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【発明の名称】 セラミック多層配線基板およびセラミック多層配線基板の製造方法ならびに半導体装置
【発明者】 【氏名】大西 学
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】安価で生産性の優れた薄型のセラミック多層配線基板、その製造方法、およびそのセラミック多層配線基板を用いた半導体装置を提供する。

【解決手段】配線印刷用グリーンシート9の表裏面両面9a,9bにおける導電性ペーストMが充填されたスルーホール7部分に配線用の導体11a,11bを被着する。また、前記配線印刷用グリーンシート9よりも厚さの薄い絶縁用グリーンシート10のスルーホール7に、前記上下の導体11a,11bを電気的に接続するため接続用導体である導電性ペーストMを充填する。そして前記配線印刷用グリーンシート9の間に前記絶縁用グリーンシート10を挟むようにして積層することにより、セラミック生積層体12を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配線層と絶縁層を積層してなるセラミック多層配線基板において、厚さの異なる絶縁層を交互に積層して構成されたことを特徴とするセラミック多層配線基板。
【請求項2】
表裏両面に配線用導体が被着されると共に厚み方向に接続用導電ペーストが充填されたスルーホールを有する2層以上の第1の絶縁層と、上下の前記第1の絶縁層における前記配線用導体を接続する接続用導電ペーストが充填されたスルーホールを有し、前記第1の絶縁層よりも厚さの薄い第2の絶縁層とを交互に積層して構成されたことを特徴とするセラミック多層配線基板。
【請求項3】
前記第1の絶縁層が、厚み方向に接続用導電ペーストが充填されたスルーホールにて表裏面の配線用導体を接続する厚さ50μm以上の構成であり、前記第2の絶縁層が厚さ50μm以下の構成であることを特徴とする請求項2記載のセラミック多層配線基板。
【請求項4】
請求項2または3記載のセラミック多層配線基板を製造する方法であって、第2の絶縁層の厚さを15μm以下とし、第2の絶縁層のスルーホールの充填を、第1,第2の絶縁層の積層時に上下配線層の導電体によって行うことを特徴とするセラミック多層配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3いずれか1項に記載のセラミック多層配線基板をインターポーザに使用して、半導体素子をフリップチップまたはワイヤーボンド方式により実装したことを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロニクス産業で用いられるLSIあるいはIC、チップ部品を搭載するセラミック多層配線基板に係り、さらにその製造方法、およびそのセラミック多層配線基板を用いた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の高度化、あるいは複数の半導体素子を1つのセラミック多層配線基板に搭載する半導体装置のモジュール化、あるいは半導体装置の小型化・薄型化の傾向により、半導体装置を構成するセラミック多層配線基板にも配線の高密度化あるいは薄型化の要望が高まっている。
【0003】
一般にセラミック多層基板の製造方法として、印刷積層法とグリーンシート積層法とが知られている。
【0004】
印刷積層法は、焼成済みのセラミック基板上に導体ペーストの印刷・乾燥,焼成と絶縁ペースとの印刷・乾燥,焼成を繰り返して多層化する方法であり、工程が簡便で製造歩留まりがよく、安価にセラミック配線基板が得られるが、配線パターンによる基板表面の段差のため高積層には不向きであり、また、焼成済みのセラミック基板上に印刷形成するため基板にスルーホールがある場合、配線の設計が制約される。
【0005】
一方、グリーンシート積層法は各グリーンシートにビア孔を形成し、配線を形成した各グリーンシートを熱圧着して積層し、一括に焼成する方法であり、高積層に有利で比較的に自由な配線の設計が可能であるが、焼成時の収縮による寸法安定性が悪く、製造歩留まりが低い。
【0006】
従来、半導体素子収納用パッケージあるいは回路基板などに使用されるセラミック多層配線基板は、特許文献1に記載されているように、アルミナセラミックスなどの電気絶縁材料より成る基体と該基体の表面および内部に埋設、焼き付けられているタングステン(W)、モリブデン(Mo)などの高融点金属より成る配線導体とにより構成されている。
【0007】
前記セラミック多層配線基板の製造方法は、まず、アルミナなどの電気絶縁性に優れたセラミック原料粉末に、適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して泥漿状となすと共に、該泥漿状物を、従来周知のドクターブレード法を採用することによってシート状とし、複数枚のセラミック生シート(グリーンシート)を得る。次に、前記セラミック生シートに接続配線用のスルーホールを形成し、該スルーホール内にタングステン(W),モリブデン(Mo)などの高融点金属からなる金属ペーストを充填すると共に、前記セラミック生シートの上面に、スクリーン印刷法などの厚膜手法により印刷塗布して、所定パターンの配線用導体を被着させる。
【0008】
そして、最後に前記各セラミック生シートを上下に積層すると共に、加圧して生積層体を得て、該生積層体を還元雰囲気中、約1500℃の温度で焼成し、各セラミック生シートと配線用導電層とを焼結一体化させることによって、製品としてのセラミック多層配線基板を完成させる。
【0009】
図4は前記のようなセラミック多層配線基板の一例を示す平面図、図5は図4のセラミック多層配線基板の側面一部を拡大して示す断面図である。
【0010】
図4,図5に示されるように、この種のセラミック多層配線基板1は、複数のセラミック層2を積層した構造をなし、基板表面(上部)3には半導体素子などの電子部品チップとの接続用端子4が多数配設されており、基板裏面5にはマザーボードとの接続用端子6が多数配設されている。
【0011】
さらに、セラミック多層配線基板1の内部には、基板表面3に対し垂直で、かつ金属ペーストMが充填されたスルーホール(導体)7が多数設けられ、該スルーホール7の端面相互を接続するように配線層8が配設されており、これらを介して基板表面3の接続用端子4と基板裏面5の接続用端子6とが電気的に接続される回路網が形成されている。
【特許文献1】特開平3−112606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のグリーンシート積層法によるセラミック多層配線基板の製造では、グリーンシートに配線を印刷したり、スルーホールを形成しなければならないため、製造上ハンドリングが困難であり、基板の薄型化,配線の高密度化が困難である。
【0013】
グリーンシートは、ドクターブレード法により数μmまで薄くできるが、50μm以下の厚さのグリーンシートに配線層をスクリーン印刷等により形成することは困難であり、セラミック多層配線基板の薄型化には限界がある。
【0014】
本発明は、前記従来の課題を解決し、安価で生産性の優れた薄型のセラミック多層配線基板、その製造方法、およびそのセラミック多層配線基板を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するため、本発明におけるセラミック多層配線基板は、表裏両面に配線層を印刷した2枚以上のグリーンシートを、前記グリーンシートよりも厚さの薄いスルーホールを有する絶縁用グリーンシートを介して積層することにより、薄型のセラミック多層配線基板を構成するものである。
【0016】
すなわち、導電性ペーストの印刷,ハンドリングが比較的容易な50μm以上の厚さのグリーンシートにスルーホールを形成して、導電ペーストの充填と表裏両面への配線層を印刷し、積層時の配線層の絶縁を50μm以下の厚さのグリーンシートで行う構成のものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板の薄型化あるいは基板の厚みをほとんど変えずに配線層を増やすことができ配線密度を高めることが可能であり、半導体装置のさらなる小型化,薄型化,高密度化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明の実施形態に係るセラミック多層配線基板の拡大断面図であり、平面状態は図4,図5に示す従来例と同様の構成である。なお、図4,図5にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付した。
【0020】
図1において、導電材からなる配線層8が形成されている配線印刷用グリーンシート(第1の絶縁層)9と、配線印刷用グリーンシート9と厚さが異なりセラミックからなる絶縁用グリーンシート(第2の絶縁層)10が交互に積層されている。
【0021】
図2(a)〜(f)は本実施形態に係るセラミック多層配線基板の製造方法を工程順に示す説明図である。
【0022】
まず、図2(a),(d)に示すように、厚さの異なる配線印刷用グリーンシート9と絶縁用グリーンシート10を作製する。各グリーンシート9,10は、例えばアルミナ(Al)、シリカ(SiO)などのセラミック原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して泥漿物を作り、これを従来周知のドクターブレード法などによりシート状となすことによって形成される。
【0023】
図2(b)に示すように、配線印刷用グリーンシート9に導電性ペーストMが充填される配線接続用のスルーホール7を形成する。スルーホール7は従来周知の打ち抜き加工法によりグリーンシート9の所定の位置に形成される。
【0024】
さらに、配線印刷用グリーンシート9には、図2(c)に示す如く、当該グリーンシート9の表裏面両面9a,9bに配線用の導体11a,11bを被着する。前記配線用導体11a,11bは、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)などの高融点金属よりなり、該高融点金属粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して得た金属ペースト(導電性ペースト)を、スクリーン印刷などの厚膜手法を採用することによって、当該グリーンシート9に印刷塗布されて設けられる。
【0025】
一方、図2(e)に示すように、配線印刷用グリーンシート9よりも厚さの薄い絶縁用グリーンシート10には、上下の配線用導体11a,11bを電気的に接続するためのスルーホール7を打ち抜き加工法により形成し、該スルーホール7に接続用導体である導電性ペーストMを充填する。
【0026】
そして、図2(f)に示すように、前記配線印刷用グリーンシート9の間に、絶縁用グリーンシート10を挟むようにして積層することにより、セラミック生積層体12を生成する。
【0027】
次に、セラミック生積層体12を、還元雰囲気中、約1500℃の温度で焼成し、各グリーンシート9,10と配線用導体11a,11bと導電性ペーストMとを一括焼成することにより、セラミック多層配線基板1が完成する。
【0028】
なお、絶縁用グリーンシート10の厚さを15μm以下にすることにより、スルーホール7に導電ペーストMを充填しなくても、図3(a)に示すように、グリーンシート10の積層時に上下の配線用導体11a,11bを設けるための導電体である金属ペーストPがスルーホール7に流れ込む(矢印方向)ことになり、これによりスルーホール7を金属ペーストPによって充填して上下層の接続を得ることができる。このため、図2(b)に示すような絶縁用グリーンシート10のスルーホール7に導電ペーストMを充填する工程を省略することができて生産性が向上する。
【0029】
また、本実施形態の前記セラミック多層配線基板をインターポーザに使用して、半導体素子をフリップチップまたはワイヤーボンド方式により実装することにより半導体装置を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、エレクトロニクス産業で用いられるLSIあるいはIC,チップ部品を搭載するセラミック多層配線基板に適用され、特に複数のグリーンシートを積層,圧着して未焼成配線基板とし、これを焼成することで製造されるセラミック多層配線基板、その製造方法に用いて有効である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係るセラミック多層配線基板の拡大断面図
【図2】(a)〜(f)は本実施形態に係るセラミック多層配線基板の製造方法を工程順に示す説明図
【図3】本実施形態における第2の絶縁層を製造する他の方法の説明図
【図4】従来のセラミック多層配線基板の一例を示す平面図
【図5】図4のセラミック多層配線基板の側面一部を拡大して示す断面図
【符号の説明】
【0032】
1 セラミック多層配線基板
9 配線印刷用グリーンシート
10 絶縁用グリーンシート
11a,11b 配線用導体
12 セラミック生積層体
M 導電性ペースト
P 金属ペースト
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【代理人】 【識別番号】100112128
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 光威

【公開番号】 特開2005−136266(P2005−136266A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−371796(P2003−371796)