| 【発明の名称】 |
プリント基板及びその基板上への識別マークの表示方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】片山 竜男 【住所又は居所】福井県武生市家久町41号1番地 オリオン電機株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】本発明は、プリント基板の重量分布に基づいて安定したハンダ付け処理を行うことができ、また、その重量分布に基づいて保管・管理が可能なプリント基板及びその基板上への識別マークの表示方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】プリント基板1の重量分布を、プリント基板1に搭載される回路部品に関する重量情報及び基準位置情報並びに各回路部品の実装情報に基づいて求める。すなわち、回路部品の基準位置情報及び実装情報から各回路部品の中心位置のプリント基板上での座標を算出し、その中心座標に回路部品の重量を割り当てて重量分布を求めることができる。重量分布からみて重い部分を示す識別マーク2、3、4をプリント基板上に表示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路部品を実装したプリント基板において、前記回路部品の重量情報及び基準位置情報並びに前記回路部品の実装位置に関する設計情報により算出された前記プリント基板全体の重量分布と関連付けられた識別マークが表示されていることを特徴とするプリント基板。 【請求項2】 前記識別マークは、前記プリント基板のハンダ槽内における搬送方向に対して前記重量分布と関連付けて表示されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。 【請求項3】 前記識別マークは、前記プリント基板の縁部に表示されて前記搬送方向の先端側又は後端側を表示していることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板。 【請求項4】 前記識別マークは、前記重量分布の最も重い部分を通るように表示されて前記搬送方向を示すように表示していることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板。 【請求項5】 プリント基板に実装される回路部品の重量情報及び基準位置情報並びに前記回路部品の実装位置に関する設計情報を読み出して、前記設計情報及び前記基準位置情報に基づいて前記プリント基板での設定位置情報を算出して、該設定位置情報及び前記重量情報に基づいて前記プリント基板の重量分布情報を算出して、前記重量分布情報に基づいて識別マークを前記プリント基板上に表示することを特徴とする識別マークの表示方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ICやトランジスタ等の回路部品を実装するプリント基板に関する。 【背景技術】 【0002】 テレビ、ビデオレコーダ等の電子機器をはじめさまざまな製品では、電子化の進展とともに多くの回路部品を用いるようになっており、これら多数の回路部品は矩形状のプリント基板上に実装されて配線・接続されている。 【0003】 近年製品のコンパクト化とともに、プリント基板の大きさが小さくなり、また表面実装技術に基づきより多くの部品が搭載されるようになってきているため、高密度実装がなされている。それに伴い、プリント基板に回路部品を搭載後ハンダ槽内でハンダを各回路部品にいかに確実に付着させるが課題となる。 【0004】 例えば、特許文献1では、ハンダ槽の上にプリント基板の搬送方向に沿ってハンダ槽を横断するように反り止めガイドを配置し、プリント基板がハンダ付けエリアを通過する際に反り止めガイドによりその中間部が支持されてプリント基板が自重により湾曲することが防止される点が記載されている。また、特許文献2では、プリント配線板上にハンダ槽への挿入方向を示す挿入方向表示部を形成し、ハンダ槽のハンダの流れに対してパット方向及び部品方向が常に一定になるようにした点が記載されている。 【特許文献1】実開平6−60172号公報 【特許文献2】特開平9−232702号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上述した特許文献1及び2では、それぞれプリント基板の自重による反りの問題やハンダ槽内でのハンダの流れと回路部品との関係に着目しているが、プリント基板に実装される回路部品は、製品の多品種少量生産により様々な組み合わせで実装されており、また回路部品のレイアウトも異なる場合が多い。したがって、こうしたいろいろなパターンのプリント基板に迅速に対応していくためには、特許文献1及び2に記載のものでは不十分である。 【0006】 例えば、プリント基板の総重量の中で大きな割合を占める電源トランスの位置がどこにレイアウトされるかによりプリント基板の重量分布は大きく異なってくる。そして、ハンダ槽においてプリント基板の上面にハンダが回り込むのは、プリント基板の搬送方向の先端側が重い場合に先端側が下方に撓んで傾くようになることが主な原因の1つである。したがって、いろいろなレイアウトのプリント基板の重量分布を正確に認識してハンダ付け処理を行うことが重要となる。 【0007】 そこで、本発明は、プリント基板の重量分布に基づいて安定したハンダ付け処理を行うことができ、また、その重量分布に基づいて保管・管理が可能なプリント基板及びその基板上への識別マークの表示方法を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明に係るプリント基板は、回路部品を実装したプリント基板において、前記回路部品の重量情報及び基準位置情報並びに前記回路部品の実装位置に関する設計情報により算出された前記プリント基板全体の重量分布と関連付けられた識別マークが表示されていることを特徴とする。さらに、前記識別マークは、前記プリント基板のハンダ槽内における搬送方向に対して前記重量分布と関連付けて表示されていることを特徴とする。さらに、前記識別マークは、前記プリント基板の端部に表示されて前記搬送方向の先端側又は後端側を表示していることを特徴とする。さらに、前記識別マークは、前記重量分布の最も重い部分を通るように表示されて前記搬送方向を表示していることを特徴とする。 【0009】 本発明に係る識別マークの表示方法は、プリント基板に実装される回路部品の重量情報及び基準位置情報並びに前記回路部品の実装位置に関する設計情報を読み出して、前記設計情報及び前記基準位置情報に基づいて前記プリント基板での設定位置情報を算出して、該設定位置情報及び前記重量情報に基づいて前記プリント基板の重量分布情報を算出して、前記重量分布情報に基づいて識別マークを前記プリント基板上に表示することを特徴とする。 【発明の効果】 【0010】 本発明に係るプリント基板は、上記のような構成を有することで、プリント基板全体の重量分布を実装される回路部品の重量情報及び基準位置情報並びに回路部品の実装位置に関する設計情報により算出するので、正確に重量分布を求めることができ、それに関連付けて識別マークを表示することでプリント基板の重量分布に対応したセッティングを簡単に行うことができる。 【0011】 識別マークをプリント基板のハンダ槽内における搬送方向に対して重量分布と関連づけて表示すれば、いろいろなパターンにレイアウトされたプリント基板に対してもそれぞれのプリント基板の重量分布に対応して搬送方向に対する最適なセッティングを迅速的確に行うことができるようになる。識別マークがプリント基板の端部に表示されてハンダ槽内の搬送方向の先端側又は後端側を表示するようにすることで、先端側又は後端側のどちらが重いか容易に認識できるので、重い側を搬送方向に対して後端側になるよう的確にセッティングできる。したがって、プリント基板を搬送していく際に先端側が重量バランスによって下方に撓んで傾くことが防止されて上面へのハンダの回りこみを抑えることができる。また、識別マークが重量分布の最も重い部分を通るように表示されてハンダ槽内の搬送方向を示すように表示していることで、プリント基板が搬送中に最も湾曲しやすい位置を容易に認識でき、そのため、ハンダ槽内に設けられたガイドの位置をその位置に対応させて調整することで、さまざまなレイアウトのプリント基板をほぼ一定の状態に保ちながらハンダ槽内を搬送することができる。 【0012】 また、プリント基板の重量分布に関連付けて識別マークが表示されることで、例えば、プリント基板を立てた状態で輸送や保管を行う際にプリント基板の重い側が容易に認識できるので、すべてのプリント基板について正確に重い側を下にしてセッティングでき、プリント基板を安定した状態で輸送や保管を行える。 【0013】 また、本発明に係る識別マークの表示方法は、回路部品の重量情報及び基準位置情報並びに回路部品の実装位置に関する設計情報により算出した重量分布情報に基づいて識別マークを表示するようにしているので、さまざまなレイアウトのプリント基板のバランス位置に対応して正確に識別マークを表示できるようになる。そして、回路部品の重量情報及び基準位置情報は予めデータベースに登録しておき、設計情報は設計段階で作成されるので、プリント基板の印刷が行われる前に重量分布を決めることができ、基板の印刷の際に併せて識別マークの表示を行うことが可能となる。また、設計段階においてどの位置にどのような形状で識別マークを表示するかといったことも適宜決めることができるため、プリント基板のレイアウトに応じてより認識しやすい位置に、より認識しやすい形状の識別マークを表示できる。そして、プリント基板への実装後に実際に重量を測定するといった追加の工程についてもほとんど必要がない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。 【0015】 図1は、本発明に係る実施形態を示す概略平面図である。プリント基板1の上面には識別マーク2〜4が表示されている。なお、プリント基板上に実装されている回路部品は、理解を容易にするため省略している。図1(a)の場合は、識別マーク2は、三角形状で紙面の上下方向に対してほぼ中央部分に表示されている。そして、三角形の頂点が上方を指示していることから、プリント基板1の上半分が下半分に比べて軽い−すなわち、重量分布からみて下半分が重いことを示している。また、図1(b)の場合は、識別マーク3は、プリント基板1の一つの辺部全体に帯状に表示されている。この場合は、図1(a)と同様に上半分と下半分の重い方の辺部に表示するようにしてもよいし、プリント基板1を対角線で区切った4つの領域のうち重量分布からみて最も重い部分の辺部に識別マークを表示するようにしてもよい。図1(c)の場合は、帯状の識別マーク4をプリント基板1の辺部に平行に表示するようにされている。そして、識別マーク4の表示位置は、例えば図2(a)に示すようにプリント基板を8つの領域A〜Hに区切り、各領域の重量分布(図2(b)の棒グラフで示すような重量分布)から最も重い領域を通るように表示される(図2(c)参照)。 【0016】 図3は、ハンダ槽にプリント基板を搬送する機構の概略平面図を示している。プリント基板1は、互いに平行に配置された一対の搬送ベルト10により搬送される。一対の搬送ベルト10の搬送面は鉛直方向に沿うように設置されており、両者の搬送面の間に搬送路が形成されている。そして、搬送面には多数の爪部11が固定されており、爪部11はプリント基板1を支持可能なように搬送路に向かって水平方向に突設されている。一方、搬送路の下方には、ハンダ槽12が配設されており、従来と同様に溶融したハンダが収容され上方に噴流となるように槽内を循環している。ハンダ槽12の上端には搬送方向に沿ってガイド13が設けられている。ガイド13は、ハンダ槽12の上端に嵌合する切欠き部が形成されており、プリント基板1の搬送方向と直交する方向に摺動してハンダ槽12の上端の任意の位置に設定することができる。 【0017】 プリント基板1は、一対の搬送ベルト10の間の搬送路を爪部11に支持されて紙面上方に搬送される。プリント基板1は、搬送中、爪部11により両端部を支持されるため、搭載された回路部品の重量により下方に湾曲した状態となる。図4に示すように、プリント基板1に何も搭載していない状態では側面から見ると図4(a)のようにほぼ直線状であるが、回路部品を搭載した状態では図4(b)、(c)のように矢印で示す最も重い部分が下方に撓んだ状態で湾曲する。 【0018】 したがって、ハンダ槽12にプリント基板1を搬送する際には、図1(a)のように識別マーク2を表示しておけば、上半分が軽いことから三角形状の頂点が指示する紙面上方に向かって搬送されるようにセッティングすればよい。そうすることで、プリント基板1の下半分は重いために撓みも大きくなるが、搬送方向の後端側になるためハンダが上面に回り込むのを避けられる。また、図1(b)のように識別マーク3を表示する場合には、表示した辺部が搬送方向に対して後端側になるように−すなわち、紙面上方に向かって搬送されるようにセッティングすればよい。また、図1(c)のように識別マーク4を表示する場合には、識別マーク4に沿うように搬送されるようにセッティングするとともに、搬送される際に識別マーク4に一致するようにガイド13を摺動させて位置決めすることで、プリント基板1が撓んだ際に最も重い部分が最も低い位置となるが、その部分を上方に押し上げるようにガイド13が作用するようになり、ハンダが上面に回り込むおそれの大きい位置にガイド13を確実にセッティングできる。 【0019】 次に、識別マークを表示する方法について説明する。図5は、識別マークを表示するための装置構成をブロック図で示している。CPU20は装置全体の制御を行い、ROM21は装置の制御に必要なプログラム等が記憶されている。記憶部22には、プリント基板に搭載される回路部品に関するデータが蓄積された部品情報DB23及びプリント基板を設計した際に設定された搭載部品の実装に関するデータが蓄積された実装情報DB24を備えている。モニタ25には、CPU20で算出されたプリント基板上のバランス位置、識別マークの表示位置及び形状等が画像表示される。プリント部26は、最終的に決定された識別マークをプリント基板にプリントする。入力部27からは、演算制御に必要なデータを入力される。 【0020】 部品情報DB23には、搭載される部品に関する様々な情報が蓄積されているが、識別マークの表示に必要な情報としては、回路部品毎の重量情報及び基準位置情報である。重量情報は、回路部品毎に規格や仕様で予め決められている。また、基準位置情報は、回路部品の中心位置に関する情報で、例えば図6に示す抵抗器30の場合両端に設けられたリード線がプリント基板に穿設された取付穴部32に実装された場合左側の取付穴部の位置Q(×印で表示)から中心位置P(×印で表示)までの直線距離dの情報である。すなわち、基準位置情報は、プリント基板の基準となる取付位置から中心位置までの隔たりを示す情報で、距離や角度等を用いて表すことができる。 【0021】 実装情報DB24には、プリント基板へ搭載される回路部品の種類やプリント基板上の実装位置等の設計情報に基づくもので、プリント基板毎に異なる情報が蓄積される。例えば、図7に示すように、プリント基板1上に2つの抵抗器R1及びR2が搭載されている場合、プリント基板1の1つの角Oを基準として各抵抗器の基準となる取付位置Q1及びQ2の座標が決められる。取付位置Q1の座標(X1,Y1)、取付位置Q2の座標(X2,Y2)、及び各抵抗器の取付角度θが実装情報として記憶される。 【0022】 そして、こうした基準位置情報及び実装情報から各回路部品の中心位置のプリント基板上での座標が算出され、回路部品の重量情報からその座標位置での重量が求められる。搭載されるすべての回路部品について計算することで、プリント基板全体の重量分布が求められる。 【0023】 図8には、識別マークの表示処理に関するフローが示されている。識別マークの表示処理が開始されると(S100)、プリント基板に搭載される回路部品のリストアップ処理がされる(S101)。リストアップされた回路部品に関する重量情報及び基準位置情報といった部品データが読み出され(S102)、さらに、搭載される回路部品の実装情報が読み出される(S103)。これらの読み出された各回路部品の中心位置に関するプリント基板上での座標が算出される(S104)。例えば、図7の抵抗器R1の中心位置P1の座標は、(X1+d1,Y1)、抵抗器R2の中心位置P2の座標は、(X2,Y2+d2)というように算出される。こうして求められた各回路部品の中心位置の座標にそれぞれの回路部品の重量を割り当てて重量分布が求められる(S105)。求められた重量分布をモニタで表示処理して、プリント基板上のどの位置に識別マークを表示するかまた形状をどのようにするかを検討し、識別マークの表示位置の座標及び形状データを入力処理して(S106)、プリント部からプリント基板上に識別マークをプリントする(S107)。そして、終了処理を行う(S108)。以上のような処理は、プリント基板の設計を行う際に併せて行うこともできる。 【0024】 以上のように、実際に実装されたプリント基板を測定することなく設計段階で識別マークの表示処理が行えるので、従来の作業工程の中で簡単に行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0025】 【図1】本発明に係る実施形態を示す概略平面図である。 【図2】本発明に係る実施形態の識別マーク表示に関する説明図である。 【図3】ハンダ付け処理の機構を示す概略平面図である。 【図4】搬送されるプリント基板の概略断面図である。 【図5】識別マーク表示を行う装置の概略ブロック図である。 【図6】回路部品の基準位置に関する説明図である。 【図7】プリント基板上の各回路部品の中心座標に関する説明図である。 【図8】識別マークの表示処理に関するフロー図である。 【符号の説明】 【0026】 1 プリント基板 2 識別マーク 3 識別マーク 4 識別マーク 10 搬送ベルト 11 爪部 12 ハンダ槽 13 ガイド
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390001959 【氏名又は名称】オリオン電機株式会社 【住所又は居所】福井県武生市家久町41号1番地
|
| 【出願日】 |
平成15年9月2日(2003.9.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111855 【弁理士】 【氏名又は名称】川崎 好昭
|
| 【公開番号】 |
特開2005−79446(P2005−79446A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月24日(2005.3.24) |
| 【出願番号】 |
特願2003−310094(P2003−310094) |
|