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【発明の名称】 フロート弁付水抜きパイプ
【発明者】 【氏名】津田 英保
【住所又は居所】秋田県南秋田郡天王町天王字鶴沼台43番地224 株式会社国際電気エンジニアリング内

【要約】 【課題】異物の侵入を防止することができると共に、一度浸入した水を容易に排出することができる。また、小形で簡単な構造とすることができて加工の簡素化を図れると共に、部品点数を減らすことができて低コスト化を図ることができるフロート弁付水抜きパイプを提供する。

【解決手段】筐体の底面壁1を貫通してパイプ10を設けると共に、該パイプ10内にフロート弁11を設け、該パイプ10内の穴をフロート弁11の重みにより閉栓すると共に、該パイプ10内に水が浸入した場合はその水より受ける浮力によりフロート弁11が浮き上がって前記穴を開栓して進入した水を抜くようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の底面壁を貫通してパイプを設けると共に、該パイプ内にフロート弁を設け、該パイプ内の穴をフロート弁の重みにより閉栓すると共に、該パイプ内に水が浸入した場合はその水より受ける浮力によりフロート弁が浮き上がって前記穴を開栓して進入した水を抜くようにしたことを特徴とするフロート弁付水抜きパイプ。
【請求項2】
筐体の底面壁を貫通して設けられるパイプと、
前記パイプ内に沿って可動に設けられるフロート弁と、
前記パイプ内壁面に周回状に突設され、前記フロート弁を支持すると共に、該フロート弁を支持することにより、前記パイプの穴を閉栓可能な大きさに制限するフロート弁支持体と
を備えてなるフロート弁付水抜きパイプ。
【請求項3】
請求項2に記載のフロート弁付水抜きパイプにおいて、
前記フロート弁は穴を閉栓する弁体部と、フロート弁の傾きを規制するための規制部とからなり、
前記弁体部はその断面積において先端ほど小さく後端にかけて大きくなる略錐体状をなし、前記規制部は弁体部後端に設けられ、弁体部の後端付近における断面積よりも小さな断面積を有する棒状をなすことを特徴とするフロート弁付水抜きパイプ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフロート弁付水抜きパイプにおいて、
前記パイプの端部には、筐体底面壁を貫通して筐体底面の内壁面に当接されるフランジ部を有し、該フランジ部には、筐体底面から前記パイプ内への水の導入を容易にするための切欠き部が形成されていることを特徴とするフロート弁付水抜きパイプ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信機器等の屋外筐体に侵入した水を抜くためのフロート弁付水抜きパイプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信機器等の屋外筐体は雨水等の浸入を防止するため密閉状態に構成されたものが知られる。しかしこのような密閉筐体は一度何らかの原因で水が浸入した場合にその水を抜くことができず、内部に納められている電気回路部品に重大な故障を招く虞がある。水が浸入する場合としては、例えば急激な温度変化が生じ、外気と内気に圧力差が生じて内気が負圧となった場合などにおいて、筐体の溶接部などにごく僅かなピンホールがあれば、雨水などを吸い込むことになる。
このため、このような密閉筐体に代わり、筐体に外気と内気の圧力を調整すると共に、一度水が浸入した場合は、それを容易に排水(抜く)ことができる水抜きパイプを設けるようにしたものが従来より知られる。
【0003】
図3〜図5はそれぞれ従来の水抜きパイプを示す側面図(a)と底面図(b)である。図3に示す水抜きパイプは筐体底面壁を貫通して設けられるストレートの円筒状である。図4に示す水抜きパイプは上面開放状の箱型をなし、筐体底面壁1で開放された上面側を覆うように筐体底面壁1に取り付けられる。筐体底面壁1と水抜きパイプの下面壁2にはそれぞれ適所に水抜き用の穴が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図3や図4に示した水抜きパイプは、パイプの穴が常時開放状態とされているので、飛翔した雨水、例えばホコリ、ゴミ、虫などの異物、或いは有害なガスや空気などの侵入を防止することができない。
そのため、図5に示すように、第1のパイプ1Aとこの第1のパイプ1Aに螺合させて第2のパイプ1Bを備え、第1のパイプ1Aと第2のパイプ1Bの接合部分に、空気は通すが水を通さない素材からなる防水部材3を使用して水の浸入を防ぐようにしたものが火山地帯や塩害地帯でよく使用されるが、この場合は、圧力調整は可能なものの、やはり一度侵入した水を排水することはできないという問題を有している。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みて成されたものであり、異物の侵入を防止することができると共に、一度浸入した水を容易に排出することができるフロート弁付水抜きパイプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係るフロート弁付水抜きパイプは、 筐体の底面壁を貫通してパイプを設けると共に、該パイプ内にフロート弁を設け、該パイプ内の穴をフロート弁の重みにより閉栓すると共に、該パイプ内に水が浸入した場合はその水より受ける浮力によりフロート弁が浮き上がって前記穴を開栓して進入した水を抜くようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るフロート弁付水抜きパイプは、筐体の底面壁を貫通して設けられるパイプと、前記パイプ内に沿って可動に設けられるフロート弁と、前記パイプ内壁面に周回状に突設され、前記フロート弁を支持すると共に、該フロート弁を支持することにより、前記パイプの穴を閉栓可能な大きさに制限するフロート弁支持体とを備えてなることを特徴とする。
【0008】
なお、フロート弁の重さを軽減して排水効率を向上させるために、フロート弁は穴を閉栓する弁体部と、フロート弁の傾きを規制するための規制部とからなり、前記弁体部はその断面積において先端ほど小さく後端にかけて大きくなる略錐体状をなし、前記規制部は弁体部後端に設けられ、弁体部の後端付近における断面積よりも小さな断面積を有する棒状をなすようにすることが好ましい。
【0009】
また、前記パイプの端部には、筐体底面壁を貫通して筐体底面の内壁面に当接されるフランジ部を有し、該フランジ部には、筐体底面から前記パイプ内への水の導入を容易にするための切欠き部が形成されていることが好ましい。
さらに、僅かな水でも容易に排出することができるように、フロート弁を比重の小さいもので構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上に詳述したように本発明によれば、異物の侵入を防止することができると共に、一度浸入した水を容易に排出することができる。また、小形で簡単な構造とすることができて加工の簡素化を図れると共に、部品点数を減らすことができて低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態において、フロート弁付水抜きパイプは通信機器等を納めた屋外筐体に適用される場合について説明する。
【0012】
図1(a)は本発明の実施の形態によるフロート弁付水抜きパイプの構成を示す平面図、図1(b)は同断面側面図、図1(c)は底面図である。また、図2(a)は図2(b)のA−A断面図でパイプ部のみを示す図、図2(b)はフロート弁が浮いた状態を示す断面側面図である。
【0013】
本実施の形態におけるフロート弁付水抜きパイプは、筐体の底面壁1を貫通して設けられるパイプ10と、パイプ10内に沿って可動に設けられるフロート弁11と、パイプ内壁面の所定の高さ位置に周回状に突設され、フロート弁11を支持すると共に、フロート弁11を支持することによりパイプの穴を閉栓可能とするように、パイプの穴の大きさをフロート弁11の断面形状に適した大きさに制限するフロート弁支持体12と、フロート弁支持体12が設けられた位置よりも高い位置におけるパイプ内壁面に周回状に突設され、フロート弁11の傾き(姿勢)を規制するパイプ側傾き規制部13とを備えて構成される。
【0014】
フロート弁11は穴を閉栓する弁体部11aと、フロート弁11の傾きを規制するための規制部11bとからなり、弁体部11aはその断面積において先端ほど小さく後端にかけて大きくなる略錐体状をなし、規制部11bは、弁体部の後端付近における断面積よりも小さな断面積を有する棒状をなしてパイプ側傾き規制部13の内を挿通している。なお、弁体部11aの後端外周部には、パイプ内壁面に当接してフロート弁の傾きを補助的に規制する補助規制部11cが形成されている。以上の構成において、フロート弁11は例えば樹脂材の一体成形により構成され、比重が小さくされると共に加工の簡素化が図られている。
【0015】
筐体内に位置付けられるパイプ10の一端は外方に放射状に延出された4辺のフランジ部10aが突出状に形成され、このフランジ部10aとナット14により、これらの間に挿入された筐体底面壁1の穴周辺部がフランジ部10aに圧着される。すなわち、このパイプ10のフランジ部10aは円環状ではなく、円環に切欠き部10bが設けられた構造を有するため、筐体底面に浸入した水はこのフランジ部10aの切欠き部10bを通してパイプ内に導入されてその排水が容易となる。
なお、フランジ部10aとナット14の間にはパッキン15が設けられ密構造とされている。
【0016】
以上の構成において、水が浸入していないときはフロート弁11はその重さにより弁体部11aの外周部がフロート弁支持体12に当接してパイプが閉栓される。一方、一度筐体内に何らかの原因で水が浸入した場合は、フランジ部10aの切欠き部10bよりパイプ10内に流動し、フロート弁11をその浮力で浮き上がらせてパイプ10を開栓して水は外部に排出される。
【0017】
こうして、本発明のフロート弁付水抜きパイプは、簡単な構造において、常時は筐体内を密閉状態とすると共に、一度水が浸入した場合は、それを容易に排水することができ、通信機器等が設けられる筐体内の防水構造として、多大な効果を奏する。
【0018】
なお、実施の形態において、本発明のフロート弁付水抜きパイプは通信機器等の屋外筐体に適用された場合について説明したが、通信機器以外の例えば計測機器、制御機器等が納められた屋外筐体についても、同様に適用されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態によるフロート弁付水抜きパイプの閉栓状態を示す構成図であり、(a)は平面図、(b)は断面側面図、(c)は底面図である。
【図2】本発明の実施の形態によるフロート弁付水抜きパイプの開栓状態を示す構成図であり、(a)はa−a線断面図、(b)は断面側面図である。
【図3】従来の水抜きパイプの第1の例を示す図である。
【図4】従来の水抜きパイプの第2の例を示す図である。
【図5】従来の水抜きパイプの第3の例を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
10 パイプ、10a フランジ部、10b 切欠き部、11 フロート弁、11a 弁体部、11b 規制部、11c 補助規制部、12 フロート弁支持体、13 パイプ側規制部。
【出願人】 【識別番号】000166650
【氏名又は名称】株式会社国際電気エンジニアリング
【住所又は居所】秋田県南秋田郡天王町天王字鶴沼台43番地224
【出願日】 平成16年1月26日(2004.1.26)
【代理人】 【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫

【識別番号】100101111
【弁理士】
【氏名又は名称】▲橋▼場 満枝

【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子

【識別番号】100103573
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 栄一

【公開番号】 特開2005−209972(P2005−209972A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−16448(P2004−16448)