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【発明の名称】 高周波回路装置
【発明者】 【氏名】中村 滋宏
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】馬場 清一
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】今岡 俊一
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】高周波回路装置にコプレーナ線路を使用することにより小型化および高精密化を実現する。

【解決手段】パッケージ18にはトランジスタ、ダイオード、ICが内蔵され、露出する入力引出電極19A、出力引出電極19Bおよび接地引出電極21を有し、2つの中心導体11A、11Bは絶縁性のモジュール基板に形成され前記パッケージの入力引出電極、出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有し、ギャップを有するように前記2つの中心導体を包囲し形成され、且つスルーホールを介してモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体12Aが、前記中心導体とギャップを包囲するように形成され、2つの中心導体、スルーホール、接地導体はパッケージの外形に対称に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、露出する入力引出電極、出力引出電極および接地引出電極を有するパッケージと、
絶縁性のモジュール基板に形成され前記パッケージの入力引出電極および出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有する中心導体と、
ギャップを有するように前記中心導体を包囲し形成され、且つモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体とよりなり
前記接地導体は、前記中心導体とギャップを包囲するように形成することを特徴とする高周波回路装置。
【請求項2】
トランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、対角線上に設けられ且つ露出される入力引出電極と出力引出電極および接地引出電極を有するパッケージと、
絶縁性のモジュール基板にパッケージの中心点に点対称に形成され前記パッケージの入力引出電極および出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有する中心導体と、
ギャップを有するように中心導体を包囲し形成され、且つモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体とよりなり、
前記接地導体は、前記中心導体とギャップを包囲するように形成することを特徴とする高周波回路装置。
【請求項3】
トランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、同列に設けられた入力引出電極と出力引出電極および接地引出電極を有するパッケージと、
絶縁性のモジュール基板にパッケージの中心線に線対称に形成され前記パッケージの入力引出電極および出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有する中心導体と、
ギャップを有するように中心導体を包囲し形成され、且つモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体とよりなり、
前記接地導体は前記中心導体とギャップを包囲するように形成することを特徴とする高周波回路装置。
【請求項4】
前記モジュールの表面に形成された接地導体と裏面接地導体とをスルーホールで接続し、且つスルーホールがパッケージの中心に点対称または線対称に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載の高周波回路装置。
【請求項5】
前記入力引出電極はバイポーラトランジスタのベース引出電極であり、出力引出電極はコレクタ引出電極であり、接地引出電極はエミッタ引出電極であることを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載の高周波回路装置。
【請求項6】
前記入力引出電極は電界効果型トランジスタのゲート引出電極であり、出力引出電極はドレイン引出電極であり、接地引出電極はソース引出電極であることを特徴とする請求項1から請求項3いずれか記載の高周波回路装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はモジュール基板の引出電極パターンをコプレーナ線路とし、小型化を図った高周波回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器等の使用周波数の高周波化および小型化にともない、モジュール基板の引出電極にマイクロストリップ線路が使用される。
【0003】
図14は高周波回路に従来から用いられているマイクロストリップ線路1で、セラミック等からなるモジュール基板2の表面に白金などにより引出電極となる導電パターン3が形成されている。
【0004】
図15は図14で示すマイクロストリップ線路1をモジュール基板の引出電極に用いた従来の高周波回路装置の平面図である。
【0005】
パッケージ4はトランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、入力引出電極5a、出力引出電極5b、接地電極5cが下面より露出される。
【0006】
パッケージ4の入力引出電極5aはマイクロストリップ線路6aにて引出され、出力引出電極5bはマイクロストリップ線路6bにて引出される。さらに接地電極5c、5cはマイクロストリップ線路6cにて引出される。
【0007】
入力引出電極5aおよび出力引出電極5bは所定のインピーダンスであることが必要であるために、モジュール基板2の厚さHmicが800μmで、導電体3の線路幅Wmiが800μmと、マイクロストリップ線路6a、6bは比較的太い導体となる。
【0008】
モジュール基板2を薄くして、入出力引出電極の引出し電極となるマイクロストリップ線路6a、6b、6c等を細くする方法も考えられる。これにより高集積化も可能である。この場合にモジュール基板2全体を薄くする必要はなく、細いマイクロストリップ導体が必要な場所にのみ薄いモジュール基板を用い、それ以外は通常の厚さのモジュール基板2を用いることも可能である。
【特許文献1】特開2000−68715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した図15に示すように、太いマイクロストリップ線路1で引出電極パターンにしてしまうと、配線が困難であり、モジュール基板2の集積化も困難となる。
【0010】
また、モジュール基板2を薄くし引出しパターンを細くすると、機械的強度が低下し、高周波回路全体の伝送損失および誘電体損失が増加してしまう。細いマイクロストリップ配線を用いる個所のみモジュール基板2を薄くすることは、厚さの異なるモジュール基板を扱うこととなり、モジュール基板2とモジュール基板2とのつなぎ合わせによる費用、製作時間がかかるなど諸問題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はコプレーナ線路を使用することにより小型化および高精密化を実現するもので、
トランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、露出する入力引出電極、出力引出電極および接地引出電極を有するパッケージと、絶縁性のモジュール基板に形成され前記パッケージの入力引出電極および出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有する中心導体と、ギャップを有するように中心導体を包囲し形成され、且つモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体とよりなり、前記接地導体は前記中心導体とギャップを包囲するように形成する高周波回路装置を提供する。
【0012】
また本発明はトランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、対角線上に設けられ且つ露出される入力引出電極と出力引出電極および接地引出電極を有するパッケージと、絶縁性のモジュール基板にパッケージの中心点に点対称に形成され前記パッケージの入力引出電極および出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有する中心導体と、ギャップを有するように中心導体を包囲し形成され、且つモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体とよりなり、前記接地導体は前記中心導体とギャップを包囲するように形成する高周波回路装置を提供する。
【0013】
さらに本発明はトランジスタ、ダイオード、ICなどが内蔵され、同列に設けられた入力引出電極と出力引出電極および接地引出電極を有するパッケージと、絶縁性のモジュール基板にパッケージの中心線に線対称に形成され前記パッケージの入力引出電極および出力引出電極にそれぞれ接続される始端部と幅広にされた中間部を有する中心導体と、ギャップを有するように中心導体を包囲し形成され、且つモジュール基板の裏面の裏面接地導体に接続された接地導体とよりなり、前記接地導体は前記中心導体とギャップを包囲するように形成する高周波回路装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の高周波回路装置は入力引出電極および出力引出電極となる中心導体を囲むように裏面接地導体と接続された接地導体を設け、中心導体と接地導体間のギャップを調整して、中心導体の幅が広くなくても必要とする入出力インピーダンスが得られる。
【0015】
従って機械的強度を保ちつつ、モジュール基板部分の高密度、高集積化、高周波回路全体の損失低減、低コスト、制作時間の短縮を実現することが出来る。また入出力引出電極パターンを対称に配置することで、入出力信号を容易に考察することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の高周波回路装置を図1〜図13に従って説明する。
【0017】
図1は本発明の高周波回路装置に用いたコプレーナ線路9の斜視図である。コプレーナ線路9はモジュール基板10上に中心導体11およびギャップGcop1を設けて両側に接地導体12が形成されている。さらに接地導体12はタングステンなどからなるスルーホール15にて裏面接地導体16と接続されている。
【0018】
前述の中心導体11は外部入力引出電極および外部出力引出電極となり、また接地導体12は外部接地引出電極となる。モジュール基板10はセラミックなどからなり、また中心導体11および接地導体12は白金などを蒸着するなどし、モジュール基板10の表面に形成している。
【0019】
図2にシミュレータによる計算結果を示す表である。図2(A)は50Ωのマイクロストリップ線路1の特性インピーダンスZを得る場合のモジュール基板2の厚さHmicと導電パターン3の幅Wmicおよび長さLmicの関係を示したものである。
【0020】
図14に示す、マイクロストリップ線路1はモジュール基板2の厚さHmicの増減により導電体3の幅Wmicも増減することが分かる。これより分かるように、モジュール基板2の厚さHmicを薄くする程幅Wmicも狭くできるが強度が問題となるので、モジュール基板2はある程度以下に薄くできない。そのため導電体3の幅Wmicが広くなり高周波回路装置の小型化を阻害した。
【0021】
一方、コプレーナ線路9は中心導体11と接地される接地導体12とのギャップGcop1によりほぼ決定される。
【0022】
図2(B)は50Ωのコプレーナ線路9の特性インピーダンスZを得るために、中心導体11と接地される接地導体12とのギャップGcop1を250μmに固定し、基板の厚みHcopを変えたものであり、この場合モジュール基板の厚さHcopの増減では中心導体の幅Wcopはさほど変化しないことがわかる。
【0023】
図2(C)は50Ωのコプレーナ線路9の特性インピーダンスZを得るために、モジュール基板の厚さHcopを635μmに固定して、中心導体11と接地される接地導体12とのギャップGcop1を変えたものであり、この場合、ギャップGcop1を150μmにすると中心導体11の幅は345μmとなり、高周波回路装置の小型化が可能となる。
【0024】
図3および図4は前述したコプレーナ線路9を用いた本発明の高周波回路装置の平面図と断面図である。モジュール基板10には白金などで形成された中心導体11Aと接地導体12Aとを有し、接地導体12Aは中心導体11Aを包囲するように設けられている。パッケージ18には入力引出電極19A、出力引出電極19B及び接地引出電極21を有する。中心導体11Aはパッケージ18の前記入力引出電極19Aに接続される細長の始端部11A1、傾斜辺11A2に連なる幅広の中間部11A3と該中間部11A3に連なる外部引出電極部11A4とを有する。
【0025】
接地導体12Aはパッケージ18の接地引出電極21に接続される始端部12A1と傾斜辺12A2および端部12A3とよりなり、始端部12A1と傾斜辺12A2および端部12A3は中心導体11Aの始端部11A1と傾斜辺11A2および中間部11A3にギャップGcop1、Gcop2を有し隣接して設けられている。また接地導体12Aはタングステンなどからなるスルーホール23で裏面接地導体16に接続される。
【0026】
図5は本発明の高周波回路装置に用いているパッケージ18の等価回路であり、LWb、LWc、LWeは各ボンディングワイヤーの寄生インダクタンスであり、LLb、L、LLeはボンディングパッドとスルーホールと外部引出電極からなる導体配線の寄生インダクタンスである。
【0027】
また、CPbc、CPbe、CPceはボンディングパッドからなるパッケージ部の電極導体間の寄生キャパシタンスであり、CSbc、CSbe、CSceは外部引出電極導体間の寄生キャパシタンスである。
【0028】
パッケージ18にはエミッタ引出電極27、コレクタ引出電極28およびベース引出電極29が下面外部に露出して形成されている。本発明の実施例ではエミッタが接地引出電極となり、コレクタが出力引出電極となり、そしてベースが入力引出電極としたが、コレクタまたはベースを接地引出電極としても適用できる。また、本発明の高周波回路装置に用いたトランジスタチップはバイポーラトランジスタであるが、電界効果型トランジスタにおいても適用できる。
【0029】
図6および図7は図3のX部分の平面図および断面図である。中心導体11Aの終端部は外部引出電極部11A4と成っていることを示している。モジュール基板の厚みは635μmであり、外部引出電極部11A4の長辺は620μmで短辺が182μmである。
【0030】
図8及び図9は図3のY部分の平面図および断面図である。中心導体11Aの中間部11A3と接地導体12Aの端部12A3とが隣接して設けられていることを示している。中間部11A3の長辺は620μmで長さが216μmである。そして中心導体11Aの中間部11A3と接地導体12Aの端部12A3とのギャップGcop1の幅は240μmである。
【0031】
図10及び図11は図3のZ部分の平面図および断面図である。ここでも中心導体11Aの始端部11A1に隣接して接地導体12Aの始端部12A1が隣接して設けられていることを示している。始端部11A1の幅は150μmで長さが210μmである。そして中心導体11Aの始端部11A1と接地導体12Aの始端部12A1とのギャップGop2の幅は70μmである。
【0032】
このように本発明の高周波回路装置は中心導体11Aを包囲するように接地導体12Aを設け、中心導体11Aと接地導体12Aとの間にギャップを形成し、ギャップ幅を変えて入出力インピーダンスを得るようにしたので、中心導体11Aの幅を狭くできモジュール基板部分の高密度および高集積化が可能となる。
【0033】
図12は本発明の高周波回路装置の実施例を示す平面図である。モジュール基板10にはパッケージ18の中心点を点対称とする位置に第1の中心導体11Aと第2の中心導体11Bとが形成されている。接地導体12Aはパッケージ18の中心点を対称として4つのスルーホール23で裏面接地導体16に接続されている。
【0034】
第1の中心導体11Aおよび第2の中心導体11Bを囲むように接地導体12Aが設けられており、第1の中心導体11Aおよび第2の中心導体11Bと接地導体12A間にギャップGcop1を形成することにより、第1の中心導体11Aおよび第2の中心導体11Bの導電幅を広くしないでも高周波回路の入出力インピーダンスで必要とする50Ωが得られる。
【0035】
第1の中心導体11Aの始端部11A1はパッケージ18の入力引出電極19Aに接続されており、第2の中心導体11Bの始端部11B1はパッケージ18の出力引出電極19Bに接続されている。一例として、第1の中心導体11Aの始端部11A1は図5に示すパッケージ18のベース電極29に接続され、第2の中心導体11Bの始端部11B1はコレクタ引出電極28に接続される。さらに接地導体12Aの始端部12A1はパッケージ18のエミッタ引出電極27に接続されている。
【0036】
本入出力引出電極パターンにより、どちらか一方の中心導体の入出力信号を測定することで、もう一方の特性を知ることが出来る。
【0037】
図13は本発明の高周波回路装置の他の実施例を示す平面図である。モジュール基板10にはパッケージ18の中心線を線対称とする位置に第1の中心導体11Aと第2の中心導体11Bとが形成されている。接地導体12Aはパッケージ18の中心線を線対称として3つのスルーホール23で裏面接地導体16に接続されている。それ以外は図12と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の高周波回路装置に用いたコプレーナ線路の斜視図である。
【図2】シミュレータによるマイクロスプリット線路とコプレーナ線路の形状比較を示す表である。
【図3】本発明の高周波回路装置の平面図である。
【図4】本発明の高周波回路装置の断面図である。
【図5】本発明の高周波回路装置に用いているパッケージの等価回路図である。
【図6】図3のX部分の平面図である。
【図7】図3のX部分の断面図である。
【図8】図3のY部分の平面図である。
【図9】図3のY部分の断面図である。
【図10】図3のZ部分の平面図である。
【図11】図3のZ部分の断面図である。
【図12】本発明の高周波回路装置の実施例を示す平面図である。
【図13】本発明の高周波回路装置の他の実施例を示す平面図である。
【図14】従来の高周波回路装置に用いたマイクロストリップ線路の斜視図である。
【図15】従来の高周波回路装置の平面図である。
【符号の説明】
【0039】
9 コプレーナ線路
10 モジュール基板
11 中心導体
12A 接地導体
16 裏面接地導体
18 パッケージ
19A 入力引出電極
19B 出力引出電極
26 トランジスタチップ
27 エミッタ引出電極
28 コレクタ引出電極
29 ベース引出電極
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅

【公開番号】 特開2005−51161(P2005−51161A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−283961(P2003−283961)