| 【発明の名称】 |
プリント配線板の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 義晴 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
【氏名】佐藤 守正 【住所又は居所】静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真フイルム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高解像度の金属配線パターンを備えたプリント配線板を得ること。
【解決手段】支持体上に低感度の第一感光層と高感度の第二感光層が積層された感光性転写シート;及びスルーホールを有し、表面が金属層で覆われ、この金属層の表面粗さが0.01乃至0.40μmであるプリント配線板形成用基板を用意する工程、基板表面に、感光性転写シートを第二感光層が接するように圧着して感光性積層体を得る積層工程、積層体の支持体側から基板の配線パターン形成領域に第二感光層を硬化させる光量の光を照射し、そして基板のスルーホールの開口部を含む領域に第一感光層と第二感光層とをともに硬化させる光量の光を照射して硬化層領域を形成する露光工程、支持体の剥離工程、未硬化の感光層領域を溶解除去する現像工程、金属層のエッチング工程、そして硬化層の除去工程からなるプリント配線板の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の工程からなるプリント配線板の製造方法: (1)支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層されている感光性転写シート;及び、表面が金属層で覆われた基板であって、そして該金属層のRaで表される表面粗さが0.01乃至0.40μmの範囲にあるプリント配線板形成用基板を用意する工程; (2)プリント配線板形成用基板の表面に、感光性転写シートをその第二感光層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、第二感光層、第一感光層、そして支持体がこの順で積層された感光性積層体を得る積層工程; (3)感光性積層体の支持体側から、少なくともプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に、第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、所定パターンの硬化層領域を形成する配線部露光工程; (4)感光性積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程; (5)プリント配線板形成用基板上の第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程; (6)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程;そして、 (7)硬化層をプリント配線板形成用基板から除去する硬化層除去工程。 【請求項2】 金属層の表面粗さが、化学研磨処理によって上記範囲に調節されている請求項1に記載の製造方法。 【請求項3】 工程(3)で用いる光がレーザ光であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。 【請求項4】 下記の工程からなるスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造方法: (1)支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層されている感光性転写シート;及びスルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われた基板であって、そして該金属層のRaで表される表面粗さが、0.01乃至0.40μmの範囲にあるプリント配線板形成用基板を用意する工程; (2)プリント配線板形成用基板の表面に、感光性転写シートをその第二感光層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、第二感光層、第一感光層、そして支持体がこの順で積層された感光性積層体を得る積層工程; (3)感光性積層体の支持体側からプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に、第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、所定パターンの硬化層領域を形成する配線部露光工程; (4)感光性積層体の支持体側から、プリント配線板形成用基板のスルーホール又はビアホールの開口部を含む領域に、第一感光層と第二感光層とをともに硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、スルーホール又はビアホールの開口部領域を被覆する硬化層領域を形成するホール部露光工程; (5)感光性積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程; (6)プリント配線板形成用基板上の第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程; (7)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程;そして、 (8)硬化層をプリント配線板形成用基板から除去する硬化層除去工程。 【請求項5】 金属層の表面粗さが、化学研磨処理によって上記範囲に調節されている請求項4に記載の製造方法。 【請求項6】 工程(3)と(4)で用いる光が共にレーザ光であることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板の製造方法。 【請求項7】 Raで表される表面粗さが0.01乃至0.40μmの範囲にある金属層により表面が覆われたプリント配線板形成用基板上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層がこの順に積層されてなる感光性積層体。 【請求項8】 金属層の表面粗さが、化学研磨処理によって上記範囲に調節されている請求項7に記載の感光性積層体。 【請求項9】 第一感光層の上に支持体が積層されている請求項7に記載の感光性積層体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 プリント配線板を、支持体上に感光層が積層された構成の感光性転写シート(ドライフイルムフォトレジストとも呼ばれている)を用いたフォトリソグラフィ技術により製造する方法は知られている。スルーホールを有するプリント配線板は、例えば、以下のように製造される。先ず表面に金属層を備えたプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属層を形成する。次に、基板表面の金属層上に、感光性転写シートをその感光層が金属層と接触するようにして重ね合わせ、金属層表面の配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域とに光を所定のパターン状に照射して感光層を硬化させる。次いで、感光性転写シートの支持体を剥がし取り、配線パターン形成領域上の硬化層及びスルーホール開口部領域上の硬化層(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化感光層領域を除去して基板表面の金属層を露出させる。そして露出した金属層部分をエッチング処理し、その後硬化層を除去して、表面に金属配線パターンを備えたプリント配線板が製造される。 【0003】 上記のように、基板表面の金属層上に感光性転写シートの感光層を重ね合わせ、そして光を所定のパターン状に照射した後に感光性転写シートの支持体を剥がし取る場合には、支持体としては可撓性の透明フイルム支持体が好ましく用いられる。 【0004】 プリント配線板の製造工程においては、基板表面の金属層と硬化層との密着性が不十分であると、エッチングの際に硬化層が剥離して配線パターンが断線するなどの問題を生じる場合がある。このため、基板表面の金属層と硬化層との密着性を高める目的で、基板表面の金属層の表面は粗面化処理(一般には、バフ研磨処理)される。 【0005】 感光性転写シートの高解像度化のために感光層の厚さを薄くすることは有効である。しかしながら、感光層の厚さを薄くすると、スルーホールのエッジ部分にて硬化層が変形したり、厚さが薄くなったりして、プリント配線板の製造時に硬化層が破れ易くなるという問題がある。このため高解像度のパターン形成が可能で、かつテント膜として破れが発生しにくい硬化層を形成することができる感光性転写シートの開発が進められている。 【0006】 特許文献1には、支持体の上に、アルカリ可溶性で、加熱による流動性が小さく、活性エネルギー線に感応する第一の感光層を設け、さらにその上にアルカリ可溶性で、加熱による流動性が大きく、活性エネルギー線に感応する第二の感光層が設けてなる二層の感光層を有する感光性転写シートが開示されている。この特許文献1では、感光性転写シートの第二の感光層をスルーホール内に埋め込むことによりスルーホールの金属層を保護することができると説明されている。しかしながら、プリント配線板製造の最終工程でスルーホール内に埋め込まれた硬化樹脂(第二の感光層の硬化物)を除去しなければならないため、プリント配線板の製造工程が複雑になるという問題がある。 【特許文献1】特開平8−54732号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の課題は、高解像度の硬化層と、高強度の硬化層(テント膜)とを形成することのできる感光層を備えた感光性転写シートを用いて、スルーホールやビアホールを有し、高解像度の金属配線パターンを備えたプリント配線板を工業的に有利に製造する方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、下記の工程からなるプリント配線板の製造方法にある。 (1)支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層されている感光性転写シート;及び、表面が金属層で覆われた基板であって、そして該金属層のRaで表される表面粗さが0.01乃至0.40μmの範囲にあるプリント配線板形成用基板を用意する工程。 (2)プリント配線板形成用基板の表面に、感光性転写シートをその第二感光層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、第二感光層、第一感光層、そして支持体がこの順で積層された感光性積層体を得る積層工程。 (3)感光性積層体の支持体側から、少なくともプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に、第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、所定パターンの硬化層領域を形成する配線部露光工程。 (4)感光性積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程。 (5)プリント配線板形成用基板上の第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程。 (6)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程。 (7)硬化層をプリント配線板形成用基板から除去する硬化層除去工程。 【0009】 本発明の製造方法の好ましい態様は、下記の通りである。 (A)金属層の表面粗さが、化学研磨処理によって上記範囲に調節されている。 (B)上記の工程(3)で用いる光が共にレーザ光である。 【0010】 本発明はまた、下記の工程からなるスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造方法にもある。 (1)支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層されている感光性転写シート;及びスルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われた基板であって、そして該金属層のRaで表される表面粗さが、0.01乃至0.40μmの範囲にあるプリント配線板形成用基板を用意する工程。 (2)プリント配線板形成用基板の表面に、感光性転写シートをその第二感光層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、第二感光層、第一感光層、そして支持体がこの順で積層された感光性積層体を得る積層工程。 (3)感光性積層体の支持体側からプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に、第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、所定パターンの硬化層領域を形成する配線部露光工程。 (4)感光性積層体の支持体側から、プリント配線板形成用基板のスルーホール又はビアホールの開口部を含む領域に、第一感光層と第二感光層とをともに硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、スルーホール又はビアホールの開口部領域を被覆する硬化層領域を形成するホール部露光工程。 (5)感光性積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程。 (6)プリント配線板形成用基板上の第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程。 (7)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程。 (8)硬化層をプリント配線板形成用基板から除去する硬化層除去工程。 【0011】 本発明の製造方法の好ましい態様は、下記の通りである。 (A)金属層の表面粗さが、化学研磨処理によって上記範囲に調節されている。 (B)上記の工程(3)と(4)で用いる光が共にレーザ光である。 【0012】 本発明はまた、Raで表される表面粗さが0.01乃至0.40μmの範囲にある金属層により表面が覆われたプリント配線板形成用基板上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層がこの順に積層されてなる感光性積層体にもある。 【0013】 本発明の感光性積層体の好ましい態様は、下記の通りである。 (A)金属層の表面粗さが、化学研磨処理によって上記範囲に調節されている。 (B)第一感光層の上に支持体が積層されている。 【0014】 なお、本明細書において、「Raで表される表面粗さ」とは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)にて規定される算術平均粗さを意味する。 【発明の効果】 【0015】 本発明の製造方法の実施に用いる感光性転写シートは、その光の照射量(露光量)を変えることにより、互いに厚さの異なる硬化層を形成することができる。このような感光性転写シートを用いると、スルーホール又はビアホールを有し、表面に金属層を備えたプリント配線板形成用基板に、そのスルーホール又はビアホールを覆う厚さの厚い高強度の硬化層と、金属層表面の配線パターン形成領域を覆う厚さの薄い高解像度の硬化層とを、それぞれ形成することができる。 【0016】 プリント配線板形成用基板表面の金属層の表面の配線パターン形成領域上に、上記の厚さの薄い高解像度の硬化層を形成する場合、基板表面の金属層の表面粗さを適度の値にする必要がある。これは、配線パターン形成領域上に形成される硬化層の解像度が高いために、露光工程で感光層に照射される光の、基板表面の金属層表面における乱反射の影響を受けるからである。具体的には、光の乱反射量が大きいと、配線パターン形成領域の外側近傍の感光層が乱反射された光によって硬化され、その結果、露光後の硬化層の解像度を僅かに低下させるからである。本発明の製造方法で用いるプリント配線板形成用基板表面の金属層の表面粗さは、0.01乃至0.40μmの範囲にある。この適度な表面粗さの金属層を備えた基板を用いることにより、前記金属層表面における光の乱反射が低減されるため、基板表面の金属層と硬化層との密着性を低下させることなく、高解像度の硬化層を形成することができる。なお、従来の一層の感光層を備えた感光性転写シートを用いたプリント配線板の製造方法においては、スルーホール上に十分な強度のテント膜を形成するために、基板表面の金属層上に、厚さが厚い、すなわち低い解像度の硬化層を形成するので、上記のような光の乱反射による解像度の低下は問題とならない。 【0017】 本発明の製造方法は、基板表面の金属層の表面に形成された厚みの厚い高強度の硬化層と、厚みの薄い高解像度の硬化層とを用いるため、スルーホール又はビアホールを有し、高解像度の金属配線パターンを備えたプリント配線板を工業的に有利に製造することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明のプリント配線板の製造方法を、スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板を製造する場合を代表的な例として、添付の図面を用いて説明する。まず、本発明の製造方法において用いられる感光性転写シートについて説明する。図1は、本発明の製造方法の実施に好ましく用いられる感光性転写シートの一例の構成を示す断面図である。 【0019】 図1の感光性転写シート10は、可撓性透明フィルム支持体11、第一感光層12、第二感光層13、そして保護フィルム14がこの順で積層された構成を有している。第一感光層12及び第二感光層13はそれぞれ、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する。本発明で用いる感光性転写シートは、第二感光層13が第一感光層12よりも相対的に感度が高い点に主な特徴がある。ここで、感度が高いとは、第二感光層13の硬化が、第一感光層12よりも少ない光の照射量で始まることを意味する。 【0020】 本発明で用いる感光性転写シートにおける光の照射量と感光層の硬化量との関係を、図2を参照しながら説明する。図2は、図1の感光性転写シートに可撓性透明フィルム支持体側から光を照射したときの、光の照射量と得られる硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。図2において、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化した感光層の厚さを表す。縦軸のDは、第二感光層の厚さを、Eは、第一感光層の厚さと第二感光層の厚さとを足した感光層全体の厚さを表す。 【0021】 図2に示すように、本発明で用いる感光性転写シートでは、可撓性透明フィルム支持体側から照射した光は、可撓性透明フィルム支持体、第一感光層、そして第二感光層の順に進むにもかかわらず、第一感光層よりも先に少ない光量で第二感光層の硬化が始まる。第二感光層の硬化が始まる光量Sは、0.1〜10mJ/cm2 の範囲にあることが好ましい。第二感光層の硬化量は、光量の増加に従って増え、やがて第二感光層の全体が硬化する。第二感光層を硬化させるために必要な光量Aは、20mJ/cm2 以下(特に、2〜15mJ/cm2 の範囲内)であることが好ましい。 【0022】 第二感光層の全体が硬化した後、光量を多くしていくと、第一感光層の硬化が始まり、さらに光量を多くすると、第一感光層の全体が硬化する。第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光量Bとの比A/Bは、0.01〜0.5の範囲にあることが好ましい。 【0023】 第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cは、第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと同量であってもよいが、光量Aよりも大きい方が好ましい。第二感光層を硬化させるために必要な光量Aと第一感光層の硬化が始まるまで必要な光量Cとの差C−Aは、第二感光層を硬化させるために必要な光の照射量Aの10倍より少ない量(特に、1.1〜10倍の範囲内)であるか、100mJ/cm2以下(特に、1〜100mJ/cm2の範囲内)であることが好ましい。 【0024】 上記のような感度曲線を有する感光性転写シートは、例えば、第二感光層の光重合開始剤の含有量を第一感光層よりを多くすること、あるいは第二感光層に増感剤を添加することにより得ることができる。感光性転写シートの材料及び製造方法については、後に詳しく記載する。 【0025】 次に、本発明のスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図3を参照しながら説明する。 【0026】 先ず、前記の図1と図2を用いて説明した、支持体上に、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に低感度の第一感光層、そしてバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合含有モノマー、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射によりエチレン性不飽和結合含有モノマーが重合して硬化する相対的に高感度の第二感光層がこの順に積層された構成の感光性転写シートを用意する。 【0027】 そして、図3(A)に示すように、スルーホール22を有し、表面が金属層23で覆われた基板であって、前記基板表面の金属層23のRaで表される表面粗さが0.01乃至0.40μmの範囲にあるプリント配線板形成用基板21を用意する。金属層23の表面粗さは、0.05乃至0.20μmの範囲にあることが好ましい。プリント配線板形成用基板21としては、例えば、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの各々の基板の金属層表面をパターニングして、その上に層間絶縁膜を積層し、さらに銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。このように金属層の表面粗さが上記の範囲にあるプリント配線板形成用基板を用いることにより、この金属層表面に、密着性に優れ且つ高解像度の硬化層を形成することができる。プリント配線板形成用基板表面の金属層の表面粗さと、この金属層の表面に形成される硬化層の解像度との関係については、後に記載する。 【0028】 基板表面の金属層23の表面粗さは、研磨処理により上記の範囲に調節されていることが好ましい。研磨処理の代表例としては、バフ研磨処理、スクラブ研磨処理、および化学研磨処理が挙げられる。研磨処理は、化学研磨処理であることが特に好ましい。以下、化学研磨処理を例として、金属層23の表面粗さを上記範囲にするための好ましい処理条件などについて説明する。 【0029】 適度の化学研磨処理により、基板の金属層表面に形成されていた酸化物、あるいは金属層表面に付着した油分が除去され、かつ基板表面の金属層が、その表面に沿った方向において均一に研磨される。このため、基板表面の金属層の表面と、その上に形成される硬化層との密着力を、高く且つ均一にすることができる。 【0030】 化学研磨処理は、プリント配線板形成用基板の金属層の表面を、その表面に前記金属を溶解させる処理液を接触させて部分的に溶解させることにより研磨する処理である。通常、化学研磨処理に次いで、プリント配線板形成用基板は、水洗(水洗の前に酸洗する場合もある)、そして乾燥される。処理液を、プリント配線板形成用基板の金属層表面に接触させる処理の例としては、ディップ処理、シャワー処理などが挙げられる。シャワー処理においては、処理液は、シャワー配管に接続されたシャワーノズルから噴霧される。プリント配線板プリント配線板形成用基板の化学研磨処理については、特開平6−204661号及び特開平11−6083号の各公報に詳しく記載されている。 【0031】 化学研磨処理に用いる処理液の例としては、塩化鉄系処理液、および過酸化水素系処理液が挙げられる。過酸化水素系処理液としては、過酸化水素濃度が8g/リットル(許容範囲:4〜168g/リットル)、硫酸濃度が100g/リットル(許容範囲:50〜200g/リットル)、銅イオン濃度が0〜50g/リットルである処理液を用いることが好ましい。過酸化水素系処理液の温度は、30℃(許容範囲:25〜40℃)であることが好ましい。シャワー処理を用いる場合には、シャワー配管の圧力は、0.2MPa(許容範囲:0.1〜0.3MPa)であることが好ましい。シャワー処理の時間は、25秒(許容範囲:20〜40秒)であることが好ましい。 【0032】 次に、図3(B)に示すように、感光性転写シート10の第二感光層13を、プリント配線板形成用基板21の表面に加圧ローラ31を用いて圧着する(積層工程)。これによりプリント配線板形成用基板21、第二感光層13、第一感光層12、そして可撓性透明フィルム支持体11がこの順で積層された構成の感光性積層体が得られる。感光性転写シート10の積層は、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)で行うことができる。特に、60〜140℃の加熱下で行うことが好ましい。 なお、感光性転写シートを用いる代わりに、後述の感光性転写シート製造用の第二感光性樹脂組成物溶液と第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、プリント配線板形成用基板、第二感光層、そして第一感光層がこの順で積層された構成の感光性積層体を得ることもできる。 【0033】 次に、図3(C)に示すように、感光性積層体の可撓性透明フィルム支持体11側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。プリント配線板形成用基板21の配線パターン形成領域には、第二感光層13を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射して、配線パターン形成用の硬化層15の領域を形成する(配線部露光工程)。プリント配線板形成用基板のスルーホール22の開口部及びその周囲には、第一感光層12と第二感光層13とをそれぞれ硬化させるために必要な光量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用の硬化層16の領域を形成する(ホール部露光工程)。配線部露光工程とホール部露光工程とは、それぞれ独立して行なってもよいが、並行して行なう方が好ましい。露光は、フォトマスクを介して光を照射することにより行なうか、レーザ露光装置を用いてレーザ光を照射することにより行なう。露光に使用される光源としては、可撓性透明フィルム支持体11を透過し、かつ用いられる光重合開始剤に対して活性な電磁波、波長が310〜700nm(好ましくは350〜500nm)の範囲の紫外から可視領域の光線を発生させる光源が用いられる。例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写用の蛍光管、半導体レーザ等の公知光源を使用することができる。この他に、電子線あるいはX線などを用いてもよい。 【0034】 露光工程において感光層に照射される光は、基板表面の金属層23の表面において乱反射される。乱反射された光は、例えば、配線パターン形成用の硬化層15の外側近傍の第二感光層13を僅かに硬化させて、硬化層15の解像度を低下させる。本発明の製造方法で用いるプリント配線板形成用基板表面の金属層の表面粗さは、0.01乃至0.40μm(好ましくは0.05乃至0.20μm)の範囲にある。この適度な表面粗さの金属層を備えた基板を用いることにより、前記金属層表面における光の乱反射が低減されるため、基板表面の金属層と硬化層との密着性を低下させることなく、高解像度の硬化層を形成することができる。すなわち、基板表面の金属層23の表面粗さが0.01μm未満であると、金属層23と硬化層15との密着性が不十分となり、そして表面粗さが0.40μmを超えると、硬化層15の解像度が低下する。 【0035】 次に、図3(D)に示すように、感光性積層体から可撓性透明フィルム支持体11を剥がす(支持体剥離工程)。 次に、図3(E)に示すように、プリント配線板形成用基板21上の第一感光層12及び第二感光層13の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層15とスルーホールの金属層保護用の硬化層16を現像し、基板表面の金属層23を露出させる(現像工程)。感光層の未硬化領域の「溶解除去」には、感光層の未硬化領域の一部が溶解され、残りの部分が剥離片として除去されることも含まれる。現像液の例としては、アルカリ水溶液(例、炭酸ナトリウム溶液)、有機溶剤を含有するアルカリ水溶液、及び有機溶剤を挙げることができる。 【0036】 次に、図3(F)に示すように、基板表面の露出した金属層23をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。これよりプリント配線板形成用基板21に配線パータン24が形成される。金属層23が銅で形成されている場合、エッチング液には、塩化第一鉄水溶液、塩化銅水溶液、及び塩化第二銅水溶液などを用いることができる。 次に、図3(G)に示すように、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの強アルカリの水溶液にて、硬化層15、16を剥離片17として、プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。このようにして、内壁表面が金属層で覆われたスルーホールを有するプリント配線板を製造することができる。 【0037】 なお、本発明は、上記のスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造に限定されない。例えば、上記と同様に感光性積層体を作製し、そのプリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域に第二感光層を硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射し、以降は同様に、支持体を剥離、感光層を現像、プリント配線板形成用基板の金属層をエッチング、そして硬化層を除去することにより、高解像度の金属配線パターンを備えた(スルーホール又はビアホールを有しない)プリント配線板を作製することができる。このようなプリント配線板を作製する際に、例えば、上記プリント配線板形成用基板の配線パターン形成領域以外の領域に第一感光層と第二感光層とをともに硬化させるために必要な光量の光を所定のパターン状に照射することにより、上記の高解像度の金属配線パターンと、高い解像度が必要とされない金属層パターンとを備えた(スルーホール又はビアホールを有しない)プリント配線板を作製することができる。 【0038】 以下、図1の構成の感光性転写シートの材料及び製造方法について、詳細に説明する。感光性転写シートにおいて用いるバインダーポリマーは、アルカリ性水溶液に可溶性であるか、あるいはアルカリ性水溶液との接触により少なくとも膨潤する性質を持つ共重合体であることが好ましい。アルカリ水溶液に対して可溶性又は膨潤性を持つ共重合体の例としては、カルボキシル基含有ビニルモノマー、及びその他の共重合可能なビニルモノマーとの共重合によって得られるカルボキシル基含有ビニル共重合体が挙げられる。 【0039】 カルボキシル基含有ビニルモノマーの例としては(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びリン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステルなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸のような環状無水物との付加反応物も利用できる。あるいは、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なお、これらの内では共重合性やコストや溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。 【0040】 その他の共重合可能なモノマーの例としては、酸性基(特に、カルボキシル基)を含まないエチレン不飽和モノマーを挙げることができる。特に、酸性基との化学反応性を有さないものであることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエーテル類が好ましい。これらのモノマーとしては、例えば以下の様な化合物が挙げられる。 【0041】 (メタ)アクリル酸エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。 【0042】 クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。 【0043】 マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。 【0044】 (メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−nブチルアクリル(メタ)アミド、N−tertブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。 【0045】 スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。 【0046】 この他ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、及び(メタ)アクリロニトリルなども使用できる。 【0047】 これらの化合物は一種のみでも、また二種以上を併用しても良い。特に好ましい共重合可能なモノマーの例は、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α―メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどである。 【0048】 カルボキシル基含有ビニル共重合体のカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有量は、共重合体の全体繰り返し単位中の1〜60モル%の範囲にあり、好ましくは5〜50モル%の範囲、特に10〜40モル%にある。カルボキシル基含有ビニル共重合体の分子量は、質量平均分子量として1000〜200000の範囲にあることが好ましく、4000〜100000の範囲にあることが特に好ましい。 感光層中のバインダーポリマーの含有量は、第一感光層及び第二感光層ともに、5〜96質量%の範囲にあることが好ましく、特に40〜80質量%の範囲が好ましい。 【0049】 エチレン性不飽和結合含有モノマーの好適な例としては、少なくとも2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物である(以下、多官能モノマーとも言う)。例えば、このような多官能モノマーの例としては、特公昭36−5093号公報、特公昭35−14719号公報、特公昭44−28727号公報などに記載されている化合物を挙げることができる。上記公報に記載の化合物((メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル類)の例として下記のものを挙げることができる。アクリル酸エルテル及びメタクリル酸エステル類の例としては、多価アルコールのポリアクリレート類及びポリメタクリレート類(ここで「ポリ」とはジ(メタ)アクリレート以上を言う)を挙げることができ、その多価アルコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリシクロヘキセンオキサイド、ポリスチレンオキサイド、ポリオキセタン、ポリテトラヒドロフラン、シクロヘキサンジオール、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、グリセリン、ジグリセリン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスルリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ブタンジオール、プタントリオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−n−ブチル−2−エチル−プロパンジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、3−クロル−1,2−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−シクロヘキセン−1,1−ジメタノール、デカリンジオール、2,3−ジブロム−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ドデカンジオール、メゾエリスリトール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ノナンジオール、オクタンジオール、ペンタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、プロパンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,1’−ビス−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、3,4−ジヒドロキシヒドロケイ皮酸、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、グルコース、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、N−(3−アミノプロピル)−ジエタノールアミン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニックアシッド、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ウレア、1,2−ビス(4−ピリジル)−1,2−エタンジオール、N−n−ブチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチレンジエタノールアミン、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール2−(2−ピリジル)−1,3−プロパンジオール、トリエタノールアミン、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、及び3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどを挙げることができる。 【0050】 これらのアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類のうち、最も好ましい例としては、その入手の容易さから、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ドデカプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスルトールジアクリレート、ペンタエルスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジグリセリンジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,5−ベンタンジオールジアクリレート、ネオベンチルグリコールジアクリレート、及びエチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリアクリル酸エステルなどを挙げることができる。 【0051】 アクリルアミド類及びメタクリルアミド類の例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドのほか;エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン、ビス(2−アミノプロピル)アミン、ジエチレントリアミンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンおよび異種原子により中断されたポリアミン及び環を有するポリアミン(例えば、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、β−(4−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノ安息香酸、ジアミノトルエン、ジアミノアントラキノン、ジアミノフルオレンなど)等を挙げることができる。 【0052】 アリル化合物の例としては、フタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アシビン酸、グルタール酸、マロン酸及び硝酸等のジカルボン酸のジアリルエステル;アントラキノンジスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゼンジスルホン酸、ジヒドロキシナフタレンジスルホン酸及びナフタレンジスルホン酸などのジスルホン酸のジアリルエステル;及びジアリルアミドなどを挙げることができる。ビニルエーテル化合物の例としては、前記多価アルコールのポリビニルエーテル{例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、1,3,5−トリ−β−ビニロキシエトキジベンゼン、1,3−ジ−β−ビニロキジエトキジベンゼン及びグリセロールトリビニルエーテル}を挙げることができる。ビニルエステル類の例としては、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート及びジビニルブタン−1,4−ジスルホネート等を挙げることができる。スチレン化合物の例としては、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン及びp−イソプロペンスチレンなどを挙げることができる。 【0053】 上記化合物以外の化合物として、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレートなどの、異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;さらに少なくとも二つの水酸基を有するポリオール化合物と、やや過剰の少なくとも二つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを反応させた反応生成物に、少なくとも一つの水酸基と少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られる少なくとも二つのエチレン性不飽和二重結合を有する多官能ウレタン化合物も、本発明に好適に用いられる化合物として挙げることができる。 【0054】 これらの多官能モノマーは単独あるいは二種以上を併用して用いることができる。感光層中の多官能モノマーの含有量は、第一感光層及び第二感光層ともに、5〜90質量%の範囲にあることが好ましく、特に15〜60質量%の範囲にあることが好ましい。 【0055】 光重合開始剤としては、芳香族ケトン、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物などを挙げることができる。特に、芳香族ケトンが好ましい。 【0056】 上記芳香族ケトンの好ましい例としては、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフエノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレン、アクリドンおよびベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン)を挙げることができる。特に好ましい例としては、ベンゾフェノンを挙げることができる。 【0057】 感光層中の光重合開始剤の含有量は、第一感光層及び第二感光層ともに、0.1〜10質量%が一般的で、0.5〜5質量%が好ましい。第一感光層と第二感光層との感度差を光重合開始剤の含有量で調整する場合には、第二感光層の光重合開始剤含有量は、第一感光層の光重合開始剤の含有量に対して1.5〜10倍の量とすることが好ましく、特に2〜5倍の量とすることが好ましい。 【0058】 感光性転写シートの感光層には、増感剤を添加してもよい。増感剤は、通常は第二感光層にのみ添加する。 増感剤としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が好適に使用できる。 増感剤の添加量は、感光層の全成分に対し、0.05〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲、特に好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。 【0059】 感光性転写シートの感光層は、ロフイン二量体を含んでもよい。ロフイン二量体の例としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジ(3’−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び2−(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体を挙げることができる。 【0060】 感光性転写シートの感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシティブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、光環元性色素、及び有機ハロゲン化合物などを含んでいても良い。有機硫黄化合物の例としては、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、及び2−メルカプトベンズイミダゾールを挙げることができる。過酸化物の例としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、及びメチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組み合わせからなるものであり、その例としては、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。アゾ及びジアゾ化合物の例としては、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、及びp−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類を挙げることができる。光還元性色素の例としては、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、及びチオニンを挙げることができる。有機ハロゲン化合物の例としては、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール;フェニルトリブロモメチルスルホン、p−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、p−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン;2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン;を挙げることができる。 【0061】 更に、有機ハロゲン化合物の例としては、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化アルコール化合物、ハロゲン化カルボニル化合物、ハロゲン化エーテル化合物、ハロゲン化エステル化合物、及びハロゲン化アミド化合物を挙げることができる。ハロゲン化炭化水素の例としては、四臭化炭素、ヨードホルム、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,1−ビス(p−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロバン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、及びジブロモシキロヘキサンなどを挙げることができる。ハロゲン化アルコール化合物の例としては、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−tert−ブチルアルコール、及び2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなどを挙げることができる。ハロゲン化カルボニル化合物の例としては、1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、及び1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノンなどを挙げることができる。ハロゲン化エーテル化合物の例としては、2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、及び1,2−ジクロロエチルエチルエーテルなどを挙げることができる。ハロゲン化エステル化合物の例としては、ハロゲン化カルボン酸のエステル、カルボン酸のハロゲン化エステル、またはハロゲン化カルボン酸のハロゲン化エステルを挙げることができ、これらの例として、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチルなどを挙げることができる。ハロゲン化アミド化合物の例としては、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、及びN−ブロモスクシンイミドなどを挙げることができる。有機ハロゲン化合物のうちでは同一炭素原子に結合した二個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化物が好ましく、特に好ましくは一個の炭素原子に三個のハロゲン原子を持つハロゲン化物である。有機ハロゲン化合物は単独で使用してもよく、二種以上併用してもよい。これらのうち特に好ましい有機ハロゲン化合物は、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールである。有機ハロゲン化合物の量は、感光層の全成分に対し0.001〜5質量%の範囲が一般的で、0.005〜1質量%の範囲が好ましい。 【0062】 感光性転写シートの感光層には、更に熱重合禁止剤を加えてもよい。熱重合禁止剤の例としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、塩化第一銅、クロラニール、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トリイジン、メチレンブルー、有機銅、及びサリチル酸メチルなど挙げることができる。これらの熱重合禁止剤は、多官能モノマーに対して0.001〜5質量%の範囲で含有されているのが好ましい。 【0063】 感光性転写シートの感光層には、膜物性(可撓性)をコントロールするために可塑性を添加してもよく、その例としては、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリールフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリールフタレートなどのフタル酸エステル類;ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステルなどのグリコールエステル類;トリクレジオールフォスフェート、トリフェニルフォスフェートなどの燐酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジベート、ジメチルセパケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジブチルマレートなどの脂肪族二塩基エステル類;ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミドなどのアミド類;クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリル酸ブチルなどを挙げることができる。可塑剤としては、p−トルエンスルホンアミドを用いることが好ましい。 【0064】 感光性転写シートの感光層は、ロイコ色素を含むことができる。ロイコ色素の例としては、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−ジメチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、トリス(p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−〔p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(p−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(o−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−p−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもっていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許第3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)を挙げることができる。特に好ましいものはロイコクリスタルバイオレットである。上記ロイコ色素の量は、感光層の全成分に対し、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、特に0.05〜5質量%の範囲が好ましい。 【0065】 感光性転写シートには、感光層を着色させたり、保存安定性を付与したりする目的に染料を用いることができる。好適な染料の例としては、ブリリアントグリーン硫酸塩、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、及びローダミン6Gなどを挙げることができる。特に好ましい染料は、マラカイトグリーンシュウ酸塩である。 【0066】 第一感光層と第二感光層との密着性、あるいは第二感光層とプリント基板形成用基板との密着性を向上させるために、感光層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。密着促進剤の例としては、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサノール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾールなどを挙げることができる。密着促進剤としては、3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオンを用いることが好ましい。 【0067】 本発明で用いる感光性転写シートは、例えば、次のようにして製造することができる。 まず、上記の各種材料を、溶剤に溶解または分散させて、第一感光層形成用の第一感光性樹脂組成物溶液と第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製する。第一感光性樹脂組成物溶液及び第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロゲキサノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息化酸エチル等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイド等を用いることができる。第一感光性樹脂組成物溶液、及び第二感光性樹脂組成物溶液には、界面活性剤を添加してもよい。 【0068】 次に、第一感光性樹脂組成物溶液を可撓性透明フィルム支持体の上に塗布し、乾燥することにより第一感光層を形成する。第一感光層が形成されたら、その上に第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥することにより、第二感光層を形成する。 【0069】 前記可撓性透明フィルム支持体として用いられるものは、光の透過性が良好であることが好ましい。また表面の平滑性が良好であることが望ましい。可撓性透明フィルム支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、及びポリトリフロロエチレンなどの各種のプラスチックフィルムを挙げることができる。更にこれらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚さは、5〜150μmが一般的であり、10〜50μmが好ましい。 【0070】 感光性転写シートには、第二感光層の上に更に保護フィルムが設けられていてもよい。保護フィルムの例としては、前記支持体に使用されるもの及び、紙、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙などを挙げることができる。特にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、5〜100μmが一般的であり、10〜50μmが好ましい。その際、感光性樹脂層と支持体の接着力Aと感光性樹脂層と保護フィルムの接着力Bとが、A>Bの関係になるようにする必要がある。支持体/保護フィルムの組み合わせの例としては、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレンなどを挙げることができる。上記のように支持体と保護フィルムを相互に異種のものから選ぶ方法のほかに、支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は、感光性樹脂層との接着力を高めるために施されるのが一般的であり、その例としては、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、及びレーザー光線照射処理などを挙げることができる。また、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。これらの静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、特に0.5〜1.2が好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生する。また1.4を超えた場合、良好なロール状に巻くことが困難となる。 【0071】 また、保護フィルムを表面処理しても良い。表面処理は、感光性樹脂層との接着性を低下させるために行なわれる。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等の下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行なわれる。 【0072】 上記の感光性転写シートは、スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。 【実施例】 【0073】 [実施例1] 20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)に、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、25μm厚の感光層(第一感光層)を形成した。 【0074】 〔第一感光性樹脂組成物溶液の組成〕 ──────────────────────────────────────── メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部 ドデカポリプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部 テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部 4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部 ベンゾフェノン 1.0質量部 p−トルエンスルホンアミド 0.5質量部 マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部 3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01質量部 ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部 トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部 メチルエチルケトン 30質量部 ──────────────────────────────────────── 【0075】 次に、第一感光層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、5μm厚の感光層(第二感光層)を形成した。 【0076】 〔第二感光性樹脂組成物溶液の組成〕 ──────────────────────────────────────── メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):40/26.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:50℃) 15質量部 ドデカポリプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部 テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部 4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部 ベンゾフェノン 3.0質量部 p−トルエンスルホンアミド 0.5質量部 マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部 3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオン 0.01質量部 ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部 トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部 メチルエチルケトン 30質量部 ──────────────────────────────────────── 【0077】 第二感光層の上に、20μm厚のポリエチレンフィルム(保護フイルム)を積層して感光性転写シートを得た。このようにして、感光性転写シートを用意した。感光性転写シートの感度を下記の方法により測定した結果、第二感光層を硬化させるために必要な光量Aは、4mJ/cm2 であり、第一感光層を硬化させるために必要な光量Bは40mJ/cm2 であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光量Cは14mJ/cm2 (光量Cと光量Aとの差は10mJ/cm2 )であった。 【0078】 〔感度の測定方法〕 感光性転写シートの感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から高圧水銀灯を用いて、0.1mJ/cm2 から21/2 倍間隔で100mJ/cm2 まで光量の異なる光を照射して、感光層を硬化させる。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、感光層の未露光部を炭酸ナトリウム水溶液で溶解除去して、硬化層を現像し、その硬化層の厚さを測定する。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化層の厚さが5μmとなった時の光量(光量A)、硬化層の厚さが30μmとなった時の光量(光量B)、及び硬化層の厚さが5μmを超えた時の光量(光量C)を読み取る。 【0079】 〔プリント配線板の製造〕 直径3mmのスルーホールを有し、表面に銅層を備えた基板を用意した。この基板の銅層の表面を、化学研磨装置を用いて、過酸化水素(濃度:8g/リットル)、硫酸(濃度:100g/リットル)、および銅イオン(濃度:1.9g/リットル)を主成分とする処理液をシャワーすることにより化学研磨処理し、そして乾燥した。処理液の温度は30℃、シャワー配管圧力は0.2MPa、処理時間は25秒とした。化学研磨処理後の基板表面の銅層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.12μmであった。なお、測定の際のカットオフ値は80μmとした。このようにして、銅張積層板(プリント配線板形成用基板)を用意した。 【0080】 次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(保護フイルム)を剥離した感光性転写シートの第二感光層を銅張積層板に重ね、ヒートロールラミネーターを用いて、気泡が入らないように圧着し、銅張積層板、第二感光層、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)がこの順で積層された感光性積層体を得た。 【0081】 得られた感光性積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、405nmの青色レーザ光源を有する露光装置を用いて、銅張積層板の配線パターン形成領域に、4mJ/cm2 の光を所定のパターン状に照射し、一方、銅張積層板のスルーホールの開口部及びその周囲領域に、40mJ/cm2 の光を照射して、感光層を露光した。露光後、感光性積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、次いで濃度1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を第二感光層表面にスプレーして、第一感光層及び第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、硬化層レリーフを得た。 【0082】 銅張積層板上の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、硬化層の厚さを測定したところ、配線パターン形成領域上の硬化層の厚さは5μmであり、スルーホール開口部上の硬化層の厚さは30μmであった。また、配線パターン形成領域上の硬化層の最小解像線幅(ツマリ、ヨレ等の異常のない最小の硬化層パターンの幅)は20μmであった。 【0083】 次に、銅張積層板の表面に、塩化第二鉄含有エッチング溶液をスプレー塗布して、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去し、次いで濃度2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化層レリーフを除去して、スルーホールを有し、表面に配線パターン状の銅層を備えたプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。 【0084】 [実施例2] 直径3mmのスルーホールを有し、表面に銅層を備えた基板を用意した。この基板の銅層の表面を、化学研磨装置を用いて、過酸化水素(濃度:4g/リットル)、硫酸(濃度:50g/リットル)、および銅イオン(濃度:1g/リットル)を主成分とする処理液をシャワーすることにより化学研磨処理し、そして乾燥した。処理液の温度は30℃、シャワー配管圧力は0.2MPa、処理時間は25秒とした。化学研磨処理後の基板表面の銅層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.05μmであった。なお、測定の際のカットオフ値は80μmとした。このようにして、銅張積層板(プリント配線板形成用基板)を用意した。このようにして用意した銅張積層板を用いること以外は実施例1と同様にして、銅張積層板上に硬化層パターンを形成した。 【0085】 銅張積層板上の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、配線パターン形成領域上の硬化層の最小解像線幅は20μmであった。次いで実施例1と同様にして、銅層をエッチングし、そして硬化層レリーフを除去することによりプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。 【0086】 [実施例3] 直径3mmのスルーホールを有し、表面に銅層を備えた基板を用意した。この基板の銅層の表面を、化学研磨装置を用いて、過酸化水素(濃度:15g/リットル)、硫酸(濃度:200g/リットル)、および銅イオン(濃度:4g/リットル)を主成分とする処理液をシャワーすることにより化学研磨処理し、そして乾燥した。処理液の温度は30℃、シャワー配管圧力は0.2MPa、処理時間は25秒とした。化学研磨処理後の基板表面の銅層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.20μmであった。なお、測定の際のカットオフ値は80μmとした。このようにして、銅張積層板(プリント配線板形成用基板)を用意した。このようにして用意した銅張積層板を用いること以外は実施例1と同様にして、銅張積層板上に硬化層パターンを形成した。 【0087】 銅張積層板上の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、配線パターン形成領域上の硬化層の最小解像線幅は25μmであった。次いで実施例1と同様にして、銅層をエッチングし、そして硬化層レリーフを除去することによりプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。 【0088】 [実施例4] 直径3mmのスルーホールを有し、表面に銅層を備えた基板を用意した。この基板の銅層の表面を、化学研磨装置を用いて、過酸化水素(濃度:25g/リットル)、硫酸(濃度:200g/リットル)、および銅イオン(濃度:6g/リットル)を主成分とする処理液をシャワーすることにより化学研磨処理し、そして乾燥した。処理液の温度は30℃、シャワー配管圧力は0.2MPa、処理時間は30秒とした。化学研磨処理後の基板表面の銅層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.30μmであった。なお、測定の際のカットオフ値は80μmとした。このようにして、銅張積層板(プリント配線板形成用基板)を用意した。このようにして用意した銅張積層板を用いること以外は実施例1と同様にして、銅張積層板上に硬化層パターンを形成した。 【0089】 銅張積層板上の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、配線パターン形成領域上の硬化層の最小解像線幅は30μmであった。次いで実施例1と同様にして、銅層をエッチングし、そして硬化層レリーフを除去することによりプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。 【0090】 [実施例5] 直径3mmのスルーホールを有し、表面に銅層を備えた基板を用意した。この基板の銅層の表面を、化学研磨装置を用いて、過酸化水素(濃度:30g/リットル)、硫酸(濃度:200g/リットル)、および銅イオン(濃度:8g/リットル)を主成分とする処理液をシャワーすることにより化学研磨処理し、そして乾燥した。処理液の温度は35℃、シャワー配管圧力は0.2MPa、処理時間は30秒とした。化学研磨処理後の基板表面の銅層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.40μmであった。なお、測定の際のカットオフ値は80μmとした。このようにして、銅張積層板(プリント配線板形成用基板)を用意した。このようにして用意した銅張積層板を用いること以外は実施例1と同様にして、銅張積層板上に硬化層パターンを形成した。 【0091】 銅張積層板上の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、配線パターン形成領域上の硬化層の最小解像線幅は50μmであった。次いで実施例1と同様にして、銅層をエッチングし、そして硬化層レリーフを除去することによりプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。 【0092】 [比較例1] 直径3mmのスルーホールを有し、表面に銅層を備えた基板を用意した。この基板の銅層の表面を、化学研磨装置を用いて、過酸化水素(濃度:55g/リットル)、硫酸(濃度:300g/リットル)、および銅イオン(濃度:8g/リットル)を主成分とする処理液をシャワーすることにより化学研磨処理し、そして乾燥した。処理液の温度は40℃、シャワー配管圧力は0.25MPa、処理時間は40秒とした。化学研磨処理後の基板表面の銅層の表面粗さ(Ra)を測定したところ、0.50μmであった。なお、測定の際のカットオフ値は80μmとした。このようにして、銅張積層板(プリント配線板形成用基板)を用意した。このようにして用意した銅張積層板を用いること以外は実施例1と同様にして、銅張積層板上に硬化層パターンを形成した。 【0093】 銅張積層板上の硬化層パターンを観察したところ、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれや破れなどの欠陥は見られなかった。また、配線パターン形成領域上の硬化層の最小解像線幅は80μmであった。次いで実施例1と同様にして、銅層をエッチングし、そして硬化層レリーフを除去することによりプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホールを目視で観察したところ、スルーホール内壁の銅めっき層に異常は見られなかった。 【図面の簡単な説明】 【0094】 【図1】本発明のプリント配線板の製造方法の実施に好ましく用いられる感光性転写シートの一例の構成を示す断面図である。 【図2】図2の感光性転写シートに支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 【図3】本発明に従うスルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す図である。 【符号の説明】 【0095】 10 感光性転写シート 11 支持体 12 第一感光層 13 第二感光層 14 保護フィルム 15 配線パターン形成用の硬化層 16 スルーホールの金属層保護用の硬化層 17 剥離片 21 プリント配線板形成用基板 22 スルーホール 23 金属層 24 配線パターン 31 加圧ローラ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社 【住所又は居所】神奈川県南足柄市中沼210番地
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| 【出願日】 |
平成15年10月30日(2003.10.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074675 【弁理士】 【氏名又は名称】柳川 泰男
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| 【公開番号】 |
特開2005−136223(P2005−136223A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−371125(P2003−371125) |
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