| 【発明の名称】 |
配線基板の導体パターン形成方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】和井 伸一 【住所又は居所】埼玉県熊谷市三ヶ尻6010番地 日立金属株式会社生産システム研究所内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、導体パターンの設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができ、さらに、積層配線基板においては、積層された絶縁シート内の応力分布に差が生じないような導体パターン形成方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明は、絶縁シート一面に被膜された導体膜に対し、溝状に導体膜を除去し、電気的に異種の導体部に分離することを特徴としている。電気的に異種の導体部とは、例えば電源用と接地用、信号用と接地用、一の信号回路用と他の信号回路用のように、異なる性質の電気を流すための導体部のことである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁シート一面に被膜された導体膜に対し、溝状に導体膜を除去し、電気的に異種の導体部に分離することを特徴とした配線基板の導体パターン形成方法。 【請求項2】 絶縁シートの一面全面に被膜された導体膜に、形成されるべき信号導体の輪郭に沿ってレーザ光を照射して溝状に導体膜を除去し、溝で囲まれた導体膜を信号導体とし周囲の導体膜を接地導体とした導体パターンを形成することを特徴とした配線基板の導体パターン形成方法。 【請求項3】 前記絶縁シートは、多層配線基板の配線層をなす積層シートとして用いられる請求項1又は2記載の配線基板の導体パターン形成方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は配線基板の導体パターン形成方法に係り、特に多層配線基板の配線層における導体パターン形成に好適な方法に関する。 【背景技術】 【0002】 ここで言う配線基板は、絶縁体に所定の導体パターンが形成された配線層を有するような信号伝達部品の総称であり、一般に、絶縁体が樹脂のものはプリント配線基板、セラミックのものはセラミック配線基板と呼ばれている。その構造は、絶縁板1枚だけからなるものや、絶縁シートを複数積層してなるものまで多様であるが、最近では、電子・情報機器の小型化、高機能化に伴い、薄くて高密度実装が可能な配線基板が求められ、絶縁シートの薄型化、多層化が図られている。また、機能面でも、単にLSIやコンデンサ、インダクタ、フィルタなどの受動部品を実装するためのものから、上記受動部品などを内蔵したものへと高機能化が図られている。なお、積層コンデンサ、積層インダクタなどの積層構造の電子部品は、所定の導体パターンが形成された絶縁シートが積層されており、本発明で言う配線基板に含まれる。 【0003】 配線基板の薄型化、高密度化、高機能化に伴い、例えば多層セラミック基板或いは多層セラミック電子部品におけるセラミックグリーンシート(グリーンシートと略す)は、その厚さが十数μm程度の薄さのものが現われている。しかし、グリーンシート上に形成される導体パターンは、通常スクリーン印刷やエッチングで形成された信号用であり、信号導体は電気的特性面から薄くすることに限界があり、10μm程度は必要とされている。このため、グリーンシートの厚さに対しそのグリーンシート上に形成される信号導体の厚さの比率が大きくなると、これらのグリーンシートを重ね合わせた時、隣接するグリーンシート同士は、信号導体部のみで接触し信号導体が形成されていない部分は接触しないという状態になる。このような状態で上下から加圧すると、その加圧力は信号導体部に集中するため、局部的にグリーンシートが変形し、積層ズレを起こしてしまうという問題があった。 【0004】 この問題を解決するための技術として、例えば特許文献1(特開平6−251971号公報)に開示されているものがある。これは、内部導体パターン(上述した信号導体のことであると推察される)を形成したグリーンシートを、積層・圧着焼成することによって積層体を構成する積層セラミック電子部品の製造方法であって、内部導体パターンを形成したすべてのグリーンシートにおける内部導体パターン未形成部分に、内部導体パターンと同等の厚さで内部導体パターン部が打ち抜かれたグリーンシートを重ねるものである。これにより、内部導体パターン形成部と内部導体パターン未形成部との高さが同等になるため、圧着時に積層方向に付加される圧力が分散され、内部歪みや積層ズレの発生が防止される、と説明されている。 【特許文献1】特開平6−251971号公報(段落番号0009〜0013) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1に記載された技術は、内部導体パターン未形成部に内部導体パターンと同じ高さのグリーンシートを敷き詰めるものであり、内部導体パターン部への応力集中は緩和されても、内部導体パターンを形成する金属膜と敷き詰められたグリーンシートとは圧縮弾性係数が異なるため、依然として内部導体パターン部と内部導体パターン未形成部との圧縮応力には差が生じ、これが圧着焼結後の積層シートの接合力の差となる。即ち、積層シートの接合の信頼性という課題に対しては十分な解決策とは言えない。 【0006】 また、近年では通信・情報機器などはモデルチェンジが激しく、それに対応した配線基板を、短時間でかつ適切な価格で提供しなければならない。この点で、特許文献1に記載された内部導体パターンはスクリーン印刷で形成されており、内部導体パターン毎に固有の印刷用スクリーンを用意しなければならないだけでなく、新たな内部導体パターンを印刷する度に、対応するスクリーンへの交換と調整が必要である。さらに、内部導体パターン毎に、そのパターンと同等の厚さで、かつ内部導体パターンと同一形状が打ち抜かれたグリーンシートを用意した上、所定の積層順番に合わせて供給、位置決めしなければならず、効率的な生産方法とは言い難い。 【0007】 従って、本発明は、導体パターンの設計変更や、段取り換えにも能率的に対処することができ、さらに、積層配線基板においては、積層された絶縁シート内の応力分布に差が生じないような導体パターン形成方法を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、絶縁シート一面に被膜された導体膜に対し、溝状に導体膜を除去し、電気的に異種の導体部に分離することを特徴としている。電気的に異種の導体部とは、例えば電源用と接地用、信号用と接地用、一の信号回路用と他の信号回路用のように、異なる性質の電気を流すための導体部のことである。 また、本発明は、絶縁シートの一面全面に被膜された導体膜に、形成されるべき信号導体の輪郭に沿ってレーザ光を照射して溝状に導体膜を除去し、溝で囲まれた導体膜を信号導体とし周囲の導体膜を接地導体とした導体パターンを形成することを特徴としている。 上記本発明における絶縁シートは、多層配線基板の配線層をなす積層シートとして用いられることが好ましい。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、導体パターンの形成は、NC制御で導体膜を除去する溝を加工するだけでよく、設計変更があってもNCプログラムを修正するだけで対処でき、極めて能率的である。また、積層タイプの配線基板においては、圧着時に積層シートに生じる変形量のバラツキはほとんどなく、かつ当接面内の応力はほぼ均一であり、積層ズレや焼結後の積層体からの積層シートの剥離の恐れを低下させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、多層セラミック配線基板に用いられる積層シートを例に、導体パターンが形成された隣接3層の積層シート部分を抜き出して説明する。図1は、積層された隣接3層の積層シートの縦断面図、図2は各層の積層シートの平面図で、図2(a)は上部積層シート1、図2(b)は中間部積層シート2、図2(c)は下部積層シート3である。以下、図3をもとに、上部積層シート1における導体パターンの形成方法について説明する。 【0011】 図3(a)に示す所定サイズのグリーンシート11の片面全面に、図3(b)に示すように導体膜12を被膜したものを用意する。導体膜12としては、銅又は銅合金やアルミニウム合金、ニッケル合金などの金属膜が、無電解メッキ、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング法等で数〜数十μmの厚さに形成されたものが好ましい。この時の導体膜12は、グリーンシート11の全面に被膜されればよいので、容易に均一厚さに被膜される。 【0012】 導体膜12が被膜されたグリーンシート11を、NC制御の2軸或いは3軸以上のテーブル(図示せず)にセットし、図3(c)に示すように、導体膜12にレーザ照射装置(図示せず)からレーザ光を照射するとともにテーブルをNC制御し、照射部の導体膜を溝状に除去する。この時、テーブルは、形成すべき信号導体15のパターン輪郭線(点線14で示す)の外周に沿ってレーザ光が照射されるように予め作成したプログラムにより動作させる。グリーンシート11全面に対して上記処理を行なったものを積層シート1とし、テーブルから取り外し、その後の積層工程のための装置に収納する。金属膜に照射して除去するためのレーザとしては、短パルス炭酸ガスレーザ、高調波YAGレーザ、エキシマレーザなどを用いるとよい。このように、導体パターンの形成は、NC制御でグリーンシートとレーザ光を相対的に移動しながら照射するだけでよく、設計変更があってもNCプログラムを修正するだけで対処でき、極めて能率的である。 【0013】 積層シート上の導体膜は、溝によって電気的に絶縁された複数の部分に分離されているが、図2(a)に示す積層シート1においては、レーザ光で形成された溝13及び辺部16で囲まれて周囲の導体膜とは絶縁された部分を信号導体15とし、周囲の導体膜を接地導体17として使用する。このように、本発明における導体パターンは、信号導体と接地導体と言うように、電気的に異種の導体部を含んだパターンである。溝13は、信号導体15が信号線路として用いられるのか或いは電源線路として用いられるのかにより、さらに信号線路であれば信号の周波数などに応じて、所定の絶縁抵抗やクロストーク抑制性能が得られるように形成される。即ち、深さは導体膜12が分断されるように導体膜12の厚さに応じて規定されるが、幅は30μm以上とすることが好ましく、用いるレーザ光の種類に応じて、出力、スポット径等を調整し、溝13底部のグリーンシート11表面が少し除去される程度に、必要であれば位置をずらして何回か走査するとよい。 【0014】 中間部積層シート2及び下部積層シート3についても、上述した上部積層シート1の場合と同様にして、グリーンシート片面全面に被膜した導体膜に、各々レーザ光で溝23及び33を形成し、所定形状の信号導体25と接地導体27、及び信号導体35と接地導体37を電気的に絶縁して形成する。なお、上部積層シート1のグリーンシート11には、上部積層シート1と中間部積層シート2の信号導体15と25とを、また接地導体17と27とを電気的に導通するビア18及び19が形成される。中間部積層シート2にも同様にビア28及び29が形成される。 【0015】 上述した導体パターンが形成された上部積層シート1、中間部積層シート2、下部積層シート3は、多層セラミック配線基板の積層シートの一部として、積層工程において順次積層され組み込まれていく。積層シートは、積層毎或いは積層完了後に加圧されて圧着されるが、グリーンシート上の導体膜は、溝部を除いたほぼ全面に同じ厚さで形成されている。このため、隣接する積層シートは、ほぼ同一面積のグリーンシート面と導体膜面で当接されることになり、加圧時に局部的に変形することはなく、かつ当接面内の応力はほぼ均一となる。これにより、積層シート同士の接合力は基本的には同じになり、積層シートの剥離の恐れは低下する。 【0016】 以上、本発明を多層セラミック基板を例に模式的に説明したが、単層のセラミック配線基板に対しても適用できることは言うまでもない。また、絶縁シートとして、ポリイミド、PET、PPS等の樹脂を用いたプリント配線基板に対しても適用することができる。この場合、レーザ光の波長等を選択して、溝形成時に損傷を受け難くするようにすることが好ましい。また、導体膜が両面に被膜された絶縁シートを用いて、両面に導体パターンを形成することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0017】 【図1】本発明に係わる配線基板の例としての3層積層シートの縦断面を示す図 【図2】前記3層の積層シートの各層の導体パターンを示す平面図 【図3】前記積層シートの上部積層シートの導体パターン形成を説明するための平面図 【符号の説明】 【0018】 1…上部積層シート、 11…グリーンシート、 12…導体膜、 13…溝、 14…信号導体パターン輪郭線、 15…信号導体、 16…辺部、 17…接地導体 18、19…ビア、 2…中間部積層シート、 23…溝、 25…信号導体、 27…接地導体、 28、29…ビア、 3…下部積層シート、 33…溝、 35…信号導体、 37…接地導体、
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005083 【氏名又は名称】日立金属株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成16年1月26日(2004.1.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−210007(P2005−210007A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月4日(2005.8.4) |
| 【出願番号】 |
特願2004−17213(P2004−17213) |
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