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【発明の名称】 回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料
【発明者】 【氏名】西井 利浩
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子部品株式会社内

【要約】 【課題】回路形成基板において層間接続の高信頼化を図る。

【解決手段】本発明の回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料は、層間接続手段を配設した基板材料2と金属箔もしくは層間接続手段を配設した基板材料2とコア回路形成基板10と金属箔を重ね合わせて積層物とする積層工程と、積層物を一体化する熱プレス工程を備え、金属箔に圧力吸収手段1aを設け、熱プレス等による圧縮時の層間接続部へのダメージを回避する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
層間接続手段を配設した基板材料と金属箔もしくは層間接続手段を配設した基板材料とコア回路形成基板と金属箔を重ね合わせて積層物とする積層工程と、前記積層物を一体化する熱プレス工程を備え、前記金属箔に圧力吸収手段を備えたことを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項2】
圧力吸収手段の硬度は、金属箔の硬度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項3】
圧力吸収手段は、基板材料に面する側の反対側の金属箔の表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項4】
圧力吸収手段は、粗化構造であることを特徴とする請求項3に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項5】
基板材料に面する側の表面粗さは、粗化構造の粗さより大であることを特徴とする請求項4に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項6】
圧力吸収手段が熱プレス工程にて変形する有機材料であることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項7】
圧力吸収手段が熱プレス工程にて変形する無機材料であることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項8】
熱プレス工程の後に金属箔に配設した圧力吸収手段を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項9】
層間接続手段は、基板材料に設けられたビア穴に導電性ペーストを充填して構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項10】
基板材料と金属箔を積層し熱プレス工程で一体化して構成される回路形成基板に用いる金属箔を主体とする材料であって、前記金属箔に圧力吸収手段を備えたことを特徴とする回路形成基板の製造用材料。
【請求項11】
圧力吸収手段の硬度は、金属箔の硬度より低いことを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料。
【請求項12】
圧力吸収手段は、基板材料に面する側の反対側の金属箔の表面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料。
【請求項13】
圧力吸収手段は、粗化構造であることを特徴とする請求項12に記載の回路形成基板の製造用材料。
【請求項14】
基板材料に面する側の表面粗さは、粗化構造の粗さより大であることを特徴とする請求項13に記載の回路形成基板の製造用材料。
【請求項15】
圧力吸収手段は、熱プレス工程にて変形する有機材料で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料。
【請求項16】
圧力吸収手段は、熱プレス工程にて変形する無機材料で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器に利用される回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路形成基板も従来の片面基板から両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路および部品を基板上に集積可能な高密度基板が開発されている。
【0003】
従来例について図4を用いて以下に説明する。
【0004】
図4(a)に示す基板材料12は、回路形成基板に用いられるガラス繊維織布に熱硬化性のエポキシ樹脂等を含浸し乾燥等の方法によりBステージ状態としたいわゆるプリプレグである。基板材料12には熱ロール等を用いたラミネート法によりフィルム17を両面に張り付ける。
【0005】
基板材料12はガラス繊維織布を補強材として用いエポキシ樹脂を主体とするワニスを含浸して乾燥することでBステージ化した厚み100μmのプリプレグである。
【0006】
フィルム17には厚み20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。必要に応じてフィルム17にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をコーティングしても良い。
【0007】
次に、レーザ等の加工法により基板材料12にビア穴18を形成(図4(b))した後に銅粉等の導電性粒子と熱硬化性樹脂、硬化剤、溶剤などを混練しペースト状にした導電性ペースト13を充填して図4(c)に示す構成を得る。
【0008】
その後にフィルム17を剥離することで、図4(d)に示すような導電性ペースト13が突出した形状を得る。
【0009】
その両側に銅箔19を配置して熱プレス装置(図示せず)によって加熱加圧することで、図4(e)に示すように基板材料12は熱硬化し、導電性ペースト13は圧縮されて表裏の銅箔19が電気的に接続される。その際に、基板材料12に含浸したエポキシ樹脂は流動し外側に流出する。
【0010】
その後に端部の余分な部分を切り落として図4(f)のような形状とし、さらにエッチングなどの方法で銅箔19を所望のパターンに加工して回路15とし、図4(g)に示すような両面の回路形成基板を作成し、所望の製品サイズに切り分けて回路形成基板としての製品を得る。
【0011】
図4では、通常回路形成基板に配設する外層部のソルダーレジストあるいは回路15へのめっき処理等の仕上げ処理は図示していないが、必要に応じて配設する。
【0012】
また、多層回路形成基板を製造する際は、図5に示すようにいったん完成した両面の回路形成基板の上下に導電性ペースト13を充填した基板材料12と銅箔19を、位置合わせをしながら重ね合わせて熱プレスすることで、多層回路形成基板を得ることが出来る。
【0013】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平6−268345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記のような回路形成基板の製造方法では、熱プレス装置等を用いて導電性ペーストを加熱加圧する際に、以下に述べるような課題が発生する。
【0015】
すなわち、図4で説明した従来の回路形成基板の製造方法を導電性ペーストによる電気的接続に注目して詳細に観察すると、図6(a)に示すように導電性ペースト13を配設した基板材料12の両面に銅箔19を配置し金属板14に挟み込んで、図中上下方向に加熱加圧して圧縮成型した場合に、図6(b)に示すように導電性ペースト13は圧力を受けて変形し歪な形状となる。
【0016】
その後図6(c)に示すように回路15を形成して回路形成基板とした場合に、高密度な回路形成基板においては、歪に変形した導電性ペースト13によって隣接する層間接続部の絶縁間距離が縮まり電気的絶縁性が損なわれる場合がある。
【0017】
また、加熱加圧された場合には基板材料12に含まれる樹脂成分等の流動も同時に起こるために、導電性ペーストに過度の圧力が加わると、基板材料厚み方向の圧縮より基板材料面内方向への導電性ペーストの拡がりが主体的になってしまい、結果的に導電性ペーストの導電粉が強固に圧接されずに十分な電気的接続が形成できない場合がある。この現象は基板材料12の厚みに対してビア穴18の径が小さくなった場合に顕著に現れる。
【0018】
また、図5に示したような多層回路形成基板を製造する場合においては、コアとして用いる回路形成基板の回路15による凹凸や、コアとして用いる回路形成基板の厚みばらつき等により、その上に配置して加熱加圧により圧縮されるべき導電性ペースト13の圧縮はより不安定になり、上記した導電性ペーストの変形による課題は問題となり易い。
【0019】
以上のような理由から、小径のビア穴に対してや多層回路形成基板の製造等において、導電性ペーストを安定に圧縮し良好な電気的な接続を得る方法が回路形成基板の製造方法として要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料においては、金属箔に圧力吸収手段を設ける構成としたものである。
【0021】
この本発明によれば、小径のビア穴あるいは多層回路形成基板の製造等においても安定した導電性ペーストの圧縮が出来るものである。
【0022】
以上の結果として、導電性ペースト等を用いた層間の電気的接続の品質信頼性が大幅に向上し、高密度で品質の優れた回路形成基板を提供できるものである。
【0023】
本発明の請求項1に記載の発明は、層間接続手段を配設した基板材料と金属箔もしくは層間接続手段を配設した基板材料とコア回路形成基板と金属箔を重ね合わせて積層物とする積層工程と、前記積層物を一体化する熱プレス工程を備え、前記金属箔に圧力吸収手段を備えたことを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、熱プレス工程での層間接続手段の変形等を防止する等の効果を有する。
【0024】
本発明の請求項2に記載の発明は、圧力吸収手段の硬度は、金属箔の硬度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、圧力吸収手段の作用および熱プレス工程での層間接続手段の変形等防止を効率化する等の効果を有する。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、圧力吸収手段は、基板材料に面する側の反対側の金属箔の表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、熱プレス工程での加圧力を圧力吸収手段で圧力を吸収し、導電性ペーストへの加圧力の集中を効率的に防止するという効果を有する。
【0026】
本発明の請求項4に記載の発明は、圧力吸収手段は、粗化構造であることを特徴とする請求項3に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、金属により圧力吸収手段を形成することにより、適度な硬度の圧力吸収手段を形成することができ、層間接続手段の変形を防止しながら必要量の加圧力を層間接続手段に与えることが出来る等の効果を有する。
【0027】
本発明の請求項5に記載の発明は、基板材料に面する側の表面粗さは、粗化構造の粗さより大であることを特徴とする請求項4に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、基板材料への接着強度と圧力吸収効果を両立できる等の効果を有する。
【0028】
本発明の請求項6に記載の発明は、圧力吸収手段が熱プレス工程にて変形する有機材料であることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、安価に圧力吸収手段を形成出来る等の効果を有する。
【0029】
本発明の請求項7に記載の発明は、圧力吸収手段が熱プレス工程にて変形する無機材料であることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、熱プレス工程の加熱によっても不純物もしくは揮発成分等の発生が少ない等の効果を有する。
【0030】
本発明の請求項8に記載の発明は、熱プレス工程の後に金属箔に配設した圧力吸収手段を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、圧力吸収手段が回路形成基板の外層となった際に回路形成基板に部品実装する妨げになることを防止する等の効果を有する。
【0031】
本発明の請求項9に記載の発明は、層間接続手段は、基板材料に設けられたビア穴に導電性ペーストを充填して構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、導電性ペースト等の層間接続手段に対してダメージを与えること無く高品質、高密度の回路形成基板を提供することができる。
【0032】
本発明の請求項10に記載の発明は、基板材料と金属箔を積層し熱プレス工程で一体化して構成される回路形成基板に用いる金属箔を主体とする材料であって、前記金属箔に圧力吸収手段を備えたことを特徴とする回路形成基板の製造用材料としたものであり、本材料を用いることで容易に層間接続手段の変形等の防止が出来る等の効果を有する。
【0033】
本発明の請求項11に記載の発明は、圧力吸収手段の硬度は、金属箔の硬度より低いことを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料としたものであり、圧力吸収手段の作用および熱プレス工程での層間接続手段の変形等防止を効率化する等の効果を有する。
【0034】
本発明の請求項12に記載の発明は、圧力吸収手段は、基板材料に面する側の反対側の金属箔の表面に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料としたものであり、熱プレス工程での加圧力を圧力吸収手段で圧力を吸収し、導電性ペーストへの加圧力の集中を効率的に防止するという効果を有する。
【0035】
本発明の請求項13に記載の発明は、圧力吸収手段は、粗化構造であることを特徴とする請求項12に記載の回路形成基板の製造用材料としたものであり、金属により圧力吸収手段を形成することにより、適度な硬度の圧力吸収手段を形成することができ、層間接続手段の変形を防止しながら必要量の加圧力を層間接続手段に与えることが出来る等の効果を有する。
【0036】
本発明の請求項14に記載の発明は、基板材料に面する側の表面粗さは、粗化構造の粗さより大であることを特徴とする請求項13に記載の回路形成基板の製造用材料としたものであり、基板材料への接着強度と圧力吸収効果を両立できる等の効果を有する。
【0037】
本発明の請求項15に記載の発明は、圧力吸収手段は、熱プレス工程にて変形する有機材料で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料としたものであり、圧力吸収手段を容易に形成でき、安価な製造用材料を提供することができる。
【0038】
本発明の請求項16に記載の発明は、圧力吸収手段は、熱プレス工程にて変形する無機材料で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の回路形成基板の製造用材料としたものであり、熱プレス工程の加熱によっても不純物もしくは揮発成分等の発生が少ない等の効果を有する製造用材料を提供することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料においては、金属箔に圧力吸収手段を設ける製造方法、及び製造用材料の構成としたものである。
【0040】
この本発明によれば、導電性ペースト等の層間接続手段を用いた回路形成基板の製造において、小径のビア穴を用いた場合や多層回路形成基板等の回路形成基板の製造が効率的かつ高品質に行えるものである。
【0041】
特に、基板材料としてのプリプレグの補強材にガラス等の繊維を用いた織布を用いた場合には、熱プレス工程等で加熱加圧した際に織布を構成するヤーンがずれて層間接続手段にダメージを加えることを防止する等の効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0043】
(実施の形態1)
図1(a)〜(d)は本発明の第1の実施の形態における回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料を示す工程断面図である。
【0044】
まず、金属箔としての処理銅箔1は、回路形成基板の製造用材料であって、厚み18μmの電解銅箔である。電解銅箔の製造時に硫酸銅水溶液中の陰極ドラム外側面は、電解作用で銅が電着・成長する際に凹凸が出来、Rz(10点平均粗さ)が約10μmの粗化面(マット面)となる。
【0045】
また本発明の処理銅箔1は、マット面の反対側、すなわち陰極ドラム面(光沢面、シャイニィ面)側にも再度こぶ状の銅を析出させる粗化処理を施し、Rzで約5μmの凹凸を形成して圧力吸収手段1aを備えた構成である。
【0046】
次に、基板材料2は、プリプレグの両面にフィルムを張り付け、レーザ等の加工法により基板材料2にビア穴を形成し、導電性ペースト3を充填した後にフィルムを剥離することで層間接続手段を配設した構成である。
【0047】
図1(a)に示すように、積層工程において基板材料2と処理銅箔1を重ねて配置し、次に図1(b)に示すように、SUS等の金属板4に挟み込んで積層物とし、それを熱プレス工程で加熱加圧して一体化する。
【0048】
図1(a)の状態で配置する際に、処理銅箔1のマット面(Rz:約10μm)は基板材料2に面する側になるよう配置することで、その反対側のシャイニィ面(Rz:約5μm)は圧力吸収手段1aとして機能する。この粗化構造を備えた構成により、基板材料2と処理銅箔1の熱プレス後の接着強度と後述する圧力の吸収作用を両立させる意味合いで有効である。また、処理銅箔1の表面粗さは、基板材料2に面する側(マット面)が、その反対面(シャイニィ面)より大であることが望ましい。
【0049】
加熱加圧時には図1(b)に示すように、処理銅箔1の外側の粗化部である圧力吸収手段1aがつぶされて圧力を吸収する。この作用が無いと導電性ペースト3に加圧力が集中し、従来例で述べたような課題が発生する。
【0050】
処理銅箔1の圧力吸収手段1a(粗化部)がつぶれて、樹脂流動等により厚みの減少した基板材料2上の処理銅箔1の高さと導電性ペースト3上の処理銅箔1の高さがほぼ同一になった時点からは有効に導電性ペースト3に圧力が加わり、導電性ペースト3中の銅粒子と処理銅箔1の内側の粗化面が圧接され安定な電気的接続が得られる。
【0051】
次に、図1(c)に示すように処理銅箔1をエッチングして所望形状の回路5を形成して回路形成基板10を得る。
【0052】
さらに、図1(d)に示すように回路5の表面の圧力吸収手段1a(粗化部)をバフ研磨あるいは軽度のエッチング等の手法を用いて光沢化、すなわち除去し、半田付け時の濡れ性を向上させる。
【0053】
ソルダーレジストを形成する際は、形成後に圧力吸収手段1aを除去する工程を経て光沢化しても良い。また、エッチングにより回路5を形成する前に光沢化を行うことも可能である。
【0054】
ただし、図2に示したような多層回路形成基板を製造する過程において、コア回路形成基板として本実施の形態の回路形成基板10を使用する際は、図1(c)の状態、すなわち回路5が形成された処理銅箔1に圧力吸収手段1aが残存し表面が粗化されている状態のまま使用することが層間の接着強度を保つ面等から有効である。
【0055】
なお多層の回路形成基板の製造方法は、まず図2(a)に示すように、本実施の形態で製造した回路形成基板10をコア回路形成基板として準備する。
【0056】
次に、図2(b)〜(d)に示すように、コア回路形成基板10の上下に、導電性ペースト3が充填された層間接続手段を配設した基板材料2と、圧力吸収手段1aを備えた処理銅箔1を、位置合わせをしながら重ね合わせて積層物とし、それを熱プレス工程で一体化する。その後表層に回路5を形成することで、多層の回路形成基板を得ることが出来る(図2(e))。
【0057】
(実施の形態2)
図3に示す回路形成基板の製造用材料は片面を粗化した処理銅箔1の光沢面(シャイニィ面)側に圧力吸収手段としての変形層6を形成したものである。
【0058】
変形層6には有機材料、無機材料の種々の材質を用いることが可能であるが、熱プレス工程にて変形する材質、または処理銅箔に用いた銅材料より硬度が低いことがその機能からして望ましい。
【0059】
発明者の検討では、耐熱性の良いエポキシ樹脂やシリコン樹脂の皮膜をキャスティングもしくはカーテンコート等の方法で、10μm程度の厚みに形成した変形層6を備えた処理銅箔1を準備し、それを実施の形態1で説明した回路形成基板の製造方法において使用した結果、同等の効果を確認している。
【0060】
また、本発明は上記したような導電性ペーストを用いた回路形成基板の製造において格別の効果をもたらすが、導電性ペーストを用いない回路形成基板の製造においても、層間接続手段としてめっき等を用いた際に、めっきを施した後に熱プレスを行い積層する際にめっきによる層間接続部が加圧によりダメージを受けることを回避できる等の効果がある。
【0061】
以上述べた実施の形態1から2で基板材料すなわちプリプレグとして説明した材料の例としては、通常のガラス繊維織布あるいは不織布に熱硬化性樹脂を含浸しBステージ化したものを用いることが可能でガラス繊維の代わりにアラミド等の有機繊維を採用することもできる。
【0062】
またプリプレグに代えてBステージフィルムもしくはポリイミド等の樹脂フィルムと接着剤からなるBステージ材料の使用も可能である。
【0063】
また、織布と不織布を混成した材料、たとえば2枚のガラス繊維の間にガラス繊維不織布を挟み込んだような材料を補強剤として用いることも可能である。
【0064】
また、本発明の実施の形態で基板材料もしくは熱硬化性樹脂と記述した部分の熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ系樹脂、エポキシ・メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂ポリイミド系樹脂、シアネート系樹脂、シアン酸エステル系樹脂、ナフタレン系樹脂、ユリア系樹脂、アミノ系樹脂、アルキド系樹脂、ケイ素系樹脂、フラン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シアネートエステル系樹脂等の単独、あるいは2種以上混合した熱硬化性樹脂組成物あるいは熱可塑性樹脂で変性された熱硬化性樹脂組成物を用いることができ、必要に応じて難燃剤や無機充填剤の添加も可能である。
【0065】
また、多層回路形成基板を製造する際にも本発明の適用は、特に有効である。
【0066】
その際には多層回路形成基板の全ての層に本発明の内容を適用しなくても、例えば比較的層間接続手段にダメージの加わりやすい外層部、すなわち10層基板であれば10層目のみもしくは8層目と10層目に本発明の内容を適用することでも効果を得ることができる。
【0067】
また、層間接続手段として導電性ペーストを用いて説明したが、導電性ペーストとしては銅粉等の導電性粒子を硬化剤を含む熱硬化性樹脂に混練したものの他に、導電性粒子と熱プレス時に基板材料中に排出されてしまうような適当な粘度の高分子材料、あるいは溶剤等を混練したものもしくは異方導電性接着剤等多種の組成が利用可能である。
【0068】
さらに、導電性ペースト以外にめっき等により形成したポスト状の導電性突起や、ペースト化していない比較的大きな粒径の導電性粒子を単独で層間接続手段として用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上述べたように、本発明の構成によれば導電性ペースト等の層間接続手段に対してダメージを与えること無く熱プレス等の積層工程を実施出来、導電性ペースト等の層間接続手段を用いた層間の電気的接続の品質信頼性が大幅に向上し、高品質の高密度回路形成基板を提供できるものであり、産業上の利用可能性は大といえる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態1における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図2】同実施の形態における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図3】本発明の実施の形態2における回路形成基板の製造用材料を示す断面図
【図4】従来例における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図5】従来例における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図6】従来例における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【符号の説明】
【0071】
1 処理銅箔
1a 圧力吸収手段
2 基板材料
3 導電性ペースト
4 金属板
5 回路
6 変形層
10 回路形成基板
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年1月26日(2004.1.26)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−209993(P2005−209993A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−16795(P2004−16795)