| 【発明の名称】 |
インバータの冷却構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】貝原 邦明 【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号 三菱自動車工業株式会社内
【氏名】久保 雅彦 【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号 三菱自動車工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、車両に設けられた回転電機の作動状態を制御するインバータの冷却構造に関し、簡素な構成で効率良くインバータを冷却できるようにする。
【解決手段】インバータ5を、車両1に設けられた空調装置用通路6内におけるブロワ7よりも下流側であって、且つエバポレータ8よりも上流側に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に設けられた回転電機の作動状態を制御するインバータの冷却構造であって、 該インバータが、車両に設けられた空調装置用通路内におけるブロワよりも下流側であって、且つエバポレータよりも上流側に設けられている ことを特徴とする、インバータの冷却構造。 【請求項2】 該空調装置用通路内の該インバータの配設位置よりも下流側であって、且つ該エバポレータよりも上流側に設けられ、該空調装置用通路内の空気流を遮断可能な開閉弁と、 該インバータの温度を検出または推定する温度検出手段と、 該温度検出手段からの情報に基づいて該開閉弁及び該ブロワの作動を制御する制御手段とが設けられ、 該制御手段は、該インバータが冷却を要する所定温度まで上昇したと判定すると、該ブロワを作動させるとともに該開閉弁を閉弁状態とする ことを特徴とする、請求項1記載のインバータの冷却構造。 【請求項3】 一端が該空調用通路に接続されるとともに他端が車外に接続された第2通路と、 該第2通路上に配設されて該第2通路を開閉可能な切り替え弁とを備え、 該制御手段は、該インバータが冷却を要する所定温度まで上昇したと判定すると、切り替え弁を開弁状態とする ことを特徴とする、請求項2記載のインバータの冷却構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、車両に設けられた回転電機の作動状態を制御するインバータの冷却構造に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来より、バッテリから供給される電力により駆動される走行用モータ(回転電機)を備えた電気自動車や、車両にエンジンとモータとの両方を備えたハイブリッド自動車が知られている。 また、エンジンのスタータと発電機(オルタネータ又はジェネレータともいう)との両方の機能を統合して、エンジン運転時にはオルタネータを駆動することにより発電を行なうとともに、エンジンの停止時にはオルタネータをスタータモータとして作動させることによりエンジンを始動させるようにした、いわゆるスタータジェネレータシステムが提案、開発されている。 【0003】 ところで、上述したような技術では、いずれもモータとして三相交流式のモータが適用される。このため、直流の電力を周波数可変の交流電力に変換するためのインバータが必要となるが、このインバータはモータの制御時には発熱するため、インバータの冷却を十分に考慮してインバータを設置する必要がある。 特に、上述したハイブリッド自動車やスタータジェネレータシステムに、所定の条件が成立したときにエンジンを停止するようにしたアイドルストップ車両を適用した場合には、モータの作動制御も頻繁なものとなるため、インバータの発熱量も大きくなり、インバータの冷却に対する重要性がさらに増大する。 【0004】 なお、インバータの冷却手法としては、冷却水を用いて冷却する水冷式や、走行風を導いて冷却する空冷式が広く知られているほか、下記の特許文献1のように、空調装置の冷媒をインバータに供給してインバータを冷却する技術も知られている。 【特許文献1】特開2001−309506号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上述した水冷式では専用のポンプや配管が必要になりコスト高や重量増を招くという課題がある。また、空冷式では比較的安価なものとすることができるものの、ハイブリッド自動車やスタータジェネレータシステムでは、エンジンルーム内にエンジン,モータ及びその他の補機類等が設けられているため、インバータを配設するための自由度が低く、インバータに十分な走行風を効率良く導くのが困難であった。したがって、空冷式では、冷却性能を確保するのが困難であるという課題がある。 【0006】 また、特許文献1に開示された技術では、空調装置の冷媒によりインバータを冷却するので、インバータを確実に冷却することができるが、空調用の冷媒を用いているため、この分燃費が悪化してしまい、結果的にコスト増を招くこととなる。また、インバータを冷却した分だけ冷媒の温度が上昇するため、この分冷房能力が低下してしまうという課題も生じる。 【0007】 本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、簡素な構成で効率良くインバータを冷却できるようにした、インバータの冷却構造を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 請求項1に係る本願発明のインバータの冷却構造は、車両に設けられた回転電機の作動状態を制御するインバータの冷却構造であって、該インバータが、車両に設けられた空調装置用通路内におけるブロワよりも下流側であって、且つエバポレータよりも上流側に設けられていることを特徴としている。 また、請求項2に係る本願発明のインバータの冷却構造は、上記請求項1において、空調装置用通路内の該インバータの配設位置よりも下流側であって、且つ該エバポレータよりも上流側に設けられ、該空調装置用通路内の空気流を遮断可能な開閉弁と、該インバータの温度を検出または推定する温度検出手段と、該温度検出手段からの情報に基づいて該開閉弁及び該ブロワの作動を制御する制御手段とが設けられ、該制御手段は、該インバータが冷却を要する所定温度まで上昇したと判定すると、該ブロワを作動させるとともに該開閉弁を閉弁状態とすることを特徴としている。 【0009】 また、請求項3に係る本願発明のインバータの冷却構造は、上記請求項2において、一端が該空調用通路に接続されるとともに他端が車外に接続された第2通路と、該第2通路上に配設されて該第2通路を開閉可能な切り替え弁とを備え、該制御手段は、該インバータが冷却を要する所定温度まで上昇したと判定すると、切り替え弁を開弁状態とすることを特徴としている。 【発明の効果】 【0010】 本発明のインバータの冷却構造は、車両に設けられた空調装置用通路及びブロワを用いてインバータを冷却するので、簡素な構成で効率良く且つ確実にインバータを冷却することができるという利点がある(請求項1)。 また、インバータを通過した空気はインバータを冷却した分だけ温められることになるが、開閉弁を閉弁状態にすることで、温められた空気が室内に供給されるのを防止でき、乗員が違和感を覚えるような事態を回避できる(請求項2)。 【0011】 また、インバータを通過した空気は、切り替え弁を介して第2通路から車外に排出されるので、インバータには常に車外から取り入れられた冷却風が供給されることになり、さらに効率良くインバータを冷却することができる利点がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、図面により、本発明の実施形態ついて説明すると、図1は本発明の第1実施形態に係るインバータの冷却構造の要部構成を示す模式的な側面図である。 図1に示すように、車両1の前部にはエンジンルーム2が設けられ、このエンジンルーム2内にはエンジン3が配設されており、このエンジン3の駆動力により図示しない車輪が駆動されて車両1が走行するようになっている。 【0013】 また、この車両1は背景技術の欄でも説明したようなスタータジェネレータシステムを備えており、エンジン3には発電機とスタータとの両方の機能を有する三相交流式のモータ(回転電機又はスタータジェネレータ)4が接続されている。また、車両1には、直流の電力を周波数可変の交流電力に変換するインバータ5が設けられており、このインバータ5によりモータ4の作動状態が制御されるようになっている。 【0014】 図中の符号6は車両1に設けられた空調装置(以下、エアコンディショナ、又はエアコンと省略する)用の通路(エアダクト)であって、このエアダクト6により車室外と車室内とが接続されている。なお、61はエアダクトの空気取り入れ口である。また、エアダクト6内にはエアコン用のブロワ7が設けられるとともに、ブロワ7の下流側にはエバポレータ8が配設されている。 【0015】 そして、エアコンの作動時には、ブロワ7の作動に応じてエアダクト6の入口から空気が取り入れられ、この空気がエバポレータ8で冷却された後、噴出し口13から車室内に供給されるようになっている。 次に、本発明の要部について説明すると、図1に示すように、本発明では、エアダクト6内に上述のインバータ5が配設されている。特に、本実施形態では、インバータ5は、ブロワ7の下流側であって且つエバポレータ8の上流側に配設されており、ブロワ7によるエアの流れ(空調空気流)によりインバータ5が冷却されるようになっている。また、インバータ5には、表面積を増加させて放熱効果を高める複数の冷却フィン5aが形成されており、この冷却フィン5aがエアダクト6内に突出するようにインバータ5が配設されている。 【0016】 また、インバータ5とエバポレータ8との間には、シャットオフバルブ(開閉弁)9が設けられている。このシャットオフバルブ9は、エアダクト6を遮断して室外から室内への空調空気流を遮断するモード(閉弁状態)と、室外から室内へ空調空気流を許容するモード(開弁状態)とを切り替え可能に構成されたものであって、図示しないコントローラ(制御手段)からの制御信号に基づいてその作動が制御されるようになっている。 【0017】 また、シャットオフバルブ9の下流側では、エアダクト6は、エバポレータ8が配設された主通路6aとエバポレータ8をバイパスするバイパス通路6bとに分岐している。また、エアダクト6の分岐部には、空調空気流を主通路6aとバイパス通路6bとのいずれかに切り替える切り替えダンパ10が設けられている。 また、主通路6aとバイパス通路6bとはその下流側で合流しており、この合流部にはエアコンの暖房作動時に空気流を暖めるヒ−タコア11が設けられている。また、このヒータコア11のすぐ上流側には、ヒータコア11への空気流を遮断したり、ヒータコア1 1への空気流を許容したりするヒータコアダンパ12が設けられている。なお、これらのダンパ10,12もコントローラの制御信号に基づいてその作動が制御されるようになっているが、乗員の手動操作により切り替え可能に構成してもよい。 【0018】 また、図示はしないが、インバータ5にはインバータ5の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)が設けられており、この温度センサで得られた情報がコントローラに入力されるようになっている。 本発明の一実施形態に係るインバータの冷却構造は上述のように構成されているので、図2を用いてその作用を説明すると以下のようになる。まず、コントローラでは温度センサからの情報に基づいてのインバータ5が冷却を必要とするような所定温度に達したか否かを判定する(ステップS1)。 【0019】 そして、インバータ5が所定温度以上であれば、ブロワ7を所定の回転速度で作動させる(ステップS2)。これにより、エアダクト6の空気取り入れ口61から空気が取り入れられるとともに、ブロワ7の下流に配設されたインバータ5に空気流が供給される。したがって、インバータ5に空気流が確実に導かれ、インバータ5のフィン5aから熱を奪うことでインバータ5が効率的に冷却される。なお、ステップS1において、インバータ5が所定温度未満である場合にはそのままリターンする。 【0020】 次に、エアコンの作動状態を判定し(ステップS3)、エアコンの作動要求がない場合(即ち、エアコン非作動の場合)には、コントローラによりシャットオフバルブ9が閉弁状態に制御される(ステップS4)。また、エアコンの作動要求があった場合(即ち、エアコン作動中の場合)には、シャットオフバルブ9が開弁状態に制御される(ステップS5)。 【0021】 したがって、エアコンがオフであれば、インバータ5を通過した空気は図示するようにエアダクト6内を循環して再びブロワ7からインバータ5に供給されてインバータ5を冷却する。また、インバータ5を通過した空気はインバータ5を冷却した分だけ温められることになるが、シャットオフバルブ9は閉弁状態に制御されているので、温められた空気が噴出し口13から室内に供給されることはない。 【0022】 また、エアコンがオンの場合には、シャットオフバルブ9を開弁状態に切り替え、空気取り入れ口61から取り入れた空気がエバポレータ8に供給される。なお、この場合には、切り替えダンパ10は、主通路6aを開いてパイパス通路6bを閉じるようなモードに制御される。 この場合、インバータ5は車外から取り入れられた空気によってのみ冷却されるので(つまり、インバータ5を冷却した空気が循環して再びインバータ5に供給されることがないので)、インバータ5の冷却効率がさらに向上する。また、インバータ冷却後の温められた空気は、エバポレータ8を通過することにより冷却されて、噴出し口13から室内に供給されるので、エアコンの作動時に乗員が違和感を覚えることもない。 【0023】 なお、詳細は説明しないが、コントローラでは公知のエアコンと同様に、目標室温や現在の室温等の各種パラメータに応じて各ダンパ10,12の作動を制御するとともに、ブロワ7の強度(回転速度)を適宜設定するようになっている。 以上詳述したように、本発明の一実施形態に係るインバータの冷却構造によれば、車両の空調装置のエアダクト6内にインバータ5を設けるとともに、インバータの下流にシャットオフバルブ(開閉弁)9を設けるという簡素な構成で効率良く且つ確実にインバータ5を冷却することができるという利点がある。また、これによりインバータ5及びモータ4の作動信頼性が向上する利点もある。 【0024】 すなわち、すでに車両に設置されているエアコンのエアダクト6を利用してインバータ5の冷却を行なうので、例えば水冷式のようなインバータ5の冷却のための新たなシステムを設ける必要がない。したがって、コスト増を招くことなく効率良くインバータ5の冷却を行なうことができる。 また、特許文献1の技術のように、エアコンの冷媒を用いてインバータ5を冷却するようなシステムではないので、燃費の悪化を招くこともないという利点がある。 【0025】 次に、本実施形態の変形例について図3を用いて説明すると、この変形例は上述した実施形態に対して、排気ダクト14及び切り替え弁15を設けた点のみ異なっており、これ以外については上述した実施形態と同様に構成されている。したがって、以下では実施形態と異なる部分ついて主に説明し、上述の実施形態と重複する部分については極力説明を省略する。 【0026】 図3に示すように、エアダクト6の途中部分であって、インバータ5の配設位置とシャットオフバルブ9との間には排気ダクト(第2通路)14が接続されている。この排気ダクト14の先端は例えば車両の外装のパネルに形成された開口等に接続されており、排気ダクト14内の空気が車外に排出されるようになっている。 また、エアダクト6と排気ダクト14との接続部分には、切り替え弁15が設けられており、この切り替え弁15もやはり図示しないコントローラによりその作動状態が制御されるようになっている。 【0027】 そして、上述した実施形態と同様に、インバータ5の温度が所定温度に達するとブロワ7を作動させるとともに、エアコンの作動状態に応じてシャットオフバルブ9の開閉状態が閉弁状態に制御される。さらに、この変形例ではインバータ5の温度が所定温度に達すると、上記切り替え弁15が開弁状態に制御される。 これにより、インバータ5を通過した空気は、切り替え弁15を介して排気ダクト14から車外に排出される。したがって、インバータ5には常に車外から取り入れられた冷却風が供給されるので、効率良くインバータ5を冷却することができる利点がある。 【0028】 また、エアコンの作動要求があった場合には、シャットオフバルブ9が開弁状態に、且つ切り替え弁15が閉弁状態にそれぞれ制御される。したがって、エアコンの作動時に空気の送風量が低減するような事態を回避することができる。また、上述した実施形態と同様に、インバータ冷却後の温められた空気は、エバポレータ8を通過することにより冷却されて噴出し口13から室内に供給されるので、エアコンの作動時に乗員が違和感を覚えることもない。 【0029】 なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述の実施形態及びその変形例ではスタータジェネレータシステムを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明したが、少なくともインバータを備えた車両であれば、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の他の車両にも適用可能であるのはいうまでもない。 【0030】 また、本変形例では、エアダクト6と排気ダクト14との接続部分に切り替え弁15が設けられているが、切り替え弁15は少なくとも排気ダクト14内のいずれかの場所に設けられていればよい。 また、上述では、インバータ5の温度情報に基づいてブロワ7を作動させるようにした場合について説明したが、インバータ5の温度情報に関係なく、ブロワ7を常時作動させるように構成しても良い。この場合には温度センサが不要となるのでコストの低減を図ることができる。 【0031】 また、インバータ5の温度を検出する温度センサを設ける代わりに、インバータ5の温度を推定するように構成してもよい。例えば、エアダクト6内の空気の温度を検出するようなセンサが予めエアコンに設けられている場合には、このセンサから得られる空気温度に基づいてインバータの温度を推定するようにしても良い。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の一実施形態にかかるインバータの冷却構造の全体構成を示す模式図である。 【図2】本発明の一実施形態にかかるインバータの冷却構造の作用を説明するフローチャートである。 【図3】本発明の一実施形態にかかるインバータの冷却構造の変形例の全体構成を示す模式図である。 【符号の説明】 【0033】 1 車両 3 エンジン 4 モータ(回転電機又はスタータジェネレータ) 5 インバータ 6 エアダクト(空調装置用通路) 7 ブロワ 8 エバポレータ 9 シャットオフバルブ(開閉弁) 14 排気ダクト(第2通路) 15 切り替え弁
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
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| 【出願日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092978 【弁理士】 【氏名又は名称】真田 有
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| 【公開番号】 |
特開2005−101349(P2005−101349A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月14日(2005.4.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−334080(P2003−334080) |
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