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【発明の名称】 フレキシブル基板貼付け装置および同装置を備えた基板製造装置
【発明者】 【氏名】岸田 晃
【住所又は居所】静岡県浜松市新都田1丁目9番3号 アイパルス株式会社内

【要約】 【課題】フレキシブル基板の生産に必要な搬送用治具への基板貼付け作業を自動化する。

【解決手段】被処理基板1(フレキシブル基板)を吸着保持可能なヘッド30を備えた移動可能なヘッドユニット16と、このユニット16に搭載される治具認識カメラ27と、基台1上に固定される基板認識カメラ28と、これらを統括的に制御するコントローラとを有する。このコントローラは、ヘッド30により供給部14から被処理基板1を吸着し、これを貼付け作業位置の搬送用治具2に搬送して貼付ける。また、治具認識カメラ27により搬送用治具2を撮像するとともに基板認識カメラ28により被処理基板1を撮像することにより、被処理基板1の吸着位置誤差又は搬送用治具2の位置誤差の少なくとも一方の誤差がある場合には、搬送用治具2への被処理基板1の貼付に際して誤差補正を行うべくヘッドユニット16等を駆動制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着性の貼付面を備えた搬送用治具の前記貼付面にフレキシブル基板を貼付ける事前処理を実施した後、前記搬送用治具を媒体としてフレキシブル基板を搬送ラインに沿って搬送しながら作業機により各種処理を施す場合に前記事前処理を実施する装置であって、
前記フレキシブル基板を吸着保持可能なヘッドと、貼付作業位置に置かれた搬送用治具と前記ヘッドとを相対的に移動させる移動手段と、前記ヘッドにより所定の供給位置からフレキシブル基板を吸着して前記貼付作業位置に移送し搬送用治具の前記貼付面に押付けて貼付けるべく前記移動手段を駆動制御する制御手段と、搬送用治具へのフレキシブル基板の貼付動作に先だち前記ヘッドによるフレキシブル基板の吸着状態を認識する認識手段とを有し、前記制御手段は、前記認識手段の認識結果に基づき前記フレキシブル基板の吸着位置誤差がある場合には、搬送用治具へのフレキシブル基板の貼付動作において誤差補正を行うべく前記移動手段を駆動制御するように構成されていることを特徴とするフレキシブル基板貼付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフレキシブル基板貼付け装置において、
前記搬送用治具に設けられた記録部に記録される識別情報に基づいて搬送用治具を識別する識別手段と、この識別手段による識別結果に基づき搬送用治具毎にその使用回数を計数する計数手段とをさらに有し、前記制御手段は、搬送用治具へのフレキシブル基板の貼付け動作に際して前記計数手段による計数値が増加するに伴い前記貼付面に対するフレキシブル基板の押付力を増加させるべく前記移動手段を駆動制御することを特徴とするフレキシブル基板貼付け装置。
【請求項3】
請求項3に記載のフレキシブル基板貼付け装置において、
前記記録部は前記識別情報を無線送信可能に構成されるものであって、前記識別手段は、前記記録部からの情報を受信することにより搬送用治具を識別することを特徴とするフレキシブル基板貼付け装置。
【請求項4】
作業機が設けられた搬送ラインに沿って基板を搬送しながら前記作業機により前記基板に処理を施すように構成され、かつ前記基板としてフレキシブル基板を処理する場合には、粘着性の貼付面を備えた搬送用治具の前記貼付面にフレキシブル基板を貼付けることにより前記搬送用治具を媒体としてフレキシブル基板を搬送するように構成された基板製造装置において、
前記作業機よりも上流側に前記搬送用治具にフレキシブル基板を貼付けるフレキシブル基板貼付け装置を設けるとともにこの貼付け装置として請求項1乃至3の何れかに記載のフレキシブル基板貼付け装置を設けたことを特徴とする基板製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、携帯電話あるいはプリンタヘッド等に使用されるフレキシブル基板の製造に関し、特に、フレキシブル基板を搬送用治具に貼付ける貼付け装置およびこの装置を備えた基板製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スクリーン印刷機、ディスペンサ、表面実装機およびリフロー炉等を備え、ベルトコンベア式の搬送装置により基板両端を支持して搬送しながら各装置において処理を施すようにした基板の製造システム(基板製造装置)が一般に知られている。
【0003】
この種の基板製造システムで生産されるプリント基板は、従来、硬質のリジット基板が一般的であったが、近年では、デジタルカメラや携帯電話の普及に伴い、可撓性のあるフレキシブル基板(以下、フレキ基板という)の生産数が増加している。
【0004】
フレキ基板は、上記のように可撓性を有し、また生産されるサイズも比較的小さいものが多いため、リジット基板のようにベルトコンベアで基板を直接搬送しなが処理を施すことは困難である。そこで、一般には、フレキ基板をプレート状の搬送用治具に貼付けた状態で搬送しながら各種処理を施すことが行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなフレキ基板の治具への貼付け作業は、フレキ基板を治具に対して正確に位置決めして貼付ける必要があるため、従来は作業者により手作業で行われていた。ところが、近年の基板製造システムの高速化に伴い、システムに対して貼付け作業が追いつかない状況が発生しており、この作業を自動化することが望まれているが、従来そのような装置は提案されておらず、従って、搬送用治具に対するフレキ基板の貼付け作業を自動化できる装置を早急に開発することが望まれている。
【0006】
なお、フレキ基板の貼付けは、搬送用治具に埋め込まれた粘着部材にフレキ基板を押し付けて貼付けるが、粘着力は治具の使い回しより徐々に低下する。そのため、従来は作業者がその都度、その粘着力に応じて力加減を調整することによりフレキ基板を確実に貼付けるようにしていた。従って、フレキ基板の貼付け作業を自動化する場合にも、この点への配慮が望まれる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、フレキ基板の生産に必要な搬送用治具への基板貼付け作業を自動化すること、また、このようなフレキ基板の貼付工程を含む一連の基板製造作業をより高速化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係るフレキシブル基板貼付け装置は、粘着性の貼付面を備えた搬送用治具の前記貼付面にフレキシブル基板を貼付ける事前処理を実施した後、前記搬送用治具を媒体としてフレキシブル基板を搬送ラインに沿って搬送しながら作業機により各種処理を施す場合に前記事前処理を実施するものであって、具体的には、前記フレキシブル基板を吸着保持可能なヘッドと、貼付作業位置に置かれた搬送用治具と前記ヘッドとを相対的に移動させる移動手段と、前記ヘッドにより所定の供給位置からフレキシブル基板を吸着して前記貼付作業位置に移送し搬送用治具の前記貼付面に押付けて貼付けるべく前記移動手段を駆動制御する制御手段と、搬送用治具へのフレキシブル基板の貼付動作に先だち前記ヘッドによるフレキシブル基板の吸着状態を認識する認識手段とを有し、この認識手段の認識結果に基づき前記フレキシブル基板の吸着位置誤差がある場合には、搬送用治具へのフレキシブル基板の貼付動作において誤差補正を行うべく前記移動手段を駆動制御するように前記制御手段が構成されているものである。
【0009】
この装置によると、移動可能なヘッドにより所定の供給位置からフレキシブル基板が吸着保持されて搬送用治具上に移載され、フレキシブル基板に吸着位置誤差(ずれ)がある場合には、誤差補正された上で搬送用基板に対してフレキシブル基板が貼付けられることとなる。従って、手作業と同様に、あるいはそれ以上に搬送用基板に対してフレキシブル基板を正確に貼付けることができ、貼付け作業の自動化および高速化を図ることが可能となる。
【0010】
特に、請求項2に係るフレキシブル基板貼付け装置は、さらに、前記搬送用治具に設けられた記録部に記録される識別情報に基づいて搬送用治具を識別する識別手段と、この識別手段による識別結果に基づき搬送用治具毎にその使用回数を計数する計数手段とをさらに有し、搬送用治具へのフレキシブル基板の貼付け動作に際して前記計数手段による計数値が増加するに伴い前記貼付面に対するフレキシブル基板の押付力を増加させるべく前記移動手段を駆動制御するように前記制御手段が構成されているので、搬送用治具の使用回数に拘わらず適切にフレキシブル基板を貼付けることができる。つまり、貼付面の粘着力は搬送用治具が繰り返し使用されることにより低下するが、使用回数に応じて徐々にフレキシブル基板の押付力を増加させるように構成されている結果、使用回数に拘わらずフレキシブル基板の貼付けが確実、かつ適切に行われることとなる。
【0011】
なお、請求項2において「計数手段による計数値が増加するに伴い前記貼付面に対するフレキシブル基板の押付力を増加させる」とは、計数値の増加毎に押付力を一定値だけ増加させる場合以外に、特定の複数値だけ上記計数値が増える毎に押付力を一定値だけ増加させるような場合も含む意味である。
【0012】
また、上記のように搬送用治具を識別する場合、搬送用治具に設けられるバーコード等からなる記録部を作業者がバーコードリーダーで読取ることにより搬送用治具を識別するように識別手段を構成してもよいが、請求項3に係る構成のように、記録部から無線送信される識別情報を受信部で受信することによって搬送用治具を識別するように識別手段を構成すれば、上記のような読取り作業を行うことなく搬送用治具を識別させることが可能となるため、貼付け作業の自動化および高速化をより一層進めることができる。
【0013】
一方、請求項4に係る基板製造装置は、作業機が設けられた搬送ラインに沿って基板を搬送しながら前記作業機により前記基板に処理を施すように構成され、かつ前記基板としてフレキシブル基板を処理する場合には、粘着性の貼付面を備えた搬送用治具の前記貼付面にフレキシブル基板を貼付けることにより前記搬送用治具を媒体としてフレキシブル基板を搬送するように構成された基板製造装置において、前記作業機よりも上流側に前記搬送用治具にフレキシブル基板を貼付けるフレキシブル基板貼付け装置を設けるとともにこの貼付け装置として請求項1乃至3の何れかに記載のフレキシブル基板貼付け装置を設けたものである。
【0014】
この基板製造装置によれば、上記のようなフレキシブル基板貼付け装置を備えているため、フレキシブル基板の製造時には、同基板の搬送用治具への貼付作業を含む一連の基板製造作業をより高速化することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1乃至3に係るフレキシブル基板貼付け装置によると、搬送用治具に対する貼付け作業を自動的に、かつ高速で行うことができ、これによって同作業の効率化を図ることができる。そして、このフレキシブル基板貼付け装置を、例えばスクリーン印刷機や表面実装機等の作業機と共に製造ラインに並べて使用する請求項4に係る基板製造装置によると、フレキシブル基板の貼付け作業を自動化できる分、同作業を含む一連の基板製造作業をより高速化することが可能となり、これによって生産性を効果的に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の最良の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明に係る基板製造装置(本発明に係るフレキシブル基板貼付け装置が含まれる基板製造装置)を概略的に示している。同図に示すように基板製造装置の先頭には基板投入機3が設置されている。この基板投入機3の下流側には、フレキシブル基板(以下、フレキ基板という)を処理する場合に同基板を搬送用治具に貼付けるフレキ貼付機4と、はんだ粉末とペースト状フラックスとの混合物からなるソルダーペーストを基板に対して塗布するスクリーン印刷機5と、IC、トランジスタ又はコンデンサ等の電子部品を基板に対して実装する3台の部品実装機6と、部品実装後の後処理を行うリフロー炉7とからなる複数の作業機が基板の搬送ラインに沿って順次配列され、かつその下流側に基板搬出機8が配設されている。
【0018】
この基板製造装置では、リジット基板およびフレキ基板の何れの基板も処理可能であるが、被処理基板1がフレキ基板の場合には同基板を搬送用治具2、すなわち粘着性の樹脂等からなる貼付面2a(図8参照)が設けられたプレート状の治具に貼付け、この搬送用治具2を媒体としてフレキ基板を搬送するように構成されている。つまり、被処理基板1がリジット基板である場合には、リジット基板そのものが基板投入機3にストックされてここから間欠的に搬送ラインに投入され、フレキ貼付機4を通過して最初のスクリーン印刷機5に搬送される。これに対して被処理基板1がフレキ基板の場合には、基板投入機3には搬送用治具2がストックされ、フレキ基板はフレキ貼付機4にストックされる。そして、基板投入機3から間欠的に搬送用治具2が搬送ラインに投入され、フレキ貼付機4においてこの搬送用基板2にフレキ基板が貼付けられることにより、搬送用治具2を媒体としてフレキ基板が搬送されるようになっている。
【0019】
以下、本発明に係るフレキシブル基板貼付け装置である上記フレキ貼付機4の構成について図2〜図8を用いて具体的に説明する。
【0020】
図2はフレキ貼付機4を平面図で概略的に示している。この図に示すように、フレキ貼付機4の基台11上には、前記搬送ラインを構成するコンベア12が配置され、搬送用治具2がこのコンベア12上を搬送されて所定の貼付け作業位置で停止されるようになっている。なお、被処理基板1がリジット基板の場合には、被処理基板1は上記作業位置を通過してそのままスクリーン印刷機5に搬出されることとなる。
【0021】
上記作業位置には、搬送用治具2をその下側から支持する昇降可能なバックアップテーブル13が設けられている。バックアップテーブル13には、複数本のバックアップピン13a(図8参照)が立設されており、前記貼付け作業位置の搬送用治具2を前記ピン13aによりその下側から持上げた状態で支持して位置決めするように構成されている。
【0022】
コンベア12の一方側(図2では下側)にはフレキ基板からなる被処理基板1の供給部4が配置されている。この供給部14には、被処理基板1がマトリックス状に、かつ複数枚ずつ重ねられた状態でトレー14a上に配置されており、後述するヘッドユニット16によりこのトレー14aから被処理基板1が一枚ずつ取出されるようになっている。
【0023】
上記基台11の上方には、基板吸着用のヘッドユニット16が装備されている。このヘッドユニット16は、供給部14と貼付け作業位置に位置決めされている搬送用治具2とにわたって移動可能とされ、X軸方向(コンベア12と平行な方向)及びY軸方向(コンベア12と直交する方向)に移動可能となっている。
【0024】
すなわち、上記基台1上には、X軸方向に延びる一対の固定レール17と、これら固定レール17に沿って設けられ、X軸サーボモータ19により回転駆動されるボールねじ軸18とが配設され、ヘッドユニット支持部材21が両固定レール17に移動可能に装着され、この支持部材21に設けられたナット部分22が上記ボールねじ軸18に螺合している。また、上記支持部材21には、Y軸方向のガイドレール23と、Y軸サーボモータ125により駆動されるボールねじ軸24とが配設され、上記ガイドレール23にヘッドユニット16が移動可能に保持され、このヘッドユニット16に設けられたナット部分26がボールねじ軸24に螺合している。そして、X軸サーボモータ19の作動により上記支持部材21がX軸方向に移動するとともに、Y軸サーボモータ25の作動によりヘッドユニット16が支持部材21に対してY軸方向に移動するようになっている。
【0025】
ヘッドユニット16には上下方向に細長の軸状に構成された基板吸着用のヘッド30が搭載されている。このヘッド30は、ヘッドユニット16のフレーム16aに対してZ軸方向の移動(昇降)及びR軸(中心軸)回りの回転が可能に支持されており、サーボモータを駆動源とする昇降駆動手段および回転駆動手段により駆動されるようになっている。
【0026】
具体的に説明すると、前記ヘッド30は、図3に示すように上下方向に延びるノズルシャフト31とその先端(下端)に装着される吸着ノズル32とを備えた構成となっており、支持部材34を介してヘッドユニット16の前記フレーム16aに支持されている。支持部材34は、ベアリング35を介してフレーム16aに対して回転可能に保持されるとともにその下端部にはプーリ36が一体に設けられており、ヘッド30の前記ノズルシャフト31がこの支持部材34に挿入されている。ノズルシャフト31は、支持部材34に対して軸方向(Z軸方向)の相対的な移動が可能で、かつ相対的な回転(R軸回りの回転)が阻止されるように支持部材34に対してスプライン結合されており、この構成によりヘッド30がZ軸方向の移動(昇降)及びR軸(中心軸)回りの回転が可能な状態でヘッドユニット16に対して支持されている。
【0027】
そして、上下方向の固定レール39に沿って移動可能な可動フレーム40が前記フレーム16aに設けられ、前記ノズルシャフト31の上端部がベアリングを内蔵したホルダー42を介してこの可動フレーム40に回転可能に支持され、さらに前記フレーム16aに、Z軸サーボモータ43により駆動されボールねじ軸44がノズルシャフト31と平行に設けられ、このボールねじ軸44に前記可動フレーム40がナット部材45を介して螺合装着されている。また、R軸サーボモータ47がフレーム16aに固定され、このモータ47の出力軸に駆動プーリ48が装着されるとともにこの駆動プーリ48と前記ヘッド30のプーリ36とに亘って伝動ベルト49が装着されている。すなわち、Z軸サーボモータ43の作動により可動フレーム40とこれに固定されたヘッド30(ノズルシャフト31)とが一体にZ軸方向に移動する一方、R軸サーボモータ47の作動により支持部材34とヘッド30(ノズルシャフト31)とが一体にR軸回りに回転するようになっている。
【0028】
前記ノズルシャフト31は中空軸から構成されており、被処理基板1の貼付け動作時には、図外の負圧供給源から負圧供給管50を介してノズルシャフト31上端に負圧が導入され、さらにこの負圧がノズルシャフト31の内部通路31aを通じて前記吸着ノズル32の先端に供給されることにより、吸着ノズル32先端で被処理基板1が吸着保持されるように構成されている。
【0029】
吸着ノズル32は、図4に示すように、軸部32aとその先端(下端)に設けられる吸着部32bとを有し、この吸着部32bに設けられる略平坦な吸着面33を介して被処理基板1を吸着保持するように構成されている。吸着部32bは、例えばウレタン樹脂等の軟性樹脂材料から構成されるともにその吸着面33には複数の負圧供給孔33aが開口しており、これによって被処理基板1に対して隙間無く吸着面33を密着させた状態で被処理基板1の広域に亘って負圧を効果的に作用させ得るように構成されている。
【0030】
吸着ノズル32は、ノズルシャフト31の先端(下端)に固定されたノズルホルダー52の装着用凹部52aに挿入されることによってノズルシャフト31に装着されているとともに、このノズルシャフト31に対してその軸方向(Z軸方向)に弾性的に変位可能となっている。具体的に説明すると、吸着ノズル32の前記軸部32aは、固定用フランジ56aを備えた筒状の固定シャフト56に挿入されるとともにこのシャフト56を貫通しており、軸部32a上端に、鍔54aをもつ筒状の抜け止め部材54が螺合装着されることによりこの固定シャフト56に対して抜け止めされている。そして、吸着ノズル32の軸部32aと固定シャフト56とが一体にノズルシャフト31の下側から前記装着用凹部52aに挿入され、固定シャフト56の固定用フランジ56aとノズルホルダー52の固定用フランジ52bとが重ねられてボルト57により一体に締結されることにより、前記装着用凹部52aのZ軸方向のクリアランス分だけ吸着ノズル32がZ軸方向に変位可能な状態でノズルシャフト31の下端部に装着されるとともに、ノズルシャフト31の端面と抜け止め部材54の前記鍔54aとの間の部分に圧縮バネ58が介装されることによりこの圧縮バネ58の弾発力により吸着ノズル32がノズルシャフト31に対して下向きに付勢されている。この構成によって、吸着ノズル32がノズルシャフト31に対してその軸方向(Z軸方向)に弾性的に変位可能となっている。
【0031】
図2に戻って、ヘッドユニット16には、さらに、貼付け作業位置に位置決めされた搬送用治具2を画像認識するための治具認識カメラ27が搭載されている。治具認識カメラ27は、例えばCCDエリアセンサ等の撮像素子を備えた照明装置一体型のカメラで、ヘッドユニット16のフレーム16aに下向きに固定されており、貼付け作業時には、搬送用治具2上に設けられるマークを撮像し、その画像信号を後記コントローラ60に出力するように構成されている。
【0032】
一方、前記基台11上であって、供給部14の側方には、ヘッド30により吸着保持されている被処理基板1を画像認識するための基板認識カメラ28が設けられている。治具認識カメラ28も前記治具認識カメラ27と同様に、CCDエリアセンサ等の撮像素子を備えた照明装置一体型のカメラであって、基台11に上向きに固定されており、ヘッド30に吸着保持された被処理基板1をその下側から撮像してその画像信号を後記コントローラ60に出力するように構成されている。
【0033】
また、フレキ貼付機4の搬入口部分であってコンベア12の僅かに上方には、搬送用治具2に取付けられる後記無線タグ2bに記録される情報を受信するためのアンテナ29が設けられている。このアンテナ29は、基台11上に設けられたアーム部材11aに固定されており、無線タグ2bの記録情報を確実に受信するために例えば無線タグ2bの通過経路上方に配置されている。
【0034】
上記のフレキ貼付機4には、その動作を制御する図5に示すようなコントローラ60が設けられている。このコントローラ6は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成されており、その機能構成として主制御手段61、通信制御手段62、軸制御手段63、画像処理手段64および治具情報記憶手段65等を含んでいる。
【0035】
主制御手段61は、フレキ貼付機4の動作を統括的に制御するもので、予め記憶されたプログラムに従ってヘッドユニット16を作動させるべく軸制御手段63を介して前記サーボモータ19,25,43,47等の駆動を制御するものである。
【0036】
特に、搬送用治具2への被処理基板1の貼付け時には、搬送用治具2の使用回数に応じて同治具2に対する被処理基板1の押付力Fを変更すべく、治具情報記憶手段65に記憶される搬送用治具2毎の使用回数Nと予め記憶された押圧力データとに基づき搬送用治具2に対するヘッド30の押下量を制御するように構成されている。すなわち、主制御手段61の図外の記憶部には、図6に示すように、搬送用治具2の使用回数Nの増加に伴い段階的に前記押付力Fが増加するように予め設定された押圧力データが記憶されており、被処理基板1は、このデータと治具情報記憶手段65の記憶情報とに基づいて対象治具2に対する押圧力Fを求め、この押圧力Fに基づいてヘッド30の押下量を演算する。
【0037】
具体的には、前記圧縮バネ58のバネ定数をk、ヘッド30の押下量をL1、初期押付力をFi、この初期押付力Fiを発生させるヘッド30の押下量をL2とすると、前記押付力Fは次式で表すことができる。
F=k・L1+Fi (Fi=k・L2
【0038】
従って、主制御手段61は、上記押圧力データ等に基づいてこの式からヘッド30のトータル押下量L(L1+L2)を演算し、その演算結果に基づいてZ軸サーボモータ43を駆動制御するようになっている。
【0039】
画像処理手段64は、前記治具認識カメラ27および基板認識カメラ28により撮像された画像に所定の処理を施すことにより同画像を治具認識又は基板認識に適した画像に変換するもので、前記主制御手段61は、この画像処理手段64により処理された画像に基づいてそれぞれ基準位置に対する搬送用治具2の位置ずれおよび被処理基板1の吸着位置ずれ(吸着位置誤差)を求めるとともにその補正値を演算し、さらにその演算結果に従って誤差補正を行った上で被処理基板1を搬送用治具基板2に貼り付けるべく軸制御手段63を介して前記サーボモータ19,25,43,47等の駆動を制御する。つまり、この実施形態では、主制御手段61および軸制御手段63により本発明の制御装置が構成されている。
【0040】
治具情報記憶手段65は、各搬送用治具2の使用回数N、すなわち被処理基板1が貼付けられた回数を搬送用治具2毎に記憶するものである。詳しくは、各搬送用治具2には、RFID(radio frequency identification)と称される、搬送用治具2を識別するための識別情報を無線送信可能に記憶した無線タグ2bが設けられており、搬送用治具2がフレキ貼付機4に搬入されると、この無線タグ2bから送信される識別情報が前記アンテナ29により受信されて前記通信制御手段62を介して主制御手段61に送信され、この識別情報に基づいて主制御手段61において搬送用治具2が識別されるとともに搬送用治具2毎にその使用回数が計数されて治具情報記憶手段65に更新的に記憶されるようになっている。つまり、当実施形態では、治具情報記憶手段65により本発明の計数手段が構成され、またアンテナ29、通信制御手段62および主制御手段61等により本発明の識別手段が構成されている。
【0041】
なお、搬送用治具2への被処理基板1の貼付け時には、上記のように搬送用治具2毎の使用回数と予め記憶された押圧力データとに基づいて搬送用治具2に対するヘッド30の押下げ量を調整すべく主制御手段61によりZ軸サーボモータ43を駆動制御するように構成されている。
【0042】
次に、上記コントローラ60によるフレキ貼付機4の基板貼付け動作制御について図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0043】
このフローチャートがスタートすると、まず、コンベア12を作動させて搬送用治具2を貼付け作業位置に搬入して位置決めするとともに、この搬入時に無線タグ2bから送信される識別情報を受信して当該治具2を識別し、その識別結果に基づいて前記治具情報記憶手段65から当該治具2の記憶情報、すなわち使用回数Nを読出す(ステップS1,S2)。この際、位置決めされた搬送用治具2の上方にヘッドユニット16を移動させて治具認識カメラ27により前記マークを撮像することにより搬送用治具2の位置を画像認識するとともに、搬送用治具2に位置ずれがある場合にはその補正値を主制御手段61において演算する。
【0044】
次いで、前記ヘッドユニット16を供給部14の上方に移動させ、吸着ノズル32に負圧を供給するとともにヘッド30を下降および上昇させ、これによりヘッド30により被処理基板1をヘッド30により吸着する(ステップS3)。
【0045】
被処理基板1の吸着後、ヘッドユニット16を基板認識カメラ28に移動させ、これにより被処理基板1を撮像してその吸着状態を画像認識するとともに、被処理基板1に吸着ずれがある場合、すなわちノズル中心に対する被処理基板1のX軸、Y軸およびR軸方向の吸着ずれがある場合にはその補正値を演算し、その後、吸着誤差補正を行った上でヘッド30を搬送用治具2の貼付け位置上方に配置する(ステップS4;図8参照)。この際、貼付け作業位置における搬送用治具2の位置誤差につても併せてヘッド30側で補正する。
【0046】
そして、ステップS2で読込んだ搬送用治具2の使用回数Nに対応した押圧力Fを上記押圧力データから求めるとともに、この押圧力Fを発生させるヘッド30のトータル押下量Lを演算し、このトータル押下量Lに基づいてヘッド30を駆動制御することにより被処理基板1を搬送用治具2に貼付ける(ステップS5,S6)。具体的には、ヘッド30の下降に伴い搬送用治具2の貼付面2aに被処理基板1を載せ、さらにこの位置から前記トータル押下量Lだけノズルシャフト31をさらに下降させることにより上記押圧力Fで被処理基板1を貼付面2aに押付け、その後、吸着ノズル32への負圧供給を遮断するとともにヘッド30を上方端位置にリセットする。
【0047】
次いでステップS7に移行し、搬送用治具2に対して全ての被処理基板1を貼付けたか否か、すなわち1つの搬送用治具2に複数枚の被処理基板1を貼付ける場合にはその全ての被処理基板1を貼付けたか否かを判断し、ここでNOと判断した場合には、ステップS3に移行し、ステップS3〜S6の処理をさらに繰り返す。
【0048】
これに対してステップS7でYESと判断した場合には、当該搬送用治具2に関する使用回数データを書き換え、その後、コンベア12を作動させて当該搬送用治具2をフレキ貼付機4から搬出する(ステップS8,S9)。これにより本フローチャートを終了する。
【0049】
以上のようなフレキ貼付機4を備えた上記の基板製造装置によると、従来、作業者により手作業で行われていた搬送用治具2への被処理基板1(フレキ基板)の貼付け作業をフレキ貼付機4において自動的に高速で行うことができる。従って、貼付作業を含む一連の基板製造作業をより効率的に行うことが可能となり、基板(フレキ基板)の生産性を効果的に高めることができる。
【0050】
しかも、上記フレキ貼付機4では、各搬送用治具2を識別し、搬送用治具2毎にその使用回数Nに応じた押付力Fで被処理基板1を搬送用治具2に押付けるように構成されているので、確実、かつ適切に被処理基板1を適切に貼付けることができる。すなわち、搬送用治具2は繰り返し使用されることにより貼付面2aの粘着力が低下するため使用回数Nの増加に伴い被処理基板1を貼付け難くなるが、上記のフレキ貼付機4では、搬送用治具2の使用回数Nに応じて被処理基板1の貼付面2aに対する押付力Fを増加させるように構成されているので、搬送用治具2の使用回数Nが増えた場合でも搬送用治具2に対して被処理基板1を確実、かつ適切に適切に貼付けることができる。
【0051】
また、搬送用治具2に無線タグ2bを組み込み、フレキ貼付機4への搬送用治具2の搬入時に前記無線タグ2bから送信される識別情報を受信することにより搬送用治具2を識別するように構成さているので、搬送用治具2を認識するための特別な機械的な動作や作業は一切必要なく、従ってフレキ貼付機4における被処理基板1の貼付け作業を極めて迅速に行うことができるという利点もある。
【0052】
ところで、以上説明したフレキ貼付機4およびこれを含む上記基板製造装置は本発明に係るフレキシブル基板貼付け装置および基板製造装置の最良の実施形態であって、これらの具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0053】
例えば、実施形態のフレキ貼付機4では、識別情報を記録した記録部として搬送用治具2に無線タグ2bを組込み、無線タグ2bから無線送信される識別情報をアンテナ29で受信することにより搬送用治具2を識別するように構成しているが、これ以外に、識別情報を記録した記録部として例えばバーコード、QRコードあるいはデータマトリックス等を搬送用治具2に設ける一方、これらの読取装置をフレキ貼付機4に設け、搬送用治具2がフレキ貼付機4に搬入される際に前記読取装置によりバーコード等を読み取ることにより搬送用治具2を識別するように構成してもよい。
【0054】
また、実施形態では、搬送用治具2への被処理基板1の押付力Fを段階的に増加させるようにしているが、つまり、図5に示すように搬送用治具2の使用回数Nが特定数増える毎に押付力Fを一定値だけ増加させるようにしているが、例えば、使用毎に押付力を一定値だけ増加させるようにしもよい。要は、搬送用治具2の使用回数Nに拘わらず被処理基板1が確実、かつ適切に被処理基板1が貼付けられるように押圧力Fを使用回数Nが増えるに伴い増加させるようにすればよい。また、一定の使用回数Nに達した場合に、搬送用治具2の貼付面2aを形成する例えば粘性樹脂板の交換をオペレータに要求するように構成してもよい。
【0055】
さらに、実施形態では、本発明の移動手段として、サーボモータ19,25を駆動源とするヘッド30のX軸方向およびY軸方向の移動機構とサーボモータ43,47を駆動源するヘッド30の回転および昇降機構を設け、これにより貼付け作業位置に固定的に配置された搬送用治具2に対してヘッド30側を移動させるようにしているが、例えばヘッド30は回転および昇降のみを可能としておき、搬送用治具2側をヘッド30に対してX軸およびY軸方向に移動させるように上記移動手段を構成してもよい。この場合、例えば搬送用治具2と供給部14とを一体的に移動させるように構成し、まず、供給部14をヘッド30に対応させて被処理基板1を吸着させた後、搬送用治具2をヘッド30に対応させて被処理基板1を搬送用治具2上に貼付けるようにすればよい。
【0056】
また、実施形態の基板製造装置は、作業機としてスクリーン印刷機5、部品実装機6およびリフロー炉7を備えた構成となっているが、基板製造装置に含まれる作業機の種類や数等の具体的な構成は勿論これ以外のものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る基板製造装置(本発明に係るフレキシブル基板貼付け装置が含まれる基板製造装置)を示す模式図である。
【図2】基板製造装置に含まれるフレキ貼付機(本発明に係るフレキシブル基板貼付け装置)を示す平面略図である。
【図3】フレキ貼付機のヘッドの構成を示す縦断面図である。
【図4】吸着ノズルおよびその保持構造を示すヘッド先端部分の拡大断面図である。
【図5】フレキ貼付機の制御系を示すブロック図である。
【図6】押圧力データ(搬送用治具の使用回数とこれに対応する押付力)の内容を示す図である。
【図7】コントローラによる被処理基板の貼付け動作制御の内容を示すフローチャートである。
【図8】被処理基板の貼付け作業の状況を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0058】
1 被処理基板
2 搬送用治具
3 基板投入機
4 フレキ貼付機(フレキシブル基板貼付け装置)
5 スクリーン印刷機
6 部品実装機
7 リフロー炉
8 基板搬出機
12 コンベア
14 供給部
16 ヘッドユニット
30 ヘッド
【出願人】 【識別番号】500220186
【氏名又は名称】アイパルス株式会社
【住所又は居所】静岡県浜松市新都田1丁目9番3号
【出願日】 平成16年1月26日(2004.1.26)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100075409
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久一

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎

【公開番号】 特開2005−210003(P2005−210003A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−17099(P2004−17099)