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【発明の名称】 回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料
【発明者】 【氏名】西井 利浩
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子部品株式会社内

【氏名】竹中 敏昭
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電子部品株式会社内

【要約】 【課題】回路形成基板において層間接続の高信頼化を図る。

【解決手段】基板材料1に、カバーフィルムとたわみ防止材を同時もしくは順次に接着あるいは仮止めする工程とする、あるいは層間接続手段を配設した基板材料1と前記基板材料1を保持するストッカ9の両方もしくは一方に前記基板材料1のすべり防止手段もしくはたわみ防止手段を設ける、もしくは基板材料1に導電性ペースト5もしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程前において、基板材料の片面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を接着もしくは仮接着し、金属箔あるいはコア用回路形成基板あるいは基板材料のうち一つ以上と積層する工程で、前記シート材料を剥離する製造法、構成としたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板材料に、カバーフィルムとたわみ防止材を同時もしくは順次に接着あるいは仮止めする工程を含むことを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項2】
たわみ防止材が金属材料であることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項3】
たわみ防止材に強度向上用溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項4】
層間接続手段を配設した基板材料と前記基板材料を保持するストッカの両方もしくは一方に前記基板材料のすべり防止手段もしくはたわみ防止手段を設けたことを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項5】
ストッカに載置する前に基板材料に磁性体材料を塗布もしくは接着もしくは仮接着し、前記ストッカの前記磁性体材料の位置に相当する箇所に磁性体吸着手段を設けたことを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項6】
基板材料に磁性体材料を塗布もしくは接着もしくは仮接着する工程を有し、製造設備のうち基板材料を保持もしくは運搬する設備において前記磁性体材料の位置に相当する箇所に磁性体吸着手段を設けたことを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項7】
基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程前において、基板材料の片面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を接着もしくは仮接着し、金属箔あるいはコア用回路形成基板あるいは基板材料のうち一つ以上と積層する工程で、前記シート材料を剥離することを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項8】
基板材料の片面にカバーフィルムを張り付ける張り付け工程を備え、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程の前後において、基板材料のカバーフィルムを張り付けた反対面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を接着もしくは仮接着あるいは仮置きした後に、保持時間を設け前記層間接続手段中の一部成分を前記シート材料に吸収もしくは吸着させた後に、加圧および加熱を同時あるいは時間差を設けて順次もしくは別個に行い、一体化した積層物とすることを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項9】
基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程前において、基板材料の片面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着する金属箔を接着もしくは仮接着した後に金属箔あるいはコア用回路形成基板あるいは基板材料のうち一つ以上と積層することを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項10】
基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程の前後において、基板材料の片面もしくは両面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着する金属箔を接着もしくは仮接着あるいは仮置きした後に、保持時間を設け前記層間接続手段中の一部成分を金属箔に吸収もしくは吸着させた後に、加圧および加熱を同時あるいは時間差を設けて順次もしくは別個に行い、一体化した積層物とすることを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項11】
基板材料の片面にカバーフィルムを張り付ける張り付け工程を備え、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程の前後において、基板材料のカバーフィルムを張り付けた反対面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着する金属箔を接着もしくは仮接着あるいは仮置きした後に、保持時間を設け前記層間接続手段中の一部成分を金属箔に吸収もしくは吸着させた後に、加圧および加熱を同時あるいは時間差を設けて順次もしくは別個に行い、一体化した積層物とすることを特徴とする回路形成基板の製造方法。
【請求項12】
たわみ防止材の位置は、基板材料の外形を基準として一定の位置になるように、接着あるいは仮止めする工程の前に調整されることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項13】
たわみ防止材の位置は、基板材料を製品サイズに切断する際に、前記製品サイズ内に残存しない位置に配設されることを特徴とする請求項12に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項14】
たわみ防止材は熱可塑性樹脂で構成されることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項15】
シート材料は、層間接続手段と前記シート材料の接触部分に対して剪断方向に引っ張ることで基板材料から剥離することを特徴とする請求項7に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項16】
シート材料が紙であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項17】
シート材料が多孔質樹脂シートであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項18】
金属箔の表面の平均粗さは、10点平均粗さRzで5μm以上、好ましくは10μm以上であることを特徴とする請求項9乃至請求項11に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項19】
導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段は、シリコン変性したエポキシ樹脂を樹脂成分として含むことを特徴とする請求項9乃至請求項11に記載の回路形成基板の製造方法。
【請求項20】
基板材料にたわみ防止材もしくはカバーフィルムとたわみ防止材を備えたことを特徴とする回路形成基板の製造用材料。
【請求項21】
基板材料の片面にカバーフィルムを備え、他の面にシート材料を備えており、前記シート材料が液体もしくは流動性の樹脂を吸収出来ることを特徴とする回路形成基板の製造用材料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器に利用される回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路形成基板も従来の片面基板から両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路および部品を基板上に集積可能な高密度基板が開発されている。
【0003】
従来例について図6を用いて以下に説明する。
【0004】
図6(a)に示す基板材料21は回路形成基板に用いられるガラス繊維織布に熱硬化性のエポキシ樹脂等を含浸し乾燥等の方法によりBステージ状態としたいわゆるプリプレグである。基板材料21には熱ロール等を用いたラミネート法によりフィルム22を両面に張り付ける。
【0005】
次に、図6(b)に示すように、レーザ等の加工法により基板材料21にビア穴24を形成した後に銅粉等の導電性粒子と熱硬化性樹脂、硬化剤、溶剤などを混練しペースト状にした導電性ペースト25を充填して図6(c)に示す構成を得る。
【0006】
その後にフィルム22を剥離することで図6(d)に示すような導電性ペースト25が突出した形状を得て、その両側に銅箔26を配置して熱プレス装置(図示せず)によって加熱加圧することで図6(e)に示すように基板材料21は熱硬化し、導電性ペースト25は圧縮されて表裏の銅箔26が電気的に接続される。その際に、基板材料21に含浸したエポキシ樹脂は流動し外側に流出する。
【0007】
その後に端部の余分な部分を切り落として図6(f)のような形状とし、さらにエッチングなどの方法で銅箔26を所望のパターンに加工して回路27とし、図6(g)に示すような両面の回路形成基板を作成し、所望の製品サイズに切り分けて図6(h)に示すような回路形成基板としての製品を得る。図6では、通常回路形成基板に配設する外層部のソルダーレジストあるいは回路27へのめっき処理等の仕上げ処理は図示していないが、必要に応じて配設する。
【0008】
また、多層回路形成基板を製造する際は、図7に示すようにいったん完成した両面の回路形成基板の上下に導電性ペースト25を充填した基板材料21と銅箔26を、位置合わせをしながら重ね合わせて熱プレスすることで、多層回路形成基板を得ることが出来る。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平6−268345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記のような回路形成基板の製造方法では、回路形成基板の薄型化が要求されている現状において、基板材料の厚みが薄くなった際に、基板材料のハンドリング(搬送、運搬)としての製造上の課題が発生する。
【0011】
すなわち、図6(d)や図7(b)等に示されるような、導電性ペースト25を充填した後にフィルム22を剥離した基板材料21について、導電性ペースト25の突起形状を損なわないためには、基板材料21を他の部材に接触させることなく保持しながら、フィルム22の剥離から銅箔26あるいは他の回路形成基板と重ね合わせる工程までを実施しなければならない。
【0012】
他の部材と接触した場合には、導電性ペースト25が層間接続が必要な部分から失われ、必要量より不足するために、完成した回路形成基板において層間接続の品質信頼性が損なわれてしまう。また、接触によりこすり取られた導電性ペースト25は周囲に拡がってしまい、回路27の隣接間ショート等の電気的不良を発生させる場合がある。
【0013】
また、製造効率および製造原価低減の為に、基板材料21のサイズを大きくして製造工程を実施する際にも、上記するハンドリングとしての課題が生じる。
【0014】
すなわち、導電性ペースト25を他の部材に接触させずに工程を実施しようとすると基板材料21を保持できるのは周辺部のみとなり、基板材料21の周辺部のみを保持しながら工程内をハンドリングしなければならない。その際に、基板材料21の厚みが薄いもしくはサイズが大きい場合には基板材料21の中央部で垂れが発生し、他の部材に接触する確率が高くなってしまう。
【0015】
この垂れ現象を回避して安定に工程を実施するには、基板材料21の周辺部を保持する際に機械的に掴む、すなわちチャッキングし、かつ横方向に引っ張ることが有効であるが、設備に改造を施さなければならない箇所が多く、つまりフィルム22を剥離した後に銅箔26と積層するまでの工程で全てに適用することは多くの設備にチャッキングおよび引っ張り機構を設けねばならず、結果的に設備コストが高騰してしまう。
【0016】
また、フィルム22を剥離した状態の基板材料21をストックする際には、基板材料21同士が接触しないように、ストックする為の治具、すなわちストッカに上記と同じチャッキング機構を設けねばならないが、円滑な生産の為にはストッカは相当数を必要とするために、多くのコストを生じる要因となる。
【0017】
発明者の実験試作あるいは検証では、基板材料21が回路形成基板の製造に良く用いられるガラス繊維織布にエポキシ樹脂を含浸したプリプレグであると、100μm以下の厚みの基板材料21で上記の課題が発生し、特に60μm以下の基板材料21では顕著な問題となった。
【0018】
基板材料21のサイズについては、その厚みとも関連するが基板材料21の縦もしくは横方向のサイズが200mm以上になった際に上記の課題が発生し、500mm以上で顕著な問題となった。
【0019】
また、上記したようなチャッキング機構を用いて基板材料21を挟み込むような機構を試作したところ、チャッキングする箇所で基板材料21より粉が発生した。すなわち基板材料21が摩擦等により粉状になって周囲に飛散した。このような粉状の基板材料の破片は高密度回路形成基板の製造工程では、異物として製造歩留まりを低下させる原因となってしまう。
【0020】
以上のような理由から、薄い基板材料21あるいはサイズの大きな基板材料21を容易にハンドリングする方法が回路形成基板の製造方法として要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料においては、フィルムを剥離した後の基板材料の剛性を向上させる、あるいは簡便な方法でストッカに固定する、またはシート材料と一体化した状態でハンドリングし積層時にシート材料を剥離する構成としたものである。
【0022】
この本発明によれば、基板材料が薄いあるいは大きなサイズを採用した場合でもフィルム剥離後の導電性ペーストの他部材への接触を防止出来るものである。
【0023】
以上の結果として、導電性ペースト等を用いた層間の電気的接続の品質信頼性が大幅に向上し、高密度で品質の優れた回路形成基板を提供できるものである。
【0024】
本発明の請求項1に記載の発明は、基板材料に、カバーフィルムとたわみ防止材を同時もしくは順次に接着あるいは仮止めする工程を含むことを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、基板材料の剛性が向上しハンドリング性が良化する等の作用を有する。
【0025】
本発明の請求項2に記載の発明は、たわみ防止材が金属材料であることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、薄いたわみ防止材で基板材料の剛性を向上出来る等の効果を有する。
【0026】
本発明の請求項3に記載の発明は、たわみ防止材に強度向上用溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、溝による補強効果により、基板材料の厚み方向への曲げ剛性がより向上する等の効果を有する。
【0027】
本発明の請求項4に記載の発明は、層間接続手段を配設した基板材料と前記基板材料を保持するストッカの両方もしくは一方に前記基板材料のすべり防止手段もしくはたわみ防止手段を設けたことを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、簡便な機構により基板材料のたわみ防止が可能で、基板材料から発生する粉塵類も少ない等の効果を有する。
【0028】
本発明の請求項5に記載の発明は、ストッカに載置する前に基板材料に磁性体材料を塗布もしくは接着もしくは仮接着し、前記ストッカの前記磁性体材料の位置に相当する箇所に磁性体吸着手段を設けたことを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、基板材料を確実に保持出来るとともにストッカへの基板材料の移載時の位置精度必要性が緩和される等の効果を有する。
【0029】
本発明の請求項6に記載の発明は、基板材料に磁性体材料を塗布もしくは接着もしくは仮接着する工程を有し、製造設備のうち基板材料を保持もしくは運搬する設備において前記磁性体材料の位置に相当する箇所に磁性体吸着手段を設けたことを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、設備において基板材料を確実に保持出来るとともに、設備への基板材料の移載時の位置精度必要性が緩和される等の効果を有する。
【0030】
本発明の請求項7に記載の発明は、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程前において、基板材料の片面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を接着もしくは仮接着し、金属箔あるいはコア用回路形成基板あるいは基板材料のうち一つ以上と積層する工程で、前記シート材料を剥離することを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、基板材料の剛性が向上することでハンドリングが容易になると同時に、シート材料がマスクとなることにより基板材料への異物等の付着が防止できる等の効果を有する。
【0031】
本発明の請求項8に記載の発明は、基板材料の片面にカバーフィルムを張り付ける張り付け工程を備え、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程の前後において、基板材料のカバーフィルムを張り付けた反対面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を接着もしくは仮接着あるいは仮置きした後に、保持時間を設け前記層間接続手段中の一部成分を前記シート材料に吸収もしくは吸着させた後に、加圧および加熱を同時あるいは時間差を設けて順次もしくは別個に行い、一体化した積層物とすることを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、カバーフィルムを張り付けることで基板材料の剛性がさらに向上し、ハンドリングが容易になると同時に、導電性ペーストのビア穴への充填の際、カバーフィルムが印刷マスクの役目を果たすことで効率的な印刷充填が可能となり、また、シート材料がマスクとなることにより基板材料への異物等の付着が防止できる等の効果を有する。
【0032】
さらに、保持時間を設けることで、導電性ペースト中の樹脂成分等がシート材料側に排出され、導電性ペースト中の導電粒子比率が上昇し層間接続の品質信頼性が向上するという効果を有する。
【0033】
本発明の請求項9に記載の発明は、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程前において、基板材料の片面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着する金属箔を接着もしくは仮接着した後に金属箔あるいはコア用回路形成基板あるいは基板材料のうち一つ以上と積層することを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、シート材料として金属箔を使用するので、積層する工程でシート材料を剥離し廃棄することなく有効活用できる等の効果を有する。
【0034】
本発明の請求項10に記載の発明は、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程の前後において、基板材料の片面もしくは両面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着する金属箔を接着もしくは仮接着あるいは仮置きした後に、保持時間を設け前記層間接続手段中の一部成分を金属箔に吸収もしくは吸着させた後に、加圧および加熱を同時あるいは時間差を設けて順次もしくは別個に行い、一体化した積層物とすることを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、導電性ペースト中の樹脂成分等が金属箔側に排出されることで導電性ペースト中の導電粒子比率が上昇し層間接続の品質信頼性が向上する、金属箔上に吸収もしくは吸着された導電性ペースト中の成分によって基板材料と金属箔の接着強度あるいは信頼性が向上する等の効果を有する。
【0035】
本発明の請求項11に記載の発明は、基板材料の片面にカバーフィルムを張り付ける張り付け工程を備え、基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程の前後において、基板材料のカバーフィルムを張り付けた反対面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着する金属箔を接着もしくは仮接着あるいは仮置きした後に、保持時間を設け前記層間接続手段中の一部成分を金属箔に吸収もしくは吸着させた後に、加圧および加熱を同時あるいは時間差を設けて順次もしくは別個に行い、一体化した積層物とすることを特徴とする回路形成基板の製造方法としたものであり、カバーフィルムを張り付けることで基板材料の剛性がさらに向上し、ハンドリングが容易になると同時に、導電性ペーストのビア穴への充填の際、カバーフィルムが印刷マスクの役目を果たすことで効率的な印刷充填が可能となり、また、シート材料として金属箔を使用するので、積層する工程でシート材料を剥離し廃棄することなく有効活用できる等の効果を有する。
【0036】
さらに、保持時間を設けることで、導電性ペースト中の樹脂成分等がシート材料側に排出され、導電性ペースト中の導電粒子比率が上昇し層間接続の品質信頼性が向上する、金属箔上に吸収もしくは吸着された導電性ペースト中の成分によって基板材料と金属箔の接着強度あるいは信頼性が向上する等の効果を有する。
【0037】
本発明の請求項12に記載の発明は、たわみ防止材の位置は、基板材料の外形を基準として一定の位置になるように、接着あるいは仮止めする工程の前に調整されることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、たわみ防止材が存在する部分は穴加工することは出来ないために、レーザ等でビア穴を加工する位置を正確に定め、安定した穴加工を実現するものであり、また、必要な製品サイズに切断して最終の製品とする際に製品内にたわみ防止材が残存しないようにすることが可能となり、最終製品としての品質を保つという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項13に記載の発明は、たわみ防止材の位置は、基板材料を製品サイズに切断する際に、前記製品サイズ内に残存しない位置に配設されることを特徴とする請求項12に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、たわみ防止材が残存することによって製品の品質の低下を防ぐものであり、特にたわみ防止材が金属シートである場合は、残存することなく切り落とし除去する必要がある。
【0039】
本発明の請求項14に記載の発明は、たわみ防止材は熱可塑性樹脂で構成されることを特徴とする請求項1に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、特に熱可塑性樹脂を用いると加熱加圧した際に軟化、溶融するために基板材料および導電性ペーストの圧縮を妨げにくいという効果を得ることが出来る。
【0040】
本発明の請求項15に記載の発明は、シート材料は、層間接続手段と前記シート材料の接触部分に対して剪断方向に引っ張ることで基板材料から剥離することを特徴とする請求項7に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、シート材料を剥離する際、導電性ペーストがシート材料側にとられないようにすることで、ビア穴の電気的層間接続の信頼性の品質の低下を防ぐという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項16に記載の発明は、シート材料が紙であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、導電性ペースト中の流動成分を効率的に吸収出来るとともに、シート材料コストが安価になる等の効果を有する。
【0042】
本発明の請求項17に記載の発明は、シート材料が多孔質樹脂シートであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、多孔質樹脂シートの多孔質部分に導電性ペースト中の樹脂成分が吸収され、ビア穴中の導電性ペーストの導電粉比率を高めるという作用、効果を有する。
【0043】
本発明の請求項18に記載の発明は、金属箔の表面の平均粗さは、10点平均粗さRzで5μm以上、好ましくは10μm以上であることを特徴とする請求項9乃至請求項11に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、金属箔が銅箔の場合、10点平均粗さRzで5μm以上、好ましくは10μm以上で銅箔表面の粗度を高めることができ毛細管現象と同様に拡散を促進できる。これにより、銅箔に樹脂成分が吸収され、ビア穴中の導電性ペーストの導電粉比率を高めるという作用、効果を有する。
【0044】
本発明の請求項19に記載の発明は、導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段は、シリコン変性したエポキシ樹脂を樹脂成分として含むことを特徴とする請求項9乃至請求項11に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、これにより、部分的に可とう性を付与し、特にビア穴の部分の銅箔が部品取り付け時のランドとなる、いわゆるパッドオンビアと呼ばれる構成の回路形成基板の場合、基板材料と銅箔の接着力を高めるという効果を有する。
【0045】
本発明の請求項20に記載の発明は、基板材料にたわみ防止材もしくはカバーフィルムとたわみ防止材を備えたことを特徴とする回路形成基板の製造用材料としたものであり、基板材料の剛性が向上しハンドリング性が良化する等の作用を有する。
【0046】
本発明の請求項21に記載の発明は、基板材料の片面にカバーフィルムを備え、他の面にシート材料を備えており、前記シート材料が液体もしくは流動性の樹脂を吸収出来ることを特徴とする回路形成基板の製造用材料としたものであり、基板材料の剛性が向上しハンドリング性が良化するとともに、導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を有する回路形成基板においては、ビア穴中の導電性ペーストの導電粉比率を高めることの製造用材料を提供することができ、これにより回路形成基板の電気的層間接続の信頼性を向上させることができるという効果を有する。
【発明の効果】
【0047】
本発明の回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料においては、基板材料に、カバーフィルムとたわみ防止材を同時もしくは順次に接着あるいは仮止めする工程とする、あるいは層間接続手段を配設した基板材料と前記基板材料を保持するストッカの両方もしくは一方に前記基板材料のすべり防止手段もしくはたわみ防止手段を設ける、もしくは基板材料に導電性ペーストもしくは導電性ペーストを主体とする層間接続手段を配設する工程もしくは前記工程前において、基板材料の片面に前記層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を接着もしくは仮接着し、金属箔あるいはコア用回路形成基板あるいは基板材料のうち一つ以上と積層する工程で、前記シート材料を剥離する製造法、構成としたものである。
【0048】
この本発明によれば、導電性ペースト等の層間接続手段を用いた回路形成基板の製造において、薄い基板材料もしくは大きなサイズの基板材料を用いた回路形成基板の製造が効率的かつ高品質に行えるものである。
【0049】
特に、基板材料としてのプリプレグの補強材にガラス等の繊維を用いた織布を用いた場合には、織布の持つ寸法安定性などの利点を生かしながら、織布を補強材に用いる場合に不織布より不利になるプリプレグ状態での剛性の低下を補完できる効果を発揮するものである。
【0050】
また、基板材料の片面に層間接続手段中の一部成分を吸収もしくは吸着するシート材料を配置する構成では、層間接続手段中の一部成分を吸収することで層間接続手段による層間接続抵抗の抵抗値の安定化、信頼性の向上が出来る効果等を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を用いて説明する。
【0052】
(実施の形態1)
図1(a)〜(h)は本発明の実施の形態1における回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料を示す工程断面図である。
【0053】
図1(a)に示すように両面に厚み20μmのフィルム2と、たわみ防止材としての金属シート3を張り合わせた基板材料1を準備する。基板材料1にはガラス繊維織布を補強材として用いエポキシ樹脂を主体とするワニスを含浸して乾燥することでBステージ化した厚み100μmのプリプレグである。フィルム2には厚み20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。必要に応じてフィルム2にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をコーティングしても良い。金属シート3にはステンレスからなる厚み10μmで幅1mmの材料を用いた。
【0054】
張り合わせの手段としては、種々の方法が採用可能であるが、発明者の実験では熱ロールを用いたロールラミネート方式を用いた。この方式は、約130℃に加熱した金属もしくはゴム張り金属ロールを上下1対用意し、その間に2枚のフィルム2の間に金属シート3とともに挟持された基板材料1を通すことにより、基板材料1の表面の樹脂が溶融しフィルム2と金属シート3と一体化した状態で仮止めされる。
【0055】
金属シート3の位置は、基板材料1の外形基準で一定位置になるよう、熱ロールに通す前に位置を調整する。
【0056】
金属ロールによる加圧力で図1(a)に示すように金属シート3は基板材料1に埋設された状態となることで、後述する導電性ペースト充填工程等で凹凸形状が問題になることは無い。
【0057】
その後に、図1(b)に示すように炭酸ガスレーザを用いて直径約200μmのビア穴4を加工した。
【0058】
その後に、図1(c)に示すように導電性ペースト5をスキージ等の印刷手段(図示せず)を用いてビア穴4に充填した。導電性ペースト5は約1〜5μm径の銅粉を熱硬化性樹脂に硬化剤とともに混練したものを用いた。粘度調整等の目的で導電性ペースト5には溶剤などを添加することも可能である。
【0059】
次に、図1(d)に示すように基板材料1の両面のフィルム2を剥離して、フィルム2の厚み程度に導電性ペースト5が突出した基板材料1を得て、さらにその両面に銅箔6を配置する。
【0060】
次に、図中上下方向に加熱加圧する熱プレス工程を実施することで図1(e)に示すような形状を得る。その際に基板材料1中の熱硬化性樹脂は流動し所望厚みに成型されるとともに、周囲に一部流れ出す。
【0061】
次に、図1(f)に示すように、基板材料1の周辺部を所望のサイズに切断し整形した後に銅箔6をエッチング等の方法で回路7を形成し、図1(g)に示すようなワークサイズの両面回路形成基板を得た。
【0062】
さらに、図1(h)に示すように、必要な製品サイズに切断し、両面回路形成基板製品とした。金属シート3は、その際に切り落とす位置に配設されており、最終の製品に残存しないように配慮した。
【0063】
以上のような工程にて回路形成基板を製造した場合に、従来例で述べたようなフィルム2を剥離した後の基板材料1のハンドリング性は金属シート3の剛性により改善されている。すなわち、ガラス繊維織布を補強材として用いエポキシ樹脂を主体とするワニスを含浸して乾燥することでBステージ化したプリプレグとしての基板材料1は比較的柔らかく、周囲部を保持してもたわみ量が大きいが、金属シート3の作用によりたわみ量が抑えられ、従来例の課題であった導電性ペースト5の他部材への接触等の問題が回避できる。
【0064】
具体的には、図2(a)に断面図を示すが、フィルム2を剥離した後の基板材料1を互いに接触しないよう保管するために、ストッカ9に基板材料1を載せた状態でテーパを持つピン10により2つのストッカ9の間隔を保つような構成を実現した。このような構成を持ってしても、基板材料1の剛性が不足していると、基板材料1がたわむことにより互いに接触し、導電性ペースト5がビア穴周辺に飛散してしまう。発明者の検討結果では、ストッカ9に挟持した状態で基板材料1の間隔が10mm、すなわちストッカ9の厚みが約10mmの場合に、金属シート3を備えていない縦300mm横500mmの大きさで厚み60μmの基板材料1では接触が生じた。接触を防止するためには基板材料1の大きさを縦横ともに250mm以下にするか、基板材料1の厚みを100μm以上にする必要があった。対して、ステンレスからなる厚み10μmで幅1mmの金属シート3を備えた縦300mm横500mmの大きさで厚み60μmの基板材料1では接触は生じなかった。図2(a)に示すように金属シート3に溝8を設けることも剛性向上に有効である。
【0065】
図2(b)は金属シート3を備えた基板材料1を示す斜視図である。図2(c)はストッカ9に桟11をたわみ防止手段として設けた例を示す。このようなストッカ9に図2(d)に示すように基板材料1を積載した場合には、金属シート3の効果とともに桟11の支持作用により、たわみの問題は完全に防止できる。桟11の材質としては金属板を縦に配置したものでも良いし、金属あるいは樹脂等のワイヤ等も採用できる。図2(c)では桟11は1本であるが必要に応じて複数本もしくは十字状にクロスするような形態も採用出来る。
【0066】
ただし、基板材料1において桟11に相当する部位は基板材料1に充填している導電性ペースト5に桟11が接触する可能性が有るために層間接続部として利用することは出来ない。また、ストッカ9に基板材料1を載せる際の位置精度も重要なものとなる。同様に、金属シート3を張り付けた基板材料1では、金属シート3の部分は穴加工することは出来ないために、レーザ等でビア穴4を加工する設備に位置決めもしくは金属シート3の位置を認識する機構を設けることが有効である。
【0067】
同様に図3(a)にストッカ9に積載した基板材料1の断面を示す。
【0068】
ストッカ9の基板材料1に接触する部位に保持用ピン12を備えることで基板材料1のたわみを防止するものである。保持用ピン12は基板材料1を貫通するようなものでも良いが、基板材料1から生じる破片の発生を極力抑えるために、図3(a)に示すように基板材料1に僅かにくい込む程度で良い。
【0069】
図3(b)には、保持用ピン12の代わりに滑り止め材13をストッカ9に設けた例を示す。滑り止め材13は摩擦係数の大きな樹脂シート等を用いることが好ましい。
【0070】
また、図1で示した金属シート3を基板材料1と一体化したように、磁性金属シートもしくは磁性金属を含むインク等を基板材料のストッカ9に接触する部位に配設しておき、ストッカ9に滑り止め材13の代わりに磁性を有するシートを張っておくことで、保持機能を持たせることも可能である。
【0071】
本実施の形態ではたわみ防止材として金属シートを用いたが、樹脂シート等の使用も可能であり、特に熱可塑性樹脂を用いると加熱加圧した際に軟化、溶融するために基板材料1および導電性ペースト5の圧縮を妨げにくい効果を得ることが出来る。
【0072】
また、基板材料1自体にたわみ防止材をあらかじめ内蔵した回路形成基板の製造用材料を採用し、その基板材料1に対してフィルム2を張り付けるような構成でも同様の効果が得られる。その際は、基板材料1に用いるガラス繊維織布等の補強材中にあらかじめたわみ防止材として、前述した金属シートや金属ワイヤもしくは太径のガラス繊維等を配設しておく等の手段も採用出来る。また、フィルム2を張り付ける前に基板材料1にたわみ防止材を張り付ける工法も可能である。
【0073】
なお、本実施の形態ではストッカに対して保持用ピン、滑り止め材、磁性体材料、桟等の滑り防止手段あるいはたわみ防止手段を設けたが、基板材料を保管するストッカに対してのみならず、積層設備等で基板材料をハンドリングする部分に同様の対策を施すことで同様の効果が得られる。たとえば、図1(d)のような構成物を積層する設備には当然フィルム2を剥離した基板材料1をハンドリングしたり仮置きするステージ等が必要になるが、その部位に本実施の形態で説明した構成を適用することで同様の効果が得られる。
【0074】
また、本発明は上記したような導電性ペーストを用いた回路形成基板の製造において格別の効果をもたらすが、導電性ペーストを用いない回路形成基板の製造においても、厚みの薄いもしくはサイズの大きな基板材料を用いた際には同様の課題解決が出来る。その際には、導電性ペーストの接触ではなく、ハンドリングの際に基板材料が他部材にこすれることで粉塵の発生を招いたり、回路7等を形成するためにエッチング装置等に基板材料を通過させた際に、ローラ等に基板材料が巻き込まれる等の課題が発生するものである。そのような課題に対しても本発明の構成は有効に作用し、回路形成基板の製造において歩留まり、品質の向上に貢献出来る。
【0075】
(実施の形態2)
図4(a)〜(h)は本発明の実施の形態2における回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料を示す工程断面図である。
【0076】
図4(a)に示すように片面に厚み20μmのフィルム2を張り合わせた基板材料1を準備する。基板材料1にはガラス繊維織布を補強材として用いエポキシ樹脂を主体とするワニスを含浸して乾燥することでBステージ化した厚み100μmのプリプレグである。フィルム2には厚み20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。必要に応じてフィルム2にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をコーティングしても良い。張り合わせの方法は実施の形態1で示したものと同様であるが、フィルム2が片面にしか配設していないので、熱ロールに基板材料1が接着してしまわないように離型性を熱ロールに持たせる、離型シートをフィルム2の無い側に張り付けして剥がす等の対策をすることが好ましい。
【0077】
その後に、図4(b)に示すように炭酸ガスレーザを用いて直径約200μmのビア穴4を加工した。
【0078】
その後に、図4(c)に示すように吸収シート15を基板材料1の下に敷き、スキージ14を用いて導電性ペースト5をビア穴4に充填する。導電性ペースト5は実施の形態1と同様のものである。また、吸収シート15は、層間接続手段としての導電性ペースト5中の一部成分を吸収もしくは吸着する機能を有しているものである。
【0079】
吸収シート15の下側より軽く吸引することが、基板材料1の固定および導電性ペースト5のビア穴4への充填性を高める意味で有効である。
【0080】
充填後、一定時間保持することで図4(c)に示すように導電性ペースト5中の樹脂成分16が吸収シート15に浸透する。その際に前記吸引を続けることが浸透性および基板材料1と吸収シート15の密着を保つ上で好ましい。
【0081】
樹脂成分16が吸収シート15に浸透し吸収されることで、後述する加熱加圧し一体化させる工程の前に導電性ペースト5の金属粉等の導電性成分と熱硬化性樹脂および硬化剤、溶剤等からなる樹脂成分16の比率が、導電性成分の割合が高まる方向に変化する。このことにより、ビア穴4への充填性および印刷作業として導電性ペースト5の取り扱い性を高めるために比較的樹脂成分16の多い粘度の低い導電性ペースト5を使用しながらも、加熱加圧前にビア穴4より樹脂成分16を排出することで導電性成分比率を高めて層間接続手段としての機能、導電性、信頼性を高めることが両立出来るという格別の効果が得られるものである。
【0082】
次に、図4(d)に示すように、吸収シート15を基板材料1と概略同じ大きさに切断してハンドリングしやすい状態に加工する。
【0083】
さらに、図4(e)に示すように銅箔6上に上下反転した状態で基板材料1を配置する。
【0084】
次に、図4(f)に示すように吸収シート15を取り除き銅箔6を基板材料1の上方に載せて、加熱加圧することで一体化させ図4(g)のような形状を得る。吸収シート15を取り除く際は、導電性ペースト5がとられないように、層間接続手段と前記シート材料の接触部分に対して剪断方向すなわち図中横方向に引っ張ることで剥がすことが好ましい。
【0085】
この状態で、導電性ペースト5は圧縮されており電気的層間接続を発現する。吸収シート15に樹脂成分16が吸収されることはビア穴4中の導電性ペースト5の導電粉比率を高める意味で有効である。
【0086】
次に不要部分を切断して、図4(h)に示す両面回路形成基板を得る。
【0087】
本実施の形態では、図4(d)の状態で基板材料1と吸収シート15が密着したものとなり基板材料1単独の場合と比較して剛性が向上するのでハンドリング性が向上する。基板材料1と吸収シート15の密着は、現実の工程ではビア穴4の単位面積当たりの個数が多いために導電性ペースト5の粘性によって保つことも可能であるが、吸収シート15に僅かな粘着性を持たせることも有効である。
【0088】
吸収シート15の材質は、ポリプロピレン等の樹脂からなる多孔質樹脂シート等でも良いし、紙を用いることも出来る。
【0089】
また、そのような材料の表面に粘着性を持たせるために、溶剤などで希釈した熱可塑性樹脂等を塗布することも有効である。
【0090】
発明者の実験では厚み50μmの紙を用いて良好な結果を得た。
【0091】
また、図4(d)の状態で吸収シート15を剥離した後に、基板材料を反転もしくは反転せずに銅箔6の上に載置する方法も採用可能である。
【0092】
(実施の形態3)
図5(a)〜(h)は本発明の実施の形態3における回路形成基板の製造方法および回路形成基板の製造用材料を示す工程断面図である。
【0093】
図5(a)〜(b)については、実施の形態2と同様である。
【0094】
次に図5(c)に示すように、基板材料1の下側に銅箔6aを敷き、スキージ14を用いて、導電性ペースト5を充填する。
【0095】
図5(c)の状態もしくは図5(d)の状態で一定時間保持することで、図5(d)に示すように、銅箔6a上に樹脂成分16が拡散する。すなわち、金属箔としての銅箔6aは、層間接続手段である導電性ペースト5中の一部成分を吸収もしくは吸着する機能を有しているものといえる。
【0096】
発明者の実験では10秒以上の保持で効果が顕著なものとなった。その際に加熱することも樹脂成分16の粘度を下げて拡散を促進する効果がある。
【0097】
また、銅箔6a表面の粗度を高めることで毛細管現象と同様に拡散を促進できる。発明者の検証では10点平均粗さRzで5μm以上、好ましくは10μm以上で効果が確認出来た。次に基板材料1に銅箔6aが密着した状態で上下反転し、図5(e)に示すように銅箔6の上に乗せる。その際のハンドリングは、基板材料1に銅箔6aが密着しているために剛性が確保され容易な作業である。
【0098】
また、必要に応じてヒータツールなどで基板材料1を銅箔6もしくは6aを部分的に仮接着することもハンドリング性その他の面で有効である。
【0099】
図5(e)の状態で一定時間保持することで、銅箔6上にも樹脂成分16が図5(f)に示すように拡散する。
【0100】
また、後述する加熱加圧工程の準備作業として、図5(e)の状態で、基板材料1をステンレス等の鏡面板等に挟み込み、加熱加圧装置に導入して加熱プレスを行うような実施形態でも、前記鏡面板に挟み込んだ状態で保持時間を設けることで本発明の効果を得ることが出来る。その場合の保持時間はおおよそ10分以上から効果が見られるが、好ましくは60分以上の保持時間で顕著な効果を得ることが出来た。
【0101】
この状態で加熱加圧することで、一体成型および基板材料1の樹脂を硬化させ、図5(g)に示すような構成を得て、周囲の不要部を切断し、図5(h)に示すような両面基板を得る。その後に所望の回路を形成して両面回路形成基板を得る。
【0102】
このような構成では、図5(h)に示すように、ビア穴4すなわち層間接続形成部の周囲に樹脂成分16が基板材料1の樹脂と一体化した形で硬化しており、樹脂成分16の組成を調整することで、ビア穴4周辺で銅箔6と基板材料1の接着力を高める効果を得ることも可能である。
【0103】
発明者の検証では一例としてシリコン変性したエポキシ樹脂を樹脂成分16として採用することで部分的に可とう性を付与し接着力が高まることが確認できた。特に落下衝撃等の加速度的ストレスに対して有効であった。
【0104】
すなわち、銅箔6に電子部品が半田付けされて電子機器となった際に、電子機器としての落下衝撃試験を実施した際に、半田付けした電子部品に大きなストレスがかかり銅箔6が剥がれてしまう問題があったが、本発明の構成を用いて銅箔6の下に可とう性のある樹脂を配置することで耐衝撃性を高めることが出来た。
【0105】
このような構成の回路形成基板ではビア穴4の部分の銅箔が部品取り付け時のランドとなるパッドオンビアと呼ばれる構成になることも多く、基板材料1と銅箔6の接着力を高めることは回路形成基板の信頼性向上につながるものである。
【0106】
基板材料1として前記のシリコン変性樹脂等を使用することは、材料コストおよび回路形成基板の曲げ剛性等を低下させる等の理由で採用しにくい場合が多い。そのような場合でも本発明の実施形態の適用により必要な部位の接着強度向上が実現できる。
【0107】
また、実施の形態2で説明したような、樹脂成分16の拡散により導電性ペースト5による層間接続品質の向上効果は本形態においても得られるものである。
【0108】
また、本実施の形態では出発材料として基板材料1の片面にフィルム2を張り付けているが、両面にフィルム2を張り付けた場合でも銅箔6への樹脂成分16の拡散による効果は保持時間の確保等により有効とすることが可能である。
【0109】
その際には、実施の形態2で示したように吸収シートの上で導電性ペースト5を充填する構成も採用できる。その場合には、フィルムを剥離した後に銅箔6a上に載置し、一定時間以上の保持時間を設けることで本願の効果を発揮できる。
【0110】
以上述べた実施の形態1から3で基板材料すなわちプリプレグとして説明した材料の例としては、通常のガラス繊維織布あるいは不織布に熱硬化性樹脂を含浸しBステージ化したものを用いることが可能でガラス繊維の代わりにアラミド等の有機繊維を採用することもできる。
【0111】
またプリプレグに代えてBステージフィルムもしくはポリイミド等の樹脂フィルムと接着剤からなるBステージ材料の使用も可能である。
【0112】
また、織布と不織布を混成した材料、たとえば2枚のガラス繊維の間にガラス繊維不織布を挟み込んだような材料を補強材として用いることも可能である。
【0113】
また、本発明の実施の形態で基板材料もしくは熱硬化性樹脂と記述した部分の熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ系樹脂、エポキシ・メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、シアネート系樹脂、シアン酸エステル系樹脂、ナフタレン系樹脂、ユリア系樹脂、アミノ系樹脂、アルキド系樹脂、ケイ素系樹脂、フラン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、シアネートエステル系樹脂等の単独、あるいは2種以上混合した熱硬化性樹脂組成物あるいは熱可塑性樹脂で変性された熱硬化性樹脂組成物を用いることができ、必要に応じて難燃剤や無機充填剤の添加も可能である。
【0114】
また、両面回路形成基板のみならず、従来例で説明したような多層回路形成基板を製造する際にも本発明の適用は可能である。
【0115】
また、層間接続手段として導電性ペーストを用いて説明したが、導電性ペーストとしては銅粉等の導電性粒子を硬化剤を含む熱硬化性樹脂に混練したものの他に、導電性粒子と熱プレス時に基板材料中に排出されてしまうような適当な粘度の高分子材料、あるいは溶剤等を混練したもの等多種の組成が利用可能である。
【0116】
さらに、導電性ペースト以外にめっき等により形成したポスト状の導電性突起や、ペースト化していない比較的大きな粒径の導電性粒子を単独で層間接続手段として用いることも可能である。
【0117】
また、層間接続手段としてめっきスルホール等を用いた際にも本発明の適用は可能である。すなわち、基板材料に層間接続手段を積層前に配設しないような場合においても、基板材料が薄い等の理由でハンドリングが困難な際には、以上説明してきたような、たわみ防止材等の利用が有効である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上述べたように、基板材料の厚みおよびサイズに関係なく導電性ペースト等の層間接続手段を用いた層間の電気的接続の信頼性が大幅に向上し、高品質の高密度回路形成基板を提供できるものであり、産業上の利用可能性は大といえる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態1における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図2】同実施の形態における回路形成基板の製造方法を示す断面図および斜視図
【図3】同実施の形態における回路形成基板の製造方法を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態2における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図5】本発明の実施の形態3における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図6】従来例における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【図7】従来例における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図
【符号の説明】
【0120】
1 基板材料
2 フィルム
3 金属シート
4 ビア穴
5 導電性ペースト
6、6a 銅箔
7 回路
8 溝
9 ストッカ
10 ピン
11 桟
12 保持用ピン
13 滑り止め材
14 スキージ
15 吸収シート
16 樹脂成分
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成16年10月1日(2004.10.1)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−136390(P2005−136390A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2004−289754(P2004−289754)