| 【発明の名称】 |
多層板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高松 章一 【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社下館事業所内
【氏名】五島 和広 【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社下館事業所内
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| 【要約】 |
【課題】サイズの影響で発生する圧力変化が起因する品質上の問題を防止し、プレスの製品充填率やプレス回数の増加等、生産効率を低下させずに少量多品種生産を実現できる多層板の製造方法を提供する。
【解決手段】多層板に用いられる内層回路板とプリプレグ及び金属箔または外層材を組み合わせて、2種類以上の異なるサイズの多層板をサイズ別に構成仕組み作業した後、多段積層プレス機の各段にサイズ別に挿入し、異なるサイズの多層板を同時に多層化積層する多層板の製造方法において、多層板のサイズ別に、多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが異なり、かつ多層板のサイズが小さいほど、多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが小さい多層板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多層板に用いられる内層回路板とプリプレグ及び金属箔または外層材を組み合わせて、2種類以上の異なるサイズの多層板をサイズ別に構成仕組み作業した後、多段積層プレス機の各段にサイズ別に挿入し、異なるサイズの多層板を同時に多層化積層する多層板の製造方法において、多層板のサイズ別に、多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが異なり、かつ多層板のサイズが小さいほど、多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが小さいことを特徴とする多層板の製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載の多層板の製造方法において、サイズが最小の多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが、5〜12重量%であり、かつサイズが最大の多層板に用いられるプリプレグのレジンフローとの差が1〜20重量%であることを特徴とする多層板の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、多層板の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、電子機器の高性能化、薄型軽量化等によって、プリント配線板は高密度化や多層化されるようになり、その需要が拡大されると同時に、多層板に対する高精度化、低価格化、少量多品種での供給等が求められるようになってきた。更に、最近では製品納入までのリードタイムが販売競争力に大きな影響を与えるようになり、リードタイムの短縮が重要課題となった。特に、内層回路入り銅張積層板の業界における短納期対応は、最重要課題であり、この対応如何で受注に多大な影響が出やすい。多層板を得る際の多層化積層成形は、予め統一された個別の製品サイズ毎にするのが一般的であるが、多品種少量生産やリードタイム短縮に対応するため、同一サイズの製品を中型または小型プレスで稼動効率を上げて生産することが多い。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、小型プレスでは積層成形1サイクルあたりの生産量が大幅に制限され、また多数のプレス機が必要となる場合もあり、受注量によっては必要数完成までのリードタイムが大幅に延びてしまうという問題がある。サイズ統一による単独積層成形方法では、大型の多段積層プレス機で対応する場合、製品充填率が低下して効率を悪化させることが考えられ、充填率を優先すると短納期対応、リードタイムに多大な影響を及ぼすことになる。また、2種類以上の異なるサイズを統一条件にて同時に積層成形するサイズ毎に受ける圧力が異なるため、高圧では板厚偏差の拡大や変形、低圧では成形性等、品質の低下が問題となる。対策の事例として、多段積層プレス機にクッションを配置する方法があるが、この方法のみでは、品質のばらつきが大きいため、更なる品質の保持及び向上策が必要となった。本発明は、これらの問題を解決して、品質の保持と多層化積層効率の向上を両立させることのできる多層板の製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、以下のものに関する。 (1)多層板に用いられる内層回路板とプリプレグ及び金属箔または外層材を組み合わせて、2種類以上の異なるサイズの多層板をサイズ別に構成仕組み作業した後、多段積層プレス機の各段にサイズ別に挿入し、異なるサイズの多層板を同時に多層化積層する多層板の製造方法において、多層板のサイズ別に、多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが異なり、かつ多層板のサイズが小さいほど、多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが小さいことを特徴とする多層板の製造方法。 (2)(1)に記載の多層板の製造方法において、サイズが最小の多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが、5〜12重量%であり、かつサイズが最大の多層板に用いられるプリプレグのレジンフロー(以下RFと略す)との差が1〜20重量%であることを特徴とする多層板の製造方法。 【発明の効果】 【0005】 本発明の製造方法によれば、圧力変化に起因する変形や板厚ばらつき等の拡大を防止し、品質を保持した上で、2種類以上の異なるサイズの多層板を同時に1回で多層化積層成形することができ、大型多段積層プレス機にて製品の充填率を低下させることなく、少量多品種生産を効率よく実現できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 サイズの異なる多層板を同時に多層化積層成形する際に問題となるのは、圧力の設定が統一されることによって、サイズ毎に掛かる圧力が変わってしまう点にあり、この圧力変化が品質に及ぼす影響を如何に低減するかが課題である。本発明では、統一条件で積層成形する際、サイズ毎に受ける圧力を考慮してプリプレグのRFを調整し、板厚偏差の拡大や変形、ずれ、成型等の品質低下を防止することで2種類以上のサイズの異なる多層板を同時に1回で積層成形できるようにした。なお、本発明におけるサイズとは、面積であり、異なるサイズの多層板の面積比の差は、最も小さい面積のものを基準として、最大で51%以内であることが好ましい。 【0007】 本発明の多層板の製造方法の多層化積層成形条件は、温度150〜220℃、圧力1〜6MPa程度の範囲で実施されるのが好ましいが、圧力の設定方法としては、積層成形する最大サイズ(面積)の標準条件を基準に設定することを基本とし、圧力の公差を考慮して中間サイズの設定にしてもよく、最小サイズ(面積)に合わせた設定でもかまわない。内層回路板の変形防止にはより低圧にすることが好ましい。なお本発明における構成仕組み作業とは、例えば、内層回路板の上下にプリプレグを配置して、プレ構成品を作製した後、このプレ構成品の上下に銅箔を配置したものを多層板構成品とし、下側にキャリア板とクッション材、上側にクッション材と上板を配置した形で、鏡板と多層板構成品を所定枚数交互に積み重ねプレス1段分の仕組み品を完成させることなどである。 【0008】 異なるサイズ(面積)のものを同時にプレスすることにより、それぞれの多層板にかかる面圧は面積比に応じて変わる。例えばワークサイズ400×340mmで、面圧3MPaの条件のところに600×340mmのワークサイズのものを同時にプレスすると、600×340mmのものにかかる面圧は2MPaとなる。それぞれのサイズ(面積)にかかる面圧はプレス成型に必要な圧力範囲内に入るよう、組み合わせを考慮することが、好ましい。 【0009】 本発明の多層板の製造方法において、多層板のサイズ(面積)別に、多層板に用いられるプリプレグのRFが異なり、かつ多層板のサイズが小さいほど、多層板に用いられるプリプレグのRFが小さいことを特徴とする。用いられるプリプレグのRFの調整方法としては、圧力に応じて調整するものとし、そのサイズ(面積)の標準圧力条件よりも公差の範囲を超えて高くなる場合に、プリプレグのRFの小さいものを使用することが好ましい。 【0010】 プリプレグは、RFで樹脂の流動性を調整することが好ましいが、レジンコンテントや最低溶融粘度特性を調整してもよい。本発明におけるRF特性の評価は、100mm×100mmサイズのプリプレグを用い、加熱温度140℃、圧力1MPaで10分の条件で積層成形し、放冷した後、流出樹脂重量を測定して積層成形前の重量を元に、樹脂流出比率を重量%で表わす方法で行った。しかし、RF特性の評価の方法は、この方法に限定するものではない。 【0011】 サイズ(面積)が最小の多層板に用いられるプリプレグのRFは5〜12重量%に調整することが好ましく、8〜10重量%がより好ましい。5重量%未満では、内層回路の埋め込み不良が発生し易く、また12重量%を超えると板厚不良や積層成形中の基板飛び出しによるずれ不良という問題が発生し易くなる。また、サイズ(面積)が最小の多層板に用いられるプリプレグのレジンフローが、サイズ(面積)が最大の多層板に用いられるプリプレグのレジンフロー(以下RFと略す)との差が1〜20重量%であることが好ましく、5〜10重量%であることがより好ましい。なお、前記したように、異なるサイズの多層板の面積比の差は、最も小さい面積のものを基準として、最大で51%以内であることが好ましく、25%以内であることがより好ましく、15%以内であることが特に好ましい。面積差が51%を超えると圧力差もそれ以上になり、寸法挙動差が無視できなくなる。例えば、最小の多層板のサイズ(面積)が、400×500mmで、最大の多層板のサイズ(面積)が、500×500mmであれば、その面積比の差は、25%である。 【0012】 本発明に用いるプリプレグは、従来公知のものが適宜使用可能であり、具体的には、基材として、ガラス織布、ガラス不織布等が使用可能であり、前記基材に含浸させる樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン系フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂及びこれら樹脂の変性系樹脂を用いることができる。更に、前記樹脂を2種類以上併用したり、必要に応じて公知の各種硬化剤、硬化促進剤を併用してもよい。 【0013】 本発明に用いる内層回路板としては、特に制約はないが、経済的及び電気的信頼性から銅張積層板の銅をエッチングにより回路加工したものを用いることができる。本発明に用いる金属箔としては、特に制約はないが、銅箔が好ましい。また外層材としては、片面に銅箔などが存在する片面銅張積層板、銅箔の反対面に回路加工が施された回路板、外側に銅箔などが存在しない樹脂板などが挙げられる。 【0014】 本発明における内層回路板とプリプレグの関係は、同一サイズ(面積)で組み合わせたものでもよいし、大型のプリプレグに複数の内層回路板を並べ、同一サイズ(面積)にしたものでもよい。こうして、多層板が受ける圧力に応じてサイズ(面積)毎にプリプレグのRFを調整することで成形性、板厚偏差、内層回路板の変形等の圧力とプレプレグ性能に影響される品質を保持することができ、2種類以上の異なるサイズ(面積)の多層板を同時に1回で効率よく多層化積層成形することができる。この効果は、3層以上の多層板で特に期待できるが、銅張積層板の製造方法でも同様に有効である。すなわち異なるサイズ(面積)の銅張積層板を同時に製造する方法において、銅張積層板のサイズ(面積)別に、銅張積層板に用いられるプリプレグのRFが異なり、かつ銅張積層板のサイズが小さいほど、銅張積層板に用いられるプリプレグのRFが小さいことが好ましい。 【実施例】 【0015】 以下、本発明を実施例を示した図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1) 図1に示したように内層回路板1の上下にプリプレグ2を配置して、プレ構成品3を作製した。その後、図2に示したようにこのプレ構成品3の上下に銅箔4を配置したものを多層板構成品5とし、下側にキャリア板6とクッション材7、上側にクッション材7と上板8を配置した形で、鏡板9と多層板構成品5を所定枚数交互に積み重ねプレス1段分の仕組み品10を完成させた。その後、図3に示したように多段積層プレス機11の熱板12間に挿入する。 【0016】 500×500mmサイズの多層板を5段分、400×500mmサイズの多層板を5段分、計10段分製造するものとし、10段の多段積層プレス機11を用い、上から5段分はRFが20重量%のプリプレグを使用した500×500mmサイズの仕組み品13を挿入し、下から5段分はRFが10重量%のプリプレグを使用した400×500mmサイズの仕組み品14を挿入した。このプレス構成15にて、減圧雰囲気下、500×500mmサイズの製品面圧を2MPaで設定し、170℃で90分間加熱加圧した後、30分間冷却して多層板を得た。 【0017】 (比較例1) 使用するプリプレグのRFを全て20重量%とした以外は、全て実施例1と同様の方法で多層板を得た。 【0018】 実施例1及び比較例1により製造した多層板の変形、板厚、基板のずれ、及び生産性への影響について評価した。その結果を表1に示した。表1において変形、他の品質面においては、影響度の大小を変形や板厚ばらつき拡大の有無と基板ずれの有無を記載し、生産性については、10段分製造に必要なプレス回数及びプレス機への充填率を評価、記載した。 【0019】 【表1】
【0020】 表1に示したように、実施例1においては、500×500mmサイズ(大サイズ)の多層板のプリプレグのRF(20重量%)より、RFを10重量%小さくしたプリプレグを、400×500mmサイズ(小サイズ)の多層板に用いているので、多層板の変形、板厚ばらつき、基板のずれは、全く発生していない。それに対しプリプレグのRFが全て同一である(20重量%)比較例1においては、400×500mmサイズ(小サイズ)の多層板で、多層板の変形、板厚ばらつき、基板のずれが発生した。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】本発明の一実施例である多層板のプレ構成を示す断面図である。 【図2】本発明の一実施例である多層板の1段分の仕組み品を示す断面図である。 【図3】本発明の一実施例である多層板のプレス構成を示す断面図である。 【符号の説明】 【0022】 1.内層回路板 2.プリプレグ 3.プレ構成品 4.銅箔 5.多層板構成品 6.キャリア板 7.クッション材 8.上板 9.鏡板 10.仕組み構成 11.多段積層プレス機 12.熱板 13.500×500mmのサイズ仕組み品 14.400×500mmのサイズ仕組み品 15.プレス構成
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成16年2月9日(2004.2.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−223247(P2005−223247A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月18日(2005.8.18) |
| 【出願番号】 |
特願2004−31884(P2004−31884) |
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