トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 基板の端面スルーホール製造方法
【発明者】 【氏名】芝辻 利夫
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内

【要約】 【課題】端面スルーホール内側に金属メッキ層の切り残りが発生せず、生産効率の低下を招くことがない基板の端面スルーホール製造方法を提供する。

【解決手段】各貫通スルーホール12の中心12aよりも0.1〜0.2mmだけプリント配線基板11の中央側に偏る切断線Aに沿って金型の刃先(図示せず)を押し付けることによりプリント配線基板11を切断して、プリント配線基板11端面に半円状の各端面スルーホール15を形成する。この切断に際しては、金型の刃先と各貫通スルーホール12内周面とが鈍角αで交わることになり、このときの切断応力が各貫通スルーホール12外側の向きに作用して、金属メッキ層13が各貫通スルーホール12外側に逃げるので、各端面スルーホール15内側に金属メッキ層13の切り残りが発生せずに済む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に貫通スルーホールを形成し、貫通スルーホール内周面に金属メッキ層を形成し、貫通スルーホールを横切る切断線に沿って基板を切断して、基板端面に半円状の端面スルーホールを形成する基板の端面スルーホール製造方法において、
貫通スルーホールを横切る切断線は、該貫通スルーホール中心よりも基板の中央側に偏る位置を通ることを特徴とする基板の端面スルーホール製造方法。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線基板等の端に半円状の端面スルーホールを形成するための基板の端面スルーホール製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、例えば図2(a)に示す様に基板101に各貫通スルーホール102を形成し、各貫通スルーホール102内周面の金属メッキ層103及び各ランドパターン104等を形成してから、各貫通スルーホール102の中心102aを横切る切断線Bに沿って金型の刃先(図示せず)を押し付けることにより基板101を切断して、図2(b)に示す様に基板101端面に半円状の各端面スルーホール105を形成していた。
【0003】
ところが、貫通スルーホール102の中心を横切る切断線Bに沿って金型の刃先を押し付けることから、貫通スルーホール102内周面と金型の刃先とが直角に交わり、このときの切断応力により金属メッキ層103が貫通スルーホール102内側に逃げてしまって、端面スルーホール105内側に金属メッキ層103の切り残り103aが発生した。
【0004】
このため、貫通スルーホール102に樹脂を充填して、金属メッキ層103が内側に逃げることを防止した上で、基板101を切断するという技術が提案されている。
【0005】
また、貫通スルーホール102内周面の金属メッキ層103を基板101の切断線B上で予め切断してから、基板101を切断するという技術が提案されている。(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平10−126024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の様に貫通スルーホール102に樹脂を充填する場合は、充填樹脂を後で除去するための作業を行わねばならず、生産効率の低下を招いた。また、金属メッキ層103を予め切断する場合も、この切断のための工程が増えるので、やはり生産効率の低下を招いた。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、端面スルーホール内側に金属メッキ層の切り残りが発生せず、生産効率の低下を招くことがない基板の端面スルーホール製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板に貫通スルーホールを形成し、貫通スルーホール内周面に金属メッキ層を形成し、貫通スルーホールを横切る切断線に沿って基板を切断して、基板端面に半円状の端面スルーホールを形成する基板の端面スルーホール製造方法において、貫通スルーホールを横切る切断線は、該貫通スルーホール中心よりも基板の中央側に偏る位置を通っている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、貫通スルーホール中心よりも基板の中央側に偏る位置を通る切断線に沿って、貫通スルーホールが切断される。このため、この切断に用いられる金型の刃先と貫通スルーホール内周面とが鈍角で交わることになり、このときの切断応力が貫通スルーホール外側の向きに作用して、金属メッキ層が貫通スルーホール外側に逃げるので、端面スルーホール内側に金属メッキ層の切り残りが発生せずに済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1(a)は、本発明の端面スルーホール製造方法の実施例1により加工される基板を示す平面図である。また、図1(b)は、加工済みの基板を示す平面図である。
【0012】
本実施例の製造方法では、まず図1(a)に示す様に銅張り積層板であるプリント配線基板11に、直径が0.5mm程度の各貫通スルーホール12を形成し、各貫通スルーホール12内周面を含むプリント配線基板11の全面に、無電界及び化学銅メッキを施す。これにより、各貫通スルーホール12内周面に金属メッキ層13が形成される。
【0013】
そして、テンティング法により回路パターンのエッチングレジストをプリント配線基板11上に形成し、エッチングレジストにより保護されない銅箔をエッチングにより除去して、プリント配線基板11表面にランドパターン11a等を形成する。更に、耐薬品性のソルダーレジストを印刷し、シンボルを印刷し、銅箔露出表面にメッキを施す。
【0014】
この後、各貫通スルーホール12の中心12aよりも0.1〜0.2mmだけプリント配線基板11の中央側に偏る切断線Aに沿って金型の刃先(図示せず)を押し付けて、プリント配線基板11を切断し、図1(b)に示す様にプリント配線基板11端面に半円状の各端面スルーホール15を形成する。
【0015】
この切断に際しては、金型の刃先と各貫通スルーホール12内周面とが鈍角αで交わることになり、このときの切断応力が各貫通スルーホール12外側の向きに作用して、金属メッキ層13が各貫通スルーホール12外側に逃げるので、各端面スルーホール15内側に金属メッキ層13の切り残りが発生せずに済む。
【0016】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、貫通スルーホールの直径として、0.5mmを例示しているが、貫通スルーホールの直径がより大きくても小さくても構わない。また、切断線の偏りは、貫通スルーホールの直径に応じて大きくしたり小さくしたりすれば良い。
【0017】
更に、単層基板等のスルーホールであっても、本発明を適用することができ、基板や金属メッキ層の材質により、本発明が限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は実施例の端面スルーホール製造方法により加工される基板を示す平面図であり、(b)は加工済みの基板を示す平面図である。
【図2】従来の製造方法により加工される基板を示す平面図であり、(b)は加工済みの基板を示す平面図である。
【符号の説明】
【0019】
11 プリント配線基板
12 貫通スルーホール
13 金属メッキ層
15 端面スルーホール
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
【出願日】 平成16年2月9日(2004.2.9)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗

【公開番号】 特開2005−223266(P2005−223266A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−32196(P2004−32196)