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【発明の名称】 回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュール並びに実装モジュール製造方法および実装モジュール
【発明者】 【氏名】田中 孝
【住所又は居所】東京都港区東新橋1丁目7番地3号 トッパン・フォームズ株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、所定のパターンラインを交差させて回路形成する回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュール等に関し、製造工程を削減してコスト低減、スループットの向上を図ることを目的とする。

【解決手段】回路パターン形成モジュール11を、一方面に接着剤層14が形成された絶縁性の第1および第2の基材12,13に、アンテナ部15と延長部17,18とを接続させる対応部分で貫通部16A,16B,17A,18Aが形成され、当該第1および第2の基材の他方面のそれぞれに上記アンテナ部および延長部が導電性部材により一対で形成されるときに上記貫通部に当該導電性部材を充満させ、当該第1および第2の基材の接着剤層同士を対向させ、重ね合わせて接着させることで対向する当該貫通部に充満された導電性部材同士で導通状態とさせた構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも絶縁性の基材上に所定パターンの回路部が形成されて、当該回路部の所定部分間を所定数の延長部で短絡させた回路パターン形成モジュールを形成する回路パターン形成方法であって、
枚葉の第1および第2の基材、または連接された第1および第2の基材の一方面に接着剤層が形成されるステップと、
前記第1および第2の基材に、前記回路部と延長部とが接続される対応部分に所定数の貫通部が形成されるステップと、
前記第1および第2の基材の他方面のそれぞれに、前記回路部および延長部が導電性部材により一対で形成されると共に、形成された前記貫通部に当該導電性部材が充満されるステップと、
前記第1および第2の基材の前記接着剤層同士を対向させて重ね合わせた後に、当該接着剤層で接着させることで対向する前記貫通部に充満された導電性部材同士が導通状態とされるステップと、
を含むことを特徴とする回路パターン形成方法。
【請求項2】
請求項1記載の回路パターン形成方法であって、前記第1および第2の基材が連接されたものである場合に、当該第1および第2の基材が連続状とされた状態で供給され、少なくとも前記接着剤層同士で接着させる前段階で上記連続状より上記第1および第2の基材として単体とされることを特徴とする回路パターン形成方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の回路パターン形成方法であって、前記第1および第2の基材を一単位として当該第1および第2の基材に所定数の前記回路部および対応する延長部が形成され、前記接着剤層による接着後に、一対の回路部および対応の延長部毎に分離されることを特徴とする回路パターン形成方法。
【請求項4】
請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の回路パター形成方法により形成される回路パターン形成モジュールの回路上に所定数の電子部品を実装させる実装モジュール製造方法であって、前記接着剤層により前記対向する貫通部に充満された導電性部材同士を導通状態とさせるステップの前工程、または後工程で前記所定数の電子部品を、前記延長部を介して形成される回路上の、前記第1および第2の基材の少なくとも何れかに実装させることを特徴とする実装モジュール製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の回路パターン形成方法により製造されるもので、所定パターンの回路部が形成され、当該回路部の所定部分間を所定数の延長部で短絡させる回路パターン形成モジュールであって、
一方面上に所定パターンの回路部が導電性部材により形成されると共に、当該回路部の前記延長部を接続される所定数の部分に、所定数の貫通部が形成され、当該貫通部に上記導電性部材が充満される第1の基材と、
一方面上に、前記第1の基材上に形成される回路部の所定部分を短絡させる延長部が導電性部材により形成されると共に、当該延長部の当該回路部との接続部分に所定数の貫通部が形成され、当該貫通部に上記導電性部材が充満される第2の基材と、
前記第1の基材の他方面と前記第2の基材の他方面とを接着させるもので、接着後に対向する互いの前記貫通部に充満された導電性部材同士を導通状態とさせる接着剤層と、
を有することを特徴とする回路パターン形成モジュール。
【請求項6】
請求項5記載の回路パターン形成モジュールに所定の電子部品が実装された実装モジュールであって、前記延長部を介して形成される回路上の、前記第1および第2の基材の少なくとも何れかに所定の電子部品が実装されることを特徴とする実装モジュール。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のパターンラインを交差させて回路形成する回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュール並びに実装モジュール製造方法および実装モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばRF−ID(Radio Frequency Identification)と称される非接触型識別媒体(非接触型ICカード等)に関する技術が急速に進歩してきており、その使用も多岐にわたっている。このようなRF−IDは、基材にアンテナ部となる回路パターンを形成してICチップを搭載したインレットと称されるものを他のベース基材に貼着して作製される。このようなRF−IDを含めて所定の回路パターンを形成する際の製造工程の削減、スループットの向上等が望まれている。
【0003】
例えば、上記RF−IDにおいては、インレットにおいて通信のためにアンテナ部の回路パターンを複数巻回してループ状に形成するのが一般的であり、パターンの両端の端子間にICチップを搭載するためにはパターンラインを交差させる必要がある。このような回路パターンの形成について、以下の特許文献にその形態や製造方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−288612号公報
【特許文献2】特開2002−294197号公報
【0005】
上記特許文献1には、いわゆる荷物用タグとして非接触型ICカードが開示されており、その構造としてシート基材面に形成されたアンテナ部の両ランド部間に絶縁層を介在させてICチップが実装されたインターポーザを貼着させたものである。また、上記特許文献2には、非接触型ICメディア貼り合わせ用接着剤が開示されており、その製造工程として基材の一方の半分にアンテナ部を形成すると共に、ICチップを実装し、他の半分にはジャンパ部および絶縁層を形成し、そして貼り合わせ用接着剤を塗布して折り曲げ貼り合わせることによりジャンパ部によってICチップの一方端子とアンテナ部の端子とを短絡させたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1、2に示される非接触型のICカード等のように、巻回形態の回路パターンを形成させるなどのパターンラインを交差させなければならない場合には、交差させる部分に絶縁層を形成し、当該絶縁層上にジャンパラインを形成させることで多層構造のものとしている。すなわち、上記パターンラインを交差させる場合には絶縁層を形成させなければならず、その分の製造工程を必要とすると共に、絶縁層形成のための設備を必要となってコスト高、スループットの低下を招くという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、製造工程を削減してコスト低減、スループットの向上を図る回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュール並びに実装モジュール製造方法および実装モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、少なくとも絶縁性の基材上に所定パターンの回路部が形成されて、当該回路部の所定部分間を所定数の延長部で短絡させた回路パターン形成モジュールを形成する回路パターン形成方法であって、枚葉の第1および第2の基材、または連接された第1および第2の基材の一方面に接着剤層が形成されるステップと、前記第1および第2の基材に、前記回路部と延長部とが接続される対応部分に所定数の貫通部が形成されるステップと、前記第1および第2の基材の他方面のそれぞれに、前記回路部および延長部が導電性部材により一対で形成されると共に、形成された前記貫通部に当該導電性部材が充満されるステップと、前記第1および第2の基材の前記接着剤層同士を対向させて重ね合わせた後に、当該接着剤層で接着させることで対向する前記貫通部に充満された導電性部材同士が導通状態とされるステップと、を含む構成とする。
【0009】
請求項2、3の発明では、「前記第1および第2の基材が連接されたものである場合に、当該第1および第2の基材が連続状とされた状態で供給され、少なくとも前記接着剤層同士で接着させる前段階で上記連続状より上記第1および第2の基材として単体とされる」構成であり、
「前記第1および第2の基材を一単位として当該第1および第2の基材に所定数の前記回路部および対応する延長部が形成され、前記接着剤層による接着後に、一対の回路部および対応の延長部毎に分離される」構成である。
【0010】
請求項4の発明では、請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の回路パター形成方法により形成される回路パターン形成モジュールの回路上に所定数の電子部品を実装させる実装モジュール製造方法であって、前記接着剤層により前記対向する貫通部に充満された導電性部材同士を導通状態とさせるステップの前工程、または後工程で前記所定数の電子部品を、前記延長部を介して形成される回路上の、前記第1および第2の基材の少なくとも何れかに実装させる構成とする。
【0011】
請求項5の発明では、請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の回路パターン形成方法により製造されるもので、所定パターンの回路部が形成され、当該回路部の所定部分間を所定数の延長部で短絡させる回路パターン形成モジュールであって、一方面上に所定パターンの回路部が導電性部材により形成されると共に、当該回路部の前記延長部を接続される所定数の部分に、所定数の貫通部が形成され、当該貫通部に上記導電性部材が充満される第1の基材と、一方面上に、前記第1の基材上に形成される回路部の所定部分を短絡させる延長部が導電性部材により形成されると共に、当該延長部の当該回路部との接続部分に所定数の貫通部が形成され、当該貫通部に上記導電性部材が充満される第2の基材と、前記第1の基材の他方面と前記第2の基材の他方面とを接着させるもので、接着後に対向する互いの前記貫通部に充満された導電性部材同士を導通状態とさせる接着剤層と、を有する構成とする。
【0012】
請求項6の発明では、請求項5記載の回路パターン形成モジュールに所定の電子部品が実装された実装モジュールであって、前記延長部を介して形成される回路上の、前記第1および第2の基材の少なくとも何れかに所定の電子部品が実装される」構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一方面に接着剤層が形成された第1および第2の基材に、回路部と延長部とが接続される対応部分に所定数の貫通部が形成され、当該第1および第2の基材の他方面のそれぞれに回路部および延長部が導電性部材により一対で形成されると共に、形成された貫通部に当該導電性部材が充満され、当該第1および第2の基材の接着剤層同士を対向させて重ね合わせた後に、当該接着剤層で接着させることで対向する貫通部に充満された導電性部材同士が導通状態とさせる回路パターン形成方法で回路パターン形成モジュールを作製することにより、延長部が形成された第1または第2の基材が絶縁層となることから、別に延長部を形成するための絶縁層の形成を不要とすることができ、製造工程が削減されて製造コストを低減させることができ、スループットを向上させることができるものである。
【0014】
また、上記のような回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュールに電子部品を実装させて実装モジュールとすることにより、当該回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュールによる製造コストの削減、スループットの向上によって結果的に当該実装モジュール作製の製造コストの削減、スループットの向上が図られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。本実施形態では、RF−ID等の非接触型ICメディアに搭載されるアンテナモジュール、これにICチップを実装させたICモジュールを作製する場合を例として説明する。
【0016】
図1に、本発明に係る回路パターン形成モジュールの第1実施形態の構成図を示す。図1(A)は回路パターン形成モジュールとしてのアンテナモジュールの表面の斜視構成図、図1(B)はアンテナモジュールの裏面の斜視構成図、図1(C)は図1(A)(B)のA−A断面図である。図1(A)〜(C)において、回路パターン形成モジュールとしてのアンテナモジュール11は、図1(A)に示すように、フィルムまたは紙材等の絶縁性の第1および第2の基材12,13が図1(C)に示す接着剤層14により重ね合わせ接着されたもので、第1の基材12に回路部であるアンテナ部15が所定数巻回された形態で形成されたものである。このアンテナ部15が形成された面をアンテナモジュール11の表面とする。
【0017】
当該アンテナモジュール11の表面に形成された上記アンテナ部15は、導電性部材、例えば従前より知られている導電性インキを用いて例えばスクリーン印刷により形成されたものでる。導電性インキとしては、例えば通常スクリーン印刷に使用されるインキに導電性金属粒子を混入させたものがある。そして、当該アンテナ部15の両端がアンテナ端子15A,15Bとなり、当該アンテナ端子15A,15Bの先端部分に貫通部16A,16Bが形成されて当該導電性インキが充填状態とされている。
【0018】
一方、図1(B)に示すように、第2の基材13に延長部17,18が例えば直線状(形状は自在)で形成されたもので、この延長部17,18が形成された面をアンテナモジュール11の裏面とする。すなわち、アンテナモジュール11の裏面に形成される延長部17,18は、上記アンテナ部15と同様の導電性インキにより形成され、上記第1の基材12と重ね合わされたときにアンテナ端子15A,15Bと対応する部分に貫通部17A,18Aがそれぞれ形成されて当該導電性インキが充填状態とされている。当該延長部17,18は、貫通部17A,18Aが形成された端部の他方端上で後述のICチップが実装されるもので、当該ICチップの端子に応じた間隔で形成される。
【0019】
また、図1(C)に示すように、第1の基材12と第2の基材13とが形成されたアンテナ部15および延長部17,18の反対面同士で対向されて接着剤層14により接着されたときに、アンテナ端子15Aの貫通部16Aと延長部17の貫通部17Aとが対向して互いに充填されている導電性インキにより導通とされ、アンテナ端子15Bの貫通部16Bと延長部18の貫通部18Aとが対向して互いに充填されている導電性インキにより導通とされている。
【0020】
例えば、接着剤層14を構成する接着剤を感圧接着剤として接着時の圧力により対向する貫通部16A,16B,17A,18Aに充填されている導電性インキが密着状態となって導通状態となる。感圧接着剤としては、例えば天然ゴムまたは天然ゴムラテックスで構成される接着剤に、シリカ、コースターチ、デンプン等の微粒状充填剤を充填させたもので、当該微粒状充填剤の充填量や加える圧力によって接着強度を調整することができるものである。
【0021】
そして、図1(B)に示すように、アンテナモジュール11の裏面における第2の基材13上であって、延長部17,18の、上記貫通部17A,18Aが形成された端部の他方端上にICチップ19が実装されることで実装モジュールとなるものである。当該ICチップ19の実装は、例えばICチップ19にバンプ等の端子が形成されて当該延長部17,18間において溶着形態で接続、実装されるものである。
【0022】
ここで、図2に、本発明に係る回路パターン形成モジュール作製における製造システムの一例の構成図を示す。図2において、製造システム21は、連続基材供給部22、穿孔部23、ミシン部24、印刷部25、乾燥・硬化部26、折り部27、切断・圧着部28および排出部29を適宜備える。連続基材供給部22は、後述の図3で示すように第1および第2の基材12,13が連接されたものを連続状態で供給するものであり、その一方面には予め接着剤層(感圧性)14が形成されているものとする。
【0023】
上記穿孔部23は、第1および第2の基材12,13が折り重ねられたときにアンテナ部15のアンテナ端子15A,15Bと、延長部17,18の両端が重なる部分に接続のための貫通部16A,16B,17A,18Aをそれぞれ形成する。上記ミシン部24は、単一の第1および第2の基材12,13とするための切取ミシン線を形成すると共に、当該第1および第2の基材12,13を折り重ねする際の折込線を形成する。なお、当該ミシン部24は、後述の乾燥・硬化部26の後工程で折り部27の前工程に配置してもよいが、ここでは当該位置に配置するものとして説明する。
【0024】
上記印刷部25は、例えばスクリーン印刷を行うもので、使用される印刷インキは上述のように導電性インキである。すなわち、当該印刷部25は、上記アンテナ部15および延長部17,18を印刷するもので、上記穿孔部23で形成した貫通部16A,16B,17A,18A内に導電性インキを充満させる。ここで、充満とは、当該貫通部16A,16B,17A,18A内に導電性インキが充填される際に少なくとも当該導電性インキが一方面(感圧接着剤層14側)と同一面または突出される程度をいう。
【0025】
上記乾燥・硬化部26は、上記印刷部25で印刷を行った第1および第2の基材12,13を所定温度で加熱して導電性インキを硬化(定着)させる。上記折り部27は、連続の第1および第2の基材12,13を互いの接着剤層14を対向させて上記形成した折込線に沿って折り重ねる。そして、上記切断・圧着部28は、折り重ねられた連続状態の第1および第2の基材12,13を単一の第1および第2の基材12,13とすべく上記形成された切取ミシン線によって切断し、圧着ローラにより所定圧力で接着剤層14同士を接着させてアンテナモジュール11として排出部29に排出するものである。
【0026】
そこで、図3および図4に、図2の作製システムによる回路パターン形成モジュール作製の説明図を示す。まず、図3(A)に示すように連続基材供給部22より供給される第1および第2の基材12,13が連接されて連続された連続基材22Aの一方面に接着剤層(感圧性)14が塗布されている。なお、以降の図は当該連続基材22Aの他方面を示している。供給される連続基材22Aは、穿孔部23において上記のように位置決めされた貫通部16A,16B,17A,18Aが、当該単一となるときの第1および第2の基材12,13毎に形成される(図3(B))。
【0027】
続いて、ミシン部24において、第1および第2の基材12,13を単一とするための分離線である切取ミシン線31がそれぞれ形成されると共に、折込線32が例えば当該連続基材22Aの幅方向の略中心部分に長手方向で形成される(図3(C))。印刷部25では、連続基材22Aの各第1および第2の基材12,13の同一面上に、例えば第1の基材12上にアンテナ部15を印刷すると共に、第2の基材13上に延長部17,18を印刷する。これらアンテナ部15および延長部17,18の形成位置はスクリーン印刷における版によって定まり、それぞれ貫通部16A,16B,17A,18A上を含んで形成される。この際、スキージにより導電性インキが供給されることから、当該貫通部16A,16B,17A,18A内に導電性インキが充填され、当該導電性インキの版上への供給量を調節することで上記充満状態にさせることができるものである(図3(D))。
【0028】
印刷部25によってアンテナ部15および延長部17,18が形成された連続基材22Aは、乾燥・硬化部26によって定着された後に、折り部27により折込線32に沿って接着剤層14同士を対向させた状態で順次折り重ねられる(図4(A))。折り重ねられた連続基材22Aは、切断・圧着部28において、折り重ねられた状態で単一の第1および第2の基材12,13に分離され(図4(B))、圧着ローラによって感圧接着剤同士が接着されるものである(図4(C))。
【0029】
この場合、アンテナ部15のアンテナ端子15Aの貫通部16Aに充満された導電性インキと、延長部17の貫通部17Aに充満された導電性インキとが密着状態となって導通状態となり、またアンテナ部15のアンテナ端子15Bの貫通部16Bに充満された導電性インキと、延長部18の貫通部18Aに充満された導電性インキとが密着状態となって導通状態となるものである。そこで、上記図1(B)に示すように、第2の基材13上の延長部17,18間にICチップ19を実装することで実装モジュールとなるものである。
【0030】
このように、延長部17,18が形成された第2の基材13が絶縁層となることから、従前のような延長部を形成するための絶縁層の形成を不要とすることができ、製造工程が削減されて製造コストを低減させることができ、スループットを向上させることができるものである。また、アンテナ部15や延長部17,18を形成するにあたり、同一面上に一時に印刷で行うことができることから、上記絶縁層形成工程の不要と相俟って製造工程が削減されて製造コストを低減させることができ、スループットを向上させることができるものである。これらのことは、ICチップ19を実装させた実装モジュールにおいても当該ICチップ19を実装する対象のアンテナモジュール11による製造コストの低減やスループットの向上という効果を反映させることができるものである。
【0031】
次に、図5および図6に、本発明に係る回路パターン形成モジュールの第2実施形態の製造構成図を示す。本実施形態は、第1および第2の基材12,13を一単位として当該第1および第2の基材12,13に複数のアンテナ部15および対応する延長部17,18を形成して接着した後に、一対のアンテナ部15および対応の延長部17,18毎に分離させるもので、まず、連続基材22Aの一方面に接着剤層(感圧性)14が塗布され(図5(A))、複数のアンテナ部15および延長部17,18に対応する貫通部16A,16B,17A,18Aが形成される(図5(B))。
【0032】
そして、第1および第2の基材12,13を一単位毎とする切取ミシン線31および折込線32が形成された後に(図5(C))、当該一単位毎の第1および第2の基材12,13に複数(ここでは4対)のアンテナ部15および延長部17,18がそれぞれ印刷により形成される(図5(D))。
【0033】
続いて、第1および第2の基材12,13を折込線32に沿って折り重ね、切取ミシン線31で一単位毎に切り取った後に圧着により接着される(図6(A))。そして、断裁線41A,41Bにより、または型抜き等により単一のアンテナモジュール11とするものである(図6B))。この場合、上記同様に、それぞれのアンテナ部15と延長部17,18とは、上記貫通部16A,16B,17A,18Aに充満された導電性インキにより導通状態とされ、図1(B)に示すように、第2の基材13上の延長部17,18間にICチップ19を実装することで実装モジュールとなるものである。
【0034】
アンテナモジュール11および実装モジュールの作製を上記のように行うことによっても、上記同様に、延長部17,18が形成された第2の基材13が絶縁層となることから、従前のような延長部を形成するための絶縁層の形成を不要とすることができると共に、アンテナ部15および延長部17,18を同一面上に一時に形成することができることから、製造工程が削減されて製造コストを低減させることができ、スループットを向上させることができるものである。
【0035】
次に、図7に、本発明に係る回路パターン形成モジュール作製における他の製造システムの構成図を示す。図7では、上述のフィルムまたは紙材等の絶縁性の第1および第2の基材12,13を枚葉した場合のものである。図7において、製造システム51は、第1の基材61Aの処理搬送ラインと、第2の基材61Bの処理搬送ラインとが並列に配置されたもので、それぞれ単片基材供給部52A,52B、穿孔部53A,53B、印刷部54A,54B、乾燥・効果部55A,55Bが順次配置される。
【0036】
また、第1の基材61Aの処理搬送ラインにおける乾燥・硬化部55Bの後段には反転部56が配置される。これら第1および第2の基材61A,61Bの処理搬送ラインは、重ね合わせ圧着の主搬送ライン57に連結される。そして、上記主搬送ライン57には、第1および第2の基材61A,62Bを重ね合わせる部分に位置合わせのためのセンサ58が設けられ、重ね合わせ工程の後段に圧着部59が配置されたものである。
【0037】
すなわち、第1の基材61Aの処理搬送ラインでは、単片基材供給部52Aに予め一方面に接着剤層(感圧性)14が塗布された第1の基材61Aが所定数セットされて順次穿孔部53Aに供給される。穿孔部53Aでは、上述のようにアンテナ部15のアンテナ端子15A,15Bの先端に対応する部分に貫通部16A,16Bが形成されて印刷部54Aに供給され、アンテナ部15が当該貫通部16A,16Bに導電性インキを充満させながらスクリーン印刷により形成される。そして、乾燥・硬化部55Aで供給された導電性インキが定着され、反転部56により反転されて主搬送ライン57に供給される。このとき、主搬送ライン57上で第1の基材61Aは接着剤層14が上面状態となって、第2の基材62Bの搬送ラインからの供給位置(センサ58により検出)に搬送される。
【0038】
一方、第2の基材61Bの処理搬送ラインでは、単片基材供給部52Bに予め一方面に接着剤層(感圧性)14が塗布された第2の基材61Bが所定数セットされて順次穿孔部53Bに供給される。穿孔部53Bでは、上述のように延長部17,18の先端に対応する部分に貫通部17A,18Aが形成されて印刷部54Bに供給され、延長部17,18が当該貫通部17A,18Aに導電性インキを充満させながらスクリーン印刷により形成される。続いて、乾燥・硬化部55Bで供給された導電性インキが定着されて主搬送ライン57に供給される。このとき主搬送ライン57上で第2の基材62Bは、反転された第1の基材61A上に重ねる状態で供給されるもので、互いの接着剤層14が対向した形態とされる。
【0039】
そして、接着剤層14の対向状態で重ね合わされた第1および第2の基材61A,62Bが圧着部59で所定圧力により接着されることでアンテナモジュール11Aが作製され、適宜第2の基材62Bの延長部17,18間にICチップ19が実装されて実装モジュール11Bが作製されるものである。
【0040】
このように、アンテナモジュール11Aまたは実装モジュール11Bを構成する第1および第2の基材61A,62Bを枚葉とすることによっても、上記同様に、延長部17,18が形成された第2の基材61Bが絶縁層となって、従前のような延長部を形成するための絶縁層の形成を不要とすることができることから、製造工程が削減されて製造コストを低減させることができ、スループットを向上させることができるものである。
【0041】
次に、図8に、本発明に係る回路パターン形成モジュールの第3実施形態の構成図を示す。本実施形態は、ICチップを第1の基材(アンテナ部形成側)に実装させる場合としたもので、図8(A)は回路パターン形成モジュールとしてのアンテナモジュールの表面の斜視構成図、図8(B)はアンテナモジュールの裏面の斜視構成図、図8(C)は図8(A)(B)のB−B断面図である。図8(A)〜(C)において、回路パターン形成モジュールとしてのアンテナモジュール71は、図8(A)に示すように、第1および第2の基材12,13が図8(C)に示す接着剤層14により重ね合わせ接着されたもので、第1の基材12に回路部であるアンテナ部15が所定数巻回された形態で形成されると共に、ICチップ実装のための実装端子部20が例えばスクリーン印刷によって導電性インキにより形成されたものである。この実装端子部20を含めてアンテナ部15とする。
【0042】
そして、当該アンテナ部15の両端がアンテナ端子15A,15Bとなり、当該アンテナ端子15Aの先端部分に貫通部16Aが形成されると共に、実装端子部20の一端に貫通部16Cが形成されて当該導電性インキが充満状態とされている。
【0043】
一方、図8(B)に示すように、第2の基材13に延長部17が例えば直線上で導電性インキにより形成されたもので、この延長部17の両端には、一方端に上記第1の基材12と重ね合わされたときに貫通部16A,16Cと対応する部分に貫通部17A,17Bがそれぞれ形成されて当該導電性インキが充満状態とされている。
【0044】
そして、図8(C)に示すように、第1の基材12と第2の基材13とが形成されたアンテナ部15および延長部17の反対面同士で対向されて接着剤層14により接着されたときに、アンテナ端子15Aの貫通部16Aと延長部17の貫通部17Aとが対向して互いに充填されている導電性インキにより導通とされ、実装端子部20の貫通部16Cと延長部17の貫通部17Bとが対向して互いに充填されている導電性インキにより導通とされたものである。
【0045】
そこで、図8(A)に示すように、アンテナモジュール71の第1の基材12上であって、実装端子部20とアンテナ部15のアンテナ端子15Bとの間でICチップ19が実装されることで実装モジュールとなるものである。なお、上記アンテナモジュール71は、構成する第1および第2の基材が連設ものであっても、枚葉のものであってもよい。
【0046】
このように、アンテナモジュール71および実装モジュールが、基材のアンテナ部15の形成側にICチップ19を形成させる場合であっても、上記同様に、延長部17が形成された第2の基材13が絶縁層となって、従前のような延長部を形成するための絶縁層の形成を不要とすることができると共に、アンテナ部15および延長部17を同一面上に一時に形成することができることから、製造工程が削減されて製造コストを低減させることができ、スループットを向上させることができるものである。
【0047】
なお、上記各実施形態における回路パターン形成モジュール(アンテナモジュール11,11A,71)を作製するにあたり、製造システムの構成を従前より知られている圧着葉書の製造設備を適用することができ、特に新たな設備を必要とせずに容易に作製することができるものである。
【0048】
ところで、上記各実施形態では、ICチップ19の実装をアンテナモジュール11,11A,71を作製した後に行った場合を示したが、当該アンテナモジュール11,11A,71を作製する途中(少なくともアンテナ部15および延長部17,18の定着形成後)でICチップ19を実装させることとしてもよい。この場合、切断や圧着時に当該ICチップ19に圧力が加えられないように、当該切断や圧着で使用される各ローラにICチップを回避する溝等を形成すればよい。
【0049】
また、上記各実施形態では、アンテナ部15および延長部17,18を形成する場合としてスクリーン印刷を適用した場合を示したが、インクジェット方式の印刷形態でも適用することができるもので、この場合には導電性インキの噴射制御により特に貫通部16A〜16C,17A,17B,18Aへの当該導電性インキの供給量を増加させればよいものである。
【0050】
さらに、上記各実施形態において、第1および第2基材12,13,61A,61Bを対向させて重ね合わせる前に、接着剤層14側の貫通部16A〜16C,17A,17B,18A(その周辺を含んでもよい)に導電性ペースト等の導電剤を塗布することにより、対向する貫通部間での導通状態をより確実とさせることができるものである。
【0051】
さらにまた、上述のアンテナモジュール11,11A,71の作製に代えて、フィルムや紙材等の絶縁部材や絶縁可撓性部材上にパターンラインを交差させて回路パターンを形成する回路基板を回路パターン形成モジュールとして作製させる場合にも適用することができるもので、所定の電子部品(ICチップ、コンデンサ、抵抗器等)を実装させることで実装基板(実装モジュール)とさせることもできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の回路パターン形成方法および回路パターン形成モジュール等は、RF−ID等の非接触型ICメディアに搭載されるアンテナモジュール、これにICチップを実装させたICモジュール(実装モジュール)を作製する場合を始めとして、フィルムや紙材等の絶縁部材や絶縁可撓性部材上にパターンラインを交差させて回路パターンを形成する回路基板に適用させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る回路パターン形成モジュールの第1実施形態の構成図である。
【図2】本発明に係る回路パターン形成モジュール作製における製造システムの一例の構成図である。
【図3】図2の製造システムによる回路パターン形成モジュール作製の説明図(1)である。
【図4】図2の製造システムによる回路パターン形成モジュール作製の説明図(2)である。
【図5】本発明に係る回路パターン形成モジュールの第2実施形態の製造構成図(1)である。
【図6】本発明に係る回路パターン形成モジュールの第2実施形態の製造構成図(2)である。
【図7】本発明に係る回路パターン形成モジュール作製における他の製造システムの構成図である。
【図8】本発明に係る回路パターン形成モジュールの第3実施形態の構成図である。
【符号の説明】
【0054】
11,71 アンテナモジュール
12,61A 第1の基材
13,61B 第2の基材
14 感圧接着剤
15 アンテナ部
16A〜16C,17A,17B,18A 貫通部
17,18 延長部
20 実装端子部
19 ICチップ
31 切取ミシン線
32 折込線
41A,41B 断裁線
【出願人】 【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
【住所又は居所】東京都港区東新橋一丁目7番3号
【出願日】 平成15年10月30日(2003.10.30)
【代理人】 【識別番号】100097560
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 寛

【公開番号】 特開2005−136233(P2005−136233A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−371310(P2003−371310)