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【発明の名称】 回路基板
【発明者】 【氏名】塩田 富美男
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板上に各種のデバイスが取り付けられた回路基板であって、
前記各種のデバイスの中に、
第1レベルの電圧と前記第1レベルよりも低い第2レベルの電圧の供給が必要な第1半導体集積回路と、
前記第1レベルの電圧と前記第2レベルの電圧の供給が必要な第2半導体集積回路と、
前記第1レベルの電圧から前記第2レベルの電圧を生成する第1レギュレータと、
前記第1レベルの電圧から前記第2レベルの電圧を生成する第2レギュレータとが、含まれていると共に、
前記プリント基板に、
前記第1レギュレータにより生成された前記第2レベルの電圧を前記第1半導体集積回路に供給するための電源線、及び、前記第2レギュレータにより生成された前記第2レベルの電圧を前記第2半導体集積回路に供給するための電源線が、形成されている
ことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第1半導体集積回路及び前記第2半導体集積回路により実行される処理が、印刷エンジンに供給するデータを生成するための処理である
ことを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、レベルの異なる2種の電圧の供給が必要とされる複数の半導体集積回路が用いられている回路基板に、関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、一般に使用されている半導体集積回路(CPU〔Central Processing Unit〕,MPU〔Micro Processing Unit〕,ASIC〔Application Specific Integrated Circuit〕等)の中には、I/O端子用の電圧VccIOと内部コア回路用の電圧VccInt(<VccIO)との供給が必要なものが、存在している。
【0003】
そのような半導体集積回路(以下、要VccIntデバイスとも表記する)が複数個用いられた既存の回路基板(以下、要VccInt回路基板と表記する)は、各要VccIntデバイスへVccIntを供給するために、図3に模式的に示した回路構成、つまり、1個のレギュレータによりVccIOから生成されたVccIntが、要VccIntデバイス毎に設けられたEMC〔ElectroMagnetic Compatibility〕回路を介して各要VccIntデバイスへ供給(分配)される回路構成を採用したものとなっている。そして、既存の要VccInt回路基板の大部分は、電源線と信号線とが交差した部分が存在していないプリント基板を用いた方が良いにも拘わらず、レギュレータからのVccInt用の電源線の一部が信号線と交差しているプリント基板を用いて製造されたものなっている。
【0004】
より具体的には、プリント基板に、電源線と信号線とが交差した部分が存在していると、当該部分で、図4に示したような現象、つまり、信号線上を流れる電流のリターン電流が電源線を避けて流れる現象(放射EMIノイズが増してしまう現象)が生じてしまうため、プリント基板には、電源線と信号線とが交差した部分が存在していないことが、望まれる。しかしながら、図3に示した回路構成を実現できるプリント基板(VccIO用の各種電源線に加えて、1個のレギュレータから複数の要VccIntデバイスのそれぞれに至るVccInt用の電源線を備えたプリント基板)を、電源線と信号線とが交差している部分が存在しないように設計、製造することは困難なこと(通常、層数を増やさないと実現できないこと)である。このため、既存の要VccInt回路基板の大部分は、例えば、図5に示した回路基板10′(レーザープリンタ用のコントローラとして使用されるもの:詳細は後述)のように、レギュレータ41からのVccInt用の電源線と信号線とが交差した交差部分が存在するプリント基板20′が用いられたものとなっているのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、2種の電圧の供給が必要な複数の半導体集積回路がプリント基板上に取り付けられた回路基板であって、そのプリント基板を性能の良い(信号線と電源線とが交差していない)ものとすることが容易な回路構成を有する回路基板を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、第1レベルの電圧と第1レベルよりも低い第2レベルの電圧の供給が必要な第1半導体集積回路と第2半導体集積回路を搭載した回路基板を、第1半導体集積回路と第2半導体集積回路のそれぞれについて、その半導体集積回路に第2レベルの電圧を供給するためのレギュレータ(第1レギュレータ/第2レギュレータ)が設けられており、プリント基板に形成された電源線によって、各レギュレータが生成する第2レベルの電圧が,対応する半導体集積回路に供給される構成を有するものとしておく。
【0007】
この構成の集積回路の製造に必要とされるプリント基板は、第2レベルの電圧に関して、2個の独立した電源線が形成されていれば良いもの(1つのレギュレータから各半導体集積回路に至る第2レベルの電圧用の電源線を形成しなくても良いもの)となる。従って、本発明の回路基板の構成は、性能の良い(第2レベルの電圧用の電源線と信号線との交差部分がない/より少ない)プリント基板を容易に設計出来るものとなっていると言うことが出来る。
【0008】
なお、本発明の回路基板は、どのような用途のものとして実現しても良く、例えば、第1半導体集積回路及び第2半導体集積回路により実行される処理が、印刷エンジンに供給するデータを生成するための処理となる形で本発明の回路基板を実現しておいても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1に、本発明の一実施形態に係る回路基板10の概略構成を示す。
【0011】
図示したように、本実施形態に係る回路基板10は、CPU21,メモリ制御ASIC22,IO制御ASIC23,画像処理回路24,2つのRAMメモリ用コネクタ25,2つのROMメモリ用コネクタ26,各種I/F用コネクタ27,印刷エンジン用コネクタ28,CPU用レギュレータ31,メモリ制御ASIC用レギュレータ32等を、プリント基板20に取り付けた構成を、有する。
【0012】
この回路基板10は、回路基板10′(図5)の,VccInt関連の構成を改良することによって製造された回路基板(レーザープリンタ用のコントローラ)であり、印刷エンジン用コネクタ28は、図示せぬ印刷エンジンと接続されるコネクタとなっている。
【0013】
また、RAMメモリ用コネクタ25,ROMメモリ用コネクタ26は、それぞれ、RAMメモリモジュール,ROMメモリモジュールが装着されるコネクタである。各種I/F用コネクタ27は、ホストとの間で通信を行うためのインタフェース回路が接続されるコネクタである。
【0014】
CPU21は、回路基板10を、印刷エンジンを駆動できるユニットとして動作させるための半導体集積回路である。メモリ制御ASIC22は、各RAMメモリ用コネクタ25に装着されたRAMメモリモジュールに対する制御等を行う半導体集積回路(ASIC)である。これらの回路(CPU21,メモリ制御ASIC22)は、いずれも、3.3VのVccIOと1.5VのVccIntとを供給する必要がある回路となっている。
【0015】
IO制御ASIC23は、各種I/F用コネクタ27に接続された各種インターフェース回路に関する制御を行なう半導体集積回路である。画像処理回路24は、メモリ制御ASIC22から供給されるイメージデータ(CPU21がメモリモジュール上に生成したイメージデータ)に画像処理を施して印刷エンジンに供給する回路である。これらの回路(IO制御ASIC23,画像処理回路24)は、いずれも、3.3VのVccIOを供給すれば良い(VccIntを供給する必要がない)回路となっている。
【0016】
CPU用レギュレータ31,メモリ制御ASIC用レギュレータ32は、VccIOからVccIntを生成することが出来るデバイス(VccIOを入力するとVccIntを出力するデバイス)である。
【0017】
そして、本回路基板10は、図1から明らかなように、CPU21の近傍、メモリ制御ASIC22の近傍に、それぞれ、CPU用レギュレータ31、メモリ制御ASIC用レギュレータ32が取り付けられる構成のプリント基板20であって、CPU21とCPU用レギュレータ31との間、及び、メモリ制御ASIC22とメモリ制御ASIC用レギュレータ32との間に、それぞれ、VccInt用の電源線(図1における破線)が形成されたプリント基板20を用いて製造されたものとなっている。
【0018】
要するに、この回路基板10は、VccIOとVccIntの供給を必要とする半導体集積回路(CPU21,メモリ制御ASIC22)毎にレギュレータ(CPU用レギュレータ31,メモリ制御ASIC用レギュレータ32)を設ける回路構成を採用したものとなっている。そして、プリント基板20は、元々、VccIOが各所から取り出せるように設計されるものであるので、プリント基板20に設けるVccInt用の電源線の経路及びプリント基板20へのレギュレータの取り付け位置を、CPU21,メモリ制御ASIC22のそれぞれについて、各種信号線と交差しないように決定することは、容易なこと(図1と図5を比較されたい。)である。
【0019】
従って、この回路基板10で用いられている構成を用いれば、回路基板用の、性能の良いプリント基板を、容易に(設計工数が少なく、かつ、製造コストが低い形で)、設計,製造できることになり、その結果として、性能の良い回路基板を安価に製造できることになる。
【0020】
また、回路基板10で用いられている,VccInt関連の回路構成は、2つのレギュレータ31、32によっていわゆる電源分離が行われることになるものであるため、図2に模式的に示したように、CPU21とCPU用レギュレータ31との間、メモリ制御ASIC22とメモリ制御ASIC用レギュレータ32との間に、EMC回路を設ける必要がないものとなっている。
【0021】
このため、この回路構成は、回路基板10′の回路構成(1個のレギュレータ41から複数の半導体集積回路にVccIntが供給される構成)よりも必要とされるレギュレータの数が増えるものではあるが、製造に要するコストがさほど増大しない(減る場合が多い)ものとなっている。
【0022】
具体的には、回路基板10/回路基板10′上のCPU21,メモリ制御ASIC22に供給することが必要なVccIntの電流値(アンペア数)を、それぞれ、Ia,Ibと表記すると、回路基板10を製造するのに必要なVccInt関連の部品は、図1及び図2から明らかなように、IaアンペアのVccIntを出力可能なCPU用レギュレータ31と、IbアンペアのVccIntを出力可能なメモリ制御ASIC用レギュレータ32とであることになる。
【0023】
一方、回路基板10′を製造するのに必要なVccInt関連の部品は、図5から明らかなように、(Ia+Ib)アンペアのVccIntを出力可能なレギュレータ41と、EMC回路42と、EMC回路43とであることになる。
【0024】
そして、一般に市販されているレギュレータは、出力可能な電流値がとびとびなものであるため、Ia,Ibの値によっては、IaアンペアのVccIntを出力可能なCPU用レギュレータ31の単価と、IbアンペアのVccIntを出力可能なメモリ制御ASIC用レギュレータ32の単価との合計の方が、(Ia+Ib)アンペアのVccIntを出力可能なレギュレータ41の単価よりも、安いことがある。また、当該合計が、レギュレータ41の単価よりも高い場合であっても、通常、両者の差額は、EMC回路42、43を必要としないことによるコストの減少額と同程度か、当該減少額よりも小さいものとなる。
【0025】
このような理由により、本実施形態に係る回路基板10で用いられている構成は、従来の構成よりも必要とされるレギュレータの数が増える構成ではあるが、製造に要するコストがさほど増大しない(減る場合が多い)構成となっているのである。
【0026】
<変形形態>
上記した回路基板10は、各種の変形を行うことが出来る。例えば、回路基板10は、VccIntの供給が必要とされる半導体集積回路が2個の回路基板であったが、回路基板10で用いられている技術を基に、VccIntの供給が必要とされる半導体集積回路を3個以上備えた回路基板(半導体集積回路毎に、レギュレータが設けられている回路基板)を構成しても良い。また、回路基板10の具体的な構成や用途を、上記したものと異なるものとしておいても良いことは当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る回路基板の概略構成図。
【図2】実施形態に係る回路基板の,VccInt関連の回路構成の説明図。
【図3】既存の回路基板(要VccInt回路基板)の,VccInt関連の回路構成の説明図。
【図4】プリント基板に望まれる構成を説明するための図。
【図5】既存の回路基板(要VccInt回路基板)の概略構成図。
【符号の説明】
【0028】
10 回路基板、 20 プリント基板、 21 CPU
22 メモリ制御ASIC、 23 IO制御ASIC、24 画像処理回路
31 CPU用レギュレータ、 32 メモリ制御ASIC用レギュレータ
41 レギュレータ、 42、43 EMC回路
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成16年1月23日(2004.1.23)
【代理人】 【識別番号】100098235
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 英幸

【公開番号】 特開2005−209897(P2005−209897A)
【公開日】 平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願番号】 特願2004−15102(P2004−15102)