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【発明の名称】 配線基板の製造方法
【発明者】 【氏名】伊藤 達也
【住所又は居所】愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内

【要約】 【課題】コア基板を有さない配線基板において、電子部品側の接続端子と接続するビアの小径化、小ピッチ化とその形成精度の向上を可能とする配線基板の製造方法を提供する。

【解決手段】コア基板を有さず、かつ両主表面が誘電体層にて構成されるよう、配線積層部からなる配線基板の製造方法であって、補強のための支持体の少なくとも一方の主表面に、導体層と異なる金属材料にてなる金属薄膜層51を介して第一誘電体層上に配線積層部10’を形成した後、支持体を除去して、金属薄膜層51を露出させる支持体除去工程と、金属薄膜層51に開口を形成した後、レーザによってビア用開口を形成し、導体層11を露出させる工程と、金属薄膜層51を選択エッチングにより除去する工程と、開口を導体により充填するとともに、充填された導体の露出面に配線基板の接続端子を形成する工程と、をこの順で行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基板を有さず、かつ両主表面が誘電体層にて構成されるよう、導体層と誘電体層とが積層される配線積層部からなる配線基板の製造方法であって、
製造時における補強のための支持体の少なくとも一方の主表面に、前記導体層と異なる金属材料にてなる金属薄膜層を介して前記配線積層部を積層し、かつ該配線積層部には、前記金属薄膜層と密着する層として第一誘電体層を形成する積層工程と、
前記支持体を除去して、前記金属薄膜層を露出させる支持体除去工程と、
前記金属薄膜層に開口を形成した後、レーザによって、該開口直下の前記第一誘電体層を貫通するビア用開口を形成し、前記導体層を露出させる開口形成工程と、
前記金属薄膜層を、選択エッチングにより除去する金属薄膜層除去工程と、
前記開口を導体により充填するとともに、充填された前記導体の露出面に前記配線基板の接続端子を形成する接続端子形成工程と、
をこの順で行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コア基板を有さない配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器における高機能化並びに軽薄短小化の要求により、ICチップやLSI等の電子部品では、小型化、高密度集積化が急速に進んでおり、これに伴い、電子部品を搭載するパッケージ基板には、従来にも増して高密度配線化(ファインライン化、ファインピッチ化)及び多端子化が求められている。
【0003】
このようなパッケージ基板としては、現状において、ビルドアップ多層配線基板が採用されている。ビルドアップ多層配線基板とは、補強繊維に樹脂を含浸させた絶縁性のコア基板(FR−4等のガラスエポキシ基板)のリジッド性を利用し、その両主表面上に、高分子材料からなる誘電体層と導体層とが交互に配されたビルドアップ層を形成したものである。このようなビルドアップ多層配線基板では、ビルドアップ層において高密度配線化が実現されており、一方、コア基板は補強の役割を果たす。そのため、コア基板は、ビルドアップ層と比べて非常に厚く構成され、またその内部にはそれぞれの主表面に配されたビルドアップ層間の導通を図るための配線(例えば、スルーホール導体と呼ばれる)が厚さ方向に貫通形成されている。ところが、使用する信号周波数が1GHzを超える高周波帯域となってきた現在では、そのような厚いコア基板を貫通する配線は、大きなインダクタンスとして寄与してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、そのような問題を解決するため、特許文献1に示されるような、コア基板を有さず、高密度配線化が可能なビルドアップ層を主体とした配線基板が提案されている。このような配線基板では、コア基板が省略されているため、全体の配線長が短く構成され、高周波用途に供するのに好適である。このような配線基板を製造するためには、段落0012〜0029及び図1〜4に記載されているように、金属板上にビルドアップ層を形成した後、該金属板をエッチングすることにより薄膜のビルドアップ層のみを得る。そして、このビルドアップ層が配線基板とされる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−26171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような配線基板においても、電子部品の小型化が著しい昨今においては、既に述べたように従来にも増して高密度配線化(ファインライン化、ファインピッチ化)及び多端子化が求められている。特に、電子部品の多端子化に伴い、その電子部品と接続される配線基板の接続端子側のビアに対して、小径化、小ピッチ化の要求が高まりつつある。ところが、従来のようなビア形成では、このような要望に十分に対応する小径のビアの形成が困難であった。
【0007】
そこで、本発明では、誘電体層と導体層とが積層され、かつコア基板を有さない配線基板において、電子部品側の接続端子と接続するビアの小径化、小ピッチ化とその形成精度の向上とを図るとともに、効率的な製造を可能とする配線基板の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段及び作用および発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の配線基板の製造方法では、
コア基板を有さず、かつ両主表面が誘電体層にて構成されるよう、導体層と誘電体層とが積層される配線積層部からなる配線基板の製造方法であって、
製造時における補強のための支持体の少なくとも一方の主表面に、前記導体層と異なる金属材料にてなる金属薄膜層を介して前記配線積層部を積層し、かつ該配線積層部には、前記金属薄膜層と密着する層として第一誘電体層を形成する積層工程と、
前記支持体を除去して、前記金属薄膜層を露出させる支持体除去工程と、
前記金属薄膜層に開口を形成した後、レーザによって、該開口直下の前記第一誘電体層を貫通するビア用開口を形成し、前記導体層を露出させる開口形成工程と、
前記金属薄膜層を、選択エッチングにより除去する金属薄膜層除去工程と、
前記開口を導体により充填するとともに、充填された前記導体の露出面に前記配線基板の接続端子を形成する接続端子形成工程と、
をこの順で行うことを特徴とする。
【0009】
上記本発明の配線基板の製造方法を簡単に説明すると、まず積層工程において、製造時における補強のための支持体を形成し、その支持体の一方の主表面には配線基板となるべき配線積層部を積層形成する。このとき支持体は、配線積層部との密着面側に金属薄膜層が被膜されてなるとともに、該金属薄膜層と密着して形成される誘電体層(第一誘電体層)には層間接続用のビア導体等が形成されていない。この第一誘電体層にビア導体が形成されないままの状態で、該第一誘電体層上に複数層のビルドアップ層を積層形成し、その後、支持体除去工程により支持体を除去する。このとき、支持体に被膜された金属薄膜層の一部又は全体は、第一誘電体層を覆った状態で配線積層部に残る。次いで、開口形成工程では、残された金属薄膜層(以下、残部金属薄膜層ともいう)をマスクとして、レーザにより第一誘電体層に開口を形成する。開口形成後、金属薄膜除去工程にてレーザ加工時のマスクをなした残部金属薄膜層を除去するとともに、接続端子形成工程にて、開口を導体によって充填し、他の電子部品と電気的に接続するための接続端子を形成する。本発明の配線基板の製造方法は、これらの工程にてなるものである。
【0010】
上記支持体除去工程においては、支持体と配線基板となるべき配線積層部とを分離し、支持体を除去する。その際、分離面は金属薄膜層に形成されるとともに、分離した金属薄膜層のうちの配線積層部側には、金属薄膜層の一部又は全体が第一誘電体層と密着したまま残る。残った金属薄膜層の残部(残部金属薄膜層)は、第一誘電体層を覆っているため、これをそのまま第一誘電体層にビア用の開口を形成するためのマスクとして利用することができる。これにより、第一誘電体層に効率的にビア用の開口を形成することができる。なお、本発明においては、第一誘電体層の開口形成は、小径の開口を形成するのに適するレーザによる加工方法を採用している。金属薄膜層をレーザ加工時のマスクとして利用する場合、金属薄膜層には、レーザ光に対して高い反射率を有する金属材料が選択される必要がある。また、第一誘電体層は、例えば熱硬化性を有する樹脂シート等によって形成することができるが、この場合、第一誘電体層積層時(積層工程)にて硬化処理が施されていることが好ましい。
【0011】
上記開口形成工程においては、図8のようにレーザを用いたコンフォーマルレーザ加工により第一誘電体層に開口形成を行う。このとき、レーザの金属薄膜層の露出面におけるビーム径が、開口(マスクとなる金属薄膜層の開口)の径より大きいことを特徴とすることができる。本発明とは異なり、マスクを使用することなく誘電体層にレーザを用いて小径の開口を形成する場合は、レーザ光のビームスポット径rを、要求されるビア用の開口径rの大きさに合わせて小さくする必要がある。レーザのビームスポット径rを一定以上小さく絞るためには、レーザ発振装置又はレーザ光路に配される光学系の細かな設定調整が必要となり、要求される径が小さい場合はこれらの設定が極めて困難となる場合がある。また、こうした微妙な調整の上で形成されたビームは安定し難い場合が多く、このようなビームにて開口が形成された場合、その形状や寸法がばらつく可能性がある。したがって、開口の形成は、要求される開口径rの大きさが小さくなるほど困難となり、その精度も悪くなる傾向にある。ところが、本発明によれば、図8のようにレーザのビーム径rをマスク開口径rよりも大きくとることで、ビームスポットの広い安定したビームを用いることが可能となるため、開口径rが小径であっても、その形成は容易となる。また、従来のレーザによる開口の形成では、レーザ照射側の開口径であるトップ径よりも逆側のボトム径の方が径が小さくなる開口構造、いわゆるテーパー構造となるという問題もある。本発明によれば、レーザのビームスポット中央部の、比較的高いビーム強度を有する光のみをマスク開口内に入射するように設定することができるため、トップ径とボトム径との径差が小さい開口を形成することが可能である。
【0012】
また、開口形成後には、配線基板の導体層となるべき導体パターンが露出して現れる。本発明によれば、金属薄膜層は、導体層に対して選択エッチング性を有するとともに、金属薄膜層除去工程は、導体層に対する選択エッチング処理によって行うことを特徴とすることができる。これにより、上記レーザ加工時のマスクとして利用される残部金属薄膜層を構成する金属材料には、導体層を形成する金属材料に対して選択エッチング性を有するものが選択され、残部金属薄膜層をエッチング除去する際に、導体パターンが同時にエッチングされる危険が無い。したがって、金属薄膜層にはレーザ加工時のマスクとして利用可能で、かつ導体パターンと選択エッチング性を有する金属材料が選択される必要があり、本発明では特に、金属薄膜層は、Ti,Al,Ag,Snのうち少なくとも1種以上の金属材料からなり、かつ導体層は、Cuを主成分とすることを特徴とする金属薄膜層は、Ti,Al,Ag,Snのうち少なくとも1種以上の金属材料からなることを特徴とすることができる。これによれば、上記金属薄膜層に適用可能とした上記金属材料は、レーザ光に対する反射率が高い金属材料でもあり、上記のレーザ加工時のマスクとしても用いることが可能であるため、本発明に適するものである。また、自身を除去する際、導体層に対して選択的にエッチングすることができるという利点を有する。
【0013】
また、レーザによって形成された開口に充填された導体の露出面を、電子部品との接続用端子として形成してもよい。図2は、本発明の配線基板製造方法にて製造された配線基板を用いた半導体装置100であるが、この半導体装置100のように、配線基板製造時に支持体側であった面を電子部品搭載面とすることができる。図2では、配線基板製造時に支持体側をなしていた誘電体層B1に、ビアVA1が形成され、該ビア導体VA1上にはんだバンプFBを形成し、これを接続端子としている。このような構造は、例えばビア導体上にパッド用の面導体を形成し、その上にはんだバンプを形成するような構造の配線基板に比べ、接続端子間の距離を短くできるため、本発明の目的である電子部品側の接続端子と接続するビアの小径化、小ピッチ化にとって、好適な構造といえる。従来、支持体側のビア導体に接続端子を形成する場合、ビア導体は、図9(a)のように製造時に支持体があった側の径が小さく、逆側が大きいテーパー構造となるように形成されていた。このような構造のビア導体が形成されると、支持体上にビルドアップ層を積層し、該支持体を除去した際に、露出するビア導体はテーパー構造の小径側が露出し、その露出面積が小さくなる。したがって、図9(a)のようにはんだバンプFBの濡れ面積が小さくなり、不濡れが生じ、はんだバンプFBの形成不良が発生しやすくなる。従って、濡れ面積を大きくとるためにビア導体は大きく形成される必要があり、ビアの小径化を行うことが困難であった。本発明によれば、図1に示す第一誘電体層B1に形成されるビア導体VA1は、支持体除去後に、開口形成工程、金属薄膜層除去工程を経て、接続端子形成工程によって形成される。したがって、ビア導体のテーパー構造は、図9(b)のように、第一誘電体層B1に形成されたビア導体VA1のみ逆向きであり、そのビア導体VA1の露出面側の径が大きくなるテーパー構造をなすように形成される。
【0014】
また、本発明の配線基板の製造方法は、
前記積層工程は、
製造時における補強のための支持基板の少なくとも一方の主表面に下地誘電体層を形成するとともに、該下地誘電体シートの主表面上に包含されるように、前記金属薄膜層と金属箔とが密着してなる金属箔密着体を、該金属箔側が前記下地誘電体シートと密着するように形成することで、前記支持基板と前記下地誘電体シートと前記金属箔密着体とにてなる前記支持体を形成する支持体形成工程と、
前記金属箔密着体の周囲領域にて前記下地誘電体シートと密着し前記金属箔密着体を封止するように前記第一誘電体層となるべき第一誘電体シートを形成し、該第一誘電体シートの主表面上に、前記導体層と、前記誘電体層となるべき誘電体シートとを順次積層することで、前記第一誘電体シートと前記導体層と前記誘電体シートにてなる積層シート体を形成する積層シート体形成工程と、
前記積層シート体のうち、前記金属箔密着体上の領域を前記配線積層部として、その周囲部を除去し、該配線積層部の端面を露出させる周囲部除去工程と、をこの順で有するとともに、
前記支持体除去工程は、前記支持体を前記配線積層部から除去するために、前記金属薄膜層内または前記金属薄膜層と前記金属箔との界面に剥離面が形成されるように、前記支持体と前記配線積層部とを剥離することを特徴とするものであっても良い。
【0015】
上記配線基板の製造方法は、配線基板製造時の補強のための支持基板と、下地誘電体シートと、金属薄膜層と金属箔とが密着した金属箔密着体とからなる支持体上に、配線基板となるべき配線積層部を含む積層シート体を形成し、該積層シート体に形成された配線積層部を除く領域を除去した後、金属薄膜層に剥離面を形成する形で、支持体を剥離することによって除去することを特徴とするものである。これによれば、支持体除去工程における支持体の除去を、剥離によって簡易にかつ短時間で行うことが可能となる利点を有する。
【0016】
また、本発明の配線基板の製造方法は、前記積層工程は、前記支持体として金属板を用いることを特徴とするものであっても良い。
【0017】
これによれば、支持体除去工程は金属板をエッチングにより除去することで行うことができ、また、このとき金属薄膜層が、金属板に対して選択比の異なる、特には大きい金属材料であれば、比較的高濃度のエッチング液を用いて短時間で金属板を除去することが可能となる。例えば、金属板がCuを主成分とするのであれば、金属薄膜層は、上述したTi,Al,Ag,Snのうち少なくとも1種以上の金属材料を採用することが可能である。また、このような金属薄膜層は、金属板に対してエッチストップ層として機能させることが可能である。金属板は支持体除去工程でエッチングにより除去されるが、このとき、金属薄膜層がエッチストップ層の役割を果たすので、金属薄膜層と接する誘電体層および導体層がエッチング液によってダメージを受けることがない。また、既に述べた金属薄膜層の利点(レーザ加工用マスクとして利用可能、かつ金属薄膜層除去時に導体層に対して選択的にエッチング可能)をも同時に実現できるため有効である。
【発明の実施の形態】
【0018】
図1は、本発明の配線基板の製造方法によって形成された配線基板の一例を表す概略図である。配線基板1は、コア基板を有さず、且つ高分子材料からなる誘電体層(B1〜B4)と導体層(M1〜M3)とが積層された積層体を有する。該積層体の第一主表面MP1は、電子部品を搭載するための搭載面とされ、主表面をなす第一誘電体層上には、電子部品と接続するための、ハンダで構成されたハンダバンプFBが形成され、突起状の金属端子をなしている。また、第一誘電体層内には、該金属端子と接続されるビア導体VA1が形成されている。なお、該ビア導体を形成するために第一誘電体層に形成された開口は、後述するレーザ加工によって形成されることを特徴としている。また、第二主表面MP2は、外部基板等と接続するための接続面とされ、第四誘電体層B4が形成されるとともに、その開口からは第三導体層M3をなす導体パターンが、外部基板への接続を担う金属端子パッドPDとして露出して形成されている。
【0019】
また、図1において、金属導体層M1、M2には、導体パターンCLが形成されており、誘電体層B1〜B3内には異なる導体層間を接続するためのビア導体VA1〜VA3が埋設形成されている。そして、導体パターンCL及びビア導体VAにより、電気導通路(例えばハンダバンプFBから金属端子パッドPDへの)が形成される。なお、誘電体層B1〜B4は、例えばエポキシ樹脂を主成分とする材料にて構成することができ、また導体パターンCL、ビア導体VA1〜VA3及び金属端子パッドPDは、例えば銅を主成分とする材料にて構成することができる。
【0020】
以上のような図1の配線基板1は、例えば図2に示すような半導体装置100とすることができる。図2に示す半導体装置100は、金属端子パッドPDに、めっき表面層NMを介してはんだバンプFBが形成され、該ハンダバンプFBに電子部品ICが接続されている。このとき、電子部品IC下の隙間がアンダーフィル材UFにて充填される。また、第一主表面MP1には、補強枠(スティフナー)STが設置されてもよい。
【0021】
以下、本発明の実施形態である配線基板の製造方法の一例を、図3〜図6を用いて説明する。
【0022】
まず、図3に示すように、工程1では、製造時における補強のための支持基板2上に下地誘電体シート3を形成する。支持基板2は、下地誘電体シート3が密着するものであれば特には限定されないが、例えばFR−4等のガラスエポキシ基板(コア基板に用いられる材料である)にて構成することができる。また、下地誘電体シート3も、特には限定されないが、例えば後述する第一誘電体シート31と同材料、すなわちエポキシを主成分とする材料にて構成することができる。
【0023】
次に、工程2では、下地誘電体シート3の主表面上に、該主表面に包含されるよう配され、金属箔5aと金属薄膜層51とが密着してなる金属箔密着体5を配す。なお、金属箔密着体5は、半硬化状態の下地誘電体シート3上に配すようにすることができる。これにより、以降の工程で金属箔密着体5(金属箔5a)が下地誘電体シート3から剥れない程度の密着性が得られやすくなる。このとき、金属箔5aは、例えば銅を主成分とすることができる。また、金属薄膜層51は、後述する金属薄膜層51のエッチング処理におけるエッチング液によって、第一導体層をなす導体パターン11がエッチング除去されないように、該導体パターン11をなす金属材料に対して、エッチング選択比が異なる、特には大きいものである必用があり、例えばTi,Ag,Sn,Alからなる金属材料を用いることができる。このような金属箔密着体5は、金属薄膜層51内に剥離面を形成する形で剥離することが可能となる。これにより、支持基板2と下地誘電体層3と金属箔密着体5とからなる支持体9が形成される。
【0024】
なお、この金属箔密着体5は、例えば図7に示す工程の順で予め形成しておくことができる。まず、工程1では、金属箔5aと後の工程にて除去される除去金属箔5bとによって金属薄膜層51を間に挟んだ積層箔50を予め準備する。この積層箔50は、例えば金属箔5aおよび除去金属箔5bのそれぞれの一方の主表面に、蒸着によって金属薄膜層51となるべき金属薄膜51a,51bをそれぞれに被膜形成しておき、金属薄膜51a,51bが接するようにプレス成形により圧着することで形成できる。このとき、金属箔5aと除去金属箔5bとが同じ金属材料であれば、除去金属箔となる金属箔は、金属箔5a,5bのどちらであっても良い。次いで工程2では、金属箔5aの露出面を、例えばドライフィルムレジスト6により覆う。工程3では、除去金属板5bを、例えばウェットエッチングにより除去した上で、ドライフィルムレジスト6を除去する。これにより、上記金属箔密着体5が形成される。これにより、金属薄膜層51は、金属薄膜51a,51bをある程度の密着強度を有しするように密着させるとともに、両金属薄膜51a,51bとの界面において引き剥がし可能に形成される。
【0025】
図3に戻り、工程3では、金属箔密着体5を包むように、第一誘電体層B1(図1)となるべき第一誘電体シート31を形成する。そして、該第一誘電体シート31は、金属箔密着体5の周囲領域にて下地誘電体シート3と密着する形で、金属箔密着体5を封止する。なお、誘電体シートの形成は、例えば周知の真空ラミネーション法を用いることができる。
【0026】
図4の工程4では、例えば周知のビルドアップ法により第一誘電体シート31上にビルドアップ層を積層する。ただし、第一誘電体シート31内にはビア導体を形成せず、また、配線基板を構成すべき導体層の導体パターンは、すべて金属箔密着体5の上部領域にのみ形成する。このように、誘電体シート31〜34、および導体層をなす導体パターン11〜13が順次積層される。また、各誘電体シート内にはビア導体22,23が形成され、各導体層間を接続している。以上により、下地誘電体シート3の主表面上に、該主表面に包含されるよう配された金属箔密着体5と、該金属箔密着体5を包むよう形成され、かつ該金属箔密着体5の周囲領域にて下地誘電体シート3と密着して該金属箔密着体5を封止する第一誘電体シート31と、を有する積層シート体10が形成される。なお、積層シート体10のうち、金属箔密着体5上の領域は、配線基板となるべき配線積層部10´(図4の工程5に示す)とされている。なお、本実施形態では、積層シート体10を構成する誘電体シート31〜34に関して、その誘電体シートの数はこれに限られることはない。
【0027】
また、積層シート体10の積層時におけるビア導体の形成は、例えば周知のレーザ加工によりビア用開口を形成した上で、該ビア用開口を周知のセミアディティブ法における無電解メッキによって充填することで行える。このとき、ビア用開口が形成される誘電体シートは、例えばエポキシを主成分とする材料にて構成することができる。さらに、ビア用開口をレーザ加工によって形成する場合には、少なくとも熱硬化性を有し、かつレーザ加工前に硬化処理が施されていることが好ましい。また、ビア用開口をフォトビアプロセスにより形成する場合には、少なくとも感光性を有する必用がある。
【0028】
導体層をなす導体パターンは、金属箔密着体5の上部にのみに形成されるとともに、上述したセミアディティブ法により形成することができる。このとき導体層をなす導体パターン11〜13、およびビア導体21〜23(ビア導体21については後述する)は、例えば銅を主成分として構成することができる。なお、導体パターン13は、マザーボードや他の配線基板と接続する金属端子パッドとして形成され、導体パターン11は、後述する電子部品側のビア導体と接続するように形成される。
【0029】
本実施形態では、積層シート体10の上側の露出した主表面が電子部品搭載側となるように形成されている。したがって、積層シート体10の上側主表面をなす誘電体シート34は、ソルダーレジストにて形成される。
【0030】
工程5では、積層シート体10のうち、金属箔密着体5上の領域のみが、配線基板1(図1参照)として残されるように、該当領域以外を除去する。この除去処理は、例えば、金属薄密着体5の両端部を含むA1−A1´断面およびA2−A2´断面で、その下の下地誘電体シート3及び支持基板2ごと、例えばブレード刃等により切断することで行う。このように切断処理を行うことは、後述する金属薄膜51aと金属薄膜51bとの引き剥がしが容易とするために有効である。このようにして、金属箔密着体5の上下の領域に形成された積層部分(配線積層部)10´のみ残る。このとき、切断によって残された前記誘電体シート31´〜34´は、形成されるべき配線基板の誘電体層31´〜34´(図1の誘電体層B1〜B4)となる。
【0031】
工程6では、配線積層部10´を金属箔膜層51上部が付着した形で剥離する。このとき、上記した金属薄膜層51を構成していた金属薄膜51a、51bの界面が剥離面となるため、上記金属薄膜層51上部とは、上記金属薄膜51b(以下、残部金属薄膜層ともいう)であるといえる。なお、本発明においては、支持体を除去した後、第一誘電体層が露出しないように前記金属薄膜層が残っておればよく、必ずしも上記界面にて剥離される必要はない。
【0032】
図5の工程7では、剥離によって露出した金属薄膜51bの露出面に、例えば、ドライフィルムレジスト等のレジスト層6をパターン形成する。工程8では、このレジスト層6の開口から露出する金属薄膜51bを、例えばエッチング処理によって除去する。これにより、金属薄膜51bには、導体パターン11と接続するビア導体21をレーザ加工によって形成するためのマスクパターンが得られる。マスクパターン形成後にレジスト層6は除去される。工程9では、金属薄膜51bをマスクとして、マスクの各開口にレーザ、例えばCOレーザやUV−YAGレーザ等を照射し、第一誘電体シートに開口を形成する。
【0033】
図6の工程10では、レーザ加工用のマスクとして用いられた金属薄膜51bを、例えばエッチング処理によって除去し、導体パターン11を露出させる。このときエッチング処理に用いられるエッチング液は、金属薄膜51bと導体パターン11とを選択的にエッチングできるものが選択される必要がある。これにより、エッチング液による導体パターン11の侵食を防ぐことができる。
【0034】
工程11では、電子部品などと接続するための接続端子を形成するために、例えば電解めっき処理により導体パターン11のそれぞれの露出表面にメッキ表面層7を形成した上で、該めっき表面層(図示なし)を介してはんだバンプ40を形成する。このとき、電解メッキ処理は、例えば電解Ni−Auメッキ又は電解Sn(ハンダ)メッキを用いることができる。これにより、図1に示す配線基板1が得られる。
【0035】
上記実施形態においては、支持体の除去を剥離によって行うことで、簡易に勝つ短時間で支持体を除去できることを利点として有する配線基板の製造方法であり、これに対して、本発明を適用したものである。以下、上記実施形態を第一実施形態とした上で、本発明の第二実施形態を、図10,11を用いて説明する。第二実施形態では、支持体として金属薄膜層が被膜された金属板を用いることを特徴とする配線基板の製造方法に対し、本発明を適用したものである。
【0036】
図10の工程1では、支持基板としての役割を果たす金属板2の一方の主表面に、片面のスパッタリング処理によって、金属薄膜層51を被膜する。ここで、金属板2は、エッチング処理によって除去可能な金属材料で形成される必要があり、例えばCu、Cu合金、SUS(JIS規格)、Ni、Fe−Ni合金、Al、Al合金、インバー、インバー合金等を用いることができる。また、金属薄膜層51は、金属板2に対する選択エッチング性を有し、且つ配線基板製造時の各種熱処理によって金属板2と合金化されにくい金属材料、例えば上記Ti,Al,Ag,Sn等のうちの少なくとも1つ以上からなるものを用いることができる。本実施形態においては、金属板として銅板(Cu)、金属薄膜層としてTiを用いるものとする。次に工程2に示すように、金属薄膜層51の主表面に、第一誘電体層31´を形成する。工程3では、第一誘電体層31´の主表面には、第一金属導体層をなす導体パターン11を形成する。このとき、第一誘電体層31´には、導体パターン11と接続されるビア導体等は形成されていない。
【0037】
図11の工程4では、周知のビルドアップ法により、配線積層部10´を形成する。なお、該配線積層部10´における最表層には、本実施形態においては、ソルダーレジストからなる第四誘電体層34´が形成される。なお、本実施形態では、配線積層部10´は、導体層をなす導体パターン11〜13及び誘電体層31´〜34´にて構成されているが、導体層及び誘電体層の数はこれに限られることはない。また、導体パターン11〜13及びビア導体22,23は、例えばCuを主成分とするものとする。また、現段階で配線積層部10´に形成されるビア導体は、例えば、周知のレーザ加工やフォトビアプロセスによりビア用開口を形成し、該ビア用開口を、例えばセミアディティブ法による無電解メッキによって充填することにより得ることができる。
【0038】
図12の工程5に示すように、積層時の支持基板の役割を果たしていた金属板2を、例えばエッチング液を用いたウエットエッチングにて、選択的にエッチング除去する。この際、金属薄膜層51は、エッチストップ層として機能する。ここで使用されるエッチング液は、金属板2と金属薄膜層51とのそれぞれ金属材料間にてエッチング選択比が異なるもの、特には大きいものを適宜用いるとともに、エッチング時間が短縮されるように高濃度の薬液が使用されると良い。工程5以降は、第一実施形態の工程7以降の工程(図5,6)と同様の処理にて行うことができ、金属薄膜層51全体が上記第一実施形態の残部金属薄膜層51aに該当するため、該金属薄膜層51をマスクとしてレーザにより第一誘電体層31´に開口を形成し、ビア導体21を形成し、その露出面を接続端子部とするため、例えばNi−Auめっきを介してはんだバンプ40を形成する。これにより、図1に示す配線基板1を形成することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記第一実施形態における、工程2、工程4、工程7〜工程10を必須とすれば、少なくとも本発明の目的は達成される。本発明は、上記第一実施形態および第二実施形態に限定されるものではなく、請求項の記載に基づく技術的範囲を逸脱しない限り、種々の変形ないし改良を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の配線基板の製造方法によって形成される配線基板の概略図。
【図2】図1の配線基板を用いた半導体装置を表す図。
【図3】本発明の第一実施形態である配線基板の製造方法の工程を表す図。
【図4】図3に続く図。
【図5】図4に続く図。
【図6】図5に続く図。
【図7】本発明に用いる金属箔密着体の製造方法の一実施形態を表す図。
【図8】本発明のレーザ加工を示す概略図。
【図9】ビア導体のテーパー構造を示す概略図。
【図10】本発明の第一実施形態である配線基板の製造方法の工程を表す図。
【図11】図10に続く図。
【図12】図11に続く図。
【符号の説明】
【0041】
1 配線基板
5 金属箔密着体
5a 金属箔
51 金属薄膜層
51a 金属薄膜(残部金属薄膜層)
9 支持体
10 積層シート体
10´ 配線積層体
31 第一誘電体シート
40 はんだバンプ
【出願人】 【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号
【出願日】 平成16年2月27日(2004.2.27)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫

【公開番号】 特開2005−244140(P2005−244140A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−55574(P2004−55574)