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【発明の名称】 部品実装ヘッド及び部品実装装置
【発明者】 【氏名】川隅 顕介
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社内

【氏名】宮崎 浩人
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社内

【氏名】竹馬 徹
【住所又は居所】大阪府門真市松葉町2番7号 パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社内

【要約】 【課題】より一層のコンパクト化を可能とする部品実装ヘッド、及び部品実装装置を提供する。

【解決手段】原点規定用部材184を設けたことで、物理的に支持部材1831の上昇を停止させることができる。よって、部品実装ヘッド180から原点確定用のセンサを排除することができるとともに、該センサに接続される配線も削除することができることから、部品実装ヘッドのコンパクト化を図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが昇降可能であり複数の部品吸着ノズル(182)を有する部品実装ヘッド(180)であって、
それぞれの上記部品吸着ノズルに対応して設けられ、上記部品吸着ノズルを取り付け可能でありかつ昇降方向(192)に昇降するノズル取付部(1812)を有する複数のノズル昇降部(181)と、
それぞれの上記ノズル昇降部に対応して設けられ、上記ノズル取付部を支持する支持部材(1831)を有し該支持部材を上記昇降方向に移動させることで上記ノズル取付部及び上記部品吸着ノズルを上記昇降方向に移動させる昇降駆動部(183)と、
上記支持部材と干渉可能でありそれぞれの上記ノズル取付部の原点を規定するための原点規定用部材であって、隣接する上記ノズル取付部の内、上記昇降方向においてより上昇して配置された第1ノズル取付部(1812−1)を支持する上記支持部材の上昇動作を強制的に停止させる第1停止部(1841)、及び上記第1ノズル取付部に比して低く配置される第2ノズル取付部(1812−2)を支持する上記支持部材の上昇動作を強制的に停止させ上記昇降方向において上記第1停止部より低位置に設けられる第2停止部(1842)を有する原点規定用部材(184)と、
を備えたことを特徴とする部品実装ヘッド。
【請求項2】
上記原点規定部材により上記支持部材が停止した後、上記支持部材の規定量の下降を検出した時点で原点位置を確定する原点確定装置(185、1837)をさらに有する、請求項1記載の部品実装ヘッド。
【請求項3】
上記昇降駆動部がボールねじ機構(1832)を有するとき、上記原点確定装置は、ボールねじ(1833)の回転量を検出するエンコーダ(1837)と、該エンコーダの出力信号にて上記原点位置の確定を行う制御部(185)とを有する、請求項2記載の部品実装ヘッド。
【請求項4】
上記制御部は、上記第1ノズル取付部を支持する上記支持部材を有する上記昇降駆動部に対して上記第2ノズル取付部に先行して上記第1ノズル取付部の上記原点位置確定動作を制御する、請求項3記載の部品実装ヘッド。
【請求項5】
Y軸方向(191)に延在するY軸ロボット(160)と、
上記Y軸ロボットに吊り下げられ上記Y軸ロボットにて上記Y軸方向に移動可能であり、かつ請求項1から4のいずれかに記載の部品実装ヘッド(180)を吊り下げ上記Y軸方向に直交するX軸方向(190)に上記部品実装ヘッドを移動させるX軸ロボット(170)と、
を備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項6】
上記X軸ロボットは、上記X軸方向に延在する本体枠(171)と、該本体枠内に上記X軸方向に沿って設けられ上記部品実装ヘッドを吊り下げる可動部(174)を有し該可動部を上記X軸方向に駆動するリニアモータ(175)とを有する、請求項5記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を吸着し回路基板へ実装する複数の部品吸着ノズルを有する部品実装ヘッド、及び該部品実装ヘッドを備えた部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置に備わり、電子部品を吸着する吸着ノズルの昇降動作により、部品供給装置から電子部品を吸着し回路基板上へ移動後、上記電子部品を回路基板上の実装位置へ実装する部品実装ヘッドには、一度に複数の電子部品の実装が可能となるように、複数の吸着ノズルを一列状に配列した部品実装ヘッドが存在する。このような部品実装ヘッドでは、コンパクト化を図るため、各吸着ノズルの間隔は、最小限に設定されている。したがって、大型部品用の大型吸着ノズルを取り付けたときには、隣接する大型吸着ノズル同士では、該大型吸着ノズルに備わるつば部が互いに干渉してしまうという現象が発生する。
【0003】
上記干渉を避けるため、上記つば部を削るという方法も行われているが、該方法は、手間を要しかつ根本的な対処方法ではない。又、図11に示すように、干渉する場合には、2本の吸着ノズル1に挟まれる1本の吸着ノズル2は使用しないこととし、上記干渉を生じない退避位置3へ配置する方法も行われている。この場合、退避位置3へ吸着ノズル2を位置させるためには、全ての吸着ノズルについて、昇降動作における原点位置を確定させる必要がある。即ち、まず吸着ノズル2の原点位置を確定することで退避位置3が設定でき、吸着ノズル2の原点位置の確定により他2本の吸着ノズル1の原点位置も確定可能となる。よって、従来の部品実装ヘッドには、上記原点位置を確定させるための原点センサが各吸着ノズルの各駆動部に設けられており、部品実装装置を起動したときには、部品実装ヘッドの全吸着ノズルについて昇降動作を行い、上記原点センサの検出により全吸着ノズルの原点位置を確定していた。
又、電源OFF時には、装着スピンドルを原点位置に復帰させる機構を設けたものもある(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平5−175690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記原点センサを用いる場合には、当然ながら部品実装ヘッドには上記原点センサを設ける必要があり、原点センサ用の配線等も必要なことから、上述した部品実装ヘッドのコンパクト化に逆行する構成となっており、又、原点センサの調整等の手間も生じるという問題があった。同様に、原点復帰用の機構を設ける構成も、実装ヘッドのコンパクト化に逆行する構成となっている。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、上記原点センサを削除しより一層のコンパクト化を可能とする部品実装ヘッド、及び該部品実装ヘッドを備えた部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様の部品実装ヘッドは、それぞれが昇降可能であり複数の部品吸着ノズルを有する部品実装ヘッドであって、
それぞれの上記部品吸着ノズルに対応して設けられ、上記部品吸着ノズルを取り付け可能でありかつ昇降方向に昇降するノズル取付部を有する複数のノズル昇降部と、
それぞれの上記ノズル昇降部に対応して設けられ、上記ノズル取付部を支持する支持部材を有し該支持部材を上記昇降方向に移動させることで上記ノズル取付部及び上記部品吸着ノズルを上記昇降方向に移動させる昇降駆動部と、
上記支持部材と干渉可能でありそれぞれの上記ノズル取付部の原点を規定するための原点規定用部材であって、隣接する上記ノズル取付部の内、上記昇降方向においてより上昇して配置された第1ノズル取付部を支持する上記支持部材の上昇動作を強制的に停止させる第1停止部、及び上記第1ノズル取付部に比して低く配置される第2ノズル取付部を支持する上記支持部材の上昇動作を強制的に停止させ上記昇降方向において上記第1停止部より低位置に設けられる第2停止部を有する原点規定用部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
又、上記原点規定部材により上記支持部材が停止した後、上記支持部材の規定量の下降を検出した時点で原点位置を確定する原点確定装置をさらに有するように構成してもよい。
【0007】
又、上記昇降駆動部がボールねじ機構を有するとき、上記原点確定装置は、ボールねじの回転量を検出するエンコーダと、該エンコーダの出力信号にて上記原点位置の確定を行う制御部とを有するように構成してもよい。
【0008】
又、上記制御部は、上記第1ノズル取付部を支持する上記支持部材を有する上記昇降駆動部に対して上記第2ノズル取付部に先行して上記第1ノズル取付部の上記原点位置確定動作を制御するように構成してもよい。
【0009】
又、本発明の第2態様の部品実装装置は、Y軸方向に延在するY軸ロボットと、
上記Y軸ロボットに吊り下げられ上記Y軸ロボットにて上記Y軸方向に移動可能であり、かつ上記第1態様の部品実装ヘッドを吊り下げ上記Y軸方向に直交するX軸方向に上記部品実装ヘッドを移動させるX軸ロボットと、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記第2態様において、上記X軸ロボットは、上記X軸方向に延在する本体枠と、該本体枠内に上記X軸方向に沿って設けられ上記部品実装ヘッドを吊り下げる可動部を有し該可動部を上記X軸方向に駆動するリニアモータとを有するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
上述した、本発明の第1態様の部品実装ヘッド及び第2態様の部品実装装置によれば、原点規定用部材を設けたことで、物理的に上記支持部材の上昇を停止させることができる。よって、部品実装ヘッドから原点確定用のセンサを排除することができるとともに、該センサに接続される配線も削除することができることから、部品実装ヘッドのコンパクト化を図ることができる。又、上記原点規定用部材には、第1停止部及び第2停止部を有することで、隣接するノズル取付部について、昇降方向において原点位置を異ならせることができ、隣接する部品吸着ノズルの干渉を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態である部品実装ヘッド、及び該部品実装ヘッドを備えた部品実装装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同じ構成部分については同じ符号を付している。
図1には、上記部品実装装置101が示されており、該部品実装装置101は、Y軸方向に延在するY軸ロボット160a,160bと、Y軸ロボット160a,160bにそれぞれ吊り下げられY軸ロボット160a,160bにてY軸方向に移動可能であり、かつ部品を回路基板に実装する、上記実施形態の部品実装ヘッド180を吊り下げ上記Y軸方向に直交するX軸方向に部品実装ヘッド180を移動させるX軸ロボット170とを有する。
【0013】
具体的に説明すると、図2に示すように、上記X軸方向に相当する基板搬送方向190に直交し上記Y軸方向に相当する直交方向191において基台102の略中央部には、部品を実装すべき基板(ワーク)105を基板搬送方向190に搬送し、かつ位置決めする基板搬送装置106が配設されている。又、基台102の操作側101aには、架台の分離部材113にて分割された各装填領域114a,114b(総称して「装填領域114」と記す場合もある。)に、部品供給装置107a、107b(総称して「部品供給装置107」と記す場合もある。)がそれぞれ設置される。本実施形態では、基台102に向かって左側の装填領域114aに、部品1073を収容したトレイ1071を有し該トレイ1071から部品1073の供給を行ういわゆるトレイ式の部品供給装置107aを設け、右側の装填領域114bには、部品を収納したテープを巻回したリールを有し上記テープを繰り出して部品供給を行うカセット1072を部品搬送方向190に沿って並設した、いわゆるカセット式の部品供給装置107bを設けている。尚、上記装填領域114と、設置される部品供給装置のタイプとに関係はなく、左右両側にトレイ式を設けても良いし、カセット式を設けても良い。
部品供給装置107の基板搬送装置106側の側部には、部品供給装置107から取り出された部品を認識する部品認識装置109が配設されている。
【0014】
さらに、図3に示すように、架台104に両端が支持され、直交方向191に延在するY軸ロボット160が架設される。Y軸ロボット160は、トレイ式の部品供給装置107aに対応して配置されるY軸ロボット160aと、カセット式の部品供給装置107bに対応して配置されるY軸ロボット160bとの2台を有する。このように配置されるY軸ロボット160a、160bは、連結部材140を中心にして、基板搬送方向190において所定間隔を有して互いに平行に配置される。
Y軸ロボット160は、図4に示すように、高さの低い略門形の断面形状を有する剛性の高い梁状本体163を備え、該梁状本体163の下端の両側部に配設されたガイドレール164にてリニアガイド部材165を介して可動部166が移動自在に支持される。さらに梁状本体163には、送りねじ機構が設けられ、該送りねじ機構のナット部に可動部166が取り付けられている。よって、Y軸ロボット160は、Y軸ロボット160の他端に設けた駆動モータ167にて上記送りねじ機構を作動させることで、可動部166を直交方向191に移動及び位置決めするように構成されている。
【0015】
Y軸ロボット160の可動部166の下面には、基板搬送方向190に延在するX軸ロボット170の中央部分が装着固定されている。それに伴って一対のY軸ロボット160a、160bの配設間隔は、図3に示すように、基板搬送方向190におけるX軸ロボット170の長さより若干長い間隔に設定されている。
X軸ロボット170は、図5に示すように、断面形状が扁平な略門形で主としてアルミニウム材の鋳物にて形成される本体枠171を備え、該本体枠171の両側下端部に配設され基板搬送方向190に延在する鉄製のガイドレール172にてリニアガイド部材173を介して可動部174が基板搬送方向190に移動自在に支持される。該可動部174には、部品供給装置107から部品を保持して基板105に実装する部品吸着ノズルを有する部品実装ヘッド(作業ヘッド)180が装着される。さらに、可動部174の移動経路の上方の本体枠171の内部空間には、基板搬送方向190に沿ってリニアモータ175を設けており、リニアモータ175にて可動部174を基板搬送方向190に移動及び位置決めするように構成されている。可動部174の位置は、本体枠171の一側面に固定されたリニアスケール176を可動部174の一側に取付けられたリーダ177にて読み取って検出するように構成されている。又、本体枠171の両端近傍の両側に可動部174の移動端を規制するストッパ178が設けられている。
【0016】
次に、部品実装ヘッド180について、図6〜図9を参照して詳しく説明する。尚、図7から図9では、説明上必要な、部品実装ヘッド180の主要部分のみを図示している。
図6に示すように、本実施形態では、3つの、ノズル昇降部181及び昇降駆動部183と、図7に示す一つの原点規定用部材184とを有する。
上記ノズル昇降部181は、各部品吸着ノズル182に対応して複数設けられ、本実施形態では、図示するように3つ設けている。各ノズル昇降部181は、図7に示すように、昇降方向192に沿って延在し、その下端部には、部品吸着ノズル182を取り付け可能とするノズル取付部1812が設けられ、上端部には、取り付けられた部品吸着ノズル182をその軸周り方向に回転させるための回転用モータ1811が設けられる。尚、回転用モータ1811は、部品実装ヘッド180のフレーム材1801に固定され、回転用モータ1811とノズル取付部1812とは回転用シャフトにて連結されている。又、回転用モータ1811は、図6に示す制御部185にて動作制御される。さらに又、各ノズル取付部1812には、詳細後述する昇降駆動部183に備わり昇降方向192へ昇降される支持部材1831がそれぞれ接続され、該支持部材1831にてノズル昇降部181は支持される。よって、各支持部材1831の昇降により、各ノズル取付部1812は、部品吸着ノズル182とともに昇降方向192に昇降する。このように構成される各ノズル昇降部181は、図6及び図8に示すように、基板搬送方向190に沿って列状に、かつ隣接する部品吸着ノズル182同士では干渉が生じる程度に配置されている。尚、部品吸着ノズル182における部品吸着のため、ノズル取付部1812には、不図示の吸引装置が接続されている。
【0017】
上記昇降駆動部183は、それぞれのノズル昇降部181に対応して設けられ、本実施形態では、図示するように3つ設けている。各ノズル昇降部181は、図7に示すように、昇降方向192に沿って延在し、その下部には、ねじ部1833に係合したナット部1834を有するボールねじ機構1832が設けられ、上部には、ボールねじ機構1832を駆動するための駆動モータ1835が設けられている。該駆動モータ1835には、ねじ部1833の回転を検出するエンコーダ1837が取り付けられている。駆動モータ1835は、制御部185にて動作制御され、又、エンコーダ1837の出力信号は制御部185に供給される。尚、制御部185及びエンコーダ1837を有して原点確定装置が構成される。又、駆動モータ1835は、部品実装ヘッド180のフレーム材1801に固定され、ナット部1834には、上述の支持部材1831が固定されている。よって、駆動モータ1835の作動により、ねじ部1833がその軸周り方向に回転し、該回転動作により、ナット部1834が昇降方向192に沿って昇降する。したがってナット部1834に連結された支持部材1831も昇降し、それに伴い上記ノズル取付部1812も昇降する。又、支持部材1831は、部品実装ヘッド180のフレーム材1802に昇降方向192に沿って敷設されたガイドレール1836に案内されながら昇降する。
【0018】
上記原点規定用部材184は、図7及び図8に示すように、上記フレーム材1802に基板搬送方向190に沿って取り付けられた棒状の部材であり、上述の各支持部材1831が上昇するときに干渉するように設置されている。該原点規定用部材184は、干渉により、各支持部材1831の上昇動作を物理的に強制的に停止させることで、各部品吸着ノズル182の原点位置を確定させるための部材である。ここで、原点位置とは、昇降方向192において、ノズル取付部1812つまり部品吸着ノズル182がほぼ上昇しきった位置であり、回路基板への部品実装のためにノズル取付部1812つまり部品吸着ノズル182の下降量を決定するための基準となる位置である。又、該原点位置は、当該部品実装装置の起動時に一度設定すればよい。以下により詳しく説明する。
【0019】
上述したように、各ノズル昇降部181において、隣接する部品吸着ノズル182同士では干渉が生じる程度に配置されていることから、例えば大型部品を吸着するための大型吸着ノズルをノズル昇降部181のノズル取付部1812に取り付けたときには、隣接するノズル昇降部181では、上記大型吸着ノズルのつば部同士が干渉してしまう。よって、大型吸着ノズルを取り付けるとき、又は取り付けたときには、隣接するノズル昇降部181同士では、上記干渉を避けかつ部品吸着ノズル182の昇降が可能となるように、隣接する2つのノズル取付部1812つまり部品吸着ノズル182について高低差が生じるように配置する。例えば部品吸着ノズル182が3本のときには、図8に示すように、中央に配置され、第1ノズル取付部に相当し部品吸着ノズル182−1が取り付けられたノズル取付部1812−1を、両側に配置され第2ノズル取付部に相当し部品吸着ノズル182−2が取り付けられたノズル取付部1812−2よりも上昇した高位置に配置する。尚、このように高低差を設けた場合、部品吸着ノズル182−1のように他の部品吸着ノズル182−2に比べて上昇位置に配置された部品吸着ノズルは、部品吸着及び部品実装の各動作を行わない。又、部品吸着ノズル182が4本以上設けられるときには、例えば左端から右端の方向へ、低位置に配置され部品実装動作を実行する部品吸着ノズル182−2、高位置に配置され部品実装動作を行わない部品吸着ノズル182−1、上記部品吸着ノズル182−2、上記部品吸着ノズル182−1、…の順で配置される。つまり、奇数本の部品吸着ノズル182が設けられているときには、部品実装動作が可能となる部品吸着ノズル182の本数が多くなるように、例えば図8に示すように中央の部品吸着ノズル182−1のみを上記高位置に配置し、一方、偶数本のときには隣接する部品吸着ノズル182同士で高低差を設ければよい。
【0020】
上述のように高低差を設けて各ノズル取付部1812つまり部品吸着ノズル182が配置された状態において、上記原点規定用部材184を用いて各ノズル取付部1812の原点位置を確定するため、原点規定用部材184は、上記高低差に対応して昇降方向192において高低差を設けた第1停止部1841及び第2停止部1842を有する。第1停止部1841は、第1ノズル取付部に相当し部品吸着ノズル182−1が取り付けられたノズル取付部1812−1を支持する支持部材1831−1の上昇動作のとき、該支持部材1831−1と当接し、該支持部材1831−1の上昇動作を強制的に停止させる部分である。本実施形態では、図8に示すように、第1停止部1841は、第2停止部1842に対して深さHを有する溝部にて形成される。尚、上記深さHが上述の高低差に対応し、本実施形態では約1.5mmとしている。第2停止部1842は、第2ノズル取付部に相当し部品吸着ノズル182−2が取り付けられたノズル取付部1812−2を支持する支持部材1831−2の上昇動作のとき、該支持部材1831−2と当接し、該支持部材1831−2の上昇動作を強制的に停止させる部分である。
【0021】
上述のような構成において、原点位置の確定動作について図10を参照して具体的に以下に説明する。尚、各ノズル取付部1812つまり部品吸着ノズル182は、干渉を避けるため、上述のように高、低位置に予め配置されている。又、該原点位置確定動作は、制御部185の制御により実行される。
まず、図10の(a)に示すように、3つのノズル取付部1812の内、中央で高位置に配置されているノズル取付部1812−1を有するノズル昇降部181に対応した昇降駆動部183の駆動モータ1835を作動させ、ボールねじ機構1832にて、ナット部1834に接続されている支持部材1831−1を上昇させる。
該上昇動作により、図10の(b)に示すように、ノズル取付部1812−1を支持する支持部材1831−1は、原点固定用部材184の第1停止部1841に当接し、上昇動作が阻止される。該上昇動作阻止により、駆動モータ1835における負荷が上昇する。制御部185は該負荷上昇を検知し、駆動モータ1835の作動を停止させる。
次に、制御部185は、支持部材1831−1を下降させるように駆動モータ1835を作動させ、かつエンコーダ1837からの出力信号に基づいて規定の回転数分、ねじ部1833が回転した時点で、駆動モータ1835の作動を停止する。そして、制御部185は、この位置をノズル取付部1812−1における原点位置と確定する。
【0022】
次に、図10の(c)に示すように、各ノズル取付部1812−2を有する各ノズル昇降部181に対応した各昇降駆動部183の各駆動モータ1835を作動させ、ボールねじ機構1832にて、ナット部1834に接続されている各支持部材1831−2を上昇させる。
該上昇動作により、図10の(d)に示すように、各ノズル取付部1812−2を支持する各支持部材1831−1は、原点固定用部材184の第2停止部1842にそれぞれ当接し、上昇動作が阻止される。該上昇動作阻止により、各駆動モータ1835における負荷が上昇する。制御部185は該負荷上昇を検知し、各駆動モータ1835の作動を停止させる。
次に、制御部185は、各支持部材1831−2を下降させるように各駆動モータ1835を作動させ、かつエンコーダ1837からの出力信号に基づいて、支持部材1831−1の場合と同数にてなる規定の回転数分、ねじ部1833が回転した時点で、各駆動モータ1835の作動を停止する。そして、制御部185は、これらの位置を各ノズル取付部1812−2における原点位置と確定する。
【0023】
以上説明したようにして原点位置の確定を行うことで、部品実装ヘッド180には、原点位置を確定するためのセンサを設ける必要が無くなり、したがって上記センサに付属する配線も無くすことができる。よって、部品実装ヘッド180のコンパクト化を図ることができる。又、原点規定用部材184は、高低差を設けた第1停止部1841及び第2停止部1842を有することで、隣接するノズル取付部1812について、昇降方向192において原点位置を異ならせることができ、隣接する部品吸着ノズル182の干渉を防止することができる。
【0024】
尚、隣接する部品吸着ノズル182同士にて干渉が生じない場合であっても、上述と同様にして各ノズル取付部1812の原点位置確定を行えばよい。そして、部品実装動作時には、それぞれのノズル取付部1812における原点位置からの下降量を調整することで、全ての部品吸着ノズル182にて部品実装動作が可能である。
【0025】
以上説明したように構成される部品実装装置101にて実行される部品実装動作について、以下に簡単に説明する。
まず、当該部品実装装置101を起動したときには、図10を参照して上述した原点確定動作が実行され、各部品吸着ノズル182における原点位置が確定される。
次に、2枚の基板105は、図2に示すように、基板搬送装置106にて基板搬送方向190に搬送され、Y軸ロボット160a及びY軸ロボット160bにそれぞれ対応した位置に位置決めされる。その後、Y軸ロボット160a、160b、並びに、該Y軸ロボット160a、160bに吊り下げられている各X軸ロボット170をそれぞれ独立して駆動させて、各X軸ロボット170に取り付けられている実装ヘッド180に備わる部品吸着ノズル182の位置決めを行いながら、各部品吸着ノズル182にて、部品供給装置107a、107bから電子部品を保持し、それぞれの基板105に電子部品を実装していく。尚、各X軸ロボット170は、基板搬送方向190及び直交方向191において互いに物理的に干渉することはないサイズにて設計され、配置されていることから、Y軸ロボット160a、160b、及び、X軸ロボット170は、それぞれ独立して、部品保持から部品実装までの動作を行うことができる。又、部品保持後、部品実装前に、部品吸着ノズル182に保持されている部品の保持姿勢が部品認識装置109にて認識され、該認識の結果に基づいて、部品吸着ノズル182の軸芯周りへの回転、及びY軸ロボット160及びX軸ロボット170の位置補正が行われる。
各基板105に所定の全部品が実装された後、基板105は、当該部品実装機101から搬出され、又、新たな基板105が当該部品実装機101に搬入される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、電子部品を吸着し回路基板へ実装する複数の部品吸着ノズルを有する部品実装ヘッド、及び該部品実装ヘッドを備えた部品実装装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である部品実装機の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す部品実装機の天井部分を除いた状態における平面図である。
【図3】図3は、図1に示す部品実装機の平面図である。
【図4】図4は、図1に示す部品実装機に備わるY軸ロボットの斜視図である。
【図5】図5は、図1に示す部品実装機に備わるX軸ロボットの斜視図である。
【図6】図6は、図1に示す部品実装ヘッドの分解斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す部品実装ヘッドの主要部分の側面図である。
【図8】図8は、図7に示すA−A部における正面図である。
【図9】図9は、図7に示すB−B部における正面図である。
【図10】図10は、図6に示す部品実装ヘッドにて実行される原点確定動作の手順を説明するための図である。
【図11】図11は、従来の部品実装ヘッドにおける部品吸着ノズルの配列関係を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
160…Y軸ロボット、170…X軸ロボット、171…本体枠、174…可動部、
175…リニアモータ、180…部品実装ヘッド、181…ノズル昇降部、
182…部品吸着ノズル、183…昇降駆動部、184…原点規定用部材、
185…制御部、190…X軸方向、191…Y軸方向、192…昇降方向、
1812、1812−1、1812−2…ノズル取付部、1831…支持部材、
1832…ボールねじ機構、1833…ねじ部、1837…エンコーダ、
1841…第1停止部、1842…第2停止部。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【代理人】 【識別番号】100086405
【弁理士】
【氏名又は名称】河宮 治

【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫

【公開番号】 特開2005−101428(P2005−101428A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2003−335121(P2003−335121)