| 【発明の名称】 |
絶縁シート |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 達弘 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友ベークライト 株式会社内
【氏名】新井 政貴 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友ベークライト 株式会社内
【氏名】八月朔日 猛 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友ベークライト 株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、高耐熱性、低熱膨張性、誘電特性、加工性および難燃性に優れた絶縁シートを提供することである。
【解決手段】熱硬化性樹脂と、無機充填材とを含有する樹脂組成物から構成される第一の層と、絶縁基材から構成される第二の層とを有することを特徴とする絶縁シートで、前記熱硬化性樹脂はシアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを含むものであり、さらに、前記シアネート樹脂は、ノボラック型シアネート樹脂であることを特徴とする絶縁シート。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱硬化性樹脂と、無機充填材とを含有する樹脂組成物から構成される第一の層と、絶縁基材から構成される第二の層とを有することを特徴とする絶縁シート。 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂はシアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを含むものである請求項1に記載の絶縁シート。 【請求項3】 前記シアネート樹脂は、ノボラック型シアネート樹脂である請求項2に記載の絶縁シート。 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂はフェノール樹脂を含むものである請求項1または3のいずれかに記載の絶縁シート。 【請求項5】 前記フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂である請求項4に記載の絶縁シート。 【請求項6】 さらには、フェノキシ樹脂を含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載の絶縁シート 【請求項7】 前記フェノキシ樹脂は、実質的にハロゲン原子を含まないものである請求項6に記載の絶縁シート。 【請求項8】 前記フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物全体の5〜50重量%である請求項6または7に記載の絶縁シート。 【請求項9】 前記フェノキシ樹脂の数平均分子量は、1000〜100000である請求項6ないし8のいずれかに記載の絶縁シート。 【請求項10】 前記無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体の30〜70重量%である請求項1ないし9のいずれかに記載の絶縁シート。 【請求項11】 前記絶縁基材はポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれたフィルムである請求項1ないし10のいずれかに記載の絶縁シート。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、プリント配線板に使用する絶縁シートに関する。 【背景技術】 【0002】 半導体の分野では高密度実装技術の進歩により、半導体素子を従来の面実装からエリア実装に移行していくトレンドが進行している。かかる高密度実装技術に対応すべく、ボールグリッドアレイ(BGA)やチップスケールパッケージ(CSP)など新しいパッケージが登場、増加しつつある。そのため以前にもましてインターポーザ用リジッド基板が注目されるようになり、高耐熱、低熱膨張基板の要求が高まってきている。 【0003】 さらに近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、高密度実装化等が進んでいる。そのため、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型化かつ高密度化されている。このようなプリント配線板等の高密度化への対応として、ビルドアップ多層配線板が多く採用されている。 【0004】 一般的なビルドアップ多層配線板は、樹脂のみで構成される100μm厚以下の絶縁層と、導体層とを積み重ねながら積層していく。また、層間接続方法としては、従来のドリル加工に代わって、レーザ法、フォト法等多岐にわたる。これらの方法は、小径のビアホールを自由に配置することで高密度化を達成するものであり、各々の方法に対応した各種ビルドアップ用層間絶縁材料が提案されている。 【0005】 ビルドアップ多層配線板による方法では、微細なビアにより層間接続されるので接続強度が低下し、場合によっては熱衝撃を受けると絶縁樹脂と導体層の熱膨張差から発生する応力によりクラックや断線するという問題点があり、この点を克服するために層間絶縁材料の低熱膨張化が検討されている。しかし、より配線基板の薄型化が進むと、発生する応力に耐え得るだけの強度がなく、絶縁樹脂のクラックが発生するといった問題点が起こっている。 さらに近年では、大量のデータを高速で処理するため情報機器端末などでは信号の高周波化が進んでいるが、周波数が高くなるほど信号の伝送損失が大きくなるという問題があり、高周波化に対応したプリント配線板の開発が強く求められている。 この伝送損失は配線周辺の絶縁層の誘電特性で決まる誘電体損の影響が大きく、プリント配線板の絶縁樹脂層の低誘電率および低誘電正接化が必要となる。 誘電特性が優れたフィルム材料として、ポリフェニレンエーテルが知られているが、プリント配線板の絶縁材料に適用するには、半田接続工程に耐えられる耐熱性や他の工程での耐溶剤性に問題があった(例えば特許文献1)。 更に、これらのビルドアップ多層配線板には難燃性が求められることが多い。従来、難燃性を付与するため、エポキシ樹脂においては臭素化エポキシなどのハロゲン系難燃剤を用いることが一般的であった。しかし、ハロゲン含有化合物からダイオキシンが発生するおそれがあることから、昨今の環境問題の深刻化とともに、ハロゲン系難燃剤を使用することが回避されるようになり、広く産業界にハロゲンフリーの難燃化システムが求められるようになった。 【特許文献1】特開2003−26939号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の目的は、高耐熱性、低熱膨張性、誘電特性、加工性および難燃性に優れた絶縁シートを提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。 (1)熱硬化性樹脂と、無機充填材とを含有する樹脂組成物から構成される第一の層と、絶縁基材から構成される第二の層とを有することを特徴とする絶縁シート。 (2)前記熱硬化性樹脂はシアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを含むものである上記(1)に記載の絶縁シート。 (3)前記シアネート樹脂は、ノボラック型シアネート樹脂である上記(2)に記載の絶縁シート。 (4)前記熱硬化性樹脂はフェノール樹脂を含むものである上記(1)または(3)のいずれかに記載の絶縁シート。 (5)前記フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂である上記(4)に記載の絶縁シート。 (6)さらには、フェノキシ樹脂を含むものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の絶縁シート (7)前記フェノキシ樹脂は、実質的にハロゲン原子を含まないものである上記(6)に記載の絶縁シート。 (8)前記フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物全体の5〜50重量%である上記(6)または(7)に記載の絶縁シート。 (9)前記フェノキシ樹脂の数平均分子量は、1000〜100000である上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の絶縁シート。 (10)前記無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体の30〜70重量%である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の絶縁シート。 (11)前記絶縁基材はポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれたフィルムである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の絶縁シート。 【発明の効果】 【0008】 本発明により、高耐熱性、低熱膨張性、誘電特性、加工性および難燃性に優れた絶縁シートを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 以下、本発明の絶縁シートについて詳細に説明する。 【0010】 本発明の絶縁シートは、プリント配線板の絶縁層を形成するために用いる絶縁シートであって、熱硬化性樹脂と、無機充填材とを含有する樹脂組成物から構成される第一の層と絶縁基材から構成される第二の層からなることを特徴とするものである。 【0011】 本発明の絶縁シートにおいて、前記第一の層は、熱硬化性樹脂を含有する。これにより高耐熱性、低熱膨張性を向上させることができる。 【0012】 熱硬化性樹脂としては、シアネート樹脂および/またはそのプレポリマー、フェノール樹脂およびその組成物、エポキシ樹脂およびその組成物、ポリイミド樹脂およびその組成物、ポリエステル樹脂およびその組成物等がある。 【0013】 前記熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の5〜60重量%が好ましく、特に10〜50重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると耐熱性や低熱膨張化する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると架橋密度が高くなり自由体積が増えるため耐湿性が低下する場合がある。 【0014】 前記シアネート樹脂は、特に限定されるものではなく、シアネート樹脂を含むものであればよく、例えばノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でも一般式(1)で表せられるノボラック型シアネート樹脂を含むことが好ましい。これにより、ガラス転移温度が高くでき、硬化後の樹脂特性や難燃性をより向上することができる。 【0015】 【化1】
【0016】 シアネート樹脂は硬化反応によって水酸基などの分極率の大きな官能基が生じないため、誘電特性が非常に優れている。また、剛直な化学構造を有するため耐熱性に優れている。 【0017】 また、前記シアネート樹脂をプレポリマー化したものも成形性、流動性を調整するために好ましく使用され、本発明のシアネート樹脂に含まれるものである。 【0018】 プレポリマー化は、通常加熱溶融して行われる。本発明でプレポリマーとは、例えば3量化率が20〜50%のものをいう。 【0019】 前記3量化率は、例えば赤外分光分析装置を用いて求めることができる。なお、シアネート樹脂と前記シアネート樹脂をプレポリマー化したものとを併用しても構わない。 【0020】 前記シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の5〜60重量%が好ましく、特に10〜50重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると耐熱性や低熱膨張化する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると架橋密度が高くなり自由体積が増えるため耐湿性が低下する場合がある。 【0021】 前記フェノール樹脂としては、例えば。ビスフェノール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型フェノール樹脂が好ましい。これにより、樹脂組成物の耐熱性および得られる絶縁層の線膨張を低下することができる。 前記フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の0.1〜10重量%が好ましく、特に0.5〜5重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に耐熱性を向上することができる。 本発明の絶縁シートでは、実質的にハロゲン原子を含まないフェノキシ樹脂を含有する。これにより製膜性を向上することができる。 【0022】 前記フェノキシ樹脂としては、例えばビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもビスフェノールF型、ビフェニル型が好ましい。これにより、難燃性を向上することができる。 【0023】 前記実質的にハロゲン原子を含まないとは、フェノキシ樹脂中のハロゲン原子の含有量が例えば1重量%以下のものをいう。 前記フェノキシ樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、1000〜100000が好ましく、特に3000〜30000が好ましい。数平均分子量が前記下限値未満であると製膜性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えるとフェノキシ樹脂の溶解性が低下する場合がある。 前記フェノキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物全体の5〜50重量%が好ましく、特に10〜30重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると製膜性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると本発明の特徴とする低熱膨張化が低下する場合がある。 本発明の絶縁シートにおいて、前記第一の層は、無機充填材を含有する。これにより、低熱膨張化、及び難燃性の向上を図ることができる。 【0024】 前記無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましく、溶融シリカが低膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、ガラス基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使うなど、その目的にあわせた使用方法が採用される。 前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜5μmが好ましく、特に0.2〜2μmが好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値未満であるとワニスの粘度が高くなるため、樹脂付き金属箔作製時の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値を超えると、ワニス中で無機充填剤の沈降等の現象が起こる場合がある。 【0025】 更に平均粒径5μm以下の球状溶融シリカが好ましく、特に平均粒径0.01〜2μmの球状溶融シリカが好ましい。これにより、無機充填剤の充填性を向上させることができる。 前記無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体の30〜70重量%が好ましく、特に40〜60重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満であると低熱膨脹化、低吸水化する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると流動性の低下により成形性が低下する場合がある。 本発明の絶縁シートにおいて、前記第一の層では、特に限定されないが、更にカップリング剤を含有することが好ましい。 【0026】 前記カップリング剤は、樹脂と無機充填剤の界面の濡れ性を向上させることにより、基材に対して樹脂および充填剤を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良するために配合する。 前記カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、これらの中でもエポキシシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アミノシランカップリング剤及びシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用すること好ましい。これにより、無機充填剤の界面との濡れ性が高くでき、耐熱性をより向上することができる。 【0027】 前記カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、無機充填剤100重量部に対して0.05〜3重量部好ましい。含有量が前記下限値未満であると無機充填剤を十分に被覆できず耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると樹脂付き金属箔の曲げ強度が低下する場合がある。 【0028】 本発明の絶縁シートにおいて、前記第一の層は、必要に応じて、上記成分以外の添加剤を、特性を損なわない範囲で添加することができる。添加剤としては、例えば消泡材、レベリング材等を挙げることができる。 【0029】 本発明の絶縁シートは、例えば、上述の樹脂組成物と溶剤とを含むワニスを有機基材の少なくとも片面に塗布し、加熱乾燥により溶剤を除去し製膜することにより得られる。 また、前記樹脂組成物で構成される前記第一の層の厚さは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。これにより、樹脂層の割れ発生が無く裁断時の粉落ちも少なくすることができる。 本発明の絶縁シートは、絶縁基材を含有する。絶縁基材を含有することにより、絶縁層の機械強度、低熱膨張化を向上させることが可能となる。しかし従来から使用されているガラスクロスを使うと、機械強度、低熱膨張化を向上させることは可能であるが、一方でレーザ加工性が大幅に低下し、また誘電特性の低下をもたらす。 前記絶縁基材を構成する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも芳香族ポリエステル樹脂(特に全芳香族ポリエステル樹脂)、芳香族ポリアミド樹脂(特に全芳香族ポリアミド樹脂)から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とすることが好ましい。これにより、絶縁シートをプリント配線板の絶縁層に用いたときに、耐熱性、機械強度を向上させることができる。また、特に芳香族ポリエステル樹脂(全芳香族ポリエステル樹脂)が好ましい。これにより、絶縁層の電気特性(誘電特性)をより向上させることができる。 【0030】 前記樹脂組成物を前記絶縁基材に塗布させる方法は、例えば基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーターによる塗布する方法が好ましい。 【0031】 前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。 【0032】 前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記樹脂組成物の固形分30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。 【0033】 前記基材に前記ワニスを塗布し、所定温度、例えば90〜180℃で乾燥させることにより絶縁シートを得ることができる。 【0034】 本発明の絶縁シートは、絶縁基材の少なくとも片面に前記樹脂ワニスを塗工したものであり、以下に示す方法によってプリント配線板の製造に供することができる。 例えば、本発明の絶縁シートを1枚または複数枚積層し、その上下に金属箔を配置してプレス成形することによって、プリント配線板用の金属張積層板を製造することができる。 【0035】 また、ガラスクロスを基材とする金属張積層板あるいは上記の銅張り積層板に回路を形成後、本発明の絶縁シートを1枚または複数枚積層し、更にその上に金属箔や回路を形成した基板を配置してプレス成形することにより多層配線板用の基板を作製することができる。あるいはラミネーターにより、ガラスクロスを基材とする銅張り積層板または上記の銅張り積層板に回路を形成したものに、本発明の絶縁シートを重ねロールラミネートすることで多層配線板用の基板を作製することも可能である。 【0036】 以下、本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【実施例】 【0037】 実施例1 (I)樹脂ワニスの調製 ノボラック型シアネート樹脂PT−60(ロンザ株式会社製、数平均分子量560)33重量%、ノボラック型シアネート樹脂PT−30(ロンザ株式会社製、数平均分子量380)10重量%、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂エピコート4010P(JER製、数平均分子量6,000)15重量%、ノボラック型フェノール樹脂HF−3(住友ベークライト製)2重量%をメチルエチルケトンに溶解した。更に、無機充填剤として球状溶融シリカSO−25R(アドマテックス株式会社製)40重量%および界面活性剤としてエポキシシランカップリング剤A−187(日本ユニカー株式会社製)を0.5部添加して、高速攪拌機を用いて10分間攪拌して樹脂ワニスを得た。 (II)絶縁シート製造 上記の樹脂ワニスを厚さ25μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産株式会社製)に、乾燥後の樹脂厚さが45μmとなるようコンマコーターにて片面塗工し、塗工したものを巻き取った後、もう片面を同様にして樹脂ワニスを塗工して厚さ65μmの絶縁シートを得た。 得られた絶縁シートはカッター等で切断しても樹脂割れや粉落ちがなく、取り扱い性に優れていた。 (III)多層プリント配線板の製造 銅箔を全面エッチングしたハロゲンフリーFR−4(住友ベークライト株式会社製 厚さ0.2mm)の表裏に上記絶縁シートと18μmの銅箔を重ねて、真空プレスにて圧力2MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行い、多層プリント配線板を得た。 (実施例2) 使用する絶縁基材を厚さ25μmのポリエステルフィルム(ベクスターOC、株式会社クラレ製)にした以外は実施例1と同様にした。 (実施例3) 使用する樹脂ワニスの配合量を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。 【0038】 ノボラック型シアネート樹脂PT−60を30重量%、ノボラック型シアネート樹脂PT−30を23重量%、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂エピコート4010Pを15重量%、ノボラック型フェノール樹脂HF−3を2重量%、球状溶融シリカSO−25Rを30重量%とした。 (実施例4) 使用する絶縁基材を厚さ12μmのポリアミドフィルム(ミクトロン、東レ株式会社製)にした以外は実施例3と同様にした。 (実施例5) 使用する樹脂ワニスの配合量を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。 【0039】 ノボラック型シアネート樹脂PT−60を10重量%、ノボラック型シアネート樹脂PT−30を8重量%、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂エピコート4010Pを40重量%、ノボラック型フェノール樹脂HF−3を2重量%、球状溶融シリカSO−25Rを40重量%とした。 (実施例6) 使用する絶縁基材を厚さ25μmのポリエステルフィルム(ベクスターOC、株式会社クラレ製)にした以外は実施例5と同様にした。 (実施例7) 使用する樹脂ワニスの配合量を以下のようにし、また使用する有機基材をポリエステルフィルム(ベクスターOC、株式会社クラレ製)した以外は、実施例1と同様にした。 【0040】 ノボラック型シアネート樹脂PT−60を30重量%、ノボラック型シアネート樹脂PT−30を18重量%、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂エピコート4010Pを15重量%、ノボラック型フェノール樹脂HF−3を2重量%、球状溶融シリカSO−25Rを35重量%とした。 (実施例8) 使用する樹脂ワニスの配合量を以下のようにし、また使用する有機基材を厚さ12μmのポリアミドフィルム(ミクトロン、東レ株式会社製)した以外は、実施例1と同様にした。 【0041】 ノボラック型シアネート樹脂PT−60を10重量%、ノボラック型シアネート樹脂PT−30を8重量%、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂エピコート4010Pを15重量%、ノボラック型フェノール樹脂HF−3を2重量%、球状溶融シリカSO−25Rを65重量%とした。 (比較例1) 熱硬化性樹脂を使用せず、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂(帝人株式会社製、グレードC7000)を43重量%を配合した以外は、実施例1と同様にした。 (比較例2) 無機充填材を使用せず、他の樹脂の配合量を以下のようにし、有機基材にポリアミドフィルム(ミクトロン、東レ株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様とした。 【0042】 ノボラック型シアネート樹脂PT−60を50重量%、ノボラック型シアネート樹脂PT−30を33重量%、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂エピコート4010Pを15重量%とした。 (比較例3) 有機基材の代わりに、ガラス繊維(厚さ50μm、日東紡株式会社製、WEA−1080)を用いて、実施例1と同じ樹脂ワニスに含浸させ、140℃の加熱炉で2分乾燥してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占める割合)が約55%のプリプレグを得た。 【0043】 各実施例および比較例で得られた多層プリント配線板等について、次の評価を行った。得られた結果を表1に示す。 (I)難燃性 難燃性は、多層配線プリント配線板の銅箔を全面エッチングし、UL−94規格、垂直法により測定した。 (II)ガラス転移温度 絶縁シート1枚の両側に銅箔を積層し、真空プレスにて圧力2MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行い、銅箔を全面エッチングし絶縁シート硬化物を得た。 【0044】 得られた絶縁シート硬化物から10mm×60mmのテストピースを切り出し、DMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて5℃/分で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。 (III)線膨張係数 絶縁シート1枚の両側に銅箔を積層し、真空プレスにて圧力2MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行い、銅箔を全面エッチングし絶縁シート硬化物を得た。 【0045】 得られた絶縁シート硬化物から4mm×20mmのテストピースを切り出し、TMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて線膨張係数を10℃/分で測定した。 (IV)成形性 内層回路板試験片(銅箔厚み35μm、L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、2mmスリット)の表裏に絶縁シートを重ね、真空ラミネーターにより加熱加圧成形を行い、目視にて成形ボイドの有無を観察した。 (V)吸湿半田耐熱性 多層プリント配線板より50mm×50mmのサンプルピースを切り出し、JIS6481に従い片面およびもう片面の1/2の銅箔をエッチングし除去した。125℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、260℃の半田槽に銅箔面を下にして180秒浮かべ、ふくれ・はがれの有無を確認した。 (VI)誘電率・誘電正接 厚さ1.0mmとなるように絶縁シートを複数枚重ね、その両側に銅箔を積層し、真空プレスにて圧力2MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行いその後銅箔を全面エッチングし、得られた積層板から97mm×25mm、53mm×25mm、37mm×25mmのテストピースを切り出し、トリプレート線路共振法により比誘電率、誘電正接を測定した。 (VII)レーザ加工性 厚さ0.05mmの両面多層プリント配線板を全面エッチングし、得られた積層板をUV YAGレーザ(三菱電機製)で加工し上部及び断面を顕微鏡観察した。 (VIII)引っ張り強度 絶縁シート1枚の両側に銅箔を積層し、真空プレスにて圧力2MPa、温度220℃で1時間加熱加圧成形を行い、銅箔を全面エッチングし絶縁シート硬化物を得た。 JIS K 7161に準じて、試験速度50mm/minで引っ張り試験を行った。 【0046】 【表1】
【0047】 表から明らかなように実施例1〜8は、ガラス転移温度が高く、熱膨張率が小さく、誘電率が低く、加工性、難燃性に優れていた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002141 【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号
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| 【出願日】 |
平成15年11月11日(2003.11.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−150150(P2005−150150A) |
| 【公開日】 |
平成17年6月9日(2005.6.9) |
| 【出願番号】 |
特願2003−381253(P2003−381253) |
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