| 【発明の名称】 |
DC−DC電源装置の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅原 英州 【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 NECトーキン株式会社内
【氏名】若生 直樹 【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 NECトーキン株式会社内
【氏名】小野 敏明 【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 NECトーキン株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】工程を増やすことなく容易に製造でき、小型でかつ信頼性の高いDC−DC電源装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電力変換用半導体8、コンデンサ9およびインダクタ等を含む電子部品を搭載する回路基板の両面に、プリプレグ4を介して、絶縁被膜を施した導体からなる電磁波遮蔽板1を熱圧着により接合して一体化するDC−DC電源装置の製造方法であり、回路基板7に、電磁波遮蔽板1を接合する際にプリプレグ4が流動できる大きさの開口部21、22、23を設ける工程、切断により複数個の装置を形成する工程を含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インダクタおよびコンデンサを含む電子部品を搭載または内蔵する回路基板の両面に、プリプレグを介して電磁波遮蔽板を熱圧着により接合して一体化するDC−DC電源装置の製造方法であって、前記基板に、前記電磁波遮蔽板を接合する際にプリプレグが流動できる大きさの開口部を設ける工程を含むこと特徴とするDC−DC電源装置の製造方法。 【請求項2】 切断により複数個の装置を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のDC−DC電源装置の製造方法。 【請求項3】 前記複数個の装置を製造することができる大きさの回路基板の一辺に形成する開口部は、切断しろ以上の幅を有し、総長さが切断長さ以下で、かつ少なくとも1個以上であることを特徴とする請求項2記載のDC−DC電源装置の製造方法。 【請求項4】 前記プリプレグは、厚さが200μm以下のものを組み合わせて接合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のDC−DC電源装置の製造方法。 【請求項5】 前記電磁波遮蔽板は、箔、線または織物状の金属からなる導体層と、該導体層を絶縁被覆した樹脂または金属酸化物からなる絶縁層とから構成されたシートまたは不織布状であり、前記導体層の平均厚さが170μm以下、かつ、前記絶縁層の片側の平均厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のDC−DC電源装置の製造方法。 【請求項6】 前記電子部品を、電磁波遮蔽効果を有する導体を挟んだ厚さが270μm以下のプリプレグを介して上下に積み重ねて配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のDC−DC電源装置の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、DC−DC電源装置の製造方法に関し、特に、表裏両面に電磁波遮蔽板を形成した低電圧用の一体型のDC−DC電源装置の製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 電池を駆動源とする携帯機器、特に携帯電話などの小型、薄型、高性能化等の技術が急速に進んでいる。これらの小型化等の技術は、これに用いられるL、C、R、半導体等の電子部品の小型化等の技術に負うものである。また、DC−DC電源装置に関しても、DC−DCコンバータやレギュレータを用いて小型化、薄膜化が進んだ表面実装用の構造のみならず、個別の電子部品を内蔵する構造の多層基板が開発されている。 【0003】 このような状況の中で、プリプレグを用いて電子部品を多層基板に実装する製造方法が多数開示されている。例えば、特許文献1には、プリプレグに穴を開けて、コンデンサやインダクタを構成するセラミックチップを内蔵し、かつプリプレグ及びセラミックチップ上にめっき膜と銅箔とをパターニングする多層基板の製造方法が開示されている。 【0004】 また、例えば、特許文献2には、多層基板の薄型化方法を工夫して、電子部品が納まる空間を確保したプリプレグを用いて複数の電子部品実装基板に搭載された電子部品を封じ込めるとともに熱加圧により立体的に積層する製造方法が開示されている。 【0005】 また、電磁波遮蔽効果を高める方法としては、従来、図5に示すように、DC−DC電源装置114では、金属ケース113の中にコンデンサ、インダクタ、電力変換半導体等の電子部品140が実装された端子111を有する回路基板117を入れてモールドする方法が一般的に行われていた。しかし、この場合には電磁波遮蔽が完全となるものの、金属ケースを利用するために大きさや重さが大きな問題となっていた。そこで最近では、電子部品が実装された多層基板内に金属層や磁性粉末を利用した複合層からなる電磁波遮蔽層を設ける製造方法や電子部品が実装された基板全体を電磁波遮蔽層で覆う方法が開発されている。 【0006】 例えば、特許文献3には、完全に電磁波を遮蔽するために、電子部品が実装された基板全体を電波吸収材料や導電性塗料の中に浸漬、塗布することで、基板全体に電磁波遮蔽膜を作製し、この電磁波遮蔽膜を基板の回路のコモンラインに接続する方法が開示されている。 【0007】 また、特許文献4には、電子部品が壁面に接触せずに納まる空間を有する絶縁性基板を用い、例えば湿式めっき法により、この空間にシールド用の金属層を形成し、GND電極をこの金属層と接合する電子回路装置のシールド方法が開示されている。 【0008】 【特許文献1】特開2002−164660号公報 【特許文献2】特開2001−119147号公報 【特許文献3】特開平09−246775号公報 【特許文献4】特開2001−267710号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 しかしながら、上記のような従来のプリプレグを利用した多層基板の製造方法では、プリプレグに穴加工し、電子部品を多段に実装するため、比較的厚さのある部品の実装には適しているものの、厚さが薄い部品を実装する際には基板の厚さや部品を搭載しない空間領域の増加をともない、むしろ部品を実装した装置全体が厚くなってしまうという問題点がある。また、電子部品の実装部分のプリプレグを開口する方法も、電子部品がmmオーダと厚い場合には非常に有効な手段であるが、μmオーダの電子部品を実装する場合にはプリプレグに大部分が埋め込まれるために、不必要な工程となり、むしろ工数が増大することが避けられない。 【0010】 次に、電磁波遮蔽方法については、電波吸収材料と合成樹脂からなる塗料の中に浸漬、塗布する方法は、装置全体を遮蔽する方法としては非常に適しているが、装置全体を塗布する厚さの制御が難しく、安全側に厚めに塗工することで装置全体が大きくなる傾向にある。また、湿式めっき法により電磁波遮蔽層を形成する場合についても、めっき液を浸透させるための十分な空間を必要とするために、さらに製品と電磁波遮蔽層との間にめっきによるブリッジの生成を防止するために、余分な空間を確保する必要があることで体積自体が大きく増大する問題点がある。 【0011】 本発明は、上記の問題点を解決し、工程を増やすことなく容易に製造でき、小型でかつ信頼性の高いDC−DC電源装置の製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 上記の問題点を解決するため、本発明は、電子部品が搭載される回路基板と電磁波遮蔽板とを所定の均一な厚さを有するプリプレグを用いて一体構造としたものであり、薄膜フィルムに圧延銅箔によるパターニングされた基板のパターン以外の部分や辺部に所定の厚さのプリプレグに含まれる樹脂が流動するよう多数の開口部を設け、インダクタやコンデンサを実装し、その後、両面にプリプレグと絶縁被覆された導体(電磁波遮蔽板)とを配置し熱圧着することで一体化することを特徴とする。 【0013】 即ち、本発明は、インダクタおよびコンデンサを含む電子部品を搭載または内蔵する回路基板の両面に、プリプレグを介して電磁波遮蔽板を熱圧着により接合して一体化するDC−DC電源装置の製造方法であって、前記基板に、前記電磁波遮蔽板を接合する際にプリプレグが流動できる大きさの開口部を設ける工程を含むこと特徴とするDC−DC電源装置の製造方法である。 【0014】 また、本発明は、切断により複数個の装置を形成する工程を含むことを特徴とする上記のDC−DC電源装置の製造方法である。 【0015】 また、本発明は、前記複数個の装置を製造することができる大きさの回路基板の一辺に形成する開口部は、切断しろ以上の幅を有し、総長さが切断長さ以下で、かつ少なくとも1個以上であることを特徴とする上記のDC−DC電源装置の製造方法である。 【0016】 また、本発明は、前記プリプレグは、厚さが200μm以下のものを組み合わせて接合したことを特徴とする上記のDC−DC電源装置の製造方法である。 【0017】 また、本発明は、前記電磁波遮蔽板は、箔、線または織物状の金属からなる導体層と、該導体層を絶縁被覆した樹脂または金属酸化物からなる絶縁層とから構成されたシートまたは不織布状であり、前記導体層の平均厚さが170μm以下、かつ、前記絶縁層の片側の平均厚さが50μm以下であることを特徴とする上記のDC−DC電源装置の製造方法である。 【0018】 また、本発明は、前記電子部品を、電磁波遮蔽効果を有する導体を挟んだ厚さが270μm以下のプリプレグを介して上下に積み重ねて配置したことを特徴とする上記のDC−DC電源装置の製造方法である。 【発明の効果】 【0019】 このように、本発明の絶縁被覆された電磁波遮蔽板を利用したDC−DC電源装置は、金属ケースで覆うことなく一体化することで小型化および製造工程の簡略化に寄与する効果がある。また、必要最小限の薄いプリプレグを用いることで装置全体が薄型化され、機械的ストレスの解消と熱放散により優れた信頼性が確保できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 最近では半導体技術の進歩により、付属部品が極端に少ない状態で、かつμmオーダで実装する薄型化の要求を満足するDC−DC電源装置や電子部品を製造することが可能になった。また、稼動時にも変換効率が高いために発熱量が少なくなり、さらに待機時の電流ロスが少なく、これらの装置の高密度実装が可能となっている。電子部品の実装密度を高くすることで、実装領域の空間が極端に小さくでき、プリプレグを流動させることで、プリプレグに含まれる樹脂を実装領域の大部分の空間内に満たすことができ、信頼性を大幅に向上させることができるようになった。 【0021】 しかし、実装領域内を流動したプリプレグで完全に満たすためには、片側が平面基板の場合にはプリプレグの流動を妨げる堰となるために新たな方法が必要であった。そこで、基板の配線パターン以外の部分に開口部を設け、プリプレグの流動性を妨げずに積極的に回り込むことができる構造とした。また、フレームや空中配線等で回路を形成する場合も同様にプリプレグの流動性を利用し実装空間内に回り込むことができる構造とした。さらに電子部品が搭載される基板が薄くなるにともない装置の端部に基板が露出している部分が少ない方が実装時の基板への機械的応力が解消されることで、実装される電子部品へ及ぼす機械的ダメージが少なくなり、はんだクラック等の発生が激減し信頼性が向上することが分かった。そのため、装置の端部に相当する基板の辺部を開口する構造とし、開口した部分にプリプレグの樹脂で充填させる構造をとることとした。なお、この開口部は、後の工程で個々の装置に切断するため、切断しろ以上の幅を有し、総長さが切断長さ以下で、かつ1個または複数個形成される。 【0022】 また、DC−DC電源装置等に用いられるヘリカル型インダクタや有機電解コンデンサは、要求される特性によりまだまだ大きな面積を必要とする。そこで、これらを小さな実装面積内に収納するためには積み重ねることで対処しなければ小型化の要求に満足しない場合がある。この小型化の要求に応える部品の配置の仕方は各々の部品の積み重ね、さらに端子部分を左右にずらし回路配線と接続することや、各々の端子を直交するような積み重ねた配置とし回路配線と接続することができるが、どのような立体的な積み重ねによる配置を採用しても、実装領域内の空間が大きくなるためにプリプレグの流動量を多くする必要がある。そこで単なる接着剤を用いることなく、これらの部品よりも大きなプリプレグで接合することで実装領域内に円滑にプリプレグ量を供給調整する構造とする。また、電磁波遮蔽をされていないインダクタを採用する場合は、インダクタを電磁波遮蔽するために金属箔や布織等を間に挟んだプリプレグを用いて接合することもできる。ここで用いられるプリプレグは、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アラミドエポキシ樹脂等の一般的基板に用いられる樹脂が選定できる。また、樹脂中にガラスクロス入り、アラミド繊維入り、ナイロン不織布やガラスクロスを用いないものも利用できる。 【0023】 ここで、プリプレグが硬化する際に溶剤が揮発し発生したガスを外に逃がすための細孔が必要となるが、プリプレグの体積が増せば増すほど均一な硬化が難しくなる。本発明の装置は小型であるが、プリプレグの厚さが200μmを越えると製造上取り扱いが難しくなる。そこで単位プリプレグの厚さを200μm以下のものを使用することとした。 【0024】 次に、金属板による電磁波遮蔽を考慮すると、銅の表皮深さは周波数1MHzで66μm、10MHzで21μm、100MHzで7μm、1GHzで2μmとなる。また、導体層に、銅やアルミニウム等の金属箔、ニッケル被覆炭素繊維やワイヤー状のメッシュ等の布織等、金属粉末やセンダスト系材料が混錬されたシートを用いることができるが、これらの各種材料を使用して、1MHz以上の高周波を遮断するためには、銅板以上の厚さが必要となり、材料の平均厚さが170μm以下の厚さが必要である。したがって、この導体層には、導電率を1×104Ω/□以下の値を有する材料を選択することで、良好な電磁波遮蔽効果が得られることになる。この導体層を絶縁する層は、熱放散を考慮し片面の厚さが50μm以下のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アラミドエポキシ樹脂等の一般的な樹脂フィルムで覆うことで形成する。即ち薄膜絶縁フィルムを熱圧着することや薄膜塗膜を形成し硬化することで製造できる。 【0025】 センダスト系材料を用いた場合はセンダストの特性上、GND電極との接続を考慮する必要がないが、銅等の導体層から基板のGND電極に接続する場合は絶縁被覆された電磁波遮蔽板にUVやYAGレーザを用いて電磁波遮蔽板から回路基板のGND電極に達する外径が100μm程度の底付穴を開けて、導電材料を充填することで電磁波遮蔽効果が増大する。更にこの穴の導電材料の上に有機絶縁物を塗工して封止してもよい。また、前もって、GND電極に接続する電磁波遮蔽板の回路基板側の絶縁層に所定の穴を開け銅等の導体を露出させ、回路基板の電磁波遮蔽板との接続個所に導体を盛り上げた個所と一体化する際に熱圧着することで接続させてもよい。 【0026】 装置に端子を形成する場合には、装置内の基板にIC用端子フレーム等を用いてはんだや導電接着剤にて接続し、装置から金属端子を露出させることや、部品点数を少なくするために電磁波遮蔽板の一部を電気的に分割、独立させ、回路基板の回路と導電材料で接続することや、回路基板の裏面にはんだや導電接着剤に導電材料を盛り上げて、プリプレグから導電材料を露出させることにより行う。導電材料で接続したり、露出させたりした場合には、平面状端子として利用する。 【0027】 装置の端子と電磁波遮蔽用の導体露出部との短絡がある場合には、導体露出部に絶縁層を形成し絶縁処理を行うか、もしくは前もって導体が露出しないように導体をパターン化して電磁波遮蔽板の絶縁層内に埋め込めばよい。 【実施例】 【0028】 以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。以下の実施例ではDC−DC電源装置としてDC−DCコンバータの例で示す。 【0029】 (実施例1) 図1は、本発明の実施例1におけるDC−DC電源装置の一部を破砕させて示す斜視図である。実際の製造時には多数個取りの多層基板で製造を行うが、図面上では分かりやすくするために、1装置分の基板や端子で示した。図2は、図1のDC−DC電源装置を構成する主な部品を示す斜視図である。図1に示すように、実施例1のDC−DC電源装置は、開口部21、22、23を有する回路基板7上に、電力変換用半導体8、コンデンサ9、インダクタ等の電子部品と端子11をはんだ実装し、この上下に、プリプレグ4、電磁波遮蔽板1を順に接合して一体化したものである。 【0030】 このような構成の実施例1におけるDC−DC電源装置は、次のようにして作製される。まず、図2(a)に示すように、電磁波遮蔽用の基材(電磁波遮蔽板1)として、電源装置として完成させた場合に端部に露出しないように形成した厚さ9μm銅箔の両面に厚さ12μmのポリイミド系樹脂を形成したフィルムを作製した。今回採用した銅箔の厚さが9μmのものは、10MHz以上の高周波に対して有効な電磁波遮蔽効果を示す。また、GND電極と接続するために、UVレーザを用いて基板側のポリイミド系樹脂の接続個所33に外径が100μmの底付穴を開け、銅箔を露出させた。この銅箔が露出した個所に30μm厚さの導電剤を塗工し、仮キュア(硬化)した。また、銅箔を露出させた電磁波遮蔽板1は、側面に端子形成部12を有する。 【0031】 次に、図2(c)に示すように、9μmのパターン化された銅箔と厚さ15μmからなるポリイミド系の樹脂フィルムからなる3層の回路形成用の多層基板(回路基板)7を形成した。さらに、パターンが形成されていない部分から基板の全面積の30%に相当する面積にわたって開口した。開口する際には、1箇所で30%相当分とせずに、1箇所の大きさを0.01mm2以上の面積を有するように辺部も含めて複数箇所に分割させて、金型を用いたマイクロプレス、UVレーザやYAGレーザにより開口した。実際には、パターンが形成されていない部分および辺部に加工して開口し、特に端子が形成される2辺はプリプレグに含まれる樹脂分が流動するように4分割し開口し開口部22を形成し、端子11が形成されない辺は3分割し開口して開口部23を形成した。さらに、基板上には、次工程で部品が搭載される位置にも開口部がかかるようにして5箇所を開口し開口部21を形成した。 【0032】 次いで、回路基板7を用いて、電力変換用半導体のベアチップ、コンデンサやインダクタ等の電子部品と端子をはんだ実装した。同時にGND電極の所定個所に電磁波遮蔽板1との接続用のはんだ盛りを行った。これらの電子部品の実装に際しては、基板下面側への部品の実装も可能である。 【0033】 次に、搭載する電子部品の概略を述べる。電力変換用半導体としては同期整流型降圧DC−DCコンバータ用ICのベアチップで形状が長さ2.5mm、幅2.0mm、高さ0.6mmのものを用いた。コンデンサはB温度特性を有する2.2μFの積層セラミックコンデンサで長さが2.0mm、幅が1.25mm、高さが0.7mmのものを2ケ用いた。インダクタは2μHの積層チップインダクタで長さが1.6mm、幅が0.8mm、高さが0.7mmのものを用いた。他に長さが1.0mm、幅が0.5mm、高さが0.5mmの温度補償用の小容量チップコンデンサやチップ抵抗を用いた。 【0034】 基板上の実装領域内の電子部品が占める体積比率は最密充填的に実装させても60%程度であり、残り40%は電子部品が実装されない空間領域であり、この電子部品が実装されていない空間領域ヘプリプレグの流動性を利用し、樹脂を均一に補充する必要がある。樹脂を補充する際に片面のプリプレグからのみ補充すると、プリプレグ樹脂分の厚さが200μm以上の厚さが必要となってしまう場合が多く、プリプレグの厚さが200μmを越えると均一な硬化が難しくなるために、プリプレグの厚さを200μm以下のものを利用する必要がある。そこで、電子部品が実装されない部分を埋めるための樹脂の不足分は、基板下面に配置されたプリプレグに含まれる樹脂の流動性を用いて基板に形成した開口部から基板上の部品実装領域へ流動補充する。本実施例では図2(b)に示すように、2枚重ねにした100μm厚さを有するポリイミド樹脂からなるプリプレグ4を基板上下面側から接合した。 【0035】 この上下面に最初に準備した電磁波遮蔽用の基材を配置して125℃、9.8×105Pa(10kgf/cm2)の圧力で熱圧着した。ダイサーを用いてこの装置群を個辺の装置(長さ4.5mm、幅3.2mm)の形状に切断した。 【0036】 以上、プリプレグを用いることで電源回路全体が一体化された装置として出来上がり、従来から行われている図5の金属ケースや樹脂ケースを用いた場合よりも体積比で42%が削減される小型化の効果が得られた。更に、製造歩留が100%(n=100p)、変換効率が92%であり、信頼性の高く、電源性能として優れた電源が得られた。 【0037】 (実施例2) 図3は、本発明の実施例2におけるDC−DC電源装置の一部を破砕させて示す斜視図である。実際の製造時には多数個取りの多層基板で製造を行うが、図面上では分かりやすくするために、1装置分の基板や端子で示した。図4は、図3のDC−DC電源装置を構成する主な部品を示す斜視図である。図3に示すように、実施例2のDC−DC電源装置は、開口部21a、22a、23aを有する回路基板7a上に、電力変換用半導体8a、コンデンサ9a、インダクタ10等の電子部品をはんだ実装し、長辺の両端部に端子11aを設け、これらの上下に、プリプレグ4、電磁波遮蔽板1aを順に接合して一体化したものである。また、コンデンサ9a上に電磁波遮蔽効果を有するプリプレグ5、この上にインダクタ10が配置されている。この場合、プリプレグ5には厚さが導体を含めて270μm以下であるものが使用される。 【0038】 このような構成の実施例2におけるDC−DC電源装置は、次のようにして作製される。まず、図4(a)に示すように、電磁波遮蔽用の基材(電磁波遮蔽板1a)として、厚さ20μmのニッケル被覆炭素繊維にエポシキ系樹脂を被覆した、少なくとも表面にエポキシ樹脂が形成された100μm厚さのフィルムを作製した。ニッケル被覆炭素繊維では1MHz以上の高周波に対して有効な電磁波遮蔽効果を示す。また、基板側の電磁波遮蔽板1aは、長辺の両端部に端子形成部12aを有する。 【0039】 次に、図4(c)に示すように、パターン化された圧延銅箔と厚さ15μmからなるポリイミド系の樹脂フィルムからなる3層の回路形成用の多層基板(回路基板)7aを形成した。さらに、パターンが形成されていない部分から多層基板の全面積の20%に相当する面積にわたって開口した。開口する際には、1箇所で20%相当分とせずに、1箇所の大きさを0.02mm2以上の面積を有するように辺部も含めて複数箇所に分割させ、金型を用いたマイクロプレス、UVレーザやYAGレーザにより開口した。実際には、パターンが形成されていない部分および辺部に加工して開口し、端子が形成されない辺は2分割し開口し開口部23aを形成した。また端子が形成される辺を3分割し開口し開口部22aを形成した。さらに、端子形成部に対応する、回路パターンが形成された部分に外径が80μmの穴を開けた。基板上には、次工程で部品が搭載される位置にも開口部がかかるようにして3箇所を開口し開口部21aを形成した。 【0040】 次いで、回路基板7aを用いて、電力変換用半導体のベアチップや機能性高分子アルミニウム電解コンデンサ等のインダクタ以外の電子部品と装置の端子を仮止め固着した。機能性高分子アルミニウム電解コンデンサ上に電磁波遮蔽板にさらに50μm厚さのプリプレグ5にてサンドイッチしたものを配置し、この上にCoFeSiB系の軟磁性体とエポキシ系有機フィルムを積層した薄膜磁性体の周りを銅線で100ターンの密巻線を施したヘリカル型インダクタを仮止め固着した。仮止め固着後にはんだを用いて実装した。更に、基板裏面から端子形成部に金属が混合された導電接着剤を塗工し、次工程でプリプレグ4aを突き抜けて端子形成の一部となるように盛り上げた。この端子形成に際しては、今回用いた導電接着剤の替わりにはんだ盛りをすることも可能である。 【0041】 次に、搭載する電子部品の概略を述べる。電力変換用の半導体としては同期整流型降圧DC−DCコンバータ用ICのベアチップで形状が長さ2.5mm、幅2.0mm、高さ0.6mmのものを用いた。コンデンサは2.2μFの機能性高分子アルミニウム電解コンデンサで長さが2.5mm、幅が2.2mm、高さが0.3mmのものを用いた。インダクタは2μHの電磁波遮蔽構造が施されていないヘリカル型インダクタで長さが2.5mm、幅が2.0mm、高さが0.3mmのものを用いた。他に長さが1.0mm、幅が0.5mm、高さが0.5mmの温度補償用の小容量チップコンデンサやチップ抵抗を用いた。 【0042】 基板上の実装領域内の電子部品が占める体積比率は最密充填的に実装させても60%程度であり、残り40%は電子部品が実装されない空間領域であり、この電子部品が実装されていない空間領域ヘプリプレグの流動性を利用し、樹脂を均一に補充する必要がある。そこで、電子部品が実装されない部分を埋めるための樹脂の不足分は、基板下面に配置されたプリプレグに含まれる樹脂の流動性を用いて基板に形成された開口部から基板上の部品実装領域へ流動補充する。本実施例では、図4(b)に示すように、基板上側には2枚重ねにした100μm厚さを有するポリイミド樹脂からなるプリプレグ4を、基板下面側には100μm厚さのポリイミド樹脂からなるプリプレグ4aを用いて接合した。 【0043】 この上下面に最初に準備した電磁波遮蔽板を配置して125℃、9.8×105Pa(10kgf/cm2)の圧力で熱圧着した。その後、基板の長辺の両端部にUVレーザやYAGレーザを用いて穴を開け、端子形成部分での導通が確実に接続できるように、この形成された穴に導電接着剤を塗工し、基板の回路パターンと接続させた後に乾燥する。また、上記のように導電接着剤の替わりにはんだを用いることもできるし、導電体を盛り上げた部分のみを研削することで端子を形成する導電体を露出させることで端子を形成することもできる。また、今回は電磁波遮蔽板内の導体層に端子が接触することがないように回路基板に開けた端子用穴の径の2倍の面積を有する穴を電磁波遮蔽板に開け、プリプレグが流動し電磁波遮蔽板内の導体層を絶縁するように設計した。しかし、これでも絶縁性の信頼性がない場合は前もって電磁波遮蔽板内の導体層を有機絶縁材料で覆うとよい。その後、ダイサーを用いて、この出来上がった装置群を個辺の装置(長さ4.5mm、幅3.0mm)に切断した。 【0044】 このように、プリプレグを用いることで電源回路全体が一体化された装置として仕上がり、従来から行われている図5の金属ケースや樹脂ケースを用いた場合よりも体積比で46%が削減される小型化の効果が得られた。更に、製造歩留が100%(n=100p)、変換効率が90%であり、信頼性が高く、電源性能としての優れた電源が得られた。本実施例のように構成することにより電磁波を遮蔽する構造を有しないインダクタを用いることができる。 【0045】 以上、DC−DC電源装置の例を示したが、これ以外に各種電子部品を搭載した装置にも本発明を適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】本発明の実施例1におけるDC−DC電源装置の一部を破砕させて示す斜視図。 【図2】図1のDC−DC電源装置を構成する主な部品の斜視図。図2(a)は、電磁波遮蔽板の斜視図。図2(b)は、プリプレグの斜視図。図2(c)は、回路基板の斜視図。 【図3】本発明の実施例2におけるDC−DC電源装置の一部を破砕させて示す斜視図。 【図4】図3のDC−DC電源装置を構成する主な部品の斜視図。図4(a)は、電磁波遮蔽板の斜視図。図4(b)は、プリプレグの斜視図。図4(c)は、回路基板の斜視図。 【図5】金属ケースを用いた従来のDC−DC電源装置の一部を破砕させて示す斜視図。 【符号の説明】 【0047】 1,1a 電磁波遮蔽板 2 導電層 3 樹脂 4,4a,5 プリプレグ 7,7a,117 回路基板 8,8a 電力変換用半導体 9,9a コンデンサ 10 インダクタ 11,11a,111 端子 12,12a 端子形成部 14,14a,114 (DC−DC電源)装置 21,21a (基板上の)開口部 22,22a (端子が形成される辺の)開口部 23,23a (端子が形成されない辺の)開口部 33 (GND電極との)接続個所 113 金属ケース 140 電子部品
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000134257 【氏名又は名称】NECトーキン株式会社 【住所又は居所】宮城県仙台市太白区郡山6丁目7番1号
|
| 【出願日】 |
平成15年9月26日(2003.9.26) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2005−101417(P2005−101417A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月14日(2005.4.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−334960(P2003−334960) |
|