| 【発明の名称】 |
実装部品の導通接合方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】金光 聡 【住所又は居所】東京都八王子市石川町2951番地の5 カシオ計算機株式会社八王子研究所内
【氏名】山岸 洋一 【住所又は居所】東京都八王子市石川町2951番地の5 カシオ計算機株式会社八王子研究所内
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| 【要約】 |
【課題】異方性導電接着材を未硬化部分を残すことなく充分に硬化させることができ、未硬化の異方性導電接着材に起因する電食による配線の断線を確実に防止できる実装部品の導通接合方法を提供する。
【解決手段】加熱チャンバ14内に適長間隔を空けて保持された複数の液晶表示モジュールMLにおいては、それぞれ、パネル部Pの電極に連なるリード配線の接続端子列を形成した一方のガラス基板2の延出部2aに、異方性導電接着シート12を介してドライバチップ10とフレキシブル配線基板11が、前工程でそれぞれ熱圧着接合されている。加熱チャンバ14内の雰囲気温度を100〜110℃に調整し、この雰囲気内にそれら液晶表示モジュールMLを30〜120分間にわたり載置することにより、異方性導電接着シート12を未硬化部分を残すことなく充分に硬化させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 実装部品と回路基板とを熱硬化性樹脂材料中に複数の導電性粒子を含有させてなる異方性導電接着材を介在させて接合し、前記実装部品の接続端子と前記回路基板の対応する配線端子とを前記導電性粒子を介して導通接続させる実装部品の導通接合方法であって、 前記実装部品を前記回路基板に前記異方性導電接着材を介して加熱しつつ加圧して接合した後、 更に、前記異方性導電接着材を所定温度で所定時間だけ加熱することを特徴とする実装部品の導通接合方法。 【請求項2】 前記実装部品が接合された複数の前記回路基板を雰囲気温度が所定範囲に調整されているチャンバ内に所定時間だけ載置することを特徴とする請求項1に記載の実装部品の導通接合方法。 【請求項3】 表面側に前記実装部品が接合される前記回路基板における前記実装部品が接合された部品接合領域の裏側から前記異方性導電接着材を所定の温度で所定時間だけ加熱することを特徴とする請求項1に記載の実装部品の導通接合方法。 【請求項4】 ヒータを内蔵した加熱体を前記回路基板の部品接合領域の裏側に接触させ、前記異方性導電接着材を所定の温度で所定時間加熱することを特徴とする請求項3に記載の実装部品の導通接合方法。 【請求項5】 前記回路基板は透明であり、この回路基板の前記部品接合領域の裏側から赤外線を照射し、前記異方性導電接着材を所定の温度で所定時間だけ加熱することを特徴とする請求項3に記載の実装部品の導通接合方法。 【請求項6】 実装部品と回路基板とを熱硬化性樹脂材料中に複数の導電性粒子を含有させてなる異方性導電接着材を介在させて接合し、前記実装部品の接続端子と前記回路基板の対応する配線端子とを前記導電性粒子を介して導通接続させる実装部品の導通接合方法であって、 前記実装部品を前記回路基板の前記配線端子が形成されている表側の所定位置に異方性導電接着材を介して配置し、 配置された前記実装部品を加圧して前記回路基板に圧着接合するのに併行して、 前記回路基板の裏側から前記異方性導電接着材を所定温度で所定時間だけ加熱することを特徴とする実装部品の導通接合方法。 【請求項7】 前記回路基板は透明であり、この回路基板の前記部品接合領域の裏側から赤外線を照射し、前記異方性導電接着材を所定の温度で所定時間だけ加熱することを特徴とする請求項6に記載の実装部品の導通接合方法。 【請求項8】 前記回路基板は液晶素子において液晶を挟持すると共に液晶を駆動するための電極がそれぞれに形成された一対の基板のうちの一方の基板であり、前記実装部品は外部回路から入力される駆動制御信号に応じて前記電極に液晶を駆動するための信号電圧を出力するドライバチップであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうちの何れかに記載の実装部品の導通接合方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、半導体チップやフレキシブル配線基板等の実装部品を異方性導電接着材を用いて回路基板上に搭載する方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、半導体チップやフレキシブル配線基板等の実装部品を、高密度に配線が形成された回路基板に搭載する際の導通接合部材として、異方性導電接着材がよく用いられる。この異方性導電接着材は、通常、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分としたベース材料に粒径が2〜10μm程度の導電性粒子を樹脂全体にわたって均一に分散混合させてなり、実装部品を回路基板に接着するとともに、実装部品側の接続端子と回路基板側の対応する配線の接続端子とを上記導電性粒子を介して導通接続するものである。 【0003】 上述の異方性導電接着材を用いて実装部品として例えば突起電極を備えた半導体チップを回路基板に搭載するには、特許文献1の図11にも示されているように、半導体チップの突起電極形成面と同じか或いはその全周にわたって一定幅だけ食み出す程度に大きい面積の異方性導電接着材を回路基板との間に介在させ、半導体チップの上から加熱圧着ツールで加熱しながら加圧し、各突起電極先端面と回路基板上の対応する配線の接続端子面との間に複数の導電性粒子を挟持させて両電極を確実に導通させるとともに、熱硬化性樹脂を硬化させて半導体チップと回路基板とを強固に接着する。 【0004】 ここで、異方性導電接着材として半導体チップの突起電極形成面より大きい面積のものを用いるのは、異方性導電接着材を回路基板上の半導体チップ搭載位置に配置した際に配置ズレが発生しても、全ての突起電極と対応する接続端子とを常に異方性導電接着材を介して確実に導通接続できるように、そのズレ幅を吸収できる大きさを必要とするからである。 【0005】 周縁部が半導体チップの電極形成面から食み出す程度に大きい面積の異方性導電接着材を介在させた状態で、半導体チップ上面を加熱圧着ツールで加熱しながら加圧すると、加熱圧着ツールの熱が半導体チップを介して異方性導電接着材に伝導し、熱硬化性樹脂を硬化させる。しかし、異方性導電接着材のうちの電極形成面から食み出した周縁部分には、熱が伝導し難く、未硬化の熱硬化性樹脂が残っている。 【0006】 そして、上述の半導体チップ熱圧着搭載工程が終了した後は、回路基板上の配線の腐食を防止する為、防湿コート剤を塗布する。この防湿コート剤は、通常、半導体チップの電極形成面から食み出した異方性導電接着材上も含めて半導体チップ搭載領域を除く回路基板上の略全面に、塗布される。 【0007】 しかし、上記防湿コート剤は長期にわたり完全に水分の浸透を遮断できるものではなく、経時的に水分が内部に浸入してくる。熱硬化性樹脂が未硬化のままの食み出した異方性導電接着材部分に水分が浸透すると、ベース材料中に含まれている不純物イオンの例えば塩素イオン等が水分中に溶け出し、これがアルミニウム等からなる配線と反応して塩化物を生成し、配線の所謂電食による断線が発生する。また、水分が浸透した異方性導電接着材は絶縁性が低下し、配線間では導電性粒子を介してショートし易くなっており、配線間でショートが発生すると、上記塩化物の生成反応が助長され、配線の電食による断線がより発生し易くなる。 【特許文献1】特開平11−204567号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明は、異方性導電接着材を未硬化部分が残らないように充分に硬化させることができ、未硬化の異方性導電接着材に起因する電食による配線の断線を確実に防止できる実装部品の導通接合方法を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記課題を解決するため、一方の発明の実装部品の導通接合方法は、実装部品と回路基板とを熱硬化性樹脂材料中に複数の導電性粒子を含有させてなる異方性導電接着材を介在させて接合し、前記実装部品の接続端子と前記回路基板の対応する配線端子とを前記導電性粒子を介して導通接続させる実装部品の導通接合方法であって、前記実装部品を前記回路基板に前記異方性導電接着材を介して加熱しつつ加圧して接合した後、更に、前記異方性導電接着材を所定温度で所定時間だけ加熱することを特徴とするものである。 【0010】 また、他方の発明の実装部品の導通接合方法は、実装部品と回路基板とを熱硬化性樹脂材料中に複数の導電性粒子を含有させてなる異方性導電接着材を介在させて接合し、前記実装部品の接続端子と前記回路基板の対応する配線端子とを前記導電性粒子を介して導通接続させる実装部品の導通接合方法であって、前記実装部品を前記回路基板の前記配線端子が形成されている表側の所定位置に異方性導電接着材を介して配置し、配置された前記実装部品を加圧して前記回路基板に圧着接合するのに併行して、前記回路基板の裏側から前記異方性導電接着材を所定温度で所定時間だけ加熱することを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0011】 一方の発明の実装部品の導通接合方法によれば、実装部品を異方性導電接着材を介して回路基板に熱圧着した後に更に異方性導電接着材を再加熱するから、異方性導電接着材中の熱硬化性樹脂を未硬化部分を残すことなく充分に硬化させることができる。その結果、未硬化の熱硬化性樹脂が原因となって起こる電食反応による配線の断線を確実に防止することができる。 【0012】 また、他方の発明の実装部品の導通接合方法によれば、実装部品を異方性導電接着材を介して回路基板に表側から圧着するのに併行して異方性導電接着材を圧着側とは反対側の裏側から加熱するから、実装部品を加圧してその圧着が終了すると共に異方性導電接着材中の熱硬化性樹脂を未硬化部分が残らないように充分に且つ時間をかけず効率良く硬化させることができる。その結果、新たに再加熱のための工程を増やすことなく、未硬化の熱硬化性樹脂が原因となって起こる電食反応による配線の断線を確実に防止することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 一方の発明の実装部品の導通接合方法においては、実装部品が異方性導電接着材を介して熱圧着接合された複数の回路基板を雰囲気温度が所定範囲に調整されているチャンバ内に所定時間だけ載置して再加熱することが好ましく、これにより、実装部品が接合された複数の回路基板に対し一括して再加熱処理ができ、その結果、回路基板1個当たりの実装部品を搭載するために要する工数が大幅に低減される。 【0014】 また、この実装部品の導通接合方法では、表面側に実装部品が接合される回路基板における実装部品が接合された部品接合領域の裏側から異方性導電接着材を所定の温度で所定時間だけ加熱することが好ましく、これにより、異方性導電接着材中の未硬化熱硬化性樹脂をエネルギー効率良く確実に硬化させることができる。この場合、基板の部品接合領域の裏側に、ヒーターを内蔵した加熱体を当接させるか或いは赤外線を照射して異方性導電接着材を加熱するのが良く、これにより、より効率良く且つ簡単な操作で未硬化熱硬化性樹脂を確実に硬化させることができる。 【0015】 他方の発明の実装部品の導通接合方法においては、回路基板を透明とし、回路基板の表側に実装部品を熱圧着接合するのに併行して、この回路基板の部品接合領域の裏側から赤外線を照射し、異方性導電接着材を所定の温度で所定時間だけ加熱することが好ましく、これにより、工程数を増やすことなく異方性導電接着材中の熱硬化性樹脂をエネルギー効率良く未硬化部分を残さずに充分に硬化させることができる。 【0016】 そして、上述した双方の発明の実装部品の導通接合方法は、共に、液晶を挟持すると共に液晶を駆動するための電極がそれぞれに形成された液晶素子における一対の基板のうちの一方の基板に、外部回路から入力される駆動制御信号に応じて前記電極に液晶を駆動するための信号電圧を出力するドライバチップを異方性導電接着材を介して導通接合する工程に好適に適用でき、これにより、高精細液晶素子に対してもドライバチップを異方性導電接着材を用いて容易且つ確実に導通接合できるとともに、異方性導電接着材中の熱硬化性樹脂を未硬化部分が残らないように充分に硬化させることができる。その結果、液晶素子が高精細化しても、未硬化の熱硬化性樹脂を起因とする電極配線のショートや電食による断線の発生が確実に防止される。 【0017】 以下、本発明の好適な実施形態について説明する。 図1は一方の発明の第1実施形態としての異方性導電接着材の再加熱工程を示す説明図で、図2はその要部を拡大して示す斜視図、図3は上記再加熱工程に供される液晶表示モジュールMLの構成を模式的に示す図2のIII−III線断面図である。 【0018】 図3に示すように、本再加熱工程に供される液晶表示モジュールMLは、一対のガラス基板1、2を枠状シール材3により所定の間隙を保って接合し、一対のガラス基板1、2の各対向面と枠状シール材3で囲まれた空間に液晶Lが封入されて成る。一対のガラス基板1、2の各対向面には、液晶を駆動するための電極4、5がそれぞれ配設されており、これら電極4、5の対向部が画素となる。また、一対のガラス基板1、2の対向面とは反対側の各外面には、偏光シート6、7がそれぞれ貼着されている。 【0019】 一対のガラス基板1、2のうちの一方のガラス基板2は、その一縁辺部を他方のガラス基板1の対応する一辺の端面から適長延出させて、大きく形成されている。この延出部2aの表面(対向面側)には、電極4、5から引き出されたリード配線8や外部駆動制御回路(不図示)に電気接続するための接続配線9が配設されている。そして、このガラス基板延出部2a上には、電極4、5に信号電圧を印加して液晶Lを駆動するためのドライバチップ10がCOG(Chip On Glass)方式により直接搭載され、また、外部駆動制御回路(不図示)に電気接続するコネクタ部材としてのフレキシブル配線基板11がドライバチップ10に近い基板縁部に設置されている。これらドライバチップ10とフレキシブル配線基板11は、共通の異方性導電接着シート12を介して延出部2aの表面に形成された各配線8、9の対応する接続端子8a、9a、9bにそれぞれ導通接合されている。 【0020】 異方性導電接着シート12は、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂からなるベース接着剤12a中に導電性粒子12bが分散混合されてなる。ドライバチップ10を導通接合する際は、その端子突起電極としてのバンプ10aが異方性導電接着シート12を介して対応する接続端子8a、9a上に位置するようにドライバチップ10を配置した後、ヒータチップ等の熱圧着ツールでドライバチップ10を加熱しつつ圧着する。 【0021】 また、フレキシブル配線基板11を導通接合する際も、その配線の接続端子部11aが異方性導電接着シート12を介して対応する接続端子9b上に位置するようにフレキシブル配線基板11を配置し、同様にヒータチップ等でフレキシブル配線基板11を加熱しつつ圧着する。 【0022】 ドライバチップ10とフレキシブル配線基板11がそれぞれ熱圧着されることにより、ベース接着剤12aが硬化してドライバチップ10及びフレキシブル配線基板11が基板延出部2aに接着されるとともに、ドライバチップ10のバンプ10aと対応する接続端子8a、9a及びフレキシブル配線基板11の接続端子部11aと対応する接続端子9bが、間に挟持する複数の導電性粒子12bを介してそれぞれ導通接続される。 【0023】 そして、基板延出部2a上におけるドライバチップ10とフレキシブル配線基板11の配設部以外の領域、つまり異方性導電接着シート12や配線8、9の露出領域には、防湿保護膜13が被着されている。この防湿保護膜13は、配線8、9が雰囲気中の水分等の付着により腐食され断線する不具合を防止するために被着するものであるが、防湿性は完全なものではない。 【0024】 したがって、液晶表示モジュールMLの使用環境状態や時間の経過とともに水分が上記防湿保護膜13を浸透して異方性導電接着シート12に達することがある。ここで、異方性導電接着シート12のベース接着剤12aに未硬化部分が存在すると、この未硬化部分が水分を吸収しイオン性不純物を発生させて電食反応を引き起こし、配線8、9を断線させる原因となる。そこで、本実施形態においては、ドライバチップ10とフレキシブル配線基板11の熱圧着による接合工程を終えた液晶表示モジュールMLを図1に示すように加熱チャンバ14内に載置して再加熱し、異方性導電接着シート12のベース接着剤12aを未硬化部分が存在しない状態まで充分に硬化させる。 【0025】 図1及び図2に示すように、加熱チャンバ14内には、複数の液晶表示モジュールMLを適長間隙を空け立てた状態で支持するためのスタンド15が、配置されている。スタンド15は、ベース15aの表面に弾性金属材で形成した複数の支持片15bを所定位置に立設して構成されている。これら支持片15bは、一対づつ互いに反対向きに所定の間隔を空けて対向立設され、複数のパネル挟持具Spが形成されている。これらパネル挟持具Spは、一定のピッチで2列に配設されている。異なる列の対向する一対のパネル挟持具Sp、Spにより、1枚の液晶表示モジュールMLが挟持される。 【0026】 液晶表示モジュールMLを再加熱するには、まず、加熱チャンバ14外にスタンド15を取り出し、これにドライバチップ10とフレキシブル配線基板11が熱圧着された液晶表示モジュールMLをセットする。この場合、各液晶表示モジュールMLの両側部を、一対のパネル挟持具Sp、Spそれぞれの対向する支持片15b、15b間に挿入する。この支持片15b、15b間の間隔は、液晶表示モジュールMLにおけるパネル部Pの厚さよりも若干小さく設定されている。したがって、挿入された液晶表示モジュールMLは、パネル部Pの両側部を一対のパネル挟持具Sp、Spによりそれらの材質自体の弾発力により挟圧され支持されている。この場合、パネル挟持具Sp、Spにより挟持される部分はパネル部Pの表示領域から外れた両側部であるため、たとえ不用意に液晶表示モジュールMLを挿入して支持片15bによりパネル部P表面に僅かに傷が付いても、その傷の位置は表示領域外のシールドケースによって被われる部分であるから、製品として支障を来たす虞はない。 【0027】 次に、図1に示すように、複数の液晶表示モジュールMLが同一ピッチで支持されたスタンド15を、加熱チャンバ14内の載置台14a上に載置する。このとき、加熱チャンバ14内の雰囲気温度を、100〜110℃に調整しておく。そして、この100〜110℃の雰囲気中に、液晶表示モジュールMLの大きさ等によって異方性導電接着シート12のベース接着材12aが完全硬化する時間は異なるが、それら液晶表示モジュールMLを30〜120分間にわたり載置する。ここで、加熱チャンバ14内の雰囲気温度を100〜110℃に調整するのは、ポリカーボネイト等の樹脂シートからなる偏光シート6、7の軟化温度が約120℃程度であるため、110℃より高い温度に設定すると偏光シート6、7が変形する虞があるからである。 【0028】 上述の再加熱時間が経過したら、供された複数の液晶表示パネルMLをスタンド15に支持されたまま加熱チャンバ14からスタンドごと取り出し、冷却して再加熱工程は終了する。なお、複数の液晶表示モジュールMLを支持する方式としては、本実施形態のスタンド15を用いる方式にかぎらず、筐体の側面に複数の挿持溝を形成したマガジンラックを用いる方式としてもよい。 【0029】 以上の様に、本実施形態の再加熱方法によれば、複数の液晶表示モジュールMLを一括して所望の温度範囲に正確に再加熱できるから、液晶表示モジュールMLの1個当たりの再加熱処理に要する工数が大幅に低減され、異方性導電接着シート12が未硬化部分を残すことなく充分に硬化された液晶表示モジュールMLを少ない工数で能率良く製造することができる。 【0030】 次に、一方の発明の第2実施形態について、図4の説明図に基づき説明する。なお、以下の実施形態において、上記第1実施形態と同一の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。 【0031】 本実施形態の再加熱処理工程においては、液晶表示モジュールMLのドライバチップ10とフレキシブル配線基板11等の実装部品が熱圧着接合された領域、つまり基板延出部2aだけを選択的に再加熱する。 【0032】 図4に示されるように、本再加熱処理工程へ枚葉式に1個づつ供給される液晶表示モジュールMLは、パネル部Pの液晶を挟持する本体部分がメインテーブル20上に載置され、ドライバチップ10とフレキシブル配線基板11とが熱圧着接合された基板延出部2aが、それら実装部品が搭載される表面とは反対側の平坦な裏面をサブテーブル21により支持されている。 【0033】 サブテーブル21の基板延出部2aの裏面に当接させる先端部は、ヒーターを内蔵するヒーターブロック21aに構成されており、その平坦な先端面を基板延出部2aの平坦な裏面に密着させて異方性導電接着シート12を裏側から再加熱する。このヒーターブロック21aによる再加熱においては、ヒーターブロックの温度を160±20℃に調整し、これを基板延出部2aに12.5±2秒間にわたり当接させて加熱する。これにより、当接時間の始めの約6秒間で基板延出部2aの裏面から表面側に熱が伝達して異方性導電接着シート12を160±20℃に昇温させる。そして、この後、約6.5秒間にわたる加熱により異方性導電接着シート12が160±20℃に保持され、エポキシ樹脂からなるベース接着剤12aが未硬化部分を残すことなく充分に硬化する。 【0034】 以上のように、本実施形態の再加熱処理工程によれば、異方性導電接着シート12が配置されている基板延出部2aだけを局部的に比較的高い温度により短時間で再加熱するから、枚葉式処理であっても1個の液晶表示モジュールMLを再加熱処理するのに要する時間は上述した第1実施形態の一括処理方式と略同じである。この場合、ヒーターブロック21aの平坦な先端面を当接させる基板延出部2aの裏面も平坦面であるから、両面は隙間無く密着し、ヒーターブロック21aの熱が効率良く基板延出部2aに伝導される。また、ヒーターブロック21aを偏光シート6、7の軟化温度(約120℃)より高温の160±20℃に昇温させるが、ヒーターブロック21aの当接領域を再加熱が必要な基板延出部2aに限定し且つ加熱時間も短時間であるため、偏光シート6、7が120℃以上に加熱されて変形する虞はない。 【0035】 次に、一方の発明の第3実施形態について、図5に基づき説明する。 本実施形態の再加熱処理工程においては、異方性導電接着シート12が配置されている基板延出部2aだけを選択的に再加熱する手段として、赤外線照射装置30を用いる。 【0036】 図5に示すように、液晶表示モジュールMLは本再加熱処理工程へ枚葉式に1個づつ供給され、その液晶表示モジュールMLの液晶を挟持するパネル本体部分がパネル固定テーブル31上に載置され図示しない固定具で固定されており、ドライバチップ10とフレキシブル配線基板11とが異方性導電接着シート12を介して熱圧着接合された基板延出部2aが、固定テーブル31の側面から突き出されている。この突き出された基板延出部2aの下方に赤外線照射装置30が設置されている。 【0037】 赤外線照射装置30は、赤外線ランプ30aとこの反投射側の周囲に設けられたリフレクタ30bを備えており、赤外線ランプ30aから射出された赤外線を直接或いはリフレクタ30bに反射させて、基板延出部2aの裏面に向けて投射する。投射された赤外線は、透明なガラス基板2を透過して異方性導電接着シート12に達し、これを加熱する。 【0038】 本実施形態における赤外線の照射による再加熱においては、まず、5〜7秒間程度の赤外線照射により異方性導電接着シート12を160〜200℃に昇温させる。これに連続してさらに赤外線照射を4.5〜10秒間行い、異方性導電接着シート12を160〜200℃に保持する。これにより、エポキシ樹脂からなるベース接着剤12aが未硬化部分を残すことなく充分に硬化する。 【0039】 以上のように、本実施形態の再加熱処理工程によれば、異方性導電接着シート12が配置されている基板延出部2aだけに赤外線を照射して局部的に比較的高い温度により短時間で再加熱するから、枚葉式処理であっても1個の液晶表示モジュールMLを再加熱処理するのに要する時間は上述した第1実施形態の一括処理方式と略同じである。また、透明なガラス基板2の基板延出部2aの裏面から障害物に遮られることなく赤外線を異方性導電接着シート12に限定的に照射できるから、その輻射熱はガラス基板2や障害物に吸収されたり反射されることも無く効率良く異方性導電接着シート12の再加熱に用いられる。したがって、透明なガラス基板2が赤外線の輻射熱により加熱され、このガラス基板2を介して偏光シート6、7が120℃以上に加熱され変形する虞はない。 【0040】 つぎに、他方の発明の実施形態について、図6に基づき説明する。 本実施形態においては、ドライバチップ10を圧着接合するのに併行して、基板延出部2aを裏面から加熱して異方性導電接着シート12を充分に硬化させ、ドライバチップ10を所定位置に確実に熱圧着接合する。 【0041】 図6において、まず、フレキシブル配線基板11が別工程で既に熱圧着接合されている液晶表示モジュールMLを、枚葉式に1個づつパネル固定テーブル40上に載置し図示しない固定具で固定する。このとき、液晶表示モジュールMLのパネル固定テーブル40の側面から突き出した基板延出部2aは、その裏面をサイドテーブル41の透明な支持板41aにより支持されている。 【0042】 基板延出部2aの支持板41aを介した下方には、第3実施形態で用いたものと同じ構成の赤外線照射装置42が設置されている。この赤外線照射装置42により投射された赤外線は、透明な支持板41aとガラス基板2を透過して異方性導電接着シート12に達し、これを加熱する。 【0043】 上述のような状態下において、異方性導電接着シート12aを基板延出部2a表面のドライバチップ搭載領域を覆う所定位置に配置し、この異方性導電接着シート12a上にドライバチップ10を位置合せしつつ所定位置に正確に配置する。 【0044】 次いで、図6に示すように、加圧ツール43をドライバチップ10に当接させて加圧し、これに併行して、基板延出部2aに裏面から赤外線照射装置42によって異方性導電接着シート12a全体に赤外線を照射し、その輻射熱により異方性導電接着シート12aを180〜240℃に昇温させ、この温度を4.5〜15秒間にわたり保持して、異方性導電接着シート12a中のエポキシ樹脂を充分に硬化させる。これにより、ドライバチップ10は基板延出部2aの対応する接続端子部に導通接合されるとともに強固に接着される。これにより、液晶表示モジュールMLにおけるドライバチップ10とフレキシブル配線基板11の搭載が完了する。 【0045】 以上のように、本実施形態のドライバチップ熱圧着工程においては、従来の方法のようにヒータチップにより圧着と加熱を同じ側から同時に行うのではなく、異方性導電接着シート12a全体をドライバチップ10を圧着する側とは反対側の裏側から赤外線照射により均一に加熱するから、異方性導電接着シート12a中の熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を未硬化部分を残すことなく充分に硬化させることができる。 【0046】 また、上述のドライバチップ10の熱圧着の際に、既に熱圧着接合されているフレキシブル配線基板11側の異方性導電接着シート12bにも赤外線を照射すれば、この異方性導電接着シート12bの再加熱も同時に行うことができる。これにより、双方の異方性導電接着シート12a、12b中の熱硬化性樹脂が共に未硬化部分を残すことなく充分に硬化され、その未硬化部分に起因する配線の電食反応による断線の発生が確実に防止される。 【0047】 さらに、本実施形態の方法によれば、再加熱工程を新たに設けずに、双方の異方性導電接着シート12a、12bを未硬化部分が残存しないように充分に硬化させることができ、信頼性に優れる液晶表示モジュールMLの製造工数を大幅に低減させることが可能となる。 【0048】 なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、一方の発明の第1乃至第3の実施形態においてはドライバチップ10とフレキシブル配線基板11を導通接合するのに共通の異方性導電接着シート10を介在させたが、価格や材質等の条件の面でドライバチップ10とフレキシブル配線基板11の各接合に適した別個の異方性導電接着シートを、それぞれの搭載位置に配置してもよいことは勿論である。 【0049】 また、他方の発明の実施形態においては、基板延出部裏面から異方性導電接着シート12を加熱する手段として赤外線照射装置を用いたが、これに限らず、図7に示すように、図4に示した実施形態と同様のヒータブロックを用いて基板延出部裏面を支持すると共に加熱する構成としてもよい。 【0050】 さらに、他方の発明の実施形態において、ドライバチップ10とフレキシブル配線基板11とを共通の異方性導電接着材12を介して導通接合することも可能である。この場合、基板表側でのドライバチップ10とフレキシブル配線基板11に対する加圧を同時に行いこれに併行して基板裏側から共通の異方性導電接着材を加熱すればよい。 【0051】 加えて、上述した双方の発明は、共に、液晶表示パネルの接続端子列部にドライバチップやフレキシブル配線基板を導通接合する場合に限らず、それら以外の種々の実装部品を液晶表示パネル以外の種々の電子機器に異方性導電接着材を介して導通接合する場合に広く適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0052】 【図1】一方の発明における第1実施形態としての液晶表示モジュールの再加熱工程を示す説明図である。 【図2】上記再加熱工程の要部を拡大して示す斜視図である。 【図3】上記再加熱工程で処理される液晶表示モジュールの構成を模式的に示す図2のIII−III線断面図である。 【図4】一方の発明における第2実施形態としての液晶表示モジュールの再加熱工程を示す説明図である。 【図5】一方の発明における第3実施形態としての液晶表示モジュールの再加熱工程を示す説明図である。 【図6】他方の発明の一実施形態としての液晶表示モジュールの熱圧着工程を示す説明図である。 【図7】上記実施形態の変形例としての液晶表示モジュールの熱圧着工程を示す説明図である。 【符号の説明】 【0053】 1、2 ガラス基板 3 シール材 4、5 電極 6、7 偏光シート 8 リード配線 9 接続配線 10 ドライバチップ 11 フレキシブル配線基板 12 異方性導電接着シート 13 防湿保護膜 14 加熱チャンバ 15 スタンド 20 メインテーブル 21 サブテーブル 21a ヒーターブロック 30、42 赤外線照射装置 40 パネル固定テーブル 41 サイドテーブル 43 加圧ツール L 液晶 P パネル部 ML 液晶表示モジュール
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001443 【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区本町1丁目6番2号
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| 【出願日】 |
平成15年10月31日(2003.10.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−136257(P2005−136257A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−371708(P2003−371708) |
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