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【発明の名称】 端子間保護用フレキシブル基板及びそれを含むレセプタクル
【発明者】 【氏名】吉川 泰史
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【要約】 【課題】静電気や過渡電圧等が与える損傷から電子機器を保護する機能を備えたフレキシブル基板及びそれを含むレセプタクルを提供すること。

【解決手段】第1の保護素子51が設けられた端子間保護用フレキシブル基板であって、第1、第2の端子VBUS、GNDに接続するの第1、第2の接続部61、62と、前記第1の接続部61と前記第1の保護素子51の一端を接続する第1の配線パターン71と、前記第2の接続部62と前記第1の保護素子51の他端を接続する第2の配線パターン72とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の保護素子が設けられた端子間保護用フレキシブル基板であって、
保護対象となる第1、第2の端子に接続するための第1、第2の接続部と、
前記第1の接続部と前記第1の保護素子の一端を接続する第1の配線パターンと、
前記第2の接続部と前記第1の保護素子の他端を接続する第2の配線パターンとを有することを特徴とする端子間保護用フレキシブル基板。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の保護素子として、過電圧保護素子及びサージ保護素子の少なくとも一方を含むことを特徴とする端子間保護用フレキシブル基板。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の保護素子は、前記過電圧保護素子と前記サージ保護素子との両方を並列に接続することで構成されていることを特徴とする端子間保護用フレキシブル基板。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
第2の保護素子と、
保護対象となる第3の端子に接続するための第3の接続部と、
前記第3の接続部と前記第2の保護素子の一端を接続する第3の配線パターンとを含み、
前記第2の保護素子の他端は前記第2の接続部と接続されることを特徴とする端子間保護用フレキシブル基板。
【請求項5】
請求項4において、
第3の保護素子と、
保護対象となる第4の端子に接続するための第4の接続部と、
前記第4の接続部と前記第3の保護素子の一端を接続する第4の配線パターンとを含み、
前記第3の保護素子の他端は前記第2の接続部と接続されることを特徴とする端子間保護用フレキシブル基板。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載されている端子間保護用フレキシブル基板を含み、所与のインターフェース規格によってディメンジョンが定義され、プラグに接続される側である第1の部分と、前記第1の部分の他の部分である第2の部分を含み、前記第2の部分に前記保護素子が設けられているレセプタクルであって、
電源端子と、グランド端子と、第1の差動信号端子と、第2の差動信号端子とを含み、
前記電源端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第1の接続部と接続され、
前記グランド端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第2の接続部と接続されていることを特徴とするレセプタクル。
【請求項7】
請求項4または5に記載されている端子間保護用フレキシブル基板を含み、所与のインターフェース規格によってディメンジョンが定義され、プラグに接続される側である第1の部分と、前記第1の部分の他の部分である第2の部分を含み、前記第2の部分に前記保護素子が設けられているレセプタクルであって、
電源端子と、グランド端子と、第1の差動信号端子と、第2の差動信号端子とを含み、
前記電源端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第1の接続部と接続され、
前記グランド端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第2の接続部と接続され、
前記第1の差動信号端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第3の接続部と接続されていることを特徴とするレセプタクル。
【請求項8】
請求項5に記載されている端子間保護用フレキシブル基板を含み、所与のインターフェース規格によってディメンジョンが定義され、プラグに接続される側である第1の部分と、前記第1の部分の他の部分である第2の部分を含み、前記第2の部分に前記保護素子が設けられているレセプタクルであって、
電源端子と、グランド端子と、第1の差動信号端子と、第2の差動信号端子とを含み、
前記電源端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第1の接続部と接続され、
前記グランド端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第2の接続部と接続され、
前記第1の差動信号端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第3の接続部と接続され、
前記第2の差動信号端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第4の接続部と接続されていることを特徴とするレセプタクル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、端子間保護用フレキシブル基板及びそれを含むレセプタクルに関する。
【背景技術】
【0002】
差動信号を伝達するためのインターフェース規格には、例えばUSB(Universal−Serial−Bus)やIEEE1394等が知られている。これらの規格に準拠したインターフェースは、様々な電子機器に搭載されている。近年の携帯機器等の需要拡大に伴い、種々の電子機器が小型化されてきている。電子機器の小型化に伴い、前述のインターフェースが搭載された電子機器において、内部論理回路等の精密な回路とインターフェース(例えばレセプタクル)との配線距離が短くなってきている。これにより、外部からの過電圧や静電気等によって、電子機器に不具合が生じる場合があった。
【0003】
過電圧から電気機器を保護する方法が特許文献1に記載されている。ところが小型電子機器へ搭載されたレセプタクルには寸法が小さいものもあり、特許文献1に記載されている方法を、小型電子機器等に搭載されたレセプタクルに適用することは困難である。また、インターフェース規格によってディメンジョン(寸法)が定義されているレセプタクルに、特許文献1に記載されている方法を適用した場合、その規格の定義に準拠しないレセプタクルになってしまう可能性もある。以上のことから、特許文献1の方法は、前述のインターフェースに適用することが困難である。
【0004】
また、特許文献2には、コモンモードショークコイルがコネクタに設けらたケーブルが記載されている。仮に、ケーブルのコネクタ内に過電圧から電子機器を保護する保護素子を設けた場合、このケーブルをレセプタクルに接続することで、電子機器を過電圧から保護できる。ところが、このケーブルを電子機器からはずした場合、その電子機器のレセプタクル内の端子は保護対策がなされていない状態にある。この場合、外部からの静電気等で電子機器の内部回路が破壊される可能性がある。
【特許文献1】特開平6−261449号公報
【特許文献2】特開2001−85118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、静電気や過渡電圧等が与える損傷から電子機器を保護する機能を備えたフレキシブル基板及びそれを含むレセプタクルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の保護素子が設けられた端子間保護用フレキシブル基板であって、第1、第2の端子に接続するの第1、第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第1の保護素子の一端を接続する第1の配線パターンと、前記第2の接続部と前記第1の保護素子の他端を接続する第2の配線パターンとを有することを特徴とする端子間保護用フレキシブル基板に関する。
【0007】
これにより、本発明に係る端子間保護用フレキシブル基板は、第1の端子と第2の端子の間に保護素子を設けることができる。
【0008】
また、本発明は、前記第1の保護素子として、過電圧保護素子及びサージ保護素子の少なくとも一方を含んでもよい。
【0009】
これにより、本発明に係る端子間保護用フレキシブル基板は、第1の端子と第2の端子の間に過電圧保護素子及びサージ保護素子の少なくとも一方を設けることができる。
【0010】
また、本発明は、前記第1の保護素子は、前記過電圧保護素子と前記サージ保護素子との両方を並列に接続することで構成されてもよい。
【0011】
また、本発明は、第2の保護素子と、第3の端子に接続するための第3の接続部と、前記第3の接続部と前記第2の保護素子の一端を接続する第3の配線パターンとを含み、前記第2の保護素子の他端は前記第2の接続部と接続されてもよい。
【0012】
これにより、本発明に係る端子間保護用フレキシブル基板は、第3の端子と第2の端子の間に保護素子をさらに設けることができる。
【0013】
また、本発明は、第3の保護素子と、第4の端子に接続するための第4の接続部と、前記第4の接続部と前記第3の保護素子の一端を接続する第4の配線パターンとを含み、前記第3の保護素子の他端は前記第2の接続部と接続されてもよい。
【0014】
これにより、本発明に係る端子間保護用フレキシブル基板は、第4の端子と第2の端子の間に保護素子をさらに設けることができる。
【0015】
また、本発明は、前述のいずれかの端子間保護用フレキシブル基板を含み、所与のインターフェース規格によってディメンジョンが定義され、プラグに接続される側である第1の部分と、前記第1の部分の他の部分である第2の部分を含み、前記第2の部分に前記保護素子が設けられているレセプタクルであって、電源端子と、グランド端子と、第1の差動信号端子と、第2の差動信号端子とを含み、前記電源端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第1の接続部と接続され、前記グランド端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第2の接続部と接続されてもよい。
【0016】
これにより、本発明に係るレセプタクルは、電源端子とグランド端子の間に保護素子を有することができる。
【0017】
また、本発明は、前述の端子間保護用フレキシブル基板を含み、所与のインターフェース規格によってディメンジョンが定義され、プラグに接続される側である第1の部分と、前記第1の部分の他の部分である第2の部分を含み、前記第2の部分に前記保護素子が設けられているレセプタクルであって、電源端子と、グランド端子と、第1の差動信号端子と、第2の差動信号端子とを含み、前記電源端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第1の接続部と接続され、前記グランド端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第2の接続部と接続され、前記第1の差動信号端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第3の接続部と接続されてもよい。
【0018】
これにより、本発明に係るレセプタクルは、第1の差動信号端子とグランド端子の間に保護素子をさらに有することができる。
【0019】
また、本発明は、前述の端子間保護用フレキシブル基板を含み、所与のインターフェース規格によってディメンジョンが定義され、プラグに接続される側である第1の部分と、前記第1の部分の他の部分である第2の部分を含み、前記第2の部分に前記保護素子が設けられているレセプタクルであって、電源端子と、グランド端子と、第1の差動信号端子と、第2の差動信号端子とを含み、前記電源端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第1の接続部と接続され、前記グランド端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第2の接続部と接続され、前記第1の差動信号端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第3の接続部と接続され、前記第2の差動信号端子は前記端子間保護用フレキシブル基板の前記第4の接続部と接続されてもよい。
【0020】
これにより、本発明に係るレセプタクルは、第2の差動信号端子とグランド端子の間に保護素子をさらに有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。例えば、以下の実施形態の説明にはUSB(Universal−Serial−Bus)のレセプタクルが示されているが、本発明は差動信号(Differential−Signals)を用いてデータ転送を行うインターフェース規格であるIEEE1394等にも適用できる。さらには、2以上の端子を有するインターフェースにおいても、本発明を適用することができる。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0022】
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係るフレキシブル基板10を示す図である。フレキシブル基板10には、端子間保護素子51(広義には第1の保護素子)、端子間保護素子52(広義には第2の保護素子)及び端子間保護素子53(広義には第3の保護素子)が設けられている。各端子間保護素子51〜53はチップコンデンサPC(広義には容量素子、さらに広義には過電圧保護素子)とツェナダイオードPD(広義にはサージ保護素子)を含む。なお、チップコンデンサPCとツェナダイオードPDは並列に接続されている。また、フレキシブル基板10には、接続部61(広義には第1の接続部)、接続部62(広義には第2の接続部)、接続部63(広義には第3の接続部)及び接続部64(広義には第4の接続部)が設けられている。
【0023】
端子間保護素子51の一端は、配線71(広義には第1の配線パターン)によって接続部61に接続されている。端子間保護素子51の他端は配線72(広義には第2の配線パターン)によって、接続部62に接続されている。端子間保護素子52の一端は、配線73(広義には第3の配線パターン)によって接続部63に接続されている。端子間保護素子53の一端は、配線74(広義には第4の配線パターン)によって接続部64に接続されている。以下の図において、同符号のものは同様の意味を示す。
【0024】
図2は、第1実施形態に係るUSBのレセプタクル100の概略斜視図である。レセプタクル100はUSB規格で定義されたAレセプタクルである。レセプタクル100の底面には端子形成凹部(端子形成切欠凹部ともいう)110が形成されている。端子形成凹部110は、電源端子VBUS(広義には第1の端子)、グランド端子GND(広義には第2の端子)、第1の差動信号端子DP(広義には第3の端子)及び第2の差動信号端子DM(広義には打4の端子)を設けるためのスペースである。レセプタクル100の底面(奥壁)からは、各端子(VBUS、GND、DP及びDM)が貫通して突出している。端子形成凹部110は、各端子(VBUS、GND、DP及びDM)が貫通して突出している底面(奥壁)を囲む少なくとも2以上の側壁を含んでいればよい。図2のレセプタクル100は、各端子(VBUS、GND、DP及びDM)が貫通して突出している底面に例えば垂直に形成された3つの側壁で形成された端子形成凹部110を含むレセプタクルである。端子形成凹部110は、各端子(VBUS、GND、DP及びDM)が貫通して突出している底面に垂直に形成された4つの側壁で形成されていてもよい。この場合には、図2では図示されない4つ目の壁面を設け、この4つ目の壁面に、各端子(VBUS、GND、DP及びDM)が貫通するための貫通穴(または貫通溝)を設ければよい。フレキシブル基板10には保護素子が設けられ、さらに各端子(VBUS、GND、DP及びDM)と接続するためのN個(例えば4個)の接続部61〜64が設けられている(図1参照)。各接続部61〜64と各端子は接続部材(ろう材、例えばハンダ等)で電気的に接続されている。
【0025】
図3は図2のレセプタクル100をDR1方向から見た、レセプタクル100の一部を切欠した側面図である。破線C1に囲まれた部分は図2の各端子(VBUS、GND、DP及びDM)が設けられた側の部分(広義には第1の部分の他の部分である第2の部分)である。なお、符号D1で示される部分は、プラグが差し込まれる側の部分(広義には第1の部分)であり、D1の部分はUSB規格によってディメンジョン(寸法)が定義されている部分である。即ち、D1の部分にフレキシブル基板10を設けるのに十分なスペースがないレセプタクルの場合、D1の部分にフレキシブル基板10を設けることが難しい。ところが、破線C1で示される部分(広義には第2の部分)は、USB規格ではディメンジョンが定義されていないので、フレキシブル基板10を設けることができる。また、D1の部分に十分なスペースがある場合は、フレキシブル基板10をD1に設けてもよい。図1のフレキシブル基板10は図2の端子形成凹部110のスペース内に収まるように作成できる。これによりフレキシブル基板10のサイズを考慮しないで、レセプタクル100を回路基板等に配置することができる。なお、フレキシブル基板10のサイズはこれに限定されず、端子形成凹部110のスペース内に収まるサイズでなくてもよい。
【0026】
図4は、図3で示される破線C1に囲まれた部分の底面を示す図である。フレキシブル基板10の接続部61は接続部材11(ろう材、例えばハンダ等)によって電源端子VBUSに接続されている。フレキシブル基板10の接続部62は接続部材11によってグランド端子GNDに接続されている。フレキシブル基板10の接続部63は接続部材11によって第1の差動信号端子DPに接続されている。フレキシブル基板10の接続部64は接続部材11によって第1の差動信号端子DMに接続されている。
【0027】
なお、図1のフレキシブル基板10の各端子間保護素子51〜53には、チップコンデンサPCとツェナダイオードPDが設けられている。チップコンデンサには積層チップコンデンサなどがある。ツェナダイオードPDは、バリスターなどのサージアブソーバ素子に置き換えることができる。
【0028】
レセプタクルが設けられた電子機器等において、その電子機器の外側で静電気が発生した場合、従来のレセプタクルでは電子機器の内部回路を保護できない。小型の電子機器の場合、レセプタクルとICなどの内部ロジック回路との配線距離が必然的に短くなっていることから、外部静電気が与える損傷は大きくなる。ところが、本実施形態に係るレセプタクルにはツェナダイオードPDが、電源端子VBUSとグランド端子GNDの間、第1の差動信号端子DPとグランド端子GNDの間及び第2の差動信号端子DMとグランド端子GNDの間のそれぞれに設けられている。これにより、内部IC等を外部の静電気から保護することができる。
【0029】
また、レセプタクルに接続されるケーブルのリアクタンスや、レセプタクル自体のリアクタンスに起因して、プラグの抜き差しの際に逆起電力が生じる時がある。図5は、リアクタンスに起因する逆起電力を測定した結果を示すグラフである。図5の波形は、抵抗値40Ω、リアクタンス2500nH(長さ500cm×5nH/cm)、容量100pFのケーブルにおいて、レセプタクルからプラグを抜き差ししたときの電圧波形である。図5から、プラグの抜き差しにおいて、最大およそ±5Vの逆起電力が発生していることがわかる。つまり、小型電子機器の場合は、レセプタクルと内部IC等との配線距離が短いため、この逆起電力が内部IC等に損傷を与える可能性が高くなる。これにおいても、従来のレセプタクルには保護機能が設けられていない。ところが、本実施形態に係るレセプタクルには前述同様にツェナダイオードPDが設けられているため、プラグの抜き差し等に起因する逆起電力から内部IC等を保護できる。また、レセプタクル自体にもリアクタンス成分が含まれている。このため、プラグが差し込まれる部分やケーブル側に保護素子を設けた場合、プラグの抜き差し等の際にレセプタクル自体のリアクタンス成分によって起電力が生じ、内部IC等に損傷を与える可能性がある。ところが、本実施形態では、チップコンデンサPCやツェナダイオードPD(広義には保護素子)が、プラグが接続される側でない部分(第2の部分)に設けられているので、保護素子と内部IC等との間のリアクタンス成分は極めて小さくなる。即ち、例えばプラグの抜き差し等で発生する逆起電力から内部IC等を保護することができる。
【0030】
また、USBの規格では、電源端子VBUSに供給される電圧が4.75V〜5.25Vと定められているが、市場に出回っているUSB周辺機には、この規格を満たさないものが存在する。これらの中には電源端子VBUSに一時的に10V程度の電圧を供給してしまうものもある。従来のレセプタクルには、これらの規格を満たさない機器から、内部IC等を保護する機能がない。ところが、本実施形態に係るレセプタクルには、チップコンデンサPCが、電源端子VBUSとグランド端子GNDの間、第1の差動信号端子DPとグランド端子GNDの間及び第2の差動信号端子DMとグランド端子GNDの間のそれぞれに設けられている。このため、本実施形態に係るレセプタクルは、これらの規格を満たさない機器から内部IC等を保護することができる。
【0031】
本実施形態は、USB規格で定義されたBレセプタクルにも適用できる。図6は、レセプタクル200の一部を切欠した概略側面図である。レセプタクル200はUSB規格で定義されたBレセプタクルに図1のフレキシブル基板10が設けられている。破線C2に囲まれた部分は各端子(電源端子VBUS、グランドGND、第1の差動信号端子DP及び第2の差動信号端子DM)が設けられた側の部分(広義には第1の部分の他の部分である第2の部分)である。なお、符号D2で示される部分は、プラグが差し込まれる側の部分(広義には第1の部分)であり、D2の部分はUSB規格でディメンジョンが定義されている部分である。図1に示されているフレキシブル基板10は、レセプタクル200にも接続できる。
【0032】
図7は、図6の破線C2で示される部分の側の各端子(VBUS、GND、DP及びDM)を示す図であり、フレキシブル基板10をレセプタクル200に適用したときの接続例を示す図である。図7に示されるように、各端子(VBUS、GND、DP及びDM)の一部が屈曲され、全ての端子が一平面状に並ぶ部分にフレキシブル基板10が設けられている。フレキシブル基板10の各配線71〜74は、接続部材11によって各端子(VBUS、GND、DP及びDM)に接続されている。このようにして、レセプタクル200はレセプタクル100と同様に、電源端子VBUSとグランド端子GNDの間、第1の差動信号端子DPとグランド端子GNDの間及び第2の差動信号端子DMとグランド端子GNDの間のそれぞれに各端子間保護素子51〜53(図7ではチップコンデンサPCとツェナダイオードPDが並列に設けられたもの)が設けられている。
【0033】
但し、フレキシブル基板10は可撓性の基板なので、各端子を屈曲させずにフレキシブル基板10を曲げて各端子に接続してもよい。なお、レセプタクル200は、レセプタクル100と同様の効果を奏する。
【0034】
2.第2実施形態
図8は、端子間保護素子を有するフレキシブル基板20を示す図である。フレキシブル基板20には、端子間保護素子54(広義には第1の保護素子)が設けられている。端子間保護素子54は、チップコンデンサPCとツェナダイオードPDが並列に設けられている。フレキシブル基板20には、接続部81(広義には第1の接続部)及び接続部82(広義には第2の接続部)が設けられている。端子間保護素子54の一端は、配線91(広義には第1の配線パターン)によって接続部81に接続されている。端子間保護素子54の他端は、配線92(広義には第2の配線パターン)によって接続部82に接続されている。第2実施形態では、フレキシブル基板20をレセプタクルに設ける。
【0035】
図9は、第2実施形態に係るレセプタクル300を示す概略斜視図である。レセプタクル300は、USB規格に定義されたBレセプタクルにフレキシブル基板20が設けられたレセプタクルである。レセプタクル300の電源端子VBUSにフレキシブル基板20の接続部81が接続部材11によって接続されている。さらに、フレキシブル基板20の接続部82が接続部材11によってレセプタクル300のグランド端子GNDに接続されている。これにより、電源端子VBUSとグランド端子GNDの間に端子間保護素子54を設けることができ、電源端子VBUSに伝わる過渡電圧及び静電気から内部IC等を保護することができる。
【0036】
図10は、図9のレセプタクル300の変形例である。電源端子VBUS及びグランド端子GNDは、フレキシブル基板20の各接続部81、82が符号14に示されるように、巻き付けられ、圧着接続されている。フレキシブル基板20は、図10に示されるように接続されてもよい。これより以下に示される実施形態においても、同様である。
【0037】
第1の差動信号端子DPとグランド端子GNDの間及び第2の差動信号端子とグランド端子GNDの間に端子間保護素子を設ける必要がある場合は、図11に示されるようにフレキシブル基板20を設ければよい。これにより、過渡電圧や静電気から内部IC等を保護することができる。
【0038】
フレキシブル基板20はUSB規格で定義されたAレセプタクルにも適用できる。図12のレセプタクル400は、USB規格で定義されたAレセプタクルに図8のフレキシブル基板20が設けられたレセプタクルである。例えば、電源端子VBUSとグランド端子GNDの間に保護素子を設ける場合には、図12のように、フレキシブル基板20の接続部81をレセプタクル400の電源端子VBUSに接続し、フレキシブル基板20の接続部82をレセプタクル400のグランド端子GNDに接続すればよい。各接続部81、82は、接続部材11によって各端子と接続できる。これにより、電源端子VBUSに伝わる過渡電圧及び静電気から内部IC等を保護することができる。
【0039】
図8のフレキシブル基板20を用いることにより、保護素子を設けたい部分に保護素子を設けることができるので、様々な用途に対応できる。
【0040】
3.第3実施形態
レセプタクルの電源端子VBUSにポリスイッチやヒューズ素子等を設けることができる。ポリスイッチはポリスイッチの温度が上昇し、所定以上の温度に達するとポリスイッチの端子間がオープン(オフ状態)になる素子である。上昇した温度が所定の温度を下回ると、再びポリスイッチの端子間はショート(導通状態)となる。
【0041】
図13は、第3実施形態に係るレセプタクル500を示す概略斜視図である。レセプタクル500は、第1実施形態のレセプタクル100(図2参照)の電源端子VBUSにポリスイッチPSが設けられているレセプタクルである。USB規格で定義されたAレセプタクルの電源端子VBUSにポリスイッチPSが設けられているレセプタクルである。
【0042】
ポリスイッチPSの一方の端子は接続部材11によって電源端子VBUSに接続されている。ポリスイッチPSの他方の端子はレセプタクル500の電源端子VBUSとして用いられる。さらに、電源端子VBUS(ポリスイッチPSの他方の端子)は、図1のフレキシブル基板10の接続部61と接続されている。電源端子VBUSにポリスイッチPSを設けることで、電源端子VBUSとグランド端子GNDがショートした際に、内部IC等を保護することができる。
【0043】
例えば、USB規格で定義されたAレセプタクルにプラグを差し込む際、正常な接続向きと正反対の向きで無理に差し込んだ場合(以下逆差しともいう)、電源端子VBUS及びグランド端子GNDはAレセプタクルのシールドと接触し、その結果、電源端子VBUSとグランド端子GNDがショートしてしまう。この状態を放置すると、電源端子VBUS及びグランド端子GNDの間で大きな電流が流れてしまい、内部IC等に損傷を与える危険がある。ところが、本実施形態には、電源端子VBUSにポリスイッチPSが設けられている。ポリスイッチPSは、温度特性に応じてオン/オフする。ポリスイッチPSを流れる電流が増大すると、ポリスイッチPSの温度が上昇し、所定以上の温度に達するとオフ状態となる。つまり、ポリスイッチPSの両端子間は非導通となり、電源端子VBUSとグランド端子GNDのショート状態が解除される。ポリスイッチPSは、ポリスイッチPSの上昇した温度が所定以下に戻ると、オン状態となる。つまり、ポリスイッチPSの両端子間は導通となる。
【0044】
このようにして、レセプタクル500は、過渡電圧や静電気が与える損傷にくわえて、電源端子VBUSとグランド端子GNDのショート(例えば逆差し等に起因する)による損傷から、内部IC等を保護することができる。
【0045】
また、図示しないが図12に示されているレセプタクル400の電源端子VBUSや、フレキシブル基板10が設けられたレセプタクル(図7参照)の電源端子VBUSにもポリスイッチPSを設けることができる。これにより、レセプタクル400及び図7のレセプタクルは、電源端子VBUSとグランド端子GNDのショート(例えば逆差し等に起因する)による損傷から、内部IC等を保護することができる。
【0046】
図14は、第3実施形態に係るレセプタクル600を示す概略斜視図である。レセプタクル600は、第2実施形態のレセプタクル300(図9参照)の電源端子VBUSにポリスイッチPSが設けられているレセプタクルである。これにより、レセプタクル600は、電源端子VBUSに伝わる過渡電圧及び静電気が与える損傷にくわえて、電源端子VBUSとグランド端子GNDのショート(例えば逆差し等に起因する)による損傷から、内部IC等を保護することができる。
【0047】
図15は、第3実施形態に係るレセプタクル700を示す概略斜視図である。レセプタクル700は、第2実施形態のレセプタクル(図11参照)の電源端子VBUSにポリスイッチPSが設けられているレセプタクルである。このレセプタクル600は、前述のレセプタクル500と同様の効果を奏する。
【0048】
レセプタクル500、600及び700の電源端子VBUSには、ポリスイッチPSの代わりに、ヒューズ素子が設けられてもよい。
【0049】
第1実施形態〜第3実施形態に係るフレキシブル基板10及び20は、USB規格で定義されているミニAレセプタクル、ミニBレセプタクル及びミニABレセプタクルにも適用できる。これらの小型レセプタクルは小型電子機器(例えば携帯電話、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、PDA、携帯型音楽再生装置等)に搭載されることが多いため、本発明を適用することにより、小型電子機器の内部IC等を過渡電圧や静電気やショートによる損傷から保護できる。小型電子機器は、設計上レセプタクルと内部IC等との配線距離が特に短いため、外界からの過渡電圧や静電気による損傷、ショートによる損傷等に非常に敏感である。とくに小型電子機器においては本発明の効果は絶大である。
【0050】
レセプタクル100及び200は、サージ保護と過電圧保護の目的のためチップコンデンサPCとツェナダイオードPDが設けられているが、サージ保護の必要がない場合は、ツェナダイオードPDを設けなくてもよい。同様に、過電圧保護の必要がない場合は、チップコンデンサPCを設けなくてもよい。
【0051】
また、上述されたレセプタクルはフレキシブル基板10または20が設けられた一例であり、フレキシブル基板10または20は、ICなどの端子に設けることもできる。これにより、ICなどの保護対象となる端子間に過電圧や静電気に対する保護機能を容易に設けることができる。
【0052】
また、フレキシブル基板10または20の各接続部61〜64、81、82は、ろう材の他、金属接合等によって各端子に接続されてもよい。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態で説明されたものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1実施形態に係るフレキシブル基板を示す図。
【図2】第1実施形態に係るレセプタクルを示す概略斜視図。
【図3】第1実施形態に係るレセプタクルの側面図。
【図4】第1実施形態に係るレセプタクルの底面図。
【図5】プラグの脱着時に生じる逆起電力を表す波形図。
【図6】第1実施形態に係る他のレセプタクルの側面図。
【図7】第1実施形態に係るフレキシブル基板の接続例を示す図。
【図8】第2実施形態に係るフレキシブル基板を示す図。
【図9】第2実施形態に係るレセプタクルを示す概略斜視図。
【図10】第2実施形態に係る他のレセプタクルを示す概略斜視図。
【図11】第2実施形態に係る他のレセプタクルを示す概略斜視図。
【図12】第2実施形態の変形例に係るレセプタクルを示す概略斜視図。
【図13】第3実施形態に係るレセプタクルを示す概略斜視図。
【図14】第3実施形態に係る他のレセプタクルを示す概略斜視図。
【図15】第3実施形態に係る他のレセプタクルを示す概略斜視図。
【符号の説明】
【0055】
10 フレキシブル基板、20 フレキシブル基板、51〜54 端子間保護素子、61〜64 接続部、71〜74 配線、81、82 接続部、91、92 配線
100 レセプタクル、110 端子形成凹部、200 レセプタクル、300 レセプタクル、400 レセプタクル、500 レセプタクル、600 レセプタクル、700 レセプタクル、VBUS 電源端子、GND グランド端子、DP 第1の差動信号端子、DM 第2の差動信号端子、PC チップコンデンサ、PD ツェナダイオード、PS ポリスイッチ
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成16年2月6日(2004.2.6)
【代理人】 【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一

【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫

【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄

【公開番号】 特開2005−223201(P2005−223201A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−30860(P2004−30860)