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【発明の名称】 貫通電極付き基板およびその製造方法
【発明者】 【氏名】糸井 和久
【住所又は居所】東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会社フジクラ内

【氏名】末益 龍夫
【住所又は居所】東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会社フジクラ内

【要約】 【課題】本発明は、低コストで、かつ、機械的および電気的に安定した接続を図ることが可能な貫通電極付き基板およびその製造方法を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明は、貫通孔5を有する基板1と非貫通孔11を有する接合用基板6とを用い、前記貫通孔5と前記非貫通孔11が連通するように前記基板1と前記接合用基板6との位置合せを行い、前記基板1と前記接合用基板6とを接合する工程と、前記基板1の前記貫通孔5の開口部28から導電性を有する母材を充填する工程と、前記接合用基板6を除去する工程と、を少なくとも具備することを特徴とする貫通電極付き基板29の製造方法である。この方法により、基板1内をその厚さ方向に貫通する導電部8と、前記基板1の一方の面から突出し、前記導電部8と一体をなす突出部10とからなる貫通電極27を有する貫通電極付き基板29を製造できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板内をその厚さ方向に貫通する導電部と、前記基板の一方の面から突出し、前記導電部と一体をなす突出部とを有し、前記導電部と前記突出部とで貫通電極を形成しており、前記導電部に前記突出部が重なる方向から見て、前記突出部は前記導電部より広い面積を有していることを特徴とする貫通電極付き基板。
【請求項2】
前記基板の断面方向から見て、前記突出部が前記導電部と接する部分において、前記突出部の幅は前記導電部の幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の貫通電極付き基板。
【請求項3】
前記突出部の断面は、略半円状、台形状、方形状のうち何れかの形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貫通電極付き基板。
【請求項4】
複数の導電部に接してなる前記突出部が一体をなすことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の貫通電極付き基板。
【請求項5】
貫通孔を有する基板と非貫通孔を有する接合用基板とを用い、前記貫通孔と前記非貫通孔が連通するように前記基板と前記接合用基板との位置合せを行い、前記基板と前記接合用基板とを接合する工程と、
前記基板の前記貫通孔の開口部から導電性を有する母材を充填する工程と、
前記接合用基板を除去する工程と、を少なくとも具備することを特徴とする貫通電極付き基板の製造方法。
【請求項6】
前記位置合せは、光学的手法を用いることを特徴とする請求項5に記載の貫通電極付き基板の製造方法。
【請求項7】
前記接合用基板として、シリコン基板、又は、ガラス基板を用いることを特徴とする請求項5又は6に記載の貫通電極付き基板の製造方法。
【請求項8】
前記接合用基板がシリコン基板の場合、前記光学的手法は、赤外域に波長を有する光を用いることを特徴とする請求項6に記載の貫通電極付き基板の製造方法。
【請求項9】
前記接合用基板がガラス基板の場合、前記光学的手法は、可視域に波長を有する光を用いることを特徴とする請求項6に記載の貫通電極付き基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度3次元実装タイプの半導体装置などに用いられる貫通電極付き基板、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ICチップなどの半導体装置を、基板を介して3次元に設け、高密度に配線を行なう開発が進められている。
この技術では、基板の表裏に設けてなる半導体装置間を電気的に結ぶため、基板内を、その厚さ方向に貫通する導電部が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。尚、特許文献1では、導電部を貫通電極と呼んでいる。
【特許文献1】特開2003−86591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来技術においては、基板の主面に対し垂直方向に形成された細孔に導電性物質を充填して貫通電極として機能する導電部を形成してなる貫通電極付き基板を用い、後付けで、貫通電極を、外の配線や回路、素子等へ繋げるために要する接点部を形成している。
この場合、導電部および接点部を形成するためには複数の工程が必要であり、貫通電極付き基板の製造工程が複雑になり、コスト高となる。
また、導電部と接点部との間に界面が生じたり、あるいは、その界面に酸化層が形成されて一体とならず、導電部と接点部との間で電気的不具合が生じる恐れがあった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するものであり、低コストで、かつ、機械的および電気的に安定した接続を図ることが可能な貫通電極付き基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、基板と、該基板内をその厚さ方向に貫通する導電部と、前記基板の一方の面から突出し、前記導電部と一体をなす突出部とを有し、前記導電部と前記突出部とで貫通電極を形成しており、前記導電部に前記突出部が重なる方向から見て、前記突出部は前記導電部より広い面積を有していることを特徴とする貫通電極付き基板である。
【0006】
この構成によれば、突出部は導電部より広い面積を有しているので、突出部が、例えば、外の配線や回路、素子等の他部材と繋がる場合における機械的耐久性を向上でき、貫通電極における導電部と突出部とを界面がない一体構造とすれば、導電部と接点部との間で電気的不具合が生じる恐れを回避できる。
【0007】
更に、本発明は、前記基板の断面方向から見て、前記突出部が前記導電部と接する部分において、前記突出部の幅は前記導電部の幅より大きくしても良い。
この構成によれば、突出部が、例えば、外の配線や回路、素子等の他部材と繋がる場合における機械的耐久性を向上できる。
【0008】
更に、本発明は、前記突出部の断面は、略半円状、台形状、方形状のうち何れかの形状であるようにしても良い。
この構成によれば、突出部の断面を略半円状とした場合には、突出部と他部材との繋ぎを様々な方向から行うことができる。突出部の断面を台形状とした場合には、突出部が平面を持つので他部材との繋ぎを容易に行うことができる。突出部の断面を方形状とした場合には、突出部が平面を持つので他部材との繋ぎを容易に行うことができる。特に、方形状の場合は、突出部厚さを大きくして他部材との繋ぎを容易に行うことができるとともに、複数の導電部との繋ぎを行いやすくなる。
【0009】
更に、本発明は、複数の導電部に接してなる前記突出部が一体をなすものであっても良い。
【0010】
また、本発明は、貫通孔を有する基板と非貫通孔を有する接合用基板とを用い、前記貫通孔と前記非貫通孔が連通するように前記基板と前記接合用基板との位置合せを行い、前記基板と前記接合用基板とを接合する工程と、前記基板の前記貫通孔の開口部から導電性を有する母材を充填する工程と、前記接合用基板を除去する工程と、を少なくとも具備することを特徴とする貫通電極付き基板の製造方法である。
【0011】
この方法によれば、導電部と突出部とを同時に成形できるので、製造工程の簡略化が図れ、製造コストを低くすることができる。
また、導電部と突出部を一体として、同時に形成できるので、両者の間に界面が生じる恐れを回避できる。その結果、従来の問題点、すなわち、両者の界面に酸化層が形成されて一体とならず、導電部と突出部との間で電気的不具合が生じる恐れを回避できる。
【0012】
また、本発明において、前記位置合せは、光学的手法を用いても良い。
また、本発明において、前記接合用基板として、シリコン基板、又は、ガラス基板を用いても良い。
【0013】
また、本発明において、前記接合用基板がシリコン基板の場合、前記光学的手法は、赤外域に波長を有する光を用いても良い。
【0014】
また、本発明において、前記接合用基板がガラス基板の場合、前記光学的手法は、可視域に波長を有する光を用いても良い。
【発明の効果】
【0015】
以上、述べたように、本発明では、導電部と突出部とで貫通電極を形成しており、導電部に突出部が重なる方向から見て、突出部は導電部より広い面積を有しているので、突出部が、例えば、外の配線や回路、素子等の他部材と繋がる場合における機械的耐久性を向上でき、貫通電極における導電部と突出部とを界面がない一体構造とすれば、導電部と接点部との間で電気的不具合が生じる恐れを回避できる。
【0016】
また、本発明では、貫通孔を有する基板と非貫通孔を有する接合用基板とを用い、前記貫通孔と前記非貫通孔が連通するように前記基板と前記接合用基板との位置合せを行い、前記基板と前記接合用基板とを接合する工程と、前記基板の前記貫通孔の開口部から導電性を有する母材を充填する工程と、前記接合用基板を除去する工程と、を少なくとも具備することを特徴とする貫通電極付き基板の製造方法であり、導電部と突出部とを同時に成形できるので、製造工程の簡略化が図れ、製造コストを低くすることができる。
また、本発明によれば、導電部と突出部とを同時に成形できるので、両者の間に界面が発生しにくくなり、また、両者間に酸化層が形成されない。よって、導電部と突出部との間で電気的不具合が生じる恐れを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照にして説明する。
図1は、本発明の実施の形態による貫通電極付き基板29の製造方法を示しており、工程1〜工程6からなる。
図1は、基板の断面を示した図である。図1において、符号1は基板、符号1aは基板1の表面、符号1bは基板1の裏面である。表面加工前の基板1は表裏の区別はなく、本明細書では、微細孔を形成するために最初に穿孔する面を表面1aとし、その反対の面を裏面1bとする。符号2は保護層(表面絶縁層)、符号5は貫通微細孔(貫通孔)、符号6は接合用基板、符号7は壁面絶縁層、符号8は導電部、符号10は突出部、符号27は貫通電極である。
【0018】
(工程1)
基板1は、以下の説明ではシリコン基板を例として説明するが、材質はシリコンに限定されるものではない。工程1において、基板1の表面1aに保護層2を形成後、電極パターンをリソグラフィ技術により保護層2上に転写する。次いで、ウェットエッチング等により電極部位にある保護層2を除去して基板表面1aを部分的に露出させる。
【0019】
基板1の厚さは、例えば300〜600μm程度である。また保護層2は、熱酸化法によって形成される酸化膜(SiO)等が用いられる。貫通微細孔5の口径は通常、基板厚さより小さく、例えば5〜200μm程度である。また、貫通微細孔5の開口形状、配置、個数は、形成する電極パターンにより任意に設計可能である。
また、場合により、基板裏面1bに対しても保護層(図示せず)を形成しても良い。
【0020】
(工程2)
工程2においてエッチング技術により基板表面1aの電極部位を穿孔し、貫通微細孔5を形成する。孔径が数十μmであり、深さが数百μm以上である高アスペクト比(微細孔の孔径と深さの比)を有する貫通微細孔5を形成する方法としては、ICP−RIE(Inductively Coupled Plasma−Reactive Ion Etching)、PAECE、レーザー法、マイクロドリル法などがあるが、多数の貫通微細孔5を短時間で一括穿孔するためにはマイクロドリル法は効率が悪く、またレーザー穿孔装置は高価であるところから、シリコン等の基板1の電極用微細孔形成にはICP−RIEが多く用いられている。
【0021】
また、基板穿孔においては、エッチング深さが数百μmに及ぶため、シリコンとエッチングマスクの選択比(エッチンググレートの比)を大きくし、厚いエッチングマスクを用いる必要がある。そのため、工程1の保護層2をパターンニングするために、保護層2の上層としてレジスト(図示せず)を設け、レジストと保護層2の二層を工程2における貫通微細孔5を形成するためのエッチングマスクとして用いても良い。
【0022】
もちろん、貫通微細孔5形成に用いられるエッチングマスクの構造として、フォトレジスト等のレジスト、あるいは、酸化膜や窒化膜等をそれぞれ単独でエッチングマスクとして用いることの何れも採用可能である。
エッチングにおいて、保護層2がSiOであり、基板1がシリコンである場合、ICP−RIEにおけるシリコンとSiOの選択比(エッチンググレートの比)は、1:100〜200程度である。
【0023】
数百μm以上の厚さを有するシリコン基板に貫通微細孔5を形成するためには、基板1の厚さと、前記選択比の値から保護層2の膜厚を適宜決定すればよい。
また、基板1の中心部と周辺部ではエッチンググレートに差が生ずるので、エッチンググレートの遅い中心部が貫通するために必要なエッチング時間に対応したエッチングマスクの厚さを設定しておくことが必要である。
【0024】
また、Si0等の酸化膜を保護膜2として機能させるためには、0.5〜3μm程度の厚さが必要であるが、貫通微細孔5作成終了時に、前記の厚さに達しない場合でも、次工程である内壁絶縁層7形成において、基板表面1aも同時に膜形成作用を受けるように露出させておけば、微細孔壁面9と基板表面1aに同時に絶縁層を形成することができる。
このように貫通微細孔5を形成することにより、目視により基板1上の微細孔が全てエッチングされ、貫通したことを確認することが可能となる。
【0025】
また、シリコン基板裏面側1bに保護層を形成した場合、この保護層は、シリコン基板1と比較して、エッチング速度が遅いため(保護層が酸化膜の場合は選択比で、1:100〜200程度、保護層がレジストの場合は選択比で、1:50〜100程度)、外周部の孔が貫通した後も、内周部の孔が貫通するまでエッチングを継続することが可能となる。よって、深さが整った貫通微細孔5を形成することができ、貫通微細孔5の深さは基板1の厚さで規定される。
【0026】
(工程3)
次に、工程3において、貫通微細孔5を形成済みの基板1に、非貫通孔11が形成された接合用基板6を接合する。
接合用基板6には、シリコン基板またはガラス基板を用いる。接合用基板6の接合方法、および、接合し電極用金属を充填した後の除去方法は、接合用基板6の材質によって異なる。
【0027】
まず、接合用基板6がシリコン基板である場合を説明する。シリコン基板は、例えば厚さが100〜300μm程度が望ましい。接合用基板6の外周全体に酸化膜等の絶縁膜12が形成された状態で、後述の方法により、非貫通孔11が形成されている。基板1の接合方法は、熱接合または、フォトレジスト等の樹脂による接合が使用される。以下に、これらの接合方法を説明する。
【0028】
接合用基板6がシリコン基板である場合は、基板1と接合用基板6を接合する際、両者の位置合せは、光学的手法を用いて行い、光学的手法は、赤外域に波長を有する光を用いる。
熱接合においては、貫通微細孔5を有する基板1および非貫通孔11を有する接合用基板6をアンモニアと過酸化水素の混合水溶液で洗浄することにより親水化処理を行ってから、両者を貼り合せる。その後、酸素雰囲気、または窒素雰囲気、または窒素と酸素の混合雰囲気により、加熱処理することによって接合が完了する。加熱処理における温度は800から1200℃、時間は30分〜12時間の間が望ましい。この場合、加熱処理中に、シリコン基板1の表面1aおよび貫通微細孔5および非貫通孔11の内壁に熱酸化反応により酸化膜が形成されるため、後に述べる工程4における壁面絶縁層7の形成は不要となる。
【0029】
また、樹脂による接合においては、フォトレジストを、例えば、0.5〜50μm程度の厚さで接合用基板6の片面に均一に塗布し、基板1に貼り合せる。その後、加熱処理することによって両基板1、6の接合が完了する。温度は、80〜200℃、時間は30分〜2時間の間が望ましい。
次に、接合用基板6がガラス基板である場合における接合を説明する。この場合、接合用基板6の厚さは100〜500μmが望ましい。接合方法は、陽極接合または樹脂による接合が行われる。以下に接合方法を説明する。
【0030】
接合用基板6がガラス基板である場合は、基板1と接合用基板6を接合する際、両者の位置合せは、光学的手法を用いて行い、光学的手法は、可視域に波長を有する光を用いる。
陽極接合法の場合は、基板1とガラスである接合基板6を貼り合せ、基板1を陽極側に、接合用基板6を陰極側に接続し、電圧を印加しながら加熱処理を行うことにより接合する。印加電圧600V、加熱温度は400〜500℃、加熱時間は1〜2時間が望ましい。また、樹脂による接合の方法は、接合用基板6がシリコンである場合に同様である。
【0031】
次に、接合用基板6に、非貫通孔11を形成する方法について、図面を参照にして説明する。
接合用基板6がシリコン基板である場合、図2(a)におけるように、断面形状が半円状13である非貫通孔11(ここでは等方性の非貫通孔という)を形成するため、ウェットエッチングにより形成する際は、フッ酸、硝酸、酢酸の混合液を使用し、ドライエッチングでは、SF6ガス、CF4ガス、酸素ガス、又は、これらの混合ガスを使用する。また、図2(b)におけるように、断面形状が、角度の異なる複数の平面14、15、16を有する台形状である非貫通孔11(ここでは異方性の非貫通孔という)を形成するため、KOH(水酸化カリウム)、または、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を使用したウェットエッチング、または、ドライエッチングを行う。また、図2(c)におけるように、断面形状が垂直の側面17を有する長方形状である非貫通孔11(ここでは垂直性の非貫通孔という)を形成するため、例えば、Deep-RIE法(シリコン基板を垂直に、深くエッチングするドライエッチング方法で、エッチングガスとしては一般にSF6ガスとC4F8ガスを用いる。SF6はシリコンをエッチングする役割、C4F8はエッチング穴の側壁にポリマーの保護膜を形成する役目を担い、エッチングと保護膜形成プロセスを交互い行いながら垂直に且つ深くシリコンをエッチングする)を用いる。
【0032】
シリコン基板に非貫通孔11を形成する場合、非貫通孔11の深さは、例えば10〜100μm、非貫通孔11の幅は、例えば30μmから100μmとなるようにする。
接合用基板6がガラス基板である場合、等方性の非貫通孔11を形成する場合、ウェットエッチングでは、フッ酸、硝酸、酢酸の混合液、ドライエッチングでは、SF6ガス、CF4ガス、酸素ガス、又は、これらの混合ガスを使用する。ガラスでは、等方性の非貫通孔11のみが形成可能となっており、非貫通孔11の深さは、例えば10〜100μm、非貫通孔11の幅は、例えば30μmから100μmとなるようにする。
【0033】
(工程4)
図1に戻って説明すると、工程4において、貫通微細孔5の内壁および接合用基板6に形成された非貫通孔の内壁に壁面絶縁層7を形成する。基板1は、シリコン基板であり、導電性を有するため、基板1と貫通電極27との間に絶縁性部分を設ける必要があるため、壁面絶縁層7を形成する。壁面絶縁層7はSiO等の酸化膜であり、形成方法は、熱酸化法、PE−CVD法、陽極酸化法などである。基板接合において熱接合を行った場合は、この工程は不要である。
【0034】
(工程5)
工程5において、壁面絶縁層7を形成した貫通微細孔5および非貫通孔11に、開口部28から貫通電極用の金属を充填し、導電部8および、バンプや配線となる突出部10からなる貫通電極27を形成する。貫通電極27は、導電部8と突出部10とが同時に成形され、導電部8と突出部10との間に界面のない一体構造となる。一体構造であるため、導電部8と突出部10との間に、酸化層は検出されない。又、導電部8に突出部10が重なる方向から見て、突出部10は、導電部8よりも広い面積を有しており、特に、基板1の断面方向から見て、突出部10が導電部8に接する部分において、突出部10の幅は導電部8の幅より大きいものとなっている。充填方法として、溶融金属吸引法、印刷法、CVD法などが使用される。
【0035】
溶融金属吸引法は、高アスペクト比の微細孔に金属を充填する場合に用いられる方法であって、まず、減圧した気密容器内において微細孔を形成した基板を加熱溶融した金属に挿入する。次いで容器内を加圧することにより、微細孔内部と気密容器内部の気圧差を利用して微細孔内部および突出部に溶融金属を充填した後、基板を溶融金属から取り出して冷却することにより、微細孔および突出部に金属を充填する。
【0036】
(工程6)
工程6において、接合用基板6を、研磨もしくはエッチングにより除去する。エッチングは、ドライエッチング、ウェットエッチングのどちらも適用可能である。ドライエッチングの場合は、SF6ガス、CF4ガス、酸素ガス、又はこれらの混合ガスを用い、ウェットエッチングの場合は、フッ酸、硝酸、酢酸の混合液あるいは、水酸化カリウム水溶液などが用いられる。
エッチングまたは研磨によって除去する接合用基板6の厚さは、接合用基板6の材質によって異なる。接合用基板6がシリコンである場合は、すでに基板1と接合用基板6の間に裏面絶縁層4が形成されているため、接合用基板6の厚さに等しい厚さを研磨もしくはエッチングして除去すれば、裏面絶縁層4が露出する状態となり、この状態で、突出部10が露出する。よって、従来技術のように、コンタクトホールを形成する必要はない。つまり、突出部10が形成された状態で、絶縁層部分7が除去されるため、導電部8と絶縁層部分7との間の隙間が生じるという問題は生じない。
【0037】
一方、接合用基板6がガラス基板の場合は、基板1と接合用基板6との間に裏面絶縁層4がないため、ガラスである接合用基板5を、その厚さが数μm程度残るところで除去を中止し、残存したガラス層を裏面絶縁層4として絶縁および表面保護に用いる。
いずれの接合用基板除去方法においても、基板1はその厚さが変化することはないので、貫通微細孔5の深さは一定であり、基板1の厚さに等しい。従って、貫通電極27作成後の基板1の厚さは、高い精度で一定となり、厚さ再現性の高い貫通電極付き基板の製造が可能である。
【0038】
尚、図2(a)、(b)、(c)における、接合用基板6の非貫通孔11の形状に応じた突出部10が形成される。特に、図2(c)における接合用基板6を用いた場合、複数の導電部8に接してなる突出部10が一体をなし、突出部10が、複数の導電部8と電気的に連通するものとなる。
【0039】
次に、本発明の実施例について説明する。直径が2インチであり、厚さが400μmであるシリコン基板を用意し、シリコン基板の表面に熱酸化法により保護膜としてのSiO膜を形成後、フォトリソグラフィ技術により電極パターンを保護膜上に転写し、ウェットエッチングにより電極部位となるシリコン基板上の保護膜を除去した。
転写した電極パターンは、孔径が60μmの円形孔が、2000個整列したパターンである。また、ウェットエッチング後のSiO膜厚は1μmであり、これを次の貫通微細孔形成用エッチングのマスクとした。
【0040】
貫通微細孔は、ICP−RIEにより形成した。次に、基板接合を行った。接合する基板は、直径が2インチであり、厚さが200μmのシリコン基板であって、所定形状の非貫通孔が設けられている。両方の基板をアンモニアと過酸化水素の混合水溶液で洗浄することにより親水化処理を行ったのち、貼り合わせた。
貼り合わせた基板を、酸素雰囲気中で1100℃、3時間の加熱処理を行った。この例においては、熱接合法をもちいたため、接合工程において壁面絶縁層が形成され、新たに壁面絶縁層形成を行う必要はなかった。
【0041】
次いで、溶融金属法によって微細孔および非貫通孔中に電極となる金属を注入し、接合した基板を研磨によって除去した。研磨量は200μmであり、接合した基板の厚さに等しい。
このようにして、出発基板の厚さと実質的に同じ厚さを有するとともに、バンプや配線となる突出部を有する貫通電極付き基板を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態による貫通電極付き基板の製造方法である。
【図2】本発明の実施の形態による接合用基板を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1‥‥基板、2‥‥保護層、5‥‥貫通微細孔(微細孔)、6‥‥接合用基板、7‥‥壁面絶縁層、8‥‥導電部、10‥‥突出部、11‥‥非貫通孔、27‥‥貫通電極、28‥‥開口部、29‥‥貫通電極付き基板

【出願人】 【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
【住所又は居所】東京都江東区木場1丁目5番1号
【出願日】 平成15年9月3日(2003.9.3)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【公開番号】 特開2005−79554(P2005−79554A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−311919(P2003−311919)