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【発明の名称】 プリント基板およびプリント基板の製造方法
【発明者】 【氏名】檜谷 孝行
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】プリント基板のミシン目部にレーザー光により形成する連続した非貫通穴による溝構造を形成することにより、分割時の銅箔パターンへの影響をなくすことができ、かつプリント基板の分割切断面をほぼ直線的にすることができるプリント基板を提供する。

【解決手段】複数個の回路部が構成されているプリント基板において、当該プリント基板を複数個に分割するために、スリットにより形成されたミシン目部にレーザー光により非貫通穴を連続して形成することを特徴とするプリント基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔である複数のスリット部と、
自基板の表裏面の前記スリット部間に連続的にレーザー光により形成された非貫通穴で構成されたミシン目部と、を備え、
前記スリット部および前記ミシン目部に沿って分割することにより形成してなるプリント基板。
【請求項2】
前記スリット部の中心を結ぶ線分上以外の部分に前記ミシン目部を設けることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
【請求項3】
前記ミシン目部を構成する非貫通穴のピッチは、自基板の表面と裏面とで異なり、
前記非貫通穴のピッチが広い方を谷側にして折り曲げることにより分割して形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント基板。
【請求項4】
前記ミシン目部の幅は、自基板の表面と裏面とで異なり、
前記ミシン目部の幅が広い方を谷側にして折り曲げることにより分割して形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリント基板。
【請求項5】
プリント基板に貫通孔である複数のスリット部を形成するステップと
前記プリント基板の表裏面の前記スリット部間に連続的にレーザー光により非貫通穴であるミシン目部を形成するステップと、
前記スリット部および前記ミシン目部に沿って分割するステップと、
を有するプリント基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、分割用のミシン目をレーザー光により形成したプリント基板に関する。また、本発明は、そのプリント基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の回路部を連結させて回路を形成した後に、各回路部を分割することにより製造されるビルドアップ工法を用いたプリント基板において、感光性絶縁樹脂を使用し、フォト法により露光,現像して分割溝を形成し、分割溝を起点として、折り曲げることにより行っていた(例えば、特許文献1)。従来のプリント基板では、分割箇所の表面ビルドアップ層のみに分割溝を形成していた。
【0003】
この方法によれば、分割溝としてVカットを用いる場合に比べて、分割溝形成時に発生する切りくずを防止できる。
【特許文献1】特開平10−163637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプリント基板では、分割箇所は、感光性絶縁樹脂を使用した表面ビルドアップ層のみ加工が施されているだけであるため、破断箇所の全てにわたって少なくともガラスエポキシを使用したコア材を1度に破断する必要がある。このように、プリント基板を1度に破断する箇所が多いと、破断の際に大きな折り曲げ力を必要とするため、プリント基板を分割し難くなる。
【0005】
また、板厚が厚いほどガラスエポキシを使用したコア材の厚さが増しさらに分割が困難になる。
【0006】
また、プリント基板を1度に破断する箇所が多いと、破断箇所とミシン目を形成した部分とのズレが発生しやすい。
【0007】
そこで、本発明は上記従来の課題を解決したものであり、容易に分割でき、品質の良いプリント基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、第1の発明にかかるプリント基板は、貫通孔である複数のスリット部と、自基板の表裏面のスリット部間に連続的にレーザー光により形成された非貫通穴で構成されたミシン目部と、を備え、スリット部およびミシン目部に沿って分割することにより形成してなることを特徴とする。この構成により、1度に破断する箇所を少なくできる。
【0009】
また、第2の発明にかかるプリント基板は、スリット部の中心を結ぶ線分上以外の部分にミシン目部を設けることを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明にかかるプリント基板は、ミシン目部を構成する非貫通穴のピッチは、自基板の表面と裏面とで異なり、非貫通穴のピッチが広い方を谷側にして折り曲げることにより分割して形成されることを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明にかかるプリント基板は、ミシン目部の幅は、自基板の表面と裏面とで異なり、ミシン目部の幅が広い方を谷側にして折り曲げることにより分割して形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明は、容易に分割でき、品質の良いプリント基板を得ることができるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜7を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるプリント基板の分割前の平面図である。図1において、製品基板部1に電気回路が銅配線等(図示省略)により形成されている。製品基板部1aと製品基板部1bとは、分割前プリント基板60の製造過程において一体に構成されている。製品基板部1aと製品基板部1bとの間には、スリット部3およびミシン目部4が一直線状に配置されている。スリット部3は、貫通孔である。各スリット部3の中心間を結ぶ線分上にミシン目部4を設けている。また、分割前プリント基板60には、捨て板部2が形成されている。捨て板部2は最終的に製品にはならず、分割前プリント基板60を分割して製品基板部1a、1bを取り出す際に捨てられる部分である。製品基板部1と捨て板部2との間もスリット部3およびミシン目部4が一直線状に配置されている。
【0015】
図2(a)は図1の要部の拡大図である。スリット部3a、3bの間にレーザー光により非貫通穴7を加工することによりミシン目部4を形成している。このレーザーにより加工される非貫通穴の穴径Dと、スリット幅Cとの関係は、D<Cである。また、このレーザー光により加工される非貫通穴7の穴ピッチEは任意の間隔に設定できる。このピッチEを変化させることでミシン目部4を単位長さ形成するのに必要なレーザーエネルギー照射量を調整でき、レーザー光により加工される非貫通穴の深さを調整することができる。すなわち、穴ピッチEを狭くすることによって、非貫通穴7の深さを深くすることができる。
【0016】
図2(b)は、図2(a)における線分A−Bの断面図である。図2(b)において、ビルドアップ層52は、コア材51の両面に形成されている。さらに、ビルドアップ層52の両面にはソルダーレジスト53が形成されている。非貫通穴7はビルドアップ層52に形成されている。ビルドアップ層52に形成された非貫通穴7の内部は、ソルダーレジスト層53の形成時にソルダーレジストが浸入するため、ソルダーレジストで被覆されている。
【0017】
図3は、分割前プリント基板60の分割後の要部拡大平面図である。製品基板部1と捨て板部2とは、スリット部3およびミシン目部4に沿って分割されている。また、製品基板部1は、スリット部3間の破断後に残された部分として凸部10を有する。この凸部の長さはスリット幅Cの1/2程度である。これは、スリット部3の中心を結ぶ線分上にミシン目部4を形成したためである。なお、製品となるのは、分割後の製品基板部1である。
【0018】
なお、製品基板部1は本発明にかかるプリント基板の一例である。
【0019】
次に、製品基板部1の製造方法について説明する。まず、ミシン目部4を製品基板部1の回路形成時における穴形成の時に同時に形成する。そして、スリット部3を打ち抜き型やルータを利用することにより形成する。これらのミシン目部4およびスリット部3の形成において、ミシン目部4を先に形成しても良いし、スリット部3を先に形成しても良い。それらを形成した分割前プリント基板60(図1参照)を、図2における分割前プリント基板60の表面8または裏面9を谷側にし、裏面9または表面8を山側にして折り曲げる。すると、分割前プリント基板60は、スリット部3およびミシン目部4に沿って、破断することにより分割される。
【0020】
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、製品基板部1は、貫通孔である複数のスリット部3と、自製品基板部1の表裏面の前記スリット部3間に連続的にレーザー光により形成された非貫通穴7で構成されたミシン目部4と、を備え、スリット部3およびミシン目部4に沿って分割することにより形成してなるため、スリット部3を有するために、小さい力で容易に分割することができる。また、破断部は、各スリット部3の間だけであり、非貫通穴7に沿って破断するため、破断面がミシン目部4から大きくずれることを防ぐことができる。
【0021】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1では、スリット部3の中心を結ぶ線分上にミシン目部4を形成したが(図3参照)、本発明の実施の形態2では、スリット部3の中心を結ぶ線分上以外の部分にミシン目部4を設ける。
【0022】
図4は、製品基板部1および捨て板部2の分割後の要部拡大平面図である。図4において、スリット部3の製品基板部1側の端から長さLの位置にミシン目部4を設ける。そうすると、スリット部3およびミシン目部4を形成した後に、分割前プリント基板60を折り曲げると、スリット部3の中心を結ぶ線分上で破断されるのではなく、ミシン目部4が形成された部分で破断される。その結果、製品基板部1は、スリット部3間の破断後に残された部分として、長さLの凸部10を有する。この長さLは、本発明の実施の形態1における凸部長さC/2に比べて小さいものである。
【0023】
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、スリット部3の中心を結ぶ線分上以外の部分にミシン目部4を設けるため、凸部10の長さLを任意に設定することができる。また、凸部10の長さLを小さく設定すること、すなわちスリット部3の中心を結ぶ線分よりも製品基板部1側にミシン目部4を設けることにより、製品基板部1を筐体等に組み込んだ際に他の部材と接触しにくくなるので、製品基板部1が他の部材を損傷させることを防止できる。
【0024】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1では、ミシン目部4を構成する非貫通穴7のピッチは、製品基板部1の表面と裏面とで同一となるよう構成したが(図2(b)参照)、本発明の実施の形態3において、ミシン目部4を構成する非貫通穴7のピッチは、自基板の表面と裏面とで異なるよう構成する。
【0025】
図5は、製品基板部1の破断面の要部拡大側面図である。図5において、コア部51の両面にビルドアップ層52が形成されている。ビルドアップ層52の外側には更にソルダーレジスト層53が形成されている。ミシン目部4を構成する非貫通穴7aおよび7bはビルドアップ層52に形成されている。ビルドアップ層52に形成された非貫通穴7aおよび非貫通穴7bの内部は、ソルダーレジスト層53の形成時にソルダーレジストが浸入するため、ソルダーレジストで被覆されている。非貫通穴7aは、製品基板部1の表面8に形成されている。非貫通穴7bは、製品基板部1の裏面9に形成されている。表面8の非貫通穴7aのピッチIは、裏面9の非貫通穴7bのピッチJよりも狭い。そうすると、上述したように、非貫通穴7aの深さHは、非貫通穴7bの深さKよりも深くなる。
【0026】
次に、製品基板部1の製造方法を説明する。図1に示すように、分割前プリント基板60に、スリット部3およびミシン目部4を形成する。この時、ミシン目部4を構成する非貫通穴7のうち、分割前プリント基板60の表面8側の非貫通穴7aのピッチIを裏面9側の非貫通穴7bのピッチJよりも狭くなるよう形成する。次に、それらを形成した分割前プリント基板60(図1参照)を、分割前プリント基板60の裏面8を谷側にし、表面8を山側にして折り曲げる。すると、分割前プリント基板60は、スリット部3およびミシン目部4に沿って、破断することにより分割される。
【0027】
以上のように、本発明の実施の形態3によれば、ミシン目部4を構成する非貫通穴7のピッチは、自基板の表面8と裏面9とで異なるため、小さい力で容易に分割できるとともに、レーザー穴空け加工を効率的に行うことができる分割前プリント基板60を得ることができる。すなわち、非貫通穴7aは非貫通穴7bよりも深いため、小さい力で容易に分割前プリント基板60をミシン目部4に沿って破断することができる。一方、裏面9側の非貫通穴7bは、分割前プリント基板60の破断時に、分割前プリント基板60表面に形成されたソルダーレジスト層53やビルドアップ層52がコア材51から剥がれてしまうことを防止するために設けているので、非貫通穴7bの深さは非貫通穴7aの深さほど深い必要はない。そのため、非貫通穴7bを浅いものとする。そうすると、裏面9についてはレーザー穴空け加工の頻度を小さくできるため、分割前プリント基板60の生産効率を向上できる。
【0028】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態1では、ミシン目部4の幅は、製品基板部1の表面と裏面とで同一となるよう構成したが(図2(a)および(b)参照)、本発明の実施の形態4において、ミシン目部4の幅は、自基板の表面と裏面とで異なるよう構成する。
【0029】
図6は、本発明の実施の形態4にかかる分割前プリント基板60の表面8から見た要部拡大平面図である。図6において、製品基板部1と捨て板部2との間にスリット部3とミシン目部4とが形成されている。ミシン目部4は、レーザー穴空け加工により非貫通穴7aを形成することにより形成されている。ミシン目部4の幅Fは、レーザー光により加工された非貫通穴7の直径と同一である。
【0030】
図7は、本発明の実施の形態4にかかる分割前プリント基板60の裏面9から見た要部拡大平面図である。図7において、ミシン目部4は、表面8と同様にレーザー穴空け加工により非貫通穴7bを形成することにより形成されている。非貫通穴7bは、スリット部3の中心を結ぶ線分を中心として、千鳥状に形成する。そのため、ミシン目部4の幅Gは、レーザー光により加工された非貫通穴7bの直径よりも大きいものとなる。従って、裏面9のミシン目部4の幅Gは、表面8のミシン目部4の幅Fよりも大きく形成されている。
【0031】
次に、製品基板部1の製造方法について説明する。図1のように、分割前プリント基板60にスリット部3およびミシン目部4を形成する。この時、分割前プリント基板60の表面8のミシン目部4は、非貫通穴7aを一列になるようにレーザー光により形成することにより形成される。一方、裏面9のミシン目部4は、非貫通穴7bを千鳥状にレーザー光により形成することにより形成される。次に、それらを形成した分割前プリント基板60(図1参照)を、分割前プリント基板60の表面8を山側にし、裏面9を谷側にして折り曲げる。すると、分割前プリント基板60は、スリット部3およびミシン目部4に沿って、破断することにより分割される。
【0032】
以上のように、ミシン目部4の幅は、自基板60の表面8と裏面9とで異なり、ミシン目部4の幅が広い方である裏面9を谷側にして折り曲げることにより分割して形成されるため、破断面のズレが少ない分割前プリント基板60を得ることができる。すなわち、分割前プリント基板60の分割は表面8を山側にするため、表面8側で破断が始まる。このときの破断は、表面8側のミシン目部4を起点とするため、ミシン目部4と破断開始面とのズレはない。一方、破断は、裏面9側のミシン目部4で終了するとは限らず、ミシン目部4を外れた箇所で破断が終了する場合も考えられる。この際、本発明の実施の形態4のように分割時に谷側になる方の面のミシン目部4の幅を広くすると、破断面がミシン目部4から外れ難くなる。そうすると、ミシン目部4から破断部が外れた際には、ソルダーレジスト53やビルドアップ層52がコア層51から剥がれるのであるが、これを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明にかかるプリント基板は、レーザー光による穴空け加工および打ち抜き型やルータ等によるスリット部形成工程により形成されるビルドアップ基板等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1〜4にかかる分割前プリント基板の平面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1にかかる分割前プリント基板の要部拡大平面図、(b)(a)に示す分割前プリント基板の線分A−Bにおける断面図
【図3】本発明の実施の形態1にかかる分割後のプリント基板の要部拡大平面図
【図4】本発明の実施の形態2にかかる分割後のプリント基板の要部拡大平面図
【図5】本発明の実施の形態3にかかる分割後のプリント基板の要部拡大側面図
【図6】本発明の実施の形態4にかかる分割前プリント基板の表面から見た要部拡大平面図
【図7】本発明の実施の形態4にかかる分割前プリント基板の裏面から見た要部拡大平面図
【符号の説明】
【0035】
1 製品基板部
2 捨て板部
3 スリット部
4 ミシン目部
7 非貫通穴
8 表面
9 裏面
60 分割前プリント基板
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2005−79427(P2005−79427A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−309791(P2003−309791)