| 【発明の名称】 |
遊技機用制御基板の自動半田付け装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉川 健治 【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区春岡通7丁目49番地 株式会社ジェイ・ティ内
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| 【要約】 |
【課題】遊技機用集積回路素子を半田ディップにより遊技機用制御基板へ実装する際に半田ブリッジの発生を抑制することができる自動半田付け装置を提供する。
【解決手段】制御装置10が、第3搬送コンベア13を、素子30の実装領域21の基板搬送方向A’後端近傍以外における半田ディップ時には第1の搬送速度とし、実装領域21の基板搬送方向A’後端近傍における半田ディップ時には、第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度とするように制御するので、溶融半田を素子30の各リード32及び実装領域21の電極パッド23へ十分に付着させることができると共に、実装領域21の基板搬送方向A’における後端近傍が噴流ノズル4aより供給される溶融半田から離脱する際に半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技機用制御基板の特定箇所に半田ディップを施すことにより遊技機用集積回路素子を半田付け実装する自動半田付け装置であって、 前記素子の本体を載置し且つ各リードを下面側へ挿通させた状態で前記基板を搬送する搬送手段と、 その搬送手段によって搬送される前記基板の下面における前記素子の実装領域へ溶融半田を供給して半田ディップを施す溶融半田供給手段と、 その溶融半田供給手段による前記実装領域への半田ディップ実行中に前記搬送手段の搬送速度を変化させる搬送速度制御手段と を備えたことを特徴とする遊技機用制御基板の自動半田付け装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技機用の集積回路素子を遊技機用制御基板に半田付け実装するための自動半田付け装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、パチンコ機等の遊技機の制御基板は、制御プログラムを格納したROM内蔵の遊技機用集積回路素子以外の電子部品の半田付けについては外注し、最も重要な電子部品である上述した素子については、不正改造の防止を図るという目的で、遊技機メーカーが自社で作業員が手作業で半田付けを行っていた。 一方、家電や産業機器等の分野においては、従来より、半田付け部品を混載した基板を所定方向に搬送させながら、この基板に、噴流ノズルから噴出させた溶融半田を供給して、半田付けを自動的に行う自動半田付け装置が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。 【特許文献1】特開2000−357865号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、近年用いられている遊技機用集積回路素子は、リードがパッケージの一側面から取り出されると共に、パッケージ面内で交互に折り曲げられ、且つリードピッチが小さいタイプであるSZIPと称される実装形態が採用されているため、半田ディップ時に半田ブリッジ(すなわち、素子の隣り合うリード同士の隙間に半田が流れ込んで短絡している状態)が発生し易いという問題がある。さらに、自動半田付け装置で基板を搬送しながら半田ディップを実施した場合に、半田ディップ時搬送方向最後端のリード付近で半田ブリッジが発生し易いという問題がある。 【0004】 以下、図14及び図15を参照しつつ、従来の自動半田付け装置により遊技機用制御基板に半田ディップを実施した場合に半田ブリッジが発生する現象について、より具体的に説明する。例えば、図14に示すように、遊技機用制御基板520の一方の面から挿通孔522へ遊技機用集積回路素子530のリード532を挿通させ、傾斜状態で上り勾配を所定方向に一定速度で搬送しながら、基板520下方から溶融半田を供給する噴流ノズル504aにより各リード532及び電極パッド523に半田ディップを施していく。そして、搬送方向最後端のリード532及び電極パッド523に半田ディップが施されると、その位置で基板520を上昇させて、噴流ノズル504aから離隔させる。このとき、図15に示すように、噴流ノズル504a側の溶融半田が張力によって基板520側へ過剰に乗り移ってしまい、これにより搬送方向最後端のリード132付近において半田過多となって半田ブリッジが発生するのである。 【0005】 解決しようとする課題は、遊技機用集積回路素子を半田ディップにより遊技機用制御基板へ実装する際に半田ブリッジの発生を抑制することができる自動半田付け装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。 1. 遊技機用制御基板の特定箇所に半田ディップを施すことにより遊技機用集積回路素子を半田付け実装する自動半田付け装置であって、 前記素子の本体を載置し且つ各リードを下面側へ挿通させた状態で前記基板を搬送する搬送手段と、 その搬送手段によって搬送される前記基板の下面における前記素子の実装領域へ溶融半田を供給して半田ディップを施す溶融半田供給手段と、 その溶融半田供給手段による前記実装領域への半田ディップ実行中に前記搬送手段の搬送速度を変化させる搬送速度制御手段と を備えたことを特徴とする遊技機用制御基板の自動半田付け装置。 【0007】 手段1によれば、搬送手段が、遊技機用集積回路素子の本体を載置し且つ各リードを下面側へ挿通させた状態で遊技機用制御基板を搬送し、溶融半田供給手段が、搬送手段によって搬送される基板の下面における素子の実装領域へ溶融半田を供給して半田ディップを施し、搬送速度制御手段が、溶融半田供給手段による実装領域への半田ディップ実行中に搬送手段の搬送速度を変化させるので、素子の実装領域への半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。これにより、遊技機用集積回路素子を基板へ半田付け実装した後に半田ブリッジの除去等を行うための作業負担が大幅に軽減される。 【0008】 2. 前記搬送速度制御手段は、前記搬送手段の搬送速度を、前記実装領域の基板搬送方向後端近傍以外における半田ディップ時には第1の搬送速度とし、前記実装領域の基板搬送方向後端近傍における半田ディップ時には前記第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度とするように制御することを特徴とする手段1に記載の遊技機用制御基板の自動半田付け装置。 手段2によれば、搬送速度制御手段が、実装領域の基板搬送方向後端近傍以外における半田ディップ時には搬送手段を第1の搬送速度とするので、溶融半田を素子の各リード及び実装領域へ十分に付着させることができる。一方、搬送速度制御手段は、実装領域の基板搬送方向後端近傍における半田ディップ時には、搬送手段を第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度とするので、実装領域の基板搬送方向後端近傍が溶融半田供給手段より供給される溶融半田から離脱する際に半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 【0009】 3. 前記搬送速度制御手段は、前記素子へ半田ディップが施されている間、前記搬送手段の搬送速度を漸増させることを特徴とする手段1に記載の遊技機用制御基板の自動半田付け装置。 手段3によれば、搬送速度制御手段が、素子へ半田ディップが施されている間、搬送手段の搬送速度を漸増させるので、実装領域の基板搬送方向後端近傍が溶融半田供給手段より供給される溶融半田から離脱する際に半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 【0010】 4. 前記搬送手段により前記基板を傾斜状態で搬送しつつ、前記溶融半田供給手段により前記実装領域へ半田ディップを施すように構成されたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機用制御基板の自動半田付け装置。 手段4によれば、搬送手段により基板を傾斜状態で搬送しつつ、溶融半田供給手段により実装領域へ半田ディップを施すので、実装領域における半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 【0011】 5. 前記実装領域への半田ディップ時における前記搬送手段の基板搬送方向は、半田ディップ前後の各工程における基板搬送方向とは逆方向に設定されたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機用制御基板の自動半田付け装置。 手段5によれば、素子の実装領域への半田ディップ時における搬送手段の基板搬送方向が、半田ディップ前後の各工程における基板搬送方向とは逆方向に設定されているので、半田ディップ前後の各工程を含む装置全体の長さを短くすることができる。 【発明の効果】 【0012】 本発明の遊技機用制御基板の自動半田付け装置によれば、搬送手段が、遊技機用集積回路素子の本体を載置し且つ各リードを下面側へ挿通させた状態で遊技機用制御基板を搬送し、溶融半田供給手段が、搬送手段によって搬送される基板の下面における素子の実装領域へ溶融半田を供給して半田ディップを施し、搬送速度制御手段が、溶融半田供給手段による実装領域への半田ディップ実行中に搬送手段の搬送速度を変化させるので、素子の実装領域への半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。これにより、遊技機用集積回路素子を基板へ半田付け実装した後に半田ブリッジの除去等を行うための作業負担が大幅に軽減される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の遊技機用制御基板の自動半田付け装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。最初に、遊技機用制御基板(以下、「基板」と称する)20に半田ディップ処理により遊技機用集積回路素子(以下、「素子」と称する)30を半田付け実装するための自動半田付け装置1の概略構成について、図1を参照しつつ説明する。自動半田付け装置1には、半田付け処理の対象である基板20及び素子30を予熱するパネルヒータ2aなどからなるトンネル形の予熱装置2と、基板20及び素子30の実装領域21にフラックスを塗布するフラックス塗布装置3と、基板20及び素子30の実装領域21に下方から溶融状態の半田を供給する溶融半田供給装置4などとが、基板搬送方向Aに沿って順に配置されており、基板20は、その両側部を支持して搬送する対となった搬送部を有する第1搬送コンベア11〜第4搬送コンベア14により搬送されるように構成されている。また、これらの各装置は制御装置10と電気的に接続されており、制御装置10によって動作が制御される。尚、予熱装置2は第1搬送コンベア11の上方に、フラックス塗布装置3は第2搬送コンベア12の下方に、溶融半田供給装置4は第3搬送コンベア13の下方にそれぞれ設けられている。また、第3搬送コンベア13が本発明の搬送手段を、溶融半田供給装置4が溶融半田供給手段を、制御装置10が搬送速度制御手段をそれぞれ構成するものである。 【0014】 フラックス塗布装置3は、基板20下面の素子30の実装領域21にフラックスをスプレー状に塗布して酸化物や汚れを取り除く装置である。フラックス塗布装置3の上方に設けられた第2搬送コンベア12は、搬送部12aを昇降可能に構成され、基板20搬送時には搬送部12aを上昇位置(図1において実線で示す)としてフラックス塗布装置3上端より所定距離離隔させてフラックスが基板20下面に付着しない状態とし、フラックス塗布時には搬送部12aを下降位置(図1において点線で示す)としてフラックス塗布装置3上端に近接させ、基板20下面にフラックスを塗布可能な状態とするように駆動制御される。 【0015】 溶融半田供給装置4は、図1に示すように、基板20における素子30の実装領域21に溶融半田を供給するための噴流ノズル4aを備えている。また、噴流ノズル4aの下方には、溶融半田を貯留する半田ディップ槽4bが設けられ、図示しない噴流手段を駆動させることにより溶融半田を噴流ノズル4a先端から上方に向けて間断なく噴出させるようになっている。噴流ノズル4aの上方に設けられた第3搬送コンベア13は、搬送部13aを昇降可能に構成され、基板20搬送時には搬送部13aを上昇位置として噴流ノズル4aより所定距離離隔させ、基板20下面に溶融半田を接触させる半田ディップ実施時には搬送部13aを下降位置とすると共に搬送方向後方側が上方となるように傾斜させ且つ搬送方向Aとは逆方向に基板20を搬送するように制御装置10によって駆動制御される。尚、半田ディップ実施時における溶融半田供給装置4及び第3搬送コンベア13の詳細動作については後述する。 【0016】 次に、半田付け処理の対象である基板20及び半田付け処理によって実装される素子30について説明する。 基板20は、遊技機の主制御を行うための電子回路が実装された遊技機用の主制御基板であるプリント配線基板であり、基板20の略中央には、図2の配線パターン例及び図3の拡大図に示すように、素子30のリード32と同数のリード挿通孔22が形成されると共に、各リード挿通孔22の周りにそれぞれ円形状の電極パッド22が一方の面に形成されてなる素子30の実装領域21が設けられている。また、実装領域21に対して半田ディップ時の搬送方向A’後方側(図3において左側)には、捨て半田用パッド24が形成されている。基板20に実装される電子部品の内、素子30を除いた他の全ての電子部品は、基板20が自動半田付け装置1へ投入される前に、外部の基板メーカー等において基板20への実装が完了しており、素子30のみが自動半田付け装置1で半田付け実装される。これは、素子30は、遊技機の主制御を行うプログラムを格納したROMを内蔵する最も重要な電子部品であり、保管等におけるセキュリティの確保が重要となるからである。 【0017】 素子30は、遊技機の主制御を行うためのプログラムを格納したROMを内蔵するCPUチップであり、図4(a)(素子30の側面図)及び図4(b)((a)のB線矢視方向における背面図)に示すように、複数(例えば、64本)のリード32が、細長い略長方形の板状をなすパッケージ31の一側面から取り出され、且つパッケージ31面内で交互に折り曲げられたSZIPと称されるリード挿入型の集積回路素子である。パッケージ31は、長さが55mm程度、高さが15mm程度、厚さが3.5mm程度であり、リード32は、長さが4mm程度である。また、素子30は、パッケージ31の先端上部の角に面取り部33が形成され、一側面後端部には水平方向に細長い凹溝34が形成されている。従って、作業者は、視覚的に素子30の先端/後端を識別できるだけでなく、面取り部33又は凹溝34の位置を指の感触で確認することによっても先端/後端を識別可能である。さらに、パッケージ31の長手方向中央部からやや先端寄りの一側面には型式表示35(図4では「XXX−XXX」)が印刷されており、作業者は型式表示35を視認することにより素子30の型式を識別することができる。 【0018】 次に、実装用治具(以下、「治具」と称する)50の構成について、図5及び図6を参照しつつ説明する。ここで、図5(a)は、治具50の平面図、(b)は(a)のC線矢視方向における正面図、(c)はD線矢視方向における側面図である。 治具50は、上述した自動半田付け装置1において基板20に素子30を半田付けする際に、基板20上に載置された素子30を固定保持するために用いる治具である。治具50は、図5に示すように、パッケージ31の厚みに略等しい又は僅かに大きな幅のスリット52を挟んで対向するように延設された一対の保持部51,51と、その一対の保持部51,51の基端側を連結する基端部53とを有し、全体が平面視略コの字形を呈する4フッ化エチレン樹脂からなる樹脂成型品である。尚、治具50を成型するための樹脂材料としては4フッ化エチレン樹脂以外のフッ素樹脂でもよく、一対の保持部51,51の内側面のみを低摩擦材料とする構成でもよい。 【0019】 治具50の一対の保持部51,51内側面には、素子30の凹溝34に係合可能な係合凸部54が設けられている。また、治具50の下面全体は平坦状に形成され、且つ基端部53上面には上面凸部55が設けられている。一対の保持部51,51の下面側先端部には、面取り部56,56が形成され、内側先端部には、スリット52の幅が先端方向に向かって拡大するように先端テーパ部57,57が形成され、さらに、内側下部には、スリット3の幅が下方に向かって拡大するように下側テーパ部58,58が形成されている。また、一対の保持部51,51は、素子30の側面が保持部51,51によって保持された状態で型式表示35が外部に露出するように長さが設定されている。具体的には、素子30と保持部51,51との長さは、素子30の長さを5としたとき保持部51,51の長さは3程度の比率となっている。尚、保持部51,51の長さは単なる一例であり、型式表示35の位置に応じて適宜変更して実施されるべきである。 【0020】 次に、基板20へ素子30を自動で半田付け実装するための自動半田付け装置1における一連の工程について説明する。 まず、作業者が、基板20の各リード挿通孔22に各リード32を一方の面からそれぞれ挿通させながら素子30を基板20上に載置する。 【0021】 次に、素子30に治具50を装着して基板20に固定する。具体的には、治具50の上面凸部55がある面を上に向け、素子30の上部に一対の保持部51,51間のスリット52先端を位置合わせして治具50を基板20側へ押し込むと共に、基端部53の内側端面を素子30後端側の端面に当接させる。ここで、治具50は、下面全体が平坦状に形成され、且つ基端部53上面に上面凸部55が設けられているので、素子30を指でつかみやすいと共に上下逆向きに装着することが確実に防止される。また、一対の保持部51,51の下面側先端部には、面取り部56,56が形成されているので、基板20の上方から円滑に治具50を装着することができると共に、治具50の先端で基板20又は素子30を傷つけることが防止される。また、一対の保持部51,51の内側先端部には先端テーパ部57,57が形成され、スリット52の幅が先端方向に向かって拡大しているので、スリット52をパッケージ31へ容易に位置合わせすることができる。また、下側テーパ部58,58において一対の保持部51,51の間隔が下方に向かって拡大しているので、一対の保持部51,51の隙間をパッケージ31へ容易に位置合わせして治具50を装着することができる。さらに、治具50が、摩擦係数が極めて低い4フッ化エチレン樹脂からなり、素子30との間の摩擦が極めて小さいため、素子30へ円滑に装着することができる。 【0022】 次に、素子30が載置され且つ治具50が装着された基板20を、自動半田付け装置1の第1搬送コンベア11へ投入する。素子30が載置された基板20は、第1搬送コンベア11によってA方向に搬送されると共に、第1搬送コンベア11の装置下流側半分を覆うように設けられた予熱装置2によって予熱される。 【0023】 次いで、基板20は、第2搬送コンベア12によってA方向に搬送され、フラックス噴射装置3の直上で搬送を一旦停止して搬送部12aが下降し、フラックス噴射装置3によって基板20の下方から素子30の実装領域21にフラックスがスプレー状に塗布される。フラックス塗布後、搬送部12aが上昇し、基板20は第3搬送コンベア13へ搬送される。 【0024】 第3搬送コンベア13へ搬送された基板20は、半田ディップ装置4によって素子30実装領域21に半田ディップ処理が施される。以下、図7のフローチャート及び図8(a)〜(e)を参照しつつ、半田ディップ処理における第3搬送コンベア13及び半田ディップ装置4の作用について説明する。図6のフローチャートは、制御装置10における第3コンベア13の制御内容を示している。 【0025】 まず、基板20は、第3搬送コンベア13によってA方向に搬送され(図7:ステップ1(以下、S1と略記する。他のステップも同様))、実装領域21のA方向後端が、噴流ノズル4a直上よりも装置下流側となる位置まで搬送されて停止する(図7:S2、図8(a))。次に、第3搬送コンベア13の搬送部13aは、水平状態のまま数cm〜十数cm程度下方の下降位置へ下降し(図7:S3、図8(b))、さらに、搬送部13aが反時計回りに所定角度回動して装置上流側が上方となる傾斜状態となり(図7:S4)、この状態で基板20をA方向とは逆のA’方向に第1の搬送速度で搬送する(図7:S5、図7(c)〜(d))。このとき噴流ノズル4a先端より噴出する溶融半田が、基板20下面における素子30の実装領域21に接触して半田ディップが施される。すなわち、基板20は、制御装置10により制御される第3搬送コンベア13によって、後方側を上方とする傾斜状態で上り勾配をA’方向へ第1の搬送速度で搬送されながら、素子30の実装領域21のA’方向先端側から後端側に向かって順次、半田ディップが施されていく。そして、素子30のA’方向最後端のリード32が噴流ノズル4a直上に接近した時点で、制御装置10は第3搬送コンベア13の搬送速度を第2の搬送速度へ変化させる。ここで、第2の搬送速度は、第1の搬送速度よりも速い速度であり、例えば、第1の搬送速度を25mm/秒とした場合、第2の搬送速度を50mm/秒と設定することができる。尚、図9は、実装領域21への半田ディップ開始から終了までにおいて、第3搬送コンベア13のA’方向における搬送速度の変化を示すグラフである。また、図10は、基板20の実装領域21のA’方向最後端のリード32及び電極パッド23に半田ディップが施される様子を表わしている。 【0026】 基板20がさらに搬送方向A’に搬送され、実装領域21の搬送方向A’最後端のリード32を通過し、捨て半田用パッド24が噴流ノズル4a直上に到達すると搬送を停止し(図7:S7)、図11に示すように、噴流ノズル4a先端より噴出する溶融半田は、張力によって捨て半田用パッド24に接触して付着する。そして、図8(e)及び図12に示すように、この位置で搬送部13aの先端側(ディップ時搬送方向後端側)が時計回りに所定角度回動して水平状態となり(図7:S8)、半田ディップ処理が終了した基板20がA方向へ搬送される(図7:S9)。この時、従来は、溶融半田が張力によって基板20側の搬送方向A’最後端のリード32及び電極パッド23付近に過剰に付着して半田過多となり半田ブリッジが発生し易いという問題があった。これに対し、本実施形態では、実装領域21の半田ディップ時基板搬送方向A’後端近傍(最後端のリード32)への半田ディップ時に、第3搬送コンベア13を第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度とするので、実装領域21のA’方向後端近傍のリード32が噴流ノズル4aより供給される溶融半田から離脱する際に半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。さらに、図12に示すように、噴流ノズル4a先端より噴出する余分な溶融半田が、捨て半田用パッド24に付着するため、搬送方向A’最後端のリード32及び電極パッド23付近においては半田過多となることが防止され、これにより半田ブリッジの発生が抑制される。 【0027】 次に、作業者は、基板20の半田ディップ箇所の検査を行い、半田ブリッジ(すなわち、素子30の隣り合うリード32同士の隙間に半田が流れ込んで短絡している状態)が形成されている場合はこれらを手作業で除去する。尚、上述した通り、本実施形態の自動半田付け装置1では、半田ブリッジの発生が抑制されるため、従来よりも半田付け箇所の修正作業が必要となる頻度は大幅に低減されている。以上により、素子30の基板20への半田付け作業が終了する。 【0028】 以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の自動半田付け装置1によれば、搬送手段としての第3搬送コンベア13が、素子30のパッケージ31(素子の本体)を載置し且つ各リード32をリード挿通孔22を通して下面側へ挿通させた状態で基板20を搬送し、溶融半田供給装置4が、第3搬送コンベア13によって搬送される基板20の下面における素子30の実装領域21へ噴流ノズル4aより溶融半田を供給して半田ディップを施し、搬送速度制御手段としての制御装置10が、溶融半田供給装置4による実装領域21への半田ディップ実行中に第3搬送コンベア13の搬送速度を変化させるので、実装領域21への半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。これにより、素子30を基板20へ半田付け実装した後に半田ブリッジの除去等を行うための作業負担が大幅に軽減される。 【0029】 また、制御装置10が、第3搬送コンベア13を、素子30の実装領域21の基板搬送方向A’後端近傍以外における半田ディップ時には第1の搬送速度とするように制御するので、溶融半田を素子30の各リード32及び実装領域21の電極パッド23へ十分に付着させることができる。一方、制御装置10は、第3搬送コンベア13を、実装領域21の基板搬送方向A’後端近傍における半田ディップ時には、第1の搬送速度よりも速い第2の搬送速度とするように制御するので、実装領域21の基板搬送方向A’における後端近傍が溶融半田供給装置4の噴流ノズル4aより供給される溶融半田から離脱する際に半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 【0030】 また、第3搬送コンベア13により基板20を傾斜状態で搬送しつつ、溶融半田供給装置4により実装領域21へ半田ディップを施すので、実装領域21への半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 また、実装領域21への半田ディップ時における第3搬送コンベア13の基板搬送方向A’が、半田ディップ前後の各工程における基板搬送方向A(第1搬送コンベア11、第2搬送コンベア12及び第4搬送コンベア14における搬送方向)とは逆方向に設定されているので、半田ディップ前後の各工程を含む装置1全体の長さを短くすることができる。 【0031】 尚、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。 例えば、前記実施形態では、実装領域21の基板搬送方向A’後端近傍における半田ディップ時に第3搬送コンベア13の搬送速度を第1の搬送速度から第2の搬送速度へ速度変化させる制御を行う構成としたが、実装領域21の搬送方向A’前端から後端へ半田ディップが施されている間、図13のグラフに示すように、第3搬送コンベア13の搬送速度を漸増させる制御を行う構成としてもよい。本変形例によっても、実装領域21の基板搬送方向A’後端近傍における半田ディップ時の搬送速度が相対的に速いため、当該部分が溶融半田供給装置4の噴流ノズル4aより供給される溶融半田から離脱する際に半田付着量が過多となることが防止され、半田ブリッジの発生が確実に抑制される。 また、前記実施形態では、半田ブリッジの発生をより確実に抑制するために、基板20の実装領域21の搬送方向A’後方に捨て半田用パッド24を設けた例を示したが、自動半田付け装置1によれば、捨て半田用パッドを設けない遊技機用制御基板に対して半田ディップを施した場合にも半田ブリッジの発生を抑制することが可能である。 【産業上の利用可能性】 【0032】 パチンコ機だけでなくスロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとを融合した遊技機等のあらゆる遊技機の遊技機用制御基板の自動半田付け装置に適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】本発明の実施形態における自動半田付け装置の全体構成の一例を示す側面図である。 【図2】遊技機用制御基板の配線パターンの一例を表わす図である。 【図3】遊技機用制御基板における遊技機用集積回路素子の実装領域の半田ディップ時搬送方向後端付近を拡大して示す拡大図である。 【図4】遊技機用集積回路素子の外観を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)でB線矢視方向における背面図である。 【図5】実装用治具の外観を示す図であり、(a)は治具の平面図、(b)はC線矢視方向における正面図、(c)はD線矢視方向における側面図である。 【図6】基板上で素子を治具で固定した状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はE線矢視方向における側面図である。 【図7】制御装置による第3搬送コンベアの制御内容を示すフローチャートである。 【図8】基板における素子の実装領域に半田ディップが施される工程における第3搬送コンベアの動作を段階的に示す図であり、(a)は搬送部へ基板が搬送された直後の状態を、(b)は搬送部が下降した状態を、(c)は搬送部が装置上流側を上方として傾斜した状態を、(e)は基板がA’方向へ搬送された状態を、(d)は搬送部が水平に戻った状態をそれぞれ表わしている。 【図9】半田ディップ実行中の第3搬送コンベアのA’方向における搬送速度の変化を示すグラフである。 【図10】搬送方向A’最後端のリード及び電極パッドに半田ディップが施される様子を示す拡大図である。 【図11】捨て半田用パッドに溶融半田が付着する様子を示す拡大図である。 【図12】半田ディップが終了して基板が水平状態に戻った様子を示す拡大図である。 【図13】変形例における半田ディップ実行中の第3搬送コンベアの搬送速度の変化を示すグラフである。 【図14】従来の自動半田付け装置において半田ディップ時搬送方向最後端のリード及び電極パッドに半田ディップが施される様子を示す拡大図である。 【図15】従来の自動半田付け装置において半田ディップ時搬送方向最後端のリード及び電極パッド付近に半田ブリッジが発生した様子を示す拡大図である。 【符号の説明】 【0034】 1 自動半田付け装置 4 溶融半田供給装置(溶融半田供給手段) 10 制御装置(搬送速度制御手段) 13 第3搬送コンベア(搬送手段) 20 遊技機用制御基板 21 遊技機用集積回路素子の実装領域 30 遊技機用集積回路素子 31 パッケージ(素子の本体) 32 リード
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| 【出願人】 |
【識別番号】000144522 【氏名又は名称】株式会社三洋物産 【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号
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| 【出願日】 |
平成15年10月30日(2003.10.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100110744 【弁理士】 【氏名又は名称】藤川 敬知
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| 【公開番号】 |
特開2005−136219(P2005−136219A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−371016(P2003−371016) |
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