| 【発明の名称】 |
電磁波シールド性光透過窓材の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小坪 秀史
【氏名】森村 泰大
【氏名】田沼 逸夫
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| 【要約】 |
【課題】線幅が小さく開口率の高いメッシュ状の導電性パターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造する。
【解決手段】まず、透明フィルム1上に水等の溶剤に対して可溶な材料を用いてドット2を印刷する。次いで、このフィルム1のドット2上及びドット2間のフィルム露出面のすべてを覆うように導電材料層3を形成する。次に、このフィルム1を水等の溶剤によって洗浄する。これにより、可溶性のドット2が溶解し、このドット2上の導電材料もフィルム1から剥れて除去される。そして、ドット同士の間の領域に形成された導電材料よりなる導電性パターン4がフィルム1上に形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フィルム面に、溶剤に対して可溶な物質によってドットを形成し、 該フィルム面に該溶剤に対して不溶な導電材料よりなる導電材料層を形成し、 該フィルム面を該溶剤と接触させて該ドット及び該ドット上の導電材料層を除去することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項2】 請求項1において、該溶剤は水であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項3】 請求項2において、該溶剤に対して可溶な物質は水溶性高分子材料であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項4】 請求項3において、該水溶性高分子材料はポリビニルアルコールであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項において、該ドットを印刷により形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項において、該導電材料層を気相メッキ又は液相メッキにより形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1項において、該導電材料層を塗布により形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項において、該ドット及び該ドット上の導電材料層を除去することにより、開口率75%以上の格子状の導電材料パターンを形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な電磁波シールド性光透過窓材の製造方法に係り、特に、フィルム上に導電パターンを形成してなる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。 【0003】 そこで、従来、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。 【0004】 従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主に、金網のような導電性メッシュ材又は透明導電性フィルムをアクリル板等の透明基板の間に介在させて一体化した構成とされている。 【0005】 従来の電磁波シールド性光透過窓材に用いられている導電性メッシュは、一般に線径10〜500μmで5〜500メッシュ程度のものであり、開口率は75%未満である。 【0006】 従来用いられている導電性メッシュは、一般に、メッシュを構成する導電性繊維の線径が太いものは目が粗く、線径が細くなると目が細かくなっている。これは、線径の太い繊維であれば、目の粗いメッシュとすることは可能であるが、線径の細い繊維で目の粗いメッシュを形成することは非常に困難であることによる。 【0007】 このため、このような導電性メッシュを用いた従来の電磁波シールド性光透過窓材では、光透過率の良いものでも、高々70%程度であり、良好な光透過性を得ることができないという欠点があった。 【0008】 また、従来の導電性メッシュでは、電磁波シールド性光透過窓材を取り付ける発光パネルの画素ピッチとの関係で、モアレ(干渉縞)が発生し易いという問題もあった。 【0009】 透明導電性フィルムを併用することで光透過性と電磁波シールド性とを両立させることが考えられるが、透明導電性フィルムは、筐体との導通をとることが容易ではないという不具合がある。 【0010】 即ち、導電性メッシュであれば、上述の如く、導電性メッシュの周縁部を透明基板周縁部からはみ出させ、このはみ出し部分を折り曲げ、この折り曲げた部分から筐体との導通を図ることができるが、透明導電性フィルムでは、その周縁部を透明基板周縁部からはみ出させて折り曲げると、この折り目部分でフィルムが裂けてしまい、筐体との導通をとることができない。 【0011】 また、透明導電性フィルムの代りに、一方の透明基板の接着面に透明導電性膜を直接成膜することも考えられるが、この場合には、透明導電性膜が他方の透明基板で覆われてしまい、透明導電性膜から筐体への導通を図ることができない。 【0012】 従って、透明導電性膜フィルムを用いる場合には、例えば、透明基板に貫通孔を形成して透明導電性フィルムとの導通路を設けるなどの設計変更が必要となり、電磁波シールド性光透過窓材の組み立てや筐体への組み込み作業が複雑となる。 【0013】 このような問題点を解決し、モアレ現象を防止すると共に、光透過性、電磁波シールド性、熱線(近赤外線)カット性がいずれも極めて良好な電磁波シールド性光透過窓材とするために、導電性インキを、線幅200μm以下、開口率75%以上の格子状に透明板の表面にパターン状に印刷してなるものが考えられている。 【0014】 かかる電磁波シールド性光透過窓材にあっては、パターン印刷により、所望のパターン形状の導電層を形成することができることから、線幅や間隔、網目形状の自由度は導電性メッシュに比べて格段に大きく、線幅200μm以下、開口率75%以上という細線で開口率の高い格子状の導電層であっても容易に形成可能である。そして、このような細線で目の粗い導電層を形成した導電性印刷膜であれば、良好な光透過性を得ることができると共に、モアレ現象を防止することができる。 【0015】 なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0016】 上記の導電性インクとしては、バインダー(インクメジウム)に導電性微粒子を分散させたものが用いられているが、この導電性微粒子のインク中での分散状態を保つためにインクの粘性を十分に高くしておく必要がある。このため、インク線幅を著しく小さくすることはできず、開口率も著しく大きくすることはできなかった。 【0017】 本発明は、線幅が十分に小さく、開口率も著しく高いメッシュ状の導電層を有した電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0018】 本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、フィルム面に、溶剤に対して可溶な物質によってドットを形成し、該フィルム面に該溶剤に対して不溶な導電材料よりなる導電材料層を形成し、該フィルム面を該溶剤と接触させて該ドット及び該ドット上の導電材料層を除去することを特徴とするものである。 【0019】 かかる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法によると、溶剤に対して可溶性の材料には導電性微粒子が分散されておらず、低粘性の材料によってドットを印刷、形成することができる。このため、ドット間の間隔を著しく小さくするように微細で精微な印刷を施すことができる。このドット同士の間の細い領域は、後に導電性材料が残存してメッシュ状の導電層となる領域であるから、本発明によると、著しく細い導電性メッシュパターンを高精度にて形成することができる。この線幅を小さくすることにより、メッシュの開口率を大きくとることができる。 【0020】 本発明方法によれば、例えば開口率75%以上の導電性メッシュパターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができる。 【発明の効果】 【0021】 本発明によると、線幅が小さく開口率の高いメッシュ状の導電性パターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、図面を参照して実施の形態について説明する。 【0023】 図1は本発明の一例を示す断面図であり、まず(1),(2)のように透明フィルム1上に水等の溶剤に対して可溶な材料を用いてドット2を印刷する。次いで、(3)の通り、このフィルム1のドット2上及びドット2間のフィルム露出面のすべてを覆うように導電材料層3を形成する。次に、このフィルム1を水等の溶剤によって洗浄する。この際、必要に応じ、超音波照射やブラシ、スポンジ等で擦るなどの溶解促進手段を併用してもよい。 【0024】 これにより、(4)の通り、可溶性のドット2が溶解し、このドット2上の導電材料もフィルム1から剥れて除去される。そして、ドット同士の間の領域に形成された導電材料よりなる導電性パターン4がフィルム1上に残る。この導電性パターン4は、ドット1間の領域を占めるものであるから、全体としてはメッシュ状となる。 【0025】 従って、ドット2間の間隙を狭くしておくことにより、線幅の小さいメッシュ状の導電性パターン4が形成される。また、各ドット2の面積を広くすることにより、開口率の大きなメッシュ状の導電性パターン4が形成される。ドット2を形成するための前記水等に対して可溶な印刷材料は、微粒子を分散させる必要のないものであり、低粘性のもので足りる。この低粘性の印刷材料によれば、微細なドットパターンとなるようにドットを印刷することができる。 【0026】 なお、上記(4)の工程の後、必要に応じ仕上げ洗浄(リンス)し、乾燥することにより、電磁波シールド性光透過窓材が得られる。 【0027】 次に、上記の各材料の好適例について説明する。 【0028】 透明フィルム1としては、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル板、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテートフィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロファン等、好ましくは、PET、PC、PMMAが挙げられる。 【0029】 この透明フィルムの厚さは、電磁波シールド性光透過窓材の用途等によっても異なるが、通常の場合1μm〜5mm程度とされる。 【0030】 フィルム1上に形成するドットは印刷により形成されることが好ましい。印刷材料としては、ドットを除去させる溶剤に対して可溶な材料の溶液が用いられる。このドットを除去させる溶剤としては、有機溶剤であってもよいが、安価であると共に、環境への影響の点からして水が好ましい。水は、通常の水のほか、酸、アルカリ又は界面活性剤を含んだ水溶液であってもよい。この印刷材料には、印刷仕上り状況を確認し易くするために顔料や染料を混ぜてもよい。 【0031】 溶剤をこのように水とする関係からして、ドット形成材料としては水溶性の高分子材料が好ましくは、具体的にはポリビニルアルコールなどが好適である。 【0032】 ドット2は、それらの間のフィルム露出領域がメッシュ状となるように印刷される。好ましくは、このフィルム露出領域の線幅が30μm以下となるように印刷される。印刷手法としてはグラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、静電印刷が好適であるが、細線化のためにはグラビア印刷が好適である。 【0033】 ドットの性状は、円、楕円、角形など伝意であるが、角形とくに正方形であることが好ましい。 【0034】 ドットの印刷厚みは、特に限定されるものではないが、通常は0.1〜5μm程度とされる。 【0035】 ドットの印刷後、好ましくは乾燥し、次いで導電材料層3を形成する。この材料としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、すず、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉛等の金属又は合金或いはITO等の導電性酸化物が好適である。 【0036】 この導電材料層3の厚さは、薄過ぎると電磁波シールド性能が不足するので好ましくなく、厚過ぎると得られる電磁波シールド性光透過窓材の厚さに影響を及ぼすと共に、視野角を狭くしてしまうことから、0.5〜100μm程度とするのが好ましい。 【0037】 導電材料層3の形成手法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着などの気相メッキ法や、液相メッキ(電解メッキ、無電解メッキ等)、印刷、塗布などが例示されるが、広義の気相メッキ(スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、化学蒸着)又は液相メッキが好適である。 【0038】 この導電材料層3の形成後、前記の通り、溶剤好ましくは水を用いてドット2を除去し、必要に応じ乾燥して電磁波シールド性光透過窓材とされる。 【0039】 この電磁波シールド性光透過窓材は、1枚物のフィルムよりなるものであってもよく、ロールから巻き出された連続ウェブ状のフィルムであってもよい。 【実施例】 【0040】 以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。 【0041】 実施例1 厚さ500μmのポリエチレンフィルムの上に、ポリビニルアルコールの20%水溶液をドット状に印刷した。ドット1個の大きさは1辺が234μmの正方形状であり、ドット同士間の間隔は20μmであり、ドット配列は正方格子状である。印刷厚さは、乾燥後で約5μmである。 【0042】 その上に、アルミニウムを平均膜厚10μmとなるように真空蒸着した。次いで、常温の水に浸漬し、スポンジで擦ることによりドット部分を溶解除去し、次いで水でリンスした後、乾燥して電磁波シールド性光透過窓材とした。 【0043】 このフィルム表面の導電層は、正確にドットのネガパターンに対応した正方格子状のものであり、線幅は20μm、開口率は77%であった。また、導電層(アルミニウム層)の平均厚さは10μmであった。 【図面の簡単な説明】 【0044】 【図1】実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す模式的な断面図である。 【符号の説明】 【0045】 1 フィルム 2 ドット 3 導電材料層 4 導電性パターン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成17年1月7日(2005.1.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086911 【弁理士】 【氏名又は名称】重野 剛
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| 【公開番号】 |
特開2005−210113(P2005−210113A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月4日(2005.8.4) |
| 【出願番号】 |
特願2005−2818(P2005−2818) |
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