間隔で設定された照射位置Kmに順次的にレーザを照射していき、次に、基準線T2上に所定間隔で設定された照射位置knに順次的にレーザを照射していき、これらの走査を2度繰り返すという方法を、好適な例として示せる。
【0025】
また、位置合わせマーク50およびビアホール34hを形成するレーザ加工工程においては、エキシマレーザ、炭酸ガスレーザ、Nd:YAGレーザなど、種々のレーザ加工機を使用することができる。位置合わせマーク50を形成する際は、照射位置Km,knおよび掘削予定領域58の面積等を勘案して、レーザのスポット径を調整する。たとえば、図6の例では、誘電体層V1の主表面でのレーザのスポット径を、位置合わせマーク50の溝50の幅(径方向)の2/3程度に調整している。また、図6の例では、一の照射位置にかかる照射スポットの外周縁が、その隣の照射位置(ビームの中心)を通過する形態となっている。この場合、隣り合う一対の照射位置の照射スポットが重なっている割合(重なり率)は約4割程度であるから好適である。
【0026】
上記のごとく、レーザ加工により位置合わせマーク50を形成した後、クロム酸溶液やアルカリ性過マンガン酸カリ溶液などを用いて溝50a内、ならびにビアホール34h内を洗浄する(デスミア工程)。これにより、ビアホール34hおよび溝50a内に残余したスミアが除去される。デスミア工程の終了後、位置合わせマーク50の溝50a内に露出した下地導体60の表層部、ならびにビアホール34hに露出したビアパッド34pの表層部をソフトエッチングにより除去する。導体層M1は、誘電体層V1の接着性向上のための粗化処理が施している。導体層M1の表層部をなす粗化層を予め除去しておくと、無電解Cuメッキ工程でのメッキ析出性が良化し、ひいてはビアの導通接続性に寄与する。このソフトエッチングには、たとえば硫酸や塩酸を用いることができる。また、HSO−HやNaなどの酸化性溶液により、導体層M1を構成するCuのマイクロエッチングを行ない、次いで、硫酸や塩酸により酸洗するといった方法を採用できる。
【0027】
次に、誘電体層V1の表面に無電解Cuメッキ層56を形成する。そして、図7に示すごとく、電解メッキ層形成用のドライフィルムレジストDFを無電解Cuメッキ層56の上にラミネートする。このドライフィルムレジストDFは、露光・現像を経てパターニングされ、電解Cuメッキに対するメッキレジストとして使用されるものである。ドライフィルムレジストDFを露光する工程は、次のようにして行なうことができる。すなわち、位置合わせマーク50に誘電体層V1の主表面側から位置検出用の光を照射し、CCDカメラ54等の撮像機器で反射光を検出する。誘電体層V1の表面は、前述したデスミア工程で使用した薬液(アルカリ性過マンガン酸カリ溶液など)によって粗化されている。位置合わせマーク50の溝50a部分の反射率は周囲よりも高くなるので、位置合わせマーク50を高精度で認識することができる。
【0028】
CCDカメラ54によって位置合わせマーク50が撮像され、像を処理して得られる位置情報に基づいて、配線基板ワーク1’と露光用マスク52との相対位置合わせを行なう。ここで、反射光を検出するCCDカメラ54のフォーカスは、誘電体層V1の主表面に合わせることができる。そして、ドライフィルムレジストDF越しに位置合わせマーク50を撮像し、位置合わせマーク50の溝50aの開口端50p,50q(図5参照)を認識するようにするとよい。
【0029】
このとき、ドライフィルムレジストDFは、溝50aにしっかりと張られていることが好ましい。仮に、ドライフィルムレジストDFが溝50a内に撓んで入り込んでいたりすると、位置合わせマーク50のエッジ(溝50aの開口端50p,50q)の認識精度低下を招く。したがって、位置合わせマーク50を形成する工程では、ドライフィルムレジストDFがレーザによって掘削された溝50a内に追従することが抑制されるように掘削予定領域58(溝50aの幅)を設定する。
【0030】
上記のようにして、配線基板ワーク1’と露光用マスク(図示省略)との相対位置合わせを行ない、ドライフィルムレジストDFを露光および現像する。その後、電解Cuメッキ工程を行なう。ドライフィルムレジストDFに被覆されていない部分に、電解Cuメッキ層が選択的に形成される。電解Cuメッキ工程が終了したら、薬液でドライフィルムレジストDFを除去する。そして、電解Cuメッキ層を形成するための通電経路として利用した無電解Cuメッキ層56をクイックエッチングにより除去する。このようにして、所期のパターンを持った導体層M2を形成することができる。
【0031】
なお、図10に示すごとく、ドライフィルムレジストDFを薄い支持フィルム51で支持した状態を保持し、位置合わせマーク50を認識するための光をドライフィルムレジストDF、支持フィルム51および露光用マスク52の三者越しに照射するようにしてもよい。続く露光工程も、図10の状態で行なうことができる。このようにすれば、露光用マスク52にゴミ等が付着し難いので好ましい。本発明によれば、配線基板ワーク1’が認識性に優れる位置合わせマーク50を有するので、ドライフィルムレジストDFと露光用マスク52との間に支持フィルム51が介在したとしても位置合わせ精度に大きな支障は生じない。なお、支持フィルム51は、位置合わせマークを撮像するときに使用する光(たとえば白色光)と、ドライフィルムレジストDFを露光するときに使用する光(i線、h線、g線など)に対して良い透光性(具体的には透過率80%以上)を有することが望ましい。たとえば、薄いPETフィルムは好適である。
【0032】
また、図11に示すごとく、位置合わせマーク50を避ける形でドライフィルムレジストDFを配線基板ワーク1’にラミネートし、さらに、位置合わせマーク50を避ける形で露光用マスク52を配置することが可能である。このようにすれば、位置合わせマーク50とCCDカメラ54との間に障害が介在しないので、コントラストの低下がなくなり、位置合わせマーク50の認識性は極めて良好なものとなる。
【0033】
以上の手順を繰り返し行ない、第一配線積層部L1および第二配線積層部L2を形成したのち、ソルダーレジスト層SR1,SR11を形成する。次に、ソルダーレジスト層SR1,SR11に開口8a,18aを設ける。そして、ソルダーレジスト層SR1,SR11の開口8a,18a内に露出した導体層M3,M13にNi/Auメッキを施し、端子パッド10,17を得る。Ni/Auメッキ工程の終了後、ソルダーレジスト層SR1の開口8a内にSn−Ag−Cuなどの鉛フリー半田ペースト若しくはSn−Pb共晶ペーストをスクリーン印刷法などの手法により充填し、リフロー工程を行なう。これにより、端子パッド10の上に半田バンプ11が形成される。以上のようにして図3に示す配線基板1が作製される。
【0034】
(露光工程の別実施形態)
図7、図10および図11で説明した実施形態は、露光用マスク52を配線基板ワーク1’に密着または十分接近させる露光方法、いわゆるコンタクト露光を前提としているが、本発明がコンタクト露光に限定されるわけではない。たとえば、図12に示すごとく、配線基板ワーク1’と露光用マスク53との間に投影レンズ55が介在する露光方法、いわゆる投影露光も好適に採用することができる。また、図12では複数のエリアに分けて露光を行なう分割露光方式を示しているが、配線基板ワーク1’をパネル単位で一括して露光する一括露光方式を採用することもできる。CCDカメラ54で位置合わせマーク50を撮像し、その撮像結果に基づいて配線基板ワーク1’と露光用マスク53との相対位置合わせを行なう点については、投影露光とコンタクト露光との間に相違は無い。
【0035】
また、マスクを使用しない露光方法を本発明に適用することができる。マスクを使用しない露光方法は、図13に示すごとく、LDIシステム70を用いる方法である。LDIシステム70は、UVレーザ発振器64、ポリゴンミラー62、レンズ66、CCDカメラ54およびXYステージ68を備える。UVレーザ発振器64で生成されたレーザは、ポリゴンミラー62およびレンズ66を含む光学系を経由して配線基板ワーク1’に所定のパターンで照射される。これにより、配線基板ワーク1’のドライフィルムレジストに潜像が形成される。LDIシステム70は、CCDカメラ54で位置合わせマーク50を撮像し、その撮像結果に基づいてXYステージ68の位置制御を行ない、配線基板ワーク1’と、レーザを照射するためのラスタデータが持つ座標系との相対位置関係を適正にし、レーザを照射する。つまり、マスクを使用しない露光工程を行なう場合でも、認識性に優れる位置合わせマーク50の存在が不可欠である。なお、図13はラスタスキャン方式を示しているが、ベクタスキャン方式も採用可能である。
【実験例】
【0036】
本発明の効果を確かめるために以下の実験を行なった。まず、溝50aの内径が0.8mmであり、外径が1.0mmの位置合わせマーク50を有する配線基板ワーク1’を、本実施形態中で説明した手順にて複数形成した。各配線基板ワーク1’について、位置合わせマーク50を反射方式にて撮像し露光用マスクとの位置合わせを行なった。露光用マスクは、図8に示すごとく、ドライフィルムレジストDFが位置合わせマーク50を同心状に取り囲む形で露光・現像されるように、パターンを形成したものを使用した。また、配線基板ワーク1’を載置するステージは、位置合わせマーク50の撮像時からドライフィルムレジストDFの現像時に至るまで動かさなかった。
【0037】
露光・現像工程の終了後、各配線基板ワーク1’について、図8に示すごとく、リング状にパターニングされたドライフィルムレジストDFの中心座標と、位置合わせマーク50の中心座標とのズレ量であるミスアライメント量MAを計測した。また、比較例として、φ1.0mmのCuランドを導体層M1に形成した配線基板ワークを用い、該Cuランドを透過光で板状コア側からの透過光で撮像し、上記と同様の手順でドライフィルムレジストを露光・現像し、ミスアライメント量MAを計測した。結果を図9に示す。
【0038】
図9(a)がリング状の位置合わせマーク50の場合であり、図9(b)が比較例の場合である。この結果より明らかなように、本発明の方法によって形成した位置合わせマーク50を反射光にて撮像する方法によれば、透過方式(比較例)比して、ミスアライメント量MAのバラツキが小さかった。すなわち、位置合わせマーク50の認識性が良好であり、露光用マスクと配線基板ワークとの位置合わせ精度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】配線基板の一実施形態を示す平面図。
【図2】同じく裏面図。
【図3】配線基板の断面構造の一例を示す図。
【図4】配線基板ワークの全体模式図。
【図5】位置合わせマークの断面模式図および上面図。
【図6】掘削予定領域およびレーザの照射位置を示す概念図。
【図7】反射光により位置合わせマークを撮像し、配線基板ワークと露光用マスクとの相対位置合わせを行なう工程を示す模式図。
【図8】ミスアライメント量の定義を説明する概念図。
【図9】実験結果を示す散布図。
【図10】ドライフィルムレジストをPETフィルムで支持したまま位置合わせ工程、露光工程を行なう実施形態を示す模式図。
【図11】露光用マスクおよびドライレジストフィルムを介在させずに位置合わせマークを撮像する実施形態を示す模式図。
【図12】分割投影による露光工程を示す模式図。
【図13】LDI技術による露光工程を示す模式図。
【符号の説明】
【0040】
1 配線基板
1’ 配線基板ワーク
50 位置合わせマーク
50a 溝
54 CCDカメラ
58 掘削予定領域
M1,M2,M3,M11,M12,M13 導体層
V1,V2,V11,V12 誘電体層
L1,L2 配線積層部
DF ドライフィルムレジスト
T1,T2 基準線
〜K,k〜k 照射位置
【出願人】 【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号
【出願日】 平成17年1月12日(2005.1.12)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫

【公開番号】 特開2005−244182(P2005−244182A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2005−5510(P2005−5510)