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【発明の名称】 平行導体板伝送路
【発明者】 【氏名】土畑 宏介
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内

【要約】 【課題】誘電体基板を大型化させることなく、誘電体基板の主表面上に複数の信号ラインをより多数設けることが可能な平行導体板伝送路を提供する。

【解決手段】誘電体基板101の一方の主表面上には、複数の信号ライン2aおよび2bが設けられている。誘電体基板1の他方の主表面上には、複数の他の信号ライン2cおよび2dが設けれている。一方の主表面上の複数の信号ライン2aおよび2b、ならびに、他方の主表面上の他の複数の信号ライン2cおよび2dは、互いに平行に延びるように設けられている。また、一方の主表面上の隣り合う信号ライン2aと信号ライン2bとの間には、電位固定されたグランドパターン3bが設けられ、他方の表面上の隣り合う信号ライン2cと信号ライン2dとの間には、電位固定されたグランドパターン3eが設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な2以上の信号ラインと、
一方の主表面と他方の主表面とを有する誘電体基板とを備え、
前記2以上の信号ラインは、前記一方の主表面および前記他方の主表面のそれぞれの上に少なくとも1つの信号ラインが存在するように設けられた、平行導体板伝送路。
【請求項2】
前記2以上の信号線は、前記2以上の信号線に垂直な断面において、前記誘電体基板が延びる方向に沿って、前記一方の主表面上と前記他方の主表面上とに交互に設けられた、請求項1に記載の平行導体板伝送路。
【請求項3】
前記他方の主表面上に前記信号ラインが複数設けられ、
前記複数の信号ラインは、前記誘電体基板を介して、一方の主表面上の1つの接地導体板と対向している、請求項1に記載の平行導体板伝送路。
【請求項4】
互いに平行な2以上の信号ラインと、
第1の誘電体基板と、
前記第1の誘電体基板に対して平行に設けられた第2の誘電体基板とを備え、
前記2以上の信号ラインは、前記第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、前記第1の誘電体基板と前記第2の誘電体基板との間の層、および前記第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のうちの少なくともいずれか2つの層に分けて設けられた、平行導体板伝送路。
【請求項5】
互いに平行な3以上の信号ラインと、
第1の誘電体基板と、
前記第1の誘電体基板に対して平行に設けられた第2の誘電体基板とを備え、
前記3以上の信号ラインは、前記第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、前記第1の誘電体基板と前記第2の誘電体基板との間の層、および前記第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のそれぞれにおいて、少なくとも1つの信号ラインが存在するように設けられた、平行導体板伝送路。
【請求項6】
前記3以上の信号線を構成する任意の互いに隣り合う2つの信号線は、前記第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、前記第1の誘電体基板と前記第2の誘電体基板との間の層、および前記第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のうちのいずれか2つの層のそれぞれに1つずつ設けられている、請求項4に記載の平行導体板伝送路。
【請求項7】
前記第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、前記第1の誘電体基板と前記第2の誘電体基板との間の層、および前記第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のうちの少なくともいずれか1つの層において、互いに隣接する複数の信号ラインが設けられ、
前記複数の信号ラインは、前記第1の誘電体基板または前記第2の誘電体基板を介して、1つの接地導体板と対向している、請求項4に記載の平行導体板伝送路。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体基板を介して互いに対向する信号ラインと接地導体板とを有する平行導体板伝送路(Microstrip Line)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、衛星放送におけるサービスの向上が求められている。そのため、衛星放送において用いられるチャンネル数が増加している。それにより、複数の衛星のそれぞれから発信される電波が、1つのLNB(Low Noise Block Downconverter)によって受信されている。また、チューナに繋ぐためのチューニング用出力端子が複数設けられたLNB、ならびに、IF(Intermediate Frequency)の入力ポートおよび出力ポートを複数有するSW(Switch)−BOXなどの回路の構造が複雑になっている。
【0003】
たとえば、図7に示すような、シャーシ300およびフレーム200によって平行導体板伝送路が遮蔽されているSW−BOX内においては、誘電体基板101上に設けられる信号ラインの数が従来よりも多数必要になっている。
【0004】
そのため、図8に示すように、多数の信号ライン102a、102b、および102cが誘電体基板101の1つの主表面上に設けられる場合には、信号ライン102aと信号ライン102bとの電気的な相互干渉(Electro-Magnetic Interference)、信号ライン102cと信号ライン102bとの電磁気的な相互干渉が問題となる。そのため、信号ライン同士の電磁気的な相互干渉を抑制するため、および、外部の電磁波による信号ラインへの電気的な干渉を防止するために、接地として機能する導体板、たとえば、図8ではグランドパターン103a、103b、103c、および103dが設けられている。また、外部の電磁波による信号ラインへの電磁気的な干渉を防止するためにグランドパターン103aおよび103dが設けられている。なお、グランドパターン103a、103b、103c、および103dのそれぞれは、誘電体基板101を貫通する複数のプラグ(スルーホール等)104を介して、グランドパターン50に接続されることによって、所定の電位に固定されている。
【特許文献1】特開平9−266370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような平行導体板伝送路において、さらに信号ラインの数を増加させることが望まれている。そのため、グランドパターンの幅をさらに小さくする必要がある。しかしながら、グランドパターンの幅があまりにも小さくなると、信号ライン同士の電気的な相互干渉をグランドパターンによって抑制することができなくなる。そのため、グランドパターンの幅を小さくすることができない。したがって、誘電体基板の主表面を大きくすることが必要になる。しかしながら、誘電体基板を大型化させることは、平行導体伝送路の小型化の要望に反するものとなる。
【0006】
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘電体基板を大型化させることなく、より多数の信号ラインが設けられ得る平行導体板伝送路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面の平行導体板伝送路は、互いに平行な2以上の信号ラインと、一方の主表面と他方の主表面とを有する誘電体基板とを備えている。また、2以上の信号ラインは、一方の主表面および他方の主表面のそれぞれの上に少なくとも1つの信号ラインが存在するように設けられている。
【0008】
上記の構造によれば、2本の信号線が一方の主表面と他方の主表面とに分けて設けられている構造の場合には、2本の信号線の間に誘電体基板が存在するとともに、基板の一方の主表面と他方の主表面とのそれぞれに大きな接地導体板を設けることができる。そのため、2本の信号線同士の間の電磁気的な相互干渉がより確実に防止される。
【0009】
また、たとえば、3以上の信号線が一方の主表面と他方の主表面とに分けて設けられている構造の場合には、一方の主表面上にのみ2以上の信号ラインが設けられている平行導体板伝送路に比較して、一方の主表面上の信号ライン同士の間の距離を大きくすることができる。その結果、互いに隣合う信号ライン同士の間に設けられる接地導体板の幅を大きくすることができる。したがって、誘電体基板の主表面を大きくすることなく、互いに隣合う信号ライン同士の電磁気的な相互干渉をより確実に抑制することができる。したがって、誘電体基板の主表面を大きくすることなく、より多数の信号ラインを備える平行導体板伝送路を提供することができる。
【0010】
また、前述の2以上の信号線は、2以上の信号線に垂直な断面において、誘電体基板が延びる方向に沿って、一方の主表面上と他方の主表面上とに交互に設けられていることがより好ましい。
【0011】
上記の構造によれば、一方の主表面と他方の主表面とに1本ずつ信号線が設けられている場合には、一方の主表面にのみ2本の信号線が設けられている構造の平行導体板伝送路に比較して、接地導体板の大きさを小さくすることができる。そのため、誘電体基板の主表面の面積を小さくしながら、2本の信号線の間の電磁気的な相互干渉をより確実に防止することができる。
【0012】
また、たとえば、4以上の信号線が一方の主表面と他方の主表面とに分けて設けられている場合には、一方の主表面上の層および他方の主表面上の層のそれぞれにおいて、信号線同士の間の距離をほぼ同一にすることができる。言い換えれば、信号線同士の間に設けられる接地導体板の幅をほぼ同一にすることができる。その結果、一方の主表面上の層および他方の主表面上の層のそれぞれにおいて、隣合う信号ライン同士の複数の組み合わせのそれぞれに対してほぼ均等に電磁気的な相互干渉を抑制することができる。
【0013】
また、他方の主表面上に信号ラインが複数設けられている場合には、複数の信号ラインが、誘電体基板を介して、一方の主表面上の1つの接地導体板と対向していることがより好ましい。
【0014】
上記の構造によれば、1つの信号ラインと1つの接地導体板とが1対1の関係で対向している平行導体板伝送路に比較して、一方の主表面上の接続用導体の幅を他の接続用導体の幅よりも大きくすることができる。したがって、一方の主表面上の接続用導体の両側のそれぞれに設けられた信号ライン同士の電磁気的な相互干渉を他の信号ライン同士の電磁気的な相互干渉よりも確実に抑制することができる。
【0015】
本発明の他の局面の平行導体板伝送路は、互いに平行な2以上の信号ラインと、第1の誘電体基板と、第1の誘電体基板に対して平行に設けられた第2の誘電体基板とを備えている。2以上の信号ラインは、第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間の層、および第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のうちの少なくともいずれか2つの層に分けて設けられている。
【0016】
上記の構造によれば、信号線が3つの層のうちいずれか2つの層に分けて設けられている。したがって、1つの誘電体基板の両主表面上の層のうちいずれか一方の層にのみ複数の信号線の全てが設けられている平行導体板伝送路に比較して、誘電体基板の主表面を大きくすることなく、信号線同士の電磁気的な相互干渉の抑制をより確実に行なうことができる。したがって、誘電体基板の主表面を大きくすることなく、より多数の信号ラインを備える平行導体板伝送路を提供することができる。
【0017】
また、本発明の他の局面の平行導体板伝送路は、3以上の信号ラインを有しており、3以上の信号線は、第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間の層、および第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のそれぞれにおいて、少なくとも1つの信号ラインが存在するように設けられていることがより望ましい。このように構成すれば、前述の3つの層を有効に利用することができる
また、3以上の信号線を有する3層以上の平行導体板伝送路においては、任意の互いに隣り合う2つの信号線は、第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間の層、および第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のうちのいずれか2つの層のそれぞれに1つずつ設けられていることがより好ましい。
【0018】
1つの層内において特定の2つの信号ラインが隣り合って設けられる場合には、互いに隣り合う特定の信号線同士の間の距離が互いに隣合う他の信号線同士の間の距離に比較して極端に小さくなるという不都合が生じるが、上記の平行導体板伝送路によれば、そのような不都合が回避される。
【0019】
また、第1の誘電体基板の外側の主表面上の層、第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間の層、および第2の誘電体基板の外側の主表面上の層のうちの少なくともいずれかの1つの層内において、互いに隣り合う複数の信号ラインが設けられている場合には、複数の信号ラインが、第1の誘電体基板または第2の誘電体基板を介して、1つの接地導体板と対向していることがより好ましい。
【0020】
上記の構造によれば、1つの信号ラインと1つの接地導体板とが1対1の関係で対向している平行導体板伝送路に比較して、互いに隣り合う特定の複数の信号ライン同士の間の接続用導体の幅を互いに隣り合う他の信号ライン同士の間の接続用導体の幅よりも大きくすることができる。したがって、互いに隣り合う特定の信号ライン同士の電磁気的な相互干渉を互いに隣り合う他の信号ライン同士の電磁気的な相互干渉に比較してより確実に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図を用いて、本発明の実施の形態の平行導体板伝送路を説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1(a)〜図3(b)を用いて、実施の形態1の平行導体板伝送路を説明する。なお、図1(a)、図2(a)、および図3(a)のそれぞれには、平行導体板伝送路の上面図が示され、図1(b)は図1(a)のI−I断面図であり、図2(b)は図2(a)のII−II断面図であり、図3(b)は図3(a)のIII−III断面図である。
【0023】
図1に示す本実施の形態の平行導体板伝送路は、誘電体基板1を備えている。誘電体基板1の一方の主表面上には、信号ライン2aと信号ライン2bとが設けられている。信号ライン2aと信号ライン2bとは互いに平行である。また、誘電体基板1の一方の主表面上には、信号ライン2aおよび信号ライン2bのそれぞれに対し平行にグランドパターン3a、3b、および3cが設けられている。
【0024】
また、誘電体基板1の他方の主表面には、信号ライン2cが設けられている。信号ライン2cは、信号ライン2aおよび信号ライン2bのそれぞれに対して平行に延びている。信号ライン2cは、グランドパターン3bが設けられている位置の誘電体基板1の裏側の位置に設けられている。また、誘電体基板1の他方の主表面上には、信号ライン2cの一方の側方には、グランドパターン3dが設けられ、信号ライン2cの他方の側方にはグランドパターン3eが設けられている。信号ライン2bは、グランドパターン3dが設けられている位置の誘電体基板1の裏側の位置に設けられている。信号ライン2aは、グランドパターン3eが設けられている位置の誘電体基板1の裏側の位置に設けられている。
【0025】
また、グランドパターン3a、3b、3c、3d、および3eは、誘電体基板1を貫通する複数のプラグ(スルーホール等)4によって電気的に接続されることにより1つの導体となっている。
【0026】
なお、これらのグランドパターン3a、3b、3c、3dおよび3eのそれぞれには、平行導体板伝送路と外部とを電気的に遮蔽するための導体カバーのリブが接続される場合もある。
【0027】
上記のような本実施の形態の平行導体板伝送路によれば、誘電体基板1の一方の主表面にのみ3つの信号ライン2a,2b,および2cがまとめて設けられる平行導体板伝送路に比較して、信号ライン2aと信号ライン2bとの間の距離を大きくすることができる。したがって、グランドパターン3bの幅を大きくすることができる。その結果、信号ライン2aと信号ライン2bとの電気的な相互干渉が発生するおそれがより確実に低減されている。また、グランドパターン3bに対してシールド用の導体カバーのリブが接続される場合には、より大きな幅のリブをグランドパターン3bに接続することができる。その結果、信号ライン2aと信号ライン2bとの電気的な相互干渉をさらに確実に防止することが可能となる。また、信号ライン2aと信号ライン2cとの間の電磁気的な相互干渉、および、信号ライン2bと信号ライン2cとの間の電磁気的な相互干渉のそれぞれをさらに確実に防止することができる。
【0028】
図2は、本実施の形態の他の例の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【0029】
図2に示される平行導体板伝送路の構造は、図1に示される平行導体板伝送路の構造とほぼ同様である。また、図1に示される構造と図2に示される構造とのそれぞれにおいて、参照符号が同一の部位は、ほぼ同様の機能を果たすため、その部位の説明は繰り返さない。
【0030】
図2に示す平行導体板伝送路と図1に示す平行導体板伝送路とが異なる点は、誘電体基板1の他方の主表面上にグランドパターン3fが設けられており、かつ、グランドパターン3eとグランドパターン3fとの間に信号ライン2dが設けられていることである。この信号ライン2dは、信号ライン2a、2b、および2cのそれぞれに対して平行に延びている。また、信号ライン2dは、グランドパターン3aが設けられている位置の誘電体基板1の裏側の位置に設けられている。
【0031】
図2に示される平行導体板伝送路は、誘電体基板1の一方の主表面と他方の主表面とのそれぞれにおいて、複数の信号ラインが配置されている。また、信号ライン2a,2b,2cおよび2dは、II−II断面図において、誘電体基板1が延びる方向に沿って、一方の主表面上と他方の主表面上とに交互に配置されている。また、誘電体基板1の複数の信号ラインのそれぞれが設けられている位置の誘電体基板1の裏側の位置にはグランドパターンが設けられている。
【0032】
上記のような本実施の形態の他の例の平行導体板伝送路によれば、誘電体基板1の一方の主表面および他方の主表面のそれぞれにおいて複数の信号ラインを高密度に配置することができる。
【0033】
また、図3には、本実施の形態の別の例の平行導体板伝送路が示されている。また、図1に示される構造と図2に示される構造とのそれぞれにおいて、参照符号が同一の部位は、ほぼ同様の機能を果たすため、その部位の説明は繰り返さない。
【0034】
図3に示す構造においては、信号ライン2cおよび2dは、誘電体基板1を介して、1つのグランドパターン3bと対向している。そのため、図3に示す構造の信号ライン2aと信号ライン2bとの間の距離が、図2に示す構造の信号ライン2aと信号ライン2bとの間の距離よりも大きく、かつ、図3に示す構造の信号ライン2cと信号ライン2dとの間の距離が、図2に示す構造の信号ライン2cと信号ライン2dとの間の距離よりも小さくなっている。また、信号ライン2aは、誘電体基板1を介して、グランドパターン3fと対向している。このような図3に示す構造の平行導体板伝送路は、たとえば、信号ライン2aと信号ライン2bとの間の電気的な相互干渉のみを確実に防止することが必要な場合に有効である。
【0035】
(実施の形態2)
次に、図4(a)〜図6(b)を用いて、実施の形態2の平行導体板伝送路を説明する。なお、図4(a)、図5(a)、および図6(a)のそれぞれには、平行導体板伝送路の上面図が示され、図4(b)は図4(a)のIV−IV断面図であり、図5(b)は図5(a)のV−V断面図であり、図6(b)は図6(a)のVI−VI断面図である。
【0036】
図4に示す本実施の形態の平行導体板伝送路は、誘電体基板11aと誘電体基板11bとを備えている。誘電体基板11aの外側の主表面上には、信号ライン12aと信号ライン12bとが設けられている。信号ライン12aと信号ライン12bとは互いに平行である。信号ライン12aと信号ライン12bの間の領域の誘電体基板11aの外側の主表面上にはグランドパターン13bが設けられている。また、誘電体基板11aの外側の主表面上にはグランドパターン13aと13cとが設けられている。グランドパターン13a、13b、および13cのそれぞれは、信号ライン12aおよび12bのそれぞれに対して平行に延びている。
【0037】
また、誘電体基板11aと誘電体基板11bとの間には、信号ライン12dと信号ライン12eとが設けられている。信号ライン12dと信号ライン12eとは、互いに平行に設けられている。信号ライン12dの両側壁上には、接着層15cおよび15dが設けられている。この接着層15cおよび15dは、誘電体基板11aと誘電体基板11bとに接着している。また、信号ライン12eの両側壁上には接着層15aと15bとが設けられている。接着層15aおよび15bは、誘電体基板11aと11bとに接着している。したがって、接着層15a、15b、15c、および15dによって、誘電体基板11aと誘電体基板11bとは互いの位置関係が固定されている。
【0038】
また、接着層15bと接着層15cとの間であって、かつ、誘電体基板11aと誘電体基板11bとの間には、グランドパターン13kが設けられている。また、接着層15aの外側であって、かつ、誘電体基板11aと誘電体基板11bとの間には、グランドパターン13lが設けられている。また、接着層15dの外側であって、かつ、誘電体基板11aと誘電体基板11bとの間には、グランドパターン13jが設けられている。
【0039】
また、誘電体基板11bの外側の主表面上には、信号ライン12cが設けられている。また、誘電体基板11bの外側の主表面上には、グランドパターン13dおよび13eが設けられている。信号ライン12a、12b、12c、12d、および12eは、互いに平行に設けられている。
【0040】
また、グランドパターン13a、13b、13c、13d、13e、13j、13k、および13lは、誘電体基板1を貫通する複数のプラグ(スルーホール)14によって電気的に接続されることにより1つの導体となっている。
【0041】
上記のような本実施の形態の平行導体板伝送路によれば、複数の信号線が、誘電体基板11aの外側の主表面上の層、誘電体基板11aと誘電体基板11bとの間の層、誘電体基板11bの外側の主表面上の層からなる3つの層に分けて設けられている。それにより、上記の平行導体板伝送路によれば、1つの誘電体基板の1つの主表面上に複数の信号線の全てを設ける場合に比較して、1つの層内の信号ライン同士の間隔を大きくすることができる。そのため、1つの層内の信号ライン同士の間に設けるグランドパターンの幅を大きくすることができる。その結果、1つの層内の信号ライン同士の電気的な干渉をより確実に防止することが可能になる。また、図4に示す構造によれば、たとえば、グランドパターン13bの幅を大きくすることができる。その結果、グランドパターン13bに接続されるシールド用の導体のリブの幅を大きくすることができる。そのため、さらに確実に信号ライン12aと信号ライン12bとの相互干渉を抑制することができる。
【0042】
また、図4に示す構造においては、平行導体板伝送路を構成するために、誘電体基板の信号ラインが設けられている位置の誘電体基板の裏側の位置には必ずグランドパターンが設けられている。
【0043】
次に、図5を用いて本実施の形態の他の例の平行導体板伝送路を説明する。本実施の形態の平行導体板伝送路の構造は図4を用いて説明した平行導体板伝送路の構造とほぼ同様である。また、図4に示す平行導体板伝送路と図5に示す平行導体伝送路とにおいては、同じ符号が用いられている部位は同じ機能を果たす。図4に示す平行導体板伝送路と図5に示す平行導体板伝送路との相違点は、複数の信号ラインの配置のみである。
【0044】
より具体的には、図5に示す平行導体板伝送路は、信号ライン12a、12b、12f、12g、および12hを備えている。信号ライン12a、12b、12f、12g、および12hは、互いに平行に設けられている。また、平行導体板伝送路には、グランドパターン13a、13b、13c、13f、13g、13h、13j、および13lが設けられている。図5に示す構造の平行導体板伝送路によっても、図4に示す平行導体板伝送路により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、図6には、本実施の形態の別の例の平行導体板伝送路の構造が示されている。図6における平行導体板伝送路も図5に示す平行導体板伝送路の構造とほぼ同様である。また、図4〜図6においては、同じ符号が用いられている部位は同じ機能を果たす。図5に示す構造と図6に示す構造との相違点は、複数の信号ラインの数および配置のみである。
【0046】
より具体的には、図6に示す平行導体板伝送路は、信号ライン12a、12c、12d、および12eを備えている。信号ライン12a、12c、12d、および12eは、互いに平行に設けられている。また、図6に示す平行導体板伝送路には、グランドパターン13a、13b、13d、13e、13j、13k、および13lが設けられている。また、図6に示す平行導体板伝送路には、接着層15a,15b,15cおよび15dが設けられている。図6に示す構造の平行導体板伝送路によっても、図4および図5に示す平行導体板伝送路により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、図6に示す平行導体板伝送路のように、互いに隣り合っている信号ライン12eと信号ライン12dとが同一層に設けられている場合には、図6の信号ライン12dと信号ライン12eとの間の距離が、他の信号線同士の間の距離に比較して極端に小さくなるという不都合が生じることもあるが、図4および図5に示す平行導体板伝送路によれば、そのような不都合が回避される。つまり、図4および図5に示すように、互いに隣り合っている2つの信号ラインが、互いに異なる2つの層のそれぞれに1つずつ設けられていれば、前述の不都合は回避される。
【0048】
一方、図6に示す平行導体板伝送路のように、互いに隣合う複数の信号ライン12dおよび12eが、同一層内に設けられ、誘電体基板11aを介して、1つのグランドパターン13aと対向していれば、信号ライン12dと信号ライン12eとの間の距離は小さくなるが、他の層の信号ライン同士の間の距離をより大きくすることが可能となる。したがって、特定の信号ライン同士の電磁気的な相互干渉をより確実に防止することが必要である場合には、図6に示すような複数の信号ラインの配置が効果的である場合もある。
【0049】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれていることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施の形態1の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【図2】実施の形態1の他の例の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【図3】実施の形態1の別の例の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【図4】実施の形態2の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【図5】実施の形態2の他の例の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【図6】実施の形態2の別の例の平行導体板伝送路を説明するための図である。
【図7】従来の平行導体板伝送路を用いた装置を説明するための図である。
【図8】従来の平行導体板伝送路の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
【0051】
1,11a,11b 誘電体基板、2a,2b,2c,2d,2e,12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h 信号ライン、3a,3b,3c,3d,3e,3f,13a,13b,13c,13f,13g,13h,13j,13k,13l グランドパターン、4,14 プラグ。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
【出願日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行

【公開番号】 特開2005−223127(P2005−223127A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−29180(P2004−29180)