トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 配線基板及びその製造方法
【発明者】 【氏名】萩尾 義知
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【氏名】黒沢 弘文
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【要約】 【課題】信頼性の高い配線基板及びその製造方法を提供することにある。

【解決手段】配線基板は、分岐配線20を含む配線パターン10と、導電層30と、配線パターン10と導電層30との間に配置された絶縁層40とを有する。分岐配線20は、第1の部分22と、第1の部分22から延びる2つ以上の第2の部分24とを含む。第1の部分22は、第2の部分24よりも厚く形成されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐配線を含む配線パターンと、
導電層と、
前記配線パターンと前記導電層との間に配置された絶縁層と、
を有し、
前記分岐配線は、第1の部分と、前記第1の部分から延びる2つ以上の第2の部分とを含み、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも厚く形成されてなる配線基板。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板において、
前記第1の部分の厚みは、すべての前記第2の部分の厚みの和である配線基板。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の配線基板において、
前記第1の部分と前記第2の部分とは同じ幅である配線基板。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の配線基板において、
前記分岐配線は電源線である配線基板。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線基板において、
前記導電層はグランド線である配線基板。
【請求項6】
ベース基板に、第1の部分と前記第1の部分から延びる2つ以上の第2の部分とを有する分岐配線を含む配線パターンを、前記第1の部分が前記第2の部分よりも厚くなるように形成することを含み、
前記第1の部分を形成する工程は、前記ベース基板上に間隔をあけて配置された2つの凸部の間に導電性微粒子を含有する溶剤を吐出することを含む配線基板の製造方法。
【請求項7】
ベース基板に、第1の部分と前記第1の部分から延びる2つ以上の第2の部分とを有する分岐配線を含む配線パターンを、前記第1の部分が前記第2の部分よりも厚くなるように形成することを含み、
前記ベース基板には溝が形成されてなり、
前記第1の部分を形成する工程は、前記溝内に導電性微粒子を含有する溶剤を吐出することを含む配線基板の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の配線基板の製造方法において、
前記分岐配線を、前記第1の部分の厚みがすべての前記第2の部分の厚みの和となるように形成する配線基板の製造方法。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれかに記載の配線基板の製造方法において、
前記分岐配線を、前記第1の部分と前記第2の部分とが同じ幅になるように形成する配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐する配線を含む配線パターンを有する配線基板が知られている。配線基板の信頼性を高めるためには、配線パターンの電流容量を確保することが必要である。特に、分岐する配線の、分岐の前後での電流容量を確保することが重要となる。
【0003】
本発明の目的は、信頼性の高い配線基板及びその製造方法を提供することにある。
【特許文献1】特開平8−298359号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)本発明に係る配線基板は、分岐配線を含む配線パターンと、
導電層と、
前記配線パターンと前記導電層との間に配置された絶縁層と、
を有し、
前記分岐配線は、第1の部分と、前記第1の部分から延びる2つ以上の第2の部分とを含み、
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも厚く形成されてなる。本発明によれば、分岐配線の第1の部分が第2の部分よりも厚いため、第1の部分の幅を狭くしても電流容量を確保することができる。第1の部分の幅が狭くなると、第1の部分と導電層との重複面積が小さくなり、第1の部分と導電層との間の静電容量を小さくすることができる。第1の部分と導電層との間の静電容量が小さくなれば、時間遅れが発生しにくくなり、信号伝達の精度を高めることができる。すなわち、本発明によれば、幅の狭い分岐配線を有する信頼性の高い配線基板を提供することができる。
(2)この配線基板において、
前記第1の部分の厚みは、すべての前記第2の部分の厚みの和であってもよい。
(3)この配線基板において、
前記第1の部分と前記第2の部分とは同じ幅であってもよい。
(4)この配線基板において、
前記分岐配線は電源線であってもよい。
(5)この配線基板において、
前記導電層はグランド線であってもよい。
(6)本発明に係る配線基板の製造方法は、ベース基板に、第1の部分と前記第1の部分から延びる2つ以上の第2の部分とを有する分岐配線を含む配線パターンを、前記第1の部分が前記第2の部分よりも厚くなるように形成することを含み、
前記第1の部分を形成する工程は、前記ベース基板上に間隔をあけて配置された2つの凸部の間に導電性微粒子を含有する溶剤を吐出することを含む。本発明によれば、凸部の間に導電性微粒子を含有する溶剤を吐出することで第1の部分を形成する。そのため、分岐配線を設計通りに製造することができ、信頼性の高い配線基板を効率よく製造することができる。
(7)本発明に係る配線基板の製造方法は、ベース基板に、第1の部分と前記第1の部分から延びる2つ以上の第2の部分とを有する分岐配線を含む配線パターンを、前記第1の部分が前記第2の部分よりも厚くなるように形成することを含み、
前記ベース基板には溝が形成されてなり、
前記第1の部分を形成する工程は、前記溝内に導電性微粒子を含有する溶剤を吐出することを含む。本発明によれば、導電性微粒子を含有する溶剤を溝に吐出することで第1の部分を形成する。そのため、分岐配線を設計通りに製造することができ、信頼性の高い配線基板を効率よく製造することができる。
(8)この配線基板の製造方法において、
前記分岐配線を、前記第1の部分の厚みがすべての前記第2の部分の厚みの和となるように形成してもよい。
(9)この配線基板の製造方法において、
前記分岐配線を、前記第1の部分と前記第2の部分とが同じ幅になるように形成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0006】
図1及び図2は、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板について説明するための図である。なお、図1は、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板の断面図である。また、図2は、分岐配線20(配線パターン10)の一部拡大図である。本発明を適用した実施の形態に係る配線基板は、図1に示すように、配線パターン10を有する。配線パターン10の材料は特に限定されず、既に公知となっているいずれかの材料で形成されていてもよい。配線パターン10は、単一の金属層で形成されていてもよく、積層された複数の層で形成されていてもよい。配線パターン10は、図1及び図2に示す分岐配線20を含む。分岐配線20は、第1の部分22と、第1の部分22から延びる2つ以上の第2の部分24とを含む。そして、第1の部分22は、第2の部分24よりも厚く形成されてなる(図1及び図2参照)。第1の部分22の厚みは、すべての第2の部分24の厚みの和となっていてもよい。また、第1の部分22と第2の部分24とは同じ幅であってもよい。第1の部分22の断面積は、すべての第2の部分24の断面積の和となっていてもよい。分岐配線20は、電源線であってもよい。
【0007】
本発明を適用した実施の形態に係る配線基板は、図1に示すように、導電層30を有する。導電層30は、パターン状をなしていてもよい。あるいは、導電層30は、平面状に形成されていてもよい。導電層30は、グランドとしての機能を有していてもよい。すなわち、導電層30は、グランド線であってもよい。
【0008】
本発明を適用した実施の形態に係る配線基板は、図1に示すように、絶縁層40を有する。絶縁層40は、配線パターン10と導電層30との間に配置されてなる。すなわち、配線パターン10と導電層30とは、絶縁層40の反対側の面に形成されていてもよい。絶縁層40の材料は特に限定されない。絶縁層40は、有機系(例えばエポキシ系)材料、無機系(例えばセラミック系、ガラス系)材料、又は、それらの複合材料で形成されていてもよい。
【0009】
なお、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板の全体構造は、複数の層が積層した積層構造をなしていてもよい。このとき、各層間に導電部材が設けられていてもよい。配線基板は、リジッド基板であってもよい。このとき、配線基板を、インターポーザと称してもよい。あるいは、配線基板はマザーボードであってもよい。また、配線基板はフレキシブル基板であってもよい。
【0010】
本発明を適用した実施の形態に係る配線基板は、以上のように構成されてなる。先に説明したように、配線基板は、誘電体(絶縁層40)を介して2つの導電部材(配線パターン10及び導電層30)が配置された構造をなす。そのため、第1の部分22と導電層30との間の電位差によって、第1の部分22と導電層30との間に静電容量が発生する場合がある。ところで、配線パターン10は、分岐配線20を含む。分岐配線20は、第1の部分22と、第1の部分22から引き出される2つ以上の第2の部分24を含む。そして、第1の部分は、第2の部分24よりも厚く形成されてなる。第1の部分22が、第2の部分24よりも厚く形成されてなることから、第1の部分22の幅を広くすることなく、第1の部分22の電流容量を確保することができる。そして、第1の部分22の幅を広くする必要がなくなるため、第1の部分22と導電層30との重複面積を小さくすることができる。これにより、第1の部分22と導電層30との間に発生する静電容量を小さくすることができる。静電容量が小さくなることから、第1の部分22及び導電層30に流れる電流の時間遅れを軽減することができる。そのため、信号伝達の精度に優れた、信頼性の高い配線基板を提供することができる。また、第1の部分22の幅を広くする必要がなくなるため、配線パターン10の引き回しの自由度の高い配線基板を提供することができる。
【0011】
本発明を適用した実施の形態に係る配線基板は以上のように構成されてなる。以下、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図3及び図4は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明するための図である。なお、本実施の形態に係る配線基板の製造方法においても、既に説明した内容を可能な限り適用するものとする。
【0013】
本実施の形態に係る配線基板の製造方法は、ベース基板50に、第1の部分22と第1の部分22から延びる2つ以上の第2の部分24とを有する分岐配線20を含む配線パターン10を、第1の部分22が第2の部分24よりも厚くなるように形成することを含む。以下、本工程について説明する。
【0014】
配線パターン10を形成する工程は、ベース基板50を用意することを含んでもよい(図3参照)。ベース基板50は2つ以上の凸部52を有する。そして、配線パターン10を形成する工程は、第1の部分22を形成する工程を含む。第1の部分22を形成する工程は、図3に示すように、間隔をあけて配置された2つの凸部52の間に導電性微粒子を含有する溶剤60を吐出することを含んでもよい。導電性微粒子は、金や銀等の酸化しにくく、電気抵抗の低い材料から形成されていてもよい。金の微粒子を含む溶剤として、真空冶金株式会社の「パーフェクトゴールド」、銀の微粒子を含む溶剤として、同社の「パーフェクトシルバー」を使用してもよい。なお、微粒子とは、特に大きさを限定したものではなく、分散媒とともに吐出できる粒子である。また、導電性微粒子は、反応を抑制するために、コート材によって被覆されていてもよい。溶剤60は、乾燥しにくく再溶解性のあるものであってもよい。導電性微粒子は、溶剤60中に均一に分散していてもよい。溶剤60の吐出は、インクジェット法やバブルジェット(登録商標)法等によって行ってもよい。あるいは、マスク印刷やスクリーン印刷によって、溶剤60を吐出してもよい。そして、分散媒を揮発させる工程や、導電性微粒子を保護しているコート材を分解する工程等によって、2つの凸部52の間に導電部材を形成してもよい。そして、これらの工程を繰り返すことによって、第1の部分22を形成してもよい。本工程では、溶剤60を、2つの凸部52の間に吐出することから、溶剤60が、第1の部分22の幅方向に拡がることを防止することができる。そのため、第1の部分22を厚くすることが容易となり、第1の部分22を効率よく形成することができる。そして、第2の部分24を形成する工程などを経て、分岐配線20を形成してもよい。なお、第1の部分22の厚みがすべての第2の部分24の厚みの和となるように、分岐配線20を形成してもよい。また、第1の部分22と第2の部分24とが同じ幅になるように、分岐配線20を形成してもよい。そして、図示しない他の配線を形成する工程などを経て、配線パターン10を形成してもよい。
【0015】
なお、本実施の形態に係る配線基板の製造方法では、第1の部分22を形成する方法はこれに限られるものではない。例えば、ベース基板50には、予め導電パターンが形成されていてもよい(図示せず)。このとき、導電パターンは、間隔をあけて配置された2つの凸部52の間を通るように形成されていてもよい。言い換えると、2つの凸部52は、導電パターンの一部に沿って両側に配置されていてもよい。そして、溶剤60を利用して導電パターンの一部を厚くして、第1の部分22を形成してもよい。これによっても、信頼性の高い配線基板を効率よく製造することができる。なお、導電パターンを形成する方法は特に限定されず、例えば、平面状に設けられた導電部材の一部を除去してパターニングすることによって形成してもよい。
【0016】
(第2の実施の形態)
図5〜図7は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明するための図である。なお、本実施の形態に係る配線基板の製造方法においても、既に説明した内容を可能な限り適用するものとする。
【0017】
本実施の形態に係る配線基板の製造方法は、ベース基板70に、第1の部分82と第1の部分82から延びる2つ以上の第2の部分84とを有する分岐配線80を含む配線パターンを、第1の部分82が第2の部分84よりも厚くなるように形成することを含む。以下、本工程について説明する。
【0018】
配線パターンを形成する工程は、ベース基板70を用意することを含んでもよい(図5参照)。ベース基板70には溝72が形成されてなる。そして、配線パターンを形成する工程は、第1の部分82を形成することを含む。第1の部分82を形成する工程は、図5に示すように、溝72に導電性微粒子を含有する溶剤60を吐出することを含む。溝72に溶剤60を吐出して、分散媒を揮発させる工程やコート材を分解する工程等を経て、溝72に導電部材を形成してもよい。そして、これらの工程を繰り返すことによって、図6に示すように、溝72に導電部材を充填してもよい。本工程では、溝72に溶剤60を吐出して第1の部分82を形成することから、設計通りの形状に第1の部分82を形成することができる。また、溝72の深さや幅を制御することによって、第1の部分82の厚みや幅を決定してもよい。そして、第2の部分84を形成する工程を経て、図7に示す、分岐配線80を形成してもよい。なお、図7は分岐配線80を示す斜視図である。そして、図示しない他の配線を形成する工程を経て、配線パターンを形成してもよい。
【0019】
最後に、本発明の実施の形態に係る配線基板を有する電子機器として、図8にノート型パーソナルコンピュータ1000を、図9に携帯電話2000を、それぞれ示す。
【0020】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板を説明するための図である。
【図2】図2は、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法を説明するための図である。
【図4】図4は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る配線基板の製造方法を説明するための図である。
【図6】図6は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る配線基板の製造方法を説明するための図である。
【図7】図7は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る配線基板の製造方法を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板を有する電子機器を示す図である。
【図9】図9は、本発明を適用した実施の形態に係る配線基板を有する電子機器を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
10 配線パターン、 20 分岐配線、 22 第1の部分、 24 第2の部分、 30 導電層、 40 絶縁層
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成16年2月4日(2004.2.4)
【代理人】 【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一

【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫

【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄

【公開番号】 特開2005−223066(P2005−223066A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−28122(P2004−28122)