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【発明の名称】 インクジェット印刷可能な厚膜インク組成物および方法
【発明者】 【氏名】ハイシン ヤン

【要約】 【課題】種々の基板上にインクジェット印刷技術により塗布することができ、同時に多量の固体(例えば、銀の金属粉末)を含有し、噴射の瞬間において20mPa・s未満の粘度を有する安定な分散物の基板に対する付着方法の提供。

【解決手段】インクジェット印刷により基板上にインク組成物を付着させる工程を含み、該組成物は(a)機能性材料と、(b)ポリビニルピロリドンを含む有機ポリマーと、(c)有機溶媒、水、またはそれらの混合物から選択される分散ビヒクルとを含み、(a)機能性材料および(b)有機ポリマーは(c)分散ビヒクル中に分散され、および該組成物の粘度は、25から35℃の温度において5mPa・sから50mPa・sであることを特徴とする、基板に対するインクジェット印刷可能な組成物の付着方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷可能な組成物の基板に対する付着に関する方法であって、インクジェット印刷により基板上にインク組成物を付着させる工程を含み、
前記組成物は
(a)機能性材料と、
(b)ポリビニルピロリドンを含む有機ポリマーと、
(c)有機溶媒、水、またはそれらの混合物から選択される分散ビヒクルとを含み、
前記機能性材料および前記有機ポリマーは前記分散ビヒクル中に分散され、および
前記組成物の粘度は、25から35℃の温度において、5mPa・sから50mPa・sの間であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インクジェット印刷可能な組成物および基板を焼成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板が、その表面張力を変更するように処理されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板が、ガラス、セラミック、またはプラスチックから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が、10重量%までの無機樹脂酸塩をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記無機樹脂酸塩が、銀樹脂酸塩または金属樹脂酸塩の混合物であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機能性材料が、導電性機能性材料であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記有機ポリマーが、ポリメタクリレートおよびポリアクリレートを含む群から選択される他のポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物がモノマーをさらに含み、前記モノマーが紫外線硬化可能または熱硬化可能であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記モノマーが、トリエチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エチル化ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレートおよび1,10−デカンジオールジメタクリレートを含む群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記機能性材料が、組成物全体を基準にして1−60重量%の範囲内で存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記有機ポリマーが、組成物全体を基準にして1−10重量%の範囲内で存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記分散ビヒクルが、組成物全体を基準にして40−95重量%の範囲内で存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
光開始剤をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記有機溶媒が、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールのエステル類、テルペン類、エチレングリコール、エチレングリコールのエステル類、カルビトールエステル類またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は電子回路に関する。具体的には、本発明は種々の基板上へインク組成物をインクジェット印刷するために用られる材料および付着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、電子回路および特に電極部品を製造するために用いられる技術は、パターンスクリーン印刷、フォトパターニング、またはフォトレジストマーキング加工により銅導電体ホイルをエッチングすることであった。3つの加工方法の中で、スクリーン印刷処理だけが加法的方法である。しかしながら、それはデジタル制御されない。電子産業における趨勢は、性能のためにより高い解像度とより微細な導電体配線とを必要とする、より小さくより安価な電子装置を作製することであるので、これらの目標を達成する導電体材料および方法を開発することが必要となってきている。
【0003】
電子回路製造のための導電性材料の基板に対するインクジェット印刷の利用は、デジタル的および加法的な方法であり、それほど高価でなく、より迅速で、より環境を意識した、かつより柔軟性のある電子回路製造方法を提供する。そのドロップ−オン−デマンドの性能のために、ピエゾインクジェット技術が現在興味の中心である。
【0004】
典型的には、ピエゾインクジェット技術は、噴射の瞬間において測定される粘度が20mPa・s(ミリパスカル秒)未満の液体を印刷できるに過ぎない。このような低い粘度は、慣用のサイズの銀粒子を含有する分散物のような安定で高濃度の分散物を作成することを困難にする。これは、金属粒子が直径数百ナノメートルより大きい場合、特に当てはまる。導電体組成物が低い粘度を有し、および低含有量の導電体材料を含有する際の別の難点は、幅が狭くそれでいてなお厚く印刷される導電体配線を得ることである。要するに、平坦な基板表面上に得られるインクジェット印刷された薄い導電体配線は、低い導電性を有する傾向がある。ナノメートルサイズ(すなわちナノサイズ)でコロイド状の導電体粒子は、安定で低粘度のインク組成物中の導電体材料の配合量を増大させるのを助ける可能性がある。ひいては、これは厚いインクジェット印刷された導電体配線を製造することを助ける。しかしながら、ナノサイズ粒子で製造された先行技術の導電体配線は、セラミック基板をベースとする用途の多くに必要である高温焼成中に切断または破損する傾向がある。
【0005】
特許文献1は、(a)インクジェット印刷により、基板上に、溶媒中の材料のコロイド粒子の縣濁液を付着させる工程と;(b)溶媒を蒸発させて、材料が基板上に残留する工程と;(c)基板に対して付着された材料をレーザーアニールして、レーザー光線の経路によりパターンが画定される工程と;および(d)レーザー光線によりアニールされなかった過剰材料を除去する工程とからなる、材料の付着により基板上のパターンを形成させるための方法を開示する(特許文献1参照)。
【0006】
特許文献2は、水または有機溶媒と、2mPa・s以下の粘度において1重量%以上80重量%以下の量で前記水または有機溶媒中に分散された樹脂を含む、インクまたは電子部品を教示する(特許文献2参照)。特許文献2は、0.001μm以上10μm以下の粒度を有する金属粉末を少なくとも水もしくは有機溶剤中に2ポイズ以下の粘度において1重量%以上80重量%以下の量で分散することによって調製されるインクを用いるインクジェット方式により、セラミックグリーンシート上に指定されたインクパターンを形成する工程を複数回数繰り返す工程と;このインクパターンを形成する複数のセラミックグリーンシートを積層して、セラミックの原料積層体を形成する工程と;指定された形状に切断し、焼成し、および外部電極を形成する工程とを含む、電子部品を製造するための方法をさらに教示している。
【0007】
特許文献3は、2ポイズ以下の粘度を有し、粒度10μm以下の金属粉末を水または有機溶媒中に1−80重量%の濃度において分散させることにより形成され、および10分間で10mm以下または100分間で20mm以下の沈降を有する電子部品電極インクを教示する(特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,132,248号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0989570号明細書
【特許文献3】特開2000−327964号公報
【特許文献4】米国特許第3,380,831号明細書
【特許文献5】米国特許第2,927,022号明細書
【特許文献6】米国特許第2,760,863号明細書
【特許文献7】米国特許第2,850,445号明細書
【特許文献8】米国特許第2,875,047号明細書
【特許文献9】米国特許第3,097,096号明細書
【特許文献10】米国特許第3,074,974号明細書
【特許文献11】米国特許第3,097,097号明細書
【特許文献12】米国特許第3,145,104号明細書
【特許文献13】米国特許第3,427,161号明細書
【特許文献14】米国特許第3,479,185号明細書
【特許文献15】米国特許第3,549,367号明細書
【特許文献16】米国特許第4,162,162号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、種々の基板上に対してインクジェット印刷技術により塗布することができる組成物を所望し、一方同時にこれら組成物は、多量の固体(例えば、銀の金属粉末)を含有し、噴射の瞬間において20mPa・s未満の粘度を有する安定な分散物として特徴づけられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インクジェット印刷により基板上にインク組成物を付着する工程を含み、前記組成物は(a)機能性材料と、(b)ポリビニルピロリドンを含む有機ポリマーと、(c)有機溶媒、水、またはそれらの混合物から選択される分散ビヒクルとを含み、前記機能性材料および前記有機ポリマーは前記分散ビヒクル中に分散され、および前記組成物の粘度は25℃から35℃の温度において5mPa・sから50mPa・sの間である、基板に対するインクジェット印刷可能な組成物の付着のための方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、インクジェット印刷技術を含む種々の技術によって塗布することができるインク組成物の処方におけるポリビニルピロリドンのホモポリマーおよび/またはそのコポリマー類の使用を取り扱う。1つの実施形態では、組成物はピエゾインクジェット技術により塗布される。
【0012】
さらに、本発明は、室温において20mPa・s未満の粘度を有し、高い含有率の、直径1.2μmほどの大きさの、銀粒子のような固体(電気的機能性材料)を含有し、およびピエゾインクジェット方法によって印刷して電子回路を形成することができる安定なインク組成物を提供する。加えて、本発明の目的は、ナノサイズより大きい固体粒子を使用しながら、この低い粘度および高い配合量を維持することである。特に、安定した分散物を提供すると同時に、数百ナノメートルより大きい固体粒子を用いて低い粘度および高い配合量を維持することが目的である。
【0013】
発明のさらなる目的は、約24時間まで安定なままで、および振盪により再び安定化することが可能なインクジェット印刷可能な組成物を提供することである。さらに本発明のさらに別の目的は、インクジェット印刷技術を利用するこれら組成物の付着のための方法を提供することである。
【0014】
本発明は、インク深さがより厚く、それでいてより細いインク組成物の線の付着を可能にし、それゆえ高い導電率が得られるような処理/方法をさらに提供する。加えて、インクジェット印刷された導電体配線は、高温焼成に耐えることができる。このインク付着の処理は、ピエゾインクジェット技術を含むがそれに限定されるものではない、インクジェット印刷技術により実施される。本発明の組成物の分散安定性が、インクの連続攪拌を必要とすることなしに、該組成物を印刷することを可能にする。機能性材料は、金属粉末の混合物、金属粉末および金属の樹脂酸塩、または金属粉末とフリット樹脂酸塩の混合物から構成される。
【0015】
本明細書で使用される際に、機能性材料という用語は、導電性、抵抗性、誘電性のような適切な電気的機能性を与える材料を意味する。従って、より具体的には機能性材料は導電性機能性材料、誘電性機能性材料、および抵抗性機能性材料であってもよい。
【0016】
本発明の改変された厚膜組成物(本明細書中では、インク組成物と呼ぶ)の主要成分を、以下で議論する。
【0017】
I. 無機材料
A.機能性材料
誘電性機能性材料の例は、チタン酸バリウムおよび二酸化チタン、抵抗性材料、燐光体および/または顔料を含む。
【0018】
抵抗体機能性材料は、導電性酸化物を含む。本発明において、これらの機能性材料を使用してもよい。抵抗体組成物中の機能性材料の例は、Pd/AgおよびRuOである。
【0019】
さらなる誘電性機能性材料は、ガラスまたはセラミック、セラミック粉末、酸化物および非酸化物のフリット、結晶化開始剤または阻害剤、界面活性剤、着色剤、有機媒体、およびこのような厚膜誘電性組成物の技術において一般的な他の成分を含む。
【0020】
微細に分割された機能性材料の電気的機能性は、それ自体では、印刷適性に付随する問題を克服する本発明の能力には影響しない。
【0021】
本発明の導電性回路要素を例示すると、導電体機能性材料は、金属粉末の混合物、金属粉末および金属樹脂酸塩、または金属粉末とフリット樹脂酸塩との混合物を含む。
【0022】
典型的には粉末の形で用いられる導電性機能性材料の例:金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、白金、パラジウム、モリブデン、タングステン、タンタル、スズ、インジウム、ランタン、ガドリニウム、ルテニウム、コバルト、チタン、イットリウム、ユーロピウム、ガリウム、亜鉛、マグネシウム、バリウム、セリウム、ストロンチウム、鉛、アンチモン、およびそれらの組み合わせ、ならびに導電体組成物の技術において一般的な他のもの。
【0023】
さらに、必須ではないが、脂肪酸界面活性剤を用いて機能性材料を被覆してもよい。脂肪酸界面活性剤の目的は、粉末が凝集することを防止することである。被覆された機能性粒子(機能性材料)は、界面活性剤で完全に被覆されていてもよく、または部分的に被覆されていてもよい。界面活性剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアレートの塩、パルミテートの塩、およびそれらの混合物から選択される。対イオンは、水素、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、およびそれらの混合物であることができるが、それらに限定されるものではない。
【0024】
ステアレートおよびパルミテートまたはそれらの塩の混合物が使用される場合、30/70から70/30の比、およびそれらに包含される全ての比の範囲内であることが好ましい。界面活性剤は、機能性粒子(機能性材料)上に見出されるにせよ、あるいは組成物に添加されるにせよ、機能性粒子(機能性材料)の重量を基準として0.10−1重量%の範囲内で組成物中に見出される。
【0025】
機能性粒子(機能性材料)は、溶媒と適切な量の界面活性剤に粒子を混合することによって被覆されてもよい。いくつかの適当な溶媒の例は、水、アルコール類、テキサノール、テルピネオール、グリコール類、および当該技術分野において知られている任意の他の溶媒を含む。溶媒は、界面活性剤に対して、被覆処理に影響を与えるのに充分な溶解性を与えるべきである。例えば、水中に良好に分散された未乾燥(non-dried)の銀のスラリー。他の実施形態は、有機溶媒および/または乾燥銀粉末を用いる。混合処理は、任意の混合手段により達成することができるが、通常は、例えば回転する攪拌羽根を有する攪拌容器、ボールミル、攪拌される媒体ミル、振動ミル、および超音波分散機が用いられる。
【0026】
機能性粒子(機能性材料)の粒度分布は、インクジェット技術に関して機能性粒子を無効にするようなものを超えるべきではない。しかしながら、実際上、粒子の粒度(D50)が0.005μmから2μmの範囲内であることが好ましい。1つの実施形態において、粒度は0.1μmから1.2μmである。また別の実施形態において、粒度の範囲は0.3μmから0.8μmである。D100は5μmより大きくあるべきではない。本明細書において、「D」は、体積に基づく粒子分布累積曲線のn%点の粒子の粒径を意味する。
【0027】
B.ポリマー
有機ポリマーは、本発明の組成物にとって重要である。有機ポリマーに関する最も重要な要件の一つは、機能性材料(例えば金属粉末)を組成物中に分散させる能力である。本発明は、ポリビニルピロリドンホモポリマーおよびそのコポリマーが、機能性材料(特に金属、とりわけ銀金属)を組成物中に分散させるのに最も有効な有機ポリマーであるという発見を開示する。ポリビニルピロリドン、他のモノマーとビニルピロリドンのコポリマーまたはそれらの混合物を独立的に用いてもよいし、あるいはポリメタクリレートおよびポリアクリレートのような他のポリマーとの組み合わせにおいて用いてもよい。
【0028】
ポリビニルピロリドンコポリマーは、任意の他のモノマー(単数または複数)とビニルピロリドンのコポリマーであることができる。コポリマーの2つの実施形態は、ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニルアルコール)、およびポリ(ビニルピロリドン−co−メタクリレート)である。コポリマー中のビニルピロリドンの量は、5重量%から100重量%までの範囲で変動することができる。ポリビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドンコポリマーの重量平均分子量Mwは、1,000から1,000,000までであることができる。1つの実施形態において、Mwの範囲は2,000から20,000である。さらなる実施形態において、Mwの範囲は、5,000から10,000である。
【0029】
インク組成物中の機能性材料の濃度は、インクの電気的特性および粘度に対して、決定的に重要である。組成物中の機能性材料の推奨される濃度は、全組成物の重量に基づいて1から60重量%までの範囲である。好適な濃度は、1%および60%の限界より小さなもの、または大きなものを含んでもよい。なぜならば、適当な濃度は用途に関して適切な電気的特性と粘度を提供するようなものであるからである。導電性、抵抗性および誘電性の電気的特性を持つ組成物をもたらすように、機能性材料を選択する。そのような電気的特性の数値範囲は、機能性材料を他の機能性材料または不活性材料に混合することにより達成されてもよい。
【0030】
C.無機バインダー
本明細書中に前述した電気的機能性材料は、有機媒体中に微細に分散され、無機バインダーを伴い、および任意選択的に無機樹脂酸塩、金属酸化物、セラミック、および他の粉末または固体のような充填剤を伴う。組成物中の無機バインダーの機能は、焼成後、焼結された粒子を基板に対して結合することである。無機バインダーの例は、ガラスバインダー(フリット類)、フリット樹脂酸塩(焼成中に分解してガラスフリットを形成する有機金属化合物)、金属酸化物およびセラミックを含む。ガラスフリット組成物は、厚膜ペーストにおいて慣用的に用いられるものであるが、さらに微細に粉砕される。所望されるガラス転移温度は、325℃から600℃の範囲内である。
【0031】
II.有機媒体
有機媒体の主目的は、セラミックまたは他の基板に対して容易に塗布することのできるような形態にある組成物の微細に分割された固体の分散のためのビヒクルとして役立つことである。従って、有機媒体は、第一に、適度な安定度を有してその中に固体を分散可能であるものでなければならない。第二に、有機媒体のレオロジー特性は分散物に対して良好な塗布特性を与えるようなものでなければならない。有機媒体は、有機溶媒ベースであるか、または水性ベースであることのできる分散ビヒクルを含む。
【0032】
D.溶媒
水、水と有機溶媒との混合物、単一の有機溶媒または有機溶媒の混合物であってもよい有機媒体の溶媒成分は、その中にポリマーおよび他の有機成分の完全な溶液を得るように選択される。溶媒は、導電体組成物の他の構成成分に対して不活性(非反応性)であるべきである。導電体組成物中における使用に好ましい溶媒は、大気圧において300℃未満、好ましくは200℃未満、および最も好ましくは150℃未満の沸点を有するべきである。そのような溶媒は、イソプロパノールのような脂肪族アルコール、そのようなアルコールのエステル類(例えばアセテートおよびプロピオネート)、パイン油およびα−テルピネオールまたはβ−テルピネオール、あるいはそれらの混合物のようなテルペン類、エチレングリコールおよびそのエステル類(エチレングリコールモノブチルエーテルおよびブチルセロソルブアセテートのようなもの)、カルビトールエステル類(ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートおよびカルビトールアセテートのようなもの)、および他の好適な溶媒を含む。
【0033】
E.UV−硬化可能/熱硬化可能モノマー
慣用のUV−効果可能メタクリレートモノマーを、本発明において用いてもよい。大部分の慣用のUV−硬化可能モノマーは、熱硬化可能でもある。モノマー成分は、導電体組成物の総重量を基準にして1−10重量%の量で存在する。そのような好ましいモノマーは、トリエチロールプロパンエトキシトリアクリレート、t−ブチルアクリレートおよびメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレートおよびメタクリレート、エチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、デカメチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレートおよびジメタクリレート、グリセロールジアクリレートおよびジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、グリセロールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレートおよび特許文献4に開示されているような類似化合物、2,2−ジ(p−ヒドロキシ−フェニル)−プロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびテトラメタクリレート、2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ビスフェノールAのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(2−メタクリルオキシエチル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(2−アクリルオキシエチル)エーテル、1,4−ブタンジオールのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレート、ジアリルフマレート、スチレン、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、および1,3,5−トリイソプロペニルペンゼンを含む(特許文献4参照)。同様に有用なものは、少なくとも300の重量平均分子量を持つエチレン性不飽和化合物であり、例えば、2から15炭素を有するアルキレングリコールまたは1から10個のエーテル結合を有するポリアルキレンエーテルグリコールから調製されるアルキレンまたはポリアルキレングリコールジアクリレート、および特許文献5において開示されているようなもの、例えば、複数のフリーラジカル重合可能なエチレン性結合を有するもの(特に末端結合として存在する場合)である(特許文献5参照)。特に好ましいモノマーは、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エチル化ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、および1,10−デカンジオールジメタクリレートである。
【0034】
F.光開始剤
光開始剤は、周囲温度における化学線に対する曝露時にフリーラジカルを発生させるものである。光開始剤の多くは、加熱時にも同様に分解して、フリーラジカルを発生させ、それは次いでモノマーの硬化を開始する。開始剤は、共役炭素環式環系中に2つの環内炭素原子を有する化合物である置換または無置換多核キノン類、例えば2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、9,10−アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントレンキノン、ベンズ(a)アントラセン−7,12−ジオン、2,3−ナフタセン−5,12−ジオン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフトラセン−5,12−ジオン、および1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(a)アントラセン−7,12−ジオンを含むが、それらに限定されるものではない。たとえ、いくつかは85℃ほどの低さの温度で熱的に活性である可能性があるとしても、同様に有用であるその他の光開始剤は、特許文献6に記載されており、およびベンゾイン、ピバロインのようなビシナルケトアルドニルアルコール類、アシロインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルおよびエチルエーテル)、α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾインおよびα−フェニルベンゾインを含むα−炭化水素置換芳香族アシロイン類、チオキサントンおよび/またはチオキサントン誘導体、および適切な水素供与体を含む(特許文献6参照)。特許文献7、8、9、10、11、および12に開示される光還元可能染料および還元剤は、特許文献13、14および15に記載されるようなフェナジン、オキサジン、およびキノン類の染料、ミヒラーケトン、ベンゾフェノン、水素供与体を伴う2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体(ロイコ染料を含む)およびそれらの混合物と同様に、開始剤として用いることができる(特許文献7−15参照)。光開始剤および光阻害剤とともに、同じく有用であるものは、特許文献16に開示される増感剤である(特許文献16参照)。光開始剤または光開始剤系は、インクの総重量を基準として0.05から5重量%の範囲で存在する。
【0035】
G.他の添加剤
また、有機媒体は、しばしば1つまたは複数の添加剤を含有する。分散剤(dispersants)、安定剤、離型剤、分散剤(dispersing agents)、剥離剤(stripping agent)、消泡剤および湿潤剤を含む追加成分が、組成物中に存在していてもよい。
導電体組成物に低沸点溶媒を用いる場合、数パーセントの高沸点溶媒を用いて、インクジェットプリンタのノズル先端における乾燥を防止してもよい。
【0036】
一般的なインク組成物の調製
インク組成物は、インクジェット用途に好適な粘稠度を有するように処方される。組成物は、有機ポリマー、溶媒または水、および他の有機成分を、混合容器中で混合することにより調製される。混合物は、全成分が溶解するまで攪拌される。この時点における粘度を、調整することができる。次に、有機媒体に対して無機材料を添加する。次に、無機粉末が有機媒体により湿潤されるまで、全組成物を混合する。混合物は、一般に超音波を用いて分散される。しかしながら、マイクロフリューダイザ、ボールミル粉砕のような他の分散技術を用いてもよい。この時点での粘度を適切な分散ビヒクル(溶媒、水、またはそれらの混合物)を用いて調整して、インクジェット処理に関する最適な粘度を達成することが可能である。インク組成物の粘度は、約25℃から約35℃の温度において、5mPa・sから50mPa・sまでの範囲で変動してもよい。本発明の組成物は、組成物中の電気的機能性粒子(機能性材料)が容易に沈降せず、かつ組成物の継続した攪拌なしに安定したインクジェット印刷を可能にするような良好な分散特性を有する。
【0037】
基板に対するインク組成物の塗布
インク組成物は、典型的には、印刷される直前に、または印刷のためにアプリケーションパッケージに配置される直前に、5μmのフィルターを通してろ過される。アプリケーションパッケージは、カートリッジおよび本発明の組成物を含み、前記カートリッジは、インクジェットシステム(インクジェットプリンタ)を用いた組成物の分散に好適である。カートリッジは、インクを保持するために用いられる。典型的には、カートリッジは、インク組成物を放出するための放出口すなわち排出口と、インク組成物の放出の制御を可能にするための電気的接続部とを含む。場合によっては、カートリッジは印刷ヘッドそのものを包含してもよい。印刷ヘッドは、本発明のインク組成物のようなインクの滴を噴霧/印刷するのに用いられる一連のノズルを含む。ピエゾ式のインクジェットプリンタの操作は既知である。
【0038】
基板は、ガラス、セラミックまたはプラスチックを含む。本発明の組成物を、パターン化された配線だけでなくバイア充填物を含むさまざまなパターンにインクジェット印刷してもよい。基板表面は、特殊な処理をなんら必要としない。しかしながら、表面張力を変更するように特殊処理された表面は、実施例4および5に記載されるように、より狭幅でより厚い印刷された配線をもたらす可能性がある。ガラス基板をフルオロ界面活性剤Zonyl FSP(記載に関して材料の用語集を参照のこと)を用いて洗浄することによって処理した場合、得られる印刷された導電体配線は、幅がより狭く、それでいてより厚い。処理された基板の表面張力範囲は、典型的には、15−100dyn/cmの間である。本発明の伝導体インク組成物に関して、1つの実施形態は、25から60dyn/cmの間の表面張力範囲を有する。
【0039】
基板表面を処理する別の方法は、基板上の所望される導電体パターンに界面活性剤をインクジェット印刷し、熱を用いてそれを直ちに乾燥させることである。次いで、実施例5に記載されるように、界面活性剤のパターンの上面に導電体インク組成物を塗布する。
【0040】
UV/熱硬化
基板の表面張力を修正することは、より狭いかつより厚い印刷された導電体配線を得るための1つの方法である。別の方法は、導電体インク組成物をUV硬化可能または熱硬化可能にすることである。
【0041】
UV硬化可能インク組成物の場合、インクが印刷される予定の基板に対して、UV光を向ける。UV硬化可能インクがインクジェットプリンタのノズルを離れた後に、インク滴は、インクを部分的に架橋した状態にさせる強烈なUV光に曝される。それゆえ、インク粘度は増大し、実施例6におけるように、インク滴が基板に達する際のインクの広がりがより少なくなる。
【0042】
熱硬化の場合、ガラス基板を150℃まで予熱した。導電体インク滴が基板表面に当たる際に、インク滴は硬化または架橋された状態になり、粘度増大がもたらされる。それゆえ、基板表面上でのインク広がりがより少ない。高温の基板に当たる際の溶媒の消失は、増大されるインクの粘度に関する別の機構である可能性がある。このことは、溶媒の沸点のような要因に依存する。
【0043】
一般的な焼成プロフィール
本発明の組成物を、焼成プロフィールを用いて加工してもよい。焼成プロフィールは、厚膜ペーストおよびインクの当業者によく知られている。有機媒体または水媒体の除去および無機材料の焼結は、焼成プロフィールに依存する。プロフィールは、完成品から媒体が実質的に除去されるかどうか、および完成品において無機材料が実質的に焼結されるかどうかを決定する。本明細書中で使われる際に、「実質的に」という用語は、少なくとも目的とする使用または用途のために適切な抵抗性または導電性または誘電性を与える点に至る、少なくとも95%の媒体の除去および無機材料の焼結を意味する。
【0044】
試験方法
焼成されたサンプルの厚さ
印刷され、および乾燥されたサンプルを、580℃における10分間のピークを有する3時間の加熱プロフィールを用いて焼成した。接触式プロフィロメータを用いて、4つの別個の点において、厚さを測定した。1パスの印刷により、2μmの焼成された配線の厚さが得られた。焼成後、導電体配線は依然として無傷のままである。18時間にわたる580℃におけるアニールの後に、いかなる抵抗増大も存在しない。
【0045】
抵抗の測定
4点接触式導電率計により、抵抗値を測定した。
【実施例】
【0046】
材料の用語集
I.無機材料
銀粉末 − DuPontにより製造される、球状の被覆または未被覆銀粉末(D50=1.2μm)
コロイダルシリカ − W. R. Graceから購入されるLudox(商標登録)- am
フリット樹脂酸塩 − OMG Americasから購入される、マグネシウムTEN-CEM 40745、鉛TEN-CEM 38514、カルシウムTEN-CEM 49649およびビスマスTEN-CEM 25382
銀樹脂酸塩 − OGM Americasから購入されるネオデカン酸銀#1108
【0047】
II.ポリマー
ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニルアセテート) − ISP Technologiesから購入されるPVP/PVA S-630(ビニルピロリドン60%およびビニルアセテート40%のコポリマー、K値=30−50)
ポリビニルピロリドン − ISP Technologiesから購入されるPVP K-90
Noveonから購入されるポリ(メタクリレート−co−メタクリル酸)(メタクリレート80%およびアクリル酸20%のコポリマー、Mw=6000−9000)
【0048】
III.モノマー
Sartomerから購入されるSR454(トリエチロールプロパンエトキシトリアクリレート)
【0049】
IV.光開始剤
Ciba Specialty Chemicalsから購入される、Irgacure(商標登録)369(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン)
【0050】
V.基板表面処理のための界面活性剤
Zonyl(商標登録)FSP(DuPont由来のフッ素含有界面活性剤)
【0051】
VI.有機溶媒
Aldrich Chemicalから購入される、2−プロパノールおよびエチレングリコール
【0052】
実施例1
2−プロパノール67gおよびエチレングリコール1gの溶媒混合物中に、ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニルアセテート) 7gを溶解させた。次に、ポリマー溶液中に、脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)30gを添加した。そして以下の液体金属樹脂酸塩を添加した:0.3gのLudox(商標登録)-am、1.2gの鉛樹脂酸塩49044、0.3gのカルシウム樹脂酸塩49649、0.25gのビスマス樹脂酸塩および0.15gのマグネシウム樹脂酸塩。
【0053】
混合物を超音波により分散させ、そして5μmのフィルターを通してろ過した。分散物の粘度は25℃において18mPa・sである。分散物を、ピエゾインクジェットプリンタにより、清浄なガラス基板上に付着させた。ノズルのオリフィスは約70μmである。印刷された銀導電体配線を乾燥させ、そして580℃において焼成した。焼成された配線の幅と厚さは、それぞれ165μmおよび1.8μmである。焼成された配線の抵抗値は5μmの厚さにおいて11.5mΩ/□であった。また、セラミック基板を用いて、同等の結果がもたらされた。
【0054】
該分散物は、顕著な銀粒子の沈降なしに24時間まで安定であり、および依然として噴射することができた。約24時間後は、単に手で混合物を振盪することにより、安定かつ噴射可能な分散物を再び得ることができる。
【0055】
実施例2
2−プロパノール64gおよびエチレングリコール1gの混合物中に、ポリビニルピロリドン(PVP K-90)5gを溶解させた。次に、ポリマー溶液中に、銀樹脂酸塩10gおよび脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)30gを添加した。混合物を、超音波により分散させ、そして5μmのフィルターを通してろ過した。分散物は安定であり、かつピエゾインクジェットプリンタにより良好に噴射することができた。
【0056】
該分散物は、顕著な銀粒子の沈降なしに24時間まで安定であり、および依然として噴射することができた。約24時間後は、単に手で混合物を振盪することにより、安定かつ噴射可能な分散物を再び得ることができる。
【0057】
実施例3
2−プロパノール64gおよびエチレングリコール1gの混合物中に、ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニルアセテート)(PVP S-630)5gを溶解させた。次に、ポリマー溶液中に、脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)30gを添加した。混合物を、超音波により分散させ、そして5μmのフィルターを通してろ過した。分散物は安定であり、かつピエゾインクジェットプリンタにより良好に噴射することができた。
【0058】
該分散物は、顕著な銀粒子の沈降なしに24時間まで安定であり、かつ依然として噴射することができた。約24時間後は、単に手で混合物を振盪することにより、安定かつ噴射可能な分散物を再び得ることができる。
【0059】
実施例4
実施例1で用いたものと同一のガラス基板を、DuPont由来のZonyl FSPによって洗浄し、そして室温で空気乾燥させた。次に、実施例1におけるように、同一の銀分散物を、同一のピエゾインクジェットプリンタによって、Zonyl処理された基板上に印刷した。焼成された配線の幅は100μmであった。焼成された厚さは2.0μmであった。
【0060】
実施例5
実施例1におけるように、同一のガラス基板上に対して、Zonyl FSPをインクジェット印刷した。次に、Zonylの線の上面に銀分散物をインクジェット印刷した。得られる焼成された銀配線の幅は、110μmであった。
【0061】
実施例6
Aldrich由来の2−プロパノール53gと、Aldrich由来のエチレングリコール1gとの溶媒混合物中に、ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニルアセテート)(PVP S-630)5gを溶解させた。次に、ポリマー溶液中に、脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)30gを添加した。次いで、以下の液体金属樹脂酸塩を添加した:0.3gのLudox(商標登録)-am、1.2g鉛樹脂酸塩49044、0.3gのカルシウム樹脂酸塩49649、0.25gのビスマス樹脂酸塩および0.15gのマグネシウム樹脂酸塩(すべてOMG Americas, Inc. 由来)。
【0062】
混合物を、超音波により分散させた。次いで、3.5gの硬化可能モノマーSR454および0.5gのIrgacure369を添加し、攪拌し、そして5μmのフィルターを通してろ過した。分散物の粘度は、25℃において20mPa・s未満である。
【0063】
前述の分散物を、インクが衝突するのと同一の場所にUV光を合焦させた状態で、ピエゾインクジェットプリンタにより、清浄なガラス基板上に付着させた。インクは基板に到達する際にUV硬化により硬化され、実施例1におけるよりも狭い印刷された導電体配線をもたらした。
【0064】
実施例7
2−プロパノール59gおよびエチレングリコール1gの溶媒混合物中に、ポリ(ビニルピロリドン−co−ビニルアセテート)(PVP S-630) 5gを溶解させた。次に、ポリマー溶液中に、脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)30gを添加した。そして、以下の金属樹脂酸塩を添加した:0.3gのLudox(商標登録)‐am、1.2gの鉛樹脂酸塩49044、0.3gのカルシウム樹脂酸塩49649、0.25gのビスマス樹脂酸塩および0.15gのマグネシウム樹脂酸塩(すべてOMG Americas, Inc. 由来)。
【0065】
混合物を、超音波により分散させた。次に、3.5gのSR454モノマーおよび0.5gのIrgacure369を添加し、攪拌し、そして5μmのフィルターを通してろ過した。分散物の粘度は、25℃において20mPa・s未満である。分散物を、150℃まで予熱した清浄なガラス基板上にインクジェット付着させた。分散物は、分散物中のメタクリレートモノマーの熱硬化のために硬化し、実施例1におけるよりも狭い導電体配線をもたらした。これは、実施例1の導電体配線よりも最大30%狭いことが可能である。
【0066】
実施例8
水7.68g中にポリビニルピロリドン(PVP K-90)0.32gを溶解させた。次に、ポリマー水溶液中に、脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)2.0gを添加した。混合物を超音波により分散させ、そして5μmのフィルターを通してろ過した。必要な場合には、トリエチルアミン0.01gを添加して、ろ過前の発泡を低減させた。分散物は安定であり、かつピエゾインクジェットプリンタにより良好にインクジェット印刷することができた。
【0067】
分散物は、顕著な銀粒子の沈降なしに24時間まで安定であり、かつ依然として噴射することができた。約24時間後には、単に手で混合物を振盪することにより、安定かつ噴射可能な分散物を再び得ることができる。
【0068】
実施例9
2−プロパノール54gおよびエチルグリコール1gの混合物中に、ポリビニルピロリドン(PVP K‐90)2gおよびポリ(メチルメタクリレート) 2gを溶解させた。次に、ポリマー溶液中に、銀樹脂酸塩10g、および脂肪酸で被覆された球状銀粉末(D50=1.2μm)30gを添加した。混合物を、超音波により分散させ、そして5μmのフィルターを通してろ過した。分散物は安定であり、かつピエゾインクジェットプリンタにより良好に噴射することができた。
【0069】
分散物は、顕著な銀粒子の沈降なしに24時間まで安定であり、および依然として噴射することができた。約24時間後は、単に手で混合物を振盪することにより、安定かつ噴射可能な分散物を再び得ることができる。
【出願人】 【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【出願日】 平成17年1月27日(2005.1.27)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一

【識別番号】100088915
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 和夫

【公開番号】 特開2005−223323(P2005−223323A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2005−20319(P2005−20319)